JP2015145633A - 内燃機関のシリンダブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダヘッドの冷却水通路に連通したサブジャケットから連通穴を介してウォータジャケットに冷却水を導いているシリンダブロックにおいて、ウォータジャケットへの通水性・分配性を向上させる。【解決手段】サブジャケット8とウォータジャケット6とを仕切る隔壁33のうち、流入口9と重複した下部に連通穴34が空いている。冷却水は流入口9から直線性を持って連通穴34に入るため、小径であっても高い通水量を確保して気筒を的確に冷却できる。連通穴34は側面視で流入口9と重複しているため、ドリル加工で簡単に空けることができる。このため、内径や位置の設計の自由性が高い。【選択図】図5
Description
本願発明は、内燃機関のシリンダブロックに関し、特に、冷却水の分配機能を有するシリンダブロックに関するものである。
内燃機関のシリンダブロックとシリンダヘッドとは冷却水で冷却されるが、冷却水の流れとして、シリンダブロックに冷却水の流入口及びこれに連通したサブジャケットを設けて、サブジャケットからシリンダヘッドの冷却通路とシリンダブロックのウォータジャケットとに分配するタイプがある。
その例が特許文献1に開示されており、この特許文献1では、サブジャケットとウォータジャケットとを隔てる隔壁に上向き開口の隙間を設けて、この隙間から冷却水をウォータジャケットに取り込むことが開示されている。
さて、シリンダブロックのウォータジャケットは、1気筒内燃機関の場合はその気筒の全周を囲うように形成されて、多気筒内燃機関の場合は気筒列を囲うように形成されているが、いずれにしても、気筒の周囲をできるだけ均等に冷却しないと、熱膨張の程度が場所によって変わることで真円度が悪化し、ピストンの摺動抵抗の増大やブローバイガスの増大などの問題が発生するおそれがある。従って、ウォータジャケットには、冷却水を必要量だけ均等に流すべきである。
他方、ウォータジャケットへの冷却水をシリンダヘッドに向いたサブジャケットから取り込む構成では、サブジャケットの内部では、冷却水にはシリンダヘッドに向かう強い方向性が付与されていることから、特許文献1のように隔壁の上端を切欠いたに過ぎない構成では、冷却水が隙間に向かわずにシリンダヘッドに向けて流れる傾向が高くなっているため、ウォータジャケットへの冷却水の流入が不完全になって、気筒の冷却不足や不均等な冷却が発生しやすくなるおそれがあった。
また、特許文献1では冷却水はウォータジャケットの上部に流入するため、冷却水がウォータジャケットの下部に滞留して循環が不完全になって、結果として気筒の冷却が冷却不足なるおそれも懸念される。
更に、ウォータジャケットは気筒又は気筒列を加工ループ形状になっているで、冷却水をウォータジャケットに均等に流すには、ウォータジャケットに流入した冷却水をバランスよく左右に分けて流す必要があるが、特許文献1の隙間は分配調整機能は備えておらず、冷却水は成り行きに任せて流れるに過ぎないため、ウォータジャケットでの冷却水の流れが偏って気筒の冷却が不均一になるおそれも高いと推測される。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は、気筒の周囲又は気筒列の周囲を囲うウォータジャケットがシリンダヘッドの側に開口するように形成されたシリンダブロックであって、
前記ウォータジャケットの外側に、隔壁を介して前記ウォータジャケットと隔てられたサブジャケットが前記シリンダヘッドの側に開口するように形成されていると共に、前記サブジャケットの底部に連通した流入口が、前記気筒の軸心と直交した一側面に開口するように形成されており、かつ、前記隔壁には、冷却水をサブジャケットからウォータジャケットに流す連通穴が空いており、冷却水が前記サブジャケットを介してシリンダヘッドとウォータジャケットとに送られる、という構成になっている。
前記ウォータジャケットの外側に、隔壁を介して前記ウォータジャケットと隔てられたサブジャケットが前記シリンダヘッドの側に開口するように形成されていると共に、前記サブジャケットの底部に連通した流入口が、前記気筒の軸心と直交した一側面に開口するように形成されており、かつ、前記隔壁には、冷却水をサブジャケットからウォータジャケットに流す連通穴が空いており、冷却水が前記サブジャケットを介してシリンダヘッドとウォータジャケットとに送られる、という構成になっている。
そして、請求項1の発明では、上記基本構成において、前記連通穴は前記流入口よりも小さい開口面積であり、前記連通穴を、前記シリンダブロックの一側面と直交した方向から見た側面視で前記流入口と重複した箇所に設けている。
