JP2015143655A - 放射性汚染水濃縮装置及びその装置を用いた放射性汚染水処理方法 - Google Patents

放射性汚染水濃縮装置及びその装置を用いた放射性汚染水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、安価であり、かつ安全に放射性汚染水を濃縮及び処理できる放射性汚染水濃縮装置及びその装置を用いた放射性汚染水処理方法を提供する。
【解決手段】この発明は、内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体と、タンク内部を加熱するためにタンク本体に設けたマイクロ波発生装置と、タンク本体の内部に連通したタンク内部で発生した蒸気を外部に取り出し、中途に設けた冷却装置によりドレン化するための蒸気処理装置と、タンク本体内で濃縮された汚染物質を固形化するためにタンク本体内に固化剤を流入するための固化剤添加装置と、よりなる放射性汚染水濃縮装置を提供する。
【選択図】図1

Description

この発明は、放射性汚染水濃縮装置及びその装置を用いた放射性汚染水処理方法に関する。
2011年3月11日の東日本大震災以降、原子力発電所の事故により、放射性汚染物質に対する意識が高まっている。放射性汚染物質を除染するためには対象の汚染物に高圧水を吹き付けて、放射性汚染物質を流す高圧洗浄が知られている。そのため、大量の放射性汚染水が発生する。
放射性セシウムなどの放射性汚染物質を含んだ放射性汚染水を処理する方法としては、吸着剤を用いたもの(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
特開2013−57599号公報
しかしながら、放射性汚染物質を除染した後の放射性汚染水を処理した後にタンク内に汚染物質が付着し、その付着した汚染物質を取り除く必要があり、しかも装置が複雑であるため高価であった。また、タンク内の汚染物質を除去する際に作業者が被曝してしまう虞があり安全面にも問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、安価であり、かつ安全に放射性汚染水を濃縮及び処理できる放射性汚染水濃縮装置及びその装置を用いた放射性汚染水処理方法を提供する。
この発明は、内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体と、タンク内部を加熱するためにタンク本体に設けたマイクロ波発生装置と、タンク本体の内部に連通したタンク内部で発生した蒸気を外部に取り出し、中途に設けた冷却装置によりドレン化するための蒸気処理装置と、タンク本体内で濃縮された汚染物質を固形化するためにタンク本体内に固化剤を流入するための固化剤添加装置と、よりなる放射性汚染水濃縮装置を提供するものである。
また、人工鉱石は珪素又は珪素化合物に金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造したことにも特徴を有する。
また、固化剤は珪素を主成分としたことにも特徴を有する。
また、固化剤はホウケイ酸ガラスを主成分としたことにも特徴を有する。
また、本発明は、内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体内に放射性汚染水を貯溜する放射性汚染水貯溜工程と、タンク本体内の放射性汚染水をマイクロ波によりタンク本体の内部を加熱するためのマイクロ波加熱工程と、放射性汚染水の加熱により発生した蒸気を取出しドレン化するための蒸気処理工程と、放射性汚染水の加熱により、濃縮された汚染物質を固化剤により固形化するための固形処理工程と、固形化された汚染物質を封止して廃棄する汚染物質廃棄工程と、よりなる放射性汚染水処理方法を提供するものである。
また、人工鉱石は珪素又は珪素化合物に金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造したことにも特徴を有する。
