JP2015148270A - 磁気ロール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性を保ちつつ挟圧力を高める。
【解決手段】磁気ロール装置1は、回転軸11の軸方向に互いに間隔を空けて設けられた複数のマグネットリング本体15、及びマグネットリング本体15同士の間に介在する磁性材からなるスペーサーリング本体17が、一体となって回転する磁気ロール10と、磁性材からなり、マグネットリング本体15に引き寄せられて磁気ロール10との間にフィルム状物F1を挟み込む磁性ロール30と、磁性ロール30が磁気ロール10と近接離隔するように、当該磁性ロール30をスライド可能に回転支持する支持手段40と、を備えている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、フィルムや、金属箔、織物、紙、テープ、粘着テープなどのフィルム状の物体、あるいはガラス板(液晶用ガラス基板など)や金属板(金属ストリップ)の板状物(シリコン基板やプリント基板なども含む)、更には板厚の厚めの物体(以下、これらをまとめて単にフィルム状物という。)を加圧する磁気ロール装置に関する。
従来から、金属箔を製造するために圧延したり、あるいは、被加工物に艶出しを施すために加圧したりするカレンダー機構が知られている。カレンダー機構の中には、磁気を利用したものもある(例えば、特許文献1参照)。磁気を利用したカレンダー機構は、非磁性材からなる筒状の主ロール(例えば、SUSパイプ)と、この主ロールの内側に回転不能に配設された磁石(及びヨーク)と、この磁石に引き寄せられて主ロールの周面に圧接する磁性ロールと、などを備えている。このような磁気を利用したカレンダー機構によれば、ロール相互間に、全長に亘った均一な挟圧力を得ることができる。
特開平02−216294号公報(第2頁左下欄第4行目〜第3頁右上欄第5行目、第1図〜第5図参照)
しかしながら、上記構成のカレンダー機構の場合、主ロールと磁石との二重構造を採用しており、その構造が複雑である。また、非磁性材からなる主ロールによって磁石が覆われて磁力が弱められるので、磁石を大きくし、元々の磁力を強めて挟圧力を保つ必要がある。ロール全体としても大型化の傾向にある。結果、ロールの曲率半径が大きくなって、すなわち、ロールの曲率が小さくなって、ロール相互の接触面積が大きくなるので、単位面積当たりの挟圧力が低下する。このため、ヨークを更に大きくする必要があり、ロール全体としても更に大きくする必要がある。このように、回転部分であるロールが大型化するので、安全性が保てない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、安全性を保ちつつ挟圧力を高めた磁気ロール装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、軸方向に互いに間隔を空けて設けられた複数の永久磁石、及び前記永久磁石同士の間に介在する磁性材からなるヨークが、一体となって回転する磁気ロールと、磁性材からなり、前記永久磁石に引き寄せられて前記磁気ロールとの間にフィルム状物を挟み込む磁性ロールと、前記磁気ロール及び前記磁性ロールの一方が他方と近接離隔するように、該一方を、又は該一方及び該他方の双方をスライド可能に支持する支持手段と、を備えることを特徴とする、磁気ロール装置である。
本発明によれば、シンプルな構造で磁気ロール装置を実現することができる。このため、回転部分であるロールを小型化することができ、設置スペースは少なく、安全性を保つことができる。また、ロールの曲率半径が小さくなり、すなわち、ロールの曲率が大きくなり、ロール相互の接触面積を小さくすることができるので、単位面積当たりの挟圧力を高めることができる。
挟圧力を高めることができるので、フィルム状物の表面に付着した液体の液切りをする場合には、略完全に行うことができる。そして、フィルム状物の搬送速度を高めて処理をした場合であっても、確実に行うことができる。このため、処理能力を高めることができる。
また、ロールの径が細く、かつ、挟圧力も高いので、空気の排出を確実に行うことができる。このため、空気による斑点の発生を防止することができる。
さらに、磁力によってロール同士を吸着するので、従来品の様な油圧、エアー圧力等で加圧する方法と異なり、ロールの撓みは全く影響しない。すなわち、仮にロールが撓む場合であっても、ロール双方が同じように撓むので、ロール同士の間に無駄な隙間を生じさせない。
