JP2016221632A - 電動工具 - Google Patents

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西河 智雅
Tomomasa Nishikawa
智雅 西河
哲祐 原田
Tetsusuke Harada
哲祐 原田
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Abstract

【課題】モータのロータのイナーシャを低減することで、回転方向を切替えた直後の過大電流を低減させるようにした電動工具を実現する。【解決手段】モータ3に接続されるハンマ41とハンマによって打撃されるアンビル42を有し、モータ3はハンマを正方向と逆方向に交互に回転させることによりアンビルを打撃して出力軸51を回転させるインパクト式の電動工具において、ロータコア3aの回転軸方向の長さが、ステータコア3bの回転軸方向の長さに対して10%以上30%未満短くした。このようにロータのイナーシャを低減することで、モータの正方向回転中に、逆方向に回転させる電圧を印加させた際の突入電流を低減させることが可能となり、インバータ回路のスイッチング素子の温度上昇を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は電動工具に関し、特にハンマとアンビルを非同期に回転させるインパクト機構のような、モータが回転変動する電動工具に用いられるモータの改良に関する。
先端工具を用いてネジやボルト等の締結するための電動工具として、インパクト工具が広く用いられている。インパクト工具は、ハンマによってアンビルを打撃することにより先端工具に強い打撃回転力を付与する。従来のインパクト工具としては、特許文献1に記載の電動工具が知られている。図8は特許文献1に記載されている従来の電動工具201の縦断面図である。ハウジング202の胴体部202aにはモータ203が収容され、モータ203の先端側には減速機構部230と打撃機構部240が設けられる。打撃機構部240は回転ハンマ242とアンビル245を含み、アンビル245の先端側には出力軸251が接続される。ここではアンビル245と出力軸251は金属の一体品にて製造される。モータ203はブラシレスDCモータであって、軸方向に長さLa1のロータコア203aを有し、長さLb1のステータコア203bを有している。
モータ203が起動されると、モータ3の回転は遊星歯車減速機構による減速機構部230によって減速されてスピンドル241に伝達され、スピンドル241が所定の速度で回転駆動される。ここで、スピンドル241と回転ハンマ242とはカム機構によって連結され、このカム機構は、スピンドル241の外周面に形成されたV字状のスピンドルカム溝241aと回転ハンマ242の内周面に形成されたハンマカム溝242aとこれらの間に配置されるボール243によって構成される。回転ハンマ242は、ハンマスプリング244によって常に軸方向の前進方向(前方方向)に付勢されており、静止時にはボール243とカム溝241a、242aとの係合によってアンビル42の端面とは隙間を隔てた位置にある。そして、回転ハンマ242とアンビル245の相対向する回転平面上の2箇所には図示しない凸部がそれぞれ対称的に形成されている。
スピンドル241が回転駆動されると、その回転は前記カム機構を介して回転ハンマ242に伝達され、回転ハンマ242が半回転しないうちに回転ハンマ242の凸部がアンビル245の凸部に係合してアンビル245を回転させるが、そのときの係合反力によってスピンドル241と回転ハンマ242との間に相対回転が生ずると、カム機構の作用によって回転ハンマ242はスピンドルカム溝241aに沿ってハンマスプリング244を圧縮しながらモータ203側へと軸方向に後退を始める。そして、回転ハンマ242の後退動によって回転ハンマ242の凸部がアンビル245の凸部を乗り越えて両者の係合が解除されると、回転ハンマ242は、スピンドル241の回転力に加え、ハンマスプリング244に蓄積されていた弾性エネルギーとカム機構の作用によって回転方向及び前方に急速に加速されつつ、ハンマスプリング244の付勢力によって前方へ移動し、その凸部がアンビル245の凸部に再び係合して一体に回転し始める。このとき、強力な回転打撃力がアンビル245に加えられるため、アンビル245に装着された図示しない先端工具を介してネジに回転打撃力が伝達される。以後、同様の動作が繰り返されて先端工具からネジに回転打撃力が間欠的に繰り返し伝達され、該ネジが木材等の図示しない被締結材にねじ込まれる。
近年、インパクト工具の一種として、出願人によって特許文献2に示すような、いわゆる電子パルス式の電動工具が発明された。電子パルス式の電動工具では、相対回転角が1回転未満のハンマとアンビルを用いて、モータを正方向及び逆方向の断続回転を行うことによって先端工具を回転させる。電子パルス式のインパクト機構を採用すると、ハンマとアンビルの形をシンプルな構造にすることで、インパクト工具の小型化及びコストダウンが実現できる。一方、モータの形式は図8で示したものと基本的に同じ構成であって、ロータコアの軸方向の長さはステータコアの長さよりも長くなっている。
特許第5370809号明細書 特許第5440765号明細書
ロータが停止している状態から回転させるモータ起動時にはモータ等に起動電流が流れる。モータのロータのイナーシャが大きい場合にはこの起動電流も大きくなりモータ等が発熱し易い。このイナーシャの問題は、モータ起動時だけでなくモータが回転変動(例えば打撃による回転変動)する場合等にも生じる。