本願発明は請求項2の構成も含んでおり、この請求項2の発明は、請求項1において、前記サブジャケットの底部は、気筒の周方向に向いた前後両端部のうち少なくとも一端部が前後中間部よりもシリンダブロックの一側面からの距離が大きくなっており、前記連通穴は、前記サブジャケットの一端部の近くに設けている。
本願発明では、連通穴は流入口の箇所に位置しているため、冷却水を、方向性(直進性)を持って連通穴に流入させることができる。このため、連通穴を大径化することなく冷却水をウォータジャケットにしっかりと取り込むことができて、隔壁の剛性低下を防止しつつ、気筒の冷却に必要な冷却水の量を確保することができる。従って、気筒の冷却不足といった事態を防止できる。
また、連通穴はウォータジャケットの下部に連通しているため、冷却水はウォータジャケットを下から上(或いは底部から開口部)に向けて流れることになり、従って、冷却水がウォータジャケットに淀むことを防止して的確に循環させることができる。
このように、ウォータジャケットへの冷却水の取り込みを効率的に行えると共に、冷却水を淀みなく循環させることとが相まって、気筒を的確に冷却できる。その結果、冷却不足による早期着火やノッキングの発生、或いは、不均一な冷却による気筒の真円度の低下に起因した摺動抵抗の増大及びブローバイガスの増大といった不具合を防止して、運転の安定性と燃費向上とに貢献できる。
また、連通穴は流入口と重複した箇所に設けていることから、連通穴をトリル加工で簡単に空けることができるため、連通穴の内径や位置の設定もごく簡単であり、従って、ウォータジャケットへの冷却水の取り込み量の設定も簡単に行える。すなわち、本願発明は、ウォータジャケットへの冷却水の取り込みに関して設計の自由性が極めて高い。
さて、シリンダブロックの流入口にはウォータポンプから冷却水が圧送されるが、流入口に接続される吐出通路が気筒の接線方向に向いていると、冷却水が流入口に流入した後も流れの方向性が維持されることで、流入口の壁に衝突して、吐出通路での流れ方向と逆方向に向かう傾向を呈することがある。このため、連通穴を通過した後も冷却水に流れの方向性が残って、ウォータジャケット内で、吐出通路での流れ方向と逆方向に多く流れる傾向を呈することがある。すなわち、気筒の周方向の片側方向に冷却水が多く流れる傾向を呈することがある。
これに対して請求項2の構成を採用すると、サブジャケットの一端部を吐出通路での冷却水の流れ方向から見て前方側に位置させることで、冷却水に気筒の周方向に向いて流れが付与されることを防止できるため、連通穴を通過してウォータジャケットに入った冷却水を左右にバランスよく分流させることができる。その結果、気筒(或いは気筒列)を全周にわたって均等に冷却することが確実化される。
(1).内燃機関の概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両用内燃機関に適用している。まず、内燃機関の概要を図1の模式図に基づいて説明する。本願では、図面に関して正面視・側面視の文言を使用するが、正面視はクランク軸の軸心方向(クランク軸線方向)から見た状態であり、側面視は、クランク軸の軸心方向及び気筒の軸支と直交した方向から見た状態である。前後方向はクランク軸の軸方向であり、左右方向は、クランク軸の軸心方向及び気筒の軸心方向と直交した方向である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両用内燃機関に適用している。まず、内燃機関の概要を図1の模式図に基づいて説明する。本願では、図面に関して正面視・側面視の文言を使用するが、正面視はクランク軸の軸心方向(クランク軸線方向)から見た状態であり、側面視は、クランク軸の軸心方向及び気筒の軸支と直交した方向から見た状態である。前後方向はクランク軸の軸方向であり、左右方向は、クランク軸の軸心方向及び気筒の軸心方向と直交した方向である。
内燃機関は、機関本体の中核としてシリンダブロック1とその上面に固定されたシリンダヘッド2とを備えており、シリンダヘッド1の上面にはシリンダヘッドカバー3が固定されて、シリンダブロック1の下面にはオイルパン4が固定されている。シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の一端面1a,2aには、タイミングチェーンを覆うチェーンケース(チェーンカバー)5が固定されている。
シリンダブロック1には、シリンダヘッド2に向けて開口したウォータジャケット6が形成されており、シリンダヘッド2の内部にも燃焼室等を冷却する冷却水通路7が形成されている。シリンダブロック1の一端部には、シリンダヘッド2の冷却水通路7に連通したサブジャケット8が形成されている。サブジャケット8は、側面視でウォータジャケット6とオーバーラップしており、ウォータジャケット6とも連通している。
