以下、図面を参照して一実施形態に係る装着用支持パッドについて説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
装着用支持パッドは、装着時に人体の屈曲する部位を覆うように装着され、当該部位の安定及び保護を図る部材である。人体における屈曲する部位には、腰部(腰椎部)、膝関節部、大転子部などが含まれる。以下、装着用支持パッドの例として、腰部(腰椎部)の安定及び保護を図ることができる腰パッド1Aについて図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る腰パッド1Aを示す斜視図である。図2は、一実施形態に係る腰パッド1Aを示す平面図である。図3は、図1及び図2に示す腰パッド1AのIIIA−IIIA線及びIIIB−IIIB線における断面図である。図1〜図3に示すように、腰パッド1Aは、後段にて詳述する三次元立体網状構造体11により形成される本体部10と、本体部10の外縁10aを囲むように設けられる端始末部20と、端始末部20の外縁20aによって囲まれる領域の少なくとも一部に設けられる支持部30と、を備えている。
図4は、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11の一例を示した斜視図である。図4に示すように、本体部10は、熱可塑性樹脂からなる連続線条体11aを曲がりくねらせたランダムループ11bを形成し、それぞれのランダムループ11bを互いに溶融状態で接触せしめて三次元的に構成した三次元立体網状構造体11から形成されている。
図3に戻り、本体部10の厚み(人体を覆う面に直交する方向における厚み)t10は、後段にて詳述する端始末部20及び支持部30のそれぞれの厚みt20,t30と比べて厚く形成されている。
三次元立体網状構造体11に使われる熱可塑性弾性樹脂の例には、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー及びエチレン酢酸ビニル共重合体などが含まれる。ポリエステル系エラストマーの例には、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体、及び脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体が含まれる。ポリアミド系エラストマーの例には、ナイロンをハードセグメントとし、ポリエチエングリコール、及びポリプロピレングリコールなどをソフトセグメントとするものなどが含まれる。ポリオレフィン系エラストマーの例には、エチレンと炭素数3以上のαオレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体とが含まれる。エチレン酢酸ビニル共重合体の例には、炭素数3以上のα−オレフィンにエチレン酢酸ビニルを1〜10%含有した共重合体が含まれる。
三次元立体網状構造体11は、上記の熱可塑性弾性樹脂に、熱可塑性の非弾性樹脂を組み合わせてもよい。熱可塑性の非弾性樹脂の例には、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどが含まれる。これら非弾性樹脂と弾性樹脂との組み合わせには、ポリエステル系エラストマーとポリエステル系樹脂との組み合わせ、ポリアミド系エラストマーとポリアミド系樹脂との組み合わせ、及びポリウレタン系エラストマーとポリウレタン系樹脂との組み合わせなどが含まれる。
例えば、三次元立体網状構造体11において、ランダムループ11bを形成する連続線条体11aは中空としてもよく、この場合には、軽量化及び着用感の点で優れたものとすることができる。また、連続線条体11aの、例えば、外周径及び繊度などを調整することにより、三次元立体網状構造体11の圧縮強度、反発性、及び空隙率を調整することができる。このように、三次元立体網状構造体11を形成する樹脂、繊度、ループ径、嵩密度などを適宜調整することにより、使用部位に応じた重量、着用感、圧縮強度、反発性、及び空隙率などを有する装着用支持パッドを製造できる。また、樹脂に所定の添加剤を添加することにより、三次元立体網状構造体11において、抗菌防臭性、制菌性、消臭性、ノネナール消臭性、pH緩衝性、制電性、SR防汚性、耐酸性雨性の多機能性を発現させることもできる。
