JP2015143671A - 布設管の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PIP工法により施工した布設管における、既設管11の腐食等による貫通孔13の有無を容易に検査することが可能な布設管の検査方法を提供する。
【解決手段】 地中に埋設されている既設管11の内側に内挿管12を挿入し、その間にグラウト材を充填する工法により施工した布設管の検査方法であって、前記既設管11と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極5の間に直流電流を、オン/オフを繰り返して印加し、そのときの前記既設管11と前記内挿管12の間の電流値を測定し、その電流値の測定結果から、前記既設管11の貫通孔13の有無を検知することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、布設管の検査方法に関するものであり、詳しくはPIP(パイプ イン パイプ)工法により施工した布設管の検査方法に関するものである。
近年、水道管等の既設管の老朽化に伴う更新・更生工法として、PIP(パイプ イン パイプ)工法(以下、単にPIP工法という)が行われている。このPIP工法は、地中に埋設されている老朽化した既設管の内側に内挿管を布設するものであり、既設管と内挿管の間にモルタルやエアミルク等のグラウト材を充填して施工する工法である。
このPIP工法は、既設管の内径に近い内挿管を布設することが可能であるため、施工後においても既設管と同等の送水量が確保でき、さらに非開削で行えることから、特に市街地区において望ましい工法とされている。
このPIP工法には、内挿管として通常の鋼管を用いる他、巻込み鋼管が用いられている。PIP工法に用いる巻込み鋼管としては、例えば、鋼板をベンディングロール等により拡管時の曲率半径より小さい曲率半径で、かつ曲率半径を順次変化させて所定の重ね代を有する巻込み鋼管を製作する技術により製造されたもの(例えば、特許文献1を参照)が用いられる。
このような巻込み鋼管は、既設管内に挿入し拡管して所定の径とした後、溶接して内挿管とする。即ち、巻込み鋼管の径が小さい状態で既設管内に挿入でき、挿入後に巻込み鋼管の径を拡管するため、作業性を良好にすることができる。
一方、内挿管を既設管内に挿入して設置した布設管において、特に施工地域が腐食性土壌地域であるような場合、元々老朽化していた既設管の腐食が進行し、錆等が極度に進行した腐食による貫通孔が開孔することがある。
この既設管に開孔した貫通孔からは、グラウト材にまで腐食性の高い酸性水等が浸透することがあり、そのまま放置した場合にはグラウト材の劣化が進行し、これによる内挿管への腐食も懸念される。そのためPIP工法により施工された布設管については、既設管の腐食等による貫通孔の早期発見が必要となる。しかしながら、これまでPIP工法により施工した布設管について、既設管の腐食等による貫通孔の有無を検知することはできなかった。
特開昭62−144820号公報
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、PIP工法により施工した布設管における、既設管の腐食等による貫通孔の有無を容易に検査することが可能な布設管の検査方法を提供することを課題としている。
即ち、本発明の布設管の検査方法は以下のことを特徴としている。
第1に、地中に埋設されている既設管の内側に内挿管を挿入し、その間にグラウト材を充填する工法により施工した布設管の検査方法であって、前記既設管と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極の間に直流電流を、オン/オフを繰り返して印加し、そのときの前記既設管と前記内挿管の間の電流値を測定し、その電流値の測定結果から、前記既設管の貫通孔の有無を検知することを特徴とする。
第2に、前記第1の発明の布設管の検査方法において、前記既設管と前記通電用補助電極の間に印加する直流電流の電流値が、電流密度で0.01〜1A/m−2の範囲であることが好ましい。
