JP2015146541A - 移動無線装置、移動通信システム、及びセル選択制御プログラム - Google Patents
移動無線装置、移動通信システム、及びセル選択制御プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】マクロセル及びスモールセルを用いて通信エリアを構築する移動通信システムにおいて、余剰なハンドオーバを抑制する。【解決手段】移動無線装置は、移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、報知信号に含まれる周辺セルを識別するセル識別子と周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得してセルリストに記憶させ、呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に確認されたサービス品質クラスを用いて呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、高スループットが要求されないサービスであると判断される場合にセルリストの中からマクロセルを選択し、選択されたマクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する。【選択図】図4
Description
本発明は、移動無線装置、移動通信システム、及びセル選択制御プログラムに関する。
近年、移動体通信では、スマートフォンと称される携帯電話やタブレット端末と称される情報通信端末装置の普及に伴って、トラフィック量が増加している。そこで、トラフィック量の増加に対応するために、無線アクセス方式としてOrthogonal Frequency Division Multiple Access(OFDMA)を採用したLong Term Evolution(LTE)に準拠した無線通信システムが構築されつつある。OFDMAは、ノイズに強く通話が切断されにくいCode Division Multiple Access(CDMA)と比較して周波数利用効率が高い無線アクセス方式である。このため、LTEは、無線通信システムの容量を増大できる無線通信方式の規格であり、トラフィック量の増加に対応し得る無線通信方式の規格と言える。
また、トラフィック量の増加に対応するために、マクロセルとスモールセルとが併用されたヘテロジニアスネットワークの構築が検討されている。図1は、例示的なセルの種別の説明図である。
セルとは、1つの無線基地局又は張出し基地局内の1つの子局がカバーする通信エリアの区画を指す。張出し基地局は、リモート設置型基地局とも称される無線基地局であり、ベースバンド信号の処理等を行う親局(Base Band Unit、BBU)とアンテナを介して無線信号を送受信する1つ以上の子局(Remote Radio Head、RRH)とから構成される。セルは、カバーされる通信区域(カバー範囲)の広さに従って、マクロセル及びスモールセルに区別される。マクロセルは、通信区域が広いセルであり、図1に示す一例では、セル半径が35 km以内の区域である。また、スモールセルは、通信範囲が狭いセルであり、図1に示す一例では、セル半径が2 km以内の区域である。また、図1に示すように、スモールセルは、マイクロセル(例えば、セル半径2 km以内区域)、ピコセル(例えば、セル半径200 m以内の区域)、及びフェムトセル(例えば、セル半径数十m以内の区域)に更に区別できる。
スモールセルは、マクロセルと比較して通信区域が狭いため、スモールセル内に存在する携帯電話や情報通信端末装置の数は、少なくなり得る。この結果、スモールセルを用いれば、単位面積当たりのトラフィック量が抑制されて高速のセルスループットが確保されやすくなる。そこで、通信区域が広い既存のマクロセルに加えて、携帯電話や情報通信端末装置が密集し得る区域にスモールセルが構築されるヘテロジニアスネットワークによれば、局所的に発生し得るトラフィック量の増加に対応して無線通信システムの容量を増大できる。
しかしながら、上述したようなヘテロジニアスネットワークでは、携帯電話や情報通信端末装置がセル間を移動する際に生じるハンドオーバの機会は、通信エリアがマクロセルのみから構築される通信ネットワークと比較して多くなり得る。図2は、ヘテロジニアスネットワークにおいて発生し得るハンドオーバの説明図である。図2に示した一例では、マクロセルMC内に4つのスモールセルSC−1〜SC−4が含まれている。また、図2に示す移動無線装置MSは、前述した携帯電話及び情報通信端末装置の一例である。
図2に示すように、通信中の移動無線装置MSを所持するユーザが太矢印で示すように移動すると、マクロセルMCからスモールセルSC−1へのハンドオーバ(1)、及びスモールセルSC−1からマクロセルMCへのハンドオーバ(2)が生じ得る。次に、マクロセルMCからスモールセルSC−2へのハンドオーバ(3)、及びスモールセルSC−2からマクロセルMCへのハンドオーバ(4)が生じ得る。以下同様に、ハンドオーバ(5)〜(8)が続いて生じ得る。このように、マクロセル内にスモールセルが配置されたヘテロジニアスネットワークでは、通信エリアがマクロセルのみから構成される通信ネットワークと比較してハンドオーバの機会が増加する。ハンドオーバの機会が増加すると呼損のリスクも増加し得る。そこで、呼損のリスクを抑制するために、余剰なハンドオーバは出来る限り抑制されることが好ましい。
なお、移動体通信のチャネル切り替え方式に関して次のような技術が知られている。すなわち、通信中のチャネルの電界強度の低下の度合いによって簡易型携帯電話が高速で移動しているか低速で移動しているかが判断される。簡易型携帯電話が高速で移動していると判断される場合には、電界強度が既定値以上あり電界強度の増加変化が一番大きい無線基地局が選択されてチャネル切り替えが行われる。
発明が解決しようとする課題は、マクロセル及びスモールセルを用いて通信エリアを構築する移動通信システムにおいて、余剰なハンドオーバを抑制することである。
一実施形態に従った移動無線装置は、測定部、サービス確認部、及び制御部を含む。制御部は、移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、受信された報知信号に含まれる周辺セルを識別するセル識別子と周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、取得されたセル識別子及びセルフラグをセルリストに記憶させる。サービス確認部は、呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認する。制御部は、セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合にサービス確認部により確認されたサービス品質クラスを用いて呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合にセルリストの中からマクロセルを選択し、選択されたマクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する。
実施形態に従った移動無線装置によれば、マクロセル及びスモールセルを用いて通信エリアを構築する移動通信システムにおいて、余剰なハンドオーバを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。
<第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に従った移動通信システムの例示的な構成図である。図3に示すように、移動通信システム1は、移動無線装置10−1〜10−6、スモールセル用無線基地局装置(Base Transceiver Station for Small Cell、SC BTS)20−1〜20−3、及びマクロセル用無線基地局装置(Base Transceiver Station for Macro Cell、MC BTS)30を含む。移動通信システム1は、スモールセル用子局装置(Remote Radio Head for Small Cell、SC RRH))40−1〜40−5、マクロセル用子局装置(Remote Radio Head for Macro Cell、MC RRH)50、及び親局装置(Base Band Unit、BBU)60−1〜60−2を含む。移動通信システム1は、移動管理装置(Mobility Management Entity、MME)70−1〜70−2、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、S-GW)80、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server、HSS)90、及びパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet data network Gateway、P−GW)100を含む。移動通信システム1は、Policy and Charging Rule Function(PCRF)110、制御端末装置120、及びインターネット130を含む。
<第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に従った移動通信システムの例示的な構成図である。図3に示すように、移動通信システム1は、移動無線装置10−1〜10−6、スモールセル用無線基地局装置(Base Transceiver Station for Small Cell、SC BTS)20−1〜20−3、及びマクロセル用無線基地局装置(Base Transceiver Station for Macro Cell、MC BTS)30を含む。移動通信システム1は、スモールセル用子局装置(Remote Radio Head for Small Cell、SC RRH))40−1〜40−5、マクロセル用子局装置(Remote Radio Head for Macro Cell、MC RRH)50、及び親局装置(Base Band Unit、BBU)60−1〜60−2を含む。移動通信システム1は、移動管理装置(Mobility Management Entity、MME)70−1〜70−2、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、S-GW)80、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server、HSS)90、及びパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet data network Gateway、P−GW)100を含む。移動通信システム1は、Policy and Charging Rule Function(PCRF)110、制御端末装置120、及びインターネット130を含む。
また、図3には、スモールセル140−1〜140−8及びマクロセル150−1〜150−2が示されている。すなわち、移動通信システム1は、通信エリアが複数のマクロセルでカバーされるだけでなく、任意のマクロセル内に1つ以上スモールセルが含まれ得るヘテロジニアスネットワークを構築する。
スモールセル140−1〜140−4は、マクロセル150−1内に含まれる。スモールセル140−1は、スモールセル用無線基地局装置20−1により通信がカバーされるセルであり、スモールセル140−2〜140−4は、スモールセル用子局装置40−1〜40−3によりそれぞれ通信がカバーされるセルである。親局装置60−1及びスモールセル用子局40−1〜40−3は、張出し基地局装置を構成する。マクロセル150−1は、マクロセル用無線基地局装置30によって通信がカバーされるセルである。
スモールセル140−5〜140−8は、マクロセル150−2内に含まれる。スモールセル140−5〜140−6は、スモールセル用無線基地局装置20−2〜20−3によりそれぞれ通信がカバーされるセルであり、スモールセル140−7〜140−8は、スモールセル用子局装置40−4〜40−5によりそれぞれ通信がカバーされるセルである。マクロセル150−2は、マクロセル用子局50により通信がカバーされるセルである。親局60−2、スモールセル用子局40−4〜40−5、及びマクロセル用子局装置50は、張出し基地局装置を構成する。