図1及び図2に示すように、端始末部20は、本体部10の外縁10aを囲むように設けられる部分である。なお、本実施形態の腰パッド1Aでは、後述にて詳述する支持部30が端始末部20としての機能も兼ねている。端始末部20は、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体又は線状体であり、図3(A)及び(B)に示すように、本体部10の厚みt10よりも薄く形成される。本実施形態の端始末部20では、板状体として形成される。端始末部20における板状体と線状体との違いは、端始末部20の外縁20aと本体部10の外縁10aとの距離の違いであり、その距離が0よりも大きければ線状体及び板状体の何れかであり、その距離が所定値以上であれば線状体ではなく板状体であると言える。
図1及び図2に示すように、支持部30は、端始末部20の外縁20aによって囲まれる領域の一部に設けられると共に、人体への装着時に支持したい部位を支持する部分である。支持部30は、人体への装着時に支持したい部位(本実施形態では腰椎)が延びる方向に沿って設けられる。本実施形態の腰パッド1Aにおける支持部30は、端始末部20としての機能も兼ねている。本実施形態の腰パッド1Aでは、支持部30は、一方向に平行な方向に沿って直線状に形成されており、その両端が端始末部20に接続されている。腰パッド1Aは、支持部30が延在する方向と腰椎が延びる方向とが一致するように、更に、図2に示す上方向が人体の立位時の上方向となるように装着される。
支持部30は、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体又は線状体であり、図3(A)及び(B)に示すように、本体部10の厚みt10よりも薄く形成されている。支持部30の曲げ剛性は、本体部10の曲げ剛性よりも高く、かつ、端始末部20の曲げ剛性以上となるように形成される。支持部30の厚みt30は、支持したい部位に合わせて適宜調整される。すなわち、支持したい部位を適正に支持できる剛性が得られるように調整される。
図3(A)及び(B)に示すように、本実施形態の腰パッド1Aでは、端始末部20の外縁20aによって囲まれる領域が、装着時に装着者の肌側となる内側面(第1面)3及び内側面3とは反対側の外側面(第2面)5を有し、内側面3及び外側面5が、外側面5側に全体的に凸となるように形成されている。
次に、上述した腰パッド1Aの製造方法について説明する。まず、三次元立体網状構造体11の製造方法について説明する。図5は、三次元立体網状構造体11を製造する三次元立体網状構造体製造装置90の概略構成図である。図5に示すように、熱可塑性樹脂は、材料供給口91から押出部92に投入され溶融加熱される。溶融加熱された熱可塑性樹脂は、ノズル部93から下方に吐出され、線状に連続して途切れることなく自由落下する。熱可塑性樹脂の吐出時の溶融温度、熱可塑性樹脂の吐出速度、及びノズル部93の配置などは、ランダムな三次元ループを形成しやすく、かつループ同志の接触部が互いに融着しやすい状態となるように適宜設定される。
ノズル部93の下方には、回転体94,95によって図中の矢印方向に連続的に無端走行させられる一対のエンドレスネット96,96によって構成されるコンベア97が配置されている。ノズル部93から吐出された熱可塑性樹脂は、エンドレスネット96,96によって誘導されながら、ノズル部93の下方に配置された水などの冷却媒体98に投入される。
溶融した熱可塑性樹脂がエンドレスネット96,96の間に落下することにより、ノズル部93の数に応じた本数の連続線条体11aが形成されつつ、エンドレスネット96,96の間に挟まれ、かつ、停留することでランダムループ11bが形成される。そして、このランダムループ11bが互いに接触して融着されることにより立体的な三次元立体網状構造体11が形成される。
次に、上記の一連の工程を経て得られた三次元立体網状構造体11を下型の上に載置し、端始末部20となる端部、支持部30となる端部及び本体部10が形成されるようにプレス型で熱プレス(熱圧縮成型)する。このように、三次元立体網状構造体11がプレス型で熱プレスされることによって、図1に示すような、板状体の端始末部20及び支持部30を有する腰パッド1Aが形成される。
次に、上記実施形態及び上記製造方法によって製造された腰パッド1Aを腰部へ装着する際の一例について説明する。腰パッド1Aは、内側面3を肌側に向けて装着される(図12参照)。言い換えれば、腰パッド1Aは、凹部を形成する面を肌側に向けて装着される。このとき、図2に示す下部を下方に向けて装着される。腰部への腰パッド1Aの装着は、腰部に直接当てた後、パンツなどのウエスト部で腰パッド1Aを支持したり、ベルトやサポータなどで支持したり、衣服に腰パッド1Aを貼付したパンツなどを着用したりして行うことができる。また、腰部への腰パッド1Aの装着は、衣類などに設けられた腰パッド1Aを収容するための収容部に腰パッド1Aを収容し、その腰パッド1Aが収容された衣類を着用することによって行うことができる。
