JP2015145294A - 乗客コンベアのトラス - Google Patents

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Abstract

【課題】構造部材が座屈することを防ぎつつ、圧縮荷重が除荷された場合には元の位置に復帰することができる、乗客コンベアのトラスの提供。【解決手段】上梁2、下梁3、斜め梁5、縦枠4を含む複数の梁材からなる乗客コンベアのトラスであって、少なくとも一つの基準梁材を、摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、基準梁材は、通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばね9を備え、引張方向の軸力を受ける場合にはストッパー10を備えており、基準梁材と共通する縦梁を持つ関連梁材もまた、同様に圧縮ばねまたはストッパーを備えており、上梁および下梁のそれぞれの両端は固定部を備え、斜め梁の両端は回転支持部を備える。【選択図】図10

Description

本発明は、乗客コンベアのトラスに関するものである。
乗客コンベアのトラスは、高低差と支持点間距離とのある建物の部分間を橋渡しするように設置される。トラスの両端部にはL型鋼の支持金具が設けられ、下側の支持金具だけが建物側の受け梁に溶接で固定され、上側の支持金具は受け梁に固定されずにそのまま載せられた状態で設置される。このようなトラスを有する乗客コンベアでは、例えば乗客の重みによる主枠のたわみや地震等が発生しても、上側の支持金具が受け梁に対してずれることにより、主枠と受け梁との間で大きな応力が生じることが防止されている。
地震で支持点間距離が広がる方向にゆれる場合には、架かり代を十分に確保しておけばトラスが外れることは無い。反対に地震で建物の受け梁間が縮む方向にゆれる場合にも、トラスと建物との隙間を十分に確保しておけば、トラスが圧縮されることも無い。しかし、現実的には建物とトラスとの間に十分な隙間をもたせることは、全荷重を支える支持金具にかかるモーメントも大きくなるため、限界がある。そのため、建物とトラスとの間に十分な隙間をもたせることが困難な場合には、地震で建物間が縮む方向に揺れたときに、トラスに大きな圧縮荷重がかかることがありうる。
また、長尺の構造部材に圧縮力がかかった場合には降伏点以下でも急に変形の模様が変化し、大きなたわみを生ずる座屈現象が起こる。一度座屈を生じるとその梁材の軸力が急激に低下するため、トラス全体の強度が低下する恐れがあった。
そこで、このような問題に対しては、例えば、特許文献1に開示された構成がある。この構成では、二重構造の梁材を摩擦締結し、予め設定された摩擦力より大きな軸力を受けると軸方向に摺動することで、構造部材には大きな軸力がかからず座屈を予防できる可能性がある。
実開平5−64367号公報
上述した特許文献1に開示された構成では、構造部材が座屈する前に摩擦締結部が摺動することで構造部材に座屈するくらいの大きな軸力がかからないようにする効果がある。しかしながら、地震の逆揺れで圧縮方向の力が除荷された場合には、構造部材がもとに戻らない可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、構造部材が座屈することを防ぎつつ、圧縮荷重が除荷された場合には元の状態に復帰することができる、乗客コンベアのトラスを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明は、上梁、下梁、斜め梁、縦枠を含む複数の梁材からなる乗客コンベアのトラスであって、前記複数の梁材のうちの少なくとも一つの基準梁材を、摺動可能な中空材と挿入棒材とからなる二重構造とし、前記基準梁材は、通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばねを備え、通常荷重時に引張方向の軸力を受ける場合にはストッパーを備えており、前記基準梁材と共通する前記縦梁を持つ関連梁材もまた、摺動可能な中空材と挿入棒材とからなる二重構造とし、前記関連梁材は、通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばねを備え、通常荷重時に引張方向の軸力を受ける場合にはストッパーを備えており、前記上梁および前記下梁のそれぞれの両端は固定部を備え、前記斜め梁の両端は回転支持部を備える。
本発明の乗客コンベアのトラスによれば、構造部材が座屈することを防ぎつつ、圧縮荷重が除荷された場合には元の位置に復帰することができる。