第3に、地中に埋設されている既設管の内側に内挿管を挿入し、その間にグラウト材を充填する工法により施工した布設管の検査方法であって、前記既設管と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極の間に交流電流を印加し、そのときの前記既設管と前記内挿管の間の電流値のスペクトル強度を測定し、その測定結果から前記既設管の貫通孔の有無を検知することを特徴とする。
第4に、前記第3の布設管の検査方法において、前記既設管と前記通電用補助電極の間に印加する交流電流の周波数が1Hz〜10kHzの範囲であることが好ましい。
第5に、前記第1から第4の発明の布設管の検査方法において、前記内挿管が巻込み鋼管であることが好ましい。
本発明の布設管の検査方法によれば、PIP工法により施工した布設管における、既設管の腐食等による貫通孔の有無を容易に検査することができる。
本発明の原理を説明するための概略図であり、(A)は概略構成図であり、(B)は貫通孔の流入電流の状態を示す概略拡大図である。 実施例で用いた試験体Aの写真である。 実施例で用いた試験体Bの写真である。 実施例1の測定装置の構成を示す概略斜視図である。 試験体Aの測定結果を示すグラフである。 試験体Bの測定結果を示すグラフである。 実施例2の測定装置の構成を示す概略斜視図である。 試験体C、Dの測定結果を示すグラフである。
本発明の布設管の検査方法は、PIP工法により施工された布設管における既設管の腐食等による貫通孔の有無を、内挿管の外面と既設管の内面の直流電流の電流値変化、又は交流電流の周波数のスペクトル強度を測定することにより検査する方法である。
本発明の布設管の検査方法が適用可能なPIP工法で施工した管は、主に水道管として用いられるものであり、既設管及び内挿管が共に通電する金属管からなるものである。これらの材料としては、例えば鉄管、銅管、ステンレス管、ダクタイル鋳鉄管等を挙げることができる。また、挿入管としては、通常の鋼管の他、巻込み鋼管を用いることができ、特に巻込み鋼管を好適に用いることができる。
PIP工法では、通常、既設管の内側に内挿管を挿入し、既設管と内挿管の間にモルタル、エアミルク等のグラウト材を充填して施工する。既設管と内挿管の間に充填したモルタルやエアミルクは、固化後には高抵抗体となるため、通常、既設管と内挿管の間には電気は流れにくい。
以下に、まず、既設管の腐食等による貫通孔の有無を、内挿管の外面と既設管の内面の直流電流の電流値変化を測定することにより検査する方法について説明する。
具体的な検査方法は、まず、既設管と内挿管の間を電流計で短絡するように接続しておき、その状態で、既設管と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極の間に外部電源からの直流電流を印加し、そのときの既設管と内挿管の間の電流値の変化を観測する。そして、その電流値の変化により既設管の腐食等による貫通孔の有無を検知する。
既設管から引き出した導線と、内挿管から引き出した導線を電流計で短絡するように接続すると、既設管の内側と内挿管の外面との間で形成する電位差により電流が流れる。まずこの電流の大きさと向きを電流計で測定する。なお、ここで用いる電流計は無抵抗電流計が好ましい。
次に、既設管から引き出した導線と、布設管の埋設土壌の布設管に接触しない位置に埋めた通電用補助電極の間に外部電源からの直流電流を印加する。本発明で用いる通電用補助電極の大きさや材質は、検査の対象となる布設管の大きさや材質に応じて適宜設定することができ、材質は、耐久性等の観点から白金メッキチタン電極を好適に用いることができる。
通電用補助電極を埋める場所は、布設管の埋設場所近傍であって、布設管に接触しない位置であれば特に制限はないが、可能な限り布設管に近い場所が望ましい。
印加する直流電流の電流値は、布設管と通電用補助電極との距離により適宜設定することができるが、通常、電流密度として0.01〜1A/m−2、好ましくは0.1〜0.5A/m−2より好ましくは0.1〜0.2A/m−2が考慮される。
直流電流を供給するための装置としては、安定した直流電流の供給が可能な定電流原装置として、直流安定化電源を好適に用いることができる。印加する直流電流の向きは、通電用補助電極を陽極、既設管を陰極として、地中を通電用電極から既設管方向に電流が流れるように設定する。
