JP2015141112A - 環境試験装置、並びに、降雪用噴霧ノズル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気温が氷点下の試験室2の天井6に固定されたノズル本体17の周囲に筒状の室内側外装部材27を配置し、室内側外装部材27によって形成された空気流路43内に、ノズル本体17から噴射される水よりも高温の空気を低速で流通させる。これにより、ノズル本体17に着氷するのを防止すると共に、試験室2内の空気をかき乱すことなく、空気流路43内を流通する空気を試験室2内に流入させることができる。
【選択図】図4
Description
人工気候室の一つに、人工的に積雪環境を作り出すものがある。この種の人工気候室は、例えば家屋の屋根材や車両等を試験室内に配置し、その上に疑似雪を積もらせることができる。
試験に要するコストを比較すると、後者の水を噴霧して氷結させる方法が有利である。そのため擬似的に降雪させる環境試験装置は、天井に噴霧ノズルを設けた構造であって、、試験室を氷点下の温度に保ち、ノズルから水を噴霧する構造のものが多い。噴霧された水は、試験室を浮遊中に氷結し、擬似雪が生成され、落下して積雪する。
即ちノズルから噴霧される水は、液体状態でなければならない。しかしながらノズルは、氷点下の環境に水を噴霧するものであるから、低温の空気に晒されることとなり、ノズル内の水が凍結してノズルが詰まったり、ノズルから噴霧した水がノズルそのものに凍結したりして、噴霧に支障が生じることがある。
即ちノズルの凍結を防止するためにノズルの側部にヒータを巻き付ける。そしてヒータから発生する熱が試験室の環境に影響を及ぼすことを避けるため、ヒータの周囲を保温材で覆う。
ノズルの側部にヒータを巻き付ける場合には、前記した様に試験室の環境を乱すことを防ぐ必要から断熱材が必須である。そのため、ノズルはヒータと断熱材によって覆われた状態となる。
またノズルから水が勢い良く噴霧されている場合には噴霧開口が凍結することは少ないが、噴霧を停止したり中断した際にノズルから垂れた水が凍結したり、ノズルに残った水が凍結する場合がある。そしてこの氷塊が成長し、ノズルの噴霧開口を塞いでしまうことがある。
即ち試験条件によっては、間欠的に降雪させる場合があり、試験中にノズルからの噴霧を中断する場合がある。この様な場合には、中断中にノズルから水が垂れ下がり、つららができてしまうことがある。
ここで長時間に渡って連続的に試験を行っている際に、ノズルの目詰まりが生じた場合、目詰まり解消作業は、非常に厄介なものとなる。
また前記した様に、ノズルはヒータと断熱材によって覆われているから、周囲の断熱材を外し、さらにヒータを外した上でノズルのメンテナンスを実施しなければならない。そのためノズルのメンテナンスは、細かい手作業を強いられ、面倒な作業である。
即ち人工的に降雪を行わしめるためには、噴霧された水が、落下中に氷結して擬似雪が形成されなければならない。そのため試験室は、相当の落下しろを確保する必要があり、現実の試験室の天井は、床面から4〜5メートルの高さがある。前述のノズルのメンテナンス作業は、この様な高所で実施しなければならず、危険を伴う。
また、試験室内に降雪させる際には、ノズル本体から水を噴霧すると共に、前記空気流路に空気を低速で通過させて空気流路内の空気を置換するので、ノズル本体の周囲の空気が入れ替わっている。
そして通過させる空気の温度が噴霧される水の温度よりも高いので、降雪用噴霧ノズルの水の噴射部位が凍結しにくい。
なお通過させる空気の露点を試験室内の空気の露点よりも低くすれば、通過する空気は絶対湿度が低く、結露しにくい。そのためノズル本体に着氷しにくい。
「露点は試験室内の空気の露点よりも低い(空気)」という要件は、乾燥空気や窒素等であることを要しない。
通常のコンプレッサで圧縮された空気は、大気中の水蒸気がある程度凝縮してドレン水となって排除されているから、「露点は試験室内の空気の露点よりも低い」ことが多い。そのためこの様な場合にはコンプレッサで圧縮された空気を減圧して使用することが可能である。ただし試験室内の空気の絶対湿度が低い場合には、除湿装置を通過させた空気や窒素を使用し、この空気(窒素)を空気流路に供給する必要がある。
