JP2015146944A - 加湿方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加湿室における加湿環境を効率的に生成する。【解決手段】加湿室1における雰囲気を加湿するものであって、加湿室1に通じる通気路2を有し、通気路2に空気Airを流通させて加湿室1に導く空気流通器具3と、空気流通器具3にて通気路2に流通させる空気Airを少なくとも加湿室1の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱器具4と、加熱器具4にて加熱された通気路2中の流通空気Airに対して水分を供給し、沸点未満で加湿室1よりも高い温度の低温スチームSmとする水分供給器具5と、加湿室1に低温スチームSmを導くときに加湿室1の雰囲気温度及び湿度を調整する調整器具6と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、処理対象物を加湿する加湿方法及びその装置に関する。
従来における加湿装置の一例としては例えば低温スチーム処理装置が挙げられる。
この種の先行技術としては特許文献1〜3に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、調理対象物を過熱蒸気を用いて調理する加熱調理方法であって、高温の過熱蒸気を調理対象物に当てる高温加熱工程と、高温加熱工程で使用した高温の過熱蒸気より温度の低い低温のガスを調理対象物に当てる降温工程とを交互に繰り返して、調理対象物の加熱に複数回の降温工程を設けて自由水の逃げるのを抑制しながら調理対象物の加熱調理を行う加熱調理方法が開示されている。
特許文献2には、飲用水を供給する水供給部と、前記水供給部から供給された飲用水を加熱させるのと同時に、自身に設置した熱交換器に設けた通穴の少なくとも1つを貫通して延在する主蒸気供給管を流過する蒸気を2次加熱させることにより高温の蒸気を生成かつ供給するボイラー室と、前記ボイラー室の主蒸気供給管から高温の蒸気を供給してもらって食品を調理する調理室と、前記ボイラー室の熱交換器を加熱させるバーナと、前記バーナを制御する操作パネルとから構成されたオーブン用スチーム装置が開示されている。
特許文献3には、タンク内下部には温水加熱器により加熱された温水を貯溜し、その上部空間には水蒸気が存在する水蒸気流通室を形成すると共に、蒸し室内には食品素材としての卵を収容棚上に配置し、更に、タンクと蒸し室の水蒸気流通室との間には水蒸気循環路を形成し、この水蒸気循環路内の水蒸気を循環させることで蒸し室内の卵を低温加熱する低温蒸煮装置が開示されている。
特開2000−152754号公報(発明の実施の形態,図1) 特許第3955021号公報(発明を実施するための最良の形態,図1) 特開平9−327380号公報(発明の実施の形態,図1)
しかしながら、特許文献1〜3に記載の先行技術にあっては、ボイラーを利用した低温スチーム処理技術(特許文献1,2参照)、あるいは、蒸気発生装置にて生成された蒸気を蒸し室、食品庫等に気流と共に供給する低温スチーム処理技術(特許文献3参照)であることから、前者にあっては、ボイラーを用いることを前提としており、また、後者にあっては、蒸し室、食品庫等とは別の場所で過熱蒸気を作製する設備を前提としており、いずれも低温スチームを用いて処理する目的としては設備費用が嵩むという虞れがある。
本発明が解決しようとする技術的課題は、加湿室における加湿環境を効率的に生成することを可能とする加湿方法及びその装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、加湿室における雰囲気を加湿するに際し、加湿室に通じる通気路に対して空気を流通させ、前記加湿室に導く空気流通工程と、前記通気路に流通させる空気を少なくとも加湿室の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱工程と、前記加熱工程にて加熱された前記通気路中の流通空気に対して水分を供給し、沸点未満で加湿室よりも高い温度の低温スチームとする水分供給工程と、前記加湿室内に前記低温スチームを導くときに前記加湿室の雰囲気温度及び湿度を調整する調整工程と、を備えたことを特徴とする加湿方法である。
請求項2に係る発明は、加湿室における雰囲気を加湿する加湿装置であって、前記加湿室に通じる通気路を有し、この通気路に空気を流通させて前記加湿室に導く空気流通器具と、前記空気流通器具にて前記通気路に流通させる空気を少なくとも加湿室の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱器具と、前記加熱器具にて加熱された前記通気路中の流通空気に対して水分を供給し、沸点未満で加湿室よりも高い温度の低温スチームとする水分供給器具と、前記加湿室に前記低温スチームを導くときに前記加湿室の雰囲気温度及び湿度を調整する調整器具と、を備えたことを特徴とする加湿装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る加湿装置において、前記水分供給器具は、前記加熱器具にて加熱された流通空気に対し霧状の水分を供給するものであることを特徴とする加湿装置である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る加湿装置において、前記水分供給器具は、水分を供給したときに、前記低温スチームの蒸気圧が前記加湿室の雰囲気温度の飽和蒸気圧以上に至る条件で実施されるものであることを特徴とする加湿装置である。
請求項5に係る発明は、請求項2ないし4いずれかに係る加湿装置において、前記調整器具は、前記加湿室内の雰囲気温度を調整する温度調整部と、前記低温スチームの温度、湿度及び前記加湿室内への低温スチームの導入量の少なくともいずれかを制御することで前記加湿室内の雰囲気湿度を調整する湿度調整部と、を備えていることを特徴とする加湿装置である。
請求項6に係る発明は、請求項2ないし5いずれかに係る加湿装置において、前記調整器具は、加湿室の雰囲気温度を調整する加熱要素を有し、前記加熱器具は前記調整器具の加熱要素を兼用するものであることを特徴とする加湿装置である。