また、本発明の検査方法では、既設管と通電用補助電極の間に印加する直流電流を一定時間の間隔でオン/オフを繰り返すことが好ましい。
本発明の検査方法は、上記の条件で、既設管と通電用補助電極に直流電流を印加することにより、既設管と内挿管の間の電流値の変化により既設管の腐食等による貫通孔の有無を検査することが可能となる。
具体的には、既設管に腐食等による貫通孔がある場合には、図1(A)、(B)に示すように、通電用補助電極5から既設管11に流れる電流の一部は、既設管11の貫通孔13から挿入管12の外面や、既設管11の内面に回り込んで流れる。すると、内挿管12の外面と既設管11の内面の電位が変化し、電位差が変化する。そして、内挿管12の外面と既設管11の内面の電流値が変化する。
一方、既設管11に貫通孔13がない場合には、内挿管12は既設管11により周囲土壌から電気的に完全に遮断されているため、通電用補助電極5からの電流は既設管11の外面にしか流れない。従って、内挿管12の外面と既設管11の内面の電流値は変化しない。
即ち、既設管11に貫通孔13がある場合には、既設管11と通電用補助電極5との電流値の変化に伴って内挿管12の外面と既設管11の内面の電流値にも変化が生じるが、既設管11に貫通孔13がない場合には、既設管11と通電用補助電極5との電流値が変化しても内挿管12の外面と既設管11の内面の電流値に変化は生じない。これによって既設管11の腐食等による貫通孔13の有無を判断することが可能となる。
なお、本発明の検査方法では、一定の直流電流を供給するための定電流原装置4にサンプリングレコーダー等を接続して、測定したデータを記録することにより、電流印加のオン/オフのタイミングと、これに合わせた既設管11と内挿管12との間の電流値の変化を正確に観測することができる。
本発明の布設管の検査方法によれば、上記の構成の検査方法とすることにより、PIP工法により施工した布設管における、既設管11の腐食等による貫通孔13の有無を容易に検査することが可能となる。
次に、既設管の腐食等による貫通孔の有無を、内挿管の外面と既設管の内面の交流電流の周波数のスペクトル強度を測定することにより検査する方法について説明する。
この検査方法は、特定の周波数の交流電流を印加し、既設管と内挿管の間の周波数のスペクトル強度を測定する。そして、その周波数のスペクトル強度により既設管の腐食等による貫通孔の有無を検知する。
基本的な原理としては、既設管から引き出した導線と、内挿管から引き出した導線を電流計で短絡するように接続すると、既設管の内側と内挿管の外面との間で形成する電位差により電流が流れる。この状態で、特定の交流電流を印加したときに、特定の周波数の交流成分が重畳する程度を周波数のスペクトル強度として測定して、既設管の状態を判断するものである。
まず、既設管から引き出した導線と、内挿管から引き出した導線を電流計に接続し、さらに電流計に周波数のスペクトル強度を測定するためのFFTアナライザーを接続する。なお、ここで用いる電流計は無抵抗電流計が好ましい。
次に、既設管から引き出した導線と、布設管の埋設土壌の布設管に接触しない所定の位置に埋めた通電用補助電極の間に外部電源からの交流電流を印加する。本発明で用いる通電用補助電極の大きさや材質は、検査の対象となる布設管の大きさや材質に応じて適宜設定することができ、材質は、耐久性等の観点から白金メッキチタン電極を好適に用いることができる。
通電用補助電極を埋める場所は、布設管と接触をしない深さとし、離す距離は、印加する交流電流値に応じて適宜設定することができるが、印加電流が布設管の円周方向全体に一様に流れるように配置を決定することが好ましい。また、通電用補助電極を管の布設方向あるいは垂直方向に移動させながら測定することもできる。
印加する交流電流は、外部電源として、電源装置に関数発生器を接続したものを用いることができる。電源装置としては、例えば電力増幅器等を好適に用いることができ、これにより所望の周波数の交流電流を印加することができる。
印加する交流電流の周波数は1Hz〜10kHz、好ましくは10〜1000Hz、より好ましくは10〜100Hzである。また、振幅は、対象構造物の面積によって異なるが、通常、測定対象の面積が10m程度の場合、±100mA〜10A、好ましくは1〜10Aの範囲である。
