JP2015148246A - 鋼管連結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸心方向に沿って配設された複数の凸部11から成る列状凸群15が内周面1Bに複数列並設された鋼管1と、外鍔部5と内挿筒部4,4とを一体に有する短筒状ジョイント3とを、備え、同一軸心上に並べた鋼管1,1の相互に近接して向かい合う端部2,2にジョイント3の内挿筒部4,4を挿入して連結する鋼管連結構造であって、鋼管1の内周面1Bには、周方向に隣接する列状凸群15,15の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部が形成され、かつ、180°反対側の列状凸群15,15には、凸部11,11が軸心方向に同位相で配設され、内挿筒部4の外周面4Aには、180°反対側の列状凸群15,15に係止する抜止め用小突起9,9が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして形成され、かつ、長手方向凹部に嵌合する周方向位置決め用膨出部を設けている。
【選択図】図2
Description
従来、この鋼管は、数メートルの長さ寸法のものを複数本連結して使用され、鋼管表面に凸凹を有するため、一般的な螺着方式の鋼管連結構造(特許文献1参照)は使用できなかった。
そこで、鋼管どうしを溶接して連結するか、あるいは、螺子式の継手を鋼管に溶接しておき現場で連結することが行われている。
また、螺子式の継手を鋼管に溶接する場合は、工場で継手を鋼管に溶接するが、継手の加工と鋼管への溶接が必要となる為、経済的な負担が大きかった。
また、上記鋼管の外周面には、上記凸部に対応する位置に窪み部が凹設されているものである。
また、上記凸部が、斜め方向に傾斜した一文字状に形成され、挿入使用状態に於て、上記鋼管に引張力がかかると、上記小突起が傾斜状の上記凸部に案内されて上記ジョイントに回転力が作用し、上記ジョイントと上記鋼管の遊びが無くなった状態で強固に抜止めするように構成されているものである。
図1と図2に示すように、本発明は、軸心方向に沿って配設された複数の凸部11から成る列状凸群15が内周面1Bに複数列並設された鋼管1と、外鍔部5と内挿筒部4,4とを一体に有する短筒状ジョイント3とを、備え、同一軸心上に並べた鋼管1,1の相互に近接して向かい合う端部2,2にジョイント3の内挿筒部4,4を挿入して連結する鋼管連結構造である。
本発明の鋼管連結構造は、地山補強用として、あるいは、鋼管複合構造体用として用いられる。具体的には、図示省略するが、地山補強用としては、自然斜面や地山が崩壊するのを防ぐために、地山に向って水平方向又は斜め方向互い違いに掘削孔を形成すると共に、掘削孔の中に複数本の鋼管1,1をジョイント3を介して長手方向に連結しつつ挿入して、掘削孔にモルタル又はソイルセメント等の固化部材を流し込んで地盤と一体化する地山補強工法にて、固化部材と鋼管から成る複合杭の芯材として用いられる。あるいは、高層ビルや道路・鉄道の橋脚等の建築現場に於て、構造物の基礎となる鉄筋を鋼管1に代替し、型枠内で鋼管1を組立てると共にモルタル又はソイルセメント等の固化部材を流し込んで鋼管1と一体化する鋼管複合構造体の用途にも使用できる。
また、鋼管1の内周面1Bには、周方向に隣接する列状凸群15,15の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部20が形成されている(平滑な内周面1Bが残留している)。一方、内挿筒部4の外周面4Aには、長手方向凹部20に嵌合する周方向位置決め用膨出部6を設けられている。
図4に示すジョイント3は、内挿筒部4の外周面4Aの180°反対側の2箇所に小突起9,9を備え、各小突起9の両脇に隣接して一対の膨出部6,6が長手方向にわたって形成されている。また、外鍔部5は、挿入使用状態で、鋼管1の外周面1Aよりラジアル外方に突出しないように形成されている。なお、小突起9に隣接する膨出部6,6のどちらか一方を省略しても構わない。
また、例えば、図7に示すように、内挿筒部4の外周面4Aの180°反対側の2箇所に膨出部6,6が形成され、その直交方向の180°反対側の2箇所に小突起9,9を備えていても良い。
