JP2015145464A - ポリマーブレンド材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高引張弾性率であり、かつ低線膨張率を有するポリマーブレンド材料を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む、ポリマーブレンド材料であって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し、前記多官能(メタ)アクリル重合体が30〜40重量部の割合で含有されている、ポリマーブレンド材料。【選択図】なし
Description
本発明は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む、ポリマーブレンド材料及び該ポリマーブレンド材料の製造方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂は、軽量性、成形加工性、リサイクル性の面から、幅広い分野で用いられている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂では機械的物性や寸法安定性が不足する用途も多く、従来から、剛性、強度又は寸法安定性に優れたポリオレフィン系樹脂を得ることを目的として種々のポリマーブレンドの検討がなされている。
例えば、特許文献1には、結晶性ポリマー100重量部と、活性エネルギー線照射により該結晶性ポリマーの分子鎖を拘束できる架橋性モノマー0.1〜30重量部とを配合してなる架橋性樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、高せん断加工によるポリマーブレンド材料の製造方法が開示されている。これによれば、せん断速度1000sec−1の高せん断流動場により異種のポリマー同士をブレンドできることが示されている。
特許文献1の架橋性樹脂組成物では、架橋性モノマーの配合により物性の改善が図られているが、なお、十分ではなかった。
また、特許文献2のポリマーブレンド材料の製造方法では、せん断発熱による樹脂の熱劣化が生じるため、諸物性の低下を引き起こすことがあった。そのため、ポリマーブレンドにより、十分に樹脂の物性を改善することができなかった。
本発明の目的は、高引張弾性率であり、かつ低線膨張率を有するポリマーブレンド材料及び該ポリマーブレンド材料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂と、上記熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む、ポリマーブレンド材料であって、上記熱可塑性樹脂100重量部に対し、上記多官能(メタ)アクリル重合体が30〜40重量部の割合で含有されている、ポリマーブレンド材料が、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明に係るポリマーブレンド材料は、好ましくは、上記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である。より好ましくは、上記ポリオレフィン系樹脂が、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体及びエチレンとプロピレンとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係るポリマーブレンド材料は、好ましくは、上記多官能(メタ)アクリル系モノマーが、エチル(メタ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係るポリマーブレンド材料は、好ましくは、上記熱可塑性樹脂中において、上記多官能(メタ)アクリル重合体が、ナノサイズのドメインを形成している。
本発明に係るポリマーブレンド材料の製造方法は、上記ポリマーブレンド材料の製造方法であって、熱可塑性樹脂と、多官能(メタ)アクリル系モノマーとを含む混合物を用意する工程と、前記混合物に活性エネルギー線を照射することによりポリマーブレンド材料を得る工程とを備える。
本発明に係るポリマーブレンド材料の製造方法では、好ましくは、上記活性エネルギー線が、電磁波と、粒子線とのうち少なくとも一方である。より好ましくは、電子線である。
本発明によれば、高引張弾性率であり、かつ低線膨張率を有するポリマーブレンド材料を得ることができる。
また、本発明に係るポリマーブブレンドの製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂を高せん断流動場でせん断加熱する必要がない。従って、ポリオレフィン系樹脂の熱劣化が生じ難い。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係るポリマーブレンド材料は、熱可塑性樹脂と、上記熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む。上記多官能(メタ)アクリル重合体は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対し、30〜40重量部の割合で含有されている。
この範囲外である場合、例えば、多官能(メタ)アクリルモノマーが30重量部より小さい場合、引張弾性率の向上及び線膨張率の低下効果が小さく、ポリオレフィン系樹脂の物性向上につながらない。また、40重量部を超えると、引張弾性率は高められるものの、ポリマーブレンド材料が脆くなり、割れやすくなることがある。また、成形性も悪い。従って、上記範囲に限定することにより、高引張弾性率であり、かつ低線膨張率を有するポリマーブレンド材料を提供できる。
本発明のポリマーブレンド材料に含まれる上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、様々な公知のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン類や、ポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどのポリプロピレン類に代表されるポリオレフィン、ノルボルネン樹脂等の環状ポリオレフィン類などを挙げることができる。上記ポリオレフィン系樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂は、好ましくは、エチレンの単独重合体(ホモポリエチレン)、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)及びエチレンとプロピレンとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種である。さらに好ましくは、安価であり、加熱下の成形が容易であるホモポリプロピレンが望ましい。