また、従来の電子パルス式の電動工具においては、モータを正方向及び逆方向の断続回転を行うことでアンビルに対してハンマを正方向又は逆方向に回転させて締結部材を締結する。モータを正方向及び逆方向の断続回転させるにあたっては、インバータのスイッチング素子を駆動することにより、モータに所定方向の回転磁界を発生させている。インパクト動作の実施時には、モータの正方向回転中に、逆方向に回転させるような駆動電圧を印加させるように制御する。このようにモータの正方向回転中に急激に逆転方向の駆動電圧を供給すると、モータに流れる電流は、停止時からのモータ起動電流よりも遥かに高い電流が流れることになるので、モータの発熱、スイッチング素子の発熱が図8に示す回転ハンマ式のインパクト工具に比べると大きくなっていた。
これまでは、高い電流が流れた場合でも、モータの温度上昇及びモータ回転を制御するインバータのスイッチング素子の温度上昇が実用上問題にならない様(スイッチング素子の定格使用温度以下)、冷却構造の工夫を行って来た。しかしながら、従来の冷却構造のみの対策では、スイッチング素子をこれ以上小型化して工具サイズの小型化を図ることの障壁となっていた。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、モータのロータのイナーシャを低減することで、モータの起動時或いはモータの回転方向を切替えた直後の過大電流を低減させるようにして、モータと、モータの回転を制御するインバータ回路のスイッチング素子の温度上昇を抑制するようにした電動工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、ステータコアに対するロータコアの大きさを小型化しながら、モータの回転位置を正しく検出できるようにした電動工具を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の他の目的は、ステータコアに対するロータコアの大きさを小型化して、ロータコアを軸方向にオフセット配置することにより、ロータの磁石を用いて回転位置を正しく検出できるようにした電動工具を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータと、モータの回転力を先端工具に伝達する動力伝達機構と、先端工具を保持するための出力軸を有する電動工具において、モータはロータとステータからなり、ロータ及びステータはそれぞれロータコア及びステータコアを有し、ロータコアの回転軸方向の長さが、ステータコアの回転軸方向の長さに対して10%以上30%未満短くなるように構成した。動力伝達機構は、モータが回転変動する機構、例えば、従来から広く用いられる回転ハンマが軸方向に後退可能なインパクト機構や、いわゆる電子パルスドライバにて用いられるハンマとアンビルを有するインパクト機構である。
本発明の他の特徴によれば、モータは正転及び逆転が可能であり、動力伝達機構は、モータから駆動力を供給されて正転方向又は逆転方向に回転するハンマと、ハンマと別体に設けられ逆転方向への回転により加速距離を稼いだ後のハンマの正転方向への回転により打撃されて回転するアンビルを有し、アンビルは出力軸に接続され、ハンマを正方向と逆方向に回転させることによりアンビルを正方向(締め付け方向、又は緩め方向)に回転させる。また、動力伝達機構は、モータによって回転されるスピンドルと、スピンドルに設けられたカム機構の作用によってスピンドルの軸方向に後退する回転ハンマと、回転ハンマを軸方向であって前進方向に付勢するハンマスプリングを有するインパクト機構によって構成しても良い。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータはブラシレスモータであり、ブラシレスモータに正転電力及び逆転電力を切り換えて供給する電力供給部を設けた。電力供給部としてはインバータ回路を用い、マイコンを有する制御部がインバータ回路の駆動を行うことによりブラシレスモータの回転方向及び回転速度を制御するようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、ロータコアが固定される回転軸には、回転位置検出用のセンサマグネットが設けられ、センサマグネットとモータのロータコアを隔離して配置した。モータはロータとステータからなり、ロータ及びステータはそれぞれロータコア及びステータコアを有し、モータはステータの回転位置を検出するホールIC等の回転位置検出部を有し、ロータコアの回転軸方向の中心位置は、ステータコアの回転軸方向の中心位置に対し、回転位置検出部側にあるように配置した。この際、ロータコアの回転位置検出部側の端面は、ステータコアの回転位置検出部側の端面よりも、回転位置検出部に近い側にあることになる。ここで、モータのロータコア及びステータコアはそれぞれ略円筒形状となり、ステータコアの外径はロータコアの外径の2.4倍以下でかつ、ステータコアの外径をロータコアの外径で割った外径比と、ステータコア長さをロータコア長さで割った長さ比で、外径比と長さ比を乗じた値が2.2以上とすると良い。
本発明によれば、ロータのイナーシャを低減することで、モータの温度上昇を低減でき、さらにはモータへ駆動電流を供給するインバータ回路のスイッチング素子の温度上昇を低減できる。これにより、小型のスイッチング素子パッケージを使用した場合においても、スイッチング素子の定格使用温度(例えば150℃)以下とする事が可能となり、電動工具を小型化することが可能となる。