また、固化剤は珪素を主成分としたことにも特徴を有する。
また、固化剤はホウケイ酸ガラスを主成分としたことにも特徴を有する。
また、汚染物質廃棄工程では、固形化した汚染物質を直接に固化剤により封止することにも特徴を有する。
また、汚染物質処理工程では、固形化した汚染物質を濃縮したタンク本体の全体を人工鉱石を主成分としたコーティング剤により密封状に包被し、かかる包被処理したタンク本体を海洋投棄や埋立てや防波堤等に利用することにも特徴を有する。
この発明によれば、内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体と、タンク内部を加熱するためにタンク本体に設けたマイクロ波発生装置と、タンク本体の内部に連通したタンク内部で発生した蒸気を外部に取り出し、中途に設けた冷却装置によりドレン化するための蒸気処理装置と、タンク本体内で濃縮された汚染物質を固形化するためにタンク本体内に固化剤を流入するための固化剤添加装置と、より構成し、特に人工鉱石は珪素又は珪素化合物に金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造し、固化剤はガラス等を主成分としたことにより、蓄熱性・拡散性の優れる人工鉱石よりなるタンクをマイクロ波により暖めることで熱を満遍なくタンク全体に行き渡らせることができ、効率よくタンク内の放射性汚染水を加熱できる。
更には、放射性セシウムなどの放射性物質を遮蔽する力を有する人工鉱石からなるタンク本体よりなるため、被曝等の虞なく安全に作業できる効果がある。
更には、濃縮・加熱に用いた器材をそのままキャニスタとして廃棄することができ、簡単な構造かつ安価に放射性汚染水を濃縮できる効果がある。
また、固化剤により濃縮された汚染物質に含まれる放射性セシウムなどの放射性物質を均質かつ安定に閉じ込めることができる効果がある。
本発明の放射性汚染水濃縮装置を説明する図である。 本発明の放射性汚染水濃縮装置を説明する図である。 汚染物質を固形化する固形処理の説明図である。 汚染物質を固形化する固形処理の説明図である。 汚染物質を固形化する固形処理の説明図である。 本実施形態に係る放射性汚染水処理方法のフローチャートである。 γ線遮蔽計測実験に用いる計測装置を説明する図である。 中性子遮蔽計測実験に用いる計測装置を説明する図である。 セシウム除去システムを説明するための図である。 セシウム除去システムを説明するための図である。 セシウム除去システムを説明するための図である。 セシウム除去システムを説明するための図である。
本発明の放射性汚染水濃縮装置は、汚染水タンクに、放射性汚染水を収容して、外部よりマイクロ波を照射させて汚染水タンクを加熱することによって、放射性汚染水に含まれる汚染物質を濃縮させるものである。また、濃縮させた放射性汚染水を固化剤により固形化すると共に廃棄するものでもある。以下、本実施形態に係る放射性汚染水濃縮装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態の放射性汚染水濃縮装置は、図1に示すように、汚染水タンク1と、マイクロ波発生装置11と、蒸気処理装置15と、冷却装置17と、より構成される。
汚染水タンク1、図2に示すように、タンク本体3は略直方体であり、そのタンク内壁5は金属で形成され、タンク外壁7は人工鉱石9及び炭化珪素の耐火ブロックによりコーティングされている。このタンク外壁7は、厚さ360mm以上とすると放射線を遮断することができる。
タンク内壁5は、ステンレス製の略直方体であり、その内部は流入管21より流れてくる放射性汚染水を貯水できるように構成されている。本実施形態の汚染水タンク1は、ステンレス製のタンク内壁5と人工鉱石9及び炭化珪素の耐火ブロックのタンク外壁7との二重構造とすることにより、汚染水の漏れと放射線の漏れを防止できるように構成されている。