請求項7に係る発明は、請求項2ないし6いずれかに係る加湿装置において、前記加湿室内の雰囲気の環境情報を検出する検出器と、この検出器の検出出力に基づいて前記調整器具による温度及び湿度の調整度合を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする加湿装置である。
請求項8に係る発明は、請求項2ないし7いずれかに係る加湿装置において、少なくとも一部に開閉可能な扉を有し、内部が加湿室として形成され、当該加湿室内に処理対象物を収容する収容庫と、前記収容庫の加湿室内にて前記処理対象物を保持する保持部材と、を有し、前記加湿室内の処理対象物を低温スチームにて処理するようにした加湿装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る加湿装置において、前記調整器具は前記収容庫の加湿室内の温度を調整する加熱要素を有し、前記加湿室内で前記低温スチームが結露するときに前記加熱要素に対して水分が付着しないように当該加熱要素の周囲が覆われる遮蔽部材を備えていることを特徴とする加湿装置である。
請求項10に係る発明は、請求項2ないし9いずれかに係る加湿装置において、前記加湿室は当該加湿室内の内気を排出する換気路を有し、この換気路に換気器具を設置することを特徴とする加湿装置である。
請求項11に係る発明は、請求項2ないし7又は10のいずれかに係る加湿装置において、前記加湿室につながる通気路のうち前記加湿室との境界部に当該加湿室と同じ温度に維持される予備室を有し、この予備室の下部に低温スチーム結露時の水分が排出可能に受け止められる結露受けを有することを特徴とする加湿装置である。
請求項1に係る発明によれば、加湿室における加湿環境を効率的に生成することができる。
請求項2に係る発明によれば、加湿室における加湿環境を効率的に生成することが可能な加湿方法を容易に具現化することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、加湿室に対し均質な低温スチームを導くことができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、加湿室における加湿環境を幅広く調整することができる。
請求項5に係る発明によれば、加湿室における加湿環境につき温度及び湿度を個別に調整することができる。
請求項6に係る発明によれば、簡単な構成で、加湿室における加湿環境を効率的に生成することができる。
請求項7に係る発明によれば、加湿室における加湿環境を目標環境条件になるように監視することができる。
請求項8に係る発明によれば、低温スチームにて加湿室内の処理対象物を処理するにあたり、加湿室における加湿環境を低温スチーム処理に適した環境として効率的に生成することができる。
請求項9に係る発明によれば、簡単な構成で、加湿室内の処理対象物を低温スチームにて効率的に処理することができる。
請求項10に係る発明によれば、加湿室内の雰囲気環境を容易にリセットすることができる。
請求項11に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、加湿室内での低温スチームによる結露量を抑えることができる。
本発明が適用される加湿装置の実施の形態の概要を示す説明図である。 実施の形態に係る加湿方法の原理を示す説明図である。 実施の形態1に係る加湿装置としての低温スチーム処理装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1に係る低温スチーム処理装置のチャンバ及びその周辺構造並びにチャンバ内に収容されるラックの一例を示す説明図である。 実施の形態1で用いられるチャンバ内の加熱装置の一例を示す説明図である。 (a)は実施の形態1で用いられる低温スチーム作製用の加熱装置の一例を示す説明図、(b)は実施の形態1で用いられる水分供給装置の一例を示す説明図、(c)は実施の形態1で用いられる水分供給装置の他の例を示す説明図である。 実施の形態1に係る低温スチーム処理装置で採用される低温スチーム制御過程の一例を示すフローチャートである。 図7による低温スチーム制御過程によるチャンバ内の状態変化の一例を示す説明図である。 (a)は比較の形態1に係る低温スチーム処理装置の概要を示す説明図、(b)は比較の形態2に係る低温スチーム処理装置の概要を示す説明図である。 実施の形態2に係る加湿装置としての低温スチーム処理装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態3に係る加湿装置の全体構成を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された加湿装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、加湿装置は、加湿室1における雰囲気を加湿するものであって、加湿室1に通じる通気路2を有し、この通気路2に空気Airを流通させて加湿室1に導く空気流通器具3と、空気流通器具3にて通気路2に流通させる空気Airを少なくとも加湿室1の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱器具4と、加熱器具4にて加熱された通気路2中の流通空気Airに対して水分を供給し、沸点未満で加湿室1よりも高い温度の低温スチームSmとする水分供給器具5と、加湿室1に低温スチームSmを導くときに加湿室1の雰囲気温度及び湿度を調整する調整器具6と、を備えている。
このような技術的手段において、空気流通器具3としては、通気路2中に設置される送風用のファン、加湿室1と通気路2との境界部位に設置される吸込用ファンなど適宜選定して差し支えない。
また、加熱器具4は通気路2中に設けられていてもよいし、通気路2に連通する箇所(加湿室1内をも含む。)に設けられ、通気路2とは別の箇所で加熱され、通気路2に流通させるものであってもよい。