シリンダブロック1の一側面1bには、サブジャケット8の底部(下端部)と連通した流入口9が開口しており、流入口9にウォータポンプ10から冷却水が圧送される。ウォータポンプ10は、ポンプハウジング11とこれに重なったカバーハウジング12とを有しており、内部にインペラーを設けている。ウォータポンプ10は、クランク軸13に設けたクランクプーリ14でベルト15を介して駆動される。従って、ウォータポンプ10はプーリ16を備えている。
シリンダヘッド2のうちチェーンケース5と反対側の他端面2bの箇所には、サーモ弁が内蔵された分配装置17を設けている。ウォータジャケット6の終端とシリンダヘッド2における冷却水通路7の終端とは分配装置17に接続されており、また、分配装置17には、車内暖房用のヒータ18と冷却水を冷気するラジェータ19、及び、冷却水をウォータポンプ10に戻す戻し管20が接続されている。戻り管20に、EGRガスを冷却するEGRクーラ21を介挿している。
本実施形態の冷却系統は、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とを別々に冷却する2系統冷却方式であり、冷却水の温度が所定以上に昇温していない状態では、分配装置17に設けたサーモ弁が閉じていることにより、冷却水は、サブジャケット8からウォータジャケット6には流れずにシリンダヘッド2の冷却水通路7のみに流れる。また、冷却水はラジェータ19にも流れず、シリンダヘッド2の冷却水通路7を経由してヒータ18に流れてから、戻り管20を経由してウォータポンプ10にリターンする。
冷却水の温度が所定温度以上に昇温すると、サーモ弁が開くことで、冷却水はウォータジャケット6及びラジェータ19にも流れて、ラジェータ19で冷却されてからウォータポンプ10に戻るという循環を繰り返す。
(2).シリンダブロックの具体的な構造
次に、シリンダブロック1の具体的な構造を、図2以下の図面を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態の内燃機関は3気筒であり、そこで、シリンダブロック1には、第1〜第3の3つの気筒(シリンダボア)23,24,25がクランク軸線26の方向に並んでおり、気筒23の列を囲ってループ状にウォータジャケット6が形成されている。各気筒23,24,25の内面には、シリンダライナーが鋳込まれている。
次に、シリンダブロック1の具体的な構造を、図2以下の図面を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態の内燃機関は3気筒であり、そこで、シリンダブロック1には、第1〜第3の3つの気筒(シリンダボア)23,24,25がクランク軸線26の方向に並んでおり、気筒23の列を囲ってループ状にウォータジャケット6が形成されている。各気筒23,24,25の内面には、シリンダライナーが鋳込まれている。
サブジャケット8は、気筒列の一方の端に位置した第1気筒23の周囲のうちシリンダブロック1の一側面1bの側に形成されており、平面視では、概ねクランク軸線26の方向に長い(或いは第1気筒23の周方向に長い)略長方形の形態になっている。
そして、サブジャケット8の下端部(底部)に連通した流入口9がシリンダブロック1の一側面1bに向けて開口している。この場合、サブジャケット8の底面は、流入口9の底面よりもある程度の寸法だけ深くなっており、このため、サブジャケット8には、流入口9よりも深い深底部8cが形成されている。
また、ウォータジャケット6のうち側面視でサブジャケット8と重なった部分には、サブジャケット8の深さと略同じ深さの拡張部6aを設けている。拡張部6aは、前後中間部か最も深くでそれから前後に離れるに従って浅くなるような谷形の形態をなしている。
そして、サブジャケット8の下端部(底部)に連通した流入口9がシリンダブロック1の一側面1bに向けて開口している。流入口9は図3のとおり側面視横長の小判形であり、前後幅寸法はサブジャケット8の前後幅寸法と同じである。流入口9はウォータポンプ10の吐出部10aが重なる受け座27に開口しており、受け座27には、ウォータポンプ10の吐出部10aボルト30で固定するための上下2つのタップ穴29が形成されている。
ウォータポンプ10の吐出通路31(図4(A)参照)は前後方向(クランク軸線26の方向)に長く延びており、その終端に、流入口9に向いた吐出穴32が空いている。従って、吐出穴32も側面視小判形になっている。
サブジャケット8はウォータジャケット6と略同じ深さになっており、サブジャケット8とウォータジャケット6とは薄い隔壁33で隔てられている。そして、隔壁33の下部に、サブジャケット8からウォータジャケット6に冷却水を流す上下2つの連通穴34が形成されている。2つの連通穴34は隔壁33のうちその下部でかつ、第2気筒24の側に寄せて配置されている。
