JP2015151466A - 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上であり、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上である着色組成物。
【選択図】 なし
Description
これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えており、表示デバイスや撮像素子において、通過する光を3原色へ分画する役割を果たしている。
カラーフィルタの緑色画素部を形成するための着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン36の様な臭素原子を含むハロゲン化銅フタロシアニン顔料がよく知られている。最近では、より広い色域を確保して、液晶ディスプレイの色再現性を高めるために、中心金属に亜鉛を用いたハロゲン化フタロシアニン顔料である、C.I.ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)の使用が提案されている。
特許文献2には、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、着色料担体に分散されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料および中心金属がMg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、Snからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる緑色着色料を含み、かつハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の含有量が、緑色着色料の全量を基準として1〜80モル%であるカラーフィルタ用着色組成物が開示されている。
特許文献1、2に開示された着色組成物は、いずれも着色組成物中の全固形分に対する顔料の含有量が50質量%以下であり、また、混色についての記載や示唆は何らされていない。
よって、本発明の目的は、他色の混色が生じにくい硬化膜を形成できるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を提供することを目的とする。また、前述した着色組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置を提供することを目的とする。
<1> 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上である着色組成物。
<2> 着色剤全量中における第2のフタロシアニン顔料の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下である<1>に記載の着色組成物。
<3> 第2のフタロシアニン顔料が、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である、<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4> 更に、エポキシ基を有する化合物を含有する、<1>〜<3>のいずれかに記載の着色組成物。
<5> エポキシ基を有する化合物が、少なくとも2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有する、<4>に記載の着色組成物。
<6> エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される、<4>又は<5>に記載の着色組成物;
<7> カラーフィルタの着色層形成に用いる、<1>〜<6>のいずれかに記載の着色組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれかに記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
<9> <8>に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
<10> <1>〜<7>のいずれかに着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程と、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含むパターン形成方法。
<11> <9>または<10>に記載のパターン形成方法を含む、カラーフィルタの製造方法。
<12> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<13> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
本明細書において、全固形分とは、着色組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、固形分とは、25℃における固形分をいう。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本発明の着色組成物は、着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
以下、本発明の着色組成物について詳細に説明する。
本発明の着色組成物において、第1のフタロシアニン顔料として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、下記一般式(A1)で表されるように、中心金属の亜鉛が、イソインドール環の4個の窒素で囲まれた領域内に位置する平面構造をとる。
X1〜X16のうちのハロゲン原子で表されるものは、すべて同一のハロゲン原子であってもよい。
また、着色組成物中の全固形分に対する第1のフタロシアニン顔料の含有量は、20質量%以上が好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。
第1のフタロシアニン顔料は、1種であってもよい。また、上記一般式(A1)のX1〜X16が、異なる組み合わせの化合物を2種以上含むものであってもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明の着色組成物において、第2のフタロシアニン顔料として、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上を用いる。好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上である。より好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である。特に好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料である。
一般式(A2)のX1〜X16は、(A1)のX1〜X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(A2)のX1〜X16は、一般式(A1)のX1〜X16と、同一の組み合わせが好ましい。これによれば、第1のフタロシアニン顔料と第2のフタロシアニン顔料が類似した構造を有するので、第2のフタロシアニン顔料が第1のフタロシアニン顔料に近接しやすくなり、第1のフタロシアニン顔料の結晶構造に不均一性を生じやすくなり、本発明の効果がより得られやすくなる。
一般式(A3)のX1〜X16は、(A1)のX1〜X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、上述した理由から、一般式(A3)のX1〜X16は、一般式(A1)のX1〜X16と、同一の組み合わせが好ましい。
また、第1のフタロシアニン顔料100質量部に対し、第2のフタロシアニン顔料を0.01〜5.00質量部含有することが好ましく、0.01〜2.00質量部含有することがより好ましい。
第2のフタロシアニン顔料は、1種または2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
本発明の着色組成物は、上述した第1のフタロシアニン顔料、および、上述した第2のフタロシアニン顔料に加えて、他の着色剤を含んでいてもよく、他の着色剤を含んでいる方が好ましい。他の着色剤としては、黄色着色剤が好ましく用いられる。他の着色剤は、染料および顔料のいずれのでもよく、両者を併用してもよい。