本発明の実施例に係る電動工具1の縦断面図である。 本発明の実施例に係る電動工具1のモータの駆動制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る電動工具1のハンマ41とアンビル42の打撃動作を説明するための図である。 本発明の実施例に係る電動工具1のモータ3の縦断面図である。 本発明の実施例に係る電動工具1でビスを締結する際のモータ電流の大きさについて示す図であり、(1)は従来のモータを用いた制御の波形図であり、(2)は本実施例のモータ3を用いた制御の波形図である。 本発明の第二の実施例に係る電動工具101の縦断面図である。 図6のモータ103の縦断面図である。 従来の電動工具201の縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1に示される電動工具1は、いわゆる電子パルスドライバと呼ばれているもので、ハウジング2と、モータ3と、減速機構部30と、打撃機構部40と、出力軸51を含んで構成される。ハウジング2はプラスチック等の合成樹脂の一体成形品であって、モータ3の回転軸を通る鉛直面で左右に2分割されるように構成される。ここではハウジング2と、ハウジング2の前方側に設けられるハンマケース4によって電動工具1の外郭を成している。ハウジング2は、略筒状の胴体部2aと、胴体部2aから延出されるハンドル部2bと、ハンドル部2bの先端部分において径方向に広がるように構成された電池装着部2cから主に構成される。ハンドル部2bは、胴体部2aの前後方向の略中央位置から下側に向けて延出されるもので、作業者によって把持される部分となる。ハンドル部2bの内部にはトリガスイッチ6が内蔵され、ハンドル部2bの先端側(下端側)の下にモータ3へ電力を供給する電池パック24が着脱可能に装着される。ハンドル部2bの上方であって胴体部2aの直下には、ハンドル部2bから前側に突出するように、作業者の操作箇所となるトリガ25が設けられる。トリガ25の上方には、出力軸51の回転方向を切替えるための正逆切替レバー26が設けられる。
胴体部2aには、その長手方向が回転軸3cの軸方向と一致するようにモータ3が配置されると共に、モータ3から軸方向の一端側に向かって減速機構部30と、打撃機構部40、出力軸51が、その回転軸が一致するように並んで配置される。減速機構部30と、打撃機構部40は、ハウジング2の前方側に接続されるハンマケース4の内部に配置される。ハンマケース4は、金属製であって略漏斗形状を成し、漏斗形状の先端が前側を向くように配置されており、前端部分に出力軸51が前側へ突出する開口4aが形成されると共に、開口4aを画成する内壁に出力軸51を回転可能に支持するメタル23を有する。開口4a近傍位置であってハンマケース4の下方位置の胴体部2aには、LED等によるライト21が設けられる。胴体部2aの後面には、冷却ファン5により胴体部2a内に外気を吸入する吸気口17、18が設けられ、冷却ファン5の周囲には吸入された空気を排出するための図示しない排気口が形成される。
モータ3は、回転軸3cに固定されるロータコア3aと、ロータコア3aに対向する位置に配置されるステータコア3bを有するブラシレスモータである。ロータコア3aの内部にはマグネット3dが収容される。ステータコア3bには内周側に突出する複数の磁極が形成され、この磁極にはインシュレータ3eを介して銅線が巻かれ、三相のコイル3fが形成される。回転軸3cは軸方向に見てロータコア3aの前後に突出しており、その突出した箇所でベアリング16a、16bによって胴体部2aに回転可能に支承される。回転軸3cの前方側であってベアリング16aとの間には、回転軸3cと同軸上で一体回転する冷却ファン5が設けられる。回転軸3cの前側端部にはピニオンギヤ31が固定される。また、モータ3の回転軸3cには、回転位置検出用のセンサマグネット77が設けられ、回転位置検出用のセンサマグネット77とモータ3のロータコア3aは隔離して所定の間隔を設けるように配置される。なお、ロータコア3a、ステータコア3bは鉄の薄板を軸方向に積層される積層鉄心により構成すると良い。
減速機構部30は、ピニオンギヤ31を入力とする遊星歯車減速機構が用いられ、ピニオンギヤ31の外周側であってアウターギヤ33と噛合するようにして自転しながらピニオンギヤ31の外周側を公転する遊星ギヤ32が複数(例えば3つ)配置される。アウターギヤ33は、ハンマケース4内に内蔵された状態で、ハンマケース4が胴体部2aに固定される。複数の遊星ギヤ32の回転軸34は遊星キャリアによって軸支される。本実施例ではこの遊星キャリアとハンマ41を、金属の一体品として形成した。ハンマ41は、遊星キャリアの前側部分に形成されるもので、前側に向けて突出すると共に遊星キャリアの回転中心からずれた位置に配置された第1係合突起41a(図3で後述)と、遊星キャリアの回転中心を挟んで第1係合突起41aと対極に位置する第2係合突起41b(図3で後述)とを有する。
アンビル42は、第1係合突起41aと第2係合突起41bに当接または離合するために形成され、回転中心から径方向に延びるように配置される第1被係合突起42a(図3で後述)と、出力軸51の回転中心を挟んで第1被係合突起42aと対極に位置する第2被係合突起42b(図3で後述)と、これらを連結するための円筒軸部分にて形成される。アンビル42の円筒軸部分の軸方向前方側には出力軸となる出力軸51が接続される。本実施例ではハンマ41とアンビル42は別体に設けられ、アンビル42と出力軸51は金属の一体成形にて製造される。出力軸51の前端には、ビット等の図示しない先端工具が挿入される装着孔51aが形成され、前端部分に図示しないビットをワンタッチで保持するためのビット保持機構55が設けられる。出力軸51の外面は、円柱状に構成され、ハンマケース4の開口4a内に軸受の役割を果たすメタル23を介して回転可能に支持される。
