JP2015151649A - 合成紙の表面処理方法、積層体および印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷適性に優れた合成紙を得る処理方法を提供すること。【解決手段】表面処理剤を塗布する工程を含む合成紙の表面処方法であって、前記表面処理剤が少なくともオレフィン系樹脂組成物を含む水分散体であることを特徴とする表面処理方法。【選択図】なし
Description
本発明は、合成紙の表面処理方法、積層体、および印刷物に関する。
合成樹脂からなる合成紙は、包装材料、地図、ポスター、包材、乾燥袋、高強度封筒、荷札、ラベル、酸素富化膜支持体、滅菌紙、ハウスラッピング、外壁と断熱材の間に使用されるハウスラップ等広く用いられている。
合成紙の製造方法には、合成樹脂を押出成型したフィルムと紙を貼り合わせた「内部紙化方式」や、プラスチックフィルムの表面にピグメント塗工層を設けた「表面塗工方式」、プラスチックフィルムの表面を化学的もしくは物理的に処理した「表面処理方式」がある。また、合成樹脂を繊維状に加工し、パルプの代わりに用いバインダーで抄紙した「合成パルプ紙」、合成樹脂を溶解し、ノズルから噴射して合成繊維と同じように紡糸したエンドレスの繊維をランダムに並べ、部分的に熱接着させて繊維間結合を持たせた「スパンボンド紙」がある。いずれの合成紙でも安価であるポリオレフィンを用いたものが代表的である。
しかし、これらのポリオレフィン系合成紙は、その原料であるポリオレフィンが無極性であることから、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の印刷適性や溶融熱転写プリンターや昇華熱転写プリンター等のプリンター適性において必ずしも満足すべきものでない。そのため、適当な表面処理を施してから使用する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、インクジェットプリンターでの印刷に適した表面処理方法はこれまでなかった。
本発明の課題は、印刷適性に優れた合成紙を得る処理方法を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の表面処理剤を塗布することにより優れた印刷適性を示す事を見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下である。
[1]
表面処理剤(A)を塗布する工程を含む合成紙の表面処方法であって、前記表面処理剤(A)が少なくともオレフィン系樹脂組成物を含む水分散体であることを特徴とする表面処理方法。
[2]
前記表面処理剤(A)がさらにアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする[1]記載の合成紙の表面処理方法。
[3]
前記表面処理剤(A)が分散剤を含まないことを特徴とする[1]記載の合成紙の表面処理方法。
[4]
前記表面処理剤(A)に含まれる前記オレフィン系樹脂組成物の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の合成紙の表面処理方法。
[5]
前記合成紙がスパンボンド紙又は合成パルプ紙であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の表面処理方法
[6]
[1]〜[5]記載の表面処理方法を用いた合成紙にインクジェットインキを用いて印刷されたことを特徴とする印刷物。
[7]
合成紙と、前記オレフィン系樹脂組成物を含んで形成される表面層とを備え、前記合成紙と前期表面層の少なくとも一部が接触している積層体。
[1]
表面処理剤(A)を塗布する工程を含む合成紙の表面処方法であって、前記表面処理剤(A)が少なくともオレフィン系樹脂組成物を含む水分散体であることを特徴とする表面処理方法。
[2]
前記表面処理剤(A)がさらにアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする[1]記載の合成紙の表面処理方法。
[3]
前記表面処理剤(A)が分散剤を含まないことを特徴とする[1]記載の合成紙の表面処理方法。
[4]
前記表面処理剤(A)に含まれる前記オレフィン系樹脂組成物の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の合成紙の表面処理方法。
[5]
前記合成紙がスパンボンド紙又は合成パルプ紙であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の表面処理方法
[6]
[1]〜[5]記載の表面処理方法を用いた合成紙にインクジェットインキを用いて印刷されたことを特徴とする印刷物。
[7]
合成紙と、前記オレフィン系樹脂組成物を含んで形成される表面層とを備え、前記合成紙と前期表面層の少なくとも一部が接触している積層体。
本発明を用いると合成紙に印刷を行う際の印刷適性を向上させることができる。
[表面処理剤(A)]
本発明に用いられる表面処理剤(A)はオレフィン系樹脂組成物を含んでなることを特徴とする。
本発明に用いられる表面処理剤(A)はオレフィン系樹脂組成物を含んでなることを特徴とする。