図2及び図3に示すように、鋼管1の端部2に、ジョイント3の内挿筒部4を挿入する。この際、鋼管1側の長手方向凹部20に周方向位置決め用膨出部6を合わせるように挿入する。また、挿入の際、内挿筒部4と鋼管1の内周面1Bとの隙間(遊び)を活かして、位相に差の有る小突起9,9のどちらか一方が凸部11に摺接し、かつ、他方が凸部11,11間の谷部に逃げながら、鋼管1に対し内挿筒部4を微小角度の首振り(ピッチング)させながら押し込んでいく。鋼管1の端部2がジョイント3の外鍔部5に当たるまで挿入する必要はなく、ある程度の深さまで挿入すると、一方の小突起9が凸部11に当接して乗り上げた状態となり、また、他方の小突起9が180°反対側にて軸心方向に位相の異なる凸部11に係止して鋼管1の引張力に対する抜止めを発揮する。この際、一方の小突起9が凸部11に乗り上げて、鋼管1に対し内挿筒部4が偏心することとなり、他方の小突起9は、凸部11の側面に確実に係止して抜止めをする。また、長手方向凹部20に対し、膨出部6が嵌合し、鋼管1と内挿筒部4の回転を阻止する。なお、鋼管1の端部2に内挿筒部4を挿入する際、軸心方向に強い衝撃を与えて叩き込んでも良い。小突起9,9は、内挿筒部4の挿入時にのみ凸部11を乗り越え易いように、内挿筒部4の挿入方向に傾斜面を有する三角形状、乃至、台形状に形成するのが望ましい。
図8では、軸心方向に沿って配設された複数の凸部11から成る列状凸群15が内周面1Bに複数列並設された鋼管1と、外鍔部5と内挿筒部4,4とを一体に有する短筒状ジョイント3とを、備え、同一軸心上に並べた鋼管1,1の相互に近接して向かい合う端部2,2にジョイント3の内挿筒部4,4を挿入して連結する鋼管連結構造であって、180°反対側の列状凸群15,15には、凸部11,11が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして配設され、内挿筒部4の外周面4Aには、180°反対側の列状凸群15,15に係止する抜止め用小突起9,9が軸心方向に同位相で形成されている。
鋼管1の内周面1Bには、周方向に隣接する列状凸群15,15の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部20が形成され、かつ、長手方向凹部20に嵌合する周方向位置決め用膨出部6を設けられている。その他の構成については、上述の実施形態と同様である。
例えば、図9では、凸部11が斜め方向に傾斜した一文字状に形成されている。複数の斜め傾斜状凸部11が軸心方向に沿って配設された列状凸群15が、複数列並設されている。凸部11の傾斜方向は、図例のように列ごとに相違しても良く、全て同じ方向でも良い。また、図10に示すように、凸部11が斜め方向に傾斜した一文字状であって、列内で傾斜方向が交互に異なる千鳥状に配列されているも好ましい。
また、図11では、凸部11が軸心方向に沿って一文字状に形成され、直列状に複数列並設されている。図12に示すように、凸部11が周方向に一文字状に形成されているも好ましい。
図13、図14では、鋼管1の内周面1Bに、軸心方向に沿って配設された複数の凸部11から成る列状凸群15が複数列並設され、180°反対側の列状凸群15,15には、凸部11,11が軸心方向に同位相で配設されている。ジョイント3は、内挿筒部4の外周面4Aに、180°反対側の列状凸群15,15に係止する抜止め用小突起9,9が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして形成されている。また、鋼管1の内周面1Bに於て、周方向に隣接する列状凸群15,15の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部20が形成され、かつ、内挿筒部4の外周面4Aには、長手方向凹部20に嵌合する周方向位置決め用膨出部6が突設されている。なお、図示省略するが、180°反対側の列状凸群15,15に、凸部11,11が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして形成され、内挿筒部4の外周面4Aに、180°反対側の列状凸群15,15に係止する抜止め用小突起9,9が同位相で配設されていても良い。