更に、水分供給器具5は、加熱器具4で加熱された流通空気Airに対し加熱と同時あるいは加熱後に水分を供給するものであればよく、通気路2中に設けられていてもよいし、通気路2とは別の箇所に設けるようにしてもよい。
更にまた、調整器具6は、加湿室1内の雰囲気温度を調整する温度調整部と、加湿室1内の雰囲気湿度を調整する湿度調整部とを有するものであれば、両者が組み込まれた器具でもよいし、それぞれの機能部が別個に設けられる器具であってもよい。ここで、湿度調整部としては、導入する低温スチームSmの特性(温度、湿度)や量を調整してもよいし、所定条件の低温スチームSmに加えて別途設置された加湿要素による加湿度合を調整するようにしてもよい。
本実施の形態に係る加湿装置においては、以下のような工程で加湿が行われる。
つまり、本例における加湿方法は、加湿室1における雰囲気を加湿するに際し、加湿室1に通じる通気路2に対して空気Airを流通させ、加湿室1に導く空気流通工程Aと、通気路2に流通させる空気Airを少なくとも加湿室1の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱工程Bと、加熱工程Bにて加熱された通気路2中の流通空気Airに対して水分を供給し、沸点未満で加湿室1よりも高い温度の低温スチームSmとする水分供給工程Cと、加湿室1内に低温スチームSmを導くときに加湿室1の雰囲気温度及び湿度を調整する調整工程Dと、を経たものである。
ここで、空気流通工程Aとしては、加湿室1に通じる通気路2を介して空気を流通させるものであればよく、外気を流通させてもよいし、あるいは、加湿室1の内気を循環するように流通させてもよい。
また、加熱工程Bは通気路2に流通させる空気を加熱するものであればよいが、図2に示すように、その加熱温度T1は加湿室1の雰囲気温度T0よりも高ければ適宜選定して差し支えない。ここで、流通空気Airの加熱温度T1が加湿室1の雰囲気温度T0以下であると、飽和蒸気圧が小さいことから、流通空気Air中に含有可能な水分量を多く確保することが困難である。また、加熱温度T1は水分の沸点以上でもよいが、水分を供給したときの潜熱で低温スチームSmが沸点未満の温度T2(T2<T1)に収まることが必要である。
更に、水分供給工程Cは加熱された流通空気Airに対し水分を供給する工程であれば適宜選定して差し支えなく、流通空気Airに均等に水分を供給するという観点からすれば、霧状に水分を供給したり、水分が含浸されたフィルタに空気を通過させる手法が好ましい。
更にまた、調整工程Dは、加湿室1の雰囲気温度T0を一定に調整するほか、予め決められた変化を与えるよう調整することも含む。また、加湿室1の雰囲気湿度を調整するものであればよく、加熱工程B及び水分供給工程Cを経た低温スチームSmの加湿室1への導入量を調整したり、あるいは、加熱工程Bでの加熱量、あるいは、水分供給工程Cの供給される水分量を調整する等適宜選定して差し支えない。
次に、本実施の形態の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、水分供給器具5の好ましい態様としては、加熱器具4にて加熱された流通空気Airに対し霧状の水分を供給するものが挙げられる。本例では、霧状の水分を供給することで、加熱された流通空気Airに対して水分が均一に分散し易い点で好ましい。
また、水分供給器具5の好ましい別の態様としては、水分を供給したときに、低温スチームSmの蒸気圧が加湿室1の雰囲気温度T0の飽和蒸気圧以上に至る条件で実施されるものが挙げられる。
ここで、水分供給器具5による水分供給工程Cを経た低温スチームSmの蒸気圧として、例えば加湿室1の雰囲気温度T0の飽和蒸気圧未満であるとすると、例えば加湿室1における加湿環境を飽和蒸気圧に設定することは難しい。これに対し、本態様のように、加湿室1の雰囲気温度T0の飽和蒸気圧以上に至る条件とすれば、加湿室1の雰囲気湿度を飽和蒸気圧に設定することは可能であり、また、加湿室1に導入する低温スチーム量を変化させることで加湿室1の雰囲気湿度を調整することが可能である。
また、調整器具6の代表的態様としては、加湿室1内の雰囲気温度T0を調整する温度調整部と、低温スチームSmの温度、湿度及び加湿室1内への低温スチームSmの導入量の少なくともいずれかを制御することで加湿室1内の雰囲気湿度を調整する湿度調整部と、を備えているものが挙げられる。
本例では、温度調整部は加湿室1内の雰囲気温度T0を直接調整してもよいし、導入される低温スチームSmの温度を加湿室1内に導入する前に調整するようにしてもよい。また、湿度調整部としては、低温スチームSmの特性(温度、湿度)や導入量を制御することで加湿室1内での低温スチームSmによる加湿度合を変化させるようにすればよい。ここで、低温スチームSmの特性を制御するにあたり、低温スチームSm生成時の特性を制御するようにしてもよいし、加湿室1内に低温スチームSm導入時における低温スチームSmの特性を制御するようにしてもよい。
また、加熱器具4としては独自の要素として設けてもよいが、例えば調整器具6の一要素として、加湿室1の雰囲気温度T0を調整する加熱要素を有していれば、加熱器具4として調整器具6の加熱要素を兼用するようにしてもよい。この場合、調整器具6の加熱要素を利用して、通気路2中に流通する流通空気Airを加熱するようにすればよい。
更に、加湿室1内における加湿環境を監視する上で有効な態様としては、加湿室1内の雰囲気の環境情報を検出する検出器7と、この検出器7の検出出力に基づいて調整器具6による温度及び湿度の調整度合を制御する制御装置8と、を備えたものが挙げられる。
ここで、検出器7は加湿室1内の雰囲気の環境情報(代表的には温度、湿度)を検出し、制御装置8は検出器7からの検出情報と目標環境情報との差分を割出し、その差分を少なくする方向に向けて調整器具6による温度及び湿度の調整度合を制御する。これにより、加湿室1内における加湿環境は目標環境条件に調整される。
次に、加湿装置を低温スチーム処理装置として利用する態様としては、少なくとも一部に開閉可能な扉を有し、内部が加湿室1として形成され、当該加湿室1内に処理対象物11を収容する収容庫と、収容庫の加湿室1内にて処理対象物11を保持する保持部材12と、を有し、加湿室1内の処理対象物11を低温スチームSmにて処理するようにしたものが挙げられる。
