JP2015140824A - 分岐継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホールソーを用いて主管に穿設する開孔の寸法には、バラツキができてしまう。開孔の寸法にバラツキがあっても分岐継手を精度良く取り付ける。
【解決手段】主管に穿孔する開孔に取り付けて、副管を接続して分岐路を形成する分岐継手であって、副管を接続可能であり、主管の開孔に外側から挿入する筒状部材と、筒状部材の外周に設けて開孔の周囲を外側から覆う鍔部と、開孔の縁に主管の内側から当接する傾斜部を備え、筒状部材に主管の内側から螺合し、傾斜部と鍔部との間に主管を挟持する第1固定部材と、筒状部材と第1固定部材のうちオネジとなる一方に螺合するメネジを形成してダブルナット機構を構成する第2固定部材と、を有する分岐継手。
【選択図】図2

Description

本発明は、主管と副管とを接続する分岐継手に関する。
主管と副管とを接続する場合には、一般に分岐継手を用いる。例えば、分岐継手は、主管に開孔を穿設して、その開孔に分岐継手を取付けて、その分岐継手を介して、主管に排水を流す副管、または、主管からの排水を流す副管を接続する。
例えば、特許文献1には、主管にホールソーなどの工具を用いて開孔を穿設して、その開孔に分岐継手を固定して副管を接続する開示がある。また、特許文献2には、主管(被接続管)にホールソーなどで分岐継手を接続する開孔を穿設して、分岐継手を開孔に主管の外側から挿入して、ナット体を主管の外側から締め付け螺合して、分岐継手を主管に固定する開示がある。また、特許文献3には、主管(管体)の管壁に穿孔加工して開孔を穿設して、分岐継手を主管の外側から挿入して、ナットを主管の内側から締め付けて分岐継手を主管に固定する開示がある。そして、特許文献4には、バルブ弁箱にテーパ面を設けて該テーパ面からバイパス配管を分岐する開示がある。
特開平06−207697号公報 特開2002−228076号公報 特開2012−82876号公報 特開平7−217759号公報
分岐継手を取り付けるため主管の開孔は、一般にホールソーなどの工具を用いて穿孔する。この開孔の寸法は、穿設作業を行う作業者の熟練度や、ホールソー等の工具の性能によってバラツキが生じるという問題があった。開孔を寸法精度よく穿孔しなければ分岐継手の固定性や止水性が悪化する。また、分岐継手の取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、温度変化が激しい場合には、分岐継手が主管から緩む虞がある。このため、分岐継手には、開孔の寸法にバラツキがある場合にも止水性や強固な固定性を確保することが望まれる。
本発明は、以上のような課題に鑑みなされたものであり、主管に穿孔する開孔の寸法精度が悪い場合であっても、止水性、及び固定性を確保できる分岐継手の提供を目的とする。
上述の目的を解決するために本発明の分岐継手は、主管に穿孔する開孔に取り付けて、副管を接続して分岐路を形成する分岐継手であって、前記副管を接続可能であり、前記主管の開孔に外側から挿入する筒状部材と、前記筒状部材の外周に設けて前記開孔の周囲を外側から覆う鍔部と、前記開孔の縁に前記主管の内側から当接する傾斜部を備え、前記筒状部材に前記主管の内側から螺合し、前記傾斜部と前記鍔部との間に前記主管を挟持する第1固定部材と、前記筒状部材と前記第1固定部材のうちオネジとなる一方に螺合するメネジを形成してダブルナット機構を構成する第2固定部材と、を有する。
本発明によれば、主管に穿設する開孔に分岐継手を精度良く取り付けできる。
本実施形態による分岐継手を適応する潜熱回収型ガス給湯器の概念図である。 本発明の第1実施形態の分岐継手の断面図を示し、図2(A)は主管に取り付けた状態であり、図2(B)は、分解状態である。 分岐継手の筒状部材の斜視図である。 分岐継手の鍔部材にパッキンを組み合わせた状態の斜視図である。 分岐継手の第1固定部材の斜視図である。 分岐継手の第2固定部材の斜視図である。 主管に分岐継手を取付ける手順を示す工程図であり、図7(A)はホールソーにより主管に開孔を形成する様子を示し、図7(B)は開孔を設けた主管の様子を示し、図7(C)は鍔部材で覆った開孔に筒状部材を挿入する様子を示し、図7(D)は筒状部材と鍔部材と第1固定部材とを開孔に取り付けた様子を示し、図7(E)はさらに第2固定部材を取り付けた様子を示し、図7(F)はさらに副管を取り付けた様子を示す。 外径165mmの主管に設ける直径35mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第1適用例)の説明図であり、図8(A)が分岐継手の断面図を示し、図8(B)が開孔の投影図である。 外径165mmの主管に設ける直径38mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第2適用例)の説明図であり、図9(A)が分岐継手の断面図を示し、図9(B)が開孔の投影図である。 