図3には、第1の実施形態に従った移動通信システム1の一例としてLTEに準拠した移動通信システムが示されている。しかしながら、図3は、実施形態に従った移動通信システム1の一例であり、実施形態に従った移動通信システム1は、その他の無線通信方式に準拠してもよい。また、図3に示される各装置の数は、例示であり、実施形態に従った移動通信システム1に含まれる各装置の数は、任意であってよい。なお、以下の説明において、同一種類の複数の装置を特に区別しない場合には、同一種類の装置を示す参照符号のハイフン以下を記載しない。例えば、6つの移動無線装置10−1〜10−6を特に区別しない場合には、移動無線装置10と記載する。
以下の説明では、スモールセル用子局装置40及びマクロセル用子局装置50を合わせて、子局装置と呼ぶ場合がある。こうした子局装置と親局装置60とを合わせて、張出し基地局と呼ぶ場合がある。こうした張出し基地局、スモールセル用無線基地局装置20、及びマクロセル用無線基地局装置30を合わせて、無線基地局装置と呼ぶ場合がある。
図3に示した移動通信システム1において、移動管理装置70、サービングゲートウェイ80、ホーム加入者サーバ90、及びパケットデータネットワークゲートウェイ100は、コアネットワークに含まれる。コアネットワークは、例えば、Third Generation Partnership Project(3GPP)に規定されるEvolved Packet Core(EPC)である。
移動無線装置10は、3GPPに規定されるUser Equipment(UE)を含み、例えば、スマートフォンと称される携帯電話やタブレット端末と称される情報通信端末装置である。図4は、第1の実施形態に従った移動無線装置の例示的な機能構成図である。図4に示すように、移動無線装置10は、外部インタフェース(Interface、IF)部11、制御部12、記憶部13、ベースバンド部14、変調部15、送信部16、アンテナ17(17−1〜17−2)、受信部18、及び復調部19を含む。
外部インタフェース部11は、移動無線装置10の利用者が移動無線装置10に対する命令を入力するためのインタフェースである。また、外部インタフェース部11は、移動無線装置10による処理結果を表示するためのインタフェースである。
制御部12は、移動無線装置10全体の動作を制御する。また、制御部12は、新たなに通信を開始するための呼接続、及び通信開始後に実行されるハンドオーバ等の呼処理を制御する。例えば、制御部12は、外部インタフェース部11を介して利用者により入力された命令を処理する。制御部12は、無線基地局装置へ送信するデータをベースバンド部14へ送信する。制御部12は、アンテナ17を介して無線基地局装置から受信した無線信号がベースバンド部14により処理されたベースバンド信号を受信する。制御部12は、受信されたベースバンド信号を処理した結果を記憶部13に記憶させ、また、処理した結果を外部インタフェース部11に表示させる。
また、制御部12は、測定部12A及びサービス確認部12Bを含む。測定部12Aは、移動無線装置10が存在する位置の周辺の無線基地局装置から送信された報知信号をアンテナ17、受信部18、復調部19、及びベースバンド部14を介して受信する。無線基地局装置から送信される報知信号は、例えば、3GPPで規定されるDownlink Reference Signalといったパイロット信号である。報知信号には、当該セル内の全移動無線端末10に共通する通信に必要な運用パラメータ等の報知情報が含まれ、各セルを識別するためのセル識別子(Identifier、ID)と、当該セルがスモールセルであるかマクロセルであるかを識別するためのセルフラグとが含まれる。測定部12Aは、受信された報知信号の無線品質を測定する。測定される無線品質は、例えば、報知信号の受信電界強度や搬送波対干渉雑音比である。測定部12Aは、受信された報知信号に含まれるセル識別子及びセルフラグを取得する。測定部12Aは、取得されたセル識別子及びセル識別フラグと、測定された無線品質とを記憶部13内のセルリスト13Aに記憶させる。セルリスト13Aを作成及び更新するために測定部12Aにより実行される上述の処理は、定期的に実行されるセルサーチの際に実行される。
サービス確認部12Bは、移動無線装置10が新たに開始しようとする通信のサービス又は移動無線装置10が現在通信しているサービスが属するサービス品質クラスを確認する。具体的には、サービス確認部12Bは、移動無線装置10が新たに開始しようとする通信のサービスが属するサービス品質クラス識別子(Quality of Service (QoS) Class Identifier、QCI)を確認する。また、サービス確認部12Bは、移動無線装置10が現在通信しているサービスが属するQCIを確認する。例えば、3GPPでは、図5に示すようなQCIが定義されている。図5は、例示的なQCIの説明図である。
移動無線装置10と無線基地局装置との間で通信されるサービスには、例えば、通話、メール、ウェブ閲覧、テレビ電話、リアルタイムゲーム、及びストリーミングによる動画等がある。こうしたサービスは、図5に示すように、ビットレート保証(Guaranteed Bit Rate、GBR)があるサービスとGBRがないサービスとに大別される。GBRがあるサービスに対しては、高順位のサービス品質クラス、すなわち1位〜4位のQCIが設定される。一方、GBRがないサービスに対しては、低順位のサービス品質クラス、すなわち5位〜9位のQCIが設定される。サービス確認部12Bは、移動無線装置10が新たに開始しようとする通信のサービス又は移動無線装置10が現在通信しているサービスに対するQCIを確認する。サービス確認部12Bは、確認されたサービス品質クラス、すなわちQCIを制御部12へ通知する。
制御部12は、新たに通信を開始するサービスが高スループットが要求されるサービスであるか否かに従って、接続対象の無線基地局装置を選択する。また、制御部12は、通信中のサービスが高スループットが要求されるサービスであるか否かに従って、接続対象の無線基地局装置、すなわちハンドオーバ先の無線基地局装置を選択する。具体的には、制御部12は、サービス確認部12Bから通知されたサービス品質クラスが高スループットが要求されるサービスを示すクラス(階級)であるか否かに従って、セルリスト13Aに記録されたセルの中からスモールセル又はマクロセルを選択する。
例えば、図5に示したQCIの定義の一例では、GBRがあるサービスの内、QCIが1位である音声を除くサービス、すなわち、QCIが2位〜4位のサービスは、データサイズが大きいために高スループットが要求されることから、GBRが定義されている。前述したように、スモールセルは、マクロセルと比較して通信区域が狭いため、スモールセル内に存在する携帯電話や情報通信端末装置の数は、少なくなり得る。この結果、スモールセルを用いれば、単位面積当たりのトラフィック量が抑制されて高速のセルスループットが確保されやすくなる。そこで、制御部12は、高スループットが必ずしも要求されないサービスの通信に対しては、セルリスト13A中の全てのセルからスモールセルを除外したセル、すなわちマクロセルを接続対象のセルとして選択する。図5の一例では、高スループットが必ずしも要求されないサービスは、QCIが1位及び5位〜9位の内の何れかであるサービスである。一方、制御部12は、高スループットが要求されるサービスの通信に対しては、セルリスト13Aの全てのセルの中で無線品質のよいセルを接続対象のセルとして選択する。図5の一例では、高スループットが要求されるサービスは、QCIが2位〜4位の内の何れかであるサービスである。
移動無線装置10が通信を新たに開始する場合には、制御部12は、選択された接続対象のセルに対応する無線基地局装置へ接続要求信号を送信する。また、移動無線装置10が通信中である場合には、測定部12Aは、選択された接続対象のセル、すなわちハンドオーバ先のセルに対応する無線品質を含む無線品質報告信号を接続中の無線基地局装置、すなわちハンドオーバ元のセルに対応する無線基地局装置へ送信する。
記憶部13は、制御部12及びベースバンド部14により実行される処理プログラム及びデータや、制御部12及びベースバンド部14により処理されたデータが記憶される。記憶部13には、移動無線装置10が存在する位置の周辺のセルに関する情報が記録されたセルリスト13Aが含まれる。図6は、第1の実施形態に従ったセルリストの例図である。図6には、測定部12Aにより測定される報知信号の無線品質が報知信号の受信電界強度であるケースのセルリストが示されている。図6に示すように、移動無線装置10が存在する位置の周辺の無線基地局装置から受信された報知情報に基づいて、セル識別子、受信電界強度、及びセルフラグが対応付けられてセルリスト13Aの各行に記録される。セルリスト13Aには、無線品質がよい順、例えば、受信電界強度が高い順に記録される。セルフラグは、例えば、スモールセルを示す値を1とし、マクロセルを示す値を0とする。セルリスト13Aは、セルサーチの際に測定部12Aにより定期的に実行される無線品質測定に従って更新される。
ベースバンド部14は、無線基地局装置へ送信されるデータ信号を制御部12から受信し、受信されたデータ信号をベースバンド処理する。処理されたベースバンド信号は、変調部15により変調され、送信部16によりアンテナ17を介して無線基地局装置へ送信される。また、アンテナ17を介して受信部18が無線基地局装置から受信した無線信号は、復調部19により復調される。復調された信号は、ベースバンド部14によりベースバンド処理され、制御部12へ送信される。
図7は、第1の実施形態に従った移動無線装置の例示的なハードウェア構成図である。図7に示すように、第1の実施形態に従った移動無線装置10Aは、プロセッサ10A−1、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)10A−2、ストレージ10A−3、記憶媒体用ドライブ10A−4、入力装置10A−5、出力装置10A−6、無線通信装置10A−7、及びバス10A−8を含む。プロセッサ10A−1、ASIC10A−2、ストレージ10A−3、記憶媒体用ドライブ10A−4、入力装置10A−5、出力装置10A−6、及び無線通信装置10A−7は、バス10A−8を介して相互に接続される。
プロセッサ10A−1は、Central Processing Unit(CPU)等の演算処理を行う論理回路である。ASIC10A−2は、例えば、Field Programmable Gate Array(FPGA)及びLarge Scale Integration(LSI)等の回路である。プロセッサ10A−1及びASIC10A−2は、制御部12及びベースバンド部14に対応する。
ストレージ10A−3は、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2により実行される処理プログラム、処理に用いられるデータ、及び処理結果のデータが格納する装置である。ストレージ10A−3は、記憶部13に対応する。
記憶媒体用ドライブ10A−4は、記録媒体に記録されたプログラム及びデータを読み込み、及び/又はプロセッサ10A−1及びASIC10A−2により処理されたデータを記録媒体へ書き込む装置である。記録媒体は、例えば、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ、及びフラッシュメモリ等である。
入力装置10A−5は、移動無線装置10Aの利用者が移動無線装置10Aへの命令を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。出力装置10A−6は、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2による処理結果を表示するための装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。入力装置10A−5及び出力装置10A−6は、外部インタフェース部11に対応する。