ここで、‘低温スチーム処理装置’としては、例えば低温スチーム調理に適用されるものが想定されるが、これに限られるものではなく、例えば調理以外の用途(例えば解凍専用の用途、酵素反応を失活させることで鮮度保持、褐変防止の用途、低温殺菌の用途など)に適用されるものをも広く含む。
また、収容庫としては、少なくとも開閉可能な扉を有し、処理対象物11を保持する保持部材12が配備されるものであればよいが、低温スチーム処理を安定的に実施するには、ある程度保温性のよい材料や構造を採用することが好ましい。更に、保持部材12は、収容庫とは別体として構成してもよいし、一体的に設けるようにしてもよいが、処理対象物11に対して低温スチームSmが十分に吹きかかるように処理対象物11が保持可能な構成を採用することが好ましい。また、保持部材12を移動型として搭載すれば、例えば収容庫に処理対象物11を収容するとき保持部材12毎処理対象物11を搬入でき、あるいは、低温スチーム処理が終了したとき、収容庫から保持部材12毎処理対象物11を搬出することができる点で好ましい。
この種の低温スチーム処理装置の好ましい態様としては、調整器具6は収容庫の加湿室1内の温度を調整する加熱要素を有し、加湿室1内で低温スチームSmが結露するときに加熱要素に対して水分が付着しないように当該加熱要素の周囲が覆われる遮蔽部材(図示せず)を備えていることが好ましい。
ここで、加熱要素としては、ハロゲンランプや抵抗体など適宜選定して差し支えない。加熱要素により加熱される低温スチームSmの温度は水の沸点未満であればよく、加熱要素自体の表面温度は水の沸点未満、以上いずれであってもよい。この場合において、加熱要素自体の表面温度が水の沸点以上であれば、加熱要素付近の相対湿度が0%近くになるので、加熱要素に水分が付着蒸発してスケールが生成されることはない。また、加熱要素の数、設置場所は適宜選定して差し支えない。
また、低温スチーム処理を停止したときに、低温スチームの温度が低下して結露した水分が加熱要素に付着すると、これが蒸発してスケールが生成される可能性があるが、本態様では遮蔽部材が設けられ、結露した水分が加熱要素に付着するのを防止する作用を奏する。また、結露対策としては、必要に応じて結露受けを設置し、結露した水分を結露受けで受けることが好ましい。
更に、加湿装置の好ましい態様としては、加湿室1は当該加湿室1内の内気を排出する換気路(図示せず)を有し、この換気路に換気器具(図示せず)を設置する態様が挙げられる。本態様によれば、加湿室1内の雰囲気環境をリセットするときに、換気器具にて加湿室1内の内気を換気し、通気路2を介して所望の低温スチームSmを導入するようにすればよい。
また、加湿装置としてきのこ栽培等に適した態様としては、加湿室1につながる通気路2のうち加湿室1との境界部に当該加湿室1と同じ温度に維持される予備室(図示せず)を有し、この予備室の下部に低温スチームSm結露時の水分が排出可能に受け止められる結露受けを有するものが挙げられる。
ここで、結露受けとしては、予備室に対して着脱可能として一時的に貯留して排出するようにしてもよいし、受け止めた水分が外部に排出されるようなドレーン構造にする等適宜選定して差し支えない。
本態様によれば、低温スチームSmが加湿室1に導入される際に、仮に、加湿室1内の雰囲気温度T0の環境で低温スチームSmの蒸気圧が飽和蒸気圧を超えるレベルであるとしても、予備室を通過するときに、低温スチームSmから結露した水分は結露受けを介して排出される。このため、加湿室1内に導入された低温スチームSmは加湿室1内の雰囲気温度T0で結露することはない。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3は実施の形態1に係る加湿装置としての低温スチーム処理装置の全体構成を示す。
<低温スチーム処理装置の全体構成>
同図において、低温スチーム処理装置20は低温スチーム調理に適用したものであり、処理対象物である食材Sを収容するチャンバ21と、このチャンバ21内にて食材Sを保持するラック22と、チャンバ21内に収容される雰囲気を加熱する加熱装置23と、チャンバ21内に低温スチームSmを供給するスチーム供給装置24と、この制御装置25による低温スチーム制御を操作する操作盤26と、を備えている。
<チャンバ>
本実施の形態において、チャンバ21は、図3及び図4に示すように、ボックス状のチャンバ本体30を有し、このチャンバ本体30の一側面に扉開口31を開設すると共に、この扉開口31に開閉可能な扉32を設けたものである。
このチャンバ21は、その下部に加熱装置23が設置される加熱室33を有し、この加熱室33の上方空間を低温スチームSmが充満する蒸し室34とするものであり、加熱室33と蒸し室34との境界部分にラック22支持用の床板35を設けると共に、この床板35には加熱装置23にて加熱された空気が上昇するための通路36を開設したものである。
更に、加熱室33の底壁は結露を受ける受け皿37を兼用しており、この受け皿37の一部に外部に通じる排出管38が接続されている。
更にまた、本実施の形態では、チャンバ21の上壁には外部に通ずる通気管41,42が接続され、一方の通気管42には強制換気するための換気用ファン43が装備されると共に、チャンバ21内の上部空間の一部にはチャンバ21内の空気を強制撹拌するための撹拌用ファン44が装備されている。
また、チャンバ21の一側壁(本例では扉32に対向する奥側壁)にはチャンバ21内の雰囲気環境を検出する環境センサとして、本例では温度センサ45及び湿度センサ46が例えば上下方向に亘って複数設置されている。また、チャンバ21の扉開口31の周縁の一部にはチャンバ21内の雰囲気が予熱完了した状態に至ったことを示す表示ランプ47が設けられている。
尚、図4中、符号48はチャンバ21の扉開口31下縁に取り外し可能に設置される案内板である。
<ラック>
本実施の形態において、ラック22は、図3及び図4に示すように、複数段の矩形状の置き板50の各隅部を4本の支持脚51で支えた構造からなり、各支持脚51の下端にキャスタ52を取付けることで移動自在になっている。