外径165mmの主管に設ける直径40mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第3適用例)の説明図であり、図10(A)が分岐継手の断面図を示し、図10(B)が開孔の投影図である。 外径216mmの主管に設ける直径35mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第4適用例)の説明図であり、図11(A)が分岐継手の断面図を示し、図11(B)が開孔の投影図である。 外径216mmの主管に設ける直径38mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第5適用例)の説明図であり、図12(A)が分岐継手の断面図を示し、図12(B)が開孔の投影図である。 外径216mmの主管に設ける直径40mmの開孔に分岐継手を取り付ける場合(第6適用例)の説明図であり、図13(A)が分岐継手の断面図を示し、図13(B)が開孔の投影図である。 所定の外径を有する主管に対し曲率半径が異なる鍔部材を適応する断面図であり、図14(A)〜(C)は、それぞれ曲率半径の異なる鍔部材を適用した場合を示す。 本発明の第1実施形態の分岐継手の変形例に適用可能な筒状部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態の分岐継手の断面図であり、図16(A)は分岐継手を主管に取り付けた状態を示し、図16(B)は筒状部材と第1固定部材及び第2固定部材とが螺合する部分を拡大して示す。
<<第1実施形態>>
以下に本発明を適用する実施形態(以下、本実施形態)の一例の第1実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の技術範囲は本実施形態に限定しない。本実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更できる。
図1は、第1実施形態の分岐継手30を潜熱回収型ガス給湯器1に適応する概念図である。図1に示す潜熱回収型ガス給湯器1は、燃焼ガスの潜熱を回収することで給湯熱効率を高めた給湯器である。この潜熱回収型ガス給湯器1は、従来の給湯器における給湯熱効率を約80%から約95%まで向上できる。これにより省エネルギーを実現し、大幅なランニングコストの削減を実現し、二酸化炭素(CO)の排出量を従来型と比較して約13%削減して、地球環境負荷や運用費用を低減できる。
潜熱回収型ガス給湯器1の給湯器本体2の内部には、熱交換路4に水を導入する給水管路3と、給水管路3から導入する水を熱交換器6によって加熱する熱交換路4と、熱交換路4で加熱した熱湯を風呂などの機器に供給する給湯管路5を配管する。
また、熱交換器6は、一次熱交換部11と二次熱交換部12を備える。給水管路3から供給し熱交換路4を流れる湯水は、二次熱交換部12を通過した後に一次熱交換部11を通過して給湯管路5に導入される。
熱交換器6は、燃料であるガスを供給する燃料供給管路7と、燃料を燃焼する燃焼部8と、燃焼部8で発生する熱で熱交換路4を加熱する熱交換子9と、熱交換子9に熱を送る送風部10とで構成する。燃焼部8で発生する熱は、送風部10からの送風によって、熱交換器6の一次熱交換部11で熱交換路4の水を加熱する。また、一次熱交換部11の余熱は、熱交換器6の二次熱交換部12で給水管路3から導く温度の低い水を加熱する。このように、潜熱回収型ガス給湯器1は、燃焼部8で発生する熱を効率的に利用する。
潜熱回収型ガス給湯器1の熱交換器6は、燃焼部8で発生する熱によって、熱交換路4の水の温度を上昇する代わりに燃焼ガスの温度を低下する熱交換を行う。この熱交換によって燃焼ガスの温度が低下すると、燃焼ガスからは、凝縮水であるドレン16が発生する。潜熱回収型ガス給湯器1は、このドレン16をドレン回収部17で回収する。
ドレン16は、燃焼ガス中に微量に含まれる窒素酸化物(NOX)等の酸性の成分が溶け込んでいる。なお、排出時のドレンの温度は、50℃程度である。燃焼ガス中に酸性の成分が溶け込むドレン16は、例えば、pH3程度の酸性を示す。つまり、ドレン16は強い酸性を示す。このため、そのままのpH値では、ドレン16を外部へ排出できない。そこで、潜熱回収型ガス給湯器1は、ドレン回収部17の下流に接続するドレン排出管路18の途中に中和器19を備える。
中和器19は、ドレン16のpH値をpH7程度の中性に中和する。中和器19による中和は、中和器19に充填する中和剤の働きによる。中和剤には、例えば、一般的な中和処理に使用する炭酸カルシウム(CaCO)を使用できる。中和器19は、中和剤の作用によって酸性のドレン16を中性に中和する。
ドレン16の発生量は、燃焼ガス量に比例する。このため、中和剤の充填量は、潜熱回収型ガス給湯器1の標準的な使用期間中に発生するドレン排水の処理に必要な量をあらかじめ算定しておき、必要な量を中和器19に搭載する。潜熱回収型ガス給湯器1は、ドレン16を中和器19で中和処理後にドレン排出管路18から給湯器本体2の外部の排水支管20に排出する。