本発明の実施の形態1の乗客コンベアのトラスの概略図である。 図1のA−A線による断面図である。 トラスの梁材番号と、各梁材の座屈荷重や軸力等を示す図である。 本発明の実施の形態1における通常荷重時に圧縮を受ける上梁、下梁の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における通常荷重時に圧縮を受ける斜め梁の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における通常荷重時に引張を受ける上梁、下梁の縦断面図である。 本発明の実施の形態1における通常荷重時に引張を受ける斜め梁の縦断面図である。 図3の座屈する枠の概略図であり、(a)は通常荷重の場合、(b)はトラスに圧縮荷重がかかった場合を示す図である。 圧縮力を受けた場合における、圧縮ばねを有しない比較例の梁材と、圧縮ばねを備える本発明の梁材とにおける、圧縮量と軸力と関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における乗客コンベアのトラスの一部を示した構成例の図である。 地震により支持点間距離が変わった場合のトラス右上端部の概略図であり(a)は設置時、(b)は支持点間距離が狭まる方向の揺れた時、(c)は(b)によりトラスが座屈した後に支持点間距離が広がる方向の揺れた時をそれぞれ示す図である。
以下、本発明に係る乗客コンベアのトラスの実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1は、乗客コンベアのトラスの側面図、図2は、乗客コンベアのトラスのA−A断面図である。乗客コンベアのトラス1は、図1に示すように高低差Hと支持点間距離Gとのある建物の該当部分間を橋渡しするように設置される。
図1に示すように、側面から見ると乗客コンベアのトラス1は、多数の梁材によって構成されている。図1において左下端から右上端まで2本の梁材が平行に延びており、その間をつなぐように多数の梁が配置されている。平行する梁材の上側を上梁2、下側を下梁3と称し、上梁2と下梁3とを直角に繋ぐ梁を縦梁4と称し、上梁2と下梁3とを斜め方向に繋ぐ梁を斜め梁5と称する。乗客コンベアのトラス1は、上梁2と、下梁3と、斜め梁5と、前後の一対の縦梁4とからなる枠6が複数連なったように構成されている。
乗客コンベアトラスの断面は、図2に示すように四隅に梁を配置し、上梁2と下梁3とを左右それぞれ縦梁4および斜め梁5で連結し、左右の下梁3を底面梁15で連結した箱型で構成される。このように、乗客コンベアのトラスは左右対称の構造のため、以下では側面から見た片側を用いて説明する。
図1において、トラスの両端部には、L型鋼の支持金具13が設けられ、下側の支持金具13だけが建物14側の受け梁に溶接で固定され、長手方向(支持点間距離Gの方向)に動かないようになっている。上側の支持金具13は建物14側の受け梁に固定されずにそのまま載せられた状態で設置される。このような乗客コンベアでは、例えば乗客の重みによる主枠のたわみや地震等が発生しても、上側の支持金具が受け梁に対してずれることにより、主枠と受け梁との間で大きな応力が生じることが防止される。
このため、地震で支持点間距離Gが広がる方向にゆれる場合には、図1に示す架かり代L2を十分に確保しておけばトラス1が建物14から外れることを抑制できる。反対に地震で建物間が縮む方向にゆれる場合にも、トラス1と建物14との隙間L1を十分に確保しておけば、トラス1が圧縮されることも抑制できる。しかし、現実的には建物とトラスの間に十分な隙間L1をもたせることは、全荷重を支える支持金具にかかるモーメントも大きくなるため、限界がある。そのため、建物とトラスとの間に十分な隙間をもたせることは容易ではない。
一方、長尺の構造部材に圧縮力がかかった場合には降伏点以下でも急に変形の模様が変化し、大きなたわみを生ずる座屈現象が起こる。一度座屈を生じるとその梁材の軸力が急激に低下するため、トラス全体の強度が低下する恐れがあった。
トラスのどの梁材で座屈が発生するかは、各梁材の座屈荷重と各梁材に加わる軸力によって決まる。これにつき、図3を参照しながら説明する。図3のようなトラスにおいて、座屈荷重をPn(nは梁材番号を表し、ここでは1〜36)、軸力をFnとすると、
Pn<Fnになる梁材bnにおいて座屈が発生する。
かかる座屈荷重Pnは、以下に示すオイラーの公式やジョンソンの実験式で求めることができる。
Figure 2015145294