無線通信装置10A−7は、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2からの命令に従い無線基地局装置へ送信されるデータを処理して無線信号を送信する装置である。また、無線通信装置10A−7は、無線基地局装置から受信した無線信号を処理してプロセッサ10A−1及びASIC10A−2へデータを出力する装置である。無線通信装置10A−7は、変調部15、送信部16、アンテナ17、受信部18、及び復調部19に対応する。
スモールセル用無線基地局装置20、マクロセル用無線基地局装置30、並びにスモールセル用子局装置40及びマクロセル用子局装置50といった子局装置と親局装置60とを含む張出し基地局は、例えば、3GPPに規定されるevolved Node B(eNB)等の無線基地局装置である。図8は、第1の実施形態に従った無線基地局装置の例示的な機能構成図である。
図8に示すように、第1の実施形態に従った無線基地局装置200は、無線装置210及び無線制御装置220を含む。無線装置210は、スモールセル用子局装置40及びマクロセル用子局装置50といった子局装置に対応し得る。無線制御装置220は、親局装置60に対応し得る。なお、図8には、1つの無線装置210が記載されているが、無線基地局装置200に含まれる無線装置210の数は、複数であってよい。
無線装置210は、第1インタフェース(IF)部211、変調部212、送信部213、アンテナ214(214−1〜214−2)、受信部215、及び復調部216を含む。
第1インタフェース部211は、無線装置210が無線制御装置220と信号を送受信するための装置である。第1インタフェース部211と無線制御装置220の第3インタフェース部225とは、光ケーブルにより接続され、Common Public Radio Interface(CPRI)といった所定の規格に準拠し得る。
変調部212は、第1インタフェース部211を介して無線制御装置220から受信したベースバンド信号を変調する。送信部213は、変調部212により変調された無線信号をアンテナ214を介して移動無線装置10へ向けて送信する。
受信部215は、移動無線装置10から送信された無線信号をアンテナ214を介して受信する。復調部216は、受信部215により受信された無線信号を復調し、復調信号を第1インタフェース部211を介して無線制御装置220へ送信する。
無線制御装置220は、第2インタフェース(IF)部221、制御部222、記憶部223、ベースバンド部224、及び第3インタフェース(IF)部225を含む。
第2インタフェース部221は、移動管理装置70及びサービングゲートウェイ80と無線制御装置220が信号を送受信するための装置である。第3インタフェース部225は、無線制御装置220が無線装置210と信号を送受信するための装置である。
制御部222は、無線基地局装置200全体の動作を制御する。また、制御部222は、移動無線装置10との間の呼接続に関する処理を制御する。制御部222は、ハンドオーバを制御するハンドオーバ(Hand Over、HO)制御部222Aを含む。例えば、制御部222は、移動無線装置10から受信した接続要求信号に従って移動無線装置10との呼接続処理を行う。制御部222は、第2インタフェース部221を介してサービングゲートウェイ80から受信したユーザパケットデータを処理し、処理されたユーザパケットデータを移動無線装置10へ送信するように制御する。ハンドオーバ制御部222Aは、移動無線装置10へ無線品質測定指示信号を送信し、移動無線装置10から受信した無線品質報告信号に従ってハンドオーバの有無の決定とハンドオーバする際の接続先の無線基地局装置(又は子局)の決定とを行う。
記憶部223は、制御部222及びベースバンド部224により実行される処理プログラム及びデータや、制御部222及びベースバンド部224により処理されたデータが記憶される。また、記憶部223には、無線基地局装置200により通信がカバーされるセルのセル識別子と、そのセルがスモールセルであるかマクロセルであるかを識別するセルフラグが記憶される。例えば、無線基地局装置200内に複数の無線装置210が含まれ、複数の無線装置210によりそれぞれカバーされる複数のセルが存在する場合には、複数のセルの各々のセル識別子及びセルフラグが記憶部223に記憶される。セル識別子及びセルフラグは、無線基地局装置200の運用開始前に予め記憶部223に記憶されてよい。また、セルフラグは、無線基地局装置200の開始直後及び/又は運用中に制御端末装置120から送信されてよく、無線基地局装置200が受信したセルフラグが記憶部223に記憶されてよい。
ベースバンド部224は、移動無線装置10へ送信されるデータ信号を制御部222から受信し、受信されたデータ信号をベースバンド処理する。ベースバンド部224は、処理されたベースバンド信号を第3インタフェース部225を介して無線装置210へ送信する。また、ベースバンド部224は、第3インタフェース部225を介して無線装置210から受信した信号をベースバンド処理し、処理されたベースバンド信号を制御部222へ送信する。
図9は、第1の実施形態に従った無線装置の例示的なハードウェア構成図である。図9に示すように、第1の実施形態に従った無線装置210Aは、プロセッサ210A−1、ASIC210A−2、ストレージ210A−3、入力装置210A−4、出力装置210A−5、無線通信装置210A−6、及びバス210A−7を含む。プロセッサ210A−1、ASIC210A−2、ストレージ210A−3、入力装置210A−4、出力装置210A−5、及び無線通信装置210A−6は、バス210A−7を介して相互に接続される。
プロセッサ210Aは、CPU等の演算処理を行う論理回路である。ASIC210A−2は、例えば、FPGA及びLSI等の回路である。ストレージ210A−3は、プロセッサ210A及びASIC210A−2により実行される処理プログラム、処理に用いられるデータ、及び処理結果のデータが格納する装置である。入力装置210A−4及び出力装置210A−5は、第1インタフェース部211に対応する。
無線通信装置210A−6は、プロセッサ210A−1及びASIC10A−2からの命令に従って、入力装置210A−4を介して無線制御装置220から受信したデータを処理して無線信号を生成し、生成された無線信号を移動無線装置10へ向けて送信する。また、無線通信装置210A−6は、移動無線装置10から受信した無線信号を処理し、処理されたデータ信号を出力装置210−5を介して無線制御装置220へ送信する。無線通信装置210A−6は、変調部212、送信部213、アンテナ214、受信部215、及び復調部216に対応する。
図10は、第1の実施形態に従った無線制御装置の例示的なハードウェア構成図である。図10に示すように、第1の実施形態に従った無線制御装置220Aは、プロセッサ220A−1、ASIC220A−2、ストレージ220A−3、記憶媒体用ドライブ220A−4を含む。また、無線制御装置220Aは、コアネットワーク用入力装置220A−5、コアネットワーク用出力装置220A−6、無線装置用入力装置220A−7、無線装置用出力装置220A−8、及びバス220A−9を含む。無線制御装置220Aの構成要素220A−1〜220A−8は、バス220A−9を介して相互に接続される。
プロセッサ220A−1は、CPU等の演算処理を行う論理回路である。ASIC10A−2は、例えば、FPGA及びLSI等の回路である。プロセッサ220A−1及びASIC220A−2は、制御部222及びベースバンド部224に対応する。
ストレージ220A−3は、プロセッサ220A−1及びASIC220A−2により実行される処理プログラム、処理に用いられるデータ、及び処理結果のデータが格納する装置である。ストレージ220A−3は、記憶部223に対応する。
記憶媒体用ドライブ220A−4は、記録媒体に記録されたプログラム及びデータを読み込み、及び/又はプロセッサ220A−1及びASIC220A−2により処理されたデータを記録媒体へ書き込む装置である。記録媒体は、例えば、CD−ROM、DVD、USBメモリ、及びフラッシュメモリ等である。
コアネットワーク用入力装置220A−5及びコアネットワーク用出力装置220A−6は、第2インタフェース部221に対応する。無線装置用入力装置220A−7及び無線装置用出力装置220A−8は、第3インタフェース部225に対応する。
移動管理装置70は、無線基地局装置200を収容し、ユーザデータパケットの経路であるベアラの確立や解放、位置登録、ページング、及びハンドオーバ等の移動制御、並びにホーム加入者サーバ90と連携した移動無線装置10の認証を行う。図11は、第1の実施形態に従った移動管理装置の例示的な機能構成図である。図11に示すように、移動管理装置70は、インタフェース(IF)部71、制御部72、及び記憶部73を含む。
インタフェース部71は、無線基地局装置200及びサービングゲートウェイ80と移動管理装置70が信号を送受信するための装置である。制御部71は、移動管理装置70全体の動作を制御し、移動管理装置70が行う前述のような処理を行う。制御部71は、無線基地局装置200と接続中の移動無線装置10に対するハンドオーバを制御するハンドオーバ(HO)制御部72Aを含む。記憶部73は、制御部72により実行される処理プログラム、処理データ、及び処理結果データ等が記憶される。
サービングゲートウェイ80は、無線基地局装置200とパケットデータネットワークゲートウェイ100との間のユーザパケットデータの中継処理を行う。図12は、第1の実施形態に従ったサービングゲートウェイの例示的な機能構成図である。図12に示すように、サービングゲートウェイ80は、インタフェース(IF)部81、U−Planeルーティング部82、制御部83、及び記憶部84を含む。
インタフェース部81は、無線基地局装置200、移動管理装置70、及びパケットデータネットワークゲートウェイ100とサービングゲートウェイ80が信号を送受信するための装置である。制御部83は、サービングゲートウェイ80全体の処理を制御する。U−Planeルーティング部82は、制御部83による指示に従って、移動無線装置10宛てのユーザパケットデータの中継経路を選択し、インタフェース部81を介してユーザパケットデータを送信する。記憶部84は、U−Planeルーティング部82及び制御部83により実行される処理プログラム、処理データ、及び処理結果データを記憶する。
ホーム加入者サーバ90は、Internet Protocol(IP) Multimedia Subsystem(IMS)サービスを提供する上でのサービス情報や認証情報等の加入者情報のデータベースを含む装置である。
パケットデータネットワークゲートウェイ100は、インターネット130といったコアネットワーク外のパケット網とコアネットワークとの接続を行う。パケットデータネットワークゲートウェイ100は、移動無線装置10へのInternet Protocol(IP)アドレスの割り当て、ベアラ確立時におけるパケット網への接続に関するユーザ認証、PCRF110の指示に従ったQuality of Service(QoS)制御、及び課金データの作成等を行う。図13は、第1の実施形態に従ったパケットデータネットワークゲートウェイの例示的な機能構成図である。図13に示すように、パケットデータネットワークゲートウェイ100は、インタフェース(IF)部101、制御部102、及び記憶部103を含む。
インタフェース部101は、パケットデータネットワークゲートウェイ100がサービングゲートウェイ80と信号を送受信するための装置である。制御部102は、パケットデータネットワークゲートウェイ100が行う前述のような処理を実行する。制御部102は、インタフェース部101を介してPCRF110から受信した指示に従ってQoS制御を実行するQoS制御部102Aを含む。図5に示されるようなQCIは、QoS制御部102Aにより管理される。記憶部103は、制御部102により実行される処理プログラム、処理データ、及び処理結果データを記憶する。
PCRF110は、パケットデータネットワークゲートウェイ100において適用されるQoS等のポリシー制御及び課金制御ルールを決定するポリシー制御装置である。