C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
C.I.ピグメントブラック 1
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
なかでも、C.I.ピグメントイエロー150、185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー185が特に好ましい。
また、他の着色剤として、C.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185を含有させる場合は、上述した第1のフタロシアニン顔料の100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、30〜90質量部がより好ましい。上記範囲であれば、色再現性上好ましい分光特性が得られる。
すなわち、本発明の着色組成物において、上述した他の着色剤を使用しない場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と合計が、50質量%以上であり、50〜80質量%が好ましく、55〜70質量%が特に好ましい。また、他の着色剤を使用する場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と他の着色剤との合計が、50質量%以上であり、50〜80質量%が好ましく、55〜70質量%が特に好ましい。
着色剤の含有量を50質量%以上とすることにより、固形分中の着色剤濃度が高くなり、カラーフィルタを薄膜化した際におけるクロストーク(光の混色)を軽減できる。また、本発明の着色組成物を用いてドライエッチングを行った場合において、ドライエッチングによるパターン形成時のエッチングレートが遅くなる。これにより、パターンの上部及び下部のエッチングレートの差が小さくなるため、基板に対するパターンの垂直性が高くなり矩形性が向上する。更に、これに伴い、エッチングにより形成される着色パターンの膜厚均一性が高くなり、平坦化処理時の表面荒れが抑制される。また、着色剤濃度が高いことで着色層の強度が高くなり、CMP処理等の研磨処理による平坦化処理によって生じる表面荒れも軽減することができる。このため、ドライエッチング用の着色組成物として好ましく用いることができる。
本発明の着色組成物は、樹脂を含む。樹脂は、通常、着色組成物中にて顔料を分散させる分散剤として働く。
分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることが好ましい。分散剤として働く樹脂が、酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることにより、顔料の分散性をより向上させることができる。なかでも、分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂のみで構成されているものが特に好ましい。なお、「実質的に酸性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における酸性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。また、「実質的に塩基性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における塩基性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
ここで、酸性型の樹脂とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多いものを表す。酸性型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占めるものが好ましく、実質的に酸基のみからなるものがより好ましい。酸性型の樹脂が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性型の樹脂の酸価は、40〜105mgKOH/gが好ましく、50〜105mgKOH/gがより好ましく、60〜105mgKOH/gがさらに好ましい。
また、塩基型の樹脂とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多いものを表す。塩基型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%以上を占めるものが好ましい。塩基性型の樹脂が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
また、樹脂としては、アクリベースFFS−6752、アクリベースFFS−187、アクリキュア−RD−F8、サイクロマーPを用いることもできる。また、以下の樹脂を用いることもできる。
また、樹脂の含有量は、顔料100質量部に対して、20〜100質量部が好ましく、30〜85質量部がより好ましく、40〜70質量部が特に好ましい。
樹脂は、本発明の着色組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
樹脂は、使用する顔料毎に同一でも異なっていてもよいが、使用する顔料毎に同一であることが好ましい。
本発明の着色組成物は、顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体とは、有機顔料の一部分を、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物である。顔料誘導体としては、分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体が好ましい。特に好ましくは、塩基性基を顔料誘導体である。また、上述した樹脂(分散剤)と、顔料誘導体の組み合わせは、樹脂が酸基を有する酸性型の樹脂で、顔料誘導体が塩基性基を有する組み合わせが好ましい。
また、顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基及びその4級アンモニウム塩基が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がさらに好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、特に三級アミノ基が好ましい。
その他、顔料誘導体としては、特開2011−252065号公報の段落0162〜0183の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性化合物を用いることができる。例えば、エチレン性不飽和結合、環状エーテル(エポキシ、オキセタン)、メチロール等を含む重合性化合物が挙げられる。ドライエッチング法でパターンを形成する場合には、エポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。
エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物を用いることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。エポキシ基は、1分子内に2〜10個が好ましく、2〜5個がより好ましく、3個が特に好ましい。
また、エポキシ基は、連結基を介して連結していることが好ましい。連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−NR’−(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、−SO2−、−CO−、−O−および−S−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
かかる構造の化合物は、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料−エポキシ基を有する化合物間の相互作用が起こり、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍に存在しやすい。このため、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍でエポキシ基を有する化合物の反応が生じやすく、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の昇華や熱移動を効率よく抑制できる。