空気流路を通過する空気の流速は、外装部材から空気が冷やされて空気流路内の温度がマイナス温度にならない程度に空気流路内の空気を置換し得る速度であり、低いほうが望ましい。
本発明は、空気流路を流れる空気の流速について、基準の一つを示すものである。本発明では、降雪用噴霧ノズルの空気流路から試験室内に導入される空気の流速は、少なくとも送風機の空気吐出口の流速よりも遅いので、降雪用噴霧ノズルから噴霧された水滴の拡散を阻害しにくい。そのため、降雪用噴霧ノズルから噴霧された水滴は、試験室内で氷結して擬似雪となり、直下に落下し易い。よって、本発明によると、試験室内に均等に積雪させることができる。
また、ノズル本体は、水を噴霧する噴霧開口を有し、この噴霧開口から水を噴霧することができる。前記噴霧開口の位置は、外装部材の実質的な開口端の位置またはこれよりも内側の位置にあるので、噴霧開口が、空気流路内を通過する空気で包まれ易い。この空気流路内を通過する空気は、ノズルから噴霧される水よりも温度が高いので、噴霧開口の温度低下を阻止することができる。そのため、ノズルの噴霧開口が氷結するのを防止することができる。
またノズル本体は、水を所定の拡散角度をもって噴霧するものであり、外装部材の開口端の位置は拡散された水が当たらない場所にあるので、拡散された水の進路が変更されず、試験室内に円滑に導入される。
請求項5に記載の発明では、少なくともノズル本体は、直接的にあるいは他の部材を介し、試験室の外側から一時締結要素によって試験室に固定されており、一時締結要素を取り外すことによって少なくともノズル本体を試験室の外側に抜き出すことが可能であるので、試験室の外側からノズル本体を容易に着脱することができる。
よって、ノズル本体のメンテナンスを容易に実施することができる。
また降雪現象を発生させる際には、ノズル本体から水を噴霧すると共に、前記空気流路に、噴霧される水の温度よりも温度が高く外気の露点よりも低い露点の空気を低速で通過させて空気流路内の空気を置換するので、ノズル本体から噴霧された水の移動を妨げることがなく、噴霧された水が良好に氷結して落下し、均等に蓄積される。
さらに、ノズル本体の凍結を防止することが可能であるので、安定的にノズル本体から水を噴霧し続けることができる。
本発明の環境試験装置は、降雪用噴霧ノズルによって噴霧された水を氷結させて擬似雪を生成することができる。また、ノズル本体の周囲の空気流路の空気が、低速で通過するので、ノズル本体から噴射される水の拡散に影響を及ぼしにくく、試験室内に広範囲に渡ってほぼ均等に積雪させることができる。さらに、ノズル本体の周囲の空気流路の空気の露点を試験室内の気体の露点よりも低くすることにより、空気流路を流れる空気に起因する着氷が起こりにくくなる。
本実施形態の環境試験装置1を概念的に表示すると図1の様であり、試験室2(人工気候室)を中心とし、これに空調設備3と、降雪用噴霧ノズル11が設けられ、さらに降雪用噴霧ノズル11に空気を供給する空気供給系統52と、降雪用噴霧ノズル11に水を供給する水供給系統53を有している。
空気吸入口8及び空気供給口9は、側壁5に設けられた孔である。空気供給口9は、実際には、図2に示す様に四方の側壁5の上部の複数箇所に分散させて設けられている。また空気供給口9は、実際には小孔の集合であると言え、各孔から導入される空気の流速は低い。
後記する様に、天井6に設けられたノズル取付け孔10には、降雪用噴霧ノズル11が装着される。
ノズル取付け孔10の周囲には、複数のねじ穴10a(図4)が設けられている。ねじ穴10aは、天井6の上面側に設けられている。ねじ穴10aは、ノズル取付け孔10の周囲に等間隔に設けられている。
空調機12は、試験室2内を所定の温度、湿度に調整する機能を有する装置である。即ち空調機12は、図示しない冷却器、加熱器、除湿器、加湿器を有する。