制御端末装置120は、スモールセルをカバーする無線基地局装置200とマクロセルをカバーする無線基地局装置200との内の何れの無線基地局装置200と接続するかを、通信対象のサービスの種類に従って移動無線装置10が選択できるように、各無線基地局装置200のセルフラグの設定を制御する。制御端末装置120は、移動通信システム内の無線基地局装置200がそれぞれカバーするセルに対するセルフラグを保持する。制御端末装置120は、対応するセルフラグを無線基地局装置200へ送信し、無線基地局装置200にセルフラグを記憶させる。制御端末装置120から各無線基地局装置200へのセルフラグの送信は、無線基地局装置200の運用開始直後に行われてよく、無線基地局装置200の運用開始中に行われてよい。前述したように、移動無線装置10は、無線基地局装置200に記憶されたセルフラグを含む報知信号を無線基地局装置200から受信する。移動無線装置10は、受信されたセルフラグを基づいて、移動無線装置10の存在する位置の周辺の各セルがスモールセルであるかマクロセルであるかを判定し、接続対象の通信のサービスの種類に従って接続対象のセルを選択する。
制御端末装置120は、コンピュータといった情報処理装置であり得る。図14は、第1の実施形態に従った制御端末装置の例示的なハードウェア構成図である。図14に示すように、制御端末装置120は、CPU121、メモリ122、ストレージ123、記憶媒体用ドライブ124、入力装置125、出力装置126、通信インタフェース127、及びバス128を含む。CPU121、メモリ122、ストレージ123、記憶媒体用ドライブ124、入力装置125、出力装置126、及び通信インタフェース127は、バス128を介して相互に接続される。
CPU121は、演算処理を行う論理回路である。メモリ122は、CPU121が直接アクセス可能な主記憶装置であり、CPU121により実行中のプログラムや処理中のデータを一時的に記憶する。メモリ122は、例えば、Random Access Memory(RAM)である。ストレージ123は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)である。ストレージ123には、CPU121により実行される各種プログラムやデータが格納される。記録媒体用ドライブ124は、記録媒体に記録されたデータを読み込み、及び/又はCPU121により処理されたデータを記録媒体へ書き込むための装置である。記録媒体は、例えば、CD−ROM、DVD、USBメモリ、及びフラッシュメモリ等である。
入力装置125は、制御端末装置120の利用者が制御端末装置120への命令を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。出力装置126は、プロセッサ121による処理結果を表示するための装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。通信インタフェース127は、インターネット130といった外部パケット網と接続するための装置である。
移動無線装置10が無線基地局装置200を介して通信を新たに開始するケースと、移動無線装置10が無線基地局装置200を介して通信しているケースとに分けて、移動無線装置10が実行する第1の実施形態に従ったセル選択処理の一例を説明する。
まず、移動無線装置10が無線基地局装置200と通信を新たに開始するケースについて、図15及び図16を参照しながら説明する。
図15は、第1の実施形態に従った呼接続処理の例示的なシーケンス図である。図15には、移動無線装置10が無線基地局装置200を介して通信を新たに開始するケースにおける移動通信システム1の呼処理シーケンスの一例が示されている。図15に示すように、第1の実施形態に従った呼処理シーケンスは、例えば、3GPPに規定される呼処理シーケンスに準拠し得る。
移動無線装置10の電源が投入されると(処理P1001)、移動無線装置10は、移動無線装置10との接続対象となる無線基地局装置200を探索するためにセルサーチを行う(処理P1002)。セルサーチの際に、測定部12Aは、移動無線装置10が存在する位置の周辺の無線基地局装置200からそれぞれ送信される報知信号を、アンテナ17、受信部18、復調部19、及びベースバンド部14を介して受信する。測定部12Aは、受信された各報知信号に含まれるセル識別子及びセルフラグを取得する。また、測定部12Aは、受信された各報知信号の受信電界強度を測定する。受信電界強度は、報知信号の無線品質の一例である。測定部12Aは、各報知信号から得られたセル識別子、受信電界強度、及びセルフラグを対応付けて、受信電界強度の高い順に記憶部13内のセルリスト13Aに記憶させる。
移動無線装置10をネットワークに接続するためのアタッチ処理が移動無線装置10と移動管理装置70との間で実行された(処理P1003)後も、移動無線装置10は、セルサーチを所定の時間間隔で実行する(処理P1004)。また、測定部12Aは、セルサーチの際に受信された各報知信号からセル識別子(セルID)及びセルフラグを取得し、各報知信号の受信電界強度を測定する。測定部12Aは、得られたセル識別子、受信電界強度、及びセルフラグをセルリスト13Aに記憶させる。こうして、セルリスト13Aのデータは、繰り返し実行されるセルサーチの度に更新される。
通信を新たに開始するための呼接続の開始が外部インタフェース部11を介して移動無線装置10の利用者から制御部12に指示されると(処理P1005)、制御部12は、第1の実施形態に従ったセル選択処理を実行する。図16は、第1の実施形態に従ったセル選択処理の例示的なフロー図である。
セル選択処理が開始されると(ステップS1001)、制御部12は、記憶部13に記憶されたセルリスト13Aを参照して、スモールセルを示すセルフラグがセルリスト13A内に存在するか否かを判定する(ステップS1002)。なお、セルリスト13A中に所定数を越えるセル識別子が含まれる場合、制御部12は、受信電界強度が高い順に所定数のセル識別子に対応するセルフラグに、スモールセルを示すセルフラグがあるか否かを判定してもよい。
スモールセルを示すセルフラグが存在しないと判定される場合(ステップS1002で“NO”)、制御部12は、一連のセル選択処理を終了する(ステップS1006)。この場合、制御部12は、セルリスト13Aに含まれるマクロセルを呼接続対象のセルとして選択する。なお、セルリスト13A中に複数のマクロセルが含まれる場合には、制御部12は、受信電界強度の最も高いセルを選択する。
スモールセルを示すセルフラグが存在すると判定される場合(ステップS1002で“YES”)、制御部12は、セルリスト13A中のマクロセルの受信電界強度が基準値以上であるか否かを判定する(ステップS1003)。すなわち、制御部12Aは、マクロセルを示すセルフラグに対応する受信電界強度が基準値以上であるか否かを判定する。
マクロセルの受信電界強度が基準値未満であると判定される場合(ステップS1003で“NO”)、制御部12は、一連のセル選択処理を終了する(ステップS1006)。この場合、受信電界強度が基準値未満であるマクロセルが呼接続対象のセルとして限定されることは好ましくない。そこで、セルリスト13A中の全てのセルが呼接続対象のセルの候補になり、制御部12は、セルリスト13Aに含まれる全てのセルの中で、受信電界強度が最も高いセルを呼接続対象のセルとして選択する。選択され得るセルは、スモールセル又はマクロセルであり得る。
マクロセルの受信電界強度が基準値以上であると判定される場合(ステップS1003で“YES”)、制御部12は、呼接続の対象となる通信のサービスが高スループットが要求されるサービスではないか否かを判定する(ステップS1004)。呼接続の対象となる通信のサービスが高スループットが要求されるサービスではないか否かの情報は、サービス確認部12Bから取得される。例えば、図5に示したQCIの定義に従う場合には、制御部12は、呼接続の対象となる通信のサービスのQCIが2〜4以外の値であるか否かを判定する。呼接続の対象となる通信のサービスのQCIは、サービス確認部12Bから取得される。
呼接続の対象となる通信のサービスが高スループットが要求されるサービスであると判定される場合(ステップS1004で“NO”)、制御部12は、一連のセル選択処理を終了する(ステップS1006)。この場合、セルリスト13A中の全てのセルが呼接続対象のセルの候補になり、制御部12は、セルリスト13Aに含まれる全てのセルの中で、受信電界強度が最も高いセルを呼接続対象のセルとして選択する。選択され得るセルは、スモールセル又はマクロセルである。
呼接続の対象となる通信のサービスが高スループットが要求されるサービスではないと判定されると判定される場合(ステップS1004で“YES”)、制御部12は、セルリスト13A中のスモールセルを呼接続対象のセルから除外する(ステップS1005)。そして、制御部は、一連のセル選択処理を終了する(ステップS1006)。この場合、制御部12は、セルリスト13Aに含まれるマクロセルを呼接続対象のセルとして選択する。
上述のようなセル選択処理が終了すると、制御部12は、呼接続対象のセルに対応する無線基地局装置200へ呼接続を要求し(処理P1007)、要求に対する応答をその無線基地局装置から受信する(処理P1008)。そして、移動無線装置10は、呼接続された無線基地局装置200を介して通信を開始する(処理P1009〜P1014)。
このように、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも要求されないサービスの通信に対しては、スモールセルへの呼接続が抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭いスモールセルに呼接続されることに起因する余剰なハンドオーバを抑制することができ、呼損のリスクを減らすことができる。
また、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも要求されない通信に対するスモールセルへの呼接続が抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭く高スループットを実現し得るスモールセルをマクロセルと併用するヘテロジニアスネットワークの目的に沿った運用を実現できる。このように、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、ネットワークの負荷を最適化し得るので、余剰な設備投資をなくすことができ、また、無線品質を向上させることができる。
次に、移動無線装置10が無線基地局装置200を介して通信しているケースについて、図16及び図17を参照しながら説明する。
図17は、第1の実施形態に従ったハンドオーバ処理の例示的なシーケンス図である。図17には、移動無線装置10が無線基地局装置200を介して通信しているケースにおける移動通信システム1のハンドオーバ処理シーケンスの一例が示されている。図17に示すように、第1の実施形態に従ったハンドオーバ処理シーケンスは、例えば、3GPPに規定されるハンドオーバ処理シーケンスに準拠し得る。なお、図17に示した処理シーケンスは一例であり、実施形態に従ったハンドオーバは、無線基地局装置とEPCとの間の論理インタフェースであるS1により信号処理を行うS1ハンドオーバであってよく、無線基地局装置間の論理インタフェースであるX2により信号処理を行うX2ハンドオーバであってよい。
移動無線装置10と無線基地局装置200との間でデータが送受信され(処理P2001)、無線基地局装置200とサービングゲートウェイ80及びパケットデータネットワークゲートウェイ100との間でデータが送受信される(処理P2002)。こうして、移動無線装置10は、無線基地局装置200を介して通信を実行している。
測定部12Aは、Measurement Controlといった無線品質測定指示信号を接続中の無線基地局装置200から受信する(処理P2003)。接続中の無線基地局装置200は、ハンドオーバ実行前の制御セル、すなわちソースセルに対応する無線基地局装置200である。測定部12Aが無線品質測定指示信号に対応する無線品質測定報告信号を接続中の無線基地局装置200へ送信する前に、制御部12は、図16を参照しながら前述したセル選択処理を実行する(P2004)。