アルキル基は、直鎖、分岐及び環状の何れにも限定されないが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、2−エチルヘキサノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2−メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、Nーエチル−N−オクチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチルN−フェニルカルバモイル、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2−エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3−ピラゾリルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)、等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していてもよい。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。置換基の具体例としては、アルキル基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−NR’−(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、−SO2−、−CO−、−O−および−S−から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。これらは、置換基を有してもよい。置換基としては、上述したR1〜R13におけるアルキル基が有していてもよい置換基で説明したものと同様のものが挙げられる。
アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜12がより好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜12がより好ましい。
一般式(1a)のR1〜R19は、上記一般式(1)のR1〜R13と同義である。
特に、R1〜R19は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基のいずれかが好ましい。また、より好ましくは、R13、R18およびR19から選ばれる1以上がメチル基である。更に好ましくは、R13、R18およびR19がメチル基で、R1〜R12、R14〜R17が水素原子である。
QEPは単結合若しくはnEP価の有機基を表す。REP1〜REP3は、QEPとも結合して環構造を形成していても良い。
nEPは2以上の整数を表し、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜6である。但しQEPが単結合の場合、nEPは2である。
これらの化合物は、市販品を用いてもよいし、ポリマーの側鎖へエポキシ基を導入することによっても得られる。
また、エポキシ基を有する化合物の市販品としては、JER1031S(三菱化学(株)製)、JER1032H60(三菱化学(株)製)、EPICLON HP−4700(DIC(株)社製)、EPICLON N−695(DIC(株)社製)等も好ましく用いることができる。
エポキシ不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートやアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基としてグリシジル基を有するものも使用可能であるが、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であることが好ましい。このようなものとしては、例えば以下の化合物を例示することができる。
他の重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物などが挙げられる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号明細書等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の各々において、複数存在するRの少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、または、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1mgKOH/g〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5mgKOH/g〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(Z−1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
一般式(Z−4)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(Z−4)または一般式(Z−5)中の−((CH2)yCH2O)−または−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、被分散体、アルカリ可溶性樹脂等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の着色組成物は、有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤は、各成分の溶解性や着色組成物の塗布性を満足すれば特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、重合性化合物、樹脂(分散剤)等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、界面活性剤、酸無水物、硬化剤、硬化触媒、光重合開始剤、第2族元素イオン、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
本発明の着色組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加していることが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、酸無水物を含有しても良い。酸無水物を含有することにより、エポキシ基を有する化合物の熱硬化による架橋性を向上させることができる。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化剤を含有してもよい。硬化剤は、種類が非常に多く、性質、可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが種類によって非常に異なるため、使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ぶことが好ましい。硬化剤に関しては、垣内弘編「エポキシ樹脂(昭晃堂)」第5章に詳しく解説されている。以下、硬化剤の例を示す。
フタルイミドは、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
A1〜A4の少なくとも一つは、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることが好ましく、A1〜A4の全てが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることがより好ましい。A1〜A4の少なくとも一つが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれる構造のフタルイミドは、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造により類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
また、A1〜A4は、上記一般式(A1)で表されるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料のX1〜X4と同じであるか、あるいは、X5〜X8と同じであるか、あるいは、X9〜X12と同じであるか、あるいは、X13〜X16と同じであることも好ましい。この態様によれば、フタルイミドの構造が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造に類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
