WO2015122285A1 - 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
他色の混色が生じにくい硬化膜を形成できる着色組成物を提供する。また、着色組成物を利用した硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置を提供する。 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上であり、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上である着色組成物。
Description
本発明は、着色組成物に関する。また、着色組成物を利用した硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ(LCD)、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。更なる高画質化の要求から有機ELディスプレイの普及も待ち望まれている。一方、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話の普及から、CCDイメージセンサーなどの固体撮像素子も需要が大きく伸びている。
これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えており、表示デバイスや撮像素子において、通過する光を3原色へ分画する役割を果たしている。
カラーフィルタの緑色画素部を形成するための着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン36の様な臭素原子を含むハロゲン化銅フタロシアニン顔料がよく知られている。最近では、より広い色域を確保して、液晶ディスプレイの色再現性を高めるために、中心金属に亜鉛を用いたハロゲン化フタロシアニン顔料である、C.I.ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)の使用が提案されている。
これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えており、表示デバイスや撮像素子において、通過する光を3原色へ分画する役割を果たしている。
カラーフィルタの緑色画素部を形成するための着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン36の様な臭素原子を含むハロゲン化銅フタロシアニン顔料がよく知られている。最近では、より広い色域を確保して、液晶ディスプレイの色再現性を高めるために、中心金属に亜鉛を用いたハロゲン化フタロシアニン顔料である、C.I.ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)の使用が提案されている。
特許文献1には、フタロシアニン1分子中にハロゲン原子を8~16個含むハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と、顔料分散剤と、溶剤と、四角錐型構造を有する無置換及び/又はハロゲン化金属フタロシアニンを少なくとも1種とを含有するカラーフィルタ用緑色着色組成物が開示されている。四角錐型構造を有する無置換及び/又はハロゲン化金属フタロシアニンとして、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、及びNbよりなる群から選ばれる金属を中心金属として有する無置換及び/又はハロゲン化金属フタロシアニンが記載されている。
特許文献2には、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、着色料担体に分散されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料および中心金属がMg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、Snからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる緑色着色料を含み、かつハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の含有量が、緑色着色料の全量を基準として1~80モル%であるカラーフィルタ用着色組成物が開示されている。
特許文献2には、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、着色料担体に分散されたハロゲン化銅フタロシアニン顔料および中心金属がMg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ge、Snからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料からなる緑色着色料を含み、かつハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の含有量が、緑色着色料の全量を基準として1~80モル%であるカラーフィルタ用着色組成物が開示されている。
本発明者らは、誠意検討した結果、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を用いてカラーフィルタ等の硬化膜を形成したところ、表面に他色が残留して混色が生じやすいことを見出した。特に、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%を超える場合において、顕著に混色が生じる傾向にあることが判明した。
特許文献1、2に開示された着色組成物は、いずれも着色組成物中の全固形分に対する顔料の含有量が50質量%以下であり、また、混色についての記載や示唆は何らされていない。
よって、本発明の目的は、他色の混色が生じにくい硬化膜を形成できるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を提供することを目的とする。また、前述した着色組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置を提供することを目的とする。
特許文献1、2に開示された着色組成物は、いずれも着色組成物中の全固形分に対する顔料の含有量が50質量%以下であり、また、混色についての記載や示唆は何らされていない。
よって、本発明の目的は、他色の混色が生じにくい硬化膜を形成できるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を提供することを目的とする。また、前述した着色組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは詳細に検討した結果、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを併用することにより、着色組成物中の着色剤濃度を高くしても、形成される硬化膜の表面に他色が残りにくくなって、他色との混色が良化することを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>~<13>により、上記課題は解決された。
<1> 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上である着色組成物。
<2> 着色剤全量中における第2のフタロシアニン顔料の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下である<1>に記載の着色組成物。
<3> 第2のフタロシアニン顔料が、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である、<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4> 更に、エポキシ基を有する化合物を含有する、<1>~<3>のいずれかに記載の着色組成物。
<5> エポキシ基を有する化合物が、少なくとも2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有する、<4>に記載の着色組成物。
<6> エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される、<4>又は<5>に記載の着色組成物;
一般式(1)において、R1~R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、L1は、単結合、または、2価の連結基を表す。
<7> カラーフィルタの着色層形成に用いる、<1>~<6>のいずれかに記載の着色組成物。
<8> <1>~<7>のいずれかに記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
<9> <8>に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
<10> <1>~<7>のいずれかに着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程と、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含むパターン形成方法。
<11> <9>または<10>に記載のパターン形成方法を含む、カラーフィルタの製造方法。
<12> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<13> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
<1> 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上である着色組成物。
<2> 着色剤全量中における第2のフタロシアニン顔料の含有量が0.01質量%以上1.00質量%以下である<1>に記載の着色組成物。
<3> 第2のフタロシアニン顔料が、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である、<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4> 更に、エポキシ基を有する化合物を含有する、<1>~<3>のいずれかに記載の着色組成物。
<5> エポキシ基を有する化合物が、少なくとも2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有する、<4>に記載の着色組成物。
<6> エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される、<4>又は<5>に記載の着色組成物;
<7> カラーフィルタの着色層形成に用いる、<1>~<6>のいずれかに記載の着色組成物。
<8> <1>~<7>のいずれかに記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
<9> <8>に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
<10> <1>~<7>のいずれかに着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程と、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含むパターン形成方法。
<11> <9>または<10>に記載のパターン形成方法を含む、カラーフィルタの製造方法。
<12> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<13> <9>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
本発明によれば、他色との混色が生じにくい硬化膜を形成できるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物を提供することが可能となった。また、上記着色組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および、画像表示装置の提供が可能となった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書において、全固形分とは、着色組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、固形分とは、25℃における固形分をいう。
本明細書において、全固形分とは、着色組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、固形分とは、25℃における固形分をいう。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC-8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N-メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC-8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N-メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本発明に用いられる顔料は、溶剤に溶解しにくい不溶性の色素化合物を意味する。典型的には、組成物中に粒子として分散された状態で存在する色素化合物を意味する。ここで、溶剤とは、任意の溶剤が挙げられ、例えば後述する溶剤の欄で例示する溶剤が挙げられる。本発明に用いられる顔料は、例えば、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ-トおよび水のいずれに対しても、25℃における溶解度が0.1g/100gSolvent以下が好ましい。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
本発明の着色組成物は、着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む着色組成物により得られる硬化膜は、表面に他色が残留して混色が生じ易かったが、本発明の着色組成物を用いることにより、混色が生じにくい硬化膜を得ることができる。このような本発明の効果が得られる理由は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料中に、上述した第2のハロゲン化フタロシアニン顔料を配合することにより、顔料の結晶構造(特に顔料の最表面)に不均一性が生じて、元来疎水的な顔料がわずかに親水化するため、現像液等との親和性が向上して残渣が低減されたためであると推定される。
以下、本発明の着色組成物について詳細に説明する。
以下、本発明の着色組成物について詳細に説明する。
<<第1のフタロシアニン顔料>>
本発明の着色組成物において、第1のフタロシアニン顔料として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、下記一般式(A1)で表されるように、中心金属の亜鉛が、イソインドール環の4個の窒素で囲まれた領域内に位置する平面構造をとる。
本発明の着色組成物において、第1のフタロシアニン顔料として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、下記一般式(A1)で表されるように、中心金属の亜鉛が、イソインドール環の4個の窒素で囲まれた領域内に位置する平面構造をとる。
一般式(A1)において、X1~X16のうちの任意の8~16か所はハロゲン原子を表し、残りは水素原子又は置換基を表すことが好ましい。X1~X16中、ハロゲン原子は8~12個であることが好ましい。また、X1~X16は、塩素原子、臭素原子、水素原子を1個以上含むものであることが好ましい。また、塩素原子が0~4個、臭素原子が8~12個、水素原子が0~4個であることが好ましい。
X1~X16のうちのハロゲン原子で表されるものは、すべて同一のハロゲン原子であってもよい。
X1~X16のうちのハロゲン原子で表されるものは、すべて同一のハロゲン原子であってもよい。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子が挙げられ、特に、臭素原子、塩素原子が好ましい。
置換基としては、特開2013-209623号公報の段落番号0025~0027の記載を参照でき、を参酌することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、例えば、特開2007-284592号公報の段落番号0013~0039、0084~0085の記載を参酌することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物として、C.I.ピグメントグリーン58を挙げることができる。C.I.ピグメントグリーン58の平均組成は、X1~X16のうち、9.8個が臭素原子であり、3.1個が塩素原子であり、3.1個が水素原子である。
本発明の着色組成物において、着色剤全量中における第1のフタロシアニン顔料の含有量は、50質量%以上であり、55質量%以上が好ましく、60~95質量%がより好ましい。本発明によれば、第1のフタロシアニン顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の含有量を増やしても、混色が生じにくい硬化膜を形成できるので、第1のフタロシアニン顔料の含有量を多くした場合において、本発明の効果がより顕著である。
また、着色組成物中の全固形分に対する第1のフタロシアニン顔料の含有量は、20質量%以上が好ましく、25~60質量%がより好ましく、30~50質量%が特に好ましい。
第1のフタロシアニン顔料は、1種であってもよい。また、上記一般式(A1)のX1~X16が、異なる組み合わせの化合物を2種以上含むものであってもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
また、着色組成物中の全固形分に対する第1のフタロシアニン顔料の含有量は、20質量%以上が好ましく、25~60質量%がより好ましく、30~50質量%が特に好ましい。
第1のフタロシアニン顔料は、1種であってもよい。また、上記一般式(A1)のX1~X16が、異なる組み合わせの化合物を2種以上含むものであってもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<<第2のフタロシアニン顔料>>
本発明の着色組成物において、第2のフタロシアニン顔料として、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上を用いる。好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上である。より好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である。特に好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料である。
本発明の着色組成物において、第2のフタロシアニン顔料として、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上を用いる。好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上である。より好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である。特に好ましくは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料である。
Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料としては、以下の一般式(A2)で表される構造を有する化合物が好ましい一例として挙げられる。
一般式(A2)において、Mは、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、または、Nbを表し、X1~X16のうちの任意の8~16か所はハロゲン原子を表し、残りは水素原子又は置換基を表す。X1~X16のうちのハロゲン原子で表されるものは、すべて同一のハロゲン原子であってもよいし異なったハロゲン原子であってもよい。
一般式(A2)のX1~X16は、(A1)のX1~X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(A2)のX1~X16は、一般式(A1)のX1~X16と、同一の組み合わせが好ましい。これによれば、第1のフタロシアニン顔料と第2のフタロシアニン顔料が類似した構造を有するので、第2のフタロシアニン顔料が第1のフタロシアニン顔料に近接しやすくなり、第1のフタロシアニン顔料の結晶構造に不均一性を生じやすくなり、本発明の効果がより得られやすくなる。
一般式(A2)のX1~X16は、(A1)のX1~X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(A2)のX1~X16は、一般式(A1)のX1~X16と、同一の組み合わせが好ましい。これによれば、第1のフタロシアニン顔料と第2のフタロシアニン顔料が類似した構造を有するので、第2のフタロシアニン顔料が第1のフタロシアニン顔料に近接しやすくなり、第1のフタロシアニン顔料の結晶構造に不均一性を生じやすくなり、本発明の効果がより得られやすくなる。
中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料としては、以下の一般式(A3)で表される構造を有する化合物が好ましい一例として挙げられる。
一般式(A3)において、X1~X16のうちの任意の8~16か所はハロゲン原子を表し、残りは水素原子又は置換基を表す。X1~X16のうちのハロゲン原子で表されるものは、すべて同一のハロゲン原子であってもよいし異なったハロゲン原子であってもよい。
一般式(A3)のX1~X16は、(A1)のX1~X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、上述した理由から、一般式(A3)のX1~X16は、一般式(A1)のX1~X16と、同一の組み合わせが好ましい。
一般式(A3)のX1~X16は、(A1)のX1~X16と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、上述した理由から、一般式(A3)のX1~X16は、一般式(A1)のX1~X16と、同一の組み合わせが好ましい。