供給側ダクト13aは、実際には図2に示す様に試験室2の側壁5の上部に沿ってのびる帯状の空間を形成し、この帯状の空間と、各供給口(小孔)9とが連通している。
芯管61は、外郭管60の内部に挿入される部材であり、ノズル本体17と液体供給管18によって構成されている。
また外側を構成する外郭管(外装部材)60は、室外側外装部材26、挿入筒46、室内側外装部材27によって構成されている。
本実施形態で採用するノズル本体17では、供給された水が噴霧開口17aから所定角度範囲(例えば、70〜100度)で噴霧される。
また本実施形態で採用するノズル本体17は、ねじ込み式のノズルであり、ノズル本体17の噴霧開口17aとは反対側の端部にはねじ部17cが設けられている。ねじ部17cは管用ネジである。
先端側ねじ部18aには、前記したノズル本体17が取り付けられている。ノズル本体17は、管用ネジによって液体供給管18に取り付けられているから、所定のレンチを使用することによって、液体供給管18から取り外すことができる。
液体供給管18の基端側ねじ部18b寄りの位置には、外向きのフランジ部29が設けられている。フランジ部29は、液体供給管18の側壁に一体固着されている。フランジ部29には、等間隔に複数の孔29aが設けられている。
この様に芯管61(図4)は、直線状の管体の先端にノズル本体17が管用ネジで固定され、管体の外側にフランジ部29が設けられた構造をしている。
室外側外装部材26は、図5の様に筒状の本体部55を有し、その一端に外向きのフランジ部35が設けられ、他端側には蓋部材37が取り付けられたものである。
本体部55には、分岐管45が設けられている。分岐管45は、本体部55の側面に設けられており、本体部55の内外を連通するものである。
外向きのフランジ部35には、等間隔に孔35aが設けられている。孔35aは、前記した試験室2のノズル取付け孔10の周囲に設けられたねじ穴10aに対応した位置に設けられている。
説明を容易にするため、図5では、蓋部材37を本体部55から分離して図示しているが、実際には、蓋部材37は溶接等の手段によって本体部55に一体不可分に取り付けられている。
従って室外側外装部材26は、図1,3,4,5,6の取付け姿勢を基準として、下端側が大きく開口し、上端側は蓋部材37の内向きのフランジ部38によって開口が絞られた管であって本体部55の側面に分岐岐管45が設けられた部材である。
図5においては説明を容易にするために、下端フランジ部42を本体部47から分離して図示しているが、実際には、両者はネジ等によって一体的に結合される。
上端フランジ部48には、孔48aが等間隔に4個設けられている。下端フランジ部42には、ネジ孔56が等間隔に4個設けられている。
室内側外装部材27のフランジ部41には、円周上の等間隔に孔41aが設けられている。
外郭管60は、前記した室外側外装部材26、挿入筒46、室内側外装部材27の三者がネジ49,50で締結されたものである。
より詳細には室外側外装部材26のフランジ部35と、挿入筒46のフランジ部48とが合致され、それぞれの孔35a,48aにねじ49が挿通されて室外側外装部材26のフランジ部35と挿入筒46とが一体化されている。
なお、後記する様に挿入筒46は、試験室2の天井6のノズル取付け孔10内に挿入されており、フランジ部35,48の孔35a,48aに挿通されたねじ49は、天井6のノズル取付け孔10の周囲に設けられたねじ穴10aに係合している。
室外側外装部材26のフランジ部35と、挿入筒46のフランジ部48との間には、図示しないパッキンやオーリングが介在されていて気密性が確保されている。
挿入筒46のフランジ部42と、室内側外装部材27のフランジ部41との間にも、図示しないパッキンやオーリングが介在されていて気密性が確保されている。
即ち外郭管60の蓋部材37の小径孔38aから芯管61のノズル本体17側を挿通させ、芯管61のフランジ部29と外郭管60のフランジ部38を合致させ、フランジ部29の孔29aとフランジ部38のねじ孔39にねじ40を連通させてフランジ部38,29同士を締結したものである。より詳細には、外郭管60の上端にあるフランジ部38の上面に、芯管61のフランジ部29を載置し、ねじ40によってフランジ部38,29同士を締結することによって芯管61が外郭管60に固定されている。
