JP2015142955A - 電動工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】締付トルクの高トルク化を実現し、且つ低反動の操作性に優れた電動工具の提供。
【解決手段】本願発明の電子パルスドライバ1は、双方向に回転可能なモータ3と、モータ3に接続され正転方向及び逆転方向に回転可能な5段のハンマ41〜45と、正転方向に回転した打撃ハンマ45の回転が伝達されることで回転するアンビル52と、先端工具を着脱可能であり先端工具にアンビル52の回転を伝達する先端工具保持部51と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本願発明の電子パルスドライバ1は、双方向に回転可能なモータ3と、モータ3に接続され正転方向及び逆転方向に回転可能な5段のハンマ41〜45と、正転方向に回転した打撃ハンマ45の回転が伝達されることで回転するアンビル52と、先端工具を着脱可能であり先端工具にアンビル52の回転を伝達する先端工具保持部51と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は電動工具に関し、特に打撃機構を有する電動工具に関する。
従来より、ナットやボルト等のねじを締め付けるための電動工具として、ハウジングと、ハウジング内に設けられ回転軸を有するモータと、ハウジングに固定された外輪を有する遊星ギヤ機構と、遊星ギヤ機構に接続された回転可能なハンマと、ボルト等を締め付ける先端工具を保持可能なアンビルとを備えた電動工具が知られている(特許文献1)。このような電動工具においては、モータの回転軸が回転することで遊星ギヤ機構を介してハンマが回転駆動され、回転エネルギが蓄積されたハンマがアンビルを回転打撃することで、アンビルに保持された先端工具がボルト等を締め付ける構成となっている。
このような電動工具の締付トルクは、ハンマがアンビルを回転打撃する際のハンマに蓄積された回転エネルギに依存し当該回転エネルギが大きくなるに従って締付トルクも大きくなる。また、このような電動工具においては、更なる締付トルクの高トルク化が所望されており、締付トルクを増大させるためにアンビル打撃時のハンマに蓄積された回転エネルギを増大させる必要があった。
しかしながら、上記の電動工具においては、アンビル打撃時のハンマに蓄積された回転エネルギを増大させるためにハンマの重量を単に重くし、又は回転中心軸の半径方向にハンマの寸法を大きくする等の方法が試みられたがこのような方法でハンマのイナーシャを大きくすると、モータの回転駆動開始からハンマがアンビルを回転打撃するまでにハンマの回転速度が十分に上昇せず、回転エネルギを増大させることが困難であった。
そこで、本発明は、ハンマのイナーシャを大きくすると共にアンビル打撃時のハンマの回転速度を十分に上昇可能とすることで、アンビル打撃時のハンマに蓄積された回転エネルギを増大させ、締付トルクを高トルク化した電動工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、双方向に回転可能なモータと、該モータに接続され正転方向及び逆転方向に回転可能なn段のハンマと、該正転方向に回転した該ハンマの回転が伝達されることで回転するアンビルと、先端工具を着脱可能であり該先端工具に該アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、を備えたことを特徴とする電動工具を提供する。
このような構成によると、ハンマはn段で構成されており正転方向に回転してアンビルに回転を伝達するため、ハンマの回転速度を十分に上昇させた状態でアンビルに回転エネルギを伝達することができる。さらに、ハンマをn段とすることにより高いイナーシャを確保することができる。これにより、ハンマに蓄積された回転エネルギをアンビルの回転に利用するができ、締付力の高トルク化を図ることができる。さらに、モータが双方向に回転可能であるため、逆転方向に回転したハンマが正転方向に回転することで、アンビルを介して先端工具にアンビルの回転を伝達することができる。
上記構成において、該ハンマは、該逆転方向に第1回転量だけ回転した後、該正転方向に該第1回転量よりも大きい第2回転量だけ回転することが好ましい。
このような構成によると、ハンマは逆転方向の第1回転量よりも正転方向の第2回転量のほうが大きいため、ハンマの回転速度を十分に上昇させた状態で確実にアンビルを回転させることができる。また、ハンマが逆回転時にアンビルを打撃して、先端工具に逆方向(ねじの緩み方向)の締付力が加わることを防止できる。
また、該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、該ハンマは、該逆転方向にn−1段分以上、且つn段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することが好ましい。
このような構成によると、n段のすべての段のハンマのストローク(ハンマの回転量)を利用してアンビルを打撃することができる。詳細には、n−1段分以上逆回転させることでn段目のハンマを逆転方向に回転させた後、ハンマが正転することにより1段目からn段目までのすべてのストローク分ハンマが回転してアンビルに回転を伝達する。これにより、ハンマに蓄積された回転エネルギが増大するため、締付力の高トルク化を図ることができる。このような制御は、高い締付力が必要とされるボルト等の締付時に特に有効である。
また、該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、該ハンマは、該逆転方向にnー2段分以上、且つn−1段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することが好ましい。
このような構成によると、n−1段分のハンマのストロークを利用してアンビルに回転を伝達するため、比較的高い締付力を先端工具に付与するとともに、短い間隔でハンマがアンビルを打撃することができる。このような制御は、比較的高い締付力及び早い打撃動作が必要とされる木ねじ等の締付時に特に有効である。
また、該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、該ハンマは、該逆転方向に0段分以上、且つn−2段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することが好ましい。
このような構成によると、n−2段分のハンマのストロークを利用してアンビルを打撃するため、短い間隔でハンマがアンビルを打撃し、早い締付作業が可能になる。このような制御は、締付力よりも早い締付作業が必要となる小ねじ等の締付時に特に有効である。
また、該ハンマは、該逆転方向に所定回転量だけ回転した後、該正転方向に該所定回転量だけ回転することが好ましい。
このような構成によると、逆転方向の回転量と正転方向の回転量が同一となるため、n段のすべての段のハンマのストロークを利用してアンビルに回転を伝達することができる。これにより、ハンマに蓄積された回転エネルギが増大するため、締付力の高トルク化を図ることができる。このような制御は、高い締付力が必要とされるボルト等の締付時に特に有効となる。
また、該モータの正転時間は、該n段の該ハンマが一体となって該アンビルを打撃するように定まることが好ましい。
このような構成によると、n段のハンマが一体となってアンビルを打撃するため、ハンマがアンビルに強い回転力を付与することが可能となり、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該モータは、正転、休止、逆転、休止を繰り返し、該モータの休止時間は、該n段のすべての該ハンマが停止するように定まることが好ましい。
このような構成によると、モータは正転、休止、逆転、休止を繰り返し、正転又は逆転後の休止時間をn段のすべてのハンマが停止するように定めるため、慣性力で回転しているハンマを当該慣性力に抗して回転させる必要がなく、省エネルギに寄与することができる。また、正転後にハンマが停止するまで休止時間が終了せず、正転時にハンマに蓄積された回転エネルギがアンビルにほとんど全て伝達されるため、効率良く回転エネルギをアンビルに伝えることができる。
また、該モータは回転軸を備え、該n段の該ハンマのうちの最も該モータ側の該ハンマと該回転軸とが接続されていることが好ましい。
このような構成によると、モータの回転軸からアンビルまでの回転打撃力の伝達経路において遊星ギヤ機構等が介在していないため、ハンマによるアンビル打撃時の反動が発生することを抑制することができる。このため、低反動を実現でき操作性を良好にすることができる。
本願発明の別の観点によると、モータと、該モータに接続されたn段のハンマと、該ハンマの回転が伝達されることにより回転するアンビルと、先端工具を着脱可能であり該先端工具に該アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、該ハンマの各段における打撃の反発を低減する反発抑制手段と、を備えることを特徴とする電動工具を提供する。
このような構成によると、反発抑制手段を備えることにより、n段の各ハンマ間での反発力を低減することができ、各段のハンマがバラバラに打撃することを抑制することができる。ここで言う「バラバラの打撃」とは、例えば、n−2段目のハンマがn−1段目のハンマを打撃後、n−1段目のハンマがn段目のハンマを打撃することが理想的だが、n−1段目のハンマがn段目のハンマを打撃した後にn−2段目のハンマがn−1段目のハンマを打撃することをいう。このような状態が発生すると、ハンマからアンビルに伝達されるトルクは半減してしまう。しかし、本願発明によると、バラバラの打撃を抑制することで締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該反発抑制手段は、該ハンマの各段における当接を保持可能であることが好ましい。
このような構成によると、反発抑制手段が各ハンマの打撃した状態を保持することにより、バラバラの打撃を防止することができる。これにより、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該n段の該ハンマは、第1ハンマと、該第1ハンマによって打撃される第2ハンマと、を備え、該第1ハンマは、該第2ハンマに向けて該ハンマの軸方向に突出する第1突起を備え、該第2ハンマは、該第1ハンマに向けて該軸方向に突出し該第1突起により当接される第2突起を備え、該反発抑制手段は、該第1突起と該第2突起との当接を保持可能であることが好ましい。