モータ3の後方側には、ホールIC等の回転位置検出素子64やスイッチング素子(後述)を搭載するためのインバータ回路基板63が設けられる。インバータ回路基板63は円環状であって回転軸3cと直交して配置され、前方側の面には周方向に所定の間隔毎、例えば角度60°毎に回転位置検出素子64が3つ配置される。回転位置検出素子64は、センサマグネット77に対向する位置に設けられる。インバータ回路基板63はスイッチ回路基板62と制御回路基板61と結線される。スイッチ回路基板62は、主にトリガスイッチ6を固定するための基板であり、筒状のハンドル部2bの内部にその面が鉛直方向になるように、つまり筒状のハンドル部2bの長手方向軸線に対して平行になるように配置される。制御回路基板61は、図示しないマイクロコンピュータ等の制御回路を搭載するための基板であり、ハウジング2のハンドル部2bの下側であって、電池パック24の上側形状に沿って広がるように拡張された部分(電池装着部2c)の内部に配置されるもので、ハンドル部2bの長手方向軸線に対して略直交方向であって、電池パック24の装着方向(前から後ろ方向)に対して略平行になるように配置される。図1のように電動工具1を位置づけた際には制御回路基板61は略水平方向に配置され、その一部にはスイッチやLEDランプ等の操作パネル27が、ハウジング2から外部に露出するように設けられる。
次にモータ3の駆動制御系の構成を図2のブロック図を用いて説明する。制御部72は、制御回路基板61上に搭載される回路であって、制御信号出力回路65と、演算部67と、電流検出回路71と、スイッチ操作検出回路76と、印加電圧設定回路70と、回転方向設定回路68と、回転子位置検出回路69と、回転数検出回路75と、打撃衝撃検出回路74を含んで構成される。演算部67は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)と、処理プログラムや制御データを記憶するためのROMと、データを一時記憶するためのRAMと、タイマとを含んで構成されるが、これらは市販のマイクロコンピュータを用いて実現できる。
電動工具1には、モータ3の回転方向を切替えるための正逆切替レバー26が設けられ、回転方向設定回路68は正逆切替レバー26の変化を検出するごとに、モータ3の回転方向を切替えて、その制御信号を演算部67に送信する。制御部72には、アンビル42に発生する衝撃の大きさを検出する打撃衝撃検出センサ73が接続され、その出力は打撃衝撃検出回路74を介して演算部67に入力される。
インバータ回路66に搭載される電子素子には、3相ブリッジ形式に接続されたFET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などの6個のスイッチング素子Q1〜Q6が含まれる。ブリッジ接続されたスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは制御信号出力回路65に接続され、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレインまたは各ソースは、スター結線された固定子巻線U、V、Wに接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、制御信号出力回路65から入力されたスイッチング素子駆動信号(H4、H5、H6等の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、インバータ回路66に印加される電池パック24の直流電圧を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv,Vwとして固定子巻線U、V、Wに励磁電流(駆動電流)を供給する。
モータ3は3相のブラシレスDCモータで構成される。モータ3のロータコア3aは複数組(本実施例では2組)のN極とS極を含むマグネット(永久磁石)を含んで構成され、ステータコア3bはスター結線された3相の固定子巻線U、V、Wが巻かれている。回転軸3cにはロータコア3aの回転位置を検出するためのセンサマグネット77が設けられ、インバータ回路基板63に搭載されたホールIC等の複数の回転位置検出素子64によって回転位置に応じた信号が出力され、回転子位置検出回路69がそれらを重畳したパルス信号として演算部67に出力する。また、回転数検出回路75は回転子位置検出回路69のパルス信号をカウントすることによりモータ3の回転速度を検出して演算部67に出力する。演算部67は、回転方向設定回路68と回転子位置検出回路69との出力信号に基づいて所定のスイッチング素子Q1〜Q6を交互にスイッチングするための駆動信号を形成し、その制御信号を制御信号出力回路65に出力する。これによって固定子巻線U、V、Wの所定の巻線に交互に通電し、ロータコア3aを設定された回転方向に回転させる。この場合、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6に印加する駆動信号は、印加電圧設定回路70の出力制御信号に基づいてPWM変調信号として出力される。モータ3に供給される電流値は、シャント抵抗79の両端電圧から電流検出回路71によって測定され、その値が演算部67にフィードバックされることにより、設定された駆動電力となるように調整される。なお、PWM変調信号は正電源側スイッチング素子Q1〜Q3に印加してもよい。
