JP2015141636A - 携帯機器、携帯機器のタッチ位置検出方法およびプログラム - Google Patents

携帯機器、携帯機器のタッチ位置検出方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザが意図するタッチ位置を適正に検出することが可能な携帯機器、携帯機器のタッチ位置検出方法およびプログラムを提供する。【解決手段】携帯電話機1は、携帯電話機1を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する持ち手判定部11aと、タッチ検出部14により検出されたタッチ領域および持ち手判定部11aにより判定された持ち手に基づいて、ディスプレイ3に対するタッチ位置を検出するタッチ位置検出部11bと、を備える。タッチ位置検出部11bは、持ち手の親指側から離れたタッチ領域の境界付近の位置をタッチ位置として検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末、携帯音楽プレーヤ、ポータブルテレビ、ポータブルナビゲーションシステム等の携帯機器に関し、特に、タッチパネルを有する携帯機器に関する。さらに、本発明は、かかる携帯機器に用いることが可能なタッチ位置検出方法およびプログラムに関する。
従来、筐体の正面にディスプレイが配置された携帯電話機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。かかる携帯電話機では、たとえば、略長方形の輪郭を有する筺体の正面に、筺体より僅かに小さい略長方形のディスプレイが配置される。さらに、このディスプレイに重なるようにタッチパネルが配置され、ディスプレイに対するユーザのタッチ操作に基づいて、各種アプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と称する。)が実行される。
特開2012−203895号公報
上記構成の携帯電話機では、携帯電話機を左右何れか一方の手で把持した状態で、ディスプレイに対するタッチ操作が行われる。この場合、ユーザは、持ち手の親指を使ってタッチ操作を行うことがある。その一方、携帯電話機のディスプレイは大型化の傾向にある。このため、上記のように親指でタッチ操作が行われる場合には、親指のつけ根から離れた領域に親指が届きにくく、この領域に対するタッチ操作は、通常、親指を延ばした状態で行われる。しかしながら、このように親指を延ばしてタッチ操作を行うと、ディスプレイに対するタッチ領域が、親指を延ばす方向に長く、且つ、比較的広い範囲に及ぶため、ユーザが意図するタッチ位置を適正に特定する必要がある。
上記課題に鑑み、本発明は、ユーザが意図するタッチ位置を適正に検出することが可能な携帯機器、携帯機器のタッチ位置検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る携帯機器は、筐体と、前記筐体に配置された表示部と、前記表示部に対するタッチを検出するタッチ検出部と、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する持ち手判定部と、前記タッチ検出部により検出された前記表示部に対するタッチ領域および前記持ち手判定部により判定された持ち手に基づいて、前記表示部に対するタッチ位置を検出するタッチ位置検出部と、を備える。そして、前記タッチ位置検出部は、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する。
本態様に係る携帯機器において、前記タッチ位置検出部は、前記持ち手判定部により持ち手が判定できない場合に、前記タッチ領域の中心付近の位置を前記タッチ位置として検出するよう構成され得る。
本態様に係る携帯機器において、前記タッチ位置検出部は、前記表示部の持ち手親指側に設定された基準点から最も離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出するよう構成され得る。
この場合、前記タッチ位置検出部は、前記タッチ検出部により検出される持ち手親指側のタッチ領域の位置に応じて前記基準点の位置を設定するよう構成され得る。
また、本態様に係る携帯機器において、前記タッチ位置検出部は、前記表示部の持ち手親指側の側縁から最も離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出するよう構成され得る。
本態様に係る携帯機器において、前記タッチ位置検出部は、少なくとも前記表示部上側の所定領域に対するタッチについて、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出するよう構成され得る。
本態様に係る携帯機器において、前記持ち手判定部は、前記表示部の右下および左下にそれぞれ設定された判定領域においてタッチが検出されるか否かに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するよう構成され得る。
また、本態様に係る携帯機器において、前記持ち手判定部は、最も大きい前記タッチ領域が前記表示部の右側縁および左側縁の何れにあるかに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するよう構成され得る。
また、本態様に係る携帯機器において、前記持ち手判定部は、前記タッチ領域の数が前記表示部の右側と左側の何れが多いかに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するよう構成され得る。
また、本態様に係る携帯機器において、前記持ち手判定部は、前記タッチ領域の傾きおよび当該タッチ領域の位置に基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するよう構成され得る。
本発明の第2の態様は、表示部上のタッチ位置を検出する携帯機器のタッチ位置検出方法に関する。本態様に係るタッチ位置検出方法は、前記表示部に対するタッチを検出するステップと、前記携帯機器を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するステップと、前記表示部に対するタッチ領域および前記持ち手に基づいて、前記表示部に対するタッチ位置を検出するステップと、含む。ここで、前記タッチ位置を検出するステップは、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する。