本発明の着色組成物において、着色剤全量中における第2のフタロシアニン顔料の含有量は、0.01~1.00質量%であることが好ましく、0.02~0.90質量%がより好ましく、0.02~0.05質量%が特に好ましい。第2のフタロシアニン顔料の含有量が上記範囲であれば、混色をより効果的に抑制できる。
また、第1のフタロシアニン顔料100質量部に対し、第2のフタロシアニン顔料を0.01~5.00質量部含有することが好ましく、0.01~2.00質量部含有することがより好ましい。
第2のフタロシアニン顔料は、1種または2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
また、第1のフタロシアニン顔料100質量部に対し、第2のフタロシアニン顔料を0.01~5.00質量部含有することが好ましく、0.01~2.00質量部含有することがより好ましい。
第2のフタロシアニン顔料は、1種または2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計量が上記範囲となる。
<<他の着色剤>>
本発明の着色組成物は、上述した第1のフタロシアニン顔料、および、上述した第2のフタロシアニン顔料に加えて、他の着色剤を含んでいてもよく、他の着色剤を含んでいる方が好ましい。他の着色剤としては、黄色着色剤が好ましく用いられる。他の着色剤は、染料および顔料のいずれのでもよく、両者を併用してもよい。
本発明の着色組成物は、上述した第1のフタロシアニン顔料、および、上述した第2のフタロシアニン顔料に加えて、他の着色剤を含んでいてもよく、他の着色剤を含んでいる方が好ましい。他の着色剤としては、黄色着色剤が好ましく用いられる。他の着色剤は、染料および顔料のいずれのでもよく、両者を併用してもよい。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01~0.1μmが好ましく、0.01~0.05μmがより好ましい。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および上記金属の複合酸化物を挙げることができる。
本発明において好ましく用いることができる有機顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
C.I.ピグメントブラック 1
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
なかでも、C.I.ピグメントイエロー150、185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー185が特に好ましい。
C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
C.I.ピグメントブラック 1
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
なかでも、C.I.ピグメントイエロー150、185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー185が特に好ましい。
本発明の着色組成物に使用できる染料としては、例えば特開昭64-90403号公報、特開昭64-91102号公報、特開平1-94301号公報、特開平6-11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5-333207号公報、特開平6-35183号公報、特開平6-51115号公報、特開平6-194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造として区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリフェニルメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等を使用できる。また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011-213925号公報、特開2013-041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。
本発明の着色組成物に、他の着色剤を含有させる場合、他の着色剤の含有量は、上述した第1のフタロシアニン顔料の100質量部に対し、10~100質量部が好ましく、30~90質量部がより好ましい。上記範囲であれば、色再現性上好ましい分光特性が得られる。
また、他の着色剤として、C.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185を含有させる場合は、上述した第1のフタロシアニン顔料の100質量部に対し、10~100質量部が好ましく、30~90質量部がより好ましい。上記範囲であれば、色再現性上好ましい分光特性が得られる。
また、他の着色剤として、C.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185を含有させる場合は、上述した第1のフタロシアニン顔料の100質量部に対し、10~100質量部が好ましく、30~90質量部がより好ましい。上記範囲であれば、色再現性上好ましい分光特性が得られる。
本発明の着色組成物は、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量は、50質量%以上であり、50~80質量%が好ましく、55~70質量%が特に好ましい。
すなわち、本発明の着色組成物において、上述した他の着色剤を使用しない場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と合計が、50質量%以上であり、50~80質量%が好ましく、55~70質量%が特に好ましい。また、他の着色剤を使用する場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と他の着色剤との合計が、50質量%以上であり、50~80質量%が好ましく、55~70質量%が特に好ましい。
着色剤の含有量を50質量%以上とすることにより、固形分中の着色剤濃度が高くなり、カラーフィルタを薄膜化した際におけるクロストーク(光の混色)を軽減できる。また、本発明の着色組成物を用いてドライエッチングを行った場合において、ドライエッチングによるパターン形成時のエッチングレートが遅くなる。これにより、パターンの上部及び下部のエッチングレートの差が小さくなるため、基板に対するパターンの垂直性が高くなり矩形性が向上する。更に、これに伴い、エッチングにより形成される着色パターンの膜厚均一性が高くなり、平坦化処理時の表面荒れが抑制される。また、着色剤濃度が高いことで着色層の強度が高くなり、CMP処理等の研磨処理による平坦化処理によって生じる表面荒れも軽減することができる。このため、ドライエッチング用の着色組成物として好ましく用いることができる。
すなわち、本発明の着色組成物において、上述した他の着色剤を使用しない場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と合計が、50質量%以上であり、50~80質量%が好ましく、55~70質量%が特に好ましい。また、他の着色剤を使用する場合は、着色組成物中の全固形分に対する、上述した第1のフタロシアニン顔料と上述した第2のフタロシアニン顔料と他の着色剤との合計が、50質量%以上であり、50~80質量%が好ましく、55~70質量%が特に好ましい。
着色剤の含有量を50質量%以上とすることにより、固形分中の着色剤濃度が高くなり、カラーフィルタを薄膜化した際におけるクロストーク(光の混色)を軽減できる。また、本発明の着色組成物を用いてドライエッチングを行った場合において、ドライエッチングによるパターン形成時のエッチングレートが遅くなる。これにより、パターンの上部及び下部のエッチングレートの差が小さくなるため、基板に対するパターンの垂直性が高くなり矩形性が向上する。更に、これに伴い、エッチングにより形成される着色パターンの膜厚均一性が高くなり、平坦化処理時の表面荒れが抑制される。また、着色剤濃度が高いことで着色層の強度が高くなり、CMP処理等の研磨処理による平坦化処理によって生じる表面荒れも軽減することができる。このため、ドライエッチング用の着色組成物として好ましく用いることができる。
<<樹脂>>
本発明の着色組成物は、樹脂を含む。樹脂は、通常、着色組成物中にて顔料を分散させる分散剤として働く。
分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることが好ましい。分散剤として働く樹脂が、酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることにより、顔料の分散性をより向上させることができる。なかでも、分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂のみで構成されているものが特に好ましい。なお、「実質的に酸性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における酸性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。また、「実質的に塩基性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における塩基性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
ここで、酸性型の樹脂とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多いものを表す。酸性型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占めるものが好ましく、実質的に酸基のみからなるものがより好ましい。酸性型の樹脂が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性型の樹脂の酸価は、40~105mgKOH/gが好ましく、50~105mgKOH/gがより好ましく、60~105mgKOH/gがさらに好ましい。
また、塩基型の樹脂とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多いものを表す。塩基型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%以上を占めるものが好ましい。塩基性型の樹脂が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
本発明の着色組成物は、樹脂を含む。樹脂は、通常、着色組成物中にて顔料を分散させる分散剤として働く。
分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることが好ましい。分散剤として働く樹脂が、酸性型の樹脂または塩基性型の樹脂のみで構成されていることにより、顔料の分散性をより向上させることができる。なかでも、分散剤として働く樹脂は、実質的に酸性型の樹脂のみで構成されているものが特に好ましい。なお、「実質的に酸性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における酸性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。また、「実質的に塩基性型の樹脂のみで構成されている」とは、樹脂中における塩基性型の樹脂以外の樹脂の含有量が5質量%以下であることが好ましく、3質量以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
ここで、酸性型の樹脂とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多いものを表す。酸性型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占めるものが好ましく、実質的に酸基のみからなるものがより好ましい。酸性型の樹脂が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性型の樹脂の酸価は、40~105mgKOH/gが好ましく、50~105mgKOH/gがより好ましく、60~105mgKOH/gがさらに好ましい。
また、塩基型の樹脂とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多いものを表す。塩基型の樹脂は、樹脂中の酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%以上を占めるものが好ましい。塩基性型の樹脂が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
本発明に用いうる樹脂としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3-112992号公報、特表2003-533455号公報等に記載の末端にりん酸基を有する高分子、特開2002-273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9-77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子などが挙げられる。また、特開2007-277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の顔料表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、ポリエステル系分散剤等が挙げられ、具体的には、特開昭54-37082号公報、特表平8-507960号公報、特開2009-258668号公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9-169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開平10-339949号公報、特開2004-37986号公報、国際公開パンフレットWO2010/110491等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003-238837号公報、特開2008-9426号公報、特開2008-81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010-106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。特に、特開2009-203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂は、顔料分散物の分散性、分散安定性、および顔料分散物を用いた着色組成物が示す現像性の観点から特に好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA-6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS-6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN-6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB-6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2-ヒドロキシエチルのε-カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2-ヒドロキシエチルのε-カプロラクトン10モル当量付加品)、および特開平2-272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性且つ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、顔料分散物の分散性、分散安定性、および顔料分散物を用いた着色組成物が示す現像性の観点から特に好ましく、更に、特開平2-272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003-49110号公報、特開2009-52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
本発明に用いうる樹脂は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、楠木化成株式会社製「DA-7301」、BYKChemie社製「Disperbyk-101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、111(リン酸系分散剤)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK-P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050~4010~4165(ポリウレタン系)、EFKA4330~4340(ブロック共重合体)、4400~4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG-710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS-860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA-703-50、DA-705、DA-725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN-B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL-18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS-IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製 ヒノアクトT-8000E等、信越化学工業(株)製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商(株)製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業(株)製「EFKA-46、EFKA-47、EFKA-47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P-123」、および三洋化成(株)製「イオネット(商品名)S-20」等が挙げられる。
また、樹脂としては、アクリベースFFS-6752、アクリベースFFS-187、アクリキュア-RD-F8、サイクロマーPを用いることもできる。また、以下の樹脂を用いることもできる。
また、樹脂としては、アクリベースFFS-6752、アクリベースFFS-187、アクリキュア-RD-F8、サイクロマーPを用いることもできる。また、以下の樹脂を用いることもできる。
また、ジチオカルボニル化合物などの可逆的付加開裂連鎖移動剤(reversible addition-fragmentation chain transfer、RAFT剤)およびラジカル開始剤の存在下に重合性不飽和化合物をラジカル重合することにより得られる、ブロック共重合体や分子量分布の狭い共重合体を、分散剤として用いてもよい。そのような樹脂の具体例としては、特開2008-242081号公報の段落番号0053~0129および特開2008-176218号公報の段落番号0049~0117等に記載された樹脂が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、このようなブロック共重合体や分子量分布の狭い共重合体をアルカリ可溶性樹脂として用いてもよい。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明の着色組成物における樹脂の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対して、10~40質量%が好ましく、より好ましくは20~40質量%であり、さらに好ましくは25~35質量%である。
また、樹脂の含有量は、顔料100質量部に対して、20~100質量部が好ましく、30~85質量部がより好ましく、40~70質量部が特に好ましい。
樹脂は、本発明の着色組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
樹脂は、使用する顔料毎に同一でも異なっていてもよいが、使用する顔料毎に同一であることが好ましい。
また、樹脂の含有量は、顔料100質量部に対して、20~100質量部が好ましく、30~85質量部がより好ましく、40~70質量部が特に好ましい。
樹脂は、本発明の着色組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
樹脂は、使用する顔料毎に同一でも異なっていてもよいが、使用する顔料毎に同一であることが好ましい。
<<顔料誘導体>>
本発明の着色組成物は、顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体とは、有機顔料の一部分を、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物である。顔料誘導体としては、分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体が好ましい。特に好ましくは、塩基性基を顔料誘導体である。また、上述した樹脂(分散剤)と、顔料誘導体の組み合わせは、樹脂が酸基を有する酸性型の樹脂で、顔料誘導体が塩基性基を有する組み合わせが好ましい。
本発明の着色組成物は、顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体とは、有機顔料の一部分を、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物である。顔料誘導体としては、分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体が好ましい。特に好ましくは、塩基性基を顔料誘導体である。また、上述した樹脂(分散剤)と、顔料誘導体の組み合わせは、樹脂が酸基を有する酸性型の樹脂で、顔料誘導体が塩基性基を有する組み合わせが好ましい。