流入管21は、タンク本体3の上部にタンク外部と連通するように配設されている。流入管21の先端部には、複数の排出穴23が設けられており、この排出穴23より放射性汚染水が排出可能なように構成されている。また、タンク本体3内部に挿通した流入管21は、タンク本体3の底付近まで伸びている。これにより、タンク本体3に貯水した放射性汚染水に排出穴23が浸かった状態が維持され、後述する加熱・濃縮処理完了まで放射性汚染水の蒸気に触れず、蒸気が汚染されることを防止できる。
上記のように、流入管21よりタンク本体3に収容された放射性汚染水は、タンク本体3の外部に設けた加熱手段により加熱され、蒸発・気化される。
放射性汚染水に含まれる汚染物質としては、例えばセシウム137やセシウム134である。前記放射性セシウムは、セシウム単体で沸点が671度であり、水酸化セシウムであれば990度である。
本実施形態における加熱手段は、マイクロ波発生装置11である。このタンク本体3の周囲に設けたマイクロ波発生装置11は、タンク本体3の人工鉱石9及び炭化珪素によりコーティングされた耐火ブロックである外壁の側壁及び底部に向けてマイクロ波を照射するものである。また、図1に示すように、外壁の上面からマイクロ波を照射しても良い。
ここで、人工鉱石9は珪素又は二酸化珪素等の珪素化合物を溶融させた後に、金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造されるものである。具体的には、はじめに、略真空状態下で1650℃〜1680℃に加熱した真空溶融炉に約80重量%の粉末状の珪素及び珪素化合物を投入し、その後、約5重量%の粉末状の鉄と約5重量%の粉末状のアルミニウムと約5重量%のカルシウムとを3〜5分間隔で順に投入しながら撹拌混合し、その後、真空溶融炉から溶融物を取出し、常温中で自然冷却し、再度溶融、冷却を繰返すことによって生成される。
耐火ブロックであるタンク外壁7は、上記人工鉱石9を粉砕したものに、粉末等にした炭化珪素を混ぜ合わせて、焼結させることにより、板状に加工したものである。このように、人工鉱石9と炭化珪素とにより生成された耐火ブロックは、板状などに加工しても強度を保ち、耐熱性、耐摩耗性が向上し、更に人工鉱石9が有する熱の蓄熱性及び拡散性をも向上させることができる。
上記人工鉱石9及び炭化珪素を主成分とする耐火ブロックであるタンク外壁7は、マイクロ波を熱に変換することができる。つまり、前記マイクロ波発生装置11によって照射されるマイクロ波が、タンク外壁7に照射されると、熱を発生し、人工鉱石9の有する蓄熱性及び拡散性によりタンク本体3全体に満遍なく熱が伝わる。これにより、タンク本体3内部に貯水された放射性汚染水を加熱することができる。この加熱温度は、100℃以上250℃〜300℃以内とすると、汚染水の水のみを蒸発させて水蒸気とし、汚染物質であるセシウム等はタンク内に残すことができる。
なお、加熱手段としては、マイクロ波による加熱だけでなく、赤外線を照射することによる加熱やヒーターによりタンク本体3を直接加熱することを組み合わせて補助的に加熱することも可能である。
上記のようにして加熱されたタンク本体3内部の放射性汚染水は、汚染物質であるセシウム等と分離して水蒸気となり蒸気処理装置15によってタンク外部へと排出される。
本実施形態における蒸気処理装置15は、図1及び図2の排出管15aである。排出管15aの中途部には冷却装置17が配設されており、これにより水蒸気が冷やされ水となって排出される。排出管15aの内部に吸入ファンなどを取り付けてもよい。
また、上記のようにしてタンク本体3内に加熱濃縮された汚染物質は、図3〜図5に示すように、固化剤25によって固形化される。
固化剤25は、タンク本体3に固化剤添加装置19によって流入される。本実施形態における固化剤添加装置19は、流入管21である。すなわち、放射性汚染水を流入して加熱・濃縮を終えた後に流入管21より固化剤を流入する。
固化剤25としては、珪素を主成分としたもの、例えば、ホウケイ酸ガラスを用いる。図3に示すように、流入管21よりホウケイ酸ガラスであるガラス片25aをタンク本体3内に敷き詰める。そして、タンク本体3内に濃縮された汚染物質とガラス片25aを閉じ込めた状態で再度加熱する。