本発明の第3の態様に係るプログラムは、表示部に対するタッチを検出するタッチ検出部を備えた携帯機器のコンピュータに、前記携帯機器を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する機能と、前記表示部に対するタッチ領域および前記持ち手に基づいて、前記表示部に対するタッチ位置を検出する機能と、を付与する。ここで、前記タッチ位置を検出する機能は、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する。
本発明によれば、ユーザが意図するタッチ位置を適正に検出することが可能な携帯機器、携帯機器のタッチ位置検出方法およびプログラムを提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
実施の形態に係る、携帯電話機の構成を示す図である。 実施の形態に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る、ディスプレイに表示される画面と、携帯電話機の持ち方の一例を示す図である。 実施の形態に係る、携帯電話機が右手で持たれたときと左手で持たれたときのディスプレイ上におけるタッチ領域の一例を模式的に示す図である。 実施の形態に係る、携帯電話機が左右何れの手で持たれたかを判定する持ち手判定処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る、ディスプレイに対して持ち手親指でタッチ操作が行われたときのタッチ領域の一例を示す図である。 実施の形態に係る、タッチ位置の検出方法を説明するための図である。 実施の形態に係る、ディスプレイに対して持ち手親指でタッチ操作が行われたときのタッチ領域と各タッチ領域に対するタッチ位置を模式的に示す図である。 実施の形態に係る、タッチ位置の検出処理を示すフローチャートである。 変更例1に係る、遠方領域の設定例を示す図である。 変更例1に係る、タッチ位置の検出処理を示すフローチャートである。 変更例2に係る、基準点の変更方法を説明する図である。 変更例3に係る、タッチ位置の検出処理を示すフローチャートである。 変更例4に係る、タッチ位置の検出方法を説明する図である。 変更例4に係る、タッチ位置の検出方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、それぞれ、携帯電話機1の正面図、背面図および右側面図である。以下、説明の便宜上、図1(a)〜(c)に示すように、キャビネット(筐体)2の長手方向を上下方向と定義し、キャビネット2の短手方向を左右方向と定義する。
図1に示されるように、携帯電話機1は、キャビネット2と、ディスプレイ3と、タッチパネル4と、マイクロフォン5と、通話スピーカ6と、外部スピーカ7と、カメラ8とを備えている。
キャビネット2は、正面から見て、ほぼ長方形の輪郭を有する。キャビネット2の正面に、表示領域Rが外部に臨むようにディスプレイ3が配されている。ディスプレイ3には、その表示領域Rに各種の画像(画面)が表示される。ディスプレイ3は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ3は、有機ELディスプレイ等、他の種類のディスプレイであってもよい。さらに、ディスプレイ3を覆うように、タッチパネル4が配置されている。タッチパネル4は、透明なシート状に形成されている。タッチパネル4として、静電容量式、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等、各種方式のタッチパネルが用いられ得る。
キャビネット2の内部には、下端部にマイクロフォン5が配されている。また、キャビネット2の内部には、上端部に通話スピーカ6が配されている。マイクロフォン5は、キャビネット2の正面に形成されたマイク孔5aを通過した音声を受け付ける。マイクロフォン5は、入力された音に応じた電気信号を生成する。通話スピーカ6は、音を出力する。出力された音は、キャビネット2の正面に形成された出力孔6aを通過してキャビネット2の外に放出される。通話の際には、通信先の機器(携帯電話機等)から受信された受話音声が通話スピーカ6から出力され、ユーザが発した発話音声がマイクロフォン5に入力される。なお、音は、音声、報知音等、様々な音を含む。
キャビネット2の内部には、外部スピーカ7が配されている。キャビネット2の背面には、外部スピーカ7と対向する領域に出力孔7aが形成されている。外部スピーカ7から出力された音は、出力孔7aを通過してキャビネット2の外に放出される。
キャビネット2の上部には、背面側にカメラ8が配されている。カメラ8は、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子を含み、被写体を撮影する。
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、携帯電話機1は、制御部11と、記憶部12と、画像出力部13と、タッチ検出部14と、音声入力部15と、音声出力部16と、音声処理部17と、キー入力部18と、通信部19と、撮影部20とを備えている。
記憶部12は、ROM、RAM、外部メモリを含む。記憶部12には、各種のプログラムが記憶されている。記憶部12に記憶されるプログラムは、携帯電話機1の各部を制御するための制御プログラムの他、各種アプリケーション(たとえば、ホーム、電話、電子メール、ウェブブラウザ、地図、ゲーム、スケジュール管理、等)を含む。さらに、記憶部12に記憶されるプログラムは、後述する、持ち手の判定処理およびタッチ位置の検出処理を実行するためのプログラムを含む。これらのプログラムは、メーカによって携帯電話機1の製造時に記憶部12に記憶される他、ユーザによって通信網やメモリカード、CD−ROM等の記憶媒体を介して記憶部12に記憶される。
記憶部12には、プログラムの実行の際、一時的に利用または生成されるデータを記憶するワーキング領域も含まれる。