(2)本発明はまた、前記複数の永久磁石は、N極同士又はS極同士が向かい合うように設けられていることを特徴とする、上記(1)に記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、N極同士又はS極同士が反発し合うので、磁気ロールの半径方向の磁力を高めることができる。結果として、ロール相互間の挟圧力を高めることができる。
なお、本発明とは異なり、複数の永久磁石が、N極とS極が向かい合うように設けられている場合には、N極とS極が相互に引き合うので、磁気ロールの軸方向の磁力を高めることになる。この場合、永久磁石同士の間に、磁気ロールの半径方向の磁力を発生させることができない。すなわち、ロール相互間の挟圧力を高めることができない。
(3)本発明はまた、前記磁気ロールは、前記永久磁石の外周に被せられる非磁性材からなる磁気ロール用非磁性リングと、前記ヨークの外周に被せられる磁性材からなる磁気ロール用磁性リングと、を備え、前記磁気ロール用非磁性リング及び前記磁気ロール用磁性リングは、交互に連結されて一本の磁気ロール用パイプを構成することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、磁気ロールの周面に位置する磁気ロール用磁性リングが磁化されるので、磁化されない非磁性材のみによってロールの周面が構成されている場合(例えば、特許文献1に記載された加圧装置の場合)と比較して、磁力を3倍〜5倍程度強めることができ、結果として、ロール相互間の挟圧力を高めることができる。これは、磁石からの距離の2乗に比例して磁力が減衰するが、磁気ロール用磁性リングが磁化されて、磁力の減衰量を少なくすることができるからである。
(4)本発明はまた、前記支持手段は、略水平方向に前記一方が前記他方と近接離隔するように、該一方を、又は該一方及び該他方の双方をスライド可能に支持することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、ロールに掛かる重力による影響を排除し、磁力のみでフィルム状物を挟み込むことができる。これにより、磁力の強さの調整のみによって挟圧力の設定ができる。すなわち、挟圧力の設定が簡単になる。
(5)本発明はまた、前記フィルム状物の表面に塗布材料を塗布する磁気ロール装置であって、前記磁気ロール又は前記磁性ロールは、前記フィルム状物に対して前記塗布材料を塗布することを特徴とする、上記(4)に記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、シンプルな構造でありながら、フィルム状物の表面に塗布材料を確実かつ均一に塗布することができる。
ロールを用いてフィルム状物に塗布材料を塗布する場合、ロールに付着した塗布材料が空気と順次入れ替わり、新たな塗布材料がロールに付着するようにしなければならない。このため、ロールの径は小さいことが好ましいが、上記発明によれば、ロールの径を小さくした場合であっても、磁力によりロール同士が吸着しているので、均一に吸着され、ロールの撓み等の影響を受けずにすむ。
(6)本発明はまた、前記フィルム状物の表面に付着した液体の液切りをするものであることを特徴とする、上記(4)に記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、シンプルな構造でありながら、フィルム状物の表面に付着した液体の液切りを確実にすることができる。
(7)本発明はまた、重ね合わせられた複数の前記フィルム状物を加圧してラミネートするものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気ロール装置である。
上記発明によれば、シンプルな構造でありながら、確実にラミネートすることができる。
本発明の上記(1)〜(7)に記載の磁気ロール装置によれば、安全性を保ちつつ挟圧力を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る磁気ロール装置の外観斜視図である。 図1における矢印IIの方向に視た磁気ロール装置の断面図であり、磁性ロールが磁気ロールに近接した状態を示す。 図1における矢印IIの方向に視た磁気ロール装置の断面図であり、磁性ロールが磁気ロールから離隔した状態を示す。 磁気ロールと磁性ロールの断面図であり、磁極の配置と磁力の向きを説明する。 磁気ロールを構成する外筒の断面図である。 塗布材料を塗布する実施例に係る磁気ロール装置の概略図である。 液切りをする実施例に係る磁気ロール装置の概略図である。 