顔料誘導体を構成するための有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
また、顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基及びその4級アンモニウム塩基が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がさらに好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、特に三級アミノ基が好ましい。
また、顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基及びその4級アンモニウム塩基が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がさらに好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、特に三級アミノ基が好ましい。
顔料誘導体としては、特に、キノリン系、ベンズイミダゾロン系およびイソインドリン系の顔料誘導体が好ましく、キノリン系およびベンズイミダゾロン系の顔料誘導体がさらに好ましい。特に、下記構造を有する顔料誘導体が好ましい。
一般式(P)中、Aは、下記一般式(PA-1)~(PA-3)から選ばれる部分構造を表す。Bは単結合、または(t+1)価の連結基を表す。Cは、単結合、-NH-、-CONH-、-CO2-、-SO2NH-、-O-、-S-またはSO2-を表す。Dは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を表す。Eは、-SO3H、-SO3M(Mはアルカリ金属原子を表す)、-CO2HまたはN(Rpa)(Rpb)を表す。RpaおよびRpbは、各々独立して、アルキル基またはアリール基を表し、RpaおよびRpbは互いに連結して環を形成してもよい。tは1~5の整数を表す。
一般式(PA-1)および(PA-2)中、Rp1は、炭素数1~5のアルキル基またはアリール基を表す。一般式(PA-3)中、Rp2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、またはヒドロキシル基を表す。sは、1~4の整数を表す。sが2以上の場合、複数のRp2は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。一般式(PA-1)および一般式(PA-3)中、Rp3は、単結合、-NH-、-CONH-、-CO2-、-SO2NH-、-O-、-S-またはSO2-を表す。*はBとの連結部を表す。
一般式(P)中、Rp1は、特にメチル基またはフェニル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。一般式(PA-3)中、Rp2は、水素原子またはハロゲン原子が好ましく、水素原子または塩素原子が最も好ましい。
一般式(P)中、Bで表される(t+1)価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基およびヘテロアリーレン基が挙げられる。これらのうちでも、特に、下記構造式(PA-4)~(PA-9)で表される連結基が好ましい。
構造式(PA-4)~(PA-9)のうちでも、特にBとして、構造式(PA-5)または(PA-8)で表される連結基を有する顔料誘導体が、分散性により優れることから好ましい。
一般式(P)中、Dで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基およびアリーレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、デシレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロデシレン、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。これらのうちでも、Dとしては、特にアルキレン基が好ましく、炭素数1~5のアルキレンがより好ましい。
一般式(P)中、Eが-N(Rpa)(Rpb)を表す場合に、RpaおよびRpbにおけるアルキル基およびアリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。RpaおよびRpbとしては、特にアルキル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基が最も好ましい。上記tは1または2が好ましい。
以下に、顔料誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
その他、顔料誘導体としては、特開2011-252065号公報の段落0162~0183の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
その他、顔料誘導体としては、特開2011-252065号公報の段落0162~0183の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物における顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対し、1~30質量%が好ましく、3~20質量%がさらに好ましい。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<硬化性化合物>>
本発明の着色組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性化合物を用いることができる。例えば、エチレン性不飽和結合、環状エーテル(エポキシ、オキセタン)、メチロール等を含む重合性化合物が挙げられる。ドライエッチング法でパターンを形成する場合には、エポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。
本発明の着色組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性化合物を用いることができる。例えば、エチレン性不飽和結合、環状エーテル(エポキシ、オキセタン)、メチロール等を含む重合性化合物が挙げられる。ドライエッチング法でパターンを形成する場合には、エポキシ基を有する化合物が好ましく用いられる。
<<<エポキシ基を有する化合物>>>
エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物を用いることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。エポキシ基は、1分子内に2~10個が好ましく、2~5個がより好ましく、3個が特に好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物を用いることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。エポキシ基は、1分子内に2~10個が好ましく、2~5個がより好ましく、3個が特に好ましい。
本発明においてエポキシ基を有する化合物は、2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有するものが好ましく用いられる。炭化水素基は、炭素数1~6のアルキレン基が好ましい。
また、エポキシ基は、連結基を介して連結していることが好ましい。連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、-O-、-NR’-(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、-SO2-、-CO-、-O-および-S-から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
かかる構造の化合物は、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料-エポキシ基を有する化合物間の相互作用が起こり、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍に存在しやすい。このため、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍でエポキシ基を有する化合物の反応が生じやすく、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の昇華や熱移動を効率よく抑制できる。
また、エポキシ基は、連結基を介して連結していることが好ましい。連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、-O-、-NR’-(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、-SO2-、-CO-、-O-および-S-から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。
かかる構造の化合物は、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料-エポキシ基を有する化合物間の相互作用が起こり、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍に存在しやすい。このため、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の近傍でエポキシ基を有する化合物の反応が生じやすく、ハロゲン化亜鉛フタルイミド顔料の昇華や熱移動を効率よく抑制できる。
エポキシ基を有する化合物は、エポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/eq以下であることが好ましく、100~400g/eqであることがより好ましく、100~300g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量の上限値を500g/eq以下とすることにより、上記効果が得られる。また、エポキシ基を有する化合物のエポキシ当量の下限値を100g/eq以上とすることが、実用上の安定性から好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量2000未満、さらには、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量は、200~100000が好ましく、500~10000がより好ましい。
2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造の、エポキシ基を有する化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。
一般式(1)において、R1~R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表し、L1は、単結合、または、2価の連結基を表す。
一般式(1)のR1~R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表す。
R1~R13におけるアルキル基は、炭素数1~30のアルキル基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基がより好ましい。
アルキル基は、直鎖、分岐及び環状の何れにも限定されないが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ノルボルニル、1-アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~18のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3-ブテン-1-イル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8であり、例えばプロパルギル、3-ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環基で、例えば、2-チエニル、4-ピリジル、2-フリル、2-ピリミジニル、1-ピリジル、2-ベンゾチアゾリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリル、ベンゾトリアゾール-1-イル)、シリル基(好ましくは炭素数3~38、より好ましくは炭素数3~18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1~3のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1-ブトキシ、2-ブトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1-ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ、2-テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、2-エチルヘキサノイルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、tert-ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~48、よりこの好ましくは炭素数1~24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ、N-ブチルカルバモイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、N-エチル-N-フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジエチルスルファモイルオキシ、N-プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1~38、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、Nーエチル-N-オクチルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-フェニルカルバモイル、N-メチルN-フェニルカルバモイル、N,N-ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N-ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2-エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは6~24のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N-メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは1~18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4-ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは2~24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N-スクシンイミド、N-フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N-ジプロピルスルファモイルアミノ、N-エチル-N-ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3-ピラゾリルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環チオ基で、例えば、2-ベンゾチアゾリルチオ、2-ピリジルチオ、1-フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N-エチル-N-ドデシルスルファモイル、N-エチル-N-フェニルスルファモイル、N-シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)、等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していてもよい。
アルキル基は、直鎖、分岐及び環状の何れにも限定されないが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-ノルボルニル、1-アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~18のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3-ブテン-1-イル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8であり、例えばプロパルギル、3-ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環基で、例えば、2-チエニル、4-ピリジル、2-フリル、2-ピリミジニル、1-ピリジル、2-ベンゾチアゾリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリル、ベンゾトリアゾール-1-イル)、シリル基(好ましくは炭素数3~38、より好ましくは炭素数3~18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1~3のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1-ブトキシ、2-ブトキシ、イソプロポキシ、tert-ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1-ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ、2-テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、2-エチルヘキサノイルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2-メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、tert-ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~48、よりこの好ましくは炭素数1~24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ、N-ブチルカルバモイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、N-エチル-N-フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N-ジエチルスルファモイルオキシ、N-プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1~38、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、Nーエチル-N-オクチルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-フェニルカルバモイル、N-メチルN-フェニルカルバモイル、N,N-ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N-ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2-エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは6~24のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N-メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは1~18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4-ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは2~24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N-スクシンイミド、N-フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2~48、より好ましくは炭素数2~24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7~32、より好ましくは炭素数7~24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N-ジプロピルスルファモイルアミノ、N-エチル-N-ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3-ピラゾリルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~18のヘテロ環チオ基で、例えば、2-ベンゾチアゾリルチオ、2-ピリジルチオ、1-フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6~32、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1~48、より好ましくは炭素数1~24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6~48、より好ましくは炭素数6~24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N-エチル-N-ドデシルスルファモイル、N-エチル-N-フェニルスルファモイル、N-シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1~32、より好ましくは炭素数1~24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)、等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換されてもよい。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していてもよい。