なおフランジ部38,29同士の間には、図示しないパッキンやオーリングが介在されていて気密性が確保されている。
即ち芯管61は、蓋部材37の小径孔38aから外郭管60の中に挿入されたものであり、フランジ部29とフランジ部38とのフランジ接合によって外郭管60に取り付けられたものであるから、ねじ40を外してフランジ部29,38を分割することによって芯管61と外郭管60の機械的係合が解ける。また外郭管60の上端にあるフランジ部38の上面に、芯管61のフランジ部29が載置された状態であるから、芯管61を外郭管60から引き離す際に障害となる部材は無い。
即ち室内側外装部材27は、他の部材に対してフランジ接合されているから、ねじ(一時締結要素)50を外すことにより、取り外すことができる。
即ち試験室2に設けられたノズル取付け孔10に、外郭管60が挿入されている。より具体的には、外郭管60の挿入筒46が、試験室2に設けられたノズル取付け孔10内にあり、挿入筒46の両端に設けられた上端フランジ部48と、下端フランジ部42との間で試験室2の天井6の壁が挟まれている。
そして挿入筒46の上端フランジ部48の孔48a及び室外側外装部材26のフランジ部35の孔35aとに挿通されたねじ49によって、挿入筒46の上端フランジ部48が試験室2の天井6に固定されている。
試験室2の天井6に取付けられた状態の降雪用噴霧ノズル11は、中間部たる挿入筒46が天井6の壁内にあり、降雪用噴霧ノズル11の室外側外装部材26は試験室2の外にある。より正確には、降雪用噴霧ノズル11の室外側外装部材26は、試験室2の天井裏に相当する位置にある。従って、降雪用噴霧ノズル11の芯管61と、外郭管60とを機械的に接合するフランジ部29,38及びねじ40は、試験室2の外であって、天井裏に相当する位置にある。
即ち降雪用噴霧ノズル11の室内側外装部材27は、試験室2の天井6の面から試験室2内に向かって突出している。
そのため降雪用噴霧ノズル11のノズル本体17は、試験室2の中にある。
図1では、3つの分岐管21a、21b、21cを描写しているが、分岐管の数は、実際には後述の降雪用噴霧ノズル11の数だけ設けられている。また分岐管21a、21b、21cの一部または全部は、チューブであってもよい。
降雪用噴霧ノズル11内に導入される水の温度は、図示しない冷却器によって、凍結する温度に近い温度に調整されている。例えば、液体が水の場合には、摂氏1〜5度(より好ましくは摂氏2〜3度)に調整されている。
なお一般の工場や研究所では、屋外に大型のコンプレッサ66及び空気タンク67が置かれ、建屋内に配管が設けられていていたるところに空気栓が設置されている。空気供給系統52の内、気体供給源たるコンプレッサ66及び空気タンク67は、降雪用噴霧ノズル11専用のものではなく、工場や研究室で共用するものである場合が多い。もちろんコンプレッサ66及び空気タンク67は、降雪用噴霧ノズル11専用のものであってもよい。
コンプレッサ66で加圧された空気は、空気タンク67に蓄積されるが、この際に圧縮されて温度上昇した空気が自然放冷し、空気中の水蒸気が凝縮してドレン水68が発生する。そのため空気タンク67から供給される空気は、外気に比べて露点が低い。
本実施形態では、空気供給系統52には共通管30と、分岐管31a、31b、31cとを有している。各分岐管31a、31b、31cは、共通管30が分岐した配管である。
共通管30は、前記した様に空気タンク67から空気の供給を受けるものであり、開閉弁32及び減圧弁44が設けられている。開閉弁32は電磁弁である。さらに各分岐管31a、31b、31cには、各々開閉弁33a、33b、33cが設けられている。開閉弁33a、33b、33cは手動弁であり、常時開かれている。なお開閉弁33a、33b、33cは降雪用噴霧ノズル11をメンテナンスする際にのみ手動で閉じられる。図1では、3つの分岐管31a、31b、31cを描写しているが、分岐管の数は、実際には後述の降雪用噴霧ノズル11の数だけ設けられている。