このようにして加熱されたタンク本体3内では、略1200度でガラス片25aが溶融され、その後タンク本体3を自然冷却させると、図4に示すように、汚染物質をホウケイ酸ガラス内に閉じ込めたまま固形化される。
タンク本体3は、ホウケイ酸ガラス内に封止された汚染物質ごと密封状にして貯蔵・廃棄することができる。後述するように、耐火ブロックは放射線を遮蔽する力を有し、経年劣化もないため、長期的に保管が可能である。
また、図5に示すように、密封されたタンク本体3の全体に人工鉱石9を主成分としたコーティング剤27を塗布することもできる。コーティング剤27によって包皮処理されたタンク本体3は、耐火ブロックの有する防水性、防腐性を更に向上させることができて耐久力を高めることができる。
次に、本発明の放射性汚染水濃縮装置を用いた放射性汚染水処理方法について説明する。図6は、本実施形態に係る放射性汚染水処理方法のフローチャートである。
本実施形態に係る放射性汚染水処理方法においては、始めに、放射性汚染水貯溜工程101を行う。本工程は、ステンレス製のタンク内壁5と人工鉱石9及び炭化珪素によりコーティングしたタンク外壁7とからなる汚染水タンク1のタンク本体3内に放射性汚染水を貯溜する工程である。
本工程では、タンク本体3のステンレス製のタンク内壁5と人工鉱石9及び炭化珪素によりコーティングしたタンク外壁7という二重構造により、外部への放射性汚染水及びその放射線の漏れを確実に防止しながら貯溜することができる。
次に、タンク本体3に貯溜した放射性汚染水をマイクロ波発生装置11から照射されるマイクロ波によりタンク本体3の内部の放射性汚染水を加熱するためのマイクロ波加熱工程102を行う。
本工程では、マイクロ波発生装置11によるマイクロ波によって放射性汚染水を加熱濃縮することにより、安価で効率よく加熱することができる。また、人工鉱石9の熱の蓄熱性及び拡散性により、熱をタンク本体3全体に行き渡らせて、内部の放射性汚染水を加熱することができる。
次に、放射性汚染水の加熱によりタンク本体3内部に発生した蒸気を蒸気処理装置15より取出し、冷却装置17により蒸気をドレン化するための蒸気処理工程103を行う。
本工程では、タンク本体3内部に発生した水蒸気を分離し取出してセシウムなどの汚染物質の含まない水にすることができる。
次に、放射性汚染水の加熱により、タンク本体3内部で濃縮された汚染物質を固化剤25により固形化するための固形処理工程104を行う。
本工程では、タンク本体3内部にホウケイ酸等の固化剤25を添加して、タンク本体3を封止して加熱して固化剤25を溶かして汚染物質と共に固化することにより、汚染物質の放射線を遮蔽することができる。
そして、最後に、固形化された汚染物質を汚染水タンク1内に封止して廃棄する汚染物質廃棄工程105を行う。
本工程では、固化剤25と共に汚染物質をタンク本体3内に密封状にして貯蔵してそのまま廃棄することができる。後述するように、外壁7の人工鉱石9及び炭化珪素からなる耐火ブロックは放射線を遮蔽する力を有し、経年劣化もないため、長期的に保管が可能である。
次に、耐火ブロックのγ線及び中性子の遮蔽計測実験について以下に説明する。
(γ線遮蔽計測実験)
図7に示す計測装置を用いて、コリメートしたγ線を試料に照射し、試料を透過したγ線線量率(μSv/h)を検出器で測定を行い、下記の式より線減衰係数と半価層(cm)を求めた。計測値は10回の計測値の平均を用いた。
(式)I/I0=e−μx=e−(μ/ρ)ρx
μ:線減衰係数,x:厚さ(cm),ρ:密度(g/cm
λ=1/μ:平均自由工程,μm=μ/ρ:質量減衰係数(cm
D=0.693/μ:半価層(cm)
線源としては、コバルト(光子エネルギー:1.173MeV又は1.333MeV,500KBq)、セシウム(光子エネルギー:0.662MeV,800KBq)、ラジウム(光子エネルギー:0.186MeV)を使用した。また、検出器はfildSPEC(BICRON社製)を用いた。試料は、以下に示す人工鉱石9及び炭化珪素を主成分とする耐火ブロックと、比較試料としてコンクリート及び鉛ブロックを用いた。