このような構成によると、モータ回転時に第1突起と第2突起とが当接した状態が反発抑制手段によって保持されるため、第1ハンマと第2ハンマとが離間することを抑制し且つ一体となった状態を保持することができる。これにより、第1ハンマと第2ハンマとが一体となってアンビルを打撃するため、ハンマがアンビルを強く打撃することが可能となり、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該反発抑制手段は、球体と、該球体と係合可能な受け部と、該球体を該軸方向に付勢する付勢部材と、を備え、該球体が該付勢部材の付勢力によって該受け部と係合することにより該第1突起と該第2突起の当接を保持することが好ましい。
このような構成によると、球体が受け部に受入れられることにより、第1ハンマと第2ハンマとの当接状態を保持することができる。これにより、第1ハンマと第2ハンマとが一体となってアンビルを打撃するため、ハンマがアンビルを強く打撃することが可能となり、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該球体及び該付勢部材は該第1ハンマに設けられ、該受け部は該第2ハンマに設けられ、該第2ハンマは、該第1ハンマと該軸方向において対向し該第2突起が設けられている対向面を有し、該付勢部材及び該球体は該第1突起に設けられ、該受け部は該対向面上であって該第2突起が設けられている部分以外の場所に設けられていることが好ましい。
このような構成によると、付勢部材及び球体は第1突起に設けられていて、受け部は対向面に設けられているため、新たに付勢部材及び球体を支持する部材を設けることなく保持機構を実現することができる。これにより、簡易な構成で第1突起と第2突起との当接を保持することができる。
また、該反発抑制手段は、該第1突起に設けられた第1磁石と、該第1磁石の磁力が作用することにより該第1突起と該第2突起とが当接するように該第2突起に設けられた第2磁石と、を備えることが好ましい。
このような構成によると、第1磁石の磁力が第2磁石に作用して第1突起と第2突起との当接を保持することができる。これにより、確実に第1ハンマと第2ハンマとが一体となってアンビルを打撃するため、回転体がアンビルを強く打撃することが可能となり、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該ハンマと該アンビルとを内蔵する回転体ケースをさらに備え、該反発低減手段は、該回転体ケースの内部に収容され該ハンマの回転速度を減衰させる減衰材であることが好ましい。
このような構成によると、減衰材によりハンマの回転速度が減衰されるため、ハンマの各段における反発力が低減される。これにより、バラバラの打撃を防止することができ、締付力の高トルク化を図ることができる。
また、該n段の該ハンマのうちの少なくとも1段の該ハンマの外周面には、該ハンマの半径方向外方に突出し、該ハンマの軸方向に対して傾斜している複数のフィンが設けられ、該フィンの該モータ側の端部は、該フィンの該アンビル側の端部よりも該ハンマの回転方向下流側に位置していることが好ましい。
このような構成によると、ハンマが回転することによりフィンによって減衰材を撹拌することができ、ハンマ全体に減衰材を行き渡らせることができる。これにより、n段のハンマで全体的に反発力を低減させることができる。フィンは、ハンマの回転により減衰材をモータ側からアンビル側へ移動するように傾斜しているため、電動工具を傾けて使用した場合でも減衰材が一部に偏ることを防止できる。
また、該n段の該ハンマは、第1ハンマと、該第1ハンマによって打撃される第2ハンマと、を備え、該第1ハンマは、該第2ハンマに向けて該ハンマの軸方向に突出する第1突起を備え、該第2ハンマは、該第1ハンマに向けて該軸方向に突出し該第1突起により当接される第2突起を備え、該反発抑制手段は、該第1突起と該第2突起の少なくとも一方に設けられた弾性体であることが好ましい。
このような構成によると、弾性体によって第1ハンマと第2ハンマとの反発を低減させることができる。これにより、バラバラの打撃を防止することができ、締付力の高トルク化を図ることができる。
本発明の電動工具によれば、締付トルクの高トルク化を実現し、且つ低反動の操作性に優れた電動工具を提供することができる。
本発明の第実施の形態による電動工具について図1乃至図19に基づき説明する。
本発明の電動工具の一例である電子パルスドライバ1について、図1乃至図11に基づき説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態による電子パルスドライバ1は、ボルト若しくはナットであるねじを締め付けるための締付工具であり、ハウジング2と、回転軸31を有するモータ3と、回転打撃機構4と、アンビル部5と、スイッチ機構6と、制御装置7とにより主に構成されている。以下の説明においては、モータ3に対して制御装置7が設けられている方向を下方向と定義し、下方向と逆の方向を上方向と定義する。また、モータ3に対してアンビル部5が設けられている方向を前方向と定義し、前方向と逆の方向を後方向と定義する。さらに、電子パルスドライバ1を後方向から見た場合の左を左方向と定義し、右を右方向と定義する。なお、各図面における軸Aは、モータ3の回転軸31の回転軸心を示しており、回転方向Bはモータ3が正転した場合の回転方向を表わしている。
ハウジング2は、樹脂製であって電子パルスドライバ1の外郭をなしており、ハンドル部21と、本体部22とにより主に構成されている。
ハンドル部21は、電子パルスドライバ1が使用される際にユーザによって把持される部分であり、上下方向に延びる略円筒形状をなしている。ハンドル部21は、トリガ21Aと、モード切替部21Bと、スイッチ機構6と、制御装置7とを備えており、ハンドル部21の下側には電池パック21Cが着脱可能に装着されている。
トリガ21Aは、ハンドル部21の上部前側から前方に突出するように設けられており、ハンドル部21の内部においてスイッチ機構6と電気的に接続されている。トリガ21Aの引き量に基づいて、モータ3の回転数は制御される。モード切替部21Bは、制御装置7に電気的に接続された円板形状のダイヤルであって、ハンドル部21の前側の下部に設けられている。ユーザは、モード切替部21Bを操作することで電子パルスドライバ1の締付動作モードを選択的に切り替えることができる。
スイッチ機構6は、ハンドル部21の内部の上部においてトリガ21Aと対向する位置に収容されており、接続線によって制御装置7等に電気的に接続されている。制御装置7は、ハンドル部21内部の下部に設けられており、接続線によって電池パック21C、スイッチ機構6等に電気的に接続されている。制御装置7は、モータ3の回転数等を制御することによって締付動作モードに従って電子パルスドライバ1の締付動作を制御する。図9に示すように電池パック21Cは、内部に図示せぬ複数の電池セル21Dを備えた電池パックであって、ハンドル部21に装着された状態においてモータ3に電力を供給する。
本体部22は、前後方向に延びる略円筒形状をなしており、その内部にはモータ3と、回転打撃機構4と、アンビル部5と、インナーハウジング22Aとを主に収容している。インナーハウジング22Aは、本願発明の回転体ケースに相当する。
図1及び図9に示すようにモータ3は、回転軸31を備えるロータ3Aと、ロータ3Aと対向する位置に配置されるステータ3Bと、コイル3Cとから主に構成されるブラシレスモータであり、回転軸31の軸方向が前後方向と一致するように本体部22内部の後側に配置されている。また、モータ3は、制御装置7によって制御され、回転軸31は正転及び逆転可能に構成されている。ロータ3Aは、複数組の永久磁石は含んで構成され、コイル3Cはスター結線された3相のコイルU、V、Wから成る。ホール素子3Dが永久磁石に対向配置されている。
回転軸31は、ロータ3Aの前後に突出しており、突出した箇所において本体部22に支持されたボールベアリング22B及びインナーハウジング22Aに支持されたボールベアリング22Cによって回転可能に支承されている。回転軸31の前部には、回転軸31と同軸一体回転するファン32が設けられており、ファン32が回転することで図示せぬ吸気孔から本体部22内部に外気が取り込まれ、取り込まれた外気はモータ3を冷却した後に図示せぬ排気孔から排出される。また、回転軸31の前端部には、回転接続部31Aが回転軸31と同軸一体回転するように設けられている。
インナーハウジング22Aは、本体部22内部においてモータ3の前方に設けられており、その内部には回転打撃機構4と、アンビル部5と、回転接続部31Aと、回転軸31の前端部とを収容している。インナーハウジング22Aは金属製であって、筒部22Dと縮径部22Eとにより構成されている。
筒部22Dは、前後方向に延びる円筒形状をなしており、筒部22Dの前部は前方向に向かうに従って徐々に縮径し、前端部は縮径部22Eに連続的に接続されている。また、筒部22Dの後端には、メタル軸受22Fが設けられている。
縮径部22Eは、筒部22Dの外径よりも縮径した前後方向に延びる円筒形状の部分であって、内部にはメタル軸受22Gが設けられており、前端部は開口している。また、縮径部22Eと筒部22Dとの間には、図示せぬシール部材が介在している。図示せぬシール部材は、筒部22D内部の潤滑油が漏れ出さないように、縮径部22Eと筒部22Dとの間をシールしている。
図1に示すように、回転打撃機構4は、インナーハウジング22Aの筒部22D内部に収容されており、5段のハンマから構成される。詳細には、回転打撃機構4は、接続ハンマ41と、中間ハンマ42、43及び44と、打撃ハンマ45と、回転支持軸46とにより構成され、回転打撃機構4は当接保持機構8を備えている。なお、説明の便宜及び図面の煩雑を避けるため、当接保持機構8は図1乃至図4においては表れていない。
図1乃至図3に示すように、接続ハンマ41は、金属材料からなり、インナーハウジング22A内部において最後方に配置されており、接続部41Aと、円板部41Bとにより構成されている。