制御部11は、CPUを含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムに従って、携帯電話機1を構成する各部(記憶部12、画像出力部13、タッチ検出部14、音声入力部15、音声出力部16、音声処理部17、キー入力部18、通信部19、撮影部20等)を制御する。制御部11は、記憶部12に記憶された上述の持ち手判定処理およびタッチ位置検出処理を実行するためのプログラムにより、持ち手判定部11aおよびタッチ位置検出部11bとしての機能が付与される。
画像出力部13は、図1に示すディスプレイ3を含む。画像出力部13は、制御部11からの制御信号と画像信号とに基づき、ディスプレイ3に画像(画面)を表示する。
タッチ検出部14は、図1に示すタッチパネル4を含む。タッチ検出部14は、図1に示すディスプレイ3へのユーザによるタッチ操作を、タッチパネル4により検出する。すなわち、タッチ検出部14は、ユーザがディスプレイ3に触れた場合に、タッチパネル4を用いて、ユーザが触れた領域(以下、「タッチ領域」と称する)を検出する。タッチ検出部14は、検出したタッチ領域を示す信号を制御部11へ出力する。図1(a)に示すように、ディスプレイ3の表示領域R上には、たとえば、ディスプレイ3の左上の角を原点とし、左右方向をX軸、上下方向をY軸とする直交座標系が設定されている。ディスプレイ3に指がタッチされると、タッチパネル4は、ディスプレイ3におけるタッチ領域を示す座標値を制御部11に出力する。
音声入力部15は、マイクロフォン5を含む。音声入力部15は、マイクロフォン5からの電気信号を音声処理部17へ出力する。
音声出力部16は、通話スピーカ6および外部スピーカ7を含む。音声出力部16には、音声処理部17からの電気信号が入力される。音声出力部16は、通話スピーカ6または外部スピーカ7から音を出力させる。
音声処理部17は、音声入力部15からの電気信号にA/D変換等を施し、変換後のデジタルの音声信号を制御部11へ出力する。音声処理部17は、制御部11からのデジタルの音声信号にデコード処理およびD/A変換等を施し、変換後の電気信号を音声出力部16に出力する。
キー入力部18は、少なくとも1つ以上のハードキーを含む。たとえば、キー入力部18は、携帯電話機1に電源を投入するための電源キーなどを含む。キー入力部18は、携帯電話機1に配された各種ハードキー(図示せず)のうち、少なくとも一つのキーが押下されたときに、押下されたハードキーに対応する信号を制御部11に出力する。
通信部19は、通話や通信を行うため、信号を変換するための回路、電波を送受信するアンテナ等を備える。通信部19は、制御部11から入力される通話や通信のための信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。さらに、通信部19は、アンテナを介して受信した無線信号を制御部11が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号を制御部11へ出力する。
撮影部20は、図1(b)に示すカメラ8を含む。撮影部20は、カメラ8により撮影された画像の画像データに各種の画像処理を施し、画像処理後の画像データを制御部11に出力する。
図3(a)は、ディスプレイ3に表示される画面を説明するための図である。
図3(a)に示すように、ディスプレイ3に表示される画面は、ピクト領域RP、ウィンドウ領域RWおよびキー領域RKにより構成される。ピクト領域RPには、通知バー101が表示される。通知バー101は、現在時刻101a、電波の強度を示す強度メータ101b、バッテリー残量を示す残量メータ101c等を含む。さらに、通知バー101は、現在時刻101a、強度メータ101b、残量メータ101c以外のユーザに知らされるべきその他の通知情報に対応する通知アイコン101dを含む。その他の通知情報として、たとえば、電話の不在着信に係る情報(電話番号、発信者名等)、電子メールの新規着信に係る情報(メールアドレス、送信者名等)、アラーム報知の時刻が経過した旨の情報、スケジュールの予定時刻が経過した旨の情報、携帯電話機1の更新に関する情報、携帯電話機1に外部メモリが接続された旨の情報などが挙げられる。ユーザは、通知バー101を確認することにより、通知情報を大凡確認することができる。
キー領域RKには、操作キー群102が表示される。操作キー群102は、設定キー102a、ホームキー102b、およびバックキー102cから構成されている。設定キー102aは、主に、各種設定を行う設定画面をディスプレイ3に表示させるためのキーである。ホームキー102bは、主に、ディスプレイ3の表示を他の画面からホーム画面に移行させるためのキーである。バックキー102cは、主に、実行された処理を1ステップ前の処理に戻すためのキーである。
ウィンドウ領域RWには、アプリケーションが実行されたときの動作画面が表示される。たとえば、ホームのアプリケーションが実行された場合、ウィンドウ領域RWには、ホーム画面が表示される。ホーム画面には、電話、電子メールなど、各種のアプリケーションをディスプレイ3上で(フォアグラウンドで)起動するための起動用アイコンが配列される。また、電話のアプリケーションが実行された場合、ウィンドウ領域RWには、ダイヤル画面、着信一覧画面等が表示される。さらに、ウェブブラウザのアプリケーションが実行された場合、ウィンドウ領域RWには、外部のサーバから取得したデータに基づき、ウェブ画面が表示される。
なお、本実施の形態では、ディスプレイ3の右端の領域WRと左端の領域WLが、アイコンやキー等の操作オブジェクトが配置されない領域として確保されている。これは、携帯電話機1が片手で持たれた場合、親指の付け根へと続く掌の部位(母子球)や、中指等の指先がディスプレイ3の領域WR、WLに接触するため、この接触によって不所望に操作オブジェクトが操作されることを防ぐためである。
たとえば、図3(b)に示すように携帯電話機1が右手で持たれると、右手の親指の母子球がディスプレイ3の右下の領域に接触し、また、右手の中指、薬指および小指の指先がディスプレイ3の左側縁の領域に接触する。このため、領域WR、WLにアイコンやキー等の操作オブジェクトが配置されると、これらの部位の接触によって不所望に操作オブジェクトが操作されることが起こり得る。このような不都合を回避するため、本実施の形態では、ディスプレイ3の右端の領域WRと左端の領域WLには、アイコンやキー等の操作オブジェクトが配置されない構成となっている。したがって、ディスプレイ3に対する操作は、領域WR、WLを除いた中央の操作領域RSにおいて行われる。