衣類の例には、スカート、キュロットスカート、スパッツ、ガードル、ニッパー、パンツ、エプロン、膝・肘・大転子サポータ、ウエストベルトなどが含まれる。衣類に設けられる収容部の例には、腰パッド1Aを収容するポケットなどが含まれる。また、収容部を有する膝・肘・大転子サポータ、ウエストベルトが、スカート、キュロットスカート、スパッツ、ガードル、ニッパー、パンツ、エプロンなどに取り付けられた構造としてもよい。
以下、腰部に腰パッド1Aを装着するための衣類の一つとして、腰パッド1Aを収容するため腰パッド用ポケット部を有するパンツについて詳細に説明する。図6(A)は、腰パッド用ポケット部51を有するパンツ50の一例を示す斜視図、図6(B)は、腰パッド用ポケット部51を拡大して示す斜視図である。図7は、図6(B)に示す腰パッドのVII−VII線における断面図である。
図6(A)に示すように、腰パッド用ポケット部51は、着用者がパンツ50を着用した際に腰部を覆う部分に設けられている。図6(B)及び図7に示すように、腰パッド用ポケット部51は、着用時に人体側に配置される(腰部を覆うように配置される)前側下辺部材53及び前側上辺部材55と、着用時に人体の外側に配置される裏側下辺部材57及び裏側上辺部材59と有しており、これらの部材により袋状に形成されている。言い換えれば、腰パッド用ポケット部51は、前側下辺部材53、前側上辺部材55、裏側下辺部材57及び裏側上辺部材59により、腰パッド1Aを収容するための収容空間が形成されている。
前側上辺部材55の下縁の一部は、前側下辺部材53の上縁の一部を覆うように配置されており、前側上辺部材55と前側下辺部材53との隙間部分から上記腰パッド1Aを出し入れ可能となっている。前側下辺部材53には、吸汗性のあるベア天竺素材を使用することができる。前側上辺部材55及び裏側上辺部材59には、パンツ50を形成する本体部と同じ材料を使用することができる。裏側下辺部材57には、伸縮力のある細かいネット状の編物であるパワーネットを使用することができる。また、裏側下辺部材57を別の生地で設け、その生地の前側下辺部材53側にパワーネットを裏打ちしてもよい。
裏側下辺部材57として使用されるパワーネットは、面内方向に張力がかかった状態、言い換えれば、張力がかけられていない通常状態から長手方向(図6(B)においては左右方向)に伸ばされた状態で、前側下辺部材53、前側上辺部材55及び裏側上辺部材59に縫着されてもよい。この場合、腰パッド1Aが腰パッド用ポケット部51に収容された状態のパンツ50が着用されると、腰パッド1Aの収容空間に収容される腰パッド1Aの外側面5(図3(A)及び(B)参照)の下部が、パワーネットによって人体側に向かって面的に押さえられる。
更に、裏側下辺部材57と前側下辺部材53との間には、伸縮性のあるテープ状の部材であるストレッチテープ(例えば、平ゴム)61が設けられてもよい。ストレッチテープ61は、腰パッド用ポケット部51の左右両端(本実施形態では、図6(B)に示すように、裏側下辺部材57及び前側下辺部材53の左右両端部分)に縫着される。このときストレッチテープ61は、左右方向(長手方向)に張力がかかった状態、言い換えれば、張力がかけられていない通常状態から左右方向に伸ばされた状態で縫着される。
ストレッチテープ61は、腰パッド1Aを収容する収容空間に腰パッド1Aが収容された際に、腰パッド1Aの高さ方向(図2に示す上下方向)の中心部近傍の外側面5(図3(A)及び(B)参照)を押さえることができる位置に設けられる。この場合、腰パッド1Aが腰パッド用ポケット部51に収容された状態のパンツ50が着用されると、腰パッド1Aの収容空間に収容される腰パッド1Aの高さ方向の中心部近傍の外側面5が、ストレッチテープ61によって人体側に向かってポイント的に押さえられる。
上記実施形態の腰パッド1Aでは、面的に押さえる裏側下辺部材(パワーネット)57が人体に向かって押さえつける力よりも、ポイント的に押さえるストレッチテープ(平ゴム)61が人体に向かって押さえつける力の方が大きい。これにより、腰パッド1Aは、裏側下辺部材57によって人体から浮かないように全体的にゆるく押さえつけられ、ストレッチテープ61によって人体に密着させられる。