複数のフィルム状物をラミネートする実施例に係る磁気ロール装置の概略図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気ロール装置の外観斜視図である。 比較対象となる磁気ロール装置の断面図である。 比較対象となる磁気ロール装置の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る磁気ロール装置について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態にて説明する磁気ロール装置1,2の構成に限定されるものではない。
[第1実施形態]まず、図1〜図4を用いて、第1実施形態に係る磁気ロール装置1の構成について説明する。図1は、磁気ロール装置1の外観斜視図である。図2は、図1における矢印IIの方向に視た磁気ロール装置1の断面図である。図2Aは、磁性ロール30が磁気ロール10に近接した状態を示す。図2Bは、磁性ロール30が磁気ロール10から離隔した状態を示す。図3は、磁気ロール40と磁性ロール30の断面図であり、磁極の配置と磁力の向きを説明する。図4は、磁気ロール10を構成する外筒14の断面図である。なお、各図において、図面の簡略化のため、一部の構成を適宜省略する。そして、各図において、部材の厚みや大きさなどを適宜誇張して表現する。
図1〜図4に示される磁気ロール装置1は、搬送されるフィルム状物F1に対して加圧して、後述する様々な処理を施すものである。具体的に、磁気ロール装置1は、磁気ロール10と、磁性ロール30と、支持手段40と、を備えている。
図1、図2A及び図2Bに示されるように、磁気ロール10は、支持手段40に対し、水平軸回りに回転自在に取り付けられている。具体的に、磁気ロール10は、その回転軸11の両端が、支持手段40の軸受孔43に、回転自在に嵌め込まれている。さらに、軸受孔43に嵌め込まれた回転軸11の両端には、それぞれ、固定リング50が嵌め込まれて固定され、脱落が防止されている。固定リング50は、回転軸11と一体となって回転する。
磁気ロール10は、磁力によって磁性ロール30を引き寄せる。すなわち、磁気ロール10は、磁性ロール30との間に引力を生じさせる。そして、磁気ロール10は、引き寄せた磁性ロール30との間に配置されたフィルム状物F1を挟み込んで加圧する。また、磁気ロール10は、磁性ロール30との間に挟み込んだフィルム状物F1の走行に伴って回転する。結果として、磁気ロール10は、走行するフィルム状物F1に対し、回転しながら作用する。
磁性ロール30は、支持手段40に対し、磁気ロール10の横に並ぶように、水平軸回りに回転自在に取り付けられている。そして、磁性ロール30は、磁気ロール10と近接離隔するように、水平方向にスライド可能となっている。具体的に、磁性ロール30は、その回転軸31の両端が、支持手段40の軸受孔44に、回転自在かつスライド可能に嵌め込まれている。さらに、軸受孔44に嵌め込まれた回転軸31の両端には、それぞれ、固定リング51が嵌め込まれて固定され、脱落が防止されている。固定リング51は、回転軸31と一体となって回転する。
磁性ロール30は、磁気ロール10による磁力によって、磁気ロール10に引き寄せられる。そして、磁性ロール30は、引き寄せられた磁気ロール10との間に配置されたフィルム状物F1を挟み込んで加圧する。また、磁性ロール30は、磁気ロール10との間に挟み込んだフィルム状物F1の走行に伴って回転する。結果として、磁性ロール30は、走行するフィルム状物F1に対し、回転しながら作用する。さらに、磁性ロール30は、手等によって外力を加えることで、磁気ロール10から引き離される。
支持手段40は、磁性ロール30が磁気ロール10と近接離隔するように、当該磁性ロール30をスライド可能に回転支持すると共に、磁気ロール10を回転支持する。具体的に、支持手段40は、一対の支持プレート41と、これら一対の支持プレート41を連結する連結バー42と、を備えている。一対の支持プレート41は、水平方向に延びるように、壁等に取り付けられて配置される。これら一対の支持プレート41は、それぞれ、磁気ロール10の回転軸11が嵌め込まれる軸受孔43と、磁性ロール30の回転軸31が嵌め込まれる軸受孔44と、連結バー42が嵌め込まれる孔45と、が形成されている。軸受孔43は、磁気ロール10の回転軸11の径と略同じ径(回転軸11の径よりも若干大きい径)の真円形を呈する。軸受孔44は、磁性ロール30の回転軸31の径と略同じ高さ(回転軸31の径よりも若干大きい高さ)の横長の楕円形を呈する。