また、ラック22の各置き板50には、ばんじゅう等の運搬容器53を介して低温スチーム調理のための食材Sが保持されるようになっている。
<加熱装置>
本実施の形態において、加熱装置23は、図3及び図5に示すように、チャンバ21内の加熱室33に絶縁性の板材からなるヒータ保持板70を配設し、このヒータ保持板70には例えば発熱抵抗線からなるヒータ71を複数列並べた状態で連なるように保持すると共に、このヒータ71の上方には当該ヒータ71の配置に対応して連続的に延びる例えば断面半円状の遮蔽カバー72を配置し、この遮蔽カバー72でヒータ71の上方を覆うようになっている。本例では、この遮蔽カバー72は熱伝導性のよい金属材料(例えば銅、アルミニウム、ステンレス)にて構成されており、ヒータ71の熱が遮蔽カバー72を通じて上方空間に効率的に伝達されるようになっている。
そして、ヒータ71には電流供給装置73が接続されており、この電流供給装置73は例えば定電圧源と可変抵抗とによって供給電流を可変設定し、ヒータ71に供給するようになっている。ここで、ヒータ71自体の発熱温度は供給電流によって適宜選定されるものであるが、通常は水の沸点以上に設定されている。
尚、符号75はヒータ保持板70のうちヒータ71及び遮蔽カバー72の配設位置を除く部位に適宜開設された結露通過孔である。
<スチーム供給装置>
本例において、スチーム供給装置24は、図3及び図6に示すように、例えばチャンバ21の蒸し室34に面した側壁にスチーム供給口61を例えば上下方向に亘って複数開設し、これらのスチーム供給口61に面した側壁の外側には当該スチーム供給口61に連通するようにエアダクト62を配設すると共に、このエアダクト62の通気路63の一部には空気Airを送り込むための送風ファン64を配設し、更に、この通気路63のうち送風ファン64に対し空気Airの送風方向下流側に低温スチーム用の加熱装置65、低温スチーム用の水分供給装置66を順次配設するようにしたものである。
また、本例では、エアダクト62は、送風ファン64、加熱装置65及び水分供給装置66が設置され且つ略水平方向に沿って直線状に延びて形成される第1のエアダクト62aと、この第1のエアダクト62aの出口側で拡開して各スチーム供給口61を全体で覆うように設置される第2のエアダクト62bとを有している。
尚、本例では、第1のエアダクト62aは略水平方向に延びて設置されているが、これに限られるものではなく、例えば略鉛直方向や斜めに傾斜した方向に延びて設置してもよいし、また、第1のエアダクト62aの形状としては必ずしも直線状である必要はなく、全部若しくは一部に屈曲部や湾曲部を有していても差し支えない。更に、第2のエアダクト62bについても、本例では共通の通気路を有しているが、これに限られるものではなく、例えば各スチーム供給口61に対応して第2のエアダクト62bを複数に分岐させ、分岐した通気路を有するようにしてもよいことは勿論である。
−低温スチーム用の加熱装置−
低温スチーム用の加熱装置65は、図3及び図6(a)に示すように、第1のエアダクト62aの周囲を囲むようにヒータホルダ651を配設し、このヒータホルダ651にスチーム用ヒータ650を設置するようにしたものである。
ここで、スチーム用ヒータ650としては例えば発熱抵抗線やハロゲンランプ等が用いられ、ヒータホルダ651としては内面を反射面652として構成し、スチーム用ヒータ650の熱を反射面652を介してエアダクト62内の空気Airに効率的に伝達する態様が好ましい。
尚、本例では、加熱装置65はエアダクト62の外周に設置されているが、エアダクト62の内面や周壁内部にスチーム用ヒータ650を設置するようにしてもよいことは勿論である。
−水分供給装置−
本例では、水分供給装置66は、図3及び図6(b)に示すように、第1のエアダクト62aの近傍に水が一時的に貯留可能なタンク661を設け、このタンク661と水道の蛇口662とを供給配管663で接続すると共に、この供給配管663の一部に水の流量が調整可能な流量調整バルブ664を介在させ、タンク661には複数の水噴射器具665を取り付けたものである。
ここで、水噴射器具665は、タンク661の下壁に複数の噴射ノズル666を予め決められた間隔で取り付け、各噴射ノズル666の出口側に夫々ミストノズル667を装着することで噴射ノズル666から放出される水を霧状にして噴射するものである。
尚、水噴射器具665からの水の噴射量は流量調整バルブ664を調整することで可変設定することが可能である。
本例によれば、通気路63を通過する空気Airに霧状の水が噴射され、これにより、低温スチームSmが形成されるようになっている。
また、水分供給装置66の他の例としては、図6(c)に示すように、第1のエアダクト62aの近傍に水が一時的に貯留可能なタンク661を設けると共に、第1のエアダクト62aの通気路63には浸透性のある含水フィルタ668を配置し、タンク661内の水を連通管669を介して含水フィルタ668に浸透させるようにしたものである。尚、図6(c)中、符号670は含水フィルタ668から垂れる水を排出する排水受けである。
本例によれば、通気路63を通過する空気Airが含水フィルタ668を通過することで、空気Airに水分が含まれ、これにより、低温スチームSmが形成されるようになっている。
<操作盤>
本実施の形態では、操作盤26は、図3及び図4に示すように、チャンバ21内を予熱する予熱スイッチ81と、予熱完了後に処理対象物である食材Sを低温スチーム調理するための調理スイッチ82とを有している。
更に、この操作盤26には、低温スチーム調理の条件として、調理温度を設定する温度設定器83、低温スチームSmの強さを設定するスチーム設定器84、調理時間を設定するタイマ85が設けられている。
<制御装置>