図1に示す様に各分岐管31a、31b、31cは、降雪用噴霧ノズル11の分岐管45に接続されている。
空気は、分岐管45から空気流路43を流れ、外郭管60の先端から試験室2内に流れ込む。即ち分岐管45から降雪用噴霧ノズル11内に導入された空気は、外郭管60と芯管61の間の空気流路43を流れ、先端から試験室2内に放出される。
空気流路43を流れる空気の流速は、空気流路43内の空気を置換することができる程度の速度であり、遅い速度である。
ここでノズル本体17の等の周囲を流れる空気の温度は、少なくともノズル本体17を通過する水の温度よりも高く、且つ氷点よりも高い。そのためノズル本体17は、周囲を流れる空気から熱を受け、保温される。
また且つノズル本体17の噴霧開口17aは、外郭管60の端部と同等の位置にあるから、ノズル本体17の先端近傍についても、比較的高温の雰囲気に包まれる。そのため、ノズル本体17の凍結が阻止される。
またノズル本体17の周囲を通過して試験室2に導入される空気は、少量であるから試験室内の環境に与える影響は小さい。また空気の流速が低いので、ノズル本体17から噴射される水のパターンを乱すこともない。
従って、ノズル本体17に不具合が生じた場合には、試験室2側からノズル本体17に触れることができ、ノズル本体17を取り替える等の作業を実施することができる。
即ちノズル本体17を回転させ、液体供給管18との螺合を解除することにより、図6(c)に示す様に、ノズル本体17を取り外すことができる。
その結果、芯管61と外郭管60の機械的係合が解除され、芯管61だけを上に引き抜くことができる。即ちねじ40を外し、蓋部材37のフランジ部38と液体供給管18のフランジ部29の固定を解除すると共に、分岐管21a(又は21b、21c)に対する液体供給管18の螺合を解除する。その結果、図6(b)に示す様に、芯管61を上に抜き出すことができ、ノズル本体17は、液体供給管18と一体の状態で取り外すことができる。
本実施形態では、気体供給源から共通管30に設けられた減圧弁44によって、供給される空気の圧力が減圧され、空気流路43に供給される空気の流速が制御される。
また、噴霧される水の粒子径は、0.5〜1.2mm程度であるのが好ましい。
即ち、粒子径が大き過ぎると、凍結して擬似雪が形成される前に床面に到達してしまい、逆に水の粒子径が小さ過ぎると、空調機12による空気の吸入と供給の影響を受けてしまい、たとえ凍結しても空調機12に吸い込まれ易くなり、適切に床面7に降雪しない。
また前記した実施形態では、分割するべき部位をフランジ結合したが、ねじ込み方式を採用してもよい。図10は、挿入筒70と、室内側外装部材71との間の結合にねじ込み方式を採用した例を示す。
以上説明した実施形態では、ノズル本体17に一流体ノズルを使用したが、二流体ノズルを使用してもよい。
また本発明の環境試験装置1は、降雪用噴霧ノズル11に断熱材やヒータを設ける必要はないが、断熱材やヒータを設けることを否定するものではない。
以上説明した実施形態では、空気供給系統52から降雪用噴霧ノズル11に供給されてノズル本体17の周囲に至る空気と、水供給系統53から降雪用噴霧ノズル11に供給されてノズル本体17の周囲に至る水の双方を温度調節した。本構成は推奨される構成であるが、空気と水のいずれか一方だけを温度調節してもよい。さらに前記空気の温度が水の温度よりも高いことが明らかであれば、空気と水の双方とも温度調節をしなくてもよい。要するに、現実に空気流路43を通過する空気の温度が現実に噴霧される水の温度よりも高いものであればよい。
また、配管内の水を停止時に排水し、水を流す直前に、空気流路43に空気を流すものでもよい。
この流速設定は、最も推奨されるものではあるが、必須ではない。即ち環境試験装置1は用途が多岐にわたり、空調設備3を介して試験室2内に導入する空気の流速や、試験室2内から空調設備3に至る空気の流速が極端に小さくなる様に設計される場合もある。