本発明のポリマーブレンド材料に含まれる上記多官能(メタ)アクリルモノマーは特に限定されず、様々な公知の多官能(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。上記多官能(メタ)アクリルモノマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明における多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、重合後のガラス転移温度が高く、引張弾性率の向上及び線膨張率の低下効果がより一層大きいため、イソボルニル(メタ)アクリレートや、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
上述したように、本願発明者らは、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂と、上記熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む、ポリマーブレンド材料であって、上記熱可塑性樹脂100重量部に対し、上記多官能(メタ)アクリル重合体が30〜40重量部の割合で含有されている、ポリマーブレンド材料が、高引張弾性率であり、かつ低線膨張係数を有することを見出した。
また、本願発明者らは、上記多官能(メタ)アクリル重合体が、ナノサイズのドメインを形成している場合に、その効果がより一層顕著であることを見出した。従って、本発明においては、上記熱可塑性樹脂中において、上記多官能(メタ)アクリル重合体が、ナノサイズのドメインを形成していることが好ましい。なお、本明細書において、上記ナノサイズのドメインとは、10nm〜200nmのドメインのことをいうものとする。好ましくは、100nm以下のドメインである。
本発明のポリマーブレンド材料における多官能(メタ)アクリル重合体のドメインは、電子顕微鏡を用いた観察により行われる。上記ポリマーブレンド材料のナノドメインは、四酸化ルテニウムや四酸化オスミウムなどで染色した後、クライオウルトラミクロトーム(日本電子株式会社製)を用い薄片切片を作製し、透過電子顕微鏡を用いて観察することができる。
本発明に係るポリマーブレンド材料では、上記必須成分の他、任意成分として様々な添加剤を用いてもよい。添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェートなどの難燃剤;各種充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料などが挙げられる。
(ポリマーブレンド材料の製造方法)
次に、本発明のポリマーブレンド材料の製造方法について説明する。
次に、本発明のポリマーブレンド材料の製造方法について説明する。
本発明に係るポリマーブレンド材料の製造方法においては、まず、熱可塑性樹脂と、多官能(メタ)アクリル系モノマーとを含む混合物を用意する。具体的には、熱可塑性樹脂中に多官能(メタ)アクリルモノマーを分散させる工程を行う。
上記分散方法は特に限定されないが、上記ポリオレフィン系樹脂と上記多官能(メタ)アクリルモノマーを溶融混練させる方法が挙げられる。上記溶融混練は、混練用スクリューを備えるせん断混練装置により加熱混練することにより行われることが好ましい。より好ましくは、上記加熱混練の際に、上記スクリューを500rpm〜5000rpmの回転速度で回転させる。それによって、熱可塑性樹脂中に多官能(メタ)アクリルモノマーをナノ分散させることができる。
上記溶融混練は、例えば、プラストミル、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの適宜の混練装置を用いて行うことができる。
上記溶融混練をする温度としては、特に限定されないが、140℃以上の温度で混練することが望ましい。また、熱劣化の観点から、温度200℃以下で混練することが好ましい。
上記溶融混練の際の混練時間については、特に限定されないが、2〜20分であることが好ましい。短すぎると、ポリオレフィン系樹脂が溶融せず混練が不充分となる場合があり、長すぎると、樹脂が熱劣化する恐れがあるからである。
なお、上記のようにして得られた混合物は、適宜の賦型方法を用いて様々な形状とすることができる。このような賦型方法としては、プレス加工、射出成型、または押出成型などの成型方法を好適に用いることができる。さらに、溶融塗工方法により賦型してもよい。上記のような賦型方法を用い、シート状などの所望の形状とすることができる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂と上記多官能(メタ)アクリルモノマーの配合割合は、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、上記多官能(メタ)アクリルモノマーの配合量が30〜40重量部である。30重量部より小さいと、引張弾性率の向上及び線膨張率の低下効果が小さく、熱可塑性樹脂の物性向上につながらない。また、40重量部を超えると、引張弾性率は高くなるものの、ポリマーブレンド材料が脆くなり、割れやすくなることがある。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製、グレード:MA3H)を用いることができる。
上記多官能(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルIB−X)やトリメチルプロパンアクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)を用いることができる。
本発明におけるポリマーブレンド材料の製造方法では、次に、上記混合物に活性エネルギー線を照射することによりポリマーブレンド材料を得る。上記活性エネルギー線の照射により、多官能(メタ)アクリルモノマーを重合させることが可能となる。