図3に示されるように、磁気ロール10は、回転軸11と、複数のマグネットリング12と、複数のスペーサーリング13と、外筒(磁気ロール用パイプ)14と、を備えている。
回転軸11は、ステンレス(SUS)等の非磁性材からなる。回転軸11には、複数のマグネットリング12と、複数のスペーサーリング13と、が交互に嵌め込まれる。そして、複数のマグネットリング12及び複数のスペーサーリング13の外周には、一本の外筒14が嵌め込まれている。回転軸11は、複数のマグネットリング12、複数のスペーサーリング13、外筒14と一体となって回転する。
複数のマグネットリング12は、それぞれ、永久磁石からなるマグネットリング本体15と、このマグネットリング本体15の外周に固定された外周リング16と、を備えている。これら複数のマグネットリング12は、回転軸11の軸方向に互いに間隔を空けて、かつ、マグネットリング本体15のN極同士又はS極同士が向かい合うように設けられている。外周リング16は、ステンレス等の非磁性材からなる。なお、各マグネットリング12は、外周リング16を備えず、当該外周リング16が設けられる箇所に隙間を形成するようにしてもよい。ただし、外周リング16を備えない場合、磁気ロール10としての強度は、外周リング16を備える場合と比較して弱くなる。
複数のスペーサーリング13は、それぞれ、鉄等の磁性材からなるスペーサーリング本体17と、このスペーサーリング本体17の内周に固定された内周リング18と、を備えている。スペーサーリング本体17は、マグネットリング12同士の間に介在するヨークとして機能する。内周リング18は、ステンレス等の非磁性材からなる。
図3及び図4に示されるように、外筒14は、ステンレス(例えば、SUS304)等の非磁性材からなる複数の非磁性リング(磁気ロール用非磁性リング)19と、鉄(例えば、S45C)等の磁性材からなる複数の磁性リング(磁気ロール用磁性リング)20と、が交互に、全周溶接等によって連結された一本のパイプである。溶接方法としては、非磁性リング19と磁性リング20を押し付け合って双方を加熱溶融・摩擦圧接する圧接溶接(摩擦溶接)、あるいは、通常の溶接(電気溶接、ガス溶接など)等が考えられる。この外筒14は、マグネットリング12及びスペーサーリング13の外周に被せられて固定される。非磁性リング19は、マグネットリング12の外周に被せられる位置に設けられて固定される。磁性リング20は、スペーサーリング13の外周に被せられる位置に設けられて固定される。
図3に戻って説明する。磁気ロール10は、外筒14の外径が30mm以上200mm以下であることが好ましい。そして、磁気ロール10は、外筒14の長さが200mm以上3000mm以下であることが好ましい。また、複数のマグネットリング12は、それぞれ、回転軸11方向の長さが10mm程度(7mm以上13mm以下)であることが好ましい。さらに、複数のスペーサーリング13は、それぞれ、回転軸11方向の長さが10mm程度(7mm以上13mm以下)であることが好ましい。
磁性ロール30は、回転軸31と、磁性ロール本体32と、を備えている。
回転軸31は、ステンレス等の非磁性材からなる。回転軸31には、磁性ロール本体32が嵌め込まれる。磁性ロール本体32は、鉄等の磁性材からなる。
なお、図面において、磁性ロール30の外径が、磁気ロール10の外径と略同じとなる場合を例に説明しているが、本発明における磁性ロール30の外径は、磁気ロール10の外径よりも大きい場合であっても小さい場合であってもよい。
次に、図3を用いて、磁気ロール装置1における磁極の配置と磁力の向きを説明する。
図3に示されるように、複数のマグネットリング本体15は、N極同士又はS極同士が向かい合うように設けられている。
N極同士が向かい合うマグネットリング本体15の間に介在するスペーサーリング本体17は、マグネットリング本体15のN極と接する部分(スペーサーリング本体17の内周寄りの部分)がS極となる。そして、当該スペーサーリング本体17は、外周寄りの部分がN極となり、その外周に被せられた磁性リング20もN極となる。磁性ロール30における当該磁性リング20に対向する部分はS極となる。
一方、S極同士が向かい合うマグネットリング本体15の間に介在するスペーサーリング本体17は、マグネットリング本体15のS極と接する部分(スペーサーリング本体17の内周寄りの部分)がN極となる。そして、当該スペーサーリング本体17は、外周寄りの部分がS極となり、その外周に被せられた磁性リング20もS極となる。磁性ロール30における当該磁性リング20に対向する部分はN極となる。