R1~R13におけるアルコキシ基は、炭素数1~30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~12のアルコキシ基が特に好ましい。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。置換基の具体例としては、アルキル基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。置換基の具体例としては、アルキル基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R1~R13におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
R1~R13は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基又はメトキシ基のいずれかが好ましい。また、R13は、メチル基が好ましい。また、R1~R12は、水素原子が好ましい。
一般式(1)のL1は、単結合、または、2価の連結基を表す。好ましくは2価の連結基である。
2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、-O-、-NR’-(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、-SO2-、-CO-、-O-および-S-から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。これらは、置換基を有してもよい。置換基としては、上述したR1~R13におけるアルキル基が有していてもよい置換基で説明したものと同様のものが挙げられる。
アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~12がより好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6~30が好ましく、6~12がより好ましい。
2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、-O-、-NR’-(R’は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、水素原子が好ましい)で表される構造、-SO2-、-CO-、-O-および-S-から選ばれる少なくとも一つを含む基が挙げられる。これらは、置換基を有してもよい。置換基としては、上述したR1~R13におけるアルキル基が有していてもよい置換基で説明したものと同様のものが挙げられる。
アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~12がより好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6~30が好ましく、6~12がより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1a)で表される化合物がより好ましい。
一般式(1a)において、R1~R19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表す。
一般式(1a)のR1~R19は、上記一般式(1)のR1~R13と同義である。
特に、R1~R19は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基のいずれかが好ましい。また、より好ましくは、R13、R18およびR19から選ばれる1以上がメチル基である。更に好ましくは、R13、R18およびR19がメチル基で、R1~R12、R14~R17が水素原子である。
一般式(1a)のR1~R19は、上記一般式(1)のR1~R13と同義である。
特に、R1~R19は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基またはメトキシ基のいずれかが好ましい。また、より好ましくは、R13、R18およびR19から選ばれる1以上がメチル基である。更に好ましくは、R13、R18およびR19がメチル基で、R1~R12、R14~R17が水素原子である。
上記一般式(1a)で表される化合物としては、例えば、1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-フェニル]エタノンとフェノール類(無置換もしくは、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有するフェノール類)との反応により得られるフェノール樹脂とエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンから選ばれる少なくとも1種)との反応により、主成分として得られる化合物が挙げられる。市販品としては、株式会社プリンテック製VG-3101L、日本化薬株式会社製NC-6000及びNC-6300等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物は、上述した化合物の他に、例えば、下記一般式(EP1)で表される化合物を用いることができる。
式(EP1)中、REP1~REP3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表し、アルキル基は、環状構造を有するものであってもよく、また、置換基を有していてもよい。またREP1とREP2、REP2とREP3は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。アルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホン基、アルキルスルホニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、などが挙げられる。
QEPは単結合若しくはnEP価の有機基を表す。REP1~REP3は、QEPとも結合して環構造を形成していても良い。
nEPは2以上の整数を表し、好ましくは2~10、更に好ましくは2~6である。但しQEPが単結合の場合、nEPは2である。
QEPは単結合若しくはnEP価の有機基を表す。REP1~REP3は、QEPとも結合して環構造を形成していても良い。
nEPは2以上の整数を表し、好ましくは2~10、更に好ましくは2~6である。但しQEPが単結合の場合、nEPは2である。
QEPがnEP価の有機基の場合、鎖状若しくは環状のnEP価の飽和炭化水素基(炭素数2~20が好ましい)、nEP価の芳香環基(炭素数6~30が好ましい)、又は鎖状若しくは環状の飽和炭化水素若しくは芳香族炭化水素に、エーテル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、アルキレン基(炭素数1~4が好ましく、メチレン基がより好ましい)等の2価の連結基、-N(-)2等の3価の連結基又はこれらの組み合わせが連結した構造を有するnEP価の有機基などが好ましい。
以下に具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
エポキシ基を有する化合物としては、側鎖にエポキシ基を有するオリゴマーやポリマーも好ましく用いることができる。このような化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらの化合物は、市販品を用いてもよいし、ポリマーの側鎖へエポキシ基を導入することによっても得られる。
これらの化合物は、市販品を用いてもよいし、ポリマーの側鎖へエポキシ基を導入することによっても得られる。
市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE-21、RE-602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N-740、EPICLON N-770、EPICLON N-775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N-660、EPICLON N-665、EPICLON N-670、EPICLON N-673、EPICLON N-680、EPICLON N-690、EPICLON N-695(以上、DIC(株)製)、EOCN-1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP-4080S、同EP-4085S、同EP-4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、デナコール EX-212L、EX-214L、EX-216L、EX-321L、EX-850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP-4000S、同EP-4003S、同EP-4010S、同EP-4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC-2000、NC-3000、NC-7300、XD-1000、EPPN-501、EPPN-502(以上、(株)ADEKA製)、JER1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
また、エポキシ基を有する化合物の市販品としては、JER1031S(三菱化学(株)製)、JER1032H60(三菱化学(株)製)、EPICLON HP-4700(DIC(株)社製)、EPICLON N-695(DIC(株)社製)等も好ましく用いることができる。
また、エポキシ基を有する化合物の市販品としては、JER1031S(三菱化学(株)製)、JER1032H60(三菱化学(株)製)、EPICLON HP-4700(DIC(株)社製)、EPICLON N-695(DIC(株)社製)等も好ましく用いることができる。
ポリマー側鎖へ導入して合成する場合、導入反応は、例えばトリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィン等を触媒として有機溶剤中、反応温度50~150℃で数~数十時間反応させることにより行える。脂環式エポキシ不飽和化合物の導入量は得られるポリマーの酸価が5~200KOH・mg/gを満たす範囲になるように制御すると好ましい。
エポキシ不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートやアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基としてグリシジル基を有するものも使用可能であるが、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であることが好ましい。このようなものとしては、例えば以下の化合物を例示することができる。
エポキシ不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートやアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基としてグリシジル基を有するものも使用可能であるが、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であることが好ましい。このようなものとしては、例えば以下の化合物を例示することができる。
本発明において、エポキシ基を有する化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。エポキシ基を有する化合物は、実質的に、一般式(1)で表される化合物のみで構成されていることが好ましい。なお、「実質的に、一般式(1)で表される化合物のみで構成されている」とは、エポキシ基を有する化合物の全量中に、一般式(1)で表される化合物以外のエポキシ基を有する化合物の含有量が3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、含有しないことが最も好ましい。
本発明の着色組成物中におけるエポキシ基を有する化合物の総含有量としては、低分子化合物を配合するか、高分子化合物を配合するかにもよるが、着色組成物の全固形分(質量)に対して、5~40質量%が好ましく、5~35質量%がより好ましく、5~30質量%が特に好ましい。このような配合量とすることにより、混色をより効果的に抑制できる。
<<<他の重合性化合物>>>
他の重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物などが挙げられる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48-41708号公報、特公昭50-6034号公報、特開昭51-37193号公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48-64183号公報、特公昭49-43191号公報、特公昭52-30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010-160418号公報、特開2010-129825号公報、特許第4364216号明細書等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
他の重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物などが挙げられる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48-41708号公報、特公昭50-6034号公報、特開昭51-37193号公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48-64183号公報、特公昭49-43191号公報、特公昭52-30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010-160418号公報、特開2010-129825号公報、特許第4364216号明細書等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008-292970号公報の段落番号[0254]~[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO-1)~(MO-5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
一般式において、nは0~14であり、mは1~8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
一般式(MO-1)~(MO-5)で表される重合性化合物の各々において、複数存在するRの少なくとも1つは、-OC(=O)CH=CH2、または、-OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
一般式(MO-1)~(MO-5)で表される重合性化合物の具体例としては、特開2007-269779号公報の段落番号0248~段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
一般式(MO-1)~(MO-5)で表される重合性化合物の各々において、複数存在するRの少なくとも1つは、-OC(=O)CH=CH2、または、-OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
一般式(MO-1)~(MO-5)で表される重合性化合物の具体例としては、特開2007-269779号公報の段落番号0248~段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10-62986号公報において一般式(1)および(2)としてその具体例と共に記載の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
他の重合性化合物は、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入してもよい。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
酸基を有する多官能モノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M-510、M-520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1mgKOH/g~40mgKOH/gであり、特に好ましくは5mgKOH/g~30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1mgKOH/g~40mgKOH/gであり、特に好ましくは5mgKOH/g~30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
また、他の重合性化合物として、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することも好ましい態様である。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε-カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(Z-1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε-カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(Z-1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
一般式(Z-1)中、6個のRは全てが下記一般式(Z-2)で表される基であるか、または6個のRのうち1~5個が下記一般式(Z-2)で表される基であり、残余が下記一般式(Z-3)で表される基である。
一般式(Z-2)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。
一般式(Z-3)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20(上記式(1)~(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、他の重合性化合物としては、下記一般式(Z-4)または(Z-5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
一般式(Z-4)および(Z-5)中、Eは、各々独立に、-((CH2)yCH2O)-、または-((CH2)yCH(CH3)O)-を表し、yは、各々独立に0~10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、またはカルボキシル基を表す。
一般式(Z-4)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0~10の整数を表し、各mの合計は0~40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0~10の整数を表し、各nの合計は0~60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(Z-4)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0~10の整数を表し、各mの合計は0~40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0~10の整数を表し、各nの合計は0~60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(Z-4)中、mは、0~6の整数が好ましく、0~4の整数がより好ましい。また、各mの合計は、2~40の整数が好ましく、2~16の整数がより好ましく、4~8の整数が特に好ましい。
一般式(Z-5)中、nは、0~6の整数が好ましく、0~4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3~60の整数が好ましく、3~24の整数がより好ましく、6~12の整数が特に好ましい。
また、一般式(Z-4)または一般式(Z-5)中の-((CH2)yCH2O)-または-((CH2)yCH(CH3)O)-は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
一般式(Z-5)中、nは、0~6の整数が好ましく、0~4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3~60の整数が好ましく、3~24の整数がより好ましく、6~12の整数が特に好ましい。
また、一般式(Z-4)または一般式(Z-5)中の-((CH2)yCH2O)-または-((CH2)yCH(CH3)O)-は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
一般式(Z-4)または一般式(Z-5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(Z-4)または一般式(Z-5)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
一般式(Z-4)または一般式(Z-5)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト-ルまたはジペンタエリスリト-ルにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)または(ii)で表される化合物を合成することができる。
一般式(Z-4)または一般式(Z-5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体および/またはジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)~(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)~(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