オレフィン系樹脂組成物とは、オレフィン系単量体から誘導される構成単位を有するものである。すなわち、オレフィン系樹脂組成物は、オレフィン系単量体の単独重合体、またはオレフィン系単量体と他の単量体の共重合体である。オレフィン系樹脂組成物は単一の種類の重合体からなるものであってもよく、2種類以上の重合体が混合したものであってもよい。オレフィン系樹脂組成物の具体例としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン;あるいは、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体で代表されるエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンの単独重合体、又は、これらのうちの2種類又は3種類以上のランダムあるいはブロック共重合体;または、エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・エチリデンノルボルネン共重合体で代表されるα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役等ジエンとの共重合体;あるいは、エチレン・プロピレン・ブタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1,5−ヘキサジエン3元共重合体等で代表される2種類以上のα−オレフィンと共役ジエン、又は、非共役ジエンとの共重合体;あるいは、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属アイオノマーまたはアルカリ土類金属アイオノマー等のオレフィン系単量体と他の熱可塑性単量体との共重合体等、を挙げることができる。
その他、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエンランダム共重合体の水素添加物などが挙げられ、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の構成としては、スチレン−共役ジエンのジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−共役ジエン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加物などが挙げられる。また、上記記載のオレフィン系樹脂組成物単独またはこれら2種以上の混合物に、以下に記載した官能基含有モノマーで一部が変性されたオレフィン系樹脂組成物を含んでも何ら問題ない。
ここで用いられる官能基含有モノマーとは、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体およびその他共重合可能な単量体からなる共重合性モノマーであり、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどの水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有ビニル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素化合物、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの無水カルボン酸類が挙げられ、これらは単独でも、2種以上でも使用できる。
本発明において、オレフィン系樹脂組成物の平均粒子径は、20μm以下であり、好ましくは10μm以下である。このような平均粒子径とすることで、製膜性と目止め性が向上する効果が得られる。なお、本発明において、平均粒子径とは体積平均粒子径のことであり、例えば、マイクロトラック粒度分布装置(日機装株式会社)で測定することができる。
[水性分散体]
本発明に用いられる水性分散体は、以上の構成のものに、さらに水を含有するものである。
本発明に用いられる水性分散体は、以上の構成のものに、さらに水を含有するものである。
さらに、本水性分散体は、界面活性剤を含まないかまたは、アニオン系界面活性剤を含んでいてもよい。このような構成とすることで、水性分散体の安定性が向上する効果が得られる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、たとえば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、メラニン樹脂スルホン酸ナトリウム、特殊ポリアクリル酸塩、グルコン酸塩、オレイン酸カリウム、オレフィン・マレイン酸コポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、牛脂酸カリウム、牛脂酸ナトリウム、及び金属石鹸(Zn、Al、Na、K塩)等があげられる。これらのアニオン系界面活性剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、シュガー脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等のノニオン系界面活性剤、及びアル
キルアンモニウムクロライド、トリメチルアルキルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムクロライド、カゼイン等の両性界面活性剤等を使用してもよい。これらの界面活性剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等のノニオン系界面活性剤、及びアル
キルアンモニウムクロライド、トリメチルアルキルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムクロライド、カゼイン等の両性界面活性剤等を使用してもよい。これらの界面活性剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