例えば、マクロセルの受信電界強度が所定の基準値未満である場合(ステップS1003で“NO”)には、セルリスト13A中の全てのセルが呼接続対象のセルの候補になる。また、通信中のサービスが高スループットが要求されるサービスである場合(ステップS1004で“NO”)には、セルリスト13A中の全てのセルが呼接続対象のセルの候補になる。そこで、制御部12は、セルリスト13Aに含まれる全てのセルの中で、受信電界強度が最も高いセルを呼接続対象のセルとして選択する。測定部12Aは、受信電界強度が最も高いセルを含むセルリスト13A中の全てのセルを対象に、対象セルの無線基地局装置200から受信した報知信号の受信電界強度を測定する。或いは、セルリスト13A中に所定数を越えるセル識別子が含まれる場合には、測定部12Aは、セルリスト13A中の受信電界強度の高い順から所定数のセルを対象に、対象セルの無線基地局装置200から受信した報知信号の受信電界強度を測定し得る。受信電界強度は、無線品質の一例である。測定部12Aは、測定された受信電界強度とそのセル識別子を含む無線品質報告信号を接続中の無線基地局装置200へ送信する(処理P2005)。送信される無線品質報告信号は、例えば、無線基地局装置200から受信したMeasurement Controlに対応して送信されるMeasurement Reportである。
また、例えば、マクロセルの受信電界強度が所定の基準値以上であり、通信中のサービスが高スループットを要求しないサービスである場合(ステップS1004で“YES”)には、制御部12は、セルリスト13Aに含まれる全てのセルの中からマクロセルをハンドオーバ先のセルとして選択する。すなわち、制御部12は、セルリスト13Aに含まれる全てのセルの中からスモールセルをハンドオーバ先のセルの候補から除外する。測定部12Aは、セルリスト13A中のマクロセルを対象に、対象のマクロセルの無線基地局装置200から受信した報知信号の受信電界強度を測定する。すなわち、測定部12Aは、セルリスト中のスモールセルを対象とした受信電界強度の測定は行わない。測定部12Aは、測定された受信電界強度とそのセル識別子を含む無線品質報告信号を接続中の無線基地局装置200へ送信する(処理P2005)。すなわち、測定部12Aは、スモールセルの無線品質を接続中の無線基地局装置200へ報告しない。
なお、セルリスト中のスモールセルの無線品質を測定部12Aが接続中の無線基地局装置200へ報告しないように上記のように構成する理由は、接続中の無線基地局装置200がスモールセルに対応する無線基地局装置200をハンドオーバ先の無線基地局装置200として決定しないようにするためである。そこで、例えば、測定部12Aがスモールセルの無線品質を接続中の無線基地局装置200へ報告しない代わりに、スモールセルの受信品質として最悪値(受信電界強度の最低値)をマクロセルの無線品質と共に測定部12Aが接続中の無線基地局装置200へ報告するように構成してもよい。
接続中の無線基地局装置200は、測定部12Aから送信された無線品質報告信号を受信する。接続中の無線基地局装置200は、受信された無線品質報告信号に従ってハンドオーバの実行の有無を決定する。また、接続中の無線基地局装置200は、受信された無線品質報告信号に従ってハンドオーバを実行する際のハンドオーバ先の無線基地局装置200を決定する(処理P2006)。
例えば、マクロセルの受信電界強度が所定の基準値未満である場合(ステップS1003で“NO”)、受信される無線品質報告信号には、スモールセルの受信電界強度及びマクロセルの受信電界強度が含まれる。また、通信中のサービスが高スループットが要求されるサービスである場合(ステップS1004で“NO”)、受信される無線品質報告信号には、スモールセルの受信電界強度及びマクロセルの受信電界強度が含まれる。そこで、接続中の無線基地局装置200は、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度が所定の基準値未満であるか否かの判定に従って、ハンドオーバの実行の有無をまず決定する。次に、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度が所定の基準値未満であると判定されて、ハンドオーバの実行が決定された場合、接続中の無線基地局装置200は、受信電界強度の最も高いセルに対応する無線基地局装置200をハンドオーバ実行後の接続先の無線基地局装置200として決定する。ハンドオーバ実行後の接続先の無線基地局装置200は、ハンドオーバ実行後の制御セル、すなわちターゲットセルに対応する無線基地局装置200である。受信電界強度の最も高いセルは、マクロセル又はスモールセルであり得る。
また、例えば、マクロセルの受信電界強度が所定の基準値以上であり、通信中のサービスが高スループットを要求しないサービスである場合(ステップS1004で“YES”)、受信される無線品質報告信号には、マクロセルの受信電界強度のみが含まれる。或いは、構成によっては、受信される無線品質報告信号には、最悪値が設定されたスモールセルの受信電界強度がマクロセルの受信電界強度と共に含まれる。そこで、接続中の無線基地局装置200は、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度が所定の基準値未満であるか否かの判定に従って、ハンドオーバの実行の有無をまず決定する。構成によっては、接続中の無線基地局装置200に対応するセルがスモールセルである場合には、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度は、受信された無線品質報告信号中に含まれない。この構成では、接続中の無線基地局装置200は、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度が所定の基準値未満であると判定し、ハンドオーバの実行を決定する。次に、接続中の無線基地局装置200に対応するセルの受信電界強度が所定の基準値未満であると判定されて、ハンドオーバの実行が決定された場合、接続中の無線基地局装置200は、マクロセルに対応する無線基地局装置200をハンドオーバ実行後の接続先の無線基地局装置200として決定する。
接続中の無線基地局装置200は、ハンドオーバ先の無線基地局装置200として決定された接続先の無線基地局装置200へハンドオーバ要求を送信する(処理P2007)。以後、図17に示すように、接続中の無線基地局装置200から接続先の無線基地局装置200へのハンドオーバ実行処理が実行される(処理P2008〜P2023)。
このように、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも要求されないサービスの通信に対しては、スモールセルへのハンドオーバが抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭いスモールセルへの余剰なハンドオーバを抑制することができ、呼損のリスクを減らすことができる。
また、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも要求されない通信に対してスモールセルへのハンドオーバが抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭く高スループットを実現し得るスモールセルをマクロセルと併用するヘテロジニアスネットワークの目的に沿った運用を実現できる。このように、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、ネットワークの負荷を最適化し得るので、余剰な設備投資をなくすことができ、また、無線品質を向上させることができる。
さらに、第1の実施形態に従ったセル選択制御によって、移動無線装置が無線品質報告信号を送信する前にハンドオーバする必要がないセルが接続候補のセルから予め除外される。このため、移動無線装置に複雑な処理を負荷せずに不要なデータ処理が削減でき、移動無線装置の消費電力を削減できる。
第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって余剰なハンドオーバが削減し得る効果の一例を図18及び図19を参照しながら説明する。図18は、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合の例示的なハンドオーバ動作の説明図である。図19は、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行された場合の例示的なハンドオーバ動作の説明図である。
図18及び図19には、マクロセルMC内に存在する移動無線装置A〜DがマクロセルMC内のスモールセルSC−A及びスモールセルSC−Bを通って矢印で示される方向に移動したケースが示されている。なお、図18及び図19に示した一例では、マクロセルMC、スモールセルSC−A、及びスモールセルSC−Bに対応する報知信号の受信電界強度は、所定の基準値以上であるものと仮定する。図18及び図19中の細い矢印は、当該移動無線装置が接続の待ち受け中であることを表す。太い矢印は、通話といった高スループットが要求されないサービスの通信に対して当該移動無線装置が接続中であることを表す。点線の矢印は、動画サービスといった高スループットが要求されるサービスの通信に対して当該移動無線装置が接続中であることを表す。図18及び図19中の星印(A)〜(R)は、当該位置付近で当該移動無線装置によるハンドオーバが発生したことを模式的に表す。
まず、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合には、接続対象の通信サービスの特性に関係なく、移動無線装置が存在する位置の周辺セルの中で最も無線品質がよいセルが接続対象のセルとして選択され得る。この結果、図18中の星印(A)〜(M)に示されるように、移動無線装置A〜Cが呼の待ち受け中である時点を除いて、マクロセルMCからスモールセルSC−Aへ移動した時点、スモールセルSCからマクロセルMCへ移動した時点、マクロセルMCからスモールセルSC−Bへ移動した時点、及びスモールセルSC−BからマクロセルMCへ移動した時点においてハンドオーバが発生する。具体的には、図18に示すように、移動無線装置A及びBについてはそれぞれ4回、移動無線装置Cについては2回、並びに移動無線装置Dについては3回発生する。
これに対して、第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行される場合、図19に示すように、全区間において通話中である移動無線装置Aは、図16に示すような第1の実施形態に従ったセル選択処理によって接続対象のセルからスモールセルを除外する。この結果、移動無線装置Aは、通話中の全区間においてマクロセルと接続し、ハンドオーバが実行されない。したがって、図18中の(A)〜(D)に示すように第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合には4回のハンドオーバが実行されるのに対して、移動無線装置Aについては図19に示すようにハンドオーバの回数を0回に削減できる。
図19に示すように、移動無線装置Bは、通話中の区間において、第1の実施形態に従ったセル選択処理によって接続対象のセルからスモールセルを除外する。この結果、マクロセルMCからスモールセルSC−Aへ移動した時点において、移動無線装置Bは、通話中であるため、ハンドオーバが実行されない。その後、スモールセルSC−A内で通話から動画サービスへ通信中のサービスが変更されると、移動無線装置Bは、第1の実施形態に従ったセル選択処理によってスモールセル及びマクロセルの中から接続対象のセルを選択する。この結果、スモールセルSC−A内に存在する移動無線装置Bは、動画サービスの通信を開始するときにマクロセルMCではなくスモールセルSC−Aを接続対象のセルとして選択する。その後、マクロセルMC、スモールセルSC−B、及びマクロセルMCの順に移動無線装置Bが移動する度に、第1の実施形態に従ったセル選択処理に従ってハンドオーバが実行される。このように、図18中の(E)〜(H)に示すように第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合に4回のハンドオーバが実行されるのに対して、図19中の(N)〜(P)に示すように移動無線装置Bについてはハンドオーバの回数を3回に削減できる。