また、本実施の形態では、図3(a)に示すように、ディスプレイ3の右下の隅と左下の隅に、それぞれ、携帯電話機1を持つ手が右手と左手のどちらであるかを判定するための判定領域DR、DLが設定されている。なお、図3(a)では、判定領域DR、DLが何れも長方形となっているが、判定領域DR、DLの形状はこれに限られるものではなく、正方形や円、楕円等、他の形状であっても良い。また、判定領域DR、DLの幅と長さは適宜調整可能であり、判定領域DR、DLの下端がディスプレイ3の下側縁から離れていても良い。
図4(a)、(b)は、それぞれ、携帯電話機1が右手で持たれたときと左手で持たれたときのディスプレイ上におけるタッチ領域の一例を模式的に示す図である。
携帯電話機1が右手で持たれた場合、図4(a)に示すように、右手親指の母子球が接触したタッチ領域FR1がディスプレイ3の右下に検出され、また、右手の中指、薬指および小指がそれぞれ接触したタッチ領域FR2、FR3、FR4がディスプレイ3の左側縁に検出される。これに対し、携帯電話機1が左手で持たれた場合には、図4(b)に示すように、左手親指の母子球が接触したタッチ領域FL1がディスプレイ3の左下に検出され、また、左手の中指、薬指および小指がそれぞれ接触したタッチ領域FL2、FL3、FL4がディスプレイ3の右側縁に検出される。このように、携帯電話機1が右手で持たれた場合と左手で持たれた場合とでは、検出されるタッチ領域のパターンが異なる。したがって、このパターンの相違に基づいて、携帯電話機1を持つ手が右手であるか左手であるかを判定することができる。
本実施の形態では、持ち手の判定の際に、3つの判定条件が参照される。各判定条件は、以下のとおりである。
<判定条件1>
(1)判定領域DR、DLのうち判定領域DRのみにタッチ ⇒ 右手
(2)判定領域DR、DLのうち判定領域DLのみにタッチ ⇒ 左手
<判定条件2>
(1)最も大きいタッチ領域がディスプレイ3の右側縁にある ⇒ 右手
(2)最も大きいタッチ領域がディスプレイ3の左側縁にある ⇒ 左手
<判定条件3>
(1)タッチ領域の数がディスプレイの左側の方が多い ⇒ 右手
(2)タッチ領域の数がディスプレイの右側の方が多い ⇒ 左手
図4(a)では、右手親指の母子球が接触したタッチ領域FR1が判定領域DRに掛かるため、判定領域DR、DLのうち判定領域DRのみにタッチが検出される。よって、上記判定条件1の(1)が充足され、携帯電話機1の持ち手が右手であると判定される。また、図4(a)では、最大のタッチ領域FR1がディスプレイ3の右側縁にある。よって、上記判定条件2の(1)が充足され、携帯電話機1の持ち手が右手であると判定される。さらに、図4(a)では、右手の中指、薬指および小指がそれぞれ接触した3つのタッチ領域FR2、FR3、FR4がディスプレイ3の左側縁において検出され、ディスプレイ3の右側縁には、右手親指の母子球が接触したタッチ領域FR1のみが検出される。よって、上記判定条件3の(1)が充足され、携帯電話機1の持ち手が右手であると判定される。
図4(b)では、左手親指の母子球が接触したタッチ領域FL1が判定領域DLに掛かるため、判定領域DR、DLのうち判定領域DLのみにタッチが検出される。よって、上記判定条件1の(2)が充足され、携帯電話機1の持ち手が左手であると判定される。また、図4(b)では、最大のタッチ領域FL1がディスプレイ3の左側縁にある。よって、上記判定条件2の(2)が充足され、携帯電話機1の持ち手が左手であると判定される。さらに、図4(b)では、左手の中指、薬指および小指がそれぞれ接触した3つのタッチ領域FL2、FL3、FL4がディスプレイ3の右側縁において検出され、ディスプレイ3の左側縁には、左手親指の母子球が接触したタッチ領域FL1のみが検出される。よって、上記判定条件3の(2)が充足され、携帯電話機1の持ち手が右手であると判定される。
このように、上記判定条件1〜3を用いることにより、携帯電話機1の持ち手が右手であるか左手であるかを判定することができる。本実施の形態では、これら判定条件1〜3の何れかが充足されるかによって、携帯電話機1の持ち手が判定される。
図5は、携帯電話機1が左右何れの手で持たれたかを判定する持ち手判定処理を示すフローチャートである。この処理は、携帯電話機1の起動から所定の時間間隔で繰り返し行われる。また、この処理は、制御部11の持ち手判定部11aによって行われる。
持ち手判定部11aは、タッチ検出部14からの信号に基づいて、判定条件1が充足されるか否かを判別する(S101)。判定条件1の(1)、(2)の何れかが充足されると(S101:YES)、充足結果に基づいて、持ち手フラグが設定される(S104)。即ち、判定条件1の(1)が充足されれば、右手を示す持ち手フラグが設定され、判定条件1の(2)が充足されれば、左手を示す持ち手フラグが設定される。
判定条件1の(1)、(2)の何れも充足されない場合(S101:NO)、持ち手判定部11aは、タッチ検出部14からの信号に基づいて、判定条件2が充足されるか否かを判別し(S102)、判定条件2も充足されなければ(S102:NO)、さらに、判定条件3が充足されるか否かを判別する(S103)。そして、判定条件2、3の何れかが充足されると(S102:YESまたはS103:YES)、充足結果に基づいて、持ち手フラグが設定される(S104)。他方、判定条件2、3の何れかも充足されないと(S102:NO、S103:NO)、持ち手判定部11aは、持ち手フラグをリセットして、当該判定処理における持ち手判定を不能と決定する。
図5のフローチャートでは、判定条件1が充足されれば、他の判定条件を評価することなく持ち手判定が行われる。即ち、判定条件1を最優先条件として持ち手判定が行われる。しかし、判定条件2または3を最優先条件としても良く、あるいは、全ての判定条件を評価し、各判定条件の組合せによって持ち手判定が行われても良い。また、判定条件1〜3の何れか一つのみが持ち手判定に用いられても良く、あるいは、判定条件1〜3の2つの組合せが持ち手判定に用いられても良い。この他、判定条件1〜3以外の判定条件に基づいて持ち手判定が行われても良い。
ただし、片手で携帯電話機1を持つ場合は、持ち手の親指の母子球がディスプレイ3の右下または左下に比較的大きな領域で接触することが多いと想定され得る。このため、判定条件1を最優先条件として持ち手判定を行うことで、判定精度を高めることができ、また、判定条件2を2番順位の判定条件とすることで、判定精度を高めることができると考えられる。