オレフィン系樹組成物の水性分散体への調製方法としては、特に制限されるものではないが、たとえばオレフィン系樹組成物及び/またはアニオン系界面活性剤を溶融混練し、次いで、得られた混練物に塩基性物質と水を添加してさらに溶融混練することにより、中和および/またはケン化と、オレフィン系樹組成物の水相への分散(転相)を行なって水性分散体を得る方法、または、予めオレフィン系樹組成物に塩基性物質と水を添加して、中和および/またはケン化し、これをオレフィン系樹組成物及びアニオン系界面活性剤と溶融混練した後、さらに水を添加して溶融混練することにより、オレフィン系樹組成物の水相への転相(分散)を行なって水性分散体を得る方法が挙げられる。前記オレフィン系樹組成物の水相への転相に利用する溶融混練手段は、公知のいかなる手段でもよいが、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機などの溶融混練装置を用いる溶融混練手段が好ましい。
[合成紙]
本発明に用いられる合成紙としては、製造法から大別し、フィルム法合成紙とファイバー法合成紙があげられる。さらに具体的には、合成樹脂に充填材および添加剤を加えて混合し、押し出し機で溶融混練後、Tダイ・スリットから押し出してフィルム成形で得られる「内部紙化方式」やプラスチックフィルム(上記の内部紙化方式合成紙も含めて)の表面に通常のコート紙と同様にピグメント塗工層を設ける「表面塗工方式」や、合成樹脂フィルムの表面を化学的もしくは物理的に処理した「表面処理方式」で得られる「フィルム法合成紙」が挙げられる。また、合成樹脂を原料にして作られた樹脂ファイバーをパルプ代わりの原料とし、バインダーなどを加えて通常の抄紙機で製紙される「合成パルプ紙」や、合成樹脂を溶解し、ノズルから噴射して合成繊維と同じように紡糸し、熱接着させた「スパンボンド紙」が挙げられる。本発明において特に好ましい合成紙は、スパンボンド紙、合成パルプ紙である。なお、用いられる合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、たとえば、エチレン系、プロピレン系、メチルペンテン系重合体からなる樹脂や、それらに、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等との共重合体からなる樹脂が用いられる。また、これらの樹脂はそれぞれ単独でも混合してもの用いることができる。
本発明に用いられる合成紙としては、製造法から大別し、フィルム法合成紙とファイバー法合成紙があげられる。さらに具体的には、合成樹脂に充填材および添加剤を加えて混合し、押し出し機で溶融混練後、Tダイ・スリットから押し出してフィルム成形で得られる「内部紙化方式」やプラスチックフィルム(上記の内部紙化方式合成紙も含めて)の表面に通常のコート紙と同様にピグメント塗工層を設ける「表面塗工方式」や、合成樹脂フィルムの表面を化学的もしくは物理的に処理した「表面処理方式」で得られる「フィルム法合成紙」が挙げられる。また、合成樹脂を原料にして作られた樹脂ファイバーをパルプ代わりの原料とし、バインダーなどを加えて通常の抄紙機で製紙される「合成パルプ紙」や、合成樹脂を溶解し、ノズルから噴射して合成繊維と同じように紡糸し、熱接着させた「スパンボンド紙」が挙げられる。本発明において特に好ましい合成紙は、スパンボンド紙、合成パルプ紙である。なお、用いられる合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、たとえば、エチレン系、プロピレン系、メチルペンテン系重合体からなる樹脂や、それらに、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等との共重合体からなる樹脂が用いられる。また、これらの樹脂はそれぞれ単独でも混合してもの用いることができる。
[合成紙の表面処理方法]
上記表面処理剤(A)の各成分は、そのままで、或いは水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に希釈溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが好ましい。溶液濃度は通常0.05〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%程度である。0.05重量%未満では、水分の乾燥工程や乾燥時間の延長等の工夫が必要であり、60重量%を超えると塗工斑が生じやすくなる傾向がある。
上記表面処理剤(A)の各成分は、そのままで、或いは水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に希釈溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが好ましい。溶液濃度は通常0.05〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%程度である。0.05重量%未満では、水分の乾燥工程や乾燥時間の延長等の工夫が必要であり、60重量%を超えると塗工斑が生じやすくなる傾向がある。
塗工方法は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て余分な水や親水性溶剤を除去したりする。
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜10g/m2が好ましく、0.01〜1g/m2がより好ましく、0.01〜0.6g/m2が特に好ましい。0.005g/m2未満では改善効果が不十分であり、10g/m2を超えると効果が飽和する傾向がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
[合成紙]
<実施例1>
ポリエチレン系樹脂からなる合成パルプを、実験室用角型手抄きシートマシンを用いて坪量60g/m2の手抄き紙を作製し、ロータリードライヤーを用いて温度110℃で乾燥し、さらに熱処理装置を用いて温度130℃で熱処理を行って合成紙を得た。