本実施の形態では、制御装置25は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポートなどを含むマイクロコンピュータにて構成されており、操作盤26からの入力信号や温度センサ45、湿度センサ46などの検出信号を入力ポートからCPUに取込み、例えばROMに予め格納していた低温スチーム制御プログラム(図7参照)を実行し、加熱装置23及びスチーム供給装置24に対して所定の制御信号を送出するようになっている。
<低温スチーム処理装置の作動>
次に、本実施の形態に係る低温スチーム処理装置の作動について説明する。
今、低温スチーム処理装置20が未使用の状態であると仮定し、予め決められた低温スチーム調理の条件に従って例えば野菜のような食材Sを低温スチーム調理する場合を例に挙げると以下のようである。
先ず、操作者は、操作盤26を操作することで低温スチーム調理の条件を設定する。
ここで、低温スチーム調理の条件として、水の沸点より低い調理温度をTC2(例えば80℃)、低温スチームSmの強さを標準、調理時間をtmに設定したものとする。
この状態において、操作者が操作盤26の予熱スイッチ81をオン操作する(図8中taに相当)と、制御装置25は、図7に示すように、予熱スイッチ81のオン動作に伴って、低温スチーム調理条件を認識し、チャンバ21内の加熱装置23のヒータ71をオンすると共に、撹拌用ファン44をオンし、更に、スチーム供給装置24の加熱装置65のスチーム用ヒータ650をオンすると共に、送風ファン64をオンして駆動を開始する。
すると、図8に示すように、チャンバ21内では、ヒータ71が発熱して加熱室33内の空気を加熱するため、加熱された空気が蒸し室34側に上昇し、蒸し室34内の冷気との間で対流が生ずる。特に、本実施の形態では、撹拌用ファン44による撹拌動作にて蒸し室34内での空気の対流がより促進される。
一方、エアダクト62内では、送風ファン64により空気Airは通気路63を移動していき、加熱装置65による加熱工程Bを経て例えばTS1(図6(a)参照)に加熱される。
そして、制御装置25は、チャンバ21内の雰囲気温度Tが初期予熱温度TC1(本例ではTC1<TS1)に至る(図8中tbに相当)と、図6(b)及び図7に示すように、水分供給装置66のミストノズル667による噴霧動作を開始する。
このとき、エアダクト62内では、加熱工程Bを経た空気Airは雰囲気温度TS1に加熱された後、霧状の水が噴射される水分供給工程Cに伴って加湿され、かつ、潜熱が奪われて雰囲気温度TS2(本例ではTC1<TS2<TS1)が若干降下する。このようにして、低温スチームSmが形成された後、第1のエアダクト62aから第2のエアダクト62bを経てスチーム供給口61からチャンバ21内の蒸し室34へと供給される。
この状態において、チャンバ21内の雰囲気には低温スチームSmが混入され、チャンバ21内の雰囲気が低温スチームSmによって加湿される。また、低温スチームSmの雰囲気温度TS2はチャンバ21内の雰囲気の初期予熱温度TC1よりも高いので、チャンバ21内の雰囲気温度Tは、初期予熱温度TC1から降下することなく、更に上昇していき、調理温度TC2に相当する目標予熱温度に至る。このため、本実施の形態では、予熱スイッチ81をスタートしてからtc後に目標予熱温度(調理温度TC2)に至り、これにより、予熱工程Iが完了する。
これに対し、例えば低温スチームSmの雰囲気温度TS2が仮にチャンバ21内の雰囲気の初期予熱温度TC1よりも低い条件では、チャンバ21内の雰囲気中に低温スチームSmが混入されると、図8に二点鎖線で示すように、チャンバ21内の雰囲気温度Tは初期予熱温度TC1から一旦降下した後に上昇し、調理温度TC2に相当する目標予熱温度に至る。このため、本態様では、予熱スイッチ81をスタートしてからtc’(tc’>tc)後に目標予熱温度(調理温度TC2)に至り、これにより、予熱工程Iが完了するが、本実施の形態に比べて、予熱工程Iに時間を要することが理解される。
また、スチーム供給装置24から供給される低温スチームSmが仮に一部結露したとしても、チャンバ21内の加熱装置23では、遮蔽カバー72がヒータ71の上方を覆っていることから、結露した水分がヒータ71に付着することはない。また、ヒータ71自体の発熱温度は水の沸点以上であることから、ヒータ71付近の相対湿度は0%近くになるので、ヒータ71に水分が付着蒸発してスケールが生成されることもない。
そして、本例では、制御装置25は、例えば温度センサ45及び湿度センサ46の検出信号によってチャンバ21内の雰囲気環境が調理環境に至った場合に、例えば表示ランプ47を点灯させ、操作者に対して‘予熱完了’を告知するようになっている。
このため、操作者は‘予熱完了’を把握することで、低温スチーム処理装置20に対して食材Sをセットすることが可能である。
この食材Sのセット作業は、図4に示すように、移動型のラック22の各置き板50に対して食材Sを運搬容器53を介して予め載置しておき、チャンバ21の扉32を開放した後、チャンバ21の蒸し室34内にラック22毎食材Sを搬入し、扉32を閉鎖するようにすればよい。
この後、チャンバ21内への食材Sのセットが完了すると、操作者は調理スイッチ82をオン操作するようにすればよい。
食材Sのセット作業の間、チャンバ21の扉32が開放状態になるため、チャンバ21内の雰囲気温度Tは若干降下するが、調理スイッチ82をオン操作してから所定時間経過すると、チャンバ21内の雰囲気温度Tは調理温度TC2に復帰する(図8中tdに相当)。
この段階(チャンバ21内の雰囲気温度Tが調理温度TC2に復帰した段階に相当)において、制御装置25は、図7に示すように、調理時間tmの計数を開始すると共に、チャンバ21内の雰囲気温度Tを調理温度TC2に保つようにヒータ71やスチーム用ヒータ650をオンオフする。
この間、チャンバ21の蒸し室34内では、調理温度TC2の低温スチームSmが充満して食材Sを低温スチーム調理する。
そして、調理時間tmが経過すると、調理工程IIが終了する(図8中teに相当)。
このように調理工程IIが終了すると、制御装置25は、図7に示すように、ヒータ71をオフすると共に撹拌用ファン44をオフし、更に、スチーム用ヒータ650をオフすると共に送風ファン64をオフし、更に、水分供給装置66のミストノズル667による噴霧動作を終了する。尚、調理工程IIが終了した段階で、例えば表示ランプ47を消灯するようにすれば、操作者が調理工程IIの終了を把握することが可能である。