なお、給湯器本体2から突出するドレン排出管路18と排水支管20とは、直接接続しない。ドレン排出管路18と排水支管20との間には、大気に開放する隙間を設けて間接排水とする。そして、排水支管20の上端に設けるドレン受け21は、ドレン排出管路18から流れるドレン16を受け止めて、ドレン16を排水支管20に流す。排水支管20は、例えば地中に埋設する汚水マス22に分岐継手30を介して接続する。
分岐継手30を接続する汚水マス22は、ドレン(流体)による温度変化や設置場所による振動や温度変化を受ける。汚水マス22は、例えば、地中に埋没して設置する。汚水マス22は、上部から開閉可能な蓋部23を備える。そして、ドレン16は、汚水マス22と接続する下流管24へと流れる。
なお、間接配管にする理由は、排水支管20や汚水マス22や下流管24などの排水管の詰まりによって、汚水マス22から汚水が逆流する場合に、潜熱回収型ガス給湯器1への汚水の浸入を防止するためである。なお、図1の排水支管20には、異臭拡散防止の封水機構を設けていないが、間接配管する設置場所に応じて排水支管20に封水機構を設けることができる。
図2(A)は、図1に示す排水支管20と汚水マス22(以下、主管22)を接続する分岐継手30の拡大断面図である。また、図2(B)には、この分岐継手30の分解状態を示す。図2(A)、(B)に示すように、主管22には開孔25を設けて、当該開孔に分岐継手30を取り付ける。さらに、この分岐継手30には、排水支管20(以下、副管20)を取り付けて、これにより分岐する配管構造を構成している。
分岐継手30は、円筒状の筒状部材32と鍔部材33(鍔部33)と第1固定部材41と第2固定部材52とを備えている。また、図2(A)、(B)に示す例は、筒状部材32と鍔部材33との間にスペーサ56(パッキン56)を介装するとともに、鍔部材33と主管22との間にパッキン36を介装する例である。
筒状部材32を主管22の開孔25に挿入した状態で、鍔部材33及びパッキン36を介し主管22の内径側から第1固定部材41及び第2固定部材52をこの順に螺合する。これにより、筒状部材32と第1固定部材41とは、その間にスペーサ56、鍔部材33、パッキン36を配置して、主管22の管壁を挟み込んで主管22の開孔25に分岐継手30を取り付けることができる。また、筒状部材32に第1固定部材41と第2固定部材52とを順に螺合する。第1固定部材41と第2固定部材52とは、ダブルナット機構を構成して緩み止めとして機能する。
筒状部材32の外周には環状突出部88を形成して、この環状突出部88が、筒状部材32の全長を挿入筒部32aと外筒部32bとに区画する。
筒状部材32の内径を構成する貫通口34には、貫通口34の壁側から筒状部材32の内径を径方向内側に狭めて段差を形成する段差部35を設ける。段差部35は、筒状部材32に外筒部32b側から副管20を内挿する場合に副管20の位置決めとして機能する。
段差部35は、筒状部材32に副管20を内挿して接続する場合にドレン16の流れを妨げない内径に形成する。段差部35は、例えば、筒状部材32の長手方向の中間部に形成する。
図3は、筒状部材32の斜視図である。筒状部材32には、分岐継手30を主管22に固定するための第1固定部材41及び第2固定部材52と係合する係止部37(オネジ)を形成する。第1実施形態の係止部37は、筒状部材32の挿入筒部32aの外周に、筒状部材32の径方向外側に突出するネジ状に形成する。そして、第1固定部材41及び第2固定部材52は、主管22の内側から係止部37と係合して分岐継手30を開孔25に固定する。第1固定部材41と第2固定部材52とは、筒状部材32の係止部37に螺合して分岐継手30の緩み止めとして機能する。係止部37は、第1固定部材41と第2固定部材52との螺合に必要な長さに形成する。即ち、係止部37の長さは、第1固定部材41の厚み及び第2固定部材52の厚みの合計厚さと略同一に形成する。これにより、係止部37と第1固定部材41及び第2固定部材52の裸合長さを十分に確保するとともに、係止部37が主管22の内部に必要以上に突出して主管22内のドレンの流れを妨げることを抑制できる。
また、筒状部材32の外周に形成する環状突出部88は、筒状部材32より大径であり、径方向外側に突出するように、筒状部材32と一体に形成する。環状突出部88において、挿入筒部32a側に形成する係止面88aは平面である。
環状突出部88の係止面88aは、鍔部材33を係止し、鍔部材33を主管22の外周に押し付ける役割を果たす。
環状突出部88の形状及び形成個所は、本実施形態のものに限定しない。例えば、環状突出部88は、筒状部材32の外周に部分的に設けても良い。また、筒状部材32において外筒部32bを、挿入筒部32aと比較して大径に形成して、その境界部に段差を設けてもよい。この場合は、段差部の挿入筒部32a側の面が係止面88aとして機能し、鍔部材33を主管22の外周に押し付けることができる。しかしながら、本実施形態として例示するように、筒状部材32の外周に部分的に突出する環状突出部88を形成することで材料を削減できる。