<製造例2>
ポリプロピレン系樹脂からなる合成パルプを用いた以外は、製造例1に準じて合成紙を得た。
<製造例3>
ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる合成パルプを用いた以外は製造例1に準じて合成紙を得た。
[平均粒子径の測定方法]
マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社)を用いて測定した。粒子形状を真球形、粒子の屈折率を1.50、分散溶剤を水、分散溶媒の屈折率を1.33として測定を行い、体積平均粒子径を平均粒子径とした。
<実施例1>
ポリエチレン系樹脂からなる合成パルプを、実験室用角型手抄きシートマシンを用いて坪量60g/m2の手抄き紙を作製し、ロータリードライヤーを用いて温度110℃で乾燥し、さらに熱処理装置を用いて温度130℃で熱処理を行って合成紙を得た。
<製造例2>
ポリプロピレン系樹脂からなる合成パルプを用いた以外は、製造例1に準じて合成紙を得た。
<製造例3>
ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる合成パルプを用いた以外は製造例1に準じて合成紙を得た。
[平均粒子径の測定方法]
マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社)を用いて測定した。粒子形状を真球形、粒子の屈折率を1.50、分散溶剤を水、分散溶媒の屈折率を1.33として測定を行い、体積平均粒子径を平均粒子径とした。
[水分散体]
<水分散体−1>
密度0.92g/mL、融点102℃のポリエチレン160gに酸変性エチレン系樹脂(酸価30)40gを200℃で溶融混合した。内容量4Lの耐圧ホモミキサーに水1500mLおよび水酸化ナトリウム1.5gを入れ、180℃に加熱して5000rpmで攪拌しながら前述の溶融状態のポリエチレン組成物をギアーポンプによって1時間で供給した。さらに30分攪拌後、室温まで冷却し、水分散体−1を得た。得られた水分散体−1の平均粒子径は6μmであった。
<水分散体−1>
密度0.92g/mL、融点102℃のポリエチレン160gに酸変性エチレン系樹脂(酸価30)40gを200℃で溶融混合した。内容量4Lの耐圧ホモミキサーに水1500mLおよび水酸化ナトリウム1.5gを入れ、180℃に加熱して5000rpmで攪拌しながら前述の溶融状態のポリエチレン組成物をギアーポンプによって1時間で供給した。さらに30分攪拌後、室温まで冷却し、水分散体−1を得た。得られた水分散体−1の平均粒子径は6μmであった。
<水分散体−2>
ポリエチレンをエチレン−1−ブテン共重合体(密度0.89g/mL、融点77℃)に変更した以外は水分散体−1と同様の方法で水分散体−2を得た。得られた水分散体−2の平均粒子径は4μmであった。
ポリエチレンをエチレン−1−ブテン共重合体(密度0.89g/mL、融点77℃)に変更した以外は水分散体−1と同様の方法で水分散体−2を得た。得られた水分散体−2の平均粒子径は4μmであった。
<水分散体−3>
エチレン系樹脂(メルトインデックス(190℃)0.4)100重量部、酸変性エチレン系樹脂(酸価30)10重量部およびアニオン系界面活性剤としてオレイン酸カリウム3重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、水酸化カリウムの20%水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:120℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入して水分散体−3を得た。得られた水分散体−3の平均粒子径は0.4μmであった。
エチレン系樹脂(メルトインデックス(190℃)0.4)100重量部、酸変性エチレン系樹脂(酸価30)10重量部およびアニオン系界面活性剤としてオレイン酸カリウム3重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、水酸化カリウムの20%水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:120℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入して水分散体−3を得た。得られた水分散体−3の平均粒子径は0.4μmであった。
<水分散体−4>
エチレン系アイオノマー(メルトインデックス(190℃)0.9、メタアクリル酸含有量15重量%、中和度54%、中和剤水酸化ナトリウム)100gを250℃に溶解し、水0.3Lを装入し、170℃に加熱した内容積1Lの耐圧ホモミキサーに1000rpmで攪拌しながら室温まで冷却し、水分散体−4を得た。得られた水分散体−4の平均粒子径は0.1μm以下であった。
エチレン系アイオノマー(メルトインデックス(190℃)0.9、メタアクリル酸含有量15重量%、中和度54%、中和剤水酸化ナトリウム)100gを250℃に溶解し、水0.3Lを装入し、170℃に加熱した内容積1Lの耐圧ホモミキサーに1000rpmで攪拌しながら室温まで冷却し、水分散体−4を得た。得られた水分散体−4の平均粒子径は0.1μm以下であった。
<水分散体−5>
ポリエチレンをポリプロピレン(密度0.90g/mL)に変更した以外は水分散体−1と同様の方法で水分散体−5を得た。得られた水分散体−5の平均粒子径は1μmであった。
ポリエチレンをポリプロピレン(密度0.90g/mL)に変更した以外は水分散体−1と同様の方法で水分散体−5を得た。得られた水分散体−5の平均粒子径は1μmであった。
<水分散体−6>