ところで、上記構成の携帯電話機1では、携帯電話機1を左右何れか一方の手で把持した状態で、持ち手の親指を使ってディスプレイ3に対するタッチ操作を行うことが想定される。この場合、携帯電話機1のディスプレイ3が大きいと、親指のつけ根から離れた領域に親指が届きにくく、この領域に対するタッチ操作は、通常、親指を延ばした状態で行われる。しかしながら、このように親指を延ばしてタッチ操作が行われると、ディスプレイ3に対するタッチ領域が、親指を延ばす方向に長く、且つ、比較的広い範囲に及ぶようになる。このため、このようなタッチ領域に基づいて、ユーザが意図するタッチ位置を適正に特定することが必要となる。
図6(a)は、ディスプレイ3に対し、持ち手である右手の親指でタッチ操作が行われたときのタッチ領域の一例を示す図、図6(b)は、ディスプレイ3に対し、持ち手である左手の親指でタッチ操作が行われたときのタッチ領域の一例を示す図である。
図6(a)を参照して、携帯電話機1を右手で持った状態で、右手親指でタッチ操作が行われると、右手親指のタッチ領域FRaは、左側が右側よりも高くなるように傾く。また、この場合、タッチ領域FRaは、親指を延ばす方向に長く、且つ、比較的広い範囲に及ぶ。このような操作では、タッチ領域FRaの中点(たとえば、重心)をディスプレイ3に対するタッチ位置として検出することも可能である。しかしながら、このように親指を大きく延ばしてディスプレイ3にタッチをする場合、通常、ユーザは、親指の先端付近(たとえば、タッチ位置TP)でディスプレイ3をタッチする意図を持って、タッチ操作を行うものと考えられる。このため、タッチ領域FRaの中点をタッチ位置として検出すると、タッチ領域FRaが長軸方向に長いために、検出されたタッチ位置は、ユーザの意図したタッチ位置TPから大きくずれることになってしまう。こうなると、不所望なアイコンやキーが操作されて、ユーザが意図しない動作が実行されることが起こり得る。この問題は、図6(b)のように、携帯電話機1を左手で持ちながら、左手の親指でタッチ操作が行われる場合も同様に起こり得る。
そこで、本実施の形態では、持ち手の親指側から離れたタッチ領域の境界付近の位置がタッチ位置として検出される。
図7(a)、(b)は、本実施の形態におけるタッチ位置の検出方法を説明するための図である。図7(a)は、右手で携帯電話機1が持たれたと判定された場合のタッチ位置の検出方法を示し、図7(b)は、左手で携帯電話機1が持たれたと判定された場合のタッチ位置の検出方法を示す。
図7(a)に示すように、ディスプレイ3の上下方向の中央位置よりもやや下側に基準線BLが仮想される。右手で携帯電話機1が持たれたと判定された場合には、この基準線BL上のディスプレイ3の右端位置に基準点BPが設定される。そして、この基準点BPから最も離れたタッチ領域FRaの境界の位置が、タッチ領域FRaに対するタッチ位置DPとして検出される。
また、図7(b)に示すように、左手で携帯電話機1が持たれたと判定された場合には、上述の基準線BL上のディスプレイ3の左端位置に基準点BPが設定され、この基準点BPから最も離れたタッチ領域FLaの境界の位置が、タッチ領域FLaに対するタッチ位置DPとして検出される。
ここで、基準線BLは、携帯電話機1を片手で持ったときに、持ち手の親指の付け根付近が位置し易い高さに設定されている。持ち手の親指でタッチ操作を行う場合、親指は、親指の付け根を支点として動かされる。このため、上記のように基準線BLが設定されると、基準点BPは、持ち手親指の動作支点付近に位置付けられることとなり、親指のタッチ領域FRaは、基準点BPを中心に回動するようになる。したがって、図7(a)に示すように、親指のタッチ領域FRaの長軸が基準点BPを向くようになり、このため、上記のように基準点BPから最も離れたタッチ領域FRaの境界の位置をタッチ位置DPとして検出すると、タッチ領域FRaの先端付近にタッチ位置DPが設定されることになる。
このように、本実施の形態によるタッチ位置DPの検出手法によれば、タッチ領域FRaの先端付近にタッチ位置DPを設定することができ、ユーザが意図するタッチ位置TPと検出されたタッチ位置DPとを略整合させることができる。
図8(a)、(b)は、ディスプレイ3に対して持ち手親指でタッチ操作が行われたときのタッチ領域と各タッチ領域に対するタッチ位置を模式的に示す図である。図8(a)は、携帯電話機1が右手で持たれた状態を示し、図8(b)は、携帯電話機1が左手で持たれた状態を示す。
図8(a)を参照して、携帯電話機1が右手で持たれた場合、基準点BPとは反対側のタッチ領域FRaの端縁付近に、タッチ位置DPが検出される。図8(b)を参照して、携帯電話機1が左手で持たれた場合、基準点BPとは反対側のタッチ領域FRaの端縁付近に、タッチ位置DPが検出される。このように、本実施の形態では、タッチ領域FRaの位置に拘わらず、基準点BPとは反対側のタッチ領域FRaの端縁付近に、タッチ位置DPが検出される。
図9は、タッチ位置の検出処理を示すフローチャートである。この処理は、図5に示す持ち手判定処理と並行して行われる。また、この処理は、携帯電話機1の起動から所定の時間間隔で繰り返し行われる。なお、この処理は、制御部11のタッチ位置検出部11bによって行われる。
タッチ位置検出部11bは、タッチ検出部14からの信号に基づき、ディスプレイ3の操作領域RSに対するタッチが検出されたか否かを判定する(S201)。操作領域RSに対するタッチが検出されると(S201:YES)、タッチ位置検出部11bは、持ち手判定部11aによって、携帯電話機1を持つ手が左右何れかの手であるかが判定されたか否かを判定する(S202)。具体的には、図5のS104により持ち手フラグが設定されているかが判定される。S202の判定がYESであると、タッチ位置検出部11bは、図7を参照して説明した手法により、タッチ領域の、基準点BPとは反対側の端点を、タッチ位置として検出し(S203)、当該処理フローを終了する。
S202の判定がNOであると、タッチ位置検出部11bは、タッチ領域の傾きに基づいて、携帯電話機1の持ち手を判定する(S204)。