筒状部材32の挿入筒部32aには、開孔25内で分岐継手30を案内する複数のガイド部38を形成する。これらのガイド部38は、環状突出部88の係止面88aから筒状部材32の挿入筒部32aに一体形成する。また、複数のガイド部38は、筒状部材32の軸方向(長手方向)に沿ってリブ状に形成する。第1実施形態のリブ状のガイド部38は、環状突出部88と係止部37との間に設ける。複数のガイド部38は、例えば、等間隔で8箇所に形成する。なお、リブ状のガイド部38の数や形状は、上述に限定しない。ガイド部38は、例えば、リブ状でなく挿入筒部32aの全周に亘って形成しても良い。ガイド部38は、筒状部材32の軸方向(長手方向)に沿って主管22の管壁の厚さより短く形成して同外径を維持する同径部39と、前記軸方向に沿って縮径するテーパ部40とを有する。
第1実施形態のガイド部38の同径部39は、主管22の管壁の厚さ5.1mmよりも短い寸法に形成する。第1実施形態の同径部39の寸法は、4.0mmである。テーパ部40は、同径部39側を幅広の寸法で端末側へ向かって縮径する。第1実施形態のテーパ部40は、約26度の傾斜(2.15/4.24の傾斜)で形成する。このテーパ部40は、その傾斜によって筒状部材32を開孔25内に円滑に案内する。
なお、このテーパ部40の傾斜は、主管22に分岐継手30を固定する状態で、ガイド部38と後述する第1固定部材41の球面部42(傾斜部)とが当接しない隙間を確保する。テーパ部40の傾斜は、ガイド部38と第1固定部材41の球面部42とが当接しない隙間を確保できれば他でも良い。例えば、テーパ部40の傾斜は、20度程度から30度程度まででも良い。
図4に示すように、鍔部材33(鍔部33)は、筒状部材32と別の部材で形成する。なお、図4に示す鍔部材33は、主管22と当接する側の面33aにパッキン36を設ける。
鍔部材33は、筒状部材32の外径に開孔25を覆って主管22の外径に当接する形状に形成する。鍔部材33の外形は矩形状である。鍔部材33の中心には、筒状部材32の挿入筒部32aを挿通可能な孔89を形成する。また、孔89の周囲には、環状突出部88側に突出して、係止面88aに対向する平坦部90を形成する。この平坦部90は、環状突出部88の係止面88aに対応する平坦な面を有する。平坦部90の寸法は、例えば、環状突出部88の外径と同程度の外径に形成する。
係止面88aと平坦部90は、互いに対応した平坦形状を有する。したがって、鍔部材33の平坦部90は、環状突出部88の係止面88aと面接触できる。また、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90との間には、必要に応じて主管22の管壁の厚さ誤差を調整する目的のスペーサ56(図2(A)、(B)参照))を設けることができる。スペーサ56は、止水性を向上する機能を持たせるために防水パッキンを用いることができる。スペーサ56を設ける場合には、平坦部90と係止面88aとが、スペーサ56を介して対向してスペーサ56を挟持する。
そして、鍔部材33は、筒状部材32の挿入筒部32a側から環状突出部88の係止面88aに外挿して、係止面88aと主管22との間に配置して開孔25の周囲を覆う。また、鍔部材33は、主管22の外径の周方向に略沿うように一定の曲率で湾曲して形成する。なお、鍔部材33の曲率は、主管22の外径と略同一な曲率から主管22の外径よりも緩やかな曲率の緩径に設定すると好ましい。具体的な鍔部材33の形状は、主管22の外径の曲率よりも緩やかな曲率の緩径で、主管22の外径の周方向に略沿う形状に形成する。
筒状部材32及び鍔部材33は、例えば、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂で形成する。塩化ビニル樹脂には、塩化ビニル樹脂に可塑剤、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工助剤等の各種添加剤を適宜配合する。
合成樹脂は、これら塩化ビニル樹脂の他、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、ウレタン−塩化ビニル共重合樹脂等、塩化ビニルモノマーに他のモノマーやオリゴマーを共重合するものや、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ニトリルゴム、アクリルゴム等の他の合成樹脂や合成ゴムとブレンドするものでも良い。又、塩化ビニル系樹脂以外の合成樹脂にも、塩化ビニル系樹脂と同様に、適宜可塑剤、安定剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、その他の各種の添加剤を適宜加えることも可能である。なお、筒状部材32及び鍔部材33の素材は合成樹脂に限定しない。例えば、筒状部材32及び鍔部材33の素材は、金属でも良い。