図3は図1におけるA−A部から見た断面図であり、電動工具1の動作時におけるハンマ41の第1係合突起41a及び第2係合突起41bと、アンビル42の第1被係合突起42a及び第2被係合突起42bとの位置関係を表す図である。先端工具から受ける反力が小さい場合は、ハンマ41は図中で反時計回り(矢印45aとは反対方向)に回転し、ハンマ41にモータ3から駆動力を供給されてアンビル42を回転方向の後方側から押すような形で出力軸51を図中で見て反時計回りに回転させる。打撃機構部40におけるインパクト動作を伴わずに先端工具を回転させることができるならば、図3(1)の矢印45aと反対方向にハンマ41を連続回転させる事によって締め付け作業を行うことができる。しかしながら、出力軸51から受ける反力が大きくなってアンビル42を連続回転させることが難しくなると、演算部67はモータ3の回転方向を、正転のみで駆動する“連続駆動モード”から、正転及び逆転を繰り返す“断続回転モード”に切り替えるように制御する。ここで、正転、逆転とは回転軸3cの絶対的な回転方向を指すのでは無く、締め付け対象を回転させたい方向と同じ方向を正転方向と呼び、その反対方向を逆転方向と呼ぶ。即ち、ネジを締め付ける時は、正転が締め付け方向への回転を指し、逆転が緩め方向への回転を指すものとする。一方、ネジを緩める時は、正転が緩める方向への回転を指し、逆転が締め付け方向への回転を指すものとする。
図3(1)において、モータ3の回転方向が反転されると、ハンマ41は矢印45aのように反対方向(出力軸を回転させようとする方向と反対方向)に回転を開始する。図3(1)は、第1係合突起41aと第1被係合突起42aとが接触していると同時に、第2係合突起41bと第2被係合突起42bとが接触している状態を示している。この状態から、ハンマ41は図3の矢印45aの方向(時計回り方向)に回転し、ハンマ41がアンビル42に対して約60度反転し、図3(2)に示す状態となる。そして、矢印45bに示すように更に逆転を続けて(3)に示す位置までハンマ41が逆方向に回転すると、モータ3は、再び正方向(出力軸51の回転方向と同じ方向)に回転を開始してハンマ41は矢印45cの方向に回転する。(3)に示す位置が、ハンマ41がアンビル42に対して最反転位置まで逆回転した状態であり、ハンマ41がアンビル42に対して、相対角度で90度程度反転したことになる。そして、モータ3の正転により、再びハンマ41は矢印45d、45cのようにアンビル42に近づき、(4)の位置でアンビル42に設けられた2箇所の係合突起と衝突する。衝突によってハンマ41がアンビル42を(5)のように矢印45eの方向に回転させる。この衝突の際には、第1係合突起41aが第1被係合突起42aに衝突すると同時に、第2係合突起41bが第2被係合突起42bに衝突するので、これらの衝突によってハンマ41の回転力がアンビル42に間欠的に伝達される。このような構成により、打撃時のバランスが安定し、作業者が打撃時に電動工具1に振られにくくすることができる。
また、第1係合突起41a及び第2係合突起41bは、円周方向の両端面で第1被係合突起42a及び第2被係合突起42bと衝突可能であるため、先端工具を正転時(ネジを締める方向)だけではなく逆転時(ネジを緩める方向)にもインパクト動作が可能となるため、使い勝手の良いインパクト工具を提供することができる。また、ハンマ41でアンビル42を打撃する際、アンビル42を軸方向(前方)に叩かないので、打撃時に出力軸に取り付けられる先端工具から被加工部材に押し付ける軸方向の力が加わらずに、締め込む際に有利である。
図4は本発明の実施例に係る電動工具のモータ3のサイズを説明するための図であって、モータ3の回転軸3cを通る縦断面図である。モータ3は、回転軸3cを備えるロータコア3aと、ロータコア3aと対向する位置に配置されるステータコア3bとから主に構成されるブラシレスモータである。ここではロータコア3aの回転軸3cの軸方向(前後方向)のロータコア長さLaよりも、ステータコア3bの回転軸3cの軸方向(前後方向)のステータコア長さLbの方が長く設定される。この比率は、ロータコア長さLaがステータコア長さLbより1〜50%程度短くなるようにすれば良いが、特に好ましくは10〜30%程度短くなるように好ましい。これにより、所定のモータ出力を発生させる場合、ロータコア長さLaがステータコア長さLbより同等以上の長さの場合と比較して、ロータコア3aの回転方向慣性モーメント(イナーシャ)を低く設計することが可能となる。また、モータを“断続回転モード”で駆動する際に、逆転又は正転に切り替える電圧を印加させた際の電流を低減させることが可能となり、モータ3及びスイッチング素子Q1〜Q6の温度上昇を低減することが可能となる。さらに、スイッチング素子Q1〜Q6を小型化することが可能となり、電動工具を小型化することが可能となる。