接続部41Aは、前後方向に延びる円筒形状をなしており、後端面の略中央からは前方に窪む接続挿入部41aが形成されている。接続挿入部41a内には、回転接続部31Aが挿入されており、回転接続部31Aと接続ハンマ41とは軸Aを中心に供回り可能に構成されている。また、接続部41Aの後端部はメタル軸受22Fを介してインナーハウジング22Aに回転可能に支持されている。
円板部41Bは、接続部41Aの前側に接続部41Aと一体に形成された円板形状をなす部材であって、外周側凸部41Cと、中心側凸部41Dと、突出部41Eとを有している。前面視において円板部41Bの中心は、軸Aと略一致する。
外周側凸部41Cは、円板部41Bの前面の外周側から前方に突出する部分であり、外周側凸部41Cの前端面は、軸Aと直交する面と略平行であり、前面視において略扇形状をなしている。また、外周側凸部41Cの回転方向Bにおける下流側端面(全体)を含む仮想面と上流側端面(全体)を含む仮想面とのなす角度は略30°であり、両仮想面は軸A上で交差する。外周側凸部41Cは、第1突起に相当する。
中心側凸部41Dは、円板部41Bの前面において円板部41Bの中心に関して外周側凸部41Cの反対側から前方に突出する部分であり、外周側凸部41Cよりも円板部41Bの半径方向内方に位置しており、円板部41Bが軸Aを中心に回転した場合の中心側凸部41Dの回転軌跡と外周側凸部41Cの回転軌跡とは前面視において重ならないように構成されている。中心側凸部41Dの前面視における形状は、外周側凸部41Cの前面視における形状の略相似形であり、中心側凸部41Dの前端面は軸Aと直交する面と略平行に構成されている。中心側凸部41Dは、第1突起に相当する。
また、中心側凸部41Dの前端面と円板部41Bの前面との前後方向における距離は外周側凸部41Cの前端面と円板部41Bの前面との前後方向における距離と略一致している。さらに、中心側凸部41Dの回転方向Bにおける下流側端面を含む仮想面と外周側凸部41Cの回転方向Bにおける下流側端面を含む仮想面とは略一致し、中心側凸部41Dの回転方向Bにおける上流側端面を含む仮想面と外周側凸部41Cの回転方向Bにおける上流側端面を含む仮想面とは略一致する。
突出部41Eは、円板部41Bの中心から前方に突出する略円筒形状の部分であり、その外周面と中心側凸部41Dにおける円板部41Bの半径方向内方側の面とは所定量離間している。突出部41Eの前端面は、軸Aと直交する面と略平行であり、前後方向における突出部41Eの前端面と円板部41Bの前面との距離は、外周側凸部41C及び中心側凸部41Dのそれぞれの前端面と円板部41Bの前面との前後方向における距離よりも僅かに長く構成されている。また、突出部41Eの前端面からは後方に窪む挿入部41bが形成されている。
中間ハンマ42乃至44は、接続ハンマ41の前方に接続ハンマ41側から中間ハンマ42、43、44の順に配置されており、いずれも同形状に構成されているため一例として中間ハンマ42について説明する。図2及び図3に示すように中間ハンマ42は、円板部42Aと、後面外周側凸部42Bと、後面中心側凸部42Cと、前面外周側凸部42Dと、前面中心側凸部42Eと、突出部42Fとにより構成されている。
円板部42Aは、金属材料からなる円板形状をなす部材であって、前面視において円板部42Aの中心は軸Aと略一致している。円板部42Aの後面には、後面外周側凸部42B及び後面中心側凸部42Cが接続ハンマ41側(後方)に突出して円板部42Aと一体に形成されている。後面外周側凸部42Bの形状は接続ハンマ41の外周側凸部41Cと同形状であり、後面中心側凸部42Cの形状は接続ハンマ41の中心側凸部41Dと同形状である。また、後面外周側凸部42Bと後面中心側凸部42Cとの位置関係においても、接続ハンマ41の外周側凸部41Cと中心側凸部41Dとの位置関係と同様である。後面外周側凸部42B及び後面中心側凸部42Cは、第2突起に相当する。
円板部42Aの後面は、接続ハンマ41の突出部41Eの前端面と当接しており、後面外周側凸部42B及び後面中心側凸部42Cの後端部はそれぞれ接続ハンマ41の円板部41Bの前面と僅かに離間している。なお、接続ハンマ41の突出部41Eの前後方向の長さにより接続ハンマ41と中間ハンマ42との離間距離は規定されている。
後面外周側凸部42Bの回転方向Bにおける下流側端面は、接続ハンマ41の外周側凸部41Cの回転方向Bにおける上流側端面と当接可能である。また、後面外周側凸部42Bの当該下流側端面と接続ハンマ41の外周側凸部41Cの当該上流側端面とが当接した状態(当接位置)から回転方向Bとは逆の回転方向(モータ3の逆転の方向)に接続ハンマ41が中間ハンマ42に対して略300°回転すると、後面外周側凸部42Bの回転方向Bにおける上流側端面は、接続ハンマ41の外周側凸部41Cの回転方向Bにおける下流側端面に当接する(最離間位置)。すなわち、接続ハンマ41と中間ハンマ42とは、略300°の回転角度の範囲において相対回転可能に構成されている。300°の回転角度の範囲は、本願発明の1段分の回転量に相当する。つまり、「1段分の回転量」とは、5段のハンマのうちの1段のハンマが、回転方向Bにおいて、最離間位置から当接位置まで回転する量に相当する。なお、以下の説明において「ハンマが離間する」とは、ハンマが当接位置から逆転方向に回転して各凸部が離間した状態をいう。
円板部42Aの前面には、前面外周側凸部42D及び前面中心側凸部42Eが中間ハンマ43側(前方)に突出して円板部42Aと一体に形成されている。前面外周側凸部42Dの形状は接続ハンマ41の外周側凸部41Cと同形状であり、前面中心側凸部42Eの形状は接続ハンマ41の中心側凸部41Dと同形状である。また、前面外周側凸部42Dと前面中心側凸部42Eとの位置関係においても、接続ハンマ41の外周側凸部41Cと中心側凸部41Dとの位置関係と同様である。前面外周側凸部42Dと後面外周側凸部42Bとの位置関係は、軸A周りに180°ずれており、前面中心側凸部42Eと後面中心側凸部42Cとの位置関係においても同様に、軸A周りに180°ずれている。
また、円板部42Aの前面には、突出部42Fが中間ハンマ43側(前方)に突出して形成されている。突出部42Fは、円板部42Aの中心から前方に突出する略円筒形状の部分であり、突出部42Fの前端面は中間ハンマ43の後面に当接している。突出部42Fの前後方向の長さによって中間ハンマ42と中間ハンマ43との離間距離が規定されており、前面外周側凸部42D及び前面中心側凸部42Eの前端面のそれぞれと中間ハンマ43の後面とは僅かに離間している。さらに、円板部42Aの前端面からは後面に貫通する貫通孔42aが形成されている。
他の中間ハンマ43、44についても、それぞれ円板部43A、44Aと、後面外周側凸部43B、44Bと、後面中心側凸部43C、44Cと、前面外周側凸部43D、44Dと、前面中心側凸部43E、44Eと、突出部43F、44Fと、により構成されている。さらに、各円板部43A、44Aには、前後方向に貫通する貫通孔43a、44aが形成されている。詳細な構成は、中間ハンマ42と同一であるため説明を省略する。
打撃ハンマ45は、金属材料からなり、円板部45Aと、後面外周側凸部45Bと、後面中心側凸部45Cと、前面外周側凸部45Dと、挿通部45Eとにより構成されており、後面外周側凸部45B、後面中心側凸部45C及び前面外周側凸部45Dの形状及び配置は中間ハンマ42の後面外周側凸部42B、後面中心側凸部42C及び前面外周側凸部42Dの形状及び配置と同様である。接続ハンマ41乃至中間ハンマ44までのうち接続ハンマ41を含む少なくとも1つのハンマが第1ハンマに相当し、中間ハンマ42乃至打撃ハンマ45までのハンマのうち第1ハンマに相当するハンマ以外は、第2ハンマに相当する。
後面視において円板部45Aの後面の略中央には前方に窪む挿入部45aが形成されている。また、前面視において打撃ハンマ45の前面の略中央からは、アンビル部5に回転可能に支持される挿通部45Eが前方に延びて形成されている。
回転支持軸46は、その外径が挿入部41b内径より僅かに小径の丸棒であり、図2に示すように、挿入部41bに回転支持軸46の後端部が挿入され、貫通孔42a、貫通孔43a、貫通孔44a、を挿通して前端部が挿入部45aに挿入されている。これにより、接続ハンマ41、中間ハンマ42、43及び44、打撃ハンマ45が軸Aを中心に回転可能とし、軸ずれが発生することを抑制している。
このように、中間ハンマ42の形状と中間ハンマ43及び中間ハンマ44の形状が同形状であるため、接続ハンマ41の前面と中間ハンマ42の後面との関係は、中間ハンマ42の前面と中間ハンマ43の後面との関係と同様であり、中間ハンマ43の前面と中間ハンマ44の後面との関係も同様である。さらに、打撃ハンマ45の後面も中間ハンマ42の後面と同形状であるので、中間ハンマ44の前面と打撃ハンマ45の後面との関係も接続ハンマ41の前面と中間ハンマ42の後面との関係と同様である。
従って、中間ハンマ42は中間ハンマ43に対して300°回転可能であり、中間ハンマ43は中間ハンマ44に対して300°回転可能であり、中間ハンマ44は打撃ハンマ45に対して300°回転可能である。よって接続ハンマ41は打撃ハンマ45に対して300°×4=1200°回転可能になり、中間ハンマ42は打撃ハンマ45に対して300°×3=900°回転可能になり、中間ハンマ43は打撃ハンマ45に対して300°×2=600°回転可能になる。
アンビル部5は、先端工具保持部51と、アンビル52とから主に構成されており、回転打撃機構4の前方に配置されている。先端工具保持部51は、円筒状に構成され、縮径部22E内にメタル軸受22Gを介して回転可能に支持されている。また先端工具保持部51は、前端から後方へと向けて穿設され、図示せぬ先端工具が挿入される穿孔51aが形成されると共に、前端部分に図示せぬ先端工具を保持するチャック51Aを有している。
アンビル52は、先端工具保持部51の後方であって縮径部22E内に位置するように先端工具保持部51と一体に構成されており、後側に向けて突出すると共に先端工具保持部51の回転中心からずれた位置に配置された被打撃突起52Aとを有している。また、アンビル52の後面には、後面視において略中央から前方に向かって窪んだ挿入孔52a形成されており、挿入孔52a内には、打撃ハンマ45の挿通部45Eが挿入されている。