また、フタルイミドを含有させる場合、着色組成物中の全固形分に対するフタルイミドの含有量は、0.01〜5質量%が好ましい。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化触媒を含有してもよい。着色剤濃度の高い組成を実現するためには、硬化剤との反応による硬化のほか、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としては、エポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
本発明の着色組成物は、さらなる感度向上の観点から光重合開始剤を含有させてもよい。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開2013−54080号公報の段落番号0178〜0226の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明の着色組成物が、トライエッチングプロセス用の場合には、本発明の着色組成物は、光重合開始剤を実質的に含有しないことが好ましい。光重合開始剤を実質的に含有しない場合、光重合開始剤の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対し、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、第2族元素イオンを含有することが好ましい。本発明の着色組成物に、第2族元素イオンを含有させることにより、着色組成物の粘度安定性を向上できる。さらには、高温加熱時における針状結晶の析出を抑制することもできる。
第2族元素イオンとしては、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等が挙げられる。マグネシウムイオン、または、カルシウムイオンが好ましく、カルシウムイオンが特に好ましい。カルシウムイオンは、粘度安定性の向上に特に優れている。
本発明の着色組成物が第2族元素イオンを含有する場合、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の質量に対する第2族元素イオンの含有量は30〜300質量ppmであることが好ましい。第2族元素イオンの含有量が上記範囲内であれば、粘度安定性が良好である。更には、針状結晶が析出しにくい着色組成物とすることができる。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の分子量としては、特に定めるものではないが、Mwが5000〜100,000であることが好ましい。また、Mnは1000〜20,000であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、特開2012−208494号公報段落0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]〜[0700])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物においては、特開2004−295116号公報の段落0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落0081に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
本発明の着色組成物は、上述した各成分を混合することで調製することができる。
なお、本発明の着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して着色組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
フィルタの材質の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む);等が挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径を上記範囲とすることにより、微細な粒子をより効果的に取り除くことができ、濁度をより低減することができる。
ここで、フィルタの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
例えば、まず第1のフィルタを用いてろ過を行い、次に、第1のフィルタとは孔径が異なる第2のフィルタを用いてろ過を行うことができる。
その際、第1のフィルタでのフィルタリング及び第2のフィルタでのフィルタリングは、それぞれ、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
本発明の着色組成物を硬化させて得られる硬化膜は、表面に他の色が混色し難いため、カラーフィルタの着色パターンを形成するために好適に用いられる。また、本発明の着色組成物は、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)や、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いられるカラーフィルタなどの着色パターン形成用として好適に用いることができる。なかでも、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子用のカラーフィルタを作製用途として好適に用いることができる。また、本発明の着色組成物は、ドライエッチング用着色組成物として好ましく用いることができる。
次に、本発明における硬化膜、パターン形成方法およびカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。また、本発明のパターン形成方法を用いたカラーフィルタの製造方法についても説明する。
本発明の硬化膜は、本発明の着色組成物を硬化してなる。かかる硬化膜はカラーフィルタに好ましく用いられる。
本発明のパターン形成方法は、カラーフィルタが有する着色パターン(画素)の形成に好適に適用することができる。
本発明の着色組成物は、ドライエッチング法によってパターンを形成してもよいし、いわゆるフォトリソグラフィ法でパターン形成によって、カラーフィルタを製造してもよい。
すなわち、本発明のパターン形成方法の第一の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、およびレジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、パターン形成方法が例示される。本発明の着色組成物が、ドライエッチングする工程を含むパターン形成方法に用いられる場合は、光硬化性組成物であっても熱硬化性組成物であってもよい。熱硬化性組成物である場合は硬化性化合物として、上述したエポキシ基を有する化合物を用いることが好ましい。
また、本発明のパターン形成方法の第二の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むパターン形成方法が例示される。
このようなパターン形成方方法は、カラーフィルタの着色層の製造に用いられる。すなわち、本発明では、本発明のパターン形成方法を含むカラーフィルタの製造方法についても開示する。
以下、これらの詳細を述べる。
本発明のカラーフィルタの製造方法について、図1〜9を用い、具体例を挙げて説明する。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
レジストパターン52の形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光、現像によりフォトレジスト層51に、レジスト貫通孔群51Aが設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターン52が、第1着色層11上に設けられる。
貫通孔群120は、第1着色層11に、市松状に設けられている。よって、第1着色層11に貫通孔群120が設けられてなる第1着色パターン12は、複数の四角形状の第1着色画素を市松状に有している。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチングについて説明する。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。
