JP2015141882A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常作動時の電池特性を維持しつつ、過充電時にはより迅速に電池内圧を上昇させることのできる、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】本発明により、正極と負極と非水電解液とが電池ケース内に収容された非水電解液二次電池が提供される。ここで正極は、表面の少なくとも一部を金属材料Mにより被覆された正極集電体と、正極活物質を含み正極集電体上に備えられる正極活物質層とを含む。非水電解液は、電荷担体としてのリチウムイオンと、正極の電位が所定の過充電領域において分解されてガスを発生させる過充電添加剤とを含む。電池ケースは、当該電池ケースの内圧が所定の圧力に達した際に作動する電流遮断機構を備える。そして、金属材料Mは、正極電位が上記所定の過充電領域において溶解し、かつ、リチウムイオンと合金を形成し得る。【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池に関する。詳しくは、内圧上昇により作動する感圧型の電流遮断機構を備えた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の非水電解液二次電池は、近年、携帯電子機器や輸送機器の電源として広く用いられている。特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両駆動用高出力電源として好ましく用いられている。
このような非水電解液二次電池は、一般に電圧が所定の領域(例えば3.0V〜4.1V)に収まるよう制御された状態で使用されるが、誤操作等によって電池に通常以上の電流が供給されると、所定の電圧を超えて過充電となる場合があり得る。そこで、かかる非水電解二次電池においては、過充電状態を検知すると充電電流を遮断して過充電の進行を停止する電流遮断機構(Current Interrupt Device:CID)が備えられている。これに関連する技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2013−243020号公報
特許文献1には、過充電に伴う電池ケースの内圧上昇を感知して作動する感圧型のCIDを備えた非水電解液二次電池が記載されている。かかる二次電池は、典型的には、非水電解液中に所定の電圧により分解されてガスを発生し得る過充電添加剤等を含んでいる。そして、この過充電添加剤を過充電時に分解させてガスを発生させることにより、電池ケースの内圧を高め、CIDを作動させるようにしている。
ところで、車両駆動用電源等として用いられる大型および/または高容量の電池では、正常作動時には瞬時に大電流を取り出せる高出力特性が求められるが、過充電等の異常時には速やかに電池反応を停止する安全性もが求められる。しかしながら、かかる高出力特性を備える電池は過充電時にも電池の反応性が高いため、電池の安全性をより高めるために、過充電時にはCIDがより迅速に作動できることが望ましい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、正常作動時の電池特性を維持しつつ、過充電時にはより迅速に電池内圧を上昇させることのできる、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
ここに開示される発明は、上記課題を解決するものとして、正極と負極と非水電解液とが電池ケース内に収容された非水電解液二次電池を提供する。かかる非水電解液二次電池において、上記正極は、表面の少なくとも一部を金属材料Mにより被覆された正極集電体と、正極活物質を含み上記正極集電体上に備えられる正極活物質層とを含む。上記非水電解液は、電荷担体としてのリチウムイオンと、上記正極の電位が所定の過充電領域において分解されてガスを発生させる過充電添加剤を含む。上記電池ケースは、当該電池ケースの内圧が所定の圧力に達した際に作動する電流遮断機構を備える。そして上記金属材料Mは、上記所定の過充電領域において溶解し、かつ、上記リチウムイオンと合金を形成し得ることを特徴としている。
すなわち、ここに開示される非水電解液二次電池においては、正極電位が過充電状態と判断される所定の過充電領域に到達すると、正極集電体の表面を被覆していた金属材料Mが電解液中に溶出するよう構成される。これにより、過充電時には正極集電体と正極活物質との導電性が損なわれ、内部抵抗が上昇して更なる充電が抑制される。また、かかる正極での内部抵抗の上昇に伴い更に正極電位が上昇されて、過充電添加剤の分解反応が促進される。これにより、より多くのガスが発生される。さらに、正極から溶出した金属材料Mはイオンとなって負極に移動し、負極の表面に析出する。かかる析出物は、充電時に正極から負極へと移動してくるリチウムイオンと反応して合金を形成し、負極の体積を膨張させ得る。これにより、電池ケースの内圧をさらに上昇させることができる。以上の作用によって、ここに開示される二次電池は、過充電時に電池ケース内の圧力を急峻に上昇させることができ、迅速にCIDを作動させることができる。