次に、動作時における各ハンマ41〜45の挙動について、図4を参照して説明する。上述したように、回転打撃機構4は5段のハンマ41〜45から構成されているため、接続ハンマ41の外周側凸部41Cが中間ハンマ42の後面外周側凸部42Bを打撃すると同時に接続ハンマ42の中心側凸部41Dが中間ハンマ42の後面中心側凸部42Cを打撃して、接続ハンマ41と中間ハンマ42とが一体となって回転することが望ましい。そして、一体となった接続ハンマ41及び中間ハンマ42が中間ハンマ43を打撃して、3つのハンマが一体となって中間ハンマ44を打撃して、4つのハンマが一体となって打撃ハンマ45を打撃して、5段のハンマが一体となってアンビル52を打撃することが望ましい(理想打撃)。図4(a)に示すように、理想打撃時には、5段のハンマ41〜45のすべての凸部同士が互いに当接した状態で、打撃ハンマ45がアンビル52を打撃している。これにより、回転打撃機構4が高い回転エネルギを保持した状態でアンビル52を打撃するため、高い締付力を得ることができる。図5(a)に示すように、時刻t1において、一体となった5つのハンマ41〜45がアンビル52を打撃しており、高いトルクを得ることができる。
ここで、5段の各ハンマ41〜45間において打撃した際に反発力が生じるため、当該反発力によってハンマ同士が離間してしまういわゆるバラバラの打撃が発生する場合がある。5段のハンマ41〜45のうち、1つのハンマが離間した状態を図4(b)及び図5(b)に示す。回転軸31の回転によって接続ハンマ41が回転し、中間ハンマ42、43を順次打撃する。そして、中間ハンマ43が中間ハンマ44を打撃する際に、反発力によって中間ハンマ43と中間ハンマ44とが互いに離間する。中間ハンマ44は、中間ハンマ43によって打撃されたことで、打撃ハンマ45と一体となってアンビル52を打撃する。図4(b)では、接続ハンマ41と、中間ハンマ42、43の3つのハンマは一体となっていて、中間ハンマ44と打撃ハンマ45とが一体となっていて、中間ハンマ43、44が互いに離間している状態を示す。このとき、中間ハンマ43、44は、離間部R1において、中間ハンマ43の前面外周側凸部43Dと中間ハンマ44の後面外周側凸部44Bとが回転方向Bにおいて離間している。この状態で打撃が行われると、図5(b)に示すように、時刻t2で打撃ハンマ45がアンビル52を打撃し、その後、時刻t3で中間ハンマ43が中間ハンマ44を打撃する。時刻t2では2つのハンマ44、45の回転エネルギがアンビル52に付与され、時刻t3では3つのハンマ41〜43の回転エネルギがアンビル52に付与されるため、時刻t3のトルク値のほうが時刻t2のトルク値よりも大きくなっている。しかし、図5(a)に示すように、5つのハンマ41〜45が一体となってアンビル52を打撃する場合のトルク値(時刻t1)と比較すると約半分になっている。さらに、打撃回数が増えるため電子パルスドライバ1に発生する振動は増加する。
ハンマ41〜45内の反発力によってすべてのハンマ41〜44が互いにバラバラの打撃を行う状態を図4(c)及び図5(c)に示す。このときは、すべての離間部R2〜R5において、各凸部同士が回転方向Bにおいて離間している。回転軸31の回転によって接続ハンマ41が回転して中間ハンマ42を打撃する。このとき、反発力によって接続ハンマ41と中間ハンマ42とが一体とならずに離間してしまう。同様の現象が中間ハンマ43、44にも発生し、5段のすべてのハンマ41〜44が離間した状態となる。この状態で打撃が行われると、図5(c)に示すように、時刻t4で打撃ハンマ45がアンビル52を打撃する。そして、時刻t5、t6、t7、t8で、順次ハンマ41〜44の間で打撃が行われる。このとき、5段のハンマ41〜45のうちの1つのハンマの回転エネルギがアンビル52に順次付与されるため、各時刻t4〜t8におけるトルク値は略同一、且つ時刻t2におけるトルク値の半分以下となる。さらに、打撃回数が増加することにより、電子パルスドライバ1に発生する振動も激しくなる。このように、5段のハンマ41〜45間でバラバラに打撃が行われることにより、トルク値が極端に減少するとともに振動が激しくなる。これに対し、本願発明では、各ハンマ41〜45の打撃状態を保持するための当接保持機構8を備えることにより、5段のハンマ41〜45が一体でアンビル52を打撃し、高い締付力を得ることができる。
図6乃至図8に示すように、当接保持機構8はスプリング81と、係止ボール82と、受け部83とによって構成されており、ハンマの回転時において隣り合うハンマの当接を保持するための機構である。上述したように、接続ハンマ41、中間ハンマ42、43及び44、打撃ハンマ45のそれぞれ隣り合うハンマの前面と後面との関係は同一であるため、中間ハンマ42と中間ハンマ43とを例にとって説明する。従って、以下説明する部材及び要素は、中間ハンマ42及び中間ハンマ43のみが備えるものではなく、接続ハンマ41、中間ハンマ42、43及び44、打撃ハンマ45のそれぞれが備えるものである。ただし、打撃ハンマ45の後面中心側凸部45Bには設けられているが、前面外周側凸部45Dには設けられていない。当接保持機構8は、反発抑制手段に相当し、スプリング81は付勢部材に相当し、係止ボール82は球体に相当する。
図6(a)及び(b)に示すように、スプリング81は、圧縮されることで付勢力を発生させる圧縮バネであり、中間ハンマ42の前面外周側凸部42D及び前面中心側凸部42Eの前端面の前面視において略中央から後方に所定長さ窪んだスプリング収容凹部81aに収容されている。図6(a)及び(b)に示すように、スプリング収容凹部81aは前面視において略円形状をなしている。また、スプリング収容凹部81aの前後方向長はスプリング81の自然長よりも短く構成されており、スプリング収容凹部81aの直径はスプリング81の外径よりも大きく構成されている。
図6(a)、図7及び図8(b)に示すように、係止ボール82は、略球体状に形成された金属製の部材であって、直径はスプリング81の外径よりも大きくスプリング収容凹部81aの直径よりも僅かに小さく構成されている。このため、係止ボール82は、スプリング収容凹部81a内に収容されることができ、且つ収容された状態でスプリング81の前端部と当接可能である。
図6(a)、(c)及び図8(a)に示すように、受け部83は中間ハンマ43の後面外周側凸部43B及び後面中心側凸部43Cの回転方向Bにおける上流側にそれぞれ設けられており、受け部83には、前方に湾曲するように僅かに窪んだボール嵌合孔83aが形成されている。
ボール嵌合孔83aは受け部83において、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける下流側端面と中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bの回転方向Bにおける上流側端面とが当接した状態(図6(a)の状態)、すなわち中間ハンマ42が回転方向Bへ回転して中間ハンマ43と当接した状態において、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dに形成されたスプリング収容凹部81aと対向する位置に形成されている。
図6(a)に示すように、中間ハンマ42が回転方向Bへ回転して中間ハンマ43と当接した状態において、係止ボール82はスプリング収容凹部81a内に収容されたスプリング81に前方に付勢され、中間ハンマ43の後面上に形成されたボール嵌合孔83aに係止ボール82の前部が嵌合している。このように、スプリング81の付勢力により係止ボール82の前部がボール嵌合孔83aに嵌合しているため、係止ボール82が中間ハンマ42と中間ハンマ43との相対回転は規制され、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dと中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bとの当接が保持される。
このとき、スプリング81の付勢力は、中間ハンマ42が回転方向Bに回転して中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dと中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bとが衝突した際に、衝突の反動によって中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dと中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bとが離間することを抑制する程度に構成され、且つ中間ハンマ42が回転方向Bとは逆の方向へ回転する際に、前面外周側凸部42Dと後面外周側凸部43Bとの離間を妨げることがない程度に構成されている。
中間ハンマ42が回転方向Bとは逆の方向へ回転を始めると係止ボール82は、スプリング81の付勢力に抗して後方に移動しボール嵌合孔83aとの嵌合が解除され、前面外周側凸部42Dと後面外周側凸部43Bとが離間する。その後、係止ボール82はスプリング81に前方に付勢された状態で中間ハンマ43の後面に当接した状態で、中間ハンマ42は回転方向Bとは逆の方向に回転を続ける。このとき、係止ボール82は略球体状であるため、中間ハンマ43の後面と略点で当接するため、中間ハンマ42の中間ハンマ43に対する摺動を妨げない。
打撃ハンマ45が回転し打撃ハンマ45の前面外周側凸部45Dと被打撃突起52Aとが衝突することにより打撃ハンマ45の回転力がアンビル52に伝達される。また、打撃ハンマ45は、アンビル52に対して300°相対回転可能に構成されている。このため、上述したように接続ハンマ41は打撃ハンマ45を中間ハンマ44が打撃するまでに1200°回転可能であり、打撃ハンマ45がアンビル52を打撃するまでの回転角度は300°であるため、接続ハンマ41が回転を開始してからアンビル52が打撃ハンマ45により打撃されるまでには1500°の回転可能である。
上述のように、電子パルスドライバ1の回転打撃機構4は、5段のハンマ41〜45を備えているため、それぞれの質量をm1〜m5(m1+m2+m3+m4+m5=Mとする)、それぞれの半径をrと定義すると、ハンマ41〜45の慣性モーメントいわゆるイナーシャの総和は一般に1/2Mr^2で与えられ、ハンマ41〜45の回転エネルギの総和は1/2Iω^2で与えられる。ここでIは、慣性モーメントいわゆるイナーシャであり、ωは、角速度(rad/s)である。m1〜m5、rはそれぞれ定数であるため、回転エネルギは角速度:ωに依存することになる。