(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。
(3)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
(5)上記(3)および(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
また、第2段階のエッチング工程及びオーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第2着色感放射線性層21の厚みとしては、0.3〜1μmの範囲が好ましく、0.35〜0.8μmの範囲がより好ましく、0.35〜0.7μmの範囲がより好ましい。
第3着色感放射線性層31の厚みとしては、0.3〜1μmの範囲が好ましく、0.35〜0.8μmの範囲がより好ましく、0.35〜0.7μmの範囲がより好ましい。
また、露光後に実施される現像は、通常、現像液で現像処理することにより行われる。
現像液としては、フォトレジスト層51に対する露光、現像において既述した現像液と同様のものを挙げることができる。
また、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、着色組成物層をフォトリソグラフィ法でパターン形成することもできる。フォトリソグラフィ法の詳細については、特開2013−227497号公報の段落番号0173〜0185を参照でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
さらに、デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子のみならず、液晶表示装置や有機EL表示装置などの、画像表示装置に用いることができ、特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率および剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
また、表1のPG58は、ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)を表す。また、P2−Feは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Frは、中心金属の無いハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Alは、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Tiは、Tiを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Snは、Snを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Pbは、Pbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Gaは、Gaを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Vは、Vを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Moは、Moを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Taは、Taを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−NbはNbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2−Cuは、Cuを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、PY185は、ピグメントイエロー185を表す。また、PY150は、ピグメントイエロー150を表す。
フタロニトリル、アンモニア、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。この1−クロロナフタレン溶液は、750〜850nmに光の吸収を有していた。
亜鉛フタロシアニンのハロゲン化は、塩化スルフリル45.5部、無水塩化アルミニウム54.5部、塩化ナトリウム7部を40℃で混合し、亜鉛フタロシアニン顔料15部を加えた。これに臭素35部を滴下して加え、19.5時間かけて130℃まで昇温し1時間保持した。その後反応混合物を水に取り出し、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、60℃の湯洗浄、1%硫酸水素ナトリウム水洗浄、60℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.7部の精製されたハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料Aを得た。
精製したハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料A1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で8時間混練した。混練後80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕しハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。なお、Pcはフタロシアニンの略語である。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉄を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成FePcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、アンモニアおよび塩化亜鉛のかわりにジアザビシクロウンデセン(DBU)を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成H2PcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化アルミニウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成AlPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化チタンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TiPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化スズを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成SnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉛を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成PbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ガリウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成GaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化バナジウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成VPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化モリブデンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成MoPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化タンタルを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ニオブを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成NbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化銅を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成CuPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