矢印で図示されるように、磁力線は、マグネットリング本体15のN極側から、スペーサーリング本体17、磁気ロール10の磁性リング20、フィルム状物F1、磁性ロール本体32、フィルム状物F1、磁気ロール10の磁性リング20、スペーサーリング本体17を経て、マグネットリング本体15のS極側に戻る。
次に、図5〜図7を用いて、磁気ロール装置1の実施例について説明する。図5は、塗布材料60を塗布する実施例に係る磁気ロール装置1の概略図である。図6は、液切りをする実施例に係る磁気ロール装置1の概略図である。図7は、複数のフィルム状物F1,F2をラミネートする実施例に係る磁気ロール装置1の概略図である。
[実施例1]図5に示される磁気ロール装置1は、フィルム状物F1の表面に塗布材料60を塗布する。磁気ロール10及び磁性ロール30は、それぞれ、それらの外周の一部が、塗布材料60を蓄えた容器61に漬かっている。これら磁気ロール10及び磁性ロール30は、塗布材料60が付着した外周が、搬送中のフィルム状物F1に触れることで、当該塗布材料60を当該フィルム状物F1に塗布する。なお、本実施例1では、磁気ロール10及び磁性ロール30の双方で、フィルム状物F1の両面に対して塗布材料60を塗布する場合を示しているが、磁気ロール10又は磁性ロール30の一方で、フィルム状物F1の片面に対して塗布材料60を塗布するようにしてもよい。
実施例1の場合、磁気ロール10と磁性ロール30の太さを適宜替える事により、均一な塗布条件を選定することが出来る。また、実施例1の場合、磁気ロール10と磁性ロール30の両方又は片方を細くしても、磁力により吸着しているため、均一に吸着され、ロールの撓み等の影響を受けない。
[実施例2]図6に示される磁気ロール装置1は、フィルム状物F1に付着した液体の液切りをする。磁気ロール10及び磁性ロール30は、搬送中のフィルム状物F1を挟み込むことで、当該フィルム状物F1の通過時に液切りをする。
なお、従来は、空圧、油圧等のシリンダー等の加圧装置等でフィルム状物F1を押圧したり、ブラシやエアーナイフ(高圧エアーがナイフ状に加工されたもの)等で高圧エアーを吹き付けたりして液切りをしていた。また、2本のロールでフィルム状物F1を挟んで液切りをする方法もあった。しかし、従来の方法では、ロールが加圧されることで撓み、均一に挟む事が出来ない。このため、精度の高い装置が必要であった。本発明によれば、実施例2のように使用することで、磁力により吸着しているため、均一に吸着され、ロールの撓み等の影響を受けない。結果として、均一に挟む事ができる。
[実施例3]図7に示される磁気ロール装置1は、重ね合わせられた複数のフィルム状物F1,F2を加圧してラミネートする。なお、重ね合わせるフィルム状物の枚数は適宜決定することができる。そして、重ね合わせられた複数のフィルム状物F1,F2の間には、適宜糊材を介在させておいてもよい。
[第2実施形態]次に、図8を用いて、第2実施形態に係る磁気ロール装置2の構成について説明する。図8は、磁気ロール装置1の外観斜視図である。なお、ここでは、磁気ロール装置2の特徴部分のみを説明し、磁気ロール装置1と同様の構成、作用及び効果についての説明は省略する。
図8に示される磁気ロール装置2は、磁気ロール10の下方に磁性ロール30を配置したものであり、これ以外の点は、第1実施形態の磁気ロール装置2と同様である。具体的に、磁気ロール装置2は、磁気ロール10と、磁気ロール30と、支持手段70と、を備えている。支持手段70は、一対の支持プレート71と、連結バー72と、を備えている。一対の支持プレート71は、下方に延びるように、天板等に取り付けられて配置される。これら一対の支持プレート71は、それぞれ、磁気ロール10の軸受孔73と、磁性ロール30の軸受孔74と、連結バー72の孔75と、が形成されている。軸受孔74は、磁性ロール30の回転軸31の径と略同じ幅(回転軸31の径よりも若干大きい幅)の縦長の楕円形を呈する。
[比較対象]次に、図9及び図10を用いて、比較対象となる磁気ロール装置101,201について説明する。図9は、磁気ロール装置101の断面図である。図10は、磁気ロール装置201の断面図である。
図9に示される磁気ロール装置101の基本構成は、本発明の実施形態に係る磁気ロール装置1,2と同様である。具体的に、磁気ロール装置101は、磁気ロール110と、磁性ロール120と、支持手段(図示省略)と、を備えている。