アンビル52を打撃する打撃ハンマ45のアンビル52に対して回転可能な回転角は、360°未満である300°である。しかし上述のように、それぞれのハンマが隣り合うハンマに対して略300°相対回転可能に構成されているため、回転軸31からアンビル52に回転力が伝達されるまで、即ち打撃ハンマ45が回転してアンビル52を打撃するまでに接続ハンマ41、中間ハンマ42、43及び44が回転することができるので、全てのハンマが停止している状態からモータ3を駆動し打撃ハンマ45が回転してアンビル52を打撃するまでに、接続ハンマ41から徐々に回転し、十分に回転エネルギが蓄積された状態で、中間ハンマ44から打撃ハンマ45に回転エネルギを伝達することができる。これにより、打撃ハンマ45の回転速度(角速度)を十分に上昇させた状態でアンビル52を打撃することができる。なお、打撃ハンマ45がアンビル52を打撃する際には、隣り合うハンマ41〜45のそれぞれの凸部が当接した状態となっているため、ハンマ41〜45とは一体となってアンビル52を打撃する。それゆえに、ハンマ41〜45に蓄積された回転エネルギの総和がアンビル52に伝達される。言い換えれば、ハンマ41〜45が一体として回転速度(角速度)が十分に上昇した状態すなわち角速度ωを高めた状態でアンビル52を打撃することになり、アンビル52で発生する締付力を高トルクとすることができる。
上記回転打撃機構4が、仮に分割構造を成していないとすると、すなわち質量Mの1つのハンマ(慣性モーメントが同等)であったとするとアンビル52に対して停止状態から300°回転したのみで打撃することになる。この場合には、モータ3によって回転開始から質量Mの1つのハンマを回転させることになるが、質量Mの1つのハンマの慣性力により停止状態から300°回転させた状態では、質量Mの1つのハンマの回転速度を十分に上昇させることはできない。これに対して第一の実施の形態による回転打撃機構4による質量Mの1つのハンマを分割し、隣り合うハンマとの相対回転可能角度を300°とした構造では、ハンマ41〜45がそれぞれ隣り合うハンマに対して略300°回転可能であるため、打撃ハンマ45がアンビル52を打撃する際には接続ハンマ41は1周以上回転した状態であり、同じ重量、外径であって分割が成されていない重りに比べて、アンビル52を打撃する際の回転速度(角速度)が上昇し、アンビル52に打撃力として伝達する回転エネルギを大きくすることができる。
また、上述のように、電子パルスドライバ1は、モータ3の回転軸31に回転打撃機構4が直結されており、モータ3の回転軸31からアンビル52までの回転打撃力の伝達経路において、ハウジングに固定された外輪を有する遊星ギヤ機構を介在していないため、打撃ハンマ45によるアンビル52打撃時(締付時)の反動がハウジング2に発生することを抑制することができる。このため、低反動を実現でき操作性を良好にすることができる。
また、上述のように電子パルスドライバ1は、当接保持機構8を備えているため、5段のハンマ41〜45のそれぞれの対向した凸部が当接した際に、当接時の衝撃の反動によってそれぞれの対向した凸部が離間してしまうことを抑制することができるので、ハンマ41〜45のそれぞれの対向した凸部が当接した状態を保持することができる。このため、ハンマ41〜45のそれぞれの対向した凸部が当接した状態すなわちハンマ41〜45が一体となった状態で打撃ハンマ45がアンビル52を打撃することができる。このため、ハンマ41〜45に蓄積された回転エネルギを効率的に無駄なくアンビル52に伝達することができ、締付力を高トルクとすることができるとともに安定した締付力を得ることができる。
次に、図9に基づいて、モータ3の制御の説明をする。上述の制御装置7は、スイッチング回路71と、制御部72と、制御信号出力部73と、電流検出回路74と、印加電圧設定回路75と、締付動作モード設定回路76と、回転子位置検出回路77と、回転子角度検出回路78と、を有する。制御部72は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)と、処理プログラムや制御データ、各種制御に必要な情報を記憶するためのROMと、データを一時記憶するためのRAMと、時間計測機構とを含んで構成される。制御装置7は、モータ3の回転方向、回転数等を制御可能に構成されている。ホール素子3Dからの位置検出信号に基づいてコイルU、V、Wへの通電方向と時間が制御される。
スイッチング回路71は、3相ブリッジ形式に接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6から構成されている。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、制御信号出力部73に接続され、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレインまたは各ソースは、スター結線されたコイルU、V、Wに接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力部73から入力されたスイッチング素子駆動信号(H4、H5、H6等の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、電池パック21Cの電池セル21Dの出力電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv、Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。
6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートを駆動するスイッチング素子駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側スイッチング素子Q4、Q5、Q6をパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6として供給し、制御部72によって、トリガ21Aの操作量(ストローク)の検出信号に基づいてPWM信号のパルス幅(デューティー比)を変化させることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の起動/停止と回転速度を制御する。すなわち、トリガ21Aの引き量によってモータ3の回転数を制御することで図示せぬ先端工具の締付力を調整することができる。
ここで、PWM信号は、スイッチング回路71の正電源側スイッチング素子Q1〜Q3又は、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6の何れか一方に供給され、スイッチング素子Q1〜Q3又はスイッチング素子Q4〜Q6を高速スイッチングさせることによって電池パック21C内の電池セル21Dから各コイルU、V、Wに供給する電力を制御する。
制御部72は、回転子位置検出回路77の出力信号に基づいて所定のスイッチング素子Q1〜Q6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その制御信号を制御信号出力部73に出力する。これによってコイルU、V、Wの所定の巻線に交互に通電し、ロータ3Aを設定された回転方向に回転させる。モータ3に供給される電流値は、電流検出回路74によって測定され、その値が制御部72にフィードバックされることにより、設定された駆動電力及び電流となるように調整される。また、制御部72は、回転子位置検出回路77からの信号及び回転子角度検出回路78からの信号に基づいて、モータ3の回転数を検出している。
印加電圧設定回路75は、トリガ21Aの操作に基づいて、制御部72に制御信号を出力している。締付動作モード設定回路76は、モード切替部21Bからの切替信号を検出し制御部72に出力している。
次に、電子パルスドライバ1の動作モード及び動作について説明する。電子パルスドライバ1の動作モードとしては、ドリルモード、パルスモードの2種類を備えている。
ドリルモードとは、ハンマ41〜45、アンビル52を一体的に一方向のみに回転させるモードであって、特別な制御は行われないので説明を省略する。
パルスモードでは、モータ3が正転逆転を繰返すことにより、打撃ハンマ45がアンビル52を打撃する。パルスモードは、第1パルスモード〜第4パルスモードの4つのモードを備えている。各パルスモードについて、図10を用いて説明する。各パルスモードでは、接続ハンマ41(回転軸31)の逆転時の回転量は、正転時の回転量以下である。
図10は、縦軸に回転量及び回転角度、横軸に時間を表したグラフである。右上に傾斜している状態がハンマの正転を示し、右下に傾斜している状態がハンマの逆転を示している。最初の初期状態では、すべてのハンマ41〜45は互いに最離間位置にある。トリガ21Aが引かれると接続ハンマ41が正転方向に回転し、ハンマ41〜45が一体となって時刻t10でアンビル52を打撃する。つまり、図4(a)に示す状態となる。
第1パルスモードでは、時刻t10で打撃ハンマ45がアンビル52を打撃した後、回転軸31は逆転方向に回転する。このとき、接続ハンマ41と中間ハンマ42とが離間する。回転量が5段目と4段目との間(時刻t11)で再び回転軸31が正転方向に回転し、時刻t12で接続ハンマ41が中間ハンマ42を打撃する。つまり、第1パルスモードでは、接続ハンマ41は0段分以上且つ1段分未満の回転量だけ逆転する。第1パルスモードでは、接続ハンマ41と中間ハンマ42との間で打撃が行われるため、素早い打撃が必要且つ高い締付力が不要である小ねじの締付作業に用いられる。
第2パルスモードでは、回転量が4段目と3段目との間で再び回転軸31が正転方向に回転し、時刻t15で中間ハンマ42が中間ハンマ43を打撃する。詳細には、接続ハンマ41の逆転の回転量が4段目となる時刻t13のときに、接続ハンマ41が最離間位置となって中間ハンマ42に当接し、中間ハンマ42が逆転方向に回転する。中間ハンマ42が中間ハンマ43と所定回転量離間したところで、時刻t14で再び回転軸31が正転方向に回転し、時刻t15で中間ハンマ42が中間ハンマ43を打撃する。つまり、第2パルスモードでは、接続ハンマ41は、1段分以上且つ2段分未満の回転量だけ逆転する。このとき、ハンマ41、42の回転エネルギがアンビル52に付与されるため、第1パルスモードよりも大きな締付力を得ることができる。第2パルスモードでは、比較的素早い打撃が必要であって、比較的高い締付力が必要となる小ねじや木ねじ等の締付作業に用いられる。