次に、腰部に腰パッド1Aを装着するための衣類のもう一つとして、腰パッド1Aを収容するため腰パッド用ポケット部を有するウエストベルト70について詳細に説明する。図8は、腰パッド用ポケット部71を有するウエストベルト70の一例を内側から見た平面図である。図9は、図8に示すウエストベルト70のIX−IX線における断面図である。ウエストベルト70は、ウエスト部に着用するベルトであり、図8に示すように、腰パッド用ポケット部71と、脇側ベルト部77と、固定部78とを備えている。
ウエストベルト70は、腰パッド用ポケット部71は、着用者がウエストベルト70を着用した際に腰部を覆う部分に設けられている。図8及び図9に示すように、腰パッド用ポケット部71は、着用時に人体側に配置される(腰部を覆うように配置される)前側下辺部材72及び前側上辺部材73と、着用時に人体の外側に配置される裏側下辺部材74及び裏側上辺部材75と有しており、これらの部材により袋状に形成されている。言い換えれば、腰パッド用ポケット部71は、前側下辺部材72、前側上辺部材73、裏側下辺部材74及び裏側上辺部材75により、腰パッド1Aを収容するための収容空間が形成されている。
脇側ベルト部77は、腰パッド用ポケット部71の左右両端に縫着されている。脇側ベルト部77は、伸縮力のある細かいネット状の編物であるパワーネットを二重に重ねて使用することができる。脇側ベルト部77において腰パッド用ポケット部71が縫着される側と反対側の側部には、固定部78が縫着されている。固定部78も、例えば、先のパワーネットを重ねて使用することができる。固定部78は、ウエストベルト70を人体に固定するための部位である。ウエストベルト70は、着用時に人体の腹側部分で固定部78同士を固定することにより人体に装着することができる。
固定部78同士の固定は、固定部78の一方の面側(図8に示す状態において表側、着用時に人体正面から見て裏側)に面ファスナーのオス78aを設け、固定部78の他方の面側(図8に示す状態において裏側、装着時に人体正面から見て表側)に面ファスナーのメス78bを設けることにより、互いに固定することができる。面ファスナーのメス78bを面ファスナーのオス78aより広範囲に設けることにより、固定部78同士を固定できる範囲が広がる。これにより、ウエストベルト70を人体にきつく固定したり緩く固定したりするなど調整が可能になる。
前側上辺部材73の下縁は、前側下辺部材72の上縁を覆うように配置されており、前側上辺部材73と前側下辺部材72との隙間部分から上記腰パッド1Aを出し入れ可能となっている。前側下辺部材72には、吸汗性のあるベア天竺素材を使用することができる。前側上辺部材73及び裏側上辺部材75には、コットン綾織などの材料を使用することができる。裏側下辺部材74には、伸縮力のある細かいネット状の編物であるパワーネットを使用することができる。また、裏側下辺部材74を別の生地で設け、その生地の前側下辺部材72側にパワーネットを裏打ちしてもよい。
裏側下辺部材74として使用されるパワーネットは、面内方向に張力がかかった状態、言い換えれば、張力がかけられていない通常状態から面内方向に伸ばされた状態で、前側下辺部材72、前側上辺部材73及び裏側上辺部材75に縫着されてもよい。この場合、腰パッド1Aが腰パッド用ポケット部71に収容された状態のウエストベルト70が着用されると、腰パッド1Aの収容空間に収容される腰パッド1Aの外側面5(図3(A)及び(B)参照)の下部が、パワーネットによって人体側に向かって面的に押さえられる。
更に、裏側下辺部材74と前側下辺部材72との間には、伸縮性のあるテープ状の部材であるストレッチテープ(例えば、平ゴム)76が設けられてもよい。ストレッチテープ76は、腰パッド用ポケット部71の左右両端(本実施形態では、図8に示すように、裏側下辺部材74及び前側下辺部材72の左右両端部分)に縫着される。このときストレッチテープ76は、左右方向(長手方向)に張力がかかった状態、言い換えれば、張力がかけられていない通常状態から左右方向に伸ばされた状態で、腰パッド用ポケット部71の左右両端に縫着される。
ストレッチテープ76は、腰パッド1Aを収容する収容空間に腰パッド1Aが収容された際に、腰パッド1Aの高さ方向(図2に示す上下方向)の中心部近傍の外側面5(図3(A)及び(B)参照)を押さえることができる位置に設けられる。この場合、腰パッド1Aが腰パッド用ポケット部71に収容された状態のウエストベルト70が着用されると、腰パッド1Aの収容空間に収容される腰パッド1Aの高さ方向の中心部近傍の外側面5が、ストレッチテープ76によって人体側に向かってポイント的に押さえられる。更に本実施形態のウエストベルト70では、固定部78同士の固定位置を調整することができるので、腰パッド1Aの腰部への密着度を自在に調整可能となる。