・耐火ブロック(400×400×30mm,13.3kg,密度2.77g/cm)12枚
・コンクリート(400×400×30mm,11kg,密度2.3g/cm)9枚
・鉛ブロック(300×300×10mm,密度11.34g/cm)5枚
上記試験の測定結果を以下の表1〜表3に示す。なお、鉛はコバルトに関して別途計測を行った値を用いた。
Figure 2015143655
Figure 2015143655
Figure 2015143655
表1〜表3からも分かるように、人工鉱石9及び炭化珪素よりなる耐火ブロックはγ線に対して遮蔽効果を有することがわかった。また、上記3つの試料の遮蔽力は、鉛>耐火ブロック>コンクリートの順に大きいことがわかった。
(中性子遮蔽計測実験)
次に、中性子遮蔽計測実験ついて説明する。
図8に示す計測装置を用いて、コリメートした中性子線を試料に照射し、試料を透過した線量をカウント数として検出器で測定を行い、下記の式より平均自由工程(cm)と半価層(cm)を求めた。計測値は10回の計測値の平均を用いた。
(式)I/I=e−Σx
Σ:巨視的断面積,x:厚さ(cm),λ=1/Σ:平均自由工程(cm)
D=0.693/Σ:半価層(cm)
線源としては、コバルト(光子エネルギー:1.173MeV又は1.333MeV,500KBq)、セシウム(光子エネルギー:0.662MeV,800KBq)、ラジウム(光子エネルギー:0.186MeV)を使用した。また、検出器はHeカウンターを用いた。試料は、以下に示す人工鉱石9及び炭化珪素を主成分とする耐火ブロックと、比較試料としてコンクリート,パラフィンブロック及び鉛ブロックを用いた。
・耐火ブロック(400×400×30mm,13.3kg,密度2.77g/cm)12枚
・コンクリート(400×400×30mm,11kg,密度2.3g/cm)9枚
・パラフィンブロック(200×100×50mm,密度0.9g/cm)5枚
・鉛ブロック(300×300×10mm,密度11.34g/cm)5枚
上記試験の測定結果を以下の表4及び表5に示す。
Figure 2015143655
Figure 2015143655
表4及び表5からも分かるように、人工鉱石9及び炭化珪素よりなる耐火ブロックは中性子線に対して遮蔽効果を有することがわかった。また、上記3つの試料の遮蔽力は、パラフィン>鉛>耐火ブロック>コンクリートの順に大きいことがわかった。
上述したように、本発明の人工鉱石9及び炭化珪素よりなる耐火ブロックは放射線(γ線、中性子線)を遮蔽することができる。このため、原子力発電所における廃炉となった原子炉の建屋を人工鉱石9及び炭化珪素よりなる耐火ブロックで囲繞することによって、放射線の外部への漏れを防止することができる。この耐火ブロックの厚さを36cm以上にすると良い。
次に、上記人工鉱石9及び炭化珪素よりなる耐火ブロックを利用したセシウム除去システム200について説明する。図9は、セシウム除去システム200の平面図である。図10は、セシウム除去システム200の模式図である。図11は、汚染土壌洗浄装置210の断面図である。図12は、汚染土壌洗浄装置210の底部拡大図である。
セシウム除去システム200は、図10に示すように、汚染土壌洗浄装置210と、放射性汚染水濃縮装置220と、受水槽230より構成される。
セシウム除去システム200は、汚染土壌洗浄装置210において汚染土壌から汚染水を分離し、放射性汚染水濃縮装置220において加熱濃縮して汚染物質と水蒸気とに分けて、受水槽230に水を貯水するものである。
汚染土壌洗浄装置210は、図10及び図11に示すように、底部211は略円弧状のフィルム受用ステンレス板で形成され、また、左右両側壁212はステンレス鋼板に形成され、屋根213は、略円弧状に形成された脱着式のポリカーボネート板で形成された略矩形状の流路である。