ステータコア3bの後端側にはインバータ回路基板63が設けられ、インバータ回路基板63の一面に回転位置検出素子64が搭載され、他面にスイッチング素子Q1等が搭載される。また、モータ3のロータコア3aと回転位置検出素子64の間に、取付スリーブ78を介してセンサマグネット77が回転軸3cに設けられる。取付スリーブ78は、例えば合成樹脂等の非磁性体によって製造すると良い。ロータコア3aとセンサマグネット77は、距離Sだけ隔離した状態で配置されるので、ロータコア3aの回転軸3cの軸方向(前後方向)の長さの設計自由度が大きくなる。本実施例では、ロータコア長さLaよりも、ステータコア3bの回転軸3cの軸方向(前後方向)のステータコア長さLbの方を長く設定したものの、独立したセンサマグネット77と回転位置検出素子64によりモータの回転位置を精度良く検出する事が可能となり、安定したモータ回転を実現することが可能となる。
図4において、ロータコア3aの直径をD、ステータコア3bの直径をDで示している。ここで、ステータコアの直径Dはロータコアの直径Dの2.4倍以下で、かつ、ステータコアの直径Dをロータコアの直径Dで割った外径比と、ステータコアの長さLをロータコアの長さLで割った長さ比で、外径比と長さ比を乗じた値が2.2以上とした。
(D)<(D×2.4)
(D/D)×(L/L)>2.2
本実施例では上式のような外径と長さの比率としたために、モータ3のロータのイナーシャを低減させることができた。通常、ロータコア3aの長さLを短くするとモータ3の出力が低下するが、その分ステータコア3bの長さLを長くして、ロータコア3aの直径Dとステータコア3bの直径Dを最適化することにより従来例と同等の出力を有するモータ3を実現できる。尚、ステータコアは略円筒形状であるものの断面形状の外縁形状は完全な円形とは限らない。これはハウジング2の胴体部2aに固定をするための突起等を設けるためであるが、直径Dは、ステータコア3bの固定用の突起等を含まない代表的な部分の直径Dで算出するとよい。
図5に、図3で示した電動工具1動作時の電流波形を示す。図5(1)は従来の電動工具に用いられるモータ103を図1に示す減速機構部30と打撃機構部40を有する電子パルスドライバに適用した場合の電流波形を示すもので、図1の電動工具101に図8に示すようなロータコア長さLa1がステータコア長さLb1よりも長いモータを適用した場合の波形である。本実施例の電動工具1のインパクト時の動作は、図3にて示したように、モータ3の回転方向を正転方向と逆転方向に交互に切替えながら、ハンマ41をアンビル42に対して打撃する方式である(いわゆる電子パルスドライバ)。図5(1)の時刻0において、作業者がトリガ25を引いてモータの回転を起動すると、電流81は、最初に矢印81aのように起動電流が多く流れて、その後すぐに低下し、矢印81bのような電流でハンマ41がアンビル42と連動して回転する連続回転モードが続く。連続回転モードの終盤においてはアンビル42が先端工具から受ける負荷の増大によって、矢印81cのように電流値が増大し、モータを正転方向だけの“連続回転モード”による制御から、正転と逆転を交互に繰り返す“断続回転モード”に切り替えを行う。この切り替えは演算部67が電流81の大きさを監視し、所定の閾値たる電流値に到達したら行われる(時刻t)。モータの回転方向が逆転すると、逆転方向の電流82がパルス状に流れるが、ハンマ41はアンビル42とは離れる方向への回転であってほぼ無負荷状態の回転であるのとハンマ41の反転角度が小さいので、すぐに加速が完了してモータが停止される。この短い逆回転時間が終了したら、モータ103への電流供給は停止され、電流値は0に戻る。そして、僅かな休止期間をおいて再び正転方向に回転させ、正転方向の電流83が供給される。
電流83においては、最初に矢印83aのように起動電流が流れてすぐに定常状況に落ち着く。ここでは、平坦状の電流83bが流れている途中においてハンマ41がアンビル42を打撃すると共に、回転方向における後方側からアンビル42を押すようにしてアンビル42を回転させる。そして、矢印83cの時点で電流83が遮断され、僅かな休止期間をおいて再び逆転方向に回転させ、逆転方向の電流84が供給される。同様の動作を繰り返して、正転電流85、87から最後の打撃時の電流89までを、それぞれの間に逆転電流86等を流しながら繰り返す。ここで、矢印89bは先端工具から受ける負荷が大きくなった状態であり、電流89が所定の締め付け負荷で締付け完了の電流値まで増加したので、演算部67はモータの駆動を停止し(時刻t)、締め付け作業を停止する。(1)においては、モータを正転方向から逆転方向へ回転させるための、モータ電流のピークをP1で示し、モータを逆転方向から正転方向へ回転させるためのモータ電流のピークをP2で示している。
図5(2)は本実施例に係る電動工具に用いられるモータ3の電流波形を示すものである。基本的に電流の波形は(1)と同じような形であるが、波形の振幅(電流値)のピークが小さいものになっている。例えば電流91は、電流81に比べて矢印91aに示す起動電流は小さくなっているものの、その後の矢印91b、91cの電流値は、出力軸51への回転トルクが(1)のモータとほぼ同等であるので、矢印81b、81cの電流値とほぼ同様である。その後の起動電流の大きさは(2)の方が小さいものの、起動電流以降の正転電流93、95、97、99は(1)の電流83、85、87、89とほぼ同じような値となる。つまり、本実施例のようにモータ3のロータコア3aの長さLaよりステータコア3bの長さLbの方が長く設定された場合では、ロータコア長さLa1とステータコア長さLb1が同等以上とした場合((1)の場合)に比べ、モータのピーク電流P3、P4いずれも低減できていることが理解できよう。これは、ロータコア3aの長さを短くしたために、ロータ自身の慣性モーメントが低くなり、モータの正転から逆転等の回転方向を切替える際に、ロータ自身を停止から加速させるエネルギーを低下できたためである。このようなピーク電流の低減により、モータ3とモータ3の回転を制御するインバータ回路66のスイッチング素子Q1〜Q6の温度上昇を低減することが可能となる。