なお、金属材料Mは、正極電位が所定の電位(典型的には、当該金属材料Mの酸化還元電位)に達しないときは溶出することがないため、正常作動時には正極の導電性は維持されて本来の電池性能を損なうおそれがない。また、過充電時のガス発生量を増大させるために過充電添加剤の添加量を抑制することができ、過充電添加剤量の増大に伴う入出力特性の低下が解消される。したがって、ここに開示される技術によると、正常作動時の電池性能は維持したまま、過充電時の電池反応をより早期に停止させることができ、安全性と信頼性の高い二次電池を実現することが可能とされる。
本発明の一実施形態に係る正極の構成を模式的に示す断面模式図である。 実施形態における電池の充電状態(SOC)と内圧との関係を例示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の構成要素や一般的な製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される非水電解液二次電池は、本質的な構成として、正極と、負極と、非水電解液と、電池ケースとを備えている。上記正極および負極は、典型的にはセパレータを介して絶縁された状態で電極体を構成し、非水電解液と共に電池ケースに収容される。
ここで、電池ケースは、その内圧が所定の圧力に達した際に作動する、いわゆる感圧型のCIDを備えている。ここで、所定の圧力とは、電池ケースが内圧上昇により破損等せずに安全を確保できる範囲で設定される圧力である。また、非水電解液は、電荷担体(電解質イオン)としてのリチウムイオンを含むとともに、正極の電位が所定の過充電領域において分解されてガスを発生させる過充電添加剤を含んでいる。ここで、所定の過充電領域とは、当該二次電池において過充電と判断できる初期(より低電位側)の電位領域である。そしてまた、正極がこの電位領域を超えると過充電が急速に進行して熱暴走に至る可能性があると判断できるよう設定される電位領域である。この領域は、当該二次電池の構成にもよるが、当該二次電池の駆動電位範囲以上の電位領域で、おおよそ駆動電位+0〜0.5V(+0.01〜0.3V、例えば、+0.01〜0.2V)以下程度の電位領域を、上記所定の過充電領域と設定することができる。具体的には、例えば、駆動電位の上限が4Vの電池の場合、約4.2V〜4.0V程度の幅の領域として設定することができる。そして、過充電添加剤は、この過充電領域と判断され得る正極電位領域において分解される(分解電位がある)ようにその種類が選択される。したがって、かかる非水電解液二次電池は、過充電状態に陥ると過充電添加剤からガスが発生し、電池ケースの内圧が上昇する。そしてこの内圧が所定の圧力に達すると、CIDが作動して電池反応が停止される構成となっている。以下、各構成要素について順に説明する。
図1は、ここに開示される非水電解液二次電池の正極10の構成を説明する模式図である。かかる図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。この正極10は、正極集電体20と、該正極集電体20上に形成された正極活物質層30とを備える。ここで特徴的なことは、かかる正極集電体20は、正極集電体基材22の表面の少なくとも一部を金属材料M24により被覆されることで構成されている。そして、この金属材料M24は、(1)少なくとも過充電と判断され得る上記所定の過充電領域において溶解する(溶出電位がある)金属材料であり、かつ、(2)リチウムイオンと合金を形成し得る金属材料である。
このような金属材料M24は、上記(1)の過充電と判断され得る正極電位が電池構成(典型的には、正極および負極に含まれる正極活物質および負極活物質の種類とその組み合わせ等)により異なってくるため一概には言えないものの、上記(1)(2)の条件を満たす金属材料から特に制限なく選択することができる。例えば、この金属材料M24としては、例えば、(2)リチウムイオンと合金を形成し得る金属材料のなかから、上記(1)の条件を満たすよう選択することができる。
リチウムイオンと合金を形成し得る金属材料としては、例えば、以下のものが例示される。すなわち、例えば、具体的には、Si,Cd,In,Pb,Ga,Ge,Sn,Al,Bi,Sb,Zn,Mg,Co等の金属元素の単体またはその合金が好適な例として挙げられる。なお、ここでいう合金とは、2種以上の元素からなり金属的な性質を示す物質を包含する意味であって、その混ざり方は、固溶体、金属間化合物およびそれらの混合のいずれであっても良い。リチウムイオンと合金を形成し得る金属材料が合金である場合、その構成元素の数は、例えば、2種類(2元系合金)であっても良いし、3種類以上(3元系以上)であっても良い。合金を構成する元素は、上記に例示した金属元素同士の組み合わせであっても良いし、上記に例示した以外の各種の元素を含んでいても良い。