この段階において、操作者は、チャンバ21の扉32を開放し、チャンバ21から移動型のラック22毎食材Sを取り出すようにすればよい。
この後、制御装置25は、チャンバ21内の後処理を実施する。
具体的には、換気用ファン43を駆動させることで、チャンバ21内の低温スチームSmを強制的に換気し、チャンバ21内の雰囲気を外気と略同等に戻すようにすればよい。
このとき、チャンバ21内の雰囲気温度Tが常温まで降下するため、チャンバ21内に残存する低温スチームSmが結露することになるが、結露した水分はチャンバ21の底壁に相当する受け皿37に受け止められ、排出管38を介して外部に排出される。
◎変形の形態
本実施の形態では、予熱工程Iにおいて、チャンバ21内にラック22を予め収容しておき、予熱工程完了時に、チャンバ21内のラック22に運搬容器53を介して食材Sを搬入するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、チャンバ21に換気用ファン43や撹拌用ファン44を装備しているが、簡易型として構成する場合にはこれらを装備しなくてもよい。
次に、本実施の形態に係る低温スチーム処理装置の性能を評価するために、以下に比較の形態1,2に係る低温スチーム処理装置120を図9(a)(b)に夫々示す。
◎比較の形態1
本態様は、図9(a)に示すように、チャンバ121内にラック122を配設し、このラック122に処理対象物としての食材Sを保持させる構造とし、このチャンバ121とボイラ130との間を配管135で接続すると共に、この配管135の一部に流量調整バルブ136を設ける一方、ボイラ130には軟水器140を介して水を供給するようにしたものである。
本例では、ボイラ130で加熱水蒸気を発生させ、流量調整バルブ136でボイラ130からの加熱水蒸気の流入量を調整し、チャンバ121内の低温スチームSmとしての温度を調整するようにしているため、チャンバ121以外にボイラ130が必要不可欠であり、しかも、加熱水蒸気を冷却するときのスケールを抑制する上で、軟水器140にて水に含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオンをナトリウムイオンに置換することが必要不可欠になってしまう点で、実施の形態1とは相違する。
◎比較の形態2
本態様は、図9(b)に示すように、チャンバ121内にラック122を配設し、このラック122に処理対象物としての食材Sを保持させる構造とし、このチャンバ121とは別に水蒸気生成チャンバ150を設け、この水蒸気生成チャンバ150の下部に温水加熱器151で加熱される温水を貯留し、水蒸気生成チャンバ150の上部に水蒸気流通室152を設け、水蒸気生成チャンバ150には水蒸気流通室152に通じるバイパス配管153を設けると共に、このバイパス配管153の一部にポンプ154を介在させることで温水から水蒸気を生成して水蒸気流通室152に送り込む一方、チャンバ121と水蒸気流通室152との間に水蒸気循環路156,157を形成したものである。
本例では、水蒸気生成チャンバ150の水蒸気流通室152に低温スチームSmとなる水蒸気を生成し、チャンバ121内に低温スチームSmを送り込む方式であることから、水蒸気生成チャンバ150が必要不可欠になってしまう点で、実施の形態1とは相違する。
◎実施の形態2
図10は実施の形態2に係る加湿装置としての低温スチーム処理装置の全体構成を示す。
同図において、低温スチーム処理装置の基本的構成は、実施の形態と略同様であるが、実施の形態1と異なるスチーム供給装置24を備えている。
本実施の形態では、スチーム供給装置24は、実施の形態1と略同様な構成のエアダクト62、送風ファン64及び水分供給装置66を備えているが、実施の形態1と異なり、専用のスチーム用の加熱装置65を備えておらず、これに代わって、チャンバ21内の加熱装置23を兼用する方式を採用している。
つまり、エアダクト62のうち第1のエアダクト62aの加熱工程Bを実施する部位とチャンバ21の加熱室33に面した側壁との間に循環用配管160が連通接続され、この循環用配管160の通気路161の一部に循環用ファン162が設置されている。
このため、本実施の形態では、例えばチャンバ21内の加熱装置23を作動させるときに、循環用ファン162を作動させることにより、チャンバ21内の加熱室33の雰囲気をエアダクト62の加熱工程Bが実施される部位に循環させるようにすればよい。尚、加熱工程Bでの加熱を調整する場合には、チャンバ21内の加熱装置23による加熱の程度を調整したり、送風ファン64により加熱室33の雰囲気と外気とを適宜混合させるようにする等適宜選定して差し支えない。
本例によれば、スチーム供給装置24として、専用の加熱装置65を設置しなくて済むので、その分、低温スチーム処理装置の全体構成を簡略化することが可能である。
◎実施の形態3
図11は実施の形態3に係る加湿装置の全体構成を示す。
本実施の形態において、加湿装置は、例えばきのこ栽培などに適した例であり、図示外のきのこなどの処理対象物が収容されるチャンバ170内に加湿室171と、この加湿室171に隣接して連通する予備室172とを設け、加湿室171には例えば空気調和装置173や撹拌用ファン174を設置すると共に、予備室172の底壁を結露の受け皿175として兼用し、この受け皿175の一部に外部に通じる排出管176を接続し、更に、予備室172に対しスチーム供給装置24を付設したものである。
本例において、スチーム供給装置24は、実施の形態1と略同様に、予備室172に連通するエアダクト62と、このエアダクト62の通気路63内に空気Airを送風する送風ファン64と、通気路63を通過する空気Airを加熱する加熱装置65と、この加熱装置65にて加熱された空気Airに水を供給する水分供給装置66と、を備えている。