以上、本実施例によれば、出力トルクを維持しつつロータ自身の慣性モーメントが低減され、モータ3を正転から逆転等の回転方向を変える際に、ロータ自身を停止から加速させるエネルギーを低下させることができた。この結果、起動電流の低下によるモータ3の温度上昇抑制と、スイッチング素子Q1〜Q6の温度上昇を低減することが可能となり、特に電動工具で多用されるスイッチング素子として定格使用温度が150℃以下の製品を採用することが可能となった。
次に図6と図7を用いて本発明の第二の実施例を説明する。第一の実施例においては、ロータコア3aの長さを、ステータコア3bの長さに対して10〜30%程度だけ短くするように構成し、ロータ自身の慣性モーメントを低減させるように構成した。さらに、ロータコア3aの長さを短くしたために、ロータコア3aから隔離した状態で設けられるセンサマグネット77を設けるようにした。これに対して第二の実施例では、ロータコアの長さを短くする点は同じであるが、ロータコアの前後方向中心位置をステータコアの前後方向中心位置よりも軸方向一方側(例えば後方側)にずらすように配置した。
図6は、本発明の実施例に係る電動工具101の別の実施形態を示した断面図である。モータ103は、回転軸103cに固定されるロータコア103aと、ロータコア103aと対向する位置に配置されるステータコア103bとから主に構成されるブラシレスモータである。ロータコア103aの軸方向の中心位置(前後方向中心121)は、ステータコア103bの軸方向の中心位置(前後方向中心122)よりも、回転位置検出素子(回転位置検出部)64に近い側(後方側)にずらして配置される。この際、ロータコア103aの前側(回転位置検出部と反対側)の端面123aは、ステータコア103bの前側端面124aよりも、後方側、即ち、回転位置検出部側にあるとよい。逆にロータコア103aの後側の端面123bは、ステータコア103bの後側端面124bよりも、後方側(回転位置検出部側)にある。このようにステータコア103bよりも短いロータコア103aを、ステータコア103bに対して軸方向にオフセット配置することにより、従来例と同じ位置に設けられる回転位置検出素子64によってロータの回転位置が検出できるので、専用のセンサマグネット77を設けなくとも、ロータコア103aの回転位置を検出することができる。この結果、ロータの回転方向慣性モーメント(イナーシャ)をさらに低く設計することが可能となる。
第二の実施例においてもモータ103のロータのイナーシャが低減するので、モータ起動時や逆方向に回転させる電圧を印加させた際の電流を低減させることが可能となり、モータ及びモータ回転を制御するインバータ回路66のスイッチング素子Q1〜Q6の温度上昇を低減することが可能となり、スイッチング素子Q1〜Q6の小型化による電動工具の小型化を達成できる。また、回転軸103cを中空とすれば更にイナーシャを低減することができる。尚、図6の構成ではロータコア103aの後側の端面123bが、ステータコア103bの後側端面124bよりも明らかに後方側にあるように図示したが、このずらす目的は回転位置検出素子64がマグネット103dの磁界を検出して、回転位置を検出できるようにするためであるので、ロータコア103aの後側の端面123bが、ステータコア103bの後側端面124bとほぼ同じ位置であっても良い。
以上、本発明を2つの実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば上述の実施例では、電動工具の一例としていわゆる電子パルス式のインパクトドライバを用いて説明したが、従来から広く用いられている回転ハンマを用いたインパクトドライバにおいても同様に用いることができるし、その他の電動工具において、特に先端工具の特性や動力伝達機構の特性によって稼働時のモータが回転変動を起こしてしまう機構を有する電動工具においては、本発明のモータは有用である。
1 電動工具 2 ハウジング
2a 胴体部 2b ハンドル部
2c 電池装着部 3 モータ
3a ロータコア 3b ステータコア
3c 回転軸 3d マグネット
3e インシュレータ 3f コイル
4 ハンマケース 4a 開口
5 冷却ファン 6 トリガスイッチ
16a、16b ベアリング 17、18 吸気口
21 ライト 23 メタル
24 電池パック 25 トリガ
26 正逆切替レバー 27 操作パネル
30 減速機構部 31 ピニオンギヤ
32 遊星ギヤ 33 アウターギヤ
34 (遊星ギヤの)回転軸 40 打撃機構部
41 ハンマ 41a 第1係合突起
41b 第2係合突起 42 アンビル
42a 第1被係合突起 42b 第2被係合突起
51 出力軸 51a 装着孔
55 ビット保持機構 61 制御回路基板
62 スイッチ回路基板 63 インバータ回路基板
64 回転位置検出素子 65 制御信号出力回路
66 インバータ回路 67 演算部
68 回転方向設定回路 69 回転子位置検出回路
70 印加電圧設定回路 71 電流検出回路
72 制御部 73 打撃衝撃検出センサ
74 打撃衝撃検出回路 75 回転数検出回路
76 スイッチ操作検出回路 77 センサマグネット
78 取付スリーブ 79 シャント抵抗
101 電動工具 103 モータ