次に、図16に示すように、膨出部6が長手方向凹部20の一方の側端面(凸部11の側面)に当接して回転出来なくなった所(図16(B)参照。)で止まり、小突起9が凸部11を乗り越える。そして、鋼管1に引張力がかかると、小突起9が凸部11の斜面に沿って逆方向に案内され、ジョイント3は、長手方向凹部20と膨出部6とのガタの有る分だけ挿入時とは反対方向に回転する。膨出部6が長手方向凹部20の他方の側端面に当接して回転出来なくなった状態で、小突起9が凸部11の斜面に係止し、ガタつきが無く、強固に抜止めを行う。挿入時には、小突起9が凸部11を容易に通過し、一方、挿入使用状態に於ては、鋼管1に引張力がかかっても、鋼管1とジョイント3に遊びの無くなった状態で小突起9が凸部11に係止するので、抜け阻止が強固なものとなる。また、小突起9が凸部11を乗り越える箇所と、係止する箇所が、異なるので、凸部11が破壊されて潰れることもない。
1A 外周面
1B 内周面
2 端部
3 ジョイント
4 内挿筒部
4A 外周面
5 外鍔部
6 膨出部
9 小突起
10 窪み部
11 凸部
15 列状凸群
20 長手方向凹部
Claims (4)
- 軸心方向に沿って配設された複数の凸部(11)から成る列状凸群(15)が内周面(1B)に複数列並設された鋼管(1)と、外鍔部(5)と内挿筒部(4)(4)とを一体に有する短筒状ジョイント(3)とを、備え、同一軸心上に並べた上記鋼管(1)(1)の相互に近接して向かい合う端部(2)(2)に上記ジョイント(3)の上記内挿筒部(4)(4)を挿入して連結する鋼管連結構造であって、
上記鋼管(1)の内周面(1B)には、周方向に隣接する上記列状凸群(15)(15)の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部(20)が形成され、かつ、180°反対側の上記列状凸群(15)(15)には、上記凸部(11)(11)が軸心方向に同位相で配設され、
上記内挿筒部(4)の外周面(4A)には、180°反対側の上記列状凸群(15)(15)に係止する抜止め用小突起(9)(9)が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして形成され、かつ、上記長手方向凹部(20)に嵌合する周方向位置決め用膨出部(6)を設けたことを特徴とする鋼管連結構造。 - 軸心方向に沿って配設された複数の凸部(11)から成る列状凸群(15)が内周面(1B)に複数列並設された鋼管(1)と、外鍔部(5)と内挿筒部(4)(4)とを一体に有する短筒状ジョイント(3)とを、備え、同一軸心上に並べた上記鋼管(1)(1)の相互に近接して向かい合う端部(2)(2)に上記ジョイント(3)の上記内挿筒部(4)(4)を挿入して連結する鋼管連結構造であって、
上記鋼管(1)の内周面(1B)には、周方向に隣接する上記列状凸群(15)(15)の間に軸心方向全長にわたって平滑面状の長手方向凹部(20)が形成され、かつ、180°反対側の上記列状凸群(15)(15)には、上記凸部(11)(11)が所定の位相差をもって軸心方向に位置をずらして配設され、
上記内挿筒部(4)の外周面(4A)には、180°反対側の上記列状凸群(15)(15)に係止する抜止め用小突起(9)(9)が軸心方向に同位相で形成され、かつ、上記長手方向凹部(20)に嵌合する周方向位置決め用膨出部(6)を設けたことを特徴とする鋼管連結構造。 - 上記鋼管(1)の外周面(1A)には、上記凸部(11)に対応する位置に窪み部(10)が凹設されている請求項1又は2記載の鋼管連結構造。
- 上記凸部(11)が、斜め方向に傾斜した一文字状に形成され、挿入使用状態に於て、上記鋼管(1)に引張力がかかると、上記小突起(9)が傾斜状の上記凸部(11)に案内されて上記ジョイント(3)に回転力が作用し、上記ジョイント(3)と上記鋼管(1)の遊びが無くなった状態で強固に抜止めするように構成されている請求項1,2又は3記載の鋼管連結構造。
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