図8(a)を参照して、携帯電話機1の持ち手が右手である場合、基準線BLよりも上側にタッチ領域FRaがあると、タッチ領域FRaは左が高くなるように傾き易く、基準線BLよりも下側にタッチ領域FRaがあると、タッチ領域FRaは右が高くなるように傾き易い。これに対し、携帯電話機1の持ち手が左手である場合には、図8(b)に示すように、基準線BLよりも上側にタッチ領域FLaがあると、タッチ領域FLaは右が高くなるように傾き易く、基準線BLよりも下側にタッチ領域FLaがあると、タッチ領域FLaは左が高くなるように傾き易い。このように、タッチ領域の傾きは、携帯電話機1が右手で持たれている場合と左手で持たれている場合とで、互いに逆方向となる。よって、タッチ領域の位置と傾き方向によって、携帯電話機1の持ち手を判定することができる。なお、タッチ領域の位置は、たとえば、タッチ領域の中点(たとえば重心)とされる。
図9のS204では、この手法により、携帯電話機1の持ち手が判定される。ただし、この判定手法では、タッチ領域の輪郭が略真円であってタッチ領域に傾きが無い場合や、図8(a)、(b)に示すように、タッチ領域FRa、FLaが基準線BL付近にあるためタッチ領域FRa、FLaに略傾きがないような場合には、携帯電話機1の持ち手を判定できない。このような場合、S204における判定は、不能となる。なお、S204の処理は、持ち手判定部11aの処理とされても良い。本実施の形態では、持ち手判定部11aの機能(S204)が、タッチ位置検出部11bの機能に含められている。
タッチ位置検出部11bは、S204の処理により、携帯電話機1の持ち手を判定できたか否かを判定する(S205)。携帯電話機1の持ち手を判定できた場合(S205:YES)、タッチ位置検出部11bは、S203の処理を実行し、タッチ領域の、基準点BPとは反対側の端点を、タッチ位置として検出する(S203)。他方、携帯電話機1の持ち手を判定できなかった場合、タッチ位置検出部11bは、タッチ領域の中点(たとえば重心)をタッチ位置として検出する(S205)。
なお、上記では、S205の処理において、図8(a)、(b)に示すように、タッチ領域FRa、FLaが基準線BL付近にあるためタッチ領域FRa、FLaに略傾きがないような場合には、携帯電話機1の持ち手判定が不能とされた。しかしながら、この場合、図8(a)、(b)からも分かるとおり、持ち手が右手であればタッチ領域FRaは中央よりも左側に偏り、持ち手が左手であればタッチ領域FLaは中央よりも右側に偏る傾向がある。S205の処理では、上記手法に加えて、タッチ領域の左右方向の偏り具合に基づいて携帯電話機1の持ち手を判定するようにしても良い。
以上、本実施の形態によれば、持ち手の親指側から離れたタッチ領域の境界付近の位置がタッチ位置として検出されるため、検出されるタッチ位置を、ユーザが意図したタッチ位置付近に設定することができる。このため、不所望なアイコンやキーが操作されて、ユーザが意図しない動作が実行されることを回避でき、携帯電話機1の利便性を高めることができる。
特に、本実施の形態によれば、持ち手親指側に設定された基準点BPから最も離れたタッチ領域の境界付近の位置がタッチ位置として検出されるため、タッチ領域の、持ち手親指と反対側の端点付近にタッチ位置を設定できる。このため、検出されるタッチ位置を、ユーザが意図したタッチ位置に略整合させることができる。
また、本実施の形態によれば、携帯電話機1の持ち手が判定できない場合にも、タッチ領域の中点がタッチ位置として検出されるため、ディスクプレイ3に対する操作入力を円滑に進めることができる。
また、本実施の形態によれば、判定条件1〜3に基づいて携帯電話機1の持ち手が判定されるため、持ち手判定の精度を高めることができる。特に、ユーザが変わっても同様の傾向となり易い判定条件1、2が、判定の際に優先的に参照されるよう、持ち手判定の処理フロー(図5参照)が構成されているため、持ち手判定の精度を高めることができる。また、判定条件1〜3では判定不能な場合にも、タッチ領域の位置および傾きによってさらに持ち手判定がなされるため、持ち手判定の精度をさらに高めることができる。そして、このように精度が高い持ち手判定に基づいて、タッチ位置の検出がなされるため、タッチ位置の検出精度を高めることができる。
なお、携帯電話機1が一方の手で持たれた状態で、他方の手の指でディスプレイ3にタッチする使用形態も想定され得る。本実施の形態では、このような使用形態においても、上記の持ち手判定処理とタッチ位置検出処理が実行される。このような使用形態では、タッチ領域の端部よりもむしろ中点の方が、ユーザが意図するタッチ位置に近いものと想定され得る。しかしながら、この使用形態では、通常、タッチ領域が比較的小さくなるため、上記実施の形態のように、基準点BPと反対側のタッチ領域の端部をタッチ位置として検出したとしても、検出されたタッチ位置とユーザが意図するタッチ位置とが大きくずれることは無い。よって、本実施の形態によれば、このような使用形態においても、円滑なタッチ操作を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
<変更例1>
上記実施の形態では、操作領域RSの全領域に対する操作について、図9によるタッチ位置検出処理が適用された。しかしながら、タッチ領域が長細くなるのは、通常、持ち手親指が届きにくい、ディスプレイ3の上側領域で起こるため、少なくとも持ち手親指が届きにくい遠方領域へのタッチについて、図9によるタッチ位置の検出処理が適用されれば良いとも考えられる。
図10(a)は、遠方領域RFの設定例を示す図である。この例では、操作領域RSの上縁から所定範囲が遠方領域RFに設定されている。
図11は、本変更例に係るタッチ値検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートでは、図9のフローチャートに対し、S211が追加されている。
タッチ位置検出部11bは、遠方領域RFに対するタッチを検出すると、タッチ領域の中点(たとえば重心)が遠方領域RF内に含まれるか否かを判定する(S211)。S211の判定がYESの場合、タッチ位置検出部11bは、S202以降の処理を実行し、S211の判定がNOの場合、タッチ位置検出部11bは、処理をS206に進めて、タッチ領域の中点をタッチ位置として検出する。