<Green顔料分散液の調製>
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としてピグメントグリーン58 11.4部と、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料(ハロゲン化鉄フタロシアニン顔料) 0.05部、ピグメントイエロー185 2.9部、下記に示す顔料誘導体A 1.4部、下記に示す分散剤Aを30質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと記す)溶液の15.6部 、溶剤としてPGMEAの68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液を調製した。
<Green顔料含有着色組成物の調製>
上記Green顔料分散液 76.4部、エポキシ基を有する化合物として、下記に示す硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF−781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Green顔料含有着色組成物を調製した。
ピグメントレッド254 9.9部、ピグメントイエロー139 4.4部、顔料誘導体A 1.4部、分散剤Aを30質量%含有するPGMEA溶液 15.6部、溶剤としてPGMEA 68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Red顔料分散液を調製した。
上記Red顔料分散液 76.4部、硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF−781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Red顔料含有組成物を調製した。
評価に用いる下塗り層付ガラスウェハを以下のように作製した。
PGMEAの19.2部、乳酸エチル(以下EL)の36.7部、バインダー(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)41%EL溶液の30.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの12.2部、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)の0.006部、F−781(DIC(株)製)の0.8部、光重合開始剤TAZ−107(みどり化学社製)の0.6部を均一に混合し、下塗り層用組成物を調製した。
8インチガラスウェハ上に、上記で得た下塗り層用組成物をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を120℃のホットプレート上で120秒間加熱処理した。尚、スピンコートの塗布回転数は、加熱処理後の塗布膜の膜厚が0.5μmとなるように調整した。加熱処理後の塗布膜を、さらに220℃のオーブンで1時間処理し、塗布膜を硬化させ、下塗り層とした。以上のようにして、8インチガラスウェハ上に下塗り層が形成された、下塗り層付ガラスウェハを得た。
下塗り層付ガラスウェハ上に、スピンコータにて、Green顔料含有着色組成物を膜厚0.5μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、200℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行ってGreenの着色膜を形成した。この着色膜の膜厚は0.5μmであった。
次いで、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を塗布し、プリベークを実施し、膜厚0.8μmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が90℃となる温度で1分間、加熱処理を行なった。その後、現像液「FHD−5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理を行ない、更に110℃で1分間のポストベーク処理を実施した。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量を、CF4:80mL/min.、O2:40mL/min.、Ar:800mL/min.として、80秒の第1段階のエッチング処理を実施した。
次いで、同一のエッチングチャンバーにて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN2:500mL/min.、O2:50mL/min.、Ar:500mL/min.とし(N2/O2/Ar=10/1/10)、28秒の第2段階エッチング処理、オーバーエッチング処理を実施した。
上記条件でドライエッチングを行った後、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して120秒間、剥離処理を実施してレジストを除去し、更に純水による洗浄、スピン乾燥を実施した。その後、100℃で2分間の脱水ベーク処理を行った。以上により、Greenの着色パターンが形成された着色膜を得た。
(判定基準)
A:ΔT%<0.5%
B:0.5%≦ΔT%<1.0%
C:1.0%≦ΔT%<2.0%
D:2.0%≦ΔT%<3.0%
E:3.0%≦ΔT%
上記判定基準において、A〜Cが、実用上問題のないレベルであり、A〜Bが特に好ましい。
着色剤、分散剤、硬化性化合物の種類、着色剤の使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
着色剤の種類および使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
・硬化性化合物A:以下に示す構造、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロへキサン付加物(ダイセル社製 EHPE3150、Mw23000、)
これに対し、本発明における第2のフタロシアニン顔料を含まない比較例1〜2は、残渣混色が多かった。
Claims (13)
- 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、
前記着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、
前記着色剤全量中における前記第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、
着色組成物中の全固形分に対する前記着色剤の含有量が50質量%以上である着色組成物。 - 前記着色剤全量中における前記第2のフタロシアニン顔料の含有量が0.01〜1.00質量%である請求項1に記載の着色組成物。
- 前記第2のフタロシアニン顔料が、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である、請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 更に、エポキシ基を有する化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 前記エポキシ基を有する化合物が、少なくとも2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有する、請求項4に記載の着色組成物。
- カラーフィルタの着色層形成に用いる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
- 請求項1〜9のいずれか1項に着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程と、前記着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含むパターン形成方法。
- 請求項9または10に記載のパターン形成方法を含む、カラーフィルタの製造方法。
- 請求項9に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
- 請求項9に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
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