103a ロータコア 103b ステータコア
103c 回転軸
121 (ロータコアの)前後方向中心
122 (ステータコアの)前後方向中心
123a (ロータコアの)前側端面
123b (ロータコアの)後側端面
124a (ステータコアの)前側端面
124b (ステータコアの)後側端面
201 電動工具 202 ハウジング
202a 胴体部 202b ハンドル部
202c 電池装着部 203 モータ
203a ロータコア 203b ステータコア
230 減速機構部 240 打撃機構部
241 スピンドル 241a スピンドルカム溝
242 回転ハンマ 242a ハンマカム溝
243 ボール 244 ハンマスプリング
245 アンビル 251 出力軸
Q1〜Q6 スイッチング素子

Claims (11)

  1. モータと、前記モータの回転力を先端工具に伝達する動力伝達機構と、前記先端工具を保持するための出力軸を有する電動工具において、
    前記モータはロータとステータからなり、前記ロータ及びステータはそれぞれロータコア及びステータコアを有し、前記ロータコアの回転軸方向の長さが、ステータコアの回転軸方向の長さに対して10%以上30%未満短くしたことを特徴とする電動工具。
  2. 前記動力伝達機構は、モータが回転変動する機構であることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記モータは正転及び逆転が可能であり、
    前記動力伝達機構は、前記モータから駆動力を供給されて正転方向又は逆転方向に回転するハンマと、前記ハンマと別体に設けられ前記逆転方向へ回転した後の前記ハンマの前記正転方向への回転により打撃されて回転するアンビルを有し、
    前記アンビルは前記出力軸に接続され、
    前記ハンマを正方向と逆方向に回転させることにより前記アンビルを正方向に回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
  4. 前記動力伝達機構は、前記モータによって回転されるスピンドルと、該スピンドルに設けられたカム機構の作用によって前記スピンドルの軸方向に後退する回転ハンマと、該回転ハンマを軸方向であって前進方向に付勢するハンマスプリングを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具。
  5. 前記モータはブラシレスモータであり、
    前記ブラシレスモータに所定の駆動電流を供給するためのインバータ回路と、該インバータ回路の駆動制御を行う制御部を設け、
    前記制御部が前記ブラシレスモータの回転方向及び回転速度を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の電動工具。
  6. 前記ロータコアが固定される回転軸に、回転位置検出用のセンサマグネットを設け、前記センサマグネットと前記モータの前記ロータコアを隔離して配置したことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の電動工具。
  7. 前記モータはロータとステータからなり、前記ロータ及びステータはそれぞれロータコア及びステータコアを有し、前記モータはステータの回転位置を検出する回転位置検出部を有し、ロータコアの回転軸方向の中心位置は、ステータコアの回転軸方向の中心位置に対し、前記回転位置検出部側にあることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の電動工具。
  8. 前記ロータコアの前記回転位置検出部側の端面は、前記ステータコアの前記回転位置検出部側の端面よりも、前記回転位置検出部に近い側にあることを特徴とする請求項7に記載の電動工具。
  9. 正転及び逆転が可能なモータと、前記モータの回転力を先端工具に伝達する動力伝達機構と、前記先端工具を保持するための出力軸を有する電動工具において、
    前記動力伝達機構は、前記モータから駆動力を供給されて正転方向又は逆転方向に回転するハンマと、前記ハンマと別体に設けられ前記逆転方向へ回転した後の前記ハンマの前記正転方向への回転により打撃されて回転するアンビルを有し、
    前記モータはロータとステータからなり、前記ロータ及びステータはそれぞれロータコア及びステータコアを有し、前記ロータコアの回転軸方向の長さが、ステータコアの回転軸方向の長さよりも短くしたことを特徴とする電動工具。
  10. マグネットを配置したロータコアを回転軸に固定したロータと、
    内周側に突出する複数の磁極を有し、前記磁極に銅線を巻くことにより三相コイルを形成したステータを有するモータであって、
    前記ロータコア及びロータコアは軸方向に積層される積層鉄心により構成され、
    前記ロータコアの回転軸方向の長さが、ステータコアの回転軸方向の長さに対して10%以上30%未満短くしたことを特徴とするモータ。
  11. 前記ステータコアの後端側に円環状であって前記回転軸と直交して配置される回路基板を設け、
    前記回路基板の前記ステータコア側に、前記ロータの回転位置を検出する複数の位置検出素子を設け、前記回路基板の前記ステータコアとは反対側の面に前記三相コイルに供給される励磁電流を供給するための複数のスイッチング素子を搭載したことを特徴とする請求項10に記載のモータ。
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