一般的に細長比λが大きい領域ではオイラーの公式、低い領域ではジョンソンの実験式が使われる。どちらの式からも細長比が大きいほど座屈荷重は低くなる。細長比は梁の長さl、梁の断面二次モーメントI、梁の断面積Aから求められる。梁の長さlが長く、断面二次モーメントIと断面積Aとが小さいほうが座屈しやすいことがわかる。
また、トラスの各梁材にかかる軸力は、クレモナ線図やFEM解析によって求めることができる。通常、乗客コンベアのトラスには、乗客ステップ、ガラス欄干、意匠部品等の機器荷重が分布荷重として上下梁に与えられ、各梁材には圧縮方向または引張方向の軸力が働く。この時を通常荷重時aとして、この時間aに各梁材に働く軸力をFn_aとする。一方、地震等により支持点間距離Gが縮まった場合、トラス両端部に圧縮力が加わり、最終的には座屈の発生に至る。この座屈が発生する直前の時間を時間bとして、この時間bに各梁材に発生する軸力を、圧縮時の軸力Fn_bとする。PnにFn_bの値が最も近くなる梁材で座屈が発生する。
上述の分析によって座屈する梁材が特定できるので、さらにその梁材に対して適用される本発明の構造について説明する。図4は、本発明の実施の形態1における通常荷重時に圧縮を受ける上梁・下梁(圧縮梁の一態様)の縦断面図であり、図5は本発明の実施の形態1における通常荷重時に圧縮を受ける斜め梁(圧縮梁の別の一態様)の縦断面図であり、図6は本発明の実施の形態1における通常荷重時に引張を受ける上梁・下梁(引張梁の一態様)の縦断面図であり、図7は本発明の実施の形態1における通常荷重時に引張を受ける斜め梁(引張梁の別の一態様)の縦断面図である。
本発明では、後述する二重構造としなかったとした場合には座屈が発生する座屈梁材(基準梁材)を、梁材軸方向に摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、その座屈梁材が通常荷重において圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばね9を備え、引張方向の軸力を受ける場合にはストッパー10を備える。また、二重構造としなかったとした場合には座屈が発生する座屈梁材(基準梁材)と共通する縦梁を持つ関連梁材においても同様に、軸方向に摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、その関連梁材が通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばね9を備え、引張方向の軸力を受ける場合にはストッパー10を備える。例えば、座屈が発生する座屈梁材が梁b2であれば、その梁b2と共通する縦梁b23および縦梁b25を持つ関連梁材は、梁b24および梁b12である。また、上梁2および下梁3それぞれの両端には、固定部11が設けられ、斜め梁の両端には、回転支持部12が設けられている。なお、その他の枠6の梁材については従来と同じ梁材を使用する。
図4および図5に示されるように、挿入棒材8は、中空材7の内部に挿入されており、梁材の一端と他端との間の間隔を変更するように、中空材7に対して摺動可能に設けられている。そして、圧縮ばね9は、挿入棒材8の周囲に配置され、圧縮ばね9の一端は、梁材の一端で受けられ、圧縮ばね9の他端は、中空材7の端部で受けられている。また、ストッパー10は、中空材7の内部に配置され、且つ、挿入棒材8に固定されており、挿入棒材8が中空材7から抜き出される方向に摺動された場合に、その抜き出される方向の最大の摺動量を規定している。
また、上梁2と下梁3との間には、乗客ステップやレール等(図示せず)が配置される。このため、上梁2と下梁3との間隔が縮まる方向の変形につながる縦梁4の伸縮は不可能となるように、縦梁4には、通常の梁を用いる。斜め梁5は、中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造のため伸縮可能であるが、両端を回転支持にすることでトラスの支持点間距離Gが縮まる方向にだけ伸縮し、上梁2と下梁3の間隔が縮まる方向には縦梁4があるため伸縮しないようになっている。
次に、本発明の原理と動作について説明する。図8は、図3の座屈する1つの枠の概略図であり、(a)は通常荷重の場合、(b)はトラスに圧縮荷重がかかった場合を示す。
図3のトラスの例では、梁b2で座屈が発生する。梁b2においては、通常荷重時に圧縮になるため、圧縮ばね付きの摺動可能な梁が採用されている。梁b2の圧縮ばねのばね定数は、圧縮量xの時にb2の座屈直前軸力F2_b以下になるように設定する。圧縮量xはトラスの最大圧縮量dにしておく。dの式を以下に示す。
Figure 2015145294