図19に示すように、移動無線装置Cは、動画サービスの通信を開始するときにスモールセル内に存在しない。そこで、移動無線装置Cは、第1の実施形態に従ったセル選択処理に従ってマクロセルMCを接続対象のセルとして選択し、動画サービスの通信を開始する。マクロセルMCからスモールセルSC−Aへ移動無線装置Cが移動すると、移動無線装置Cは、第1の実施形態に従ったセル選択処理によってスモールセル及びマクロセルの中から接続対象のセルを選択する。この結果、マクロセルMCからスモールセルSC−Aへ移動無線装置Cが移動するときに、ハンドオーバが実行される。その後、スモールセルSC−A内で動画サービスから通話へ通信中のサービスが変更されると、移動無線装置Cは、第1の実施形態に従ったセル選択処理によって接続対象のセルからスモールセルを除外する。この結果、スモールセルSC−A内に存在する移動無線装置Bは、通話を開始するときにスモールセルSC−AではなくマクロセルMCを接続対象のセルとして選択する。また、スモールセルSC−AからマクロセルMCへ移動無線装置Cが移動してもハンドオーバが発生しない。このように、図18中の(I)〜(J)に示すように第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合に2回のハンドオーバが実行されるのに対して、図19中の(Q)に示すように移動無線装置Cについてはハンドオーバの回数を1回に削減できる。
図19に示すように、移動無線装置Dは、マクロセルMCからスモールセルSC−Aへ移動した後に、通話を開始する。そこで、移動無線装置Dは、第1の実施形態に従ったセル選択処理に従ってスモールセルSC−AではなくマクロセルMCを接続対象のセルとして選択し、通話を開始する。その後、マクロセルMC及びスモールセルSC−Bの順に移動無線装置Dが移動しても、第1の実施形態に従ったセル選択処理に従ってハンドオーバは、実行されない。スモールセルSC−B内で通話から動画サービスへ通信中のサービスが変更されると、移動無線装置Dは、第1の実施形態に従ったセル選択処理によってスモールセル及びマクロセルの中から接続対象のセルを選択する。この結果、スモールセルSC−B内に存在する移動無線装置Bは、動画サービスを開始するときにスモールセルSC−Bを接続対象のセルとして選択する。その後、スモールセルSC−BからマクロセルMCへ移動無線装置Dが移動するときに、第1の実施形態に従ったセル選択処理によってハンドオーバが実行される。このように、図18中の(K)〜(M)に示すように第1の実施形態に従ったセル選択制御が実行されない場合に3回のハンドオーバが実行されるのに対して、図19中の(R)に示すように移動無線装置Dについてはハンドオーバの回数を1回に削減できる。
図18及び図19に示したような一例からも、第1の実施形態に従ったセル選択制御によれば、トラフィックの緩和やセルスループットの向上といったヘテロジニアスネットワークが有するメリットを損なうことなく、セル数が増えることに起因して多発し得る余剰なハンドオーバを削減できることが理解できる。
なお、図1〜図19を参照しながら説明した第1の実施形態に従ったセル選択制御は、一具体例であって、様々な変形、改良、及び変更が可能であることに留意すべきである。
例えば、上述の説明では、スモールセルかマクロセルかを示すセルフラグを用いてセル選択制御が実施される具体例を説明した。しかしながら、例えば、図1に示したようなマイクロセル、ピコセル、フェムトセル、及びマクロセルが識別可能なセル識別ビットをセルフラグの代わりに用いてもよい。そして、セル識別ビットを用いて、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、及びマクロセルの内の任意のセルが移動無線装置の通信対象とするサービスに従って接続対象のセルとして選択されるように構成してもよい。
また、上述の説明では、セルフフラグの設定は、運用開始前に無線基地局装置に保持される、或いは運用開始後に制御端末装置から無線基地局装置へ送信される具体例を説明した。しかしながら、セルフラグは、移動通信システム内のその他の装置から無線基地局装置へ送信されるように構成してもよい。セルフラグを送信するその他の装置としては、例えば、PCRF、移動管理装置、及びサービングゲートウェイ等が挙げられる。
<第2の実施形態>
前述したように、移動無線装置10は、無線基地局装置200から送信された報知信号に含まれるセルフラグを取得し、取得されたセルフラグを参照することによって、第1の実施形態に従ったセル選択処理を実行する。セルフラグは、第1の実施形態に従ったセル選択制御では、無線基地局装置200の運用開始前に無線基地局装置200に記憶される。或いは、無線基地局装置200の運用開始後に、当該無線基地局装置200に対するセルフラグが制御端末装置120から無線基地局装置200へ送信され、送信されたセルフラグが無線基地局装置200に記憶される。
前述したように、移動無線装置10は、無線基地局装置200から送信された報知信号に含まれるセルフラグを取得し、取得されたセルフラグを参照することによって、第1の実施形態に従ったセル選択処理を実行する。セルフラグは、第1の実施形態に従ったセル選択制御では、無線基地局装置200の運用開始前に無線基地局装置200に記憶される。或いは、無線基地局装置200の運用開始後に、当該無線基地局装置200に対するセルフラグが制御端末装置120から無線基地局装置200へ送信され、送信されたセルフラグが無線基地局装置200に記憶される。
一方、第2の実施形態のセル選択制御では、無線基地局装置200の運用開始後に、当該無線基地局装置200に対するセルフラグが制御端末装置120から無線基地局装置200へ所定の時間周期で送信され、送信されたセルフラグが無線基地局装置200に記憶される。なお、以下に説明する点を除いては、第2の実施形態に従った移動通信システムの構成および処理動作は、図1〜図19を参照しながら前述した第1の実施形態に従った移動通信システム1と同様であってよい。
例えば、通勤時間帯には、電車の路線や幹線道路といった経路をカバーする複数のスモールセルを多数の移動無線装置10が移動し得る。こうした時間帯では、多数の移動無線装置10が1つのスモールセル内に存在し得るため、高スループットが得るというスモールセルの本来の設置目的を達成できない状況が生じ得る。また、こうした時間帯では、経路をカバーする複数のスモールセルを多数の移動無線装置10が移動するため、ハンドオーバが多発し得る。このように、ある地域のある時間帯によっては、スモールセルに接続されるメリットが得られないにも係らず、ハンドオーバが多発し呼損のリスクが増加するデメリットが大きい事態が生じ得る。そこで、所定の時間帯においてスモールセルへの接続が制限されるようにするために、第2の実施形態に従ったセル選択制御では、制御端末装置120は、スモールセルを示すセルフラグをマクロセルを示すセルフラグへ予め設定された時間に変更し、変更されたセルフラグを該当するセルに対応する無線基地局装置200へ送信するように構成する。
具体的には、制御端末装置120は、所定の時間毎にセルフラグが設定されたセルフラグ設定テーブルをストレージ123内に予め保持する。図20は、第2の実施形態に従ったセルフラグ設定テーブルの例図である。図20に示すように、セルフラグ設定テーブルには、年月、曜日、及び時刻毎のセルフラグのオン又はオフの状態がセル識別子(セルID)により識別される各セルに対して記録される。セルフラグのオン状態は、セルフラグがスモールセルを示す値に設定される状態を示し、スモールセルを示すセルフラグは、例えば、“1”である。セルフラグのオフ状態は、セルフラグがマクロセルを示す値に設定される状態を示し、マクロセルを示すセルフラグは、例えば、“0”である。セルフラグ設定テーブルに従ってセルフラグが変更されることによって、仮に、当該セルが通信区域が狭いスモールセルであったとしても、セルフラグが“0”に設定された時間帯では、当該セルは、マクロセルとして識別される。
制御端末装置120は、保持されたセルフラグ設定テーブルに記録されたセルフラグを所定の時間毎に該当する無線基地局装置200へ送信する。図21は、第2の実施形態に従った制御端末装置の例示的なセルフラグ設定処理フロー図である。
セルフラグ設定処理が開始される(ステップS2001)、予め設定されたタイマー時間に到達すると(ステップS2002)、CPU121は、ストレージ123内に記録されたセルフラグ設定テーブルをメモリ122に読み出す。CPU121は、読み出されたセルフラグ設定テーブルを参照し(ステップS2003)、セルフラグ設定テーブル内のセル識別子に対応する各セルのセルフラグがオン及びオフの何れの状態であるかを判定する(ステップS2004)。
当該セルに対するセルフラグがオン状態であると判定される場合(ステップS2004で“YES”)、CPU201は、スモールセルを示すセルフラグ(例えば、“1”)を当該セルに対応する無線基地局装置200へ通信インタフェース127を介して通知する(ステップS2005)。一方、当該セルに対するセルフラグがオフ状態であると判定される場合(ステップS2004で“NO”)、CPU201は、マクロセルを示すセルフラグ(例えば、“0”)を当該セルに対応する無線基地局装置200へ通信インタフェース127を介して通知する(ステップS2006)。
CPU201は、セルフラグ設定処理がオフに設定されているか否かを判定し(ステップS2007)、セルフラグ設定処理がオンに設定されていると判定される場合(ステップS2007で“NO”)には、ステップS2002の処理へ戻って一連のセルフラグ設定処理を継続する。セルフラグ設定処理がオフに設定されていると判定される場合(ステップS2007で“YES”)には、CPU201は、一連のセルフラグ設定処理を終了する(ステップS2008)。
無線基地局装置200は、制御端末装置120から所定の時間毎に通知されたセルフラグを受信する。無線基地局装置200内に記憶されるセルフフラグを、受信されたセルフラグに更新し、更新されたセルフラグを含む報知信号を移動無線装置10へ送信する。
移動無線装置10は、更新されたセルフラグを含む報知信号を無線基地局装置200から受信する。移動無線装置10は、受信された報知信号に従って図16を参照しながら前述したようなセル選択処理を実行する。例えば、新たに開始されるサービス又は通信中のサービスが高スループットが要求されないサービスである場合、移動無線装置10は、スモールセルを示すセルフラグへ変更されたセルを接続対象のセルから除外する。
第2の実施形態に従った上記のセル選択制御によれば、移動無線装置10が対象とする通信のサービスに従ってセル選択制御が可能になるだけでなく、地域や時間帯に従ってセル選択制御が可能になる。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭いスモールセルへの余剰なハンドオーバを抑制することができ、呼損のリスクを減らすことができる。
また、第2の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも要求されない通信に対してスモールセルへのハンドオーバが抑制されだけでなく、高スループットが必ずしも期待できない地域や時間でのスモールセルへのハンドオーバが抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭く高スループットを実現し得るスモールセルをマクロセルと併用するヘテロジニアスネットワークの目的に沿った運用を実現できる。このように、第2の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、ネットワークの負荷を最適化し得るので、余剰な設備投資をなくすことができ、また、無線品質を向上させることができる。
さらに、第2の実施形態に従ったセル選択制御によって、移動無線装置が無線品質報告信号を送信する前にハンドオーバする必要がないセルが接続候補のセルから予め除外される。このため、移動無線装置に複雑な処理を負荷せずに不要なデータ処理が削減でき、移動無線装置の消費電力を削減できる。
そして、第2の実施形態に従ったセル選択制御によれば、移動通信システムの運用管理者による作業を要さずに、サービスの種別、地域、及び時間帯に従ったセル選択制御をコンピュータといった制御端末装置を用いて自動化することができる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10が通信対象とするサービスに従って呼接続対象のセルが選択される。また、第2の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10が通信対象とするサービスに加えて地域や時間帯に従って呼接続対象のセルが選択される。