本発明における、活性エネルギー線の照射による多官能(メタ)アクリル重合体を得る工程は、特に限定されないが、電磁波、粒子線およびこれらの組み合わせが挙げられる。電磁波としては、紫外線(UV)、X線が挙げられる。他方、粒子線としては、電子線(EB)が挙げられる。これらの活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射することができる。電子線(EB)の場合には、加速電電圧100〜300kV、照射線量としては10〜60kGyの範囲が好ましい。10kGyより小さい線量では、多官能(メタ)アクリルモノマーの重合が充分に進行し難く、60kGyを超える線量では、多官能(メタ)アクリルモノマーの重合は進行するものの、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂においては、分子鎖を切断してしまう恐れがあるためである。
上記活性エネルギー線の照射時間としては、特に限定されないが、1〜3分であることが好ましい。短すぎると、多官能(メタ)アクリルモノマーの重合が十分に進行しない場合があり、長すぎると、ポリオレフィン系樹脂が劣化してしまう恐れがあるためである。
本発明に係るポリマーブレンド材料の製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂を高せん断流動場でせん断加熱する必要がないため、ポリオレフィン系樹脂が熱劣化する心配がなく、また、冷却装置を必要とせず、多官能(メタ)アクリルモノマーの重合を行うことができる。これにより、ポリオレフィン系樹脂中に多官能(メタ)アクリル重合体を固定化する事ができる。
次に、具体的な実施例につき説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した材料)
本発明の実施例及び比較例において使用した材料は、以下の通りである。
本発明の実施例及び比較例において使用した材料は、以下の通りである。
(1)ホモポリプロピレン(PP)・・・日本ポリプロ社製、グレード:MA3H、23℃における引張弾性率:1.7GPa、線膨張率:17.5×10−5/K
(2)多官能メタクリルモノマー(イソボルニルメタクリレート)・・・共栄社化学社製、商品名:ライトエステルIB−X
(3)多官能メタクリルモノマー(トリメチルプロパンメタクリレート)・・・共栄社化学社製、商品名:ライトエステル「TMP」
(4)トリアリルイソシアヌレート・・・日本化成株式会社製、商品名:タイク
(実施例1)
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製、ノバテックPP、グレード:MA3H)100重量部と、イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルIB−X)30重量部とを180℃のプラストミルにて混練し、190℃でプレス成形することによって、表面平滑な厚み0.5mmのシートサンプルを得た。得られたシート状成形物の両面に、加速電圧300kV、線量40kGyの電子線(EB)を照射した。
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製、ノバテックPP、グレード:MA3H)100重量部と、イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製、ライトエステルIB−X)30重量部とを180℃のプラストミルにて混練し、190℃でプレス成形することによって、表面平滑な厚み0.5mmのシートサンプルを得た。得られたシート状成形物の両面に、加速電圧300kV、線量40kGyの電子線(EB)を照射した。
(実施例2)
イソボルニルメタクリレートの配合割合を40重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートの配合割合を40重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例1)
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製、ノバテックPP、グレード:MA3H)を180℃のプラストミルにて混練し、190℃でプレス成形することによって、表面平滑な厚み0.5mmのシートサンプルを得た。得られたシート状成形物の両面に、加速電圧300kV、線量40kGyの電子線(EB)を照射した。
ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製、ノバテックPP、グレード:MA3H)を180℃のプラストミルにて混練し、190℃でプレス成形することによって、表面平滑な厚み0.5mmのシートサンプルを得た。得られたシート状成形物の両面に、加速電圧300kV、線量40kGyの電子線(EB)を照射した。
(比較例2)
イソボルニルメタクリレートの配合割合を25重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートの配合割合を25重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例3)
イソボルニルメタクリレートの配合割合を45重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートの配合割合を45重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例4)
電子線を照射しなかったこと以外は実施例2と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
電子線を照射しなかったこと以外は実施例2と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例5)
イソボルニルメタクリレートをトリアリルイソシアヌレートにしたこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートをトリアリルイソシアヌレートにしたこと以外は、実施例2と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(実施例3)