また、汚染土壌洗浄装置210の底部211は複数の鋼製束材214で支持されており、この鋼製束材の長さを流れ方向に沿って短くして流路を連結することにより、汚染土壌洗浄装置に傾きを形成して運搬物を流れ易くできる。また、底部211は、流路両端部から中央に向かって下方向に迫り出した円弧状に形成されており、運搬物が中央に集められる構造となっているため、左右両側壁212などで滞留することなく運搬することができる。
また、図12に示すように、汚染土壌洗浄装置210の底部211のフィルム受用ステンレス板の上面には遠赤外線フィルム215が敷設されており、汚染土壌洗浄装置210全体を底面から加熱することができる。
また、運搬物が接触する流路内部の底面、側壁には、耐熱ゴム216で覆われている。また、屋根213の接合部分も耐熱ゴム216で形成されており、汚染土壌洗浄装置210の流路内は耐熱性に優れる。
また、流路内の左右両側壁212には、流路内に放水可能な孔を複数有する放水用パイプ217が設けられている。この放水用パイプ217に温水を流すことで汚染土壌を温水洗いでき、汚染土壌に含まれる汚染物質を洗い流して放射性汚染水とすると共に、汚染土壌及びこの放射性汚染水を先端部へと送ることができる。
汚染土壌洗浄装置210の流れ方向先端の流路の内部には、ステンネット218が設けられている。このステンネット218により、汚染土壌は堰き止められ、放射性汚染水が放射性汚染水濃縮装置220へと送られる。ステンネット218は複数個設けてもよく、メッシュを先端に向けて細かくすることで、汚染土壌と放射性汚染水とをより分離することができる。
また、汚染土壌洗浄装置210の先端部は、放射性汚染水濃縮装置220のステンレス板からなるフード221と連結されており、分離された放射性汚染水はフード221へと運搬される。
上記のように、汚染土壌洗浄装置210によって、汚染土壌と放射性汚染水とが分離されて、放射性汚染水は前記フード221を通り、放射性汚染水濃縮装置220へと送られる。
セシウム除去システム200における放射性汚染水濃縮装置220は、図10に示すように、ステンレス板からなる流入管であるフード221から流入する放射性汚染水を貯水する、内壁5はステンレスの略直方体に形成され外壁7は人工鉱石9及び炭化珪素の耐火ブロックによりコーティングされた汚染水タンク1と、マイクロ波発生装置11と、蒸気処理装置15及び冷却装置17である吸入ファンを有する流出管222で構成される。
放射性汚染水を加熱する手段としては、マイクロ波照射によるマイクロ波発生装置11の他に、耐火ブロックの外側から遠赤外線フィルム及び断熱材で覆って遠赤外線を人工鉱石9及び炭化珪素の耐火ブロックに照射することにより、汚染水タンクを加熱する手段を用いても良いし、マイクロ波発生装置11や他のヒーターを組み合わせても良い。
このように、放射性汚染水濃縮装置220で加熱された放射性汚染水はセシウム等の汚染物質や不純物と、水蒸気とに分離される。
流出管222により汚染水タンクから取出された水蒸気は、冷やされ水となり受水槽230へと送られて貯溜される。
受水槽230に貯溜された水は、加圧ポンプ240を通り汚染土壌洗浄装置210の放水用パイプ217へ送られ、温水洗いに用いることができる。
放射性汚染水濃縮装置で濃縮され蓄積したセシウム等の汚染物質は、汚染水タンク1内に封止して廃棄処理を行う。この廃棄処理方法としては、上述した汚染物質廃棄工程105と同様に、ホウケイ酸ガラス等の固化剤25を汚染水タンクに添加して加熱溶融することにより封止して汚染水タンクごと貯蔵・廃棄しても良いし、その際に、密封されたタンク本体3の全体に人工鉱石9を主成分としたコーティング剤27を塗布して貯蔵・廃棄しても良い。
このように、セシウム除去システム200は、汚染土壌から汚染水を分離し、加熱濃縮処理によりセシウム等に汚染されていない水に変えることができ、汚染物質を加熱濃縮してそのまま廃棄することもできる。