シリンダブロック1はアルミ等の金属の鋳造品であり、連通穴34は、図4に示すようにドリル35で空けられている。従って、連通穴34は円形の丸穴である(鋳造時に加工して、非円形とすることも可能である。)。
既述のとおり、サブジャケット8と流入口9との前後幅寸法は同じ(或いは略同じ)であるが、図4のとおり、流入口9の上下高さHはサブジャケット8の左右幅W1よりも大きくなっている(図では、HをW1の1.5〜2倍の範囲に設定している。)。また、ウォータポンプ10における吐出通路31の左右幅寸法W2は、サブジャケット8の左右幅W1と略同じ寸法に設定している。
また、図2(A)及び図5のとおり、サブジャケット8及び流入口9を前後に等分する左右長手の中心線36は、第1気筒23の軸心37よりもクランク軸線26の方向に沿って第2気筒34の側に若干の寸法Eだけずれている。その結果、サブジャケット8は、第2気筒24に近い一端部8aとシリンダブロック1の一側面1bからの間隔が大きくて、第2気筒24から遠い一端部8bとシリンダブロック1の一側面1bからの間隔が小さくなるように、シリンダブロック1の一側面1bからの距離が異なっている。端的に述べると、サブジャケット8は、第2気筒24に近い一端部8aが、シリンダブロック1の一側面1bに対して深くなっている。
(3).第1実施形態のまとめ
流入口9とサブジャケット8とは、前後方向から見て全体としてL形になっているため、図4に示すように、ウォータポンプ10から圧送された冷却水の大部分は、流入口9を横向きに流れてからサブジャケット8の底部で方向を上向きに変えて、シリンダヘッド2に向けて流れていき、一部は連通穴34からウォータジャケット6に流入する。
流入口9とサブジャケット8とは、前後方向から見て全体としてL形になっているため、図4に示すように、ウォータポンプ10から圧送された冷却水の大部分は、流入口9を横向きに流れてからサブジャケット8の底部で方向を上向きに変えて、シリンダヘッド2に向けて流れていき、一部は連通穴34からウォータジャケット6に流入する。
しかるに、連通穴34は上下に2つ配置されているため、上下2つの連通穴34の間の仕切り部38が、上向きに流れる冷却水に対して抵抗として作用する。つまり、仕切り部38が、ウォータジャケット6に入った冷却水の上昇を抑制するガイド手段として作用する。このため、ウォータジャケット6の内部において上部が低温になることを防止して、気筒23,24,25の深さ方向の熱膨張率をできるだけ均等化できる。
実施形態のようにウォータジャケット6に拡張部6aを設けると、ウォータジャケット6に入った冷却水の流速が低下することで冷却水の拡散性を向上するため、冷却水を周方向にバランスよく送ることができる利点がある。
また、拡張部6aを設けると、ウォータジャケット6に入った冷却水は、あまり上昇せずに底部を通る傾向を呈しており、その結果、冷却水の温度は、上部で高くて下部で低い傾向を呈している。そして、気筒23,24,25の温度も上部が高くて下部が低いため、気筒23,24,25と冷却水との温度差が深さ方向(軸方向)に大きくなることはない。その結果、気筒23,24,25の熱膨張がいびつになることを抑制して、高い真円動を確保することができる。
上下の連通穴34の間の仕切り部38は補強としての役割も果たすため、2つの連通穴34と同じ面積の連通穴34を1つだけ空けた場合に比べて、隔壁33の剛性を高くすることができ、延いては、シリンダブロック1の剛性アップにも貢献できる。
更に、2つの連通穴34をサブジャケット8のうち側面視で流入口9と重複した下部に設けているため、冷却水は2つの連通穴34に対して直進性を持って流入する傾向が高くなっている。この面でも、ウォータジャケット6への冷却水の流入性能が高まっている。また、連通穴34を隔壁33のうち側面視で流入口9と重複した箇所に設けているため、連通穴34はドリル加工で簡単に空けることができる。このため、連通穴34の内径や位置などの設計も容易である。
本実施形態では、ウォータポンプ10の吐出通路31は前後方向に長い形態であり、冷却水はチェーンケース5に近い側から流れている。このため、冷却水は第2気筒の方向に向かう方向性も持っているが、冷却水が流入口9の壁に当たることで方向が反転し、図5に点線矢印で示すように、サブジャケット8の底部では、第2気筒34と反対側に向いて流れるような傾向を呈する。このため、連通穴34をサブジャケット8及び流入口9の前後中間部に設けていると、連通穴34を通過した冷却水がウォータジャケット6において連第2気筒34と反対側に多く流れる傾向を呈して、気筒列の左側と右側とで冷却が不均一になってしまうおそれがある。