また、図2(A)、(B)及び図4に示すように、鍔部材33の主管22と当接する面33aには、主管22との当接による止水性を向上するパッキン36(防水パッキン)を設けることができる。
スペーサ56やパッキン36は、低反発素材や水膨張止水材などの弾性を有するゴム等で形成する。スペーサ56やパッキン36の素材としては、例えば、ポリウレタン、硬質ウレタン、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、各種フッ素ゴム、EPDM、シリコーンゴム、パーフロロエラストマー、テフロン(登録商標)、フッ素樹脂、PEEK、PA、POM、UHMW−PEなどを用いる。
第1実施形態のパッキン36は、厚さが約5mmである。このパッキン36は、鍔部材33の主管22の外周と当接する面33aに接着材を用いて貼り付ける。接着剤としては、例えば、ゴム系の接着剤やエポキシ系接着剤、シアノアクリル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、プラスチック系接着剤、ホットボンド・ホットメルト、接着テープなどを用いる。
しかし、鍔部材33には、スペーサ56やパッキン36を設けなくても良い。例えば、鍔部材33を主管22や筒状部材32よりも硬度が低くて変形性に富む素材の合成樹脂で形成して、その変形によって止水性を確保できる場合には、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90との間にスペーサ56を設けず、鍔部材33の面33aにパッキン36を設けなくても良い。しかし、分岐継手30の長期的で確実な止水性を考慮すると、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90との間にはスペーサ56を設けて、鍔部材33の面33aにはパッキン36を設けることが望ましい。
図5は、第1固定部材41の斜視図である。第1固定部材41は、一端に主管22の開孔25の縁25a(図2(A)参照)に当接する球面部42(傾斜部)と他端に回転付与部43とを有するナット状の部材である。第1固定部材41は、筒状内部の長手方向に貫通する貫通口44を有する。貫通口44は、筒状部材32の係止部37を内挿可能な寸法である。貫通口44には、筒状部材32の係止部37に係合する係合部46(メネジ)を設ける。第1実施形態の係合部46は、貫通口44の径方向内側に突出するネジ状に形成する。
球面部42(傾斜部)は、その先端部42aをガイド部38の外径よりも小径の寸法に形成し、且つ、球面部42の根元部42bを開孔25よりも大径の寸法に形成する。なお、第1実施形態のガイド部38の外径は直径34.5mmである。そして、第1実施形態の球面部42の先端部42a(先端側)は直径33.4mmに形成して、球面部42の根元部42b(他端側)の直径は49.5mmに形成する。そして、球面部42の球面は、球面部42の先端部42aと根元部42bとを曲線で結ぶ球面に形成する。
なお、本実施形態においては、傾斜部として球面形状の球面部42を設けている。しかしながら、本発明は球面形状を備えている構成に限るものではなく、先端部42aが開孔25の直径より小さく、根元部42bが開孔25の直径より大きければ、円錐状に傾斜面を備えたものであっても良い。
第1実施形態の球面部42は、主管22の内径よりも急な曲率であるR30mmの球面に形成する。そして、球面部42の先端部42aは、筒状部材32のガイド部38と当接しない形状に形成する。具体的な先端部42aの形状は、図2(A)、(B)の断面に示すように、R30mmの球面の先端をガイド部38の外径よりも小径の寸法で切り落とす形状とする。
回転付与部43は、第1固定部材41の周方向に沿って形成する複数の面からなる。具体的には、回転付与部43は、六角ナット状に6つの面を対称に形成する。作業者は、スパナやレンチ等の工具を回転付与部43に掛けて第1固定部材41を回し締めることができる。また、回転付与部43には、適宜の間隔で目印線43aを施している。
第1固定部材41は、工具を用いた締結を行うことで、より強固な締め付けが可能となり、主管22に分岐継手30を確実に取付けできる。係合部46は、回転付与部43による締め付けによって、筒状部材32の係止部37と係合する。第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37との係合は、主管22の開孔25に分岐継手30を固定する。
図6は、第2固定部材52の斜視図である。第2固定部材52は、第1固定部材41と重ねて筒状部材32の係止部37に螺合するナット形状の部材である。第2固定部材52は、第1固定部材と当接する側の面である接触面部52aと、外周に形成する回転付与部53と、接触面部52aの中央から貫通し内周面に係合部55(メネジ)を形成する貫通口54とを有する。係合部55は、貫通口54の内側から螺旋状に突出するメネジである。