磁気ロール110は、非磁性材からなる回転軸111と、永久磁石からなる複数のマグネットリング112と、複数のスペーサーリング113と、を備えている。
複数のマグネットリング112は、回転軸111の軸方向に互いに間隔を空けて、かつ、N極同士又はS極同士が向かい合うように設けられている。複数のスペーサーリング113は、それぞれ、磁性材からなるスペーサーリング本体114と、非磁性材からなる内周リング115と、を備えている。これら複数のスペーサーリング113は、マグネットリング112と比較して、外側に突出している。
磁性ロール120は、非磁性材からなる回転軸121と、磁性材からなる磁性ロール本体122と、からなる。
上記の磁気ロール装置101では、複数のスペーサーリング113が突出しており、フィルム状物F1と接触する外周面がフラットでないので、本発明の目的とする効果を十分に出すことができない。
図10に示される磁気ロール装置201の基本構成は、本発明の実施形態に係る磁気ロール装置1,2と同様である。具体的に、磁気ロール装置201は、磁気ロール210と、磁性ロール220と、支持手段(図示省略)と、を備えている。
磁気ロール210は、非磁性材からなる回転軸211と、永久磁石からなる複数のマグネットリング212と、複数のスペーサーリング213と、非磁性材からなる外筒214と、を備えている。
複数のマグネットリング212は、回転軸211の軸方向に互いに間隔を空けて、かつ、N極同士又はS極同士が向かい合うように設けられている。複数のスペーサーリング213は、それぞれ、磁性材からなるスペーサーリング本体215と、非磁性材からなる内周リング216と、を備えている。これら複数のスペーサーリング213は、マグネットリング212と比較して、外側に突出している。外筒214は、一本のパイプであり、マグネットリング212及びスペーサーリング213の外周に被せられて固定される。
磁性ロール220は、非磁性材からなる回転軸221と、磁性材からなる磁性ロール本体222と、からなる。
上記の磁気ロール装置201では、外筒214が被せられているので、マグネットリング212による吸着力が落ち、本発明の目的とする用途には向かない。すなわち、磁気ロール210と磁性ロール220の磁気的なギャップ(隙間)が大き過ぎて、マグネットリング212による吸着力が充分ではない。
このように、磁気ロール装置1,2によれば、シンプルな構造で実現することができる。このため、回転部分であるロール10,30を小型化することができ、設置スペースは少なく、安全性を保つことができる。また、ロール10,30の曲率半径が小さくなり、すなわち、ロール10,30の曲率が大きくなり、ロール10,30相互の接触面積を小さくすることができるので、単位面積当たりの挟圧力を高めることができる。
挟圧力を高めることができるので、フィルム状物F1の表面に付着した液体の液切りをする場合には、略完全に行うことができる。そして、フィルム状物F1の搬送速度を高めて処理をした場合であっても、確実に行うことができる。このため、処理能力を高めることができる。
また、ロール10,30の径が細く、かつ、挟圧力も高いので、空気の排出を確実に行うことができる。このため、空気による斑点の発生を防止することができる。
さらに、磁力によってロール10,30同士を吸着するので、従来品の様な油圧、エアー圧力等で加圧する方法と異なり、ロール10,30の撓みは全く影響しない。
そして、複数のマグネットリング本体15のN極同士又はS極同士が向かい合うように設けられているので、N極同士又はS極同士が反発し合うので、磁気ロール10の半径方向の磁力を高めることができる。結果として、ロール10,30相互間の挟圧力を高めることができる。
なお、磁気ロール装置1,2とは異なり、複数のマグネットリングが、N極とS極が向かい合うように設けられている場合には、N極とS極が相互に引き合うので、磁気ロールの軸方向の磁力を高めることになる。この場合、マグネットリング同士の間に、磁気ロールの半径方向の磁力を発生させることができない。すなわち、ロール相互間の挟圧力を高めることができない。
また、磁気ロール10の周面に位置する磁性リング20が磁化されるので、磁化されない非磁性材のみによってロールの周面が構成されている場合(例えば、特開平02−216294号公報に記載された加圧装置の場合)と比較して、磁力を3倍〜5倍程度強めることができ、結果として、ロール10,30相互間の挟圧力を高めることができる。これは、永久磁石であるマグネットリングからの距離の2乗に比例して磁力が減衰するが、磁性リング20が磁化されて、磁力の減衰量を少なくすることができるからである。