金属材料M24は、より好ましくは、Si,Ge,Sn,Sb,Al,Pbの単体またはその合金であり、さらに好ましくはSi,Ge,Snの単体またはその合金である。Si,Ge,Snは、リチウムイオンと合金化しやすい14族元素であって、なかでもCよりも酸素還元電位が高く、またPbのように環境に対する負荷の心配のない元素であるために好ましい。なお、金属材料M24がこれらの元素の合金である場合には、Si,Ge,Sn,Sb,Al,Pb等の元素と合金化される好適な他の元素として、例えば、B,Nb,Cr,Cu,Zr、Ag、Ni、Zn、Fe、Co、Mn、Ca、Mg、V、Ti、In等が挙げられる。例えば、このようなリチウムイオンと合金を形成し得る金属材料のうち、上記(1)の条件を満たすものを、金属材料M24として用いることができる。
正極集電体の基材22としては、従来より正極集電体として採用されている導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を採用し得る。
かかる正極集電体基材22の表面の少なくとも一部を、上記の金属材料M24により被覆する手段は特に制限されず、例えば各種の成膜方法を利用することができる。かかる成膜方法としては、例えば、塗布,印刷,ディップ等によるコーティング法や、蒸着法,イオンプレーティング法,スパッタリング等に代表される物理蒸着(PVD)法、熱化学蒸着(CVD)法,プラズマCVD法等に代表される化学蒸着法等を採用することができる。
比較的簡便に実現でき、高価で特殊な設備を必要としないとの観点から、塗布法による被覆が好ましい例として示される。かかる塗布法によると、例えば、上記金属材料M24の微粒子を含むペーストを正極集電体20の表面の少なくとも一部に塗布し、乾燥させることで、金属材料M24の微粒子膜を形成することができる。
また、緻密で均一な皮膜による被覆を比較的簡便に実施できるとの観点から、上記金属材料Mからなるターゲットを用いたイオンプレーティング法等を採用することも好ましい形態として例示される。
正極集電体20は、表面の少なくとも一部を金属材料M24で覆うことで過充電時のガス発生量を増大させる効果が得られるものの、より広い面積を金属材料M24で覆うことでその効果が高められるために好ましい。例えば、正極活物質層30が備えられる部分を金属材料M24で覆うと、過充電時に金属材料M24が溶出した際に、正極活物質層30と正極集電体20との導電性を効果的に低下させ得ることからより好ましい。
正極集電体20を覆う金属材料M24の量については、当該電池の正常時のエネルギー密度を過度に損ねることなく、過充電時に金属材料M24が溶出した際に、溶出した金属材料Mが負極に堆積して正負極間の短絡を生じない程度の量とすることが望ましい。かかる金属材料M24の量は、セパレータの厚みや空隙率等の当該電池の構成、所望の電池特性、充放電条件等にもよって異なるために一概には言えない。例えば、一例として、駆動電圧が約4V級であって容量が20A程度のリチウムイオン二次電池の場合、塗布微粒子膜については厚みが約50μm以下程度の範囲で、スパッタ膜については厚みが約5μm以下程度の範囲で調整すること等がおおよその目安として挙げられる。
正極活物質としては、これに限定されるものではないが、層状岩塩型、スピネル型、ポリアニオン型(例えばオリビン型)のリチウム遷移金属複合酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)を好適に採用し得る。さらに、正極活物質層30には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて上記以外の成分を含ませることもできる。そのような任意の成分としては、バインダや導電材等が挙げられる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリマー材料を好ましく採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料を好ましく採用し得る。
正極活物質層30全体に占める正極活物質の割合は、およそ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常はおよそ70質量%〜95質量%であることが好ましい。また、バインダを使用する場合、正極活物質層30全体に占めるバインダの割合は、例えばおよそ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常はおよそ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。導電材を使用する場合、正極活物質層30全体に占める導電材の割合は、例えばおよそ1質量%〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2質量%〜10質量%とすることが好ましい。
ここに開示される非水電解液二次電池の負極は、典型的には、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層とを備える。負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含んでいる。