トラスを最大圧縮量dで圧縮した場合、現実には他の梁材もたわむため、x<dであるが、他の梁材のたわみ量は小さく、x=dにすることで安全側の設計になる。
また、圧縮ばね9は、通常荷重時にかかる軸力Fn_aで縮む量x0だけ予め縮めた状態で設置する。このように圧縮ばねに初期圧縮量x0を与えることで梁材に初期張力を発生させておき、通常時において軸力Fn_aの通常荷重が作用していても、梁材が縮んでしまうことを防止しておくことができる。
圧縮ばねの定数kと初期の圧縮量x0との計算式を以下に示す。
Figure 2015145294
図9に圧縮力を受けた場合における、圧縮ばねを有しない比較例の上梁と、図4の圧縮ばねを備える本発明の上梁2とにおける圧縮量−軸力のグラフを示す。
図9に示すように、比較例の梁材の圧縮力が座屈荷重を越えた場合、急激に軸力が低下し大きなたわみを生ずる座屈現象が起こる。一度座屈を生じるとその梁材の軸力が急激にD点まで低下し、通常荷重時にかかる軸力Fn_a以下になった場合には、梁材の耐力よりも大きな軸力がかかることになるため、この梁はつぶれてしまう恐れがあった。また、一度座屈を起こし耐力がD点まで低下した梁材は、その後、地震がおさまり圧縮方向の荷重が除荷されたとしても元の形状には戻らずE点で変形が残ることになる。
これに対して、本発明では、圧縮ばね9があるため、図9に従ってC点まで反力が上昇するが、支持点間距離が最大変位になった場合でも、Fn_b以上の軸力がかかることは無いため、圧縮ばねを備える本発明の梁材が座屈することはない。
また、圧縮ばね9に初期圧縮量x0を与えずに設置した場合、通常荷重によって圧縮ばねが縮む分があるので、地震で圧縮方向の揺れの後に逆方向の揺れで除荷された場合でも図9のBまでしか変位が戻らない。しかし、初期圧縮量x0を与えておけば、除荷後に図8のAまで変位が戻る。
上記では通常荷重時に圧縮になる場合を示したが、通常荷重時に引張になる場合には、通常の引張荷重に耐えられる強度を持ち、引張方向に伸びるのを止めるストッパー10を図6(a)、図7(a)のように伸びきってストッパー10がかかった状態で設置する。これにより、通常荷重時にはストッパーがかかり、通常の梁と同じように引張荷重を支える。圧縮時には図6(b)、図7(b)のように、挿入棒材8が中空材7の中に押込まれる。この時、圧縮方向にはストッパーもばねも設置されていないため、反力は発生しない。除荷後には、引張方向の力が働くため、ばねが無くとも自然にストッパーがかかる位置まで伸びる。
図3のトラスにおいて、梁b2を本発明の構造にするだけで、梁b12と梁b24とが通常梁のままでは、梁b12と梁b24とに圧縮力がかかってしまうため、座屈梁と共通する縦梁を持つ梁材の梁b12と梁b24も摺動可能な二重構造とし、斜め梁の両端には回転支持部を設ける。
図10は、本発明の実施の形態1における乗客コンベアのトラスの一部を示した構成例である。図3のトラスの例の場合、梁b12と梁b24とは通常荷重時に引張側になるため、ストッパーを備える構造となり、その結果、図10(a)に示すような、圧縮梁16と、引張梁17とからなる構成になる。
図8(a)のようなトラスの枠6において、圧縮方向の変位が加えられると、図8(b)のように上梁2と下梁3とが圧縮方向に縮み、斜め梁5は角度も変わりながら縮むように枠6が変形する。除荷後には、上梁2(梁b2)は、圧縮ばねの力で元の長さまで戻り、斜め梁(梁b24)と下梁(梁b12)は、通常荷重時の引張方向の力が働くことで元の長さまで戻る。
上記では、座屈梁と共通する縦梁を持つ梁材が通常荷重時に引張荷重になる場合を示したが、圧縮荷重になる場合には、圧縮ばねを設置した圧縮梁とし、その圧縮ばねのばね定数は、座屈梁が座屈する直前に、座屈梁と共通する縦梁を持つ梁材bnにかかる軸力Fn_b以下になるように設定する。図3のトラスで梁b12が通常荷重時に圧縮だったとすると、図10(b)のような構成になり、梁b12のばね定数は座屈直前の軸力F12_bから設定する。