第1の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10が通信対象とするサービスに従って呼接続対象のセルが選択される。また、第2の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10が通信対象とするサービスに加えて地域や時間帯に従って呼接続対象のセルが選択される。
これに対して、第3の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10が通信対象とするサービスに係らずに、地域や時間帯に従って呼接続対象のセルが選択される。以下に説明する点を除いては、第3の実施形態に従った移動通信システムの構成および処理動作は、図1〜図21を参照しながら前述した第1及び第2の実施形態に従った移動通信システム1と同様であってよい。
第3の実施形態に従った移動無線装置10は、図16に示したセル選択処理においてステップS1004での判定処理をスキップする。すなわち、マクロセルの受信電界強度が基準値以上であると判定される場合(ステップS1003で“YES”)、制御部12は、セルリスト13A中のスモールセルを呼接続対象のセルから除外する(ステップS1005)。そして、制御部は、一連のセル選択処理を終了する(ステップS1006)。このように、ステップS1004での判定処理がスキップされることによって、第3の実施形態に従った移動無線装置10は、移動無線装置10が通信対象とするサービスに係らずに、地域や時間帯に従って呼接続対象のセルを選択する。
なお、第3の実施形態に従ったセル選択制御が実行される場合には、接続対象の通信のサービスのサービス品質クラスが確認される必要がないので、移動無線装置10は、サービス確認部12Bを含まなくてもよい。
第3の実施形態に従った上記のセル選択制御によれば、地域や時間帯に従ってセル選択制御が可能になる。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭いスモールセルへの余剰なハンドオーバを抑制することができ、呼損のリスクを減らすことができる。
また、第3の実施形態に従ったセル選択制御が実行されることによって、高スループットが必ずしも期待できない地域や時間でのスモールセルへのハンドオーバが抑制される。この結果、カバーされる通信区域(カバー範囲)が狭く高スループットを実現し得るスモールセルをマクロセルと併用するヘテロジニアスネットワークの目的に沿った運用を実現できる。このように、第3の実施形態に従ったセル選択処理が実行されることによって、ネットワークの負荷を最適化し得るので、余剰な設備投資をなくすことができ、また、無線品質を向上させることができる。
さらに、第3の実施形態に従ったセル選択制御によって、移動無線装置が無線品質報告信号を送信する前にハンドオーバする必要がないセルが接続候補のセルから予め除外される。このため、移動無線装置に複雑な処理を負荷せずに不要なデータ処理が削減でき、移動無線装置の消費電力を削減できる。
そして、第3の実施形態に従ったセル選択制御によれば、移動通信システムの運用管理者による作業を要さずに、地域や時間帯に従ったセル選択制御をコンピュータといった制御端末装置を用いて自動化することができる。
<第4の実施形態>
第1〜第3の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10内の制御部12、測定部12A、サービス確認部12Bは、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2といったハードウェア構成要素に実装される。
第1〜第3の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10内の制御部12、測定部12A、サービス確認部12Bは、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2といったハードウェア構成要素に実装される。
第4の実施形態に従ったセル選択制御では、移動無線装置10内の制御部12、測定部12A、サービス確認部12Bが行う処理は、セル選択制御プログラムといったソフトウェアの命令により規律される。そして、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2は、セル選択制御プログラムの命令を実行する。
セル選択制御プログラムは、CD−ROM、DVD、USBメモリ、及びフラッシュメモリといった記憶媒体に記憶されてよい。記憶媒体に記憶されたセル選択制御プログラムは、記憶媒体用ドライブ10A−4を介してストレージ10A−3に格納され、プロセッサ10A−1及びASIC10A−2は、格納されたセル選択制御プログラムを読み出して実行し得る。
また、セル選択制御プログラムは、無線通信装置10A−7を介してストレージ10A−3に格納されてもよい。プロセッサ10A−1及びASIC10A−2は、格納されたセル選択制御プログラムを読み出して実行し得る。
第4の実施形態に従ったセル選択制御によっても、第1〜第3の実施形態に従ったセル選択制御と同様の効果を得ることができる。
以上の第1〜第4の実施形態を含む発明を実施するための形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させる測定部と、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認するサービス確認部と、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する制御部と
を含む移動無線装置。
(付記2)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記制御部は、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
前記測定部は、前記制御部により選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する、付記1に記載の移動無線装置。
(付記3)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、無線基地局装置と接続された制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記1又は2に記載の移動無線装置。
(付記4)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストに従って前記制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記3に記載の移動無線装置。
(付記5)
無線基地局装置に対応するセルを識別するセル識別子と前記セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを含む報知信号を送信する前記無線基地局装置と、
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された前記報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれるセル識別子及びセルフラグを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させ、呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する移動無線装置と
を含む移動通信システム。
(付記6)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記移動無線装置は、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する、付記5に記載の移動通信システム。
(付記7)
前記移動通信システムは、無線基地局装置と接続された制御端末装置を含み、
前記制御端末装置は、前記報知信号に含まれる前記セルフラグを前記無線基地局装置へ送信する、付記5又は6に記載の移動通信システム。
(付記8)
前記制御端末装置は、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストを含み、前記セルフラグ設定リストに従って前記無線基地局装置へ前記セルフラグ送信する、付記7に記載の移動通信システム。
(付記9)
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、
受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、
取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶し、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に、前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、
前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する
処理をコンピュータに実行させるセル選択制御プログラム。
(付記10)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、
測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する
処理をコンピュータに実行させる付記9に記載のセル選択制御プログラム。
(付記11)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、無線基地局装置と接続された制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記9又は10に記載のセル選択制御プログラム。
(付記12)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストに従って前記制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記11に記載のセル選択制御プログラム。
(付記1)
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させる測定部と、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認するサービス確認部と、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する制御部と
を含む移動無線装置。
(付記2)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記制御部は、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
前記測定部は、前記制御部により選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する、付記1に記載の移動無線装置。
(付記3)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、無線基地局装置と接続された制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記1又は2に記載の移動無線装置。
(付記4)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストに従って前記制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記3に記載の移動無線装置。
(付記5)
無線基地局装置に対応するセルを識別するセル識別子と前記セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを含む報知信号を送信する前記無線基地局装置と、