第3パルスモードでは、回転量が3段目と2段目との間で再び回転軸31が正転方向に回転し、時刻t18で中間ハンマ43が中間ハンマ44を打撃する。詳細には、接続ハンマ41の逆転の回転量が3段目となる時刻t16のときに、中間ハンマ42が最離間位置となって中間ハンマ43に当接し、中間ハンマ43が逆転方向に回転する。中間ハンマ43が中間ハンマ44と所定回転量離間したところで、時刻t17で再び回転軸31が正転方向に回転し、時刻t18で中間ハンマ43が中間ハンマ44を打撃する。つまり、第3パルスモードでは、接続ハンマ41は、2段分以上且つ3段分未満の回転量だけ逆転する。このとき、ハンマ41、42、43の回転エネルギがアンビル52に付与されるため、第3パルスモードよりも大きな締付力を得ることができる。第3パルスモードでは、比較的素早い打撃が必要であって、比較的高い締付力が必要となる木ねじやボルト等の締付作業に用いられる。
第4パルスモードでは、接続ハンマ41は、5段分逆転方向に回転して時刻t19で打撃ハンマ45はアンビル52に対して最離間位置となる。つまり、時刻t19ではすべてのハンマ41〜45が最離間位置に位置することとなる(初期状態)。その後、再び回転軸31は正転方向に回転し、時刻t20でt10と同様にすべてのハンマ41〜45が一体となってアンビル52を打撃する。第4パルスモードでは、高い締付力が必要となるボルトや大ねじ等の締付作業に用いられる。
次に、パルスモードについて図9及び図11のフローチャートを用いて説明する。ここでは、第4パルスモード設定時における動作を例示的に説明する。
ユーザがモード切替部21Bを操作してパルスモードに設定すると、締付動作モード設定回路76から制御部72に信号が出力され、制御部72は締付動作をパルスモードに変更する。その後、ハンドル部21を把持し、図示せぬ先端工具を図示せぬボルト等の締付部材に嵌合させ締付がスタートする(ステップ201)、ステップ202においては、トリガ21Aが引かれたか否かを判断する。トリガ21Aが引かれるまでは、出力はされない(ステップ202のNO)、一方、トリガ21Aを引くと(ステップ202のYES)、正転出力が開始されモータ3が回転軸31を正転駆動させる。回転軸31の回転は接続ハンマ41、中間ハンマ42、43、44、打撃ハンマ45の順に伝達される(ステップ203)。
次に、ステップ204において、正転出力が開始されて所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合は(ステップ204のNO)、ステップ203及び204を繰り返し、所定時間経過するまで正転出力が継続される。
ステップ204における所定時間とは、電子パルスドライバ1の最大限の打撃力でアンビル52を打撃するための出力継続時間である。具体的には、上述したように接続ハンマ41が正回転を開始してからアンビル52が打撃されるまでに、接続ハンマ41は1500°回転可能であるため、接続ハンマ41が1500°近傍の回転角に達し、且つハンマ41〜45が一体となってアンビル52を打撃するまでの時間である。
ステップ204において所定時間経過していると判断された場合には(ステップ204のYES)、ステップ205において、正転出力は停止される。ここでアンビル52は打撃ハンマ45によって打撃される。
次に、ステップ206において、正転出力が停止されて所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合は(ステップ206のNO)、ステップ205及び206を繰り返し、所定時間経過するまで出力停止状態が継続される。
ステップ206における所定時間とは、図示せぬボルト等を締め付ける図示せぬ先端工具を保持するアンビル52に回転打撃機構4が蓄積した回転エネルギが無駄なく効率的に伝達されるまでの時間である。具体的には、ハンマ41〜45は回転エネルギを蓄積した状態でアンビル52を打撃するため、蓄積した回転エネルギにより正転出力が停止した後も慣性力によってアンビル52とともに回転を継続する場合があるため、蓄積した回転エネルギを完全に消費してアンビル52の回転が停止するまでの時間である。また、仮に慣性力によって回転打撃機構4がアンビル52とともに回転を継続している場合に次のステップであるステップ207の逆転出力を開始してしまうと、慣性力によって正転しているハンマ41〜45を慣性力に抗して逆転させることとなり、無駄に電力を消費するとともに蓄積した回転エネルギを完全にアンビル52に伝達することができないため、ステップ206において所定時間経過するまで出力停止状態は継続される。
ステップ206において所定時間経過していると判断された場合には(ステップ206のYES)、ステップ207において、逆転出力が開始される。逆転出力が開始される前にハンマ41〜45の回転は停止している。また、逆転出力が開始される際のハンマ41〜45のそれぞれの凸部の当接状態は、当接しているか又は当接していなくてもほとんどの場合、中間ハンマ42及び43を一例として説明すると、前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける下流側端面と後面外周側凸部43Bの上流側端面が離間しているものの互いに近接した状態である。
次に、ステップ208において、逆転出力が開始されて所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合は(ステップ208のNO)、ステップ207及び208を繰り返し、所定時間経過するまで逆転出力が継続される。
ステップ208における所定時間とは、ハンマ41〜45のそれぞれの凸部を十分に離間させる時間であり、接続ハンマ41が逆回転を始め、中間ハンマ42、43と順々にそれぞれの凸部が離間し、打撃ハンマ45の前面外周側凸部45Dがアンビル52の被打撃突起52Aから十分に離間させるための逆転出力継続時間である。当該逆転出力継続時間を経過しないまま再度正転出力を行った場合には接続ハンマ41が正転を開始し、アンビル52が打撃ハンマ45に打撃されるまでに回転速度を上昇させるための十分な回転角度を得られず、締付力が低下してしまうため、このような状況を回避するための時間である。
ステップ208において所定時間経過していると判断された場合には(ステップ208のYES)、ステップ209において、逆転出力が停止される。
次に、ステップ210において、逆転出力が停止されて所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合は(ステップ210のNO)、ステップ209及び210を繰り返し、所定時間経過するまで出力停止状態が継続される。
ステップ210における所定時間とは、逆転出力が停止されてもハンマ41〜45は逆転出力による回転エネルギの蓄積により慣性力で逆転を継続しているため、慣性力による逆回転が停止するまでの時間である。仮にハンマ41〜45の逆回転が停止する前に再度正転出力を開始すると、慣性力に抗して正転を行わなければならず、電力を無駄に消費してしまうため、このような状況を回避するための時間である。なお、ステップ210でハンマ41〜45の停止前に正転出力を開始しても良い。つまり、ハンマ41〜45を停止させることなく減速させても良い。これにより、素早い打撃が可能となり、作業性が良くなる。
ステップ210において所定時間経過していると判断された場合には、ステップ211においてトリガ21Aが引かれているか否か判断される。引かれていない場合は、締付を終わる(ステップ211のYES)。一方、トリガ21Aが引かれている場合には、再度202から上述した一連の制御が繰り返される。なお、上述の制御中の所定時間は、ハンマ41〜45の質量、モータ性能等によって適宜決定された値が制御装置7に記憶されており、その値を用いて制御は行われている。
次に、図12に基づいて本発明の第2の実施の形態による電子パルスドライバ100について説明する。基本的な構成及び制御方法は、第1の実施の形態の電子パルスドライバ1と同様である。以下の説明において、上述した第1の実施の形態による電子パルスドライバ1の構成要素と同じ部材や要素は同じ参照番号を付して説明を省略する。
電子パルスドライバ100の回転打撃機構4は、反発抑制手段として当接保持機構108を備えている。当接保持機構108は、ハンマ41〜45のそれぞれの凸部に磁石108Aを設けた構成である。当接保持機構108は、保持機構に相当する。
上述したように、ハンマ41〜45のそれぞれ隣合うハンマの前面と後面との関係は同一であるため、中間ハンマ42と中間ハンマ43とを例にとって説明する。
図12は(a)及び(b)に示すように、中間ハンマ42の前面外周側凸部42D及び前面中心側凸部42Eの前端面の略中央には、後方に窪んだ挿入孔が形成されており、挿入孔には磁石108Aが挿入されている。磁石108Aは、N極が前方を向きS極が後方を向いた状態で挿入孔に挿入されている。また、中間ハンマ43の後面外周側凸部43B及び後面中心側凸部42Cの前端面の略中央には、前方に窪んだ挿入孔が形成されており、挿入孔には磁石108Bが挿入されている。磁石108Bは、N極が後方を向きS極が前方を向いた状態で挿入孔に挿入されている。
図12(b)に示すように、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける下流側端面と中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bの回転方向Bにおける上流側端面とが当接した状態、すなわち中間ハンマ42が回転方向Bへ回転して中間ハンマ43と当接した状態において、前面外周側凸部42Dの挿入孔に挿入された磁石108AのN極と前面外周側凸部42Dの挿入孔に挿入された磁石108AのN極と後面外周側凸部43Bの挿入孔に挿入された磁石108AのS極とが対向し、磁石108AのS極と磁石108BのN極とが対向している。
このため、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける下流側端面と中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bの回転方向Bにおける上流側端面とが接近すると互いに引き合い、当接した場合には離間することを抑制することができる。