なお、上記説明したウエストベルト70は、横方向に開口を設けているが、縦方向に開口を設けてもよい。
上記説明したウエストベルト70は、スカート、キュロットスカート、スパッツ、ガードル、ニッパー、パンツ、エプロンなどに取り付けて使用することができる。また、同様の構造を縫着、接着などにより一体的に設けることができる。以下、上記ウエストベルト70を備えるエプロンについて詳細に説明する。
図10は、ウエストベルト70を取り付けたエプロン80の展開図である。図11は、図10のエプロンの正面図である。図10及び図11に示すように、エプロン80は、ウエストベルトと、本体部83と、上辺見返し部85とを備えている。
ウエストベルト70は、上段にて説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。本体部83は、コットン綾織などの材料を使用することができる。本体部83には、エプロン80を人体に着用するためのウエスト紐が2か所に設けられている。エプロン80は、人体の腹側近傍又は脇側近傍においてウエスト紐同士を固定することにより人体に装着することができる。
ウエストベルト70の本体部83への固定は、本体部83の上辺に設けられている上辺見返し部85を介して行うことができる。上辺見返し部85とウエストベルト70とは、面ファスナー及びボタンなどを設けることにより、互いを固定することができる。
次に、上記実施形態の腰パッド1Aを腰部に装着した際の作用効果について説明する。なお、腰パッド1Aを腰部に直接装着した場合も、腰パッド用ポケット部51,71に格納した装着した場合も、以下に示す作用効果を享受できる。
上記実施形態の腰パッド1Aでは、空隙を有する三次元立体網状構造体11によって本体部10が形成されているので、人体への装着時に通気性を確保することができる。一方、支持部30は、三次元立体網状構造体11を熱圧縮成型して形成された板状体であるので、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11と比べて剛性が高められている。このため、支持したい部位(上記実施形態では装着者の腰部)を適切に支持することができる。
本体部10を囲む端始末部20も、支持部30と同様に、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11と比べて剛性が高められているので、腰パッド1A全体としての保形性を高めることができる。更に、支持部30及び端始末部20は、本体部10と比べて薄く形成されているので、人体への装着時に、支持部30及び端始末部20が外衣を通して外観に現れにくくなっている。この結果、人体への装着時に外衣を通して外観に現れにくくすると共に通気性を確保することができる。
また、上記実施形態の腰パッド1Aでは、図3(A)及び(B)に示すように、端始末部20の外縁20aによって囲まれる領域は、装着時に着用者の肌側となる内側面3及び内側面3とは反対側の外側面5を有し、内側面3及び外側面5が、外側面5側に全体的に凸となるように形成されている。
ここで、内側面3が腰部を覆うように腰パッド1Aを装着する場合、図12に示すように、衣服などによって腰パッド1Aに、凸部の外側面5側から力F1が加えられる。更に腰パッド用ポケット部51に収容されたパンツ50を着用した際には、パワーネットで形成される裏側下辺部材57及びストレッチテープ61などが腰パッド1Aに、凸部の外側面5側から力F1を加える。また、腰パッド用ポケット部71に収容されたウエストベルト70を着用した際には、パワーネットで形成される裏側下辺部材74及びストレッチテープ76などが腰パッド1Aに、凸部の外側面5側から力F1を加える。
このとき、従来の一般的なフラット形状の腰パッド200では、図13に示すように、外側面205側から腰パッド200に加えられた力F1よって、外側方向に反り返ろうとする力F3が生まれる。このとき、端部となる外縁200aでは、特に反り返ろうとする力F3が大きくなる。このため、腰パッド200の外縁200aが外側に反り返り、外衣を通して腰パッド200の外観に現れやすくなる。