本発明の検査方法では、上記の条件でスペクトル強度を測定した場合、既設管に腐食等による貫通孔がある場合には、既設管と通電用補助電極の位置が近いほどスペクトル強度の値は大きくなる傾向を示す。
一方、既設管に貫通孔がない場合には、既設管と通電用補助電極の位置が近い場合でもスペクトル強度の値に大きな差は認められない。
即ち、既設管の貫通孔の有無については、特定の条件における、通電用補助電極と既設管11の間の交流電流の印加に対する、内挿管12の外面と既設管11の内面の電流値のスペクトル強度の値を調べることによって、既設管の腐食等による貫通孔の有無を判断することが可能となる。
本発明の布設管の検査方法によれば、上記の構成の検査方法とすることにより、PIP工法により施工した布設管における、既設管11の腐食等による貫通孔の有無を容易に検査することが可能となる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更、応用が可能である。
例えば、既設管と通電用補助電極の間に直流電流又は交流電流を印加する方法において、既設管11からの導線と内挿管12からの導線の端子を予め地表面に露出させておき、通電用補助電極5を差し込んで直流電流又は交流電流を印加し、定期的に測定・記録するようにしてもよい。このように、同一地点の管について継時的に測定・記録したデータを蓄積することにより、確実な精度の高い検査を行うことができる。
また、既設管と通電用補助電極の間に直流電流又は交流電流を印加する方法において、既設管から離れた特定の複数の場所に、予め通電用補助電極を差し込んでおき、定期的にそれぞれに直流電流又は交流電流を印加して測定・記録するようにしてもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:直流電流の印加による検査方法)
既設管を模擬した外側管11として、横浜市内に実際に埋設されていた給水用のタグタイル鋳鉄管(呼び径100mm)を用いた。この外側管11を20cmに切断して管内面の錆をケレンして取り除いた。また、巻込み鋼管を模擬した内挿管12として、STKM(機械構造用炭素鋼鋼管、外径76mm)を長さ18cmに切断して用いた。
これを2セット用意して、1セットは、図2(B)に示すように外側管11と内挿管12の間隔がほぼ同一になるように配置し、エアミルクを充填して固化させ、円板状に切り出した板材で両端をカバーして図2(A)に示す試験体Aを作成した。
エアミルクは、表1に示す材料を用意し、まず、起泡剤と希釈水を混合して気泡を作り、ポルトランドセメントにこの気泡を混練して調整した。
他の1セットは、図3(A)に示すように、外側管11の中央部に、直径1cmの貫通孔13を1つ空けた。そして、図3(B)に示すように、試験体Aと同様に、外側管11と内挿管12の間隔がほぼ同一になるように配置し、表1に示す組成のエアミルクを充填して固化させ、円板状に切り出した板材で両端をカバーして試験体Bを作成した。
次に、試験体A、Bのそれぞれの外側管11から導線を2本、内挿管12から導線を1本引き出し、深さ5cmの土を入れた容器2に試験体A、Bを別々に載置して、各試験体の上5cmまで土を敷き詰めて試験体を埋設した。ここで、試験体Bは、外側管11に空けた貫通孔13が上になるように載置した。
この状態で、図4に示すように、まず、外側管11から引き出した導線と内挿管12から引き出した導線を電流計3に接続した。電流計3には無抵抗電流計(東方技研社製)を用いた。
電流計3への接続は、外側管11から引き出した導線をプラス端子に、内挿管12から引き出した導線をマイナス端子に接続した。また、この電流計3から出力される電流値のデータを取り込んで記録するために、高速サンプリングレコーダー6(キーエンス社製)に接続した。
次に、外側管11から引き出した導線と、通電用補助電極5を定電流原装置4に接続して、通電用補助電極5を埋設した試験体A、Bの中央部の真上の位置に、試験体に接触しないように差し込んだ。試験体Bでは貫通孔13の真上となる位置とした。また、通電用補助電極5には白金メッキチタンの電極を用いた。