負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材を採用し得る。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を好適に用いることができ、なかでもグラファイトを好ましく採用し得る。負極活物質層にはまた、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、活物質以外の成分を含ませることもできる。そのような任意の成分としては、バインダや増粘剤、分散剤、導電材等が挙げられる。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリマー材料を好ましく採用し得る。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等を好ましく採用し得る。
ここに開示される非水電解液二次電池の電極体は、上記正極および上記負極に加え、典型的には両者を絶縁する絶縁層としてセパレータを含む。セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートを好適に採用し得る。なかでも微多孔性樹脂シートの片面または両面に無機化合物粒子(無機フィラー)を含む耐熱層を備えるものが好ましい。無機フィラーとしては、アルミナ、ベーマイト、マグネシア等を採用し得る。
ここに開示される非水電解液二次電池の非水電解液は、典型的には非水溶媒中に、電荷担体としてのリチウムイオンと、過充電添加剤とを含有する。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を好適に用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好ましく採用し得る。リチウムイオンは、典型的には電解質(支持塩)が非水溶媒に溶解することで生成し得る。かかる電解質としては、LiPF、LiBF等のリチウム塩を好ましく採用し得る。非水電解液中の支持塩の濃度は、0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるよう調製することが好ましい。過充電添加剤としては、特に限定されるものではないが、かかる二次電池において過充電と判断される上記所定の過充電領域において酸化分解され、ガスを発生する化合物を用いることができる。例えば、一例として、シクロヘキシルベンゼン(CHB),ビフェニル(BP)およびこれらの誘導体を好ましく採用し得る。これらCHBやBPは共役系をとりやすく、電子授受が容易である。このため過充電時には正極で好適に酸化分解され、負極で大量の水素ガスを発生させ得る。従って、CIDをより迅速に作動させることができ、電池の信頼性を高め得る。さらに、このようにガス発生能の高い過充電添加剤を用いることで、従来に比べてかかる過充電添加剤の添加量を削減することができ、電池の内部抵抗を低減させることができる。非水電解液全体に占める過充電添加剤の割合は、例えばおよそ0.01質量%〜4質量%とすることができ、およそ0.1質量%〜2質量%とすることが好ましい。さらに、非水電解液中には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、ジフルオロリン酸リチウム、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の電極表面に皮膜を形成する目的で使用される皮膜形成剤等の各種添加剤を含ませることもできる。
電池ケースは、上記電極体および上記非水電解液を収容する容器である。電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材製のものを好ましく採用し得る。また、ここに開示される非水電解液二次電池の電池ケースの内部には、電流遮断機構が設けられている。一般に、非水電解液二次電池が過充電状態になると、非水電解液(典型的には非水溶媒)が正極で酸化分解され、これを起点として負極でガスが発生する。上記電流遮断機構は、この発生したガスに基づいて、正負の外部接続端子の少なくとも一方から電極体の正極または負極に至る導電経路を切断することで、それ以上の過充電を防止し得るよう構成されている。ここに開示される技術では、上記のとおり、非水電解液中の過充電添加剤が正極で酸化分解されることを起点とし、負極で大量のガスを迅速に発生させることもできる。これによって電池ケース内の圧力を素早く上昇させることができ、CIDを迅速に作動させることができる。
ここに開示される非水電解液二次電池においては、上記のとおり、正極電位が過充電状態と判断される所定の過充電領域にまで到達すると、正極集電体の表面を被覆していた金属材料Mが電解液中に溶出するよう構成されている。かかる構成により、過充電時には正極集電体と正極活物質との導電性が損なわれ、内部抵抗が上昇して更なる充電が抑制される。