回転付与部53は、第2固定部材52の周方向に沿って形成する複数の面からなり、具体的には六角ナット状に形成する。作業者は、スパナやレンチなどの工具を用いて回転付与部53を締め付けることができる。回転付与部53は、第1固定部材41の回転付与部43と同径に形成すると工具を共通化できて好ましい。工具を用いて回転付与部53を締め付けるので、主管22に取り付ける分岐継手30の緩みを確実に防止できる。また、回転付与部53には、目印線53aを施している。
係合部55は、回転付与部53による締め付けによって、筒状部材32の係止部37と係合する。第1実施形態では、第1固定部材41と第2固定部材52とが止めナット(ダブルナット)を構成して、主管22の開孔25に分岐継手30を固定する。
第1固定部材41及び第2固定部材52は、例えば、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂で形成する。また、第1固定部材41及び第2固定部材52の材質は、ポリ塩化ビニルに限らず、例えば、軟質ポリ塩化ビニルでも良い。軟質ポリ塩化ビニルは、ポリ塩化ビニルよりも硬度が低く変形性に富む。つまり、軟質ポリ塩化ビニルで形成する第1固定部材41及び第2固定部材52は、係合部46が筒状部材32の係止部37に係合する際の変形量が大きい。このため、軟質ポリ塩化ビニルで形成する第1固定部材41及び第2固定部材52は、係合力を向上できて緩みにくくなり、主管22に分岐継手30を確実に取付けできる。しかし、第1固定部材41及び第2固定部材の素材は合成樹脂に限定しない。例えば、第1固定部材41及び第2固定部材の素材は、金属でも良い。
また、筒状部材32、鍔部材33、第1固定部材41、及び第2固定部材52は、それぞれ、前記分岐継手は、同質の素材で形成することが好ましく、より具体的には、主管22も含めて、これらをすべて塩化ビニルで形成することが好ましい。
筒状部材32、第1固定部材41、及び第2固定部材52を同質の素材とすることで、これらの熱膨張率を略同じとすることができ、熱収縮に起因する螺合の緩みを抑制できる。また、鍔部材33は、主管22を介し筒状部材32と第1固定部材41との間に挟圧される。したがって、鍔部材33の熱膨張率を他の部材と同じとすることで加熱又は冷却時の熱膨張率の差に起因する部材間のガタ(緩み)や過度な挟圧力が生じることを抑えることができる。これにより温度変化に対し緩み難い分岐継手30を構成できる。
次に、図7(A)〜(F)を用いて、主管22の開孔25に分岐継手30を取り付ける手順を説明する。
なお、第1実施形態の主管22は、外径の直径が165mm、管壁の厚さが5.1mm、内径の直径が近似内径で154mmである。管壁の厚さのJIS規格寸法は5.1(+0.8から−0)で、内径は参考値である。
まず、図7(A)のようにホールソー51を用いて主管22に開孔25を穿設する。ホールソー51で穿設する開孔25は、穿設作業を行う作業者の熟練度によって、また、ホールソー51の性能によって、開孔25の寸法がばらつく。開孔25の寸法を35mmで穿設する場合に図7(B)の開孔25の実際の直径は、例えば、35mm〜40mm程度になる。
次に、図7(C)に示すように、主管22の開孔25を、パッキン36を介して鍔部材33で覆い、鍔部材33の孔89(図2、図4参照)と主管22の開孔25の中心を略一致させる。さらに、筒状部材32の挿入筒部32aを、鍔部材33の孔89及び主管22の開孔25に挿入する。なお、図7(C)は、筒状部材32を鍔部材33の孔89及び主管22の開孔25に挿入する途中の状態を示している。完全に挿入すると、筒状部材32の環状突出部88が鍔部材33に当接した状態となる。言い換えると、筒状部材32を完全に挿入すると、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90とが直接当接する。また、係止面88aと平坦部90の間にスペーサ56を介挿する場合(図2(A)参照)においては、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90とは、スペーサ56を挟持する。
筒状部材32はガイド部38を有する。図3に示すようにガイド部38は、主管22の管壁の厚さよりも短い長さの同径部39と、同径部39から端末側へ縮径するテーパ部40とを有する。まず、ガイド部38のテーパ部40が筒状部材32を開孔25内に円滑に案内する。そして、ガイド部38の同径部39は、第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37との螺合によって、筒状部材32を開孔25内の中心方向へ円滑に案内する。つまり、ガイド部38は、開孔25内で筒状部材32を案内する芯出し機能を果たす。