しかし、本実施形態のように、連通穴34をサブジャケット8のうち第2気筒24に近い一端部8aの箇所にずらして設けると、冷却水が第2気筒24と反対側に流れようとする方向性が減殺されるため、連通穴34から流出した冷却水を、第2気筒24の側と反対側とに均等に分流できる。
サブジャケット8及び流入口9を第1気筒23の軸心よりも第2気筒24の側にずらしたことも、連通穴34を第2気筒24の側にずらすことに貢献している。従って、本実施形態では、サブジャケット8及び流入口9を第1気筒23の軸心に対してずらしたことと、連通穴34の位置をサブジャケット8の一端部8aに寄せたととにより、冷却水をウォータジャケット6の全体に均等に流すことが確実化されている。
さて、シリングブロック1は、基本的には左右方向に移動するメイン金型で成形されて、ウォータジャケット6やサブジャケット8は上下方向(気筒の軸方向)にスライドするスライド型で成形される。そして、ウォータポンプ10が固定される受け座27はメイン型で成形されており、ボルト30による締結のために上下幅が規定されているが、受け座27の部分の肉はシリングブロック1の強度のためにさほど必要とはしておらず、できるだけ薄肉化すると軽量化に貢献できる。
そこで、本実施形態のように、サブジャケット8に深底部8cを設けてウォータポンプ10に拡張部6aを設けると、型抜きの容易性を損なうことなく不必要な肉を取って軽量化できる利点がある。
なお、ウォータポンプ10の吐出通路31の向きが逆になったら、連通穴34の配置は前後逆にしたらよい。また、冷却水が前後方向の方向性なしで単に流入口9に真横から入る場合は、連通穴34は、サブジャケット8の前後中間部に設けたり、前後の箇所に振り分けて設けたりしてもよい。
サブジャケット及び流入口の位置は、シリンダブロックの端部である必然性はないのであり、例えば、3気筒の場合であると、第2気筒の近くに設けるといったことも可能である。また、流入口にウォータポンプの吐出穴を直接に接続する必要はなく、ウォータポンプの吐出穴と流入口とをパイプで接続してもよい。
なお、ウォータジャケットをサブジャケット8より深く又は浅くしたり、サブジャケット8を流入口9より深くしたりすることも可能である。
本願発明は、内燃機関のシリンダブロックに実際に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
1a シリンダブロックの一側面
2 シリンダヘッド
6 ウォータジャケット
7 シリンダヘッドの冷却水通路
8 サブジャケット
8a 一端部
8b 他端部
9 流入口
10 ウォータポンプ
23,24,25 気筒(シリンダボア)
26 クランク軸線
31 ウォータポンプの吐出通路
32 ウォータポンプの吐出穴
33 隔壁
34 連通穴
1a シリンダブロックの一側面
2 シリンダヘッド
6 ウォータジャケット
7 シリンダヘッドの冷却水通路
8 サブジャケット
8a 一端部
8b 他端部
9 流入口
10 ウォータポンプ
23,24,25 気筒(シリンダボア)
26 クランク軸線
31 ウォータポンプの吐出通路
32 ウォータポンプの吐出穴
33 隔壁
34 連通穴
Claims (2)
- 気筒の周囲又は気筒列の周囲を囲うウォータジャケットがシリンダヘッドの側に開口するように形成されたシリンダブロックであって、
前記ウォータジャケットの外側に、隔壁を介して前記ウォータジャケットと隔てられたサブジャケットが前記シリンダヘッドの側に開口するように形成されていると共に、前記サブジャケットの底部に連通した流入口が、前記気筒の軸心と直交した一側面に開口するように形成されており、かつ、前記隔壁には、冷却水をサブジャケットからウォータジャケットに流す連通穴が空いており、冷却水が前記サブジャケットを介してシリンダヘッドとウォータジャケットとに送られる構成において、
前記連通穴は前記流入口よりも小さい開口面積であり、前記連通穴を、前記シリンダブロックの一側面と直交した方向から見た側面視で前記流入口と重複した箇所に設けている、 - 前記サブジャケットの底部は、気筒の周方向に向いた前後両端部のうち少なくとも一端部が前後中間部よりもシリンダブロックの一側面からの距離が大きくなっており、前記連通穴は、前記サブジャケットの一端部の近くに設けている、
請求項1に記載した内燃機関のシリンダブロック。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014017924A JP2015145633A (ja) | 2014-01-31 | 2014-01-31 | 内燃機関のシリンダブロック |
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