このような従来の腰パッド200に対し、上記実施形態の腰パッド1Aでは、凸部の一部に力F1が加わった場合であっても、図12に示すように、端部となる外縁20aが装着者の肌側に向かってカーブするように形成されているために、腰パッド1Aに押圧力F1による反り返りのパワーが発生したとしても、外縁20aは肌側に向かってカーブする形状を維持しようとし肌側に密着し続ける。このため、腰パッド1Aの外縁20aにおける反り返りが抑制され、外衣を通して腰パッド200の外観に現れにくくなる。また、上記実施形態の腰パッド1Aは、外縁20aが人体に密着するので、外縁200aが人体から離れてしまう従来の腰パッド200と比べ人体との接触面が大きくなり、着用者のサポート感が増す。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態の説明では、腰パッド1Aをパンツ50に設けられた腰パッド用ポケット部51に収容する例及び腰パッド1Aをウエストベルト70に設けられた腰パッド用ポケット部71に収容する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば袋状物に入れたパッドを、公知の接着剤を用いて衣類に貼付したり、衣類に縫着したり、面ファスナー、ボタンなどを介して衣類に着脱可能に取り付けたりするなどしてもよい。接着剤の例には、無機系接着剤、有機系接着剤、及び低融点不織布などが含まれる。
上記実施形態の腰パッド1Aでは、図2に示すように、端始末部20を兼ねた支持部30が左右両端に配置された例を挙げて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図14に示すように、本体部10の外縁10aを囲むように設けられる端始末部20と、端始末部20の外縁20aによって囲まれる領域に設けられると共に、人体への装着時に支持したい腰椎が延びる方向に沿って設けられる2つの支持部30と、を備える腰パッド101Aであってもよい。端始末部20が、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体又は線状体であり、本体部10の厚みt10よりも薄く形成される点、支持部30が、本体部10を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体であり、本体部10の厚みよりも薄く形成されている点は、上記実施形態の腰パッド1Aと同様である。
また、上記腰パッド101Aにおいて、図14の左右両端に配置された端始末部20は、端始末部20としての機能を備えた支持部30として形成してもよい。
上記実施形態では、装着用支持パッドの一例として腰パッド1A,101Aを挙げて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示すような膝パッド301A、図16に示すような大転子パッド401Aとすることもできる。図15及び図16は、左側から順番に平面図、平面図におけるA−A線の断面図、平面図におけるB−B線の断面図を示している。
図15に示す膝パッド301Aは、本体部310の外縁310aを囲むように設けられる端始末部320と、端始末部320の外縁320aによって囲まれる領域に設けられると共に、人体への装着時に支持したい膝関節部の屈曲部位に沿って設けられる支持部330と、を備える。
図16に示す大転子パッド401Aは、本体部410の外縁410aを囲むように設けられる端始末部420と、端始末部420の外縁420aによって囲まれる領域に設けられると共に、人体への装着時に支持したい大転子部の屈曲部位に沿って設けられる支持部430と、を備える。
図15に示す膝パッド301A及び図16に示す大転子パッド401Aであっても、端始末部320,420が、本体部310,410を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体又は線状体であり、本体部310,410の厚みt310,t410よりも薄く形成される点、支持部330,430が、本体部310,410を形成する三次元立体網状構造体11を圧縮熱成型して形成された板状体であり、本体部310,410の厚みt310,t410よりも薄く形成されている点は、上記実施形態の腰パッド1A,101Aと同様である。上記実施形態の腰パッド1A,101Aと同様、これらのパッド301A,401Aを袋状物に入れて、公知の接着剤を用いて衣類に貼付したり、衣類に縫着したり、面ファスナー、ボタンなどを介して衣類に着脱可能に取り付けたりするなどしてもよい。