なお、本発明は上述した実施形態等に限られず、上述した実施形態等の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態等の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1 汚染水タンク
3 タンク本体
5 タンク内壁
7 タンク外壁
9 人工鉱石
11 マイクロ波発生装置
13 蒸気
15 蒸気処理装置
17 冷却装置
19 固化剤添加装置
21 流入管
23 排出穴
25 固化剤
25a ガラス片
27 コーティング剤
101 放射性汚染水貯溜工程
102 マイクロ波加熱工程
103 蒸気処理工程
104 固形処理工程
105 汚染物質廃棄工程
200 セシウム除去システム
210 汚染土壌洗浄装置
211 底部
212 側壁
213 屋根
214 束材
215 遠赤外線フィルム
216 耐熱ゴム
217 放水パイプ
218 ステンネット
220 放射性汚染水濃縮装置
221 フード
222 流出管
230 受水槽
240 加圧ポンプ

Claims (10)

  1. 内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体と、
    タンク内部を加熱するためにタンク本体に設けたマイクロ波発生装置と、
    タンク本体の内部に連通したタンク内部で発生した蒸気を外部に取り出し、中途に設けた冷却装置によりドレン化するための蒸気処理装置と、
    タンク本体内で濃縮された汚染物質を固形化するためにタンク本体内に固化剤を流入するための固化剤添加装置と、
    よりなる放射性汚染水濃縮装置。
  2. 前記人工鉱石は珪素又は珪素化合物に金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造したことを特徴とする請求項1に記載の放射性汚染水濃縮装置。
  3. 前記固化剤は珪素を主成分としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射性汚染水濃縮装置。
  4. 前記固化剤はホウケイ酸ガラスを主成分としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放射性汚染水濃縮装置。
  5. 内壁を金属により、外壁を人工鉱石及び炭化珪素によりコーティングしたタンク本体内に放射性汚染水を貯溜する放射性汚染水貯溜工程と、
    タンク本体内の放射性汚染水をマイクロ波によりタンク本体の内部を加熱するためのマイクロ波加熱工程と、
    放射性汚染水の加熱により発生した蒸気を取出しドレン化するための蒸気処理工程と、
    放射性汚染水の加熱により、濃縮された汚染物質を固化剤により固形化するための固形処理工程と、
    固形化された汚染物質を封止して廃棄する汚染物質廃棄工程と、
    よりなる放射性汚染水処理方法。
  6. 前記人工鉱石は珪素又は珪素化合物に金属及びカルシウムを添加して溶融、冷却を繰り返して製造したことを特徴とする請求項5に記載の放射性汚染水処理方法。
  7. 前記固化剤は珪素を主成分としたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の放射性汚染水処理方法
  8. 前記固化剤はホウケイ酸ガラスを主成分としたことを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の放射性汚染水処理方法。
  9. 汚染物質廃棄工程では、固形化した汚染物質を直接に固化剤により封止することを特徴とする請求項5〜請求項8の何れか1項に記載の放射性汚染水処理方法。
  10. 汚染物質処理工程では、固形化した汚染物質を濃縮したタンク本体の全体を人工鉱石を主成分としたコーティング剤により密封状に包被し、かかる包被処理したタンク本体を海洋投棄や埋立てや防波堤等に利用することを特徴とする請求項5〜請求項9の何れか1項に記載の放射性汚染水処理方法。
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