本変更例によれば、持ち手親指が届き易い領域については、S206により、タッチ領域の中点がタッチ位置として検出される。持ち手親指が届き易い領域では、親指を曲げてディスプレイにタッチがなされるため、タッチ領域は小さく、また、ユーザが意図するタッチ位置は、タッチ領域の先端よりもタッチ領域の中点に近づき易いとも想定され得る。よって、本変更例のように、持ち手親指が届き易い領域についてはタッチ領域の中点をタッチ位置として検出することにより、当該領域に対するタッチについて、ユーザが意図するタッチ位置に、検出されたタッチ位置を近づけ得ることが期待され得る。また、この場合も、持ち手親指が届きにくい遠方領域RFへのタッチについては、上記実施の形態と同様、タッチ領域の先端付近がタッチ位置として検出されるため、当該遠方領域に対するタッチについて、ユーザが意図するタッチ位置に、検出されたタッチ位置を略整合させることができる。
なお、持ち手親指が届き易い領域に対するタッチについては、通常、タッチ領域が小さいので、上記実施の形態のように、タッチ領域の先端付近がタッチ位置として検出されたとしても、検出されたタッチ位置が、ユーザが意図するタッチ位置から大きく離れることはない。よって、上記実施の形態のようにタッチ領域の先端付近をタッチ位置として検出する場合にも、タッチ操作を円滑に進めることができる。
また、遠方領域RFの範囲は、図10(a)の例に限定されるものではなく、検出精度を考慮しながら適宜変更可能である。たとえば、図10(b)のように、基準線BL付近まで遠方領域RFを延ばしても良く、右手持ちの場合と左手持ちの場合とで遠方領域RFを切り替えても良い。たとえば、右手持ちの場合には、操作領域RSの左上コーナー付近に遠方領域RFを設定し、左手持ちの場合には、操作領域RSの右上コーナー付近に遠方領域RFを設定しても良い。
さらには、タッチ領域が遠方領域RFから外れると直ちにタッチ位置の検出がS206の中点検出に切り替わるのではなく、タッチ領域が遠方領域RFから外れても遠方領域RFに接近していれば、タッチ領域の基準点BPと反対側の端部からやや中点よりの位置にタッチ位置を設定し、タッチ領域が遠方領域RFから離れるに従ってタッチ位置を中点に徐々に近づけるようにしても良い。こうすると、タッチ領域が遠方領域RFから外れると直ちにタッチ位置の検出がS206の中点検出に切り替わる場合に比べて、操作入力の違和感を抑制することができる。
<変更例2>
上記実施の形態では、予め基準点BPが設定され、持ち手の状態に応じて基準点BPが変更されることはなかった。しかし、携帯電話機1を持つ位置は、使用状況やユーザの特性に応じて上下方向に変わり得ることが想定され得る。この点を考慮して、本変更例では、携帯電話機1を持つ位置に応じて基準点BPが変更される。
図12(a)、(b)は、基準点BPの変更方法を説明する図である。
本変更例では、持ち手親指の母子球が触れるタッチ領域の上端から所定距離だけ上の位置に、基準点BPが設定される。たとえば、図12(a)のように携帯電話機1が右手で持たれた場合、基準点BPは、右手親指の母子球が触れるタッチ領域FR1の上端から所定距離だけ上の位置に設定される。また、図12(b)のように、図12(a)の状態よりも上の位置において携帯電話機1が持たれた場合、基準点BPは、持つ位置の変更に伴って、上側にシフトされる。この場合も、基準点BPは、右手親指の母子球が触れるタッチ領域RF1の上端から所定距離だけ上の位置に設定される。
ここで、基準点BPは、タッチ領域FR1の上端から予め決められた距離だけ上の位置に設定される方法の他にも、以下の方法により設定され得る。たとえば、ディスプレイ3を上下方向に2分割するラインを「ハーフライン」とし、このハーフラインとディスプレイ3の持ち手親指側の側縁との交点を「ハーフポイント」とすると、基準点BPは、ハーフポイントとタッチ領域RF1の上端との間隔を2分割する点よりもタッチ領域RF1の上端側に設定される。あるいは、タッチ領域RF1の上端位置に基準点BPが設定されても良い。
なお、本変更例において、持ち手親指の母子球が触れるタッチ領域が検出されない場合には、予め決められたデフォルトの位置に基準点BPが設定される。また、上記の説明では、持ち手の位置に応じてリニアに基準点BPの位置が変更されたが、基準点BPの変更は必ずしもリニアになされなくても良く、持ち手の位置に応じてステップ状に変更されても良い。
本変更例によれば、携帯電話機1を持つ位置が変わると、それに応じて、基準点BPの位置が変更されるため、持つ位置に拘わらず基準点BPを持ち手親指の付け根付近に設定することができる。よって、携帯電話機1がどのように持たれても、タッチ位置を、タッチ領域の基準点BPの反対側の端部付近に設定することができる。
<変更例3>
上記実施の形態では、携帯電話機1の持ち手が、図5による判定処理(判定条件1〜3)と、図9のS204の処理によって判定された。しかしながら、持ち手の判定手法はこれに限られるものではなく、たとえば、図5による判定処理(判定条件1〜3)と、図9のS204の処理の何れか一方がなされても良い。
図13(a)は、図5による判定処理(判定条件1〜3)が省略される場合のタッチ位置検出処理を示すフローチャートである。ここでは、図9のS202の位置にS204とS205が挿入されている。なお、この変更例では、図5に示す持ち手判定処理は実行されない。この変更例では、上記実施の形態に比べて、携帯電話機1の持ち手の判定精度が低下する。よって、上記実施の形態に比べて、タッチ位置の検出精度がやや低下することが想定され得る。
図13(b)は、図9のS204による判定処理が省略される場合のタッチ位置検出処理を示すフローチャートである。この変更例では、上記実施の形態と同様、図5に示す持ち手判定処理が実行される。この場合、上記実施の形態に比べて携帯電話機1の持ち手の判定精度がやや低下すると想定される。よって、上記実施の形態のように、S204による判定処理を追加するのが望ましいと思われる。
なお、持ち手判定処理としてどの処理を有効にするかを、ユーザが適宜選択および設定できるようにしても良い。この場合、たとえば図9のS204による判定処理のみが有効と設定された場合には、図3(a)に示す領域WR、WLを省略し、これらの領域WR、WLにもアイコン等を配置して、操作入力が可能とされても良い。こうすると、アイコン等の配置領域を広げることができ、ディスプレイ3上により多くのオブジェクトを表示することができる。
<変更例4>