定電流原装置4には、ポテンシオガルバノスタット(東方技研社製)を用い、出力される電流値のデータを取り込んで記録するために、高速サンプリングレコーダー6(キーエンス社製)に接続した。
上記のとおりに接続した検査装置に対して、定電流原装置4から一定の電流を印加し、外側管11と内挿管12の間の電流値を測定した。
定電流原装置4から印加する直流電流の電流値は電流密度で0.16A/m−2(10mA)とした。電流の向きは、土中を通電用補助電極5から外側管11に向かって流れるようにした。この向きは、布設管を腐食させないための向きである。この条件で、約10秒間待機した後、10秒間通電し、次いで20秒間待機した後再度10秒間通電した。このときの試験体Aの測定結果を図5に、試験体Bの測定結果を図6に示す。
外側管11に貫通孔13がない試験体Aの測定結果を示す図5では、外側管11と内挿管12の間の電流値の初期値は、−154〜−159μA(−154〜−159mV)の間の安定した値であった。ここでマイナスの符号は、外側管11から充填したエアミルクに流れ出た電流が内挿管12に流れていることを表している。この状態で約10秒間待機した後、電流密度0.16A/m−2(10mA)の電流を10秒間通電し、次いで20秒間待機した後再度10秒間通電しても、外側管11と内挿管12の間の電流値(−154〜−159μA)には変化がなかった。
これに対し、外側管11に貫通孔13がある試験体Bの測定結果を示す図6では、外側管11と内挿管12の間の電流値の初期値は、−80〜−90μA(−80〜−90mV)の間の値であった。
この状態で約10秒間待機した後、電流密度0.16A/m−2(10mA)の電流を通電すると、測定電流値は瞬時に−114μAに変化し、その後緩やかに(電流値の絶対値が小さくなる方向に)変化し、約10秒後には−90μA前後の値を示した。また、通電10秒後のオフ時にも測定電流値は即時に立ち上がって−67μAに変化した。さらに、2回目のオン/オフ時にも測定電流は同様に変化し、直流電流のオン/オフによる電流値の変化に再現性があることが確認された。
これらの結果から、既設管11と通電用補助電極5の間に一定の直流電流を印加した状態における、既設管11と内挿管12の間の電流値の変化から、既設管11の腐食等による貫通孔13の有無を容易に検査することが可能であることが確認された。
(実施例2:交流電流の印加による検査方法)
既設管を模擬した外側管11として、横浜市内に実際に埋設されていた給水用のタグタイル鋳鉄管(呼び径100mm)を用いた。この外側管11を長さ27cmに切断して管内面の錆をケレンして取り除いた。また、巻込み鋼管を模擬した内挿管12として、STKM(機械構造用炭素鋼鋼管、外径73mm)を長さ27cmに切断して用いた。
これを2セット用意して、1セットは、外側管11と内挿管12の間隔がほぼ同一になるように配置し、上記実施例1で用いたエアミルクを充填して固化させ、円板状に切り出したアクリルの板材で両端をカバーして試験体Cを作成した。
他の1セットは、外側管11の中央部に、直径1cmの貫通孔を1つ空けた。そして、試験体Cと同様に、外側管11と内挿管12の間隔がほぼ同一になるように配置し、試験体Cで用いたエアミルクを充填して固化させ、円板状に切り出したアクリルの板材で両端をカバーして試験体Dを作成した。
図7に示すように、試験体C、Dのそれぞれの外側管11から導線を2本、内挿管12から導線を1本引き出し、容器2(41×82×30cm)に試験体C、Dを別々に載置して、各試験体の上10cmまで土を敷き詰めて試験体を埋設した。ここで、試験体Dは、外側管11に空けた貫通孔が上になるように載置した。
この状態で、まず、外側管11から引き出した導線と内挿管12から引き出した導線を電流計3に接続した。電流計3には無抵抗電流計(東方技研社製 AM−03)を用いた。そして、この電流計3を、電流値の交流成分であるスペクトル強度を測定するためのFFTアナライザー9(小野測器社製 CF−4220A)に接続した。
次に、外側管11から引き出した導線と、通電用補助電極5を電源装置7(東方技研社製 PS−2000)に接続し、また、電源装置7には関数発生装置8(東方技研社製 FG−02)を接続して、通電用補助電極5を埋設した。