また、このような構成によると中間ハンマ42が中間ハンマ43に対して逆回転し中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける上流側端面と中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bの回転方向Bにおける下流側端面とが接近すると互いに引き合い、当接した場合には離間することを抑制することができる。このため、正転出力をするため前段階としてハンマ41〜45を逆転させて回転角度を増加させる制御を行う場合に、中間ハンマ42の前面外周側凸部42Dの回転方向Bにおける上流側端面と中間ハンマ43の後面外周側凸部43Bの回転方向Bにおける下流側端面とが当接した状態で正転出力を行うことができるため、接続ハンマ41の回転速度を十分に上昇させるための回転角度を確保することが容易となる。
また、前面中心側凸部42Eと後面中心側凸部42Cとの関係は、前面外周側凸部42Dと後面外周側凸部43Bとの関係と同様である
次に、図13に基づいて本発明の第3の実施の形態による電子パルスドライバ201について説明する。基本的な構成及び制御方法は、第1の実施の形態の電子パルスドライバ1と同様である。以下の説明において、上述した第1の実施の形態による電子パルスドライバ1の構成要素と同じ部材や要素は同じ参照番号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態による電子パルスドライバ201では、当接保持機構8に代えて、筒部22Dの内部に減衰剤208が所定量封入されている。減衰剤208は、本願発明の反発抑制手段に相当する。減衰剤208は、所定の粘性を有するオイルやグリース等の液体であり、ハンマ41〜45の潤滑剤としても機能する。
トリガ21Aが引かれることにより、各ハンマ41〜45が回転する。このとき、減衰剤208が回転抵抗となって各ハンマ41〜45間の打撃が行われるため、各ハンマ41〜45において互いの反発を抑制することができる。また、減衰剤208の粘性や量を調節することにより、各ハンマ41〜45間における反発力を所望の状態に設定することができる。これにより、ハンマ41〜45が一体となった状態でアンビル52を打撃することができるため、ハンマ41〜45に蓄積された回転エネルギを効率的に無駄なくアンビル52に伝達することができ、締付力を高トルクとすることができるとともに安定した締付力を得ることができる。
次に、図14及び図15(a)乃至(c)に基づいて本発明の第3の実施の形態の変形例による電子パルスドライバ301について説明する。基本的な構成及び制御方法は、第1の実施の形態の電子パルスドライバ1と同様である。以下の説明において、上述した第1の実施の形態による電子パルスドライバ1の構成要素と同じ部材や要素は同じ参照番号を付して説明を省略する。
中間ハンマ42〜44には、それぞれ半径方向外方に突出したフィン308を備えている。フィン308は、減衰剤208を撹拌させるための部材であって、前後方向に対して傾斜している。詳細には、フィン308のモータ3側端部は、アンビル側端部よりも回転方向下流側に位置するように傾斜している。これにより、中間ハンマ42〜44が回転することにより、筒部22Dの下部に溜まった減衰剤208が前方に運ばれる。これにより、電子パルスドライバ301を傾斜させて使用した場合であっても、ハンマ41〜45全体に減衰剤208を行き渡らせることができる。特に、モータ3から前方に離間した中間ハンマ44及び打撃ハンマ45は、反発による離間が発生し易いため、減衰剤208を前方に運ぶことによって当該離間を防止することができる。これにより、ハンマ41〜45が一体となった状態でアンビル52を打撃することができるため、ハンマ41〜45に蓄積された回転エネルギを効率的に無駄なくアンビル52に伝達することができ、締付力を高トルクとすることができるとともに安定した締付力を得ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例として図15(a)〜(c)に示すような構成であっても良い。図15(a)では、すべてのハンマ41〜45にフィン308が設けられている。これにより、多くの減衰剤208を前方に送ることができるため、不安定に成り易い中間ハンマ44及び打撃ハンマ45の反発による離間を効果的に防止することができる。さらに、電子パルスドライバ301を傾けて接続ハンマ41の周囲に減衰剤208が滞留しやすい状態で使用した場合であっても、一定量の減衰剤208を打撃ハンマ45側に送ることができる。
図15(b)では、接続ハンマ41、中間ハンマ42、及び中間ハンマ43にフィン308が設けられている。つまり、5段のハンマ41〜45のうちのモータ3に近いほうの3段のハンマにフィン308が設けられている。これにより、回転軸31が正転方向に回転する時は、フィン308が設けられたハンマ41〜43によって減衰剤208が前方に送られるが、回転軸31が逆転方向に回転する時、中間ハンマ44及び打撃ハンマ45にはフィン308が設けられていないため、減衰剤208を後方に押し戻すことが無い。これにより、多くの減衰剤208を中間ハンマ44及び打撃ハンマ45の近傍に留めることができる。
図15(c)では、中間ハンマ42及び中間ハンマ43にのみフィン308が設けられている。これにより、上述した図15(b)の効果に加えて以下の効果が得られる。電子パルスドライバ301を図1の状態から反時計回り方向に90°回転させた状態で使用した際、接続ハンマ41が減衰剤208で埋まってしまうと回転時の抵抗が大きくなってしまう。図15(c)に示す変形例では、接続ハンマ41にフィン308を設けないことにより、かかる状態での使用であっても減衰剤208の過剰な抵抗を受けることが無い。なお、フィン308は、5段のハンマ41〜45のうちの少なくとも1段に設けられていれば、インナーハウジング22A内の減衰剤208を撹拌して一か所に滞留することを防止できる。
次に、図16に基づいて本発明の第4の実施の形態による電子パルスドライバについて説明する。基本的な構成及び制御方法は、第1の実施の形態の電子パルスドライバ1と同様である。以下の説明において、上述した第1の実施の形態による電子パルスドライバ1の構成要素と同じ部材や要素は同じ参照番号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態では、反発抑制手段として各ハンマ41〜45の凸部に弾性体408が設けられている。弾性体408は、ゴム等から構成され、打撃ハンマ45の前方外周側凸部45D以外の凸部に設けられている。図16では、接続ハンマ41と中間ハンマ42とを例示的に示して説明する。
外周側凸部41Cの回転方向Bの下流側端面には、後方に窪んだ略円形状の受け孔408aが形成され、受け孔408aには弾性体408が挿入されている。弾性体408は、外周側凸部41Cの回転方向Bの下流側端面から突出した突出部408Aを備えている。外周側凸部41Cが後面外周側凸部42Bを打撃したとき、突出部408Aが弾性変形して緩衝材としての役割を果たすことにより、反発を低減する。これにより、ハンマ41〜45が一体となった状態でアンビル52を打撃することができるため、ハンマ41〜45に蓄積された回転エネルギを効率的に無駄なくアンビル52に伝達することができ、締付力を高トルクとすることができるとともに安定した締付力を得ることができる。
本発明による打込機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
上述した電子パルスドライバ1の回転打撃機構4は、5段のハンマ41〜45により構成されたがこれに限定されない。例えば、2段であっても良く、5段以上であっても良い。図17に、3段のハンマの制御について例示する。この場合も、上述した実施の形態と同様に、1段分の回転量は300°で設定されている。トリガ21Aを引くと、時刻t21で3段のハンマが一体となってアンビルを打撃する。第1パルスモードでは、0段分以上且つ1段分未満の回転量だけ逆回転し、時刻t22で打撃が行われる。第2パルスモードでは、1段分以上且つ2段分未満の回転量だけ回転し、時刻t23で打撃が行われる。第3パルスモードでは、2段分以上且つ3段分未満の回転量だけ回転し、時刻t24で打撃が行われる。第4パルスモードでは、3段分の回転量だけ回転し、時刻t25で打撃が行われる。3段のハンマであっても、回転角度は最大で900°となるため、1段のハンマと比較すると高い締付力を得ることができる。
上述した第4の実施の形態では、凸部に受け孔を形成してその内部に弾性体を挿入したが、この構成に限定されない。例えば、図18に示すように、外周側凸部41Cの半径方向の長さを後面外周側凸部42Bの半径方向の長さよりも短く構成して、当該短くなった部分(外周側凸部41Cの半径方向内方)に略扇型形状の弾性体508を設けても良い。弾性体508の回転方向Bの上流側端面は、外周側凸部41Cの上流側端面と一致している。弾性体508の回転方向Bの下流側端面は、外周側凸部41Cの下流側端面から回転方向Bに突出している。当該突出している部分が緩衝剤としての役割を果たすことにより、外周側凸部41Cと後面外周側凸部42Bとの反発を低減している。また、図19に示すように、外周側凸部41Cの半径方向内方に略扇型形状の弾性体608が設けられていても良い。弾性体608は、回転方向B上流側部分が外周側凸部41Cに固定されていて、下流側部分が外周側凸部41Cと離間可能である。弾性体608の円周方向の長さは、外周側凸部41Cの円周方向の長さよりも長く、弾性体608の回転方向Bの上流側端面と外周側凸部41Cの上流側端面とは略一致しており、弾性体608の回転方向Bの下流側端面は外周側凸部41Cの下流側端面よりも下流に位置している。弾性体608の半径方向外側の外周面608Aは、半径方向において、後面外周側凸部42Bの半径方向内周面421Bよりも内側に位置している。これにより、外周側凸部41Cが後面外周側凸部42Bを打撃する際、外周面608Aが内周面421Bと摺接することで抵抗となり、反発を低減することができる。なお、弾性体608の代わりに板バネ等を用いても良い。
上述した電子パルスドライバのように、モータを正転と逆転とを繰り返す必要はなく、単に一方向に回転するインパクトドライバにも適用することができる。さらに、モータの駆動源としては電池パックではなく商用電源でもよい。すなわち、ハンマによりアンビルを打撃する構成であって、ハンマを複数個設け、それらの接続状態を保持する保持機構を備えていればよい。すなわち、第1のハンマが第2のハンマを打撃(当接)する際に、その反動によってハンマ同士が離間しないように構成することで締結力を向上できる構成であればよい。