また、かかる正極での内部抵抗の上昇に伴い、更に正極電位が上昇されて、過充電添加剤の分解反応が促進され得る。かかる作用によっても、より多くのガスが発生される。
さらに、正極から溶出した金属材料Mはイオンとなって負極に移動し、負極の表面に析出する。かかる析出物は、充電時に正極から負極へと移動してくるリチウムイオンと反応して合金(例えば、LiSi,LiSn,LiGe等、0<X≦4.4)を形成し、その体積を膨張させ得る。これにより、電池ケースの内圧をさらに上昇させ得る。以上の作用によって、ここに開示される二次電池は、過充電時に電池ケース内の圧力を急峻に上昇させることができ、従来に比べてより迅速にCIDを作動させることが可能とされる。
ここに開示される非水電解液二次電池は、正常作動時の電池性能(例えば出力特性)は維持されたまま、従来品に比べて過充電時にCIDを迅速に作動させることができる安全性と信頼性の高いものとして実現され得る。したがって、かかる特徴を活かして、大型または大容量の電池で好適に利用し得る。具体例として、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載される駆動用高出力電源が挙げられる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[正極の用意]
(例1)
先ず、正極集電体の基材として厚みが20μmのアルミニウム(Al)箔を用意した。また、金属材料Mとしてゲルマニウム(Ge)を採用し、かかる金属材料Mで基材(片面)のうち正極活物質層を形成する部分をGeにて被覆した。具体的には、平均粒子径が2μmのゲルマニウム(Ge)微粒子と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを、質量比で60:10:40の割合で混合することで、Ge分散液を調製した。そしてこのGe分散液をグラビアコーターによりAl箔の片面の正極活物質層形成部に塗布し、120℃で乾燥させることにより、少なくとも一部をGe微粒子膜により被覆された例1の正極集電体を用意した。この例1の正極集電体におけるGe微粒子膜の膜厚は6μmであった。
(例2)
上記例1と同様のAl箔の片面の正極活物質層形成部に、厚みが200nmで均一なGe膜をスパッタ法により形成し、例2の正極集電体とした。
(例3)
金属材料Mとしてスズ(Sn)を採用し、上記例1におけるGe微粒子に代えて、平均粒子径が1.7μmのSn微粒子を用い、その他は例1と同様にして、例3の正極集電体とした。
(例4)
金属材料Mとしてシリコン(Si)を採用し、上記例1におけるGe微粒子に代えて、平均粒子径が2.5μmのSi微粒子を用い、その他は例1と同様にして、例4の正極集電体とした。
(例5)
上記例1のAl箔基材をそのまま用い、例5の正極集電体とした。
また、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比で93:4:3の割合で秤量し、固形分率が70質量%となるように分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)と混合して正極ペーストを調製した。そして、この正極ペーストを上記で用意した例1〜例5の正極集電体の両面に塗布して乾燥することにより、例1〜例5の正極シートを作製した。なお、これらの正極シートの作製に際し、正極ペーストは両面での目付量(固形分の塗布量)が40mg/cmとなるように調整し、2ゾーンから構成される乾燥機にて分散媒を除去した後、圧延プレス機にて正極活物質層の両面での合計の厚みが135μmとなるように圧密した。
[非水電解質二次電池の構築]
次に、負極活物質としてのアモルファスコートグラファイトと、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMCナトリウム塩)とを、質量比で98:1:1の割合で秤量し、イオン交換水で粘度を調製しながら混練して、負極ペーストを調製した。この負極ペーストを、負極集電体としての厚さ10μmの銅箔の表面に塗布して乾燥することにより、負極シートを作製した。なお、負極シートの作製に際し、負極ペーストは両面での目付量(固形分の塗布量)が14.7mg/cmとなるように調整し、圧延プレス機にて負極活物質層の密度が1.3g/ccとなるように圧密した。
上記で作製した正負極シートをセパレータシート(ここでは、シート状のポリエチレンの表面に無機フィラーを含む耐熱層が配設されたものを用いた。)を介して積層し、捲回および成形することで、扁平形状の捲回型電極体を作製した。かかる電極体を、感圧型のCIDを備える角型電池ケース内に収容し、非水電解液を注入した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させ、さらに過充電添加剤として、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を4質量%、ビフェニル(BP)を1質量%の割合で含ませた。このようにして、評価用のリチウムイオン二次電池(例1〜例5)を構築した。かかる構成のリチウムイオン二次電池は、電圧が3.0V〜4.1Vの範囲で安定して動作し得る。