通電用補助電極5の埋設は、試験体C、Dの中央部の真上の位置を0点として、試験体に接触しないように差し込んだ。また、この0点の位置から、0点の深さと同様の深さで、試験体の長手方向に対して垂直方向に10cm毎にずらした、−10〜50cmの各点を測定位置として通電用補助電極5を差し込んだ。通電用補助電極5には白金メッキチタンの電極を用いた。
上記のとおりに接続した検査装置に対して、電源装置7から10Hzの交流電流を振幅±1mAで印加し、外側管11と内挿管12とを短絡したときに流れる直流電流に、10Hzの交流成分がどの程度重畳するかを、スペクトル強度(dBV)の値として、FFTアナライザー9を用いて測定した。このときの試験体C、Dの測定結果を図8のグラフに示す。図8のグラフにおいて、横軸は通電用補助電極5の位置(試験体の真上からの距離(cm))、縦軸は10Hzのスペクトル強度(dBV)を表す。
図8のグラフからもわかるように、直径1cmの貫通孔を開けた試験体Dでは、通電用補助電極5が試験体Dの真上、即ち0cmの位置にあるときスペクトル強度は最大となった。明瞭なピークが認められたことと、貫通孔がない試験体Cとを比較してスペクトル強度が大きいことから、10Hzで印加した交流電流が外側管11と内挿管12との間に流れる電流に対して影響したものと考えられる。
ここで、試験体Dを貫通孔が真上になるように設置したので、通電用補助電極5と貫通孔の距離は最小となる。従って、図8のグラフの結果は、通電用補助電極5が貫通孔のある場所に最も近づいたとき、スペクトル強度が最強になったことを示している。この結果から、貫通孔を通して流れる交流電流は、通電用補助電極5と貫通孔が接近しているほど大きくなることが確認された。
一方、両者が離れると、交流電流はほぼ全てが外側管11の外面に流れ、貫通孔の有無にかかわらず内部には影響しないものと考えられる。
次に、貫通孔がない試験体Cでは、ピークは確認されなかった。通電用補助電極5の位置が0cmから20cmの範囲でスペクトル強度が増大しているが、その変化は僅かなものであり、全ての位置でのスペクトル強度の値は−113dBV以下であった。
これらの結果から、既設管11と通電用補助電極5の間に一定の交流電流を印加した状態における、既設管11と内挿管13の間の電流値のスペクトル強度から、既設管11の腐食等による貫通孔の有無を容易に検査することが可能であることが確認された。
11 既設管(外側管)
12 内挿管
13 貫通孔
2 容器
3 電流計
4 定電流原装置
5 通電用補助電極
6 高速サンプリングレコーダー
7 電源装置
8 関数発生装置
9 FFTアナライザー

Claims (5)

  1. 地中に埋設されている既設管の内側に内挿管を挿入し、その間にグラウト材を充填する工法により施工した布設管の検査方法であって、前記既設管と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極の間に直流電流を、オン/オフを繰り返して印加し、そのときの前記既設管と前記内挿管の間の電流値を測定し、その電流値の測定結果から、前記既設管の貫通孔の有無を検知することを特徴とする布設管の検査方法。
  2. 前記既設管と前記通電用補助電極の間に印加する直流電流の電流値が、電流密度で0.01〜1A/m−2の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の布設管の検査方法。
  3. 地中に埋設されている既設管の内側に内挿管を挿入し、その間にグラウト材を充填する工法により施工した布設管の検査方法であって、前記既設管と、埋設土壌に埋めた通電用補助電極の間に交流電流を印加し、そのときの前記既設管と前記内挿管の間の電流値のスペクトル強度を測定し、その測定結果から前記既設管の貫通孔の有無を検知することを特徴とする布設管の検査方法。
  4. 前記既設管と前記通電用補助電極の間に印加する交流電流の周波数が1Hz〜10kHzの範囲であることを特徴とする請求項3に記載の布設管の検査方法。
  5. 前記内挿管が巻込み鋼管であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の布設管の検査方法。

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