上記実施の形態では、たとえば図14(a)に示すように、タッチ領域の、基準点BPから最も離れた境界位置に、タッチ位置DPが設定されたが、タッチ位置の設定方法は、これに限られるものではない。たとえば、図14(b)に示すように、タッチ領域の、基準点BPから最も離れた境界位置から基準点BPに近づく方向にやや戻った位置に、タッチ位置DPが設定されても良い。あるいは、図14(c)に示すように、タッチ領域の、基準点から最も離れた境界位置から基準点BPから離れる方向にやや進んだ位置に、タッチ位置DPが設定されても良い。タッチ位置は、タッチ領域の、基準点BPに対して反対側の端部付近に設定されれば良い。
<変更例5>
上記実施の形態では、基準点BPに基づいてタッチ位置が設定されたが、タッチ位置の設定方法は、必ずしもこれに限られるものではない。たとえば、図15(a)、(b)に示すように、持ち手親指側のディスプレイ3の側縁BEから最も離れたタッチ領域の境界位置に、タッチ位置DPが設定されても良い。この手法によれば、上記実施の形態に比べて、検出されたタッチ位置が、ユーザが意図するタッチ位置からややずれることが想定され得る。しかし、図15(a)、(b)に示すように、この手法によっても、タッチ位置は、タッチ領域の、基準点BPに対して反対側の端部付近に設定されるため、ユーザが意図するタッチ位置と検出されたタッチ位置とを互いに近接させることができる。
<その他の変更例>
本発明は、携帯電話機に限られず、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末、携帯音楽プレーヤ、ポータブルテレビ、ポータブルナビゲーションシステム等の各種の携帯機器に適用可能である。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
2 キャビネット
3 ディスプレイ
4 タッチパネル
11 制御部
11a 持ち手判定部
11b タッチ位置検出部
14 タッチ検出部
DR 判定領域
DL 判定領域
RS 操作領域
RF 遠方領域

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体に配置された表示部と、
    前記表示部に対するタッチ領域を検出するタッチ検出部と、
    前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する持ち手判定部と、
    前記タッチ検出部により検出されたタッチ領域および前記持ち手判定部により判定された持ち手に基づいて、前記表示部に対するタッチ位置を検出するタッチ位置検出部と、を備え、
    前記タッチ位置検出部は、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  2. 請求項1に記載の携帯機器において、
    前記タッチ位置検出部は、前記持ち手判定部により持ち手が判定できない場合に、前記タッチ領域の中心付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  3. 請求項1または2に記載の携帯機器において、
    前記タッチ位置検出部は、前記表示部の持ち手親指側に設定された基準点から最も離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  4. 請求項3に記載の携帯機器において、
    前記タッチ位置検出部は、前記タッチ検出部により検出される持ち手親指側のタッチ領域の位置に応じて前記基準点の位置を設定する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  5. 請求項1または2に記載の携帯機器において、
    前記タッチ位置検出部は、前記表示部の持ち手親指側の側縁から最も離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の携帯機器において、
    前記タッチ位置検出部は、少なくとも前記表示部上側の所定領域に対するタッチについて、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  7. 請求項1ないし6の何れか一項に記載の携帯機器において、
    前記持ち手判定部は、前記表示部の右下および左下にそれぞれ設定された判定領域においてタッチが検出されるか否かに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載の携帯機器において、
    前記持ち手判定部は、最も大きい前記タッチ領域が前記表示部の右側縁および左側縁の何れにあるかに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の携帯機器において、
    前記持ち手判定部は、前記タッチ領域の数が前記表示部の右側と左側の何れが多いかに基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  10. 請求項1ないし9の何れか一項に記載の携帯機器において、
    前記持ち手判定部は、前記タッチ領域の傾きおよび当該タッチ領域の位置に基づいて、前記筐体を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する、
    ことを特徴とする携帯機器。
  11. 表示部上のタッチ位置を検出する携帯機器のタッチ位置検出方法であって、
    前記表示部に対するタッチを検出するステップと、
    前記携帯機器を持つ手が右手であるか左手であるかを判定するステップと、
    前記表示部に対するタッチ領域および前記持ち手に基づいて、前記表示面に対するタッチ位置を検出するステップと、含み、
    前記タッチ位置を検出するステップは、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とするタッチ位置検出方法。
  12. 表示部に対するタッチを検出するタッチ検出部を備えた携帯機器のコンピュータに、
    前記携帯機器を持つ手が右手であるか左手であるかを判定する機能と、
    前記表示部に対するタッチ領域および前記持ち手に基づいて、前記表示部に対するタッチ位置を検出する機能と、を付与し、
    前記タッチ位置を検出する機能は、前記持ち手の親指側から離れた前記タッチ領域の境界付近の位置を前記タッチ位置として検出する、
    ことを特徴とするプログラム。
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