具体的には、下記式(a)~(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)~(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(Z-4)、(Z-5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR-494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA-60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA-330などが挙げられる。
また、他の重合性化合物として、アルコキシメチル基を有する化合物を用いることもできる。アルコキシメチル基を有する化合物としては、例えば、以下で表される化合物が一例として挙げられる。
また、他の重合性化合物としては、特公昭48-41708号公報、特開昭51-37193号公報、特公平2-32293号公報、特公平2-16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58-49860号公報、特公昭56-17654号公報、特公昭62-39417号公報、特公昭62-39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、重合性化合物として、特開昭63-277653号公報、特開昭63-260909号公報、特開平1-105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS-10、UAB-140(山陽国策パルプ社製)、UA-7200」(新中村化学社製、DPHA-40H(日本化薬社製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(共栄社製)などが挙げられる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS-10、UAB-140(山陽国策パルプ社製)、UA-7200」(新中村化学社製、DPHA-40H(日本化薬社製)、UA-306H、UA-306T、UA-306I、AH-600、T-600、AI-600(共栄社製)などが挙げられる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色組成物により形成された硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能基数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することが、着色組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成能が得られるという点で好ましい。
また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、被分散体、アルカリ可溶性樹脂等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、被分散体、アルカリ可溶性樹脂等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の着色組成物中に他の重合性化合物を配合する場合、他の重合性化合物の含有量は、着色組成物中の全固形分に対して1~40質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。他の重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<有機溶剤>>
本発明の着色組成物は、有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤は、各成分の溶解性や着色組成物の塗布性を満足すれば特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、重合性化合物、樹脂(分散剤)等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の着色組成物は、有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤は、各成分の溶解性や着色組成物の塗布性を満足すれば特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、重合性化合物、樹脂(分散剤)等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等))、2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル))、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチルおよび2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチル(例えば、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液であり、特に、シクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチルおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートで構成される混合溶液が好ましい。
本発明の着色組成物中における有機溶剤の含有量は、塗布性の観点から、着色組成物の全固形分濃度が5~80質量%になる量とすることが好ましく、5~60質量%となる量がより好ましく、10~50質量%となる量が更に好ましく、10~40質量%となる量が特に好ましい。
<<他の成分>>
本発明の組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、界面活性剤、酸無水物、硬化剤、硬化触媒、光重合開始剤、第2族元素イオン、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
本発明の組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、界面活性剤、酸無水物、硬化剤、硬化触媒、光重合開始剤、第2族元素イオン、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
<<<界面活性剤>>>
本発明の着色組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加していることが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
本発明の着色組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加していることが好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の着色組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3~40質量%が好適であり、より好ましくは5~30質量%であり、特に好ましくは7~25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、同SC-101、同SC-103、同SC-104、同SC-105、同SC1068、同SC-381、同SC-383、同S393、同KH-40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株))等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA-745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF-4440」、「TSF-4300」、「TSF-4445」、「TSF-4460」、「TSF-4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、界面活性剤の含有量は、着色組成物の全固形分に対して、0.001~2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005~1.0質量%である。
<<<酸無水物>>>
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、酸無水物を含有しても良い。酸無水物を含有することにより、エポキシ基を有する化合物の熱硬化による架橋性を向上させることができる。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、酸無水物を含有しても良い。酸無水物を含有することにより、エポキシ基を有する化合物の熱硬化による架橋性を向上させることができる。
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、ナジック酸無水物、マレイン酸無水物、琥珀酸無水物などが挙げられる。中でも、酸無水物は、顔料分散への影響が少ない点で、フタル酸無水物が好ましい。
着色組成物中における酸無水物の含有量としては、エポキシ基を有する化合物の質量に対して、10~40質量%の範囲が好ましく、15~30質量%の範囲がより好ましい。酸無水物の含有量は、10質量%以上であると、エポキシ基を有する化合物の架橋密度が向上し、機械的強度を高めることができる。30質量%以下であると、着色剤の濃度を高めるのに有利である。
<<<硬化剤>>>
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化剤を含有してもよい。硬化剤は、種類が非常に多く、性質、可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが種類によって非常に異なるため、使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ぶことが好ましい。硬化剤に関しては、垣内弘編「エポキシ樹脂(昭晃堂)」第5章に詳しく解説されている。以下、硬化剤の例を示す。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化剤を含有してもよい。硬化剤は、種類が非常に多く、性質、可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが種類によって非常に異なるため、使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ぶことが好ましい。硬化剤に関しては、垣内弘編「エポキシ樹脂(昭晃堂)」第5章に詳しく解説されている。以下、硬化剤の例を示す。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素-アミンコンプレックス、エポキシ基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別にみるとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素-モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。また、フタルイミドを用いることもできる。フタルイミドが特に好ましい。フタルイミドは、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料に類似した構造を有しているため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の近傍に存在し易い。そのため、エポキシ基を有する化合物の反応が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の近傍で生じ、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の昇華や熱移動を効率よく抑制できる。
フタルイミドは、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
フタルイミドは、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)において、A1~A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または、メチル基を表す。
A1~A4の少なくとも一つは、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることが好ましく、A1~A4の全てが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることがより好ましい。A1~A4の少なくとも一つが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれる構造のフタルイミドは、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造により類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
また、A1~A4は、上記一般式(A1)で表されるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料のX1~X4と同じであるか、あるいは、X5~X8と同じであるか、あるいは、X9~X12と同じであるか、あるいは、X13~X16と同じであることも好ましい。この態様によれば、フタルイミドの構造が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造に類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
A1~A4の少なくとも一つは、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることが好ましく、A1~A4の全てが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれることがより好ましい。A1~A4の少なくとも一つが、塩素原子、および、臭素原子から選ばれる構造のフタルイミドは、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造により類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
また、A1~A4は、上記一般式(A1)で表されるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料のX1~X4と同じであるか、あるいは、X5~X8と同じであるか、あるいは、X9~X12と同じであるか、あるいは、X13~X16と同じであることも好ましい。この態様によれば、フタルイミドの構造が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の構造に類似するため、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料がフタルイミドに適度な距離で近接でき、上記効果がより効果的に得られやすくなる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関してはエポキシ基を有する化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
また、フタルイミドを含有させる場合、着色組成物中の全固形分に対するフタルイミドの含有量は、0.01~5質量%が好ましい。
また、フタルイミドを含有させる場合、着色組成物中の全固形分に対するフタルイミドの含有量は、0.01~5質量%が好ましい。
<<<硬化触媒>>>
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化触媒を含有してもよい。着色剤濃度の高い組成を実現するためには、硬化剤との反応による硬化のほか、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としては、エポキシ当量が150~200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10~1/1000程度、好ましくは1/20~1/500程度さらに好ましくは1/30~1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
本発明の着色組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有する場合は、硬化触媒を含有してもよい。着色剤濃度の高い組成を実現するためには、硬化剤との反応による硬化のほか、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としては、エポキシ当量が150~200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10~1/1000程度、好ましくは1/20~1/500程度さらに好ましくは1/30~1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
<<<光重合開始剤>>>
本発明の着色組成物は、さらなる感度向上の観点から光重合開始剤を含有させてもよい。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開2013-54080号公報の段落番号0178~0226の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、さらなる感度向上の観点から光重合開始剤を含有させてもよい。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開2013-54080号公報の段落番号0178~0226の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤を含有しなくてもよいが、光重合開始剤の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対し0~50質量%が好ましく、より好ましくは0.5~30質量%、さらに好ましくは1~20質量%である。
また、本発明の着色組成物が、トライエッチングプロセス用の場合には、本発明の着色組成物は、光重合開始剤を実質的に含有しないことが好ましい。光重合開始剤を実質的に含有しない場合、光重合開始剤の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対し、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
また、本発明の着色組成物が、トライエッチングプロセス用の場合には、本発明の着色組成物は、光重合開始剤を実質的に含有しないことが好ましい。光重合開始剤を実質的に含有しない場合、光重合開始剤の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分に対し、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい。
<<第2族元素イオン>>
本発明の着色組成物は、第2族元素イオンを含有することが好ましい。本発明の着色組成物に、第2族元素イオンを含有させることにより、着色組成物の粘度安定性を向上できる。さらには、高温加熱時における針状結晶の析出を抑制することもできる。
第2族元素イオンとしては、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等が挙げられる。マグネシウムイオン、または、カルシウムイオンが好ましく、カルシウムイオンが特に好ましい。カルシウムイオンは、粘度安定性の向上に特に優れている。
本発明の着色組成物が第2族元素イオンを含有する場合、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の質量に対する第2族元素イオンの含有量は30~300質量ppmであることが好ましい。第2族元素イオンの含有量が上記範囲内であれば、粘度安定性が良好である。更には、針状結晶が析出しにくい着色組成物とすることができる。
本発明の着色組成物は、第2族元素イオンを含有することが好ましい。本発明の着色組成物に、第2族元素イオンを含有させることにより、着色組成物の粘度安定性を向上できる。さらには、高温加熱時における針状結晶の析出を抑制することもできる。
第2族元素イオンとしては、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等が挙げられる。マグネシウムイオン、または、カルシウムイオンが好ましく、カルシウムイオンが特に好ましい。カルシウムイオンは、粘度安定性の向上に特に優れている。
本発明の着色組成物が第2族元素イオンを含有する場合、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の質量に対する第2族元素イオンの含有量は30~300質量ppmであることが好ましい。第2族元素イオンの含有量が上記範囲内であれば、粘度安定性が良好である。更には、針状結晶が析出しにくい着色組成物とすることができる。
<<<アルカリ可溶性樹脂>>>
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の分子量としては、特に定めるものではないが、Mwが5000~100,000であることが好ましい。また、Mnは1000~20,000であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、特開2012-208494号公報段落0558~0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]~[0700])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。