更に、空気調和装置173、送風ファン64、加熱装置65及び水分供給装置66などは制御装置180によって制御され、チャンバ170内の雰囲気環境(温度、湿度)を所望のものに制御するために、スチーム供給装置24により形成される低温スチームSmの環境条件(温度、湿度)を調整するようになっている。尚、図中、符号181は加湿室171の雰囲気温度TCを検出する温度センサ、符号182は加湿室171の雰囲気湿度を検出する湿度センサである。
本実施の形態では、スチーム供給装置24は、実施の形態1と略同様に、エアダクト62内の通気路63に空気Airを送風し、加熱装置65にて例えばTS1に加熱し、次いで、水分供給装置66にて水を供給することで空気Airを加湿すると共に雰囲気温度が若干低下したTS2(本例ではTS2<TS1)の低温スチームSmを形成し、これをチャンバ170内の予備室172に供給する。
このとき、予備室172の雰囲気温度TCが低温スチームSmの雰囲気温度TS2よりも低いと仮定すれば、低温スチームSmが予備室172の雰囲気に混入されると、低温スチームSmが予備室172に供給された時点で温度が低下することで結露する可能性があるが、仮に、結露したとしても、結露した水分は予備室172の下方の受け皿175で受け止められ、排出管176を介して排出される。
よって、低温スチームSmが予備室172を介して加湿室171に供給された時点では、低温スチームSmは加湿室171の雰囲気温度TCに対応した飽和蒸気圧分の水分を含んだ状態になっていることから、加湿室171で結露が不必要に生ずる懸念は少ない。
このように、本例では、加湿室171の雰囲気温度TCを不必要に低下させることなく、低温スチームSmを効率的に供給可能な加湿処理が実施される。
1…加湿室,2…通気路,3…空気流通器具,4…加熱器具,5…水分供給器具,6…調整器具,7…検出器,8…制御装置,11…処理対象物,12…保持部材,A…空気流通工程,B…加熱工程,C…水分供給工程,D…調整工程,Air…空気,Sm…低温スチーム,T0…加湿室の雰囲気温度,T1…加熱工程での雰囲気温度,T2…水分供給工程での雰囲気温度

Claims (11)

  1. 加湿室における雰囲気を加湿するに際し、
    加湿室に通じる通気路に対して空気を流通させ、前記加湿室に導く空気流通工程と、
    前記通気路に流通させる空気を少なくとも加湿室の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程にて加熱された前記通気路中の流通空気に対して水分を供給し、沸点未満で加湿室よりも高い温度の低温スチームとする水分供給工程と、
    前記加湿室内に前記低温スチームを導くときに前記加湿室の雰囲気温度及び湿度を調整する調整工程と、
    を備えたことを特徴とする加湿方法。
  2. 加湿室における雰囲気を加湿する加湿装置であって、
    前記加湿室に通じる通気路を有し、この通気路に空気を流通させて前記加湿室に導く空気流通器具と、
    前記空気流通器具にて前記通気路に流通させる空気を少なくとも加湿室の雰囲気温度よりも高い温度に加熱する加熱器具と、
    前記加熱器具にて加熱された前記通気路中の流通空気に対して水分を供給し、沸点未満で加湿室よりも高い温度の低温スチームとする水分供給器具と、
    前記加湿室に前記低温スチームを導くときに前記加湿室の雰囲気温度及び湿度を調整する調整器具と、
    を備えたことを特徴とする加湿装置。
  3. 請求項2記載の加湿装置において、
    前記水分供給器具は、前記加熱器具にて加熱された流通空気に対し霧状の水分を供給するものであることを特徴とする加湿装置。
  4. 請求項2又は3に記載の加湿装置において、
    前記水分供給器具は、水分を供給したときに、前記低温スチームの蒸気圧が前記加湿室の雰囲気温度の飽和蒸気圧以上に至る条件で実施されるものであることを特徴とする加湿装置。
  5. 請求項2ないし4いずれかに記載の加湿装置において、
    前記調整器具は、前記加湿室内の雰囲気温度を調整する温度調整部と、
    前記低温スチームの温度、湿度及び前記加湿室内への低温スチームの導入量の少なくともいずれかを制御することで前記加湿室内の雰囲気湿度を調整する湿度調整部と、を備えていることを特徴とする加湿装置。
  6. 請求項2ないし5いずれかに記載の加湿装置において、
    前記調整器具は、加湿室の雰囲気温度を調整する加熱要素を有し、
    前記加熱器具は前記調整器具の加熱要素を兼用するものであることを特徴とする加湿装置。
  7. 請求項2ないし6いずれかに記載の加湿装置において、
    前記加湿室内の雰囲気の環境情報を検出する検出器と、
    この検出器の検出出力に基づいて前記調整器具による温度及び湿度の調整度合を制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする加湿装置。
  8. 請求項2ないし7いずれかに記載の加湿装置において、
    少なくとも一部に開閉可能な扉を有し、内部が加湿室として形成され、当該加湿室内に処理対象物を収容する収容庫と、
    前記収容庫の加湿室内にて前記処理対象物を保持する保持部材と、を有し、前記加湿室内の処理対象物を低温スチームにて処理するようにした加湿装置。
  9. 請求項8記載の加湿装置において、
    前記調整器具は前記収容庫の加湿室内の温度を調整する加熱要素を有し、
    前記加湿室内で前記低温スチームが結露するときに前記加熱要素に対して水分が付着しないように当該加熱要素の周囲が覆われる遮蔽部材を備えていることを特徴とする加湿装置。
  10. 請求項2ないし9いずれかに記載の加湿装置において、
    前記加湿室は当該加湿室内の内気を排出する換気路を有し、この換気路に換気器具を設置することを特徴とする加湿装置。
  11. 請求項2ないし7又は10のいずれかに記載の加湿装置において、
    前記加湿室につながる通気路のうち前記加湿室との境界部に当該加湿室と同じ温度に維持される予備室を有し、
    この予備室の下部に低温スチーム結露時の水分が排出可能に受け止められる結露受けを有することを特徴とする加湿装置。
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