イソボルニルメタクリレートをトリメチルプロパンメタクリレートにしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートをトリメチルプロパンメタクリレートにしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(実施例4)
イソボルニルメタクリレートをトリメチルプロパンメタクリレートとし、配合割合を40重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
イソボルニルメタクリレートをトリメチルプロパンメタクリレートとし、配合割合を40重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例6)
トリメチルプロパンメタクリレートの配合割合を25重量部にしたこと以外は、実施例3と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
トリメチルプロパンメタクリレートの配合割合を25重量部にしたこと以外は、実施例3と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例7)
トリメチルプロパンメタクリレートの配合割合を45重量部にしたこと以外は、実施例3と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
トリメチルプロパンメタクリレートの配合割合を45重量部にしたこと以外は、実施例3と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(比較例8)
電子線を照射しなかったこと以外は実施例4と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
電子線を照射しなかったこと以外は実施例4と同様にして、厚み0.5mmのシートサンプルを得た。
(実施例及び比較例の評価)
ポリマーブレンド材料の引張弾性率と線膨張率は、下記の条件で測定した。
ポリマーブレンド材料の引張弾性率と線膨張率は、下記の条件で測定した。
(a)引張弾性率測定
実施例及び比較例により得られたポリマーブレンド材料シートの23℃における引張弾性率を、JIS K6767に準拠して測定した。
実施例及び比較例により得られたポリマーブレンド材料シートの23℃における引張弾性率を、JIS K6767に準拠して測定した。
(b)線膨張率測定
実施例及び比較例により得られたポリマーブレンド材料シートの−30℃〜100℃における線膨張率を、JIS K7197に準拠して測定した。
実施例及び比較例により得られたポリマーブレンド材料シートの−30℃〜100℃における線膨張率を、JIS K7197に準拠して測定した。
(c)成形性
実施例及び比較例のポリマーブレンド材料シートの成形性は、加熱混練ができない場合やプレス成形後のシートが、そのシート形状を保持できないほど脆い場合を×とし、それ以外は○と判断した。
実施例及び比較例のポリマーブレンド材料シートの成形性は、加熱混練ができない場合やプレス成形後のシートが、そのシート形状を保持できないほど脆い場合を×とし、それ以外は○と判断した。
結果を下記表1及び表2に示す。
表1及び表2から明らかなように、各実施例のポリマーブレンド材料は、各比較例のポリマーブレンド材料と比較して、成形性に優れており、かつ高引張弾性率を示し、線膨張率が大幅に低められている。
また。図1に、実施例2で得られたサンプルの倍率300,000倍の透過電子顕微鏡TEM写真を示す。観察は透過型電子顕微鏡(JEM−2100、日本電子株式会社製)を用いた。図1から明らかなように、実施例2のサンプルにおいては、100nm以下のイソボルニルメタクリレートのナノドメインが確認された。同様に、各実施例のポリマーブレンド材料では、100nm以下の多官能メタクリレート重合体のナノドメインが確認された。これは、ホモポリプロピレン中に多官能メタクリレート重合体がナノサイズのドメインを形成して存在し、寸法安定性が向上したためであると考えられる。また、比較例5のトリアリルイソシアヌレートを用いた場合には、上記トリアリルイソシアヌレートがナノドメインを形成しなかった。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂と、前記熱可塑性樹脂中に分散している多官能(メタ)アクリル重合体とを含む、ポリマーブレンド材料であって、
前記熱可塑性樹脂100重量部に対し、前記多官能(メタ)アクリル重合体が30〜40重量部の割合で含有されている、ポリマーブレンド材料。 - 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項1に記載のポリマーブレンド材料。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体及びエチレンとプロピレンとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項2に記載のポリマーブレンド材料。
- 前記多官能(メタ)アクリル系モノマーが、エチル(メタ)アクリレート、ter−ブチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマーブレンド材料。
- 前記熱可塑性樹脂中において、前記多官能(メタ)アクリル重合体が、ナノサイズのドメインを形成している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマーブレンド材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマーブレンド材料の製造方法であって、
熱可塑性樹脂と、多官能(メタ)アクリル系モノマーとを含む混合物を用意する工程と、
前記混合物に活性エネルギー線を照射することによりポリマーブレンド材料を得る工程とを備える、ポリマーブレンド材料の製造方法。 - 前記活性エネルギー線が、電磁波と、粒子線とのうち少なくとも一方である、請求項6に記載のポリマーブレンド材料の製造方法。
- 前記活性エネルギー線が、電子線である、請求項6又は7に記載のポリマーブレンド材料の製造方法。
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