アルカリ可溶性樹脂の分子量としては、特に定めるものではないが、Mwが5000~100,000であることが好ましい。また、Mnは1000~20,000であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、特開2012-208494号公報段落0558~0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]~[0700])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有しなくてもよいが、含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量としては、着色組成物の全固形分に対して、1~15質量%が好ましく、より好ましくは、2~12質量%であり、特に好ましくは、3~10質量%である。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
その他、本発明の着色組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004-295116号公報の段落0155~0156に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色組成物においては、特開2004-295116号公報の段落0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落0081に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
本発明の着色組成物においては、特開2004-295116号公報の段落0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落0081に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、上述した各成分を混合することで調製することができる。
なお、本発明の着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して着色組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
本発明の着色組成物は、上述した各成分を混合することで調製することができる。
なお、本発明の着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して着色組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
本発明の着色組成物は、顔料を樹脂(分散剤)によって分散させたものを他の成分に配合することが好ましい。
本発明の着色組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。
フィルタろ過に用いるフィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。
フィルタの材質の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む);等が挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの材質の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ナイロン-6、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む);等が挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径には特に限定はないが、例えば0.01~20.0μm程度であり、好ましくは0.01~5μm程度であり、さらに好ましくは0.01~2.0μm程度である。
フィルタの孔径を上記範囲とすることにより、微細な粒子をより効果的に取り除くことができ、濁度をより低減することができる。
ここで、フィルタの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
フィルタの孔径を上記範囲とすることにより、微細な粒子をより効果的に取り除くことができ、濁度をより低減することができる。
ここで、フィルタの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
フィルタろ過では、2種以上のフィルタを組み合わせて用いてもよい。
例えば、まず第1のフィルタを用いてろ過を行い、次に、第1のフィルタとは孔径が異なる第2のフィルタを用いてろ過を行うことができる。
その際、第1のフィルタでのフィルタリング及び第2のフィルタでのフィルタリングは、それぞれ、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
例えば、まず第1のフィルタを用いてろ過を行い、次に、第1のフィルタとは孔径が異なる第2のフィルタを用いてろ過を行うことができる。
その際、第1のフィルタでのフィルタリング及び第2のフィルタでのフィルタリングは、それぞれ、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
<用途>
本発明の着色組成物を硬化させて得られる硬化膜は、表面に他の色が混色し難いため、カラーフィルタの着色パターンを形成するために好適に用いられる。また、本発明の着色組成物は、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)や、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いられるカラーフィルタなどの着色パターン形成用として好適に用いることができる。なかでも、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子用のカラーフィルタを作製用途として好適に用いることができる。また、本発明の着色組成物は、ドライエッチング用着色組成物として好ましく用いることができる。
本発明の着色組成物を硬化させて得られる硬化膜は、表面に他の色が混色し難いため、カラーフィルタの着色パターンを形成するために好適に用いられる。また、本発明の着色組成物は、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)や、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いられるカラーフィルタなどの着色パターン形成用として好適に用いることができる。なかでも、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子用のカラーフィルタを作製用途として好適に用いることができる。また、本発明の着色組成物は、ドライエッチング用着色組成物として好ましく用いることができる。
<硬化膜、パターン形成方法、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法>
次に、本発明における硬化膜、パターン形成方法およびカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。また、本発明のパターン形成方法を用いたカラーフィルタの製造方法についても説明する。
本発明の硬化膜は、本発明の着色組成物を硬化してなる。かかる硬化膜はカラーフィルタに好ましく用いられる。
次に、本発明における硬化膜、パターン形成方法およびカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。また、本発明のパターン形成方法を用いたカラーフィルタの製造方法についても説明する。
本発明の硬化膜は、本発明の着色組成物を硬化してなる。かかる硬化膜はカラーフィルタに好ましく用いられる。
本発明のパターン形成方法は、本発明の着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、不要部分を除去して、着色パターンを形成する。
本発明のパターン形成方法は、カラーフィルタが有する着色パターン(画素)の形成に好適に適用することができる。
本発明の着色組成物は、ドライエッチング法によってパターンを形成してもよいし、いわゆるフォトリソグラフィ法でパターン形成によって、カラーフィルタを製造してもよい。
すなわち、本発明のパターン形成方法の第一の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、およびレジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、パターン形成方法が例示される。本発明の着色組成物が、ドライエッチングする工程を含むパターン形成方法に用いられる場合は、光硬化性組成物であっても熱硬化性組成物であってもよい。熱硬化性組成物である場合は硬化性化合物として、上述したエポキシ基を有する化合物を用いることが好ましい。
また、本発明のパターン形成方法の第二の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むパターン形成方法が例示される。
このようなパターン形成方方法は、カラーフィルタの着色層の製造に用いられる。すなわち、本発明では、本発明のパターン形成方法を含むカラーフィルタの製造方法についても開示する。
以下、これらの詳細を述べる。
本発明のパターン形成方法は、カラーフィルタが有する着色パターン(画素)の形成に好適に適用することができる。
本発明の着色組成物は、ドライエッチング法によってパターンを形成してもよいし、いわゆるフォトリソグラフィ法でパターン形成によって、カラーフィルタを製造してもよい。
すなわち、本発明のパターン形成方法の第一の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、およびレジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、パターン形成方法が例示される。本発明の着色組成物が、ドライエッチングする工程を含むパターン形成方法に用いられる場合は、光硬化性組成物であっても熱硬化性組成物であってもよい。熱硬化性組成物である場合は硬化性化合物として、上述したエポキシ基を有する化合物を用いることが好ましい。
また、本発明のパターン形成方法の第二の実施形態として、着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むパターン形成方法が例示される。
このようなパターン形成方方法は、カラーフィルタの着色層の製造に用いられる。すなわち、本発明では、本発明のパターン形成方法を含むカラーフィルタの製造方法についても開示する。
以下、これらの詳細を述べる。
以下、本発明のパターン形成方法における各工程については、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法を通じて詳細に説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。以下、固体撮像素子用カラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
本発明のカラーフィルタの製造方法について、図1~9を用い、具体例を挙げて説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法について、図1~9を用い、具体例を挙げて説明する。
先ず、図1の概略断面図に示すように、図示しない支持体上に、本発明の着色組成物(第1の着色組成物とも言う)を用いて第1着色層11を形成する(工程(ア))。
第1着色層11の形成は、着色組成物を支持体上に回転塗布、スリット塗布、スプレー塗布等の塗布方法により塗布し、乾燥させて着色層を形成することにより行なえる。
第1着色層11の厚みとしては、0.3~1.0μmの範囲が好ましく、0.35~0.8μmの範囲がより好ましく、0.35~0.7μmの範囲がより好ましい。
硬化方法としては、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、第1着色層11を加熱して、硬化させることが好ましい。加熱温度は、120℃~250℃であることが好ましく、160℃~230℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常3~30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30~90分間程度である。
次いで、第1着色層11に貫通孔群が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする(工程(イ))。
第1着色パターンは、支持体上に第1色目として設けられる着色パターンでもよいし、場合によっては、既設のパターンを有する支持体上に例えば第2色目あるいは第3色目以降のパターンとして設けられる着色パターンでもよい。
ドライエッチングは、第1着色層11を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。例えば、図2の概略断面図に示すように、先ず、第1着色層11の上にフォトレジスト層51を形成する。
具体的には、着色層上にポジ又はネガ型の感放射線性組成物を適用(好ましくは塗布)し、これを乾燥させることによりフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層51の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理(PEB)、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。
フォトレジストとしては、例えば、ポジ型の感放射線性組成物が用いられる。このポジ型の感放射線性組成物としては、紫外線(g線、h線、i線)、エキシマレーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。放射線のうち、g線、h線、i線が好ましく、中でもi線が好ましい。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
フォトレジスト層51の厚みとしては、0.1~3μmが好ましく、0.2~2.5μmがより好ましく、0.3~2μmが更に好ましい。なお、フォトレジスト層51の塗布は、既述の第1着色層11における塗布方法を用いて好適に行なえる。
次いで、図3の概略断面図に示すように、このフォトレジスト層51を露光、現像することにより、レジスト貫通孔群51Aが設けられたレジストパターン(パターニングされたフォトレジスト層)52を形成する。
レジストパターン52の形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光、現像によりフォトレジスト層51に、レジスト貫通孔群51Aが設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターン52が、第1着色層11上に設けられる。
レジストパターン52の形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光、現像によりフォトレジスト層51に、レジスト貫通孔群51Aが設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターン52が、第1着色層11上に設けられる。
フォトレジスト層51の露光は、所定のマスクパターンを介して、ポジ型又はネガ型の感放射線性組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことにより行なうことができる。露光後は、現像液で現像処理することにより、着色パターンを形成しようとする領域に合わせてフォトレジストが除去される。
現像液としては、着色剤を含む第1着色層には影響を与えず、ポジレジストの露光部及びネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいずれも使用可能であり、例えば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。アルカリ性の水溶液としては、アルカリ性化合物を濃度が0.001~10質量%、好ましくは0.01~5質量%となるように溶解して調製されたアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられる。尚、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
次に、図4の概略断面図に示すように、レジストパターン52をエッチングマスクとして、第1着色層11に貫通孔群120が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする。これにより、第1着色パターン12が形成される。ここで、貫通孔群120は、第1貫通孔部分群121と第2貫通孔部分群122とを有している。
貫通孔群120は、第1着色層11に、市松状に設けられている。よって、第1着色層11に貫通孔群120が設けられてなる第1着色パターン12は、複数の四角形状の第1着色画素を市松状に有している。
貫通孔群120は、第1着色層11に、市松状に設けられている。よって、第1着色層11に貫通孔群120が設けられてなる第1着色パターン12は、複数の四角形状の第1着色画素を市松状に有している。
具体的には、ドライエッチングは、レジストパターン52をエッチングマスクとして、第1着色層11をドライエッチングする。ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59-126506号、特開昭59-46628号、同58-9108号、同58-2809号、同57-148706号、同61-41102号などの公報に記載の方法がある。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や支持体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチングについて説明する。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。
(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。
(3)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
(5)上記(3)および(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。
(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。
(3)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)上記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
(5)上記(3)および(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガス及び酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、支持体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、支持体のダメージを回避することができる。
また、第2段階のエッチング工程及びオーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
また、第2段階のエッチング工程及びオーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10~20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5~25%であることがより好ましく、10~15%であることが特に好ましい。
次いで、図5の概略断面図に示すように、エッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)52を除去する。レジストパターン52の除去は、レジストパターン52上に剥離液又は溶剤を付与して、レジストパターン52を除去可能な状態にする工程と、レジストパターン52を洗浄水を用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
レジストパターン52上に剥離液又は溶剤を付与し、レジストパターン52を除去可能な状態にする工程としては、例えば、剥離液又は溶剤を少なくともレジストパターン52上に付与し、所定の時間停滞させてパドル現像する工程を挙げることができる。剥離液又は溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
また、レジストパターン52を洗浄水を用いて除去する工程としては、例えば、スプレー式又はシャワー式の噴射ノズルからレジストパターン52に洗浄水を噴射して、レジストパターン52を除去する工程を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、レジストパターン52を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターン52を除去することができる。
剥離液は、一般には有機溶剤を含有するが、無機溶剤を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、1)炭化水素系化合物、2)ハロゲン化炭化水素系化合物、3)アルコール系化合物、4)エーテル又はアセタール系化合物、5)ケトン又はアルデヒド系化合物、6)エステル系化合物、7)多価アルコール系化合物、8)カルボン酸又はその酸無水物系化合物、9)フェノール系化合物、10)含窒素化合物、11)含硫黄化合物、12)含フッ素化合物が挙げられる。剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
非環状含窒素化合物としては、水酸基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には、例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(H2NCH2CH2OH)である。また、環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N-エチルモルホリン、ε-カプロラクタム、キノリン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、2-ピペコリン、3-ピペコリン、4-ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N-メチル-2-ピロリドン、N-フェニルモルホリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチルモルホリンであり、より好ましくはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)である。
剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、中でも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N-メチル-2-ピロリドン及びN-エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN-メチル-2-ピロリドンとを含むことが更に好ましい。
剥離液で除去するときには、第1着色パターン12の上に形成されたレジストパターン52が除去されていればよく、第1着色パターン12の側壁にエッチング生成物であるデポ物が付着している場合でも、デポ物が完全に除去されていなくてもよい。デポ物とは、エッチング生成物が着色層の側壁に付着し堆積したものをいう。
剥離液としては、非環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して65質量部以上70質量部以下であるものが望ましい。また、剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物との混合物を純水で希釈したものが好ましい。
次いで、図6の概略断面図に示すように、第1貫通孔部分群121及び第2貫通孔部分群122における各貫通孔の内部に第2着色感放射線性組成物を埋設させて、複数の第2着色画素が形成されるように、第1着色層(すなわち、第1着色層11に貫通孔群120が形成されてなる第1着色パターン12)上に第2着色感放射線性組成物により第2着色感放射線性層21を積層する(工程(ウ))。これにより、第1着色層11の貫通孔群120の中に、複数の第2着色画素を有する第2着色パターン22が形成される。ここで、第2着色画素は四角形状の画素となっている。第2着色感放射線性層21の形成は、既述の第1着色層11を形成する方法と同様にして行なえる。
第2着色感放射線性層21の厚みとしては、0.3~1μmの範囲が好ましく、0.35~0.8μmの範囲がより好ましく、0.35~0.7μmの範囲がより好ましい。
第2着色感放射線性層21の厚みとしては、0.3~1μmの範囲が好ましく、0.35~0.8μmの範囲がより好ましく、0.35~0.7μmの範囲がより好ましい。
そして、第2着色感放射線性層21の、第1着色層11に設けられた第1貫通孔部分群121に対応する位置21Aを露光し、現像することによって、第2着色感放射線性層21と、第2貫通孔部分群122の各貫通孔の内部に設けられた複数の第2着色画素22Rとを除去する(工程(エ))(図7の概略断面図を参照)。
次いで、図8の概略断面図に示すように、第2貫通孔部分群122における各貫通孔の内部に第3着色感放射線性組成物を埋設させて、複数の第3着色画素が形成されるように、第1着色層(すなわち、第1貫通孔部分群121の中に第2着色パターン22が形成されてなる第1着色パターン12)上に第3着色感放射線性組成物により第3着色感放射線性層31を形成する(工程(オ))。これにより、第1着色層11の第2貫通孔部分群122の中に、複数の第3着色画素を有する第3着色パターン32が形成される。ここで、第3着色画素は四角形状の画素となっている。第3着色感放射線性層31の形成は、既述の第1着色層11を形成する方法と同様にして行なえる。
第3着色感放射線性層31の厚みとしては、0.3~1μmの範囲が好ましく、0.35~0.8μmの範囲がより好ましく、0.35~0.7μmの範囲がより好ましい。
第3着色感放射線性層31の厚みとしては、0.3~1μmの範囲が好ましく、0.35~0.8μmの範囲がより好ましく、0.35~0.7μmの範囲がより好ましい。
そして、第3着色感放射線性層31の、第1着色層11に設けられた第2貫通孔部分群122に対応する位置31Aを露光し、現像することによって、第3着色感放射線性層31を除去することで、図9の概略断面図に示すように、第1着色パターン12と、第2着色パターン22と、第3着色パターン32とを有するカラーフィルタ100が製造される(工程(カ))。
上述した第2着色感放射線性組成物、及び、第3着色感放射線性組成物は、それぞれ、着色剤を含有する。着色剤は、本発明の着色組成物において上述したものを同様に挙げることができるが、第2着色画素及び第3着色画素の一方が赤色透過部であり、他方が青色透過部であることが好ましい形態であるため、それぞれ赤色透過部または青色透過部であることが好ましい。赤色透過部を形成するための着色組成物に含有される着色剤は、特開2012-172003号公報の段落番号0037、0039に記載のものから選択される1種以上であることが好ましく、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。青色透過部を形成するための着色組成物に含有される着色剤は、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、及び、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80から選択される1種以上であることが好ましい。
第2着色感放射線性組成物、及び、第3着色感放射線性組成物の各々において、着色剤の組成物の全固形分に対する含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。また、着色剤の組成物の全固形分に対する含有量は、通常、90質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましい。
また、第2着色感放射線性組成物、及び、第3着色感放射線性組成物は、それぞれ、ネガ型の感放射線性組成物が用いられることが好ましい。このネガ型の感放射線性組成物としては、紫外線(g線、h線、i線)、エキシマレーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するネガ型感放射線性組成物が使用できる。放射線のうち、g線、h線、i線が好ましく、中でもi線が好ましい。
具体的には、ネガ型の感放射線性組成物として、光重合開始剤、重合成分(重合性化合物)、及び、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)などを含有する組成物が好ましく、例えば、特開2005-326453号公報の段落番号[0017]~[0064]に記載のものを挙げることができる。このようなネガ型の感放射線性組成物は、放射線の照射により、光重合開始剤が、重合性化合物の重合反応を開始させ、結果として、アルカリ可溶状態から、アルカリ不溶性になることを利用するものである。
第2着色感放射線性層21及び第3着色感放射線性層31に対する露光は、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことにより行なうことができる。
また、露光後に実施される現像は、通常、現像液で現像処理することにより行われる。
現像液としては、フォトレジスト層51に対する露光、現像において既述した現像液と同様のものを挙げることができる。
また、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
また、露光後に実施される現像は、通常、現像液で現像処理することにより行われる。
現像液としては、フォトレジスト層51に対する露光、現像において既述した現像液と同様のものを挙げることができる。
また、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
第1着色画素、第2着色画素及び第3着色画素における一辺の長さ(画素が長方形である場合は短辺の長さであり、画素が正方形である場合は一辺の長さを指す)は、画像解像度の観点から、0.5~1.7μmが好ましく、0.6~1.5μmがより好ましい。
<着色組成物層をフォトリソグラフィ法でパターン形成する方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法では、着色組成物層をフォトリソグラフィ法でパターン形成することもできる。フォトリソグラフィ法の詳細については、特開2013-227497号公報の段落番号0173~0185を参照でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、着色組成物層をフォトリソグラフィ法でパターン形成することもできる。フォトリソグラフィ法の詳細については、特開2013-227497号公報の段落番号0173~0185を参照でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明のカラーフィルタは、着色剤濃度の高い着色組成物により形成されるため、着色パターンの厚みを極めて薄くできる(例えば、0.7μm以下)。また、表面に他色が残留しにくく、混色が生じにくいため、クロストーク(光の混色)が抑制されたカラーフィルタとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、CCD、CMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、例えば、CCDまたはCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明のカラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の膜厚としては、0.1~1.0μmであることが好ましく、0.1~0.8μmであることがより好ましい。本発明では、着色パターンにおける着色剤の濃度を高めることができるので、このような薄膜化が可能になる。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
さらに、デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
さらに、デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
<画像表示装置>
本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子のみならず、液晶表示装置や有機EL表示装置などの、画像表示装置に用いることができ、特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子のみならず、液晶表示装置や有機EL表示装置などの、画像表示装置に用いることができ、特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、カラーTFT方式の液晶表示装置に用いてもよい。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、およびR-OCB等にも適用できる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率および剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ-技術と市場の最新動向-(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率および剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ-技術と市場の最新動向-(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、本発明におけるカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18~24ページ(島 康裕)、同25~30ページ(八木隆明)などに記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18~24ページ(島 康裕)、同25~30ページ(八木隆明)などに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、さらに、赤、緑、青のLED光源(RGB-LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
また、表1のPG58は、ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)を表す。また、P2-Feは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Frは、中心金属の無いハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Alは、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Tiは、Tiを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Snは、Snを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Pbは、Pbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Gaは、Gaを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Vは、Vを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Moは、Moを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Taは、Taを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-NbはNbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Cuは、Cuを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、PY185は、ピグメントイエロー185を表す。また、PY150は、ピグメントイエロー150を表す。
また、表1のPG58は、ピグメントグリーン58(ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料)を表す。また、P2-Feは、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Frは、中心金属の無いハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Alは、Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Tiは、Tiを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Snは、Snを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Pbは、Pbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Gaは、Gaを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Vは、Vを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Moは、Moを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Taは、Taを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-NbはNbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、P2-Cuは、Cuを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料を表す。また、PY185は、ピグメントイエロー185を表す。また、PY150は、ピグメントイエロー150を表す。
(合成例1)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の合成
フタロニトリル、アンモニア、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。この1-クロロナフタレン溶液は、750~850nmに光の吸収を有していた。
亜鉛フタロシアニンのハロゲン化は、塩化スルフリル45.5部、無水塩化アルミニウム54.5部、塩化ナトリウム7部を40℃で混合し、亜鉛フタロシアニン顔料15部を加えた。これに臭素35部を滴下して加え、19.5時間かけて130℃まで昇温し1時間保持した。その後反応混合物を水に取り出し、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、60℃の湯洗浄、1%硫酸水素ナトリウム水洗浄、60℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.7部の精製されたハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料Aを得た。
精製したハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料A1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で8時間混練した。混練後80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕しハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。なお、Pcはフタロシアニンの略語である。
フタロニトリル、アンモニア、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。この1-クロロナフタレン溶液は、750~850nmに光の吸収を有していた。
亜鉛フタロシアニンのハロゲン化は、塩化スルフリル45.5部、無水塩化アルミニウム54.5部、塩化ナトリウム7部を40℃で混合し、亜鉛フタロシアニン顔料15部を加えた。これに臭素35部を滴下して加え、19.5時間かけて130℃まで昇温し1時間保持した。その後反応混合物を水に取り出し、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、60℃の湯洗浄、1%硫酸水素ナトリウム水洗浄、60℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.7部の精製されたハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料Aを得た。
精製したハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料A1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で8時間混練した。混練後80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕しハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。
得られたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。なお、Pcはフタロシアニンの略語である。