この様な場合には、降雪用噴霧ノズル11の空気流路43を流れる空気の流速が、空調設備3を介して試験室2内に導入する空気の流速と同等になる場合もある。
常識的に、空調経路における空気の流速は、送風機28の近傍が最も速い。そのため降雪用噴霧ノズル11の空気流路43を流れる空気の流速は、送風機28の空気吐出口28aの流速よりも遅いことが望ましい。
また常識的に、空調経路のダクト内の流速は送風機28の空気吐出口28aの流速に次いで速い。そのため降雪用噴霧ノズル11の空気流路43を流れる空気の流速は、ダクト内の流速よりも遅いことが望ましい。
2 試験室(氷点下に維持された空間)
11,80 降雪用噴霧ノズル
17 ノズル本体
17a 噴霧開口
27 室内側外装部材(外装部材)
27a 室内側外装部材の端部(開口端)
28 送風機
28a 送風機の吐出口
40 ねじ(一時締結要素)
43 空気流路
50 ねじ(一時締結要素)
Claims (7)
- 氷点下の環境を作り出すことが可能な試験室と、降雪用噴霧ノズルとを有し、試験室内の気温を氷点下に維持した状態で降雪用噴霧ノズルから試験室内に水を噴霧し、試験室内で水滴を氷結して試験室内に疑似的に降雪させる環境試験装置において、
前記降雪用噴霧ノズルは、水を噴霧するノズル本体と、ノズル本体の周囲を覆いノズル本体との間に空気流路を構成する外装部材とを有し、
試験室内に降雪させる際には、ノズル本体から水を噴霧すると共に、前記空気流路に空気を低速で通過させて空気流路内の空気を置換し、当該通過させる空気は、その温度が噴霧される水の温度よりも高く、その露点は試験室内の空気の露点よりも低いものであることを特徴とする環境試験装置。 - 試験室内の空気を循環させる送風機を有し、当該送風機の空気吐出口から空気が吐出され、所定の空気経路を経て試験室内に空気が導入されるものであり、降雪用噴霧ノズルの空気流路を通過した空気についても試験室内に導入され、前記降雪用噴霧ノズルの空気流路から試験室内に導入される空気の流速は、少なくとも送風機の空気吐出口の流速よりも遅いことを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
- 外装部材は開口端が試験室内に開いていて、ノズル本体は、水を噴霧する噴霧開口を有し、前記噴霧開口の位置は、外装部材の実質的な開口端の位置またはこれよりも内側の位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
- 外装部材は開口端が試験室内に開いていて、ノズル本体は、水を所定の拡散角度をもって噴霧するものであり、外装部材の開口端の位置は拡散された水が当たらない場所にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
- 少なくともノズル本体は、直接的にあるいは他の部材を介し、試験室の外側から一時締結要素によって試験室に固定されており、一時締結要素を取り外すことによって少なくともノズル本体を試験室の外側に抜き出すことが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
- 外装部材は一部または全部を取り外すかあるいは開くことが可能であり、少なくともノズル本体を、試験室内に露出させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境試験装置。
- 氷点下に維持された空間に水を噴霧し、水滴を氷結して疑似的な降雪現象を発生させる降雪用噴霧ノズルにおいて、水を噴霧するノズル本体と、ノズル本体の周囲を覆いノズル本体との間に空気流路を構成する外装部材とを有し、降雪現象を発生させる際には、ノズル本体から水を噴霧すると共に、前記空気流路に、噴霧される水の温度よりも温度が高く試験室内の空気よりも低い露点の空気を低速で通過させて空気流路内の空気を置換することが可能である降雪用噴霧ノズル。
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