そして、磁気ロール装置1によれば、スライド可能な磁性ロール30に掛かる重力による影響を排除し、磁力のみでフィルム状物F1を挟み込むことができる。これにより、磁力の強さの調整のみによって挟圧力の設定ができる。すなわち、挟圧力の設定が簡単になる。
また、実施例1の態様によれば、シンプルな構造でありながら、フィルム状物F1の表面に塗布材料60を確実かつ均一に塗布することができる。
さらに、実施例2の態様によれば、シンプルな構造でありながら、フィルム状物F1の表面に付着した液体の液切りを確実にすることができる。
そして、実施例3の態様によれば、シンプルな構造でありながら、確実にラミネートすることができる。
本発明は、上記各実施形態及び上記各実施例に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
すなわち、上記各実施形態において、各構成の位置、大きさ、形状、材質、向き、数量などは適宜変更できる。例えば、マグネットリング12の数量は、適宜変更できる。スペーサーリング13の数量は、マグネットリング12の数量に応じて適宜決定すればよい。同様に、磁気ロール10の外筒14を構成する非磁性リング19の数量や、磁気ロール10の外筒14を構成する磁性リング20の数量も、マグネットリング12の数量に応じて適宜決定すればよい。
あるいは、上記各実施形態では、磁性ロール30が磁気ロール10と近接離隔するように支持手段40にスライド可能に支持されているが、本発明はこれに限定されず、磁気ロールが磁性ロールと近接離隔するように支持手段にスライド可能に支持される構成であってもよい。あるいは、磁気ロール及び磁性ロールの双方が、互いに近接離隔するように支持手段にスライド可能に支持される構成であってもよい。
1,2 磁気ロール装置
10 磁気ロール
14 外筒(磁気ロール用パイプ)
15 マグネットリング本体(永久磁石)
17 スペーサーリング本体(ヨーク)
19 非磁性リング(磁気ロール用非磁性リング)
20 磁性リング(磁気ロール用磁性リング)
30 磁性ロール
40,70 支持手段
60 塗布材料
F1 フィルム状物

Claims (7)

  1. 軸方向に互いに間隔を空けて設けられた複数の永久磁石、及び前記永久磁石同士の間に介在する磁性材からなるヨークが、一体となって回転する磁気ロールと、
    磁性材からなり、前記永久磁石に引き寄せられて前記磁気ロールとの間にフィルム状物を挟み込む磁性ロールと、
    前記磁気ロール及び前記磁性ロールの一方が他方と近接離隔するように、該一方を、又は該一方及び該他方の双方をスライド可能に回転支持する支持手段と、を備えることを特徴とする、
    磁気ロール装置。
  2. 前記複数の永久磁石は、N極同士又はS極同士が向かい合うように設けられていることを特徴とする、
    請求項1に記載の磁気ロール装置。
  3. 前記磁気ロールは、前記永久磁石の外周に被せられる非磁性材からなる磁気ロール用非磁性リングと、前記ヨークの外周に被せられる磁性材からなる磁気ロール用磁性リングと、を備え、
    前記磁気ロール用非磁性リング及び前記磁気ロール用磁性リングは、交互に連結されて一本の磁気ロール用パイプを構成することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の磁気ロール装置。
  4. 前記支持手段は、略水平方向に前記一方が前記他方と近接離隔するように、該一方を、又は該一方及び該他方の双方をスライド可能に支持することを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ロール装置。
  5. 前記フィルム状物の表面に塗布材料を塗布する磁気ロール装置であって、
    前記磁気ロール又は前記磁性ロールは、前記フィルム状物に対して前記塗布材料を塗布することを特徴とする、
    請求項4に記載の磁気ロール装置。
  6. 前記フィルム状物の表面に付着した液体の液切りをするものであることを特徴とする、
    請求項4に記載の磁気ロール装置。
  7. 重ね合わせられた複数の前記フィルム状物を加圧してラミネートするものであることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ロール装置。
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