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された前記報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれるセル識別子及びセルフラグを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させ、呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する移動無線装置と
を含む移動通信システム。
(付記6)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記移動無線装置は、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する、付記5に記載の移動通信システム。
(付記7)
前記移動通信システムは、無線基地局装置と接続された制御端末装置を含み、
前記制御端末装置は、前記報知信号に含まれる前記セルフラグを前記無線基地局装置へ送信する、付記5又は6に記載の移動通信システム。
(付記8)
前記制御端末装置は、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストを含み、前記セルフラグ設定リストに従って前記無線基地局装置へ前記セルフラグ送信する、付記7に記載の移動通信システム。
(付記9)
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、
受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、
取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶し、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に、前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、
前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する
処理をコンピュータに実行させるセル選択制御プログラム。
(付記10)
前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、
測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する
処理をコンピュータに実行させる付記9に記載のセル選択制御プログラム。
(付記11)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、無線基地局装置と接続された制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記9又は10に記載のセル選択制御プログラム。
(付記12)
前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストに従って前記制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、付記11に記載のセル選択制御プログラム。
1 移動通信システム
10、10A、MS 移動無線装置
11 外部インタフェース部
12 制御部12
12A 測定部
12B サービス確認部
13 記憶部
13A セル選択リスト
14 ベースバンド部
15 変調部
16 送信部
17 アンテナ
18 受信部
19 復調部
10A−1 プロセッサ
10A−2 ASIC
10A−3 ストレージ
10A−4 記憶媒体用ドライブ
10A−5 入力装置
10A−6 出力装置
10A−7 無線通信装置
10A−8 バス
20 スモールセル用無線基地局装置
210、210A 無線装置
211 第1インタフェース部
212 変調部
213 送信部
214 アンテナ
215 受信部
216 復調部
210A−1 プロセッサ
210A−2 ASIC
210A−3 ストレージ
210A−4 入力装置
210A−5 出力装置
210A−6 無線通信装置
210A−7 バス
220、220A 無線制御装置
221 第2インタフェース部
222 制御部
224 ベースバンド部
225 第3インタフェース部
220A−1 プロセッサ
220A−2 ASIC
220A−3 ストレージ
220A−4 記憶媒体用ドライブ
220A−5 コアネットワーク用入力装置
220A−6 コアネットワーク用出力装置
220A−7 無線装置用入力装置
220A−8 無線装置用出力装置
220A−8 無線通信装置
220A−9 バス
30 マクロセル用無線基地局装置
40 スモールセル用子局装置
50 マクロセル用子局装置
60 親局装置
70 移動管理装置
71 インタフェース部
72 制御部
72A ハンドオーバ制御部
73 記憶部
80 サービングゲートウェイ
81 インタフェース部
82 U−Planeルーティング部
83 制御部
84 記憶部
90 ホーム加入者サーバ
100 パケットデータネットワークゲートウェイ
101 インタフェース部
102 制御部
102A QoS制御部
103 記憶部
110 PCRF
120 制御端末装置
121 CPU
122 メモリ
123 ストレージ
124 記憶媒体用ドライブ
125 入力装置
126 出力装置
127 通信インタフェース
128 バス
130 インターネット
140、SC スモールセル
150、MC マクロセル
10、10A、MS 移動無線装置
11 外部インタフェース部
12 制御部12
12A 測定部
12B サービス確認部
13 記憶部
13A セル選択リスト
14 ベースバンド部
15 変調部
16 送信部
17 アンテナ
18 受信部
19 復調部
10A−1 プロセッサ
10A−2 ASIC
10A−3 ストレージ
10A−4 記憶媒体用ドライブ
10A−5 入力装置
10A−6 出力装置
10A−7 無線通信装置
10A−8 バス
20 スモールセル用無線基地局装置
210、210A 無線装置
211 第1インタフェース部
212 変調部
213 送信部
214 アンテナ
215 受信部
216 復調部
210A−1 プロセッサ
210A−2 ASIC
210A−3 ストレージ
210A−4 入力装置
210A−5 出力装置
210A−6 無線通信装置
210A−7 バス
220、220A 無線制御装置
221 第2インタフェース部
222 制御部
224 ベースバンド部
225 第3インタフェース部
220A−1 プロセッサ
220A−2 ASIC
220A−3 ストレージ
220A−4 記憶媒体用ドライブ
220A−5 コアネットワーク用入力装置
220A−6 コアネットワーク用出力装置
220A−7 無線装置用入力装置
220A−8 無線装置用出力装置
220A−8 無線通信装置
220A−9 バス
30 マクロセル用無線基地局装置
40 スモールセル用子局装置
50 マクロセル用子局装置
60 親局装置
70 移動管理装置
71 インタフェース部
72 制御部
72A ハンドオーバ制御部
73 記憶部
80 サービングゲートウェイ
81 インタフェース部
82 U−Planeルーティング部
83 制御部
84 記憶部
90 ホーム加入者サーバ
100 パケットデータネットワークゲートウェイ
101 インタフェース部
102 制御部
102A QoS制御部
103 記憶部
110 PCRF
120 制御端末装置
121 CPU
122 メモリ
123 ストレージ
124 記憶媒体用ドライブ
125 入力装置
126 出力装置
127 通信インタフェース
128 バス
130 インターネット
140、SC スモールセル
150、MC マクロセル
Claims (6)
- 移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させる測定部と、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認するサービス確認部と、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する制御部と
を含む移動無線装置。 - 前記移動無線装置と呼接続中の無線基地局装置から無線品質測定指示信号を前記測定部が受信した場合に、前記制御部は、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合には前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
前記測定部は、前記制御部により選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置から受信した報知信号の無線品質を測定し、測定された前記無線品質を含む無線品質報告信号を呼接続中の前記無線基地局装置へ送信する、請求項1に記載の移動無線装置。 - 前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、無線基地局装置と接続された制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、請求項1又は2に記載の移動無線装置。
- 前記報知信号に含まれる前記セルフラグは、日付、曜日、及び時刻に応じて前記セルフラグの設定が変更されるセルフラグ設定リストに従って前記制御端末装置から前記無線基地局装置へ送信される、請求項3に記載の移動無線装置。
- 無線基地局装置に対応するセルを識別するセル識別子と前記セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを含む報知信号を送信する前記無線基地局装置と、
移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された前記報知信号を受信し、受信された前記報知信号に含まれるセル識別子及びセルフラグを取得し、取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶させ、呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する移動無線装置と
を含む移動通信システム。 - 移動無線装置が存在する位置の周辺セルに対応する1つ以上の無線基地局装置から送信された報知信号を受信し、
受信された前記報知信号に含まれる前記周辺セルを識別するセル識別子と前記周辺セルがスモールセルかマクロセルかを識別するセルフラグとを取得し、
取得された前記セル識別子及び前記セルフラグをセルリストに記憶し、
呼接続対象の通信のサービスに対するサービス品質クラスを確認し、
前記セルリスト中にスモールセルを示すセルフラグが含まれる場合に、前記サービス確認部により確認された前記サービス品質クラスを用いて前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されるサービスか否かを判断し、
前記呼接続対象の通信のサービスが高スループットが要求されないサービスであると判断される場合に前記セルリストの中からマクロセルを選択し、
選択された前記マクロセルに対応する無線基地局装置へ呼接続要求信号を送信する
処理をコンピュータに実行させるセル選択制御プログラム。
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---|---|---|---|
JP2014019089A JP2015146541A (ja) | 2014-02-04 | 2014-02-04 | 移動無線装置、移動通信システム、及びセル選択制御プログラム |
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---|---|
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2014
- 2014-02-04 JP JP2014019089A patent/JP2015146541A/ja active Pending
- 2014-12-15 US US14/570,227 patent/US9288701B2/en not_active Expired - Fee Related
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