[金属材料Mの溶出電位の測定]
上記の評価用のリチウムイオン二次電池は、動作電圧が3.0V〜4.1Vであることから、過充電状態を判定し得る過充電領域を4.1〜4.3Vに設定した。
そこで、上記で用意した例1、3および4の正極集電体を用い、25℃の温度環境下において金属材料Mの集電体からの溶出電位を測定した。かかる溶出電位の測定は、上記正極集電体と対向電極としてのLi金属とをセパレータを介して対向させることで構築したコイン電池を用い、リニアスイープボルタンメトリー法により電位を連続的に変化させ、電流値が急速に上昇した電位を測定することで実施した。ここでは、具体的には、かかる電位−電流曲線が電解液の分解も反映することを考慮し、低電位における略平坦な電流値の約3倍の電流値となったときの電圧を、溶出電位とした。測定された各金属材料Mの溶出電位を下記の表1に示した。この結果から、全ての金属材料Mの溶出電位が上記過充電領域内にあることが確認できた。また、かかる正極集電体を用いて形成した電池の正常時の充電上限電圧を、4.1Vに設定し、正極電位が4.1Vよりも高い電圧となった場合を過充電状態と評価できることを確認した。
Figure 2015141882
[過充電試験]
構築した各電池に常法でコンディショニング処理とエージング処理を施した後、25℃の温度環境下において、過充電試験を行った。具体的には、先ず1Cの定電流で電池電圧が4.1Vに到達するまでCC充電した後、充電電流が1/10Cとなるまで当該電圧でCV充電し、満充電状態に調整した。かかる充電状態をSOC100%とした。また、引き続き、1Cの定電流で電池電圧が3Vとなるまで放電を行い、このときの充電状態をSOC0%とした。
次に、各電池に1Cの定電流でSOC160%に相当する容量まで強制的に充電を行い、この時の電池の内圧の変化を内圧センサーで測定した。なお、上記の正極活物質を用いたこの評価用リチウム二次電池においては、充放電曲線が電圧に対して傾きを有しつつ直線的に変化し、正極電位とSOCとはほぼ比例関係にある。そこで、参考のため、図2に、例1および例5のリチウム二次電池の内圧の変化の様子を、SOCとの関係として示した。また、内圧変化の測定結果から、内圧が0.8MPaとなった時の各電池のSOCを調べ、その結果を下記の表2に示した。
Figure 2015141882
図2に示されるように、金属材料Mによる被覆がなされていないAl箔のみからなる正極集電体を用いた例5の電池に比較して、Al箔を金属材料Mにより被覆した正極集電体とした例1の電池は、過充電状態が進行した際に電池ケースの内圧が高くなりやすいこと、また、SOC160%の時点における最高到達内圧も高いことが確認された。図2から、この評価用電池においてはSOC120%程度から過充電添加剤の分解により電池ケース内でガスが発生することが予想されるが、例1の電池においてはその立ち上がりが急で、迅速に多量のガスが発生されることがわかった。これは金属材料Mの溶出に起因する効果であると考えられる。
また、表2に示されるように、電池ケースの内圧が0.8MPaに到達する際のSOCは、例5の電池に比べて例1〜例4はいずれも低く、過充電がさほど進行しない状態でCIDが作動するのに十分な量のガスを発生できることが確認できた。このような結果は、正極集電体の表面を、Liと合金化可能で過充電状態で溶出し得る金属材料Mにより被覆したことによるものと考えられる。
また、例1の電池と例2の電池との比較から解るように、Al箔の被覆の形態を微粒子膜からスパッタ膜へと変えることにより、より低い過充電状態において高い内圧を得られることが示された。また、この場合、被覆膜の膜厚を大幅に薄くできることもわかった。
さらに、例1の電池と例3および4の電池との比較から、被覆する金属種はGe以外に例えばSnやSi等を用いることができること、さらに被覆膜の膜厚は短絡しない程度の厚み(例3,4)があれば例1と同等の効果が得られること、が確認できた。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極
20 正極集電体
22 基材
24 金属材料M
30 正極活物質層

Claims (1)

  1. 正極と負極と非水電解液とが電池ケース内に収容された非水電解液二次電池であって、
    前記正極は、表面の少なくとも一部を金属材料Mにより被覆された正極集電体と、正極活物質を含み前記正極集電体上に備えられる正極活物質層とを含み、
    前記非水電解液は、電荷担体としてのリチウムイオンと、前記正極の電位が所定の過充電領域において分解されてガスを発生させる過充電添加剤とを含み、
    前記電池ケースは、当該電池ケースの内圧が所定の圧力に達した際に作動する電流遮断機構を備え、
    前記金属材料Mは、前記正極電位が前記所定の過充電領域において溶解し、かつ、前記リチウムイオンと合金を形成し得る、非水電解液二次電池。
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