(合成例2)Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉄を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成FePcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉄を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成FePcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例3)中心金属の無いハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、アンモニアおよび塩化亜鉛のかわりにジアザビシクロウンデセン(DBU)を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成H2PcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、アンモニアおよび塩化亜鉛のかわりにジアザビシクロウンデセン(DBU)を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成H2PcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例4)Alを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化アルミニウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成AlPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化アルミニウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成AlPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例5)Tiを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化チタンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TiPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化チタンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TiPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例6)Snを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化スズを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成SnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化スズを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成SnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例7)Pbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉛を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成PbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化鉛を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成PbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例8)Gaを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ガリウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成GaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ガリウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成GaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例9)Vを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化バナジウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成VPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化バナジウムを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成VPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例11)Moを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化モリブデンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成MoPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化モリブデンを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成MoPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例12)Taを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化タンタルを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化タンタルを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成TaPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例13)Nbを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ニオブを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成NbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化ニオブを使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成NbPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(合成例14)Cuを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料の合成
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化銅を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成CuPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
合成例1において、塩化亜鉛のかわりに塩化銅を使用した以外は、合成例1と同様にしてハロゲン化フタロシアニン顔料を合成した。得られたハロゲン化フタロシアニン顔料は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成CuPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
(実施例1)
<Green顔料分散液の調製>
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としてピグメントグリーン58 11.4部と、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料(ハロゲン化鉄フタロシアニン顔料) 0.05部、ピグメントイエロー185 2.9部、下記に示す顔料誘導体A 1.4部、下記に示す分散剤Aを30質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと記す)溶液の15.6部 、溶剤としてPGMEAの68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液を調製した。
<Green顔料含有着色組成物の調製>
上記Green顔料分散液 76.4部、エポキシ基を有する化合物として、下記に示す硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF-781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Green顔料含有着色組成物を調製した。
<Green顔料分散液の調製>
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としてピグメントグリーン58 11.4部と、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料(ハロゲン化鉄フタロシアニン顔料) 0.05部、ピグメントイエロー185 2.9部、下記に示す顔料誘導体A 1.4部、下記に示す分散剤Aを30質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと記す)溶液の15.6部 、溶剤としてPGMEAの68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液を調製した。
<Green顔料含有着色組成物の調製>
上記Green顔料分散液 76.4部、エポキシ基を有する化合物として、下記に示す硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF-781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Green顔料含有着色組成物を調製した。
<混色評価用Red顔料含有組成物(塗布液)の調製>
ピグメントレッド254 9.9部、ピグメントイエロー139 4.4部、顔料誘導体A 1.4部、分散剤Aを30質量%含有するPGMEA溶液 15.6部、溶剤としてPGMEA 68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Red顔料分散液を調製した。
上記Red顔料分散液 76.4部、硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF-781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Red顔料含有組成物を調製した。
ピグメントレッド254 9.9部、ピグメントイエロー139 4.4部、顔料誘導体A 1.4部、分散剤Aを30質量%含有するPGMEA溶液 15.6部、溶剤としてPGMEA 68.7部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Red顔料分散液を調製した。
上記Red顔料分散液 76.4部、硬化性化合物A 4.4部、溶剤としてPGMEA 15.0部、界面活性剤としてF-781(DIC(株)製)の1%PGMEA溶液 4.2部を均一に混合し、Red顔料含有組成物を調製した。
<下塗り層付ガラスウェハの作製>
評価に用いる下塗り層付ガラスウェハを以下のように作製した。
評価に用いる下塗り層付ガラスウェハを以下のように作製した。
(1)下塗り層用組成物の調製
PGMEAの19.2部、乳酸エチル(以下EL)の36.7部、バインダー(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)41%EL溶液の30.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの12.2部、重合禁止剤(p-メトキシフェノール)の0.006部、F-781(DIC(株)製)の0.8部、光重合開始剤TAZ-107(みどり化学社製)の0.6部を均一に混合し、下塗り層用組成物を調製した。
PGMEAの19.2部、乳酸エチル(以下EL)の36.7部、バインダー(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)41%EL溶液の30.5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの12.2部、重合禁止剤(p-メトキシフェノール)の0.006部、F-781(DIC(株)製)の0.8部、光重合開始剤TAZ-107(みどり化学社製)の0.6部を均一に混合し、下塗り層用組成物を調製した。
(2)下塗り層付ガラスウェハの作製
8インチガラスウェハ上に、上記で得た下塗り層用組成物をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を120℃のホットプレート上で120秒間加熱処理した。尚、スピンコートの塗布回転数は、加熱処理後の塗布膜の膜厚が0.5μmとなるように調整した。加熱処理後の塗布膜を、さらに220℃のオーブンで1時間処理し、塗布膜を硬化させ、下塗り層とした。以上のようにして、8インチガラスウェハ上に下塗り層が形成された、下塗り層付ガラスウェハを得た。
8インチガラスウェハ上に、上記で得た下塗り層用組成物をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を120℃のホットプレート上で120秒間加熱処理した。尚、スピンコートの塗布回転数は、加熱処理後の塗布膜の膜厚が0.5μmとなるように調整した。加熱処理後の塗布膜を、さらに220℃のオーブンで1時間処理し、塗布膜を硬化させ、下塗り層とした。以上のようにして、8インチガラスウェハ上に下塗り層が形成された、下塗り層付ガラスウェハを得た。
<残渣混色の評価>
下塗り層付ガラスウェハ上に、スピンコータにて、Green顔料含有着色組成物を膜厚0.5μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、200℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行ってGreenの着色膜を形成した。この着色膜の膜厚は0.5μmであった。
次いで、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を塗布し、プリベークを実施し、膜厚0.8μmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が90℃となる温度で1分間、加熱処理を行なった。その後、現像液「FHD-5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理を行ない、更に110℃で1分間のポストベーク処理を実施した。
下塗り層付ガラスウェハ上に、スピンコータにて、Green顔料含有着色組成物を膜厚0.5μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、200℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行ってGreenの着色膜を形成した。この着色膜の膜厚は0.5μmであった。
次いで、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を塗布し、プリベークを実施し、膜厚0.8μmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が90℃となる温度で1分間、加熱処理を行なった。その後、現像液「FHD-5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理を行ない、更に110℃で1分間のポストベーク処理を実施した。
次に、着色膜のドライエッチングを以下の手順で行った。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U-621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量を、CF4:80mL/min.、O2:40mL/min.、Ar:800mL/min.として、80秒の第1段階のエッチング処理を実施した。
次いで、同一のエッチングチャンバーにて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN2:500mL/min.、O2:50mL/min.、Ar:500mL/min.とし(N2/O2/Ar=10/1/10)、28秒の第2段階エッチング処理、オーバーエッチング処理を実施した。
上記条件でドライエッチングを行った後、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して120秒間、剥離処理を実施してレジストを除去し、更に純水による洗浄、スピン乾燥を実施した。その後、100℃で2分間の脱水ベーク処理を行った。以上により、Greenの着色パターンが形成された着色膜を得た。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U-621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量を、CF4:80mL/min.、O2:40mL/min.、Ar:800mL/min.として、80秒の第1段階のエッチング処理を実施した。
次いで、同一のエッチングチャンバーにて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN2:500mL/min.、O2:50mL/min.、Ar:500mL/min.とし(N2/O2/Ar=10/1/10)、28秒の第2段階エッチング処理、オーバーエッチング処理を実施した。
上記条件でドライエッチングを行った後、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して120秒間、剥離処理を実施してレジストを除去し、更に純水による洗浄、スピン乾燥を実施した。その後、100℃で2分間の脱水ベーク処理を行った。以上により、Greenの着色パターンが形成された着色膜を得た。
得られた着色膜(Greenの着色パターン)の分光をMCPD-3000(大塚電子(株)製)を使用して、最大透過率T0を測定した。
得られた着色膜(Greenの着色パターン)の上に、混色評価用Red顔料含有組成物を乾燥後の膜厚が0.5μmになるようにスピンコータを用いて塗布し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。次いで、i線ステッパー露光装置による露光を行わずに現像、リンス、乾燥処理を施して、Red顔料含有組成物を現像除去した。
Red顔料含有組成物を現像除去後の着色膜(Greenの着色パターン)の分光を再度、MCPD-3000(大塚電子(株)製)を使用して、最大透過率T1を測定した。最大透過率の分光変動(ΔT%=T0-T1)を算出し、以下の基準に基づいて判定した。ΔT%が小さいほど残渣混色が少なく、より望ましい。
(判定基準)
A:ΔT%<0.5%
B:0.5%≦ΔT%<1.0%
C:1.0%≦ΔT%<2.0%
D:2.0%≦ΔT%<3.0%
E:3.0%≦ΔT%
上記判定基準において、A~Cが、実用上問題のないレベルであり、A~Bが特に好ましい。
(判定基準)
A:ΔT%<0.5%
B:0.5%≦ΔT%<1.0%
C:1.0%≦ΔT%<2.0%
D:2.0%≦ΔT%<3.0%
E:3.0%≦ΔT%
上記判定基準において、A~Cが、実用上問題のないレベルであり、A~Bが特に好ましい。
(実施例2~22)
着色剤、分散剤、硬化性化合物の種類、着色剤の使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
着色剤、分散剤、硬化性化合物の種類、着色剤の使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
(比較例1~2)
着色剤の種類および使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
着色剤の種類および使用量、着色組成物中の全固形分に対する着色剤の含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様にして着色組成物を調製し、実施例1と同様に方法で混色評価を行った。
・顔料誘導体A:以下に示す構造
・顔料誘導体B:以下に示す構造
・分散剤A:以下に示す構造
・分散剤B:ソルスパース24000(日本ルーブリゾール(株)社製塩基性高分子分散剤)
・硬化性化合物A:以下に示す構造、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロへキサン付加物(ダイセル社製 EHPE3150、Mw23000、)
・硬化性化合物B:以下に示す構造(特開2013-11869号公報の段落番号0083記載の方法に従って合成した。)
・硬化性化合物C:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下に示す構造)
・硬化性化合物D:以下に示す構造
・硬化性化合物A:以下に示す構造、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロへキサン付加物(ダイセル社製 EHPE3150、Mw23000、)
上記結果から明らかなように、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを含む本発明の着色組成物を用いた実施例1~22は、残渣混色が少ないものであった。
これに対し、本発明における第2のフタロシアニン顔料を含まない比較例1~2は、残渣混色が多かった。
これに対し、本発明における第2のフタロシアニン顔料を含まない比較例1~2は、残渣混色が多かった。
Claims (13)
- 着色剤と樹脂とを含有する着色組成物であって、
前記着色剤は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である第1のフタロシアニン顔料と、Al、Ti、Fe、Sn、Pb、Ga、V、Mo、Ta、および、Nbからなる群から選ばれる1種を中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、ならびに、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料から選ばれる1種以上の第2のフタロシアニン顔料とを少なくとも含み、
前記着色剤全量中における前記第1のフタロシアニン顔料の含有量が50質量%以上であり、
着色組成物中の全固形分に対する前記着色剤の含有量が50質量%以上である着色組成物。 - 前記着色剤全量中における前記第2のフタロシアニン顔料の含有量が0.01~1.00質量%である請求項1に記載の着色組成物。
- 前記第2のフタロシアニン顔料が、Feを中心金属として有するハロゲン化フタロシアニン顔料、および/または、中心金属を有さないハロゲン化フタロシアニン顔料である、請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 更に、エポキシ基を有する化合物を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 前記エポキシ基を有する化合物が、少なくとも2つのベンゼン環が炭化水素基で連結した構造を有する、請求項4に記載の着色組成物。
- カラーフィルタの着色層形成に用いる、請求項1~6のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
- 請求項1~9のいずれか1項に着色組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程と、前記着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含むパターン形成方法。
- 請求項9または10に記載のパターン形成方法を含む、カラーフィルタの製造方法。
- 請求項9に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
- 請求項9に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
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122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
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