従来のトラスであれば、図11(a)のように通常荷重においてL2の架かり代をもって設置されていたトラスが図11(b)のように一度、圧縮方向に揺れてトラスの一部の梁が座屈を生じた後、次に、図11(c)のように反対方向に揺れた場合、トラスは元の変位に戻らずL2の架かり代から外れる恐れがあった。それに対して、本発明によれば、梁材の圧縮方向には、圧縮ばねが配置されることにより、地震で圧縮変位が与えられた場合にも、座屈荷重以上の大きな軸力がかかることがない。そして、地震で圧縮方向の揺れの後に逆方向の揺れで除荷された場合でも圧縮ばねの力で元の位置まで戻ることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、上記実施の形態1において、座屈が発生する梁材以外の任意の梁材(基準梁材)と、その基準梁材と共通する縦梁を持つ関連梁材とを、摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、その梁材が通常荷重において圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばね9を備え、引張方向の軸力を受ける場合にはストッパー10を備える構造とする。
図3の例では、梁b2で座屈が発生するが、例えば上部の梁b8を基準梁材とし、その基準梁材である梁b8を、摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、梁b8は通常荷重時に圧縮になるため、圧縮ばねを設置する。また、基準梁材である梁b8と共通する縦梁を持つ関連梁材である梁b17と梁b35とについても摺動可能な中空材7と挿入棒材8とからなる二重構造とし、梁b35は通常荷重時に引張になるため、ストッパーを設置し、梁b17は通常荷重時に圧縮になるため、圧縮ばねを設ける。
この時、基準梁材である梁b8の圧縮ばね定数は、二重構造としなかったとした場合には座屈が発生する座屈梁材である梁b2の座屈直前軸力F2_bではなく、座屈梁材である梁b2が座屈する直前に基準梁材である梁b8にかかる軸力F8_bと、トラスの最大圧縮量dである圧縮量xとから計算された値である。初期の圧縮量x0も、上記と同様、計算式を用いて計算する。梁b17についても同様である。
任意の梁の位置は傾斜部の位置(図3の例では梁b5の位置)でもよい。傾斜部の場合の圧縮ばね定数は、梁b2が座屈する直前に梁b5にかかる軸力F5_bと、トラスの最大圧縮量dとに対して傾斜角度θの分だけ梁の縮む向きが異なるため、x=d/cosθとして、圧縮ばねの定数kと初期の圧縮量x0の計算式を用いて計算する。
このような実施の形態2により以下の効果が得られる。乗客コンベアのトラスは上下梁や縦梁、斜め梁など場所毎に異なる梁材が使用されており、座屈荷重もばらばらである。また、階高や梁の組み方が変わると軸力も変わるため、物件毎にどこが座屈するかは異なる。そのため、実施の形態1による方法では圧縮ばねを設置する位置も物件毎に変更する必要があったが、実施の形態2では、圧縮ばねを設置する位置が任意に決められるため、圧縮ばねを設置する位置を共通化することができる。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
1 乗客コンベアのトラス、2 上梁、3 下梁、4 縦梁、5 斜め梁、7 中空材、8 挿入棒材、9 圧縮ばね、10 ストッパー、11 固定部、12 回転支持部。

Claims (4)

  1. 上梁、下梁、斜め梁、縦枠を含む複数の梁材からなる乗客コンベアのトラスであって、
    前記複数の梁材のうちの少なくとも一つの基準梁材を、摺動可能な中空材と挿入棒材とからなる二重構造とし、
    前記基準梁材は、通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばねを備え、通常荷重時に引張方向の軸力を受ける場合にはストッパーを備えており、
    前記基準梁材と共通する前記縦梁を持つ関連梁材もまた、摺動可能な中空材と挿入棒材とからなる二重構造とし、
    前記関連梁材は、通常荷重時に圧縮方向の軸力を受ける場合には圧縮ばねを備え、通常荷重時に引張方向の軸力を受ける場合にはストッパーを備えており、
    前記上梁および前記下梁のそれぞれの両端は固定部を備え、前記斜め梁の両端は回転支持部を備える、
    乗客コンベアのトラス。
  2. 前記基準梁材は、前記二重構造としなかったとした場合には座屈が発生する座屈梁材である、
    請求項1の乗客コンベアのトラス。
  3. 前記基準梁材の圧縮ばね定数は、前記二重構造としなかったとした場合には座屈が発生する座屈梁材の座屈直前軸力ではなく、前記座屈梁材が座屈する直前に前記基準梁材にかかる軸力と、当該トラスの最大圧縮量dである圧縮量xとから求められた値である、
    請求項1の乗客コンベアのトラス。
  4. 前記圧縮ばねは、通常荷重時にかかる軸力で縮む量x0だけ予め縮めた状態で設置されている、
    請求項1〜3の何れか一項の乗客コンベアのトラス。
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