樹脂として、プロピレン系樹脂(メルトインデックス(190℃)3.0)100重量部、酸変性プロピレン系樹脂(酸価45)10重量部を用いた以外は水分散体−3と同様の方法で水分散体−6を得た。得られた水分散体−6の平均粒子径は0.4μmであった。
樹脂として、プロピレン系樹脂(メルトインデックス(190℃)3.0)100重量部、酸変性プロピレン系樹脂(酸価45)10重量部を用いた以外は水分散体−3と同様の方法で水分散体−6を得た。得られた水分散体−6の平均粒子径は0.4μmであった。
これらの結果を表1に示す。
これらの水分散体を合成紙に塗工し、インク転写性を次のように評価した。
[塗工紙の評価]
得られた塗工紙にインクジェットプリンター(キャノン社製 PIXUS ip4300)を用いて印字し、インク転写性を目視で評価した。
○:鮮明に印字されている
×:印字が読み取れない、またはインクが転写されていない
[塗工紙の評価]
得られた塗工紙にインクジェットプリンター(キャノン社製 PIXUS ip4300)を用いて印字し、インク転写性を目視で評価した。
○:鮮明に印字されている
×:印字が読み取れない、またはインクが転写されていない
<実施例1>
製造例1で得られた合成紙に水分散体−1を膜厚が3μmとなるように塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥し塗工紙を得た。
製造例1で得られた合成紙に水分散体−1を膜厚が3μmとなるように塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥し塗工紙を得た。
<実施例2>
塗工する水分散体を水分散体−2に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
塗工する水分散体を水分散体−2に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例3>
塗工する水分散体を水分散体−3に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
塗工する水分散体を水分散体−3に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例4>
塗工する水分散体を水分散体−4に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
塗工する水分散体を水分散体−4に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例5>
合成紙を製造例2で得られた合成紙とし、塗工する水分散体を水分散体−5に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
合成紙を製造例2で得られた合成紙とし、塗工する水分散体を水分散体−5に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例6>
塗工する水分散体を水分散体−6に変更した以外は実施例5と同様の方法で塗工紙を得た。
塗工する水分散体を水分散体−6に変更した以外は実施例5と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例7>
合成紙を製造例3で得られた合成紙とし、塗工する水分散体を、水分散体−1と水分散体−5を混合した水分散体に変更した以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
合成紙を製造例3で得られた合成紙とし、塗工する水分散体を、水分散体−1と水分散体−5を混合した水分散体に変更した以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。
<実施例8>
塗工する水分散体を、水分散体−3と水分散体−6の混合液に変更した以外は実施例7と同様の方法で塗工紙を得た。
塗工する水分散体を、水分散体−3と水分散体−6の混合液に変更した以外は実施例7と同様の方法で塗工紙を得た。
<比較例1>
製造例1で得られた合成紙をそのまま塗工紙として用いた。
製造例1で得られた合成紙をそのまま塗工紙として用いた。
上記のように得られた塗工紙を評価し、その結果を表2に示した。
オレフィン系樹脂組成物を水中に分散させた水分散体を塗工した実施例1〜8の塗工紙は、良好なインク転写性を示すことがわかった。
Claims (7)
- 表面処理剤(A)を塗布する工程を含む合成紙の表面処方法であって、前記表面処理剤(A)が少なくともオレフィン系樹脂組成物を含む水分散体であることを特徴とする表面処理方法。
- 前記表面処理剤(A)がさらにアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の合成紙の表面処理方法。
- 前記表面処理剤(A)が分散剤を含まないことを特徴とする請求項1記載の合成紙の表面処理方法。
- 前記表面処理剤(A)に含まれる前記オレフィン系樹脂組成物の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成紙の表面処理方法。
- 前記合成紙がスパンボンド紙又は合成パルプ紙であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理方法
- 請求項1〜5記載の表面処理方法を用いた合成紙にインクジェットインキを用いて印刷されたことを特徴とする印刷物。
- 合成紙と、前記オレフィン系樹脂組成物を含んで形成される表面層とを備え、前記合成紙と前期表面層の少なくとも一部が接触している積層体。
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