上述した実施の形態では、モータ逆転時のハンマの制御を時間に基づいて行ったが(図11)、これに限定されない。例えば、ハンマ近傍に近接センサやエンコーダ等のセンサを設けて実際のハンマの回転方向における位置に基づいてハンマを制御しても良い。また、各ハンマ間の打撃が行われることにより電流検出回路74における電流の挙動も変化するため、モータ3に流れる電流に基づいてハンマを制御しても良い。また、回転子位置検出回路77に基づいてモータ3の回転数を検出し、検出した回転数に基づいてハンマを制御しても良い。また、回転子角度検出回路78に基づいてモータ3の回転角度(接続ハンマ41の回転角度)を検出し、検出した回転角度に基づいてハンマを制御しても良い。また、上記の少なくとも2つを組み合わせることにより、高い精度でハンマを制御することができる。
上述した実施の形態では、反発抑制手段として当接保持機構8、108、減衰剤208、弾性体408、508、608を例示したが、これらのうちの少なくとも2つを組み合わせても良い。
上述した第4の実施の形態では、弾性体は外周側凸部41Cの回転方向Bの下流側にのみ設けられていたが、下流側及び上流側の両方に設けてもよい。つまり、外周側凸部41Cの下流側端面及び後面外周側凸部42Bの上流側端面の少なくとも一方に弾性体を設けることで本願発明の効果を奏することができる。
上述した第3の実施の形態では、ハンマにフィン308を設けたが、ハンマの外周面にフィンと同様の傾斜を備えた溝を形成しても良い。これにより、第3の実施の形態と同様に減衰剤を前方に送るという効果を得ることができる。さらに、フィン308を設ける場合と比べてインナーハウジング22Aのサイズをコンパクトにすることができる。溝は、5段のハンマのうち、少なくとも1段のハンマに形成されていればよい。
上述した第4の実施の形態では、図18及び図19のような構成を例示したが、これに限定されない。例えば、弾性体の回転方向Bにおける上流側端面を、外周側凸部41Cの上流側端面よりも上流側に延長させてもよい。これにより、接続ハンマ41逆転時の反発も低減することができる。なお、図19に示す弾性体608を延長させる場合には、弾性体の円周方向中央部分で外周側凸部41Cに固定されていることが望ましい。
1、100・・電子パルスドライバ 2・・ハウジング 3・・モータ 4・・回転打撃機構 5・・アンビル部 6・・スイッチ機構 7・・制御装置 8、108・・当接保持機構 31・・回転軸 41・・接続ハンマ 41C・・外周側凸部 41D・・中心側凸部 41E・・突出部 42・・中間ハンマ 42B・・後面外周側凸部 42C・・後面中心側凸部 42D・・前面外周側凸部 42E・・前面中心側凸部 43 中間ハンマ 43B 後面外周側凸部 43C・・後面中心側凸部 43a・・貫通孔 44・・中間ハンマ 44a・・貫通孔 45・・打撃ハンマ 45A・・円板部 45B・・後面外周側凸部 45C・・後面中心側凸部 45D・・前面外周側凸部 45E・・挿通部 45a・・挿入部 46・・回転支持軸 50・・アンビル 51・・先端工具装着部 51A・・チャック 51a・・穿孔 52・・アンビル 52A・・被打撃突起 52a・・挿入孔 71・・スイッチング回路 72・・制御部 73・・制御信号出力部 74・・電流検出回路 75・・印加電圧設定回路 76・・締付動作モード設定回路 77・・回転子位置検出回路 78・・回転子角度検出回路 81・・スプリング 81a・・スプリング収容凹部 82・・係止ボール 83・・受け部 83a・・ボール嵌合孔 108・・当接保持機構 108A、108B・・磁石 ・・磁石 A・・軸 B・・回転方向 208・・減衰剤 弾性体・・408、508、608
Claims (18)
- 双方向に回転可能なモータと、
該モータに接続され正転方向及び逆転方向に回転可能なn段のハンマと、
該正転方向に回転した該ハンマの回転が伝達されることで回転するアンビルと、
先端工具を着脱可能であり該先端工具に該アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、
を備えたことを特徴とする電動工具。 - 該ハンマは、該逆転方向に第1回転量だけ回転した後、該正転方向に該第1回転量よりも大きい第2回転量だけ回転することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
- 該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、
該ハンマは、該逆転方向にn−1段分以上、且つn段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することを特徴とする請求項2に記載の電動工具。 - 該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、
該ハンマは、該逆転方向にnー2段分以上、且つn−1段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することを特徴とする請求項2に記載の電動工具。 - 該ハンマは、n段分の回転量だけ該正転方向に回転することにより該アンビルに回転を伝達するように構成され、
該ハンマは、該逆転方向に0段分以上、且つn−2段分未満の回転量だけ回転した後、該正転方向に回転することを特徴とする請求項2に記載の電動工具。 - 該ハンマは、該逆転方向に所定回転量だけ回転した後、該正転方向に該所定回転量だけ回転することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
- 該モータの正転時間は、該n段の該ハンマが一体となって該アンビルを打撃するように定まることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電動工具。
- 該モータは、正転、休止、逆転、休止を繰り返し、
該モータの休止時間は、該n段のすべての該ハンマが停止するように定まることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電動工具。 - 該モータは回転軸を備え、該n段の該ハンマのうちの最も該モータ側の該ハンマと該回転軸とが接続されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電動工具。
- モータと、
該モータに接続されたn段のハンマと、
該ハンマの回転が伝達されることにより回転するアンビルと、
先端工具を着脱可能であり該先端工具に該アンビルの回転を伝達する先端工具保持部と、
該ハンマの各段における打撃の反発を低減する反発抑制手段と、を備えることを特徴とする電動工具。 - 該反発抑制手段は、該ハンマの各段における当接を保持可能であることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
- 該n段の該ハンマは、第1ハンマと、該第1ハンマによって打撃される第2ハンマと、を備え、
該第1ハンマは、該第2ハンマに向けて該ハンマの軸方向に突出する第1突起を備え、
該第2ハンマは、該第1ハンマに向けて該軸方向に突出し該第1突起により当接される第2突起を備え、
該反発抑制手段は、該第1突起と該第2突起との当接を保持可能であることを特徴とする請求項11に記載の電動工具。 - 該反発抑制手段は、
球体と、
該球体と係合可能な受け部と、
該球体を該軸方向に付勢する付勢部材と、を備え、
該球体が該付勢部材の付勢力によって該受け部と係合することにより該第1突起と該第2突起の当接を保持することを特徴とする請求項12に記載の電動工具。 - 該球体及び該付勢部材は該第1ハンマに設けられ、該受け部は該第2ハンマに設けられ、
該第2ハンマは、該第1ハンマと該軸方向において対向し該第2突起が設けられている対向面を有し、
該付勢部材及び該球体は該第1突起に設けられ、該受け部は該対向面上であって該第2突起が設けられている部分以外の場所に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の電動工具。 - 該反発抑制手段は、
該第1突起に設けられた第1磁石と、
該第1磁石の磁力が作用することにより該第1突起と該第2突起とが当接するように該第2突起に設けられた第2磁石と、を備えることを特徴とする請求項12に記載の電動工具。 - 該ハンマと該アンビルとを内蔵する回転体ケースをさらに備え、
該反発低減手段は、該回転体ケースの内部に収容され該ハンマの回転速度を減衰させる減衰材であることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。 - 該n段の該ハンマのうちの少なくとも1段の該ハンマの外周面には、該ハンマの半径方向外方に突出し、該ハンマの軸方向に対して傾斜している複数のフィンが設けられ、
該フィンの該モータ側の端部は、該フィンの該アンビル側の端部よりも該ハンマの回転方向下流側に位置していることを特徴とする請求項16に記載の電動工具。 - 該n段の該ハンマは、第1ハンマと、該第1ハンマによって打撃される第2ハンマと、を備え、
該第1ハンマは、該第2ハンマに向けて該ハンマの軸方向に突出する第1突起を備え、
該第2ハンマは、該第1ハンマに向けて該軸方向に突出し該第1突起により当接される第2突起を備え、
該反発抑制手段は、該第1突起と該第2突起の少なくとも一方に設けられた弾性体であることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
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2014
- 2014-03-27 JP JP2014065725A patent/JP2015142955A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021024073A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | 筌誠機械股▲分▼有限公司 | 動力工具の緩衝式歯車機構 |
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