また、鍔部材33は、主管22の外径よりも緩径で主管22の外径に略沿う形状に形成してある。鍔部材33は、筒状部材32を主管22に略位置決めする。ここで言う緩径とは、鍔部材33の曲率が主管22の外径の曲率と略同一な曲率から主管22の外径よりも緩やかな曲率であることを意味する。第1実施形態の鍔部材33は、例えば、R108mmに形成する。このため、分岐継手30は、主管22の外径の大きさを165mmから外径216mm程度の主管22に変更しても鍔部材33の緩径の範囲の主管22に取付けできる。また、鍔部材33は、筒状部材32と別体に形成するので、主管22の外径の大きさに応じて、鍔部材33を曲率の異なる他の鍔部材33にも交換できる。鍔部材33が主管22の開孔25を覆って主管22の外径に当接することで、筒状部材32は、開孔25に略位置決め状態になる。
次に図7(D)に示す状態となるように、筒状部材32に第1固定部材41を係合する作業を、主管22の上部を覆う蓋部23(図1参照)を開放して行う。第1固定部材41は、主管22の開孔25に略位置決め状態の筒状部材32を主管22の内側から固定する。第1固定部材41には、主管22の開孔25の縁25aに当接する球面部42を設ける。この球面部42は、先端部42a(図2、図5参照)をガイド部38(図2、図3参照)の外径よりも小径に形成する。また、球面部42は、根元部42b(図2、図5参照)を開孔25よりも大径に形成する。
第1実施形態の球面部42は、主管22の内径よりも急な曲率であるR30mmに形成する。そして、球面部42の先端部42aは、第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37とを係合する際に、球面部42が筒状部材32のガイド部38と接触しないようにR30mmの球面の先端をガイド部38の外径よりも小径の寸法で切り落とす形状とする。第1固定部材41は、球面部42によって、第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37とが係合するときに、開孔25の縁25aに当接しながら主管22の内径で円滑に回転できる。また、球面部42は、根元部42bから先端部42aへ向かって先細り形状となっているため、開孔25に挿入することで、第1固定部材41の中心軸を開孔25の中心軸に一致させる芯出し機能を奏する。加えて、球面部42は、根元部42bと先端部42aを曲線で結ぶ球面となっているため、主管22の内径に沿いながら開孔25の縁25aに当接する。これにより開孔25に対しガタツキの少ない芯出しを行うことができる。
球面部42の先端部42aは、ガイド部38の外径よりも小径に形成している。このため、第1固定部材41の球面部42は、主管22の内側から分岐継手30を開孔25内で円滑に案内できる。そして、筒状部材32のガイド部38は、主管22の外側から分岐継手30を開孔25内の中心方向へ円滑に案内する。このように、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42とは、主管22の開孔25の中心方向に主管22の内側と主管22の外側とから分岐継手30を案内する。このため、分岐継手30は、寸法にバラツキがある開孔25にも精度よく取付けできる。
なお、第1固定部材41の締め付けトルクは、例えば、5.00N・m程度とする。第1実施形態の好ましい締め付けトルクは、分岐継手30の止水性を確保できる0.77N・m以上とする。
また、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42とは、ガイド部38に設けるテーパ部40と、先端をガイド部38の外径よりも小径の寸法で切り落とす形状の球面部42とによって、主管22に分岐継手30を固定するときにも互いに当接しない隙間を有する。具体的な隙間の寸法は、鍔部材33の主管22と当接する面33a(図2参照)にパッキン36を設けずに第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37とを係合して主管22の開孔25に分岐継手30を固定する場合に、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42との間に0.51mm程度である。
鍔部材33の主管22と当接する面33a(図2参照)に無負荷状態で5mmのパッキン36を設けて、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によってパッキン36が潰れて厚さ約2mmになる場合の隙間の寸法は、1.42mm程度となる。また、鍔部材33の一方の面33aに無負荷状態で5mmのパッキン36を設けて、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によってパッキン36が潰れて厚さ約1mmになる場合の隙間の寸法は、0.97mm程度となる。
つまり、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42との間は、パッキン36の有無に関わらず、主管22に分岐継手30を固定するときに互いに当接しない。このため、温度変化や長年の使用等によるパッキン36の劣化に応じて第1固定部材41を増し締めしても、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42とは、互いに当接しない。
また、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42との間隔は、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90との間に設けるスペーサ56(図2(A)参照)によっても確保できる。
次に図7(E)に示すように、第2固定部材52の係合部55(図1、図6参照)と筒状部材32の係止部37とを螺合する。この第2固定部材52と第1固定部材41とは、羽交い絞め状態で分岐継手30の緩み止めとして機能する。言い換えると、第1固定部材41と第2固定部材52とは、緩みを防止する止めナット(ダブルナット機構)の機能を有する。
止めナットの具体的な締結方法は、まず、下ナット(第1固定部材41)を規定トルクT1で締め付ける。次に、上ナット(第2固定部材52)を規定トルクT2で締め付ける。その後、上ナットを固定する状態で下ナットを緩め方向(上ナット側)に回転して、上ナットと下ナットとがそれぞれのネジ面同士で圧着する羽交い絞め状態になるまで締め付ける。
なお、全締め付けトルクの半分が座面摩擦トルク、締め付けトルクの0.8倍が緩めトルクとなる一般的なナットの諸元と摩擦係数とのときにT1≒T2であれば、下ナットが逆転し始める場合にはT2×1〜1.3倍のトルクが必要である。そして、上ナットと下ナット間に規定の軸力を与えるには、T2×1.5倍のトルクが必要である。被締結体(主管22)が繰り返し滑っても止めナットが回転しないためには、このような締め付けが必要である。
また、止めナットを行う方法としては、上ナット正転法と下ナット逆転法とがある。上ナット正転法の場合は、まず、下ナット(第1固定部材41)だけを締め付ける。そして、上ナット(第2固定部材52)を締め付けた後に、更に第2固定部材52を締め付けると第1固定部材41と第2固定部材52とが羽交い絞め状態になりロッキング力が発生して、このロッキング力が緩み防止として作用する。ただし、上ナット正転法は、締め付け作業によって発生するロッキング力を感覚的に捉え難い。
下ナット逆転法の場合は、まず、下ナットだけを締め付ける。そして、上ナットを締め付ける。その後、第1固定部材41を、第2固定部材52方向へ逆転して、更に締め付けることで、ロッキング力を発生する。このロッキング力が緩み防止として作用する。下ナット逆転法は、締め付け作業によって発生するロッキング力を感覚的に捉えやすい。
いずれの締結方法においても、止めナットが緩み止めとして十分に機能するには、第1固定部材41と第2固定部材52とによるロッキング力が十分である必要がある。第1実施形態の分岐継手30は、第1固定部材41に目印線43aを、第2固定部材52に目印線53aを施している。このため、作業者は、止めナット作業を目視で確認しながら行えるので、確実な止めナットが可能となる。なお、目印線43a,53aは、成型時に凹状に形成しても良いし、シール貼り付けにしても良い。
また、いずれの締結方法においても、ロッキングの際に第1固定部材41と第2固定部材52とのそれぞれが近接する方向に回転力を加える。つまり、第1固定部材41と第2固定部材52とが羽交い絞め状態になる。第1実施形態においては、感覚的にロッキング力を捉え易い下ナット逆転法によって止めナットを行う。
なお、止めナットは、第1固定部材41及び第2固定部材52の径方向の寸法と高さ(厚さ)方向の寸法とが同一の場合は、同じ工具を使って締付できるので好ましい。
もし、第1固定部材41と第2固定部材52とのうち一方を厚さ(挿入方向に沿った長さ)を薄いものとする場合は、外側(第2固定部材52)の固定部材を厚いものとすることが好ましい。即ち、筒状部材32に対する第2固定部材52による螺合長さが、筒状部材32に対する前記第1固定部材41の螺合長さより長いことが好ましい。これは、止めナットを行う場合に上ナットが締め付け軸力とロッキング力との和を負担しているのに対して、下ナットがロッキング力だけを負担するためである。
ところで、主管22の内部には、ドレン(流体)が流れるため、その内部に突出する筒状部材32の突出量は短くすることが望ましい。この場合は、筒状部材32と第1固定部材41及び第2固定部材52とが螺合する部分(係止部37と係合部46、55)のネジの形状(ピッチやリード)や径を工夫することで、螺合する部分の長さを短くしつつ、十分な保持力を得ることができる。より具体的には、ネジを細目ネジや管用ねじとして形成する。細目ねじは並目ねじと比較してリード角が小さく緩みにくく、管用ねじはピッチが小さくて筒状部材32の強度を損なわずに気密性が高いので好ましい。また、筒状部材32の係止部37において、第1固定部材41の係合部46と螺合する部分と、第2固定部材52の係合部55と螺合する部分とを、異なる径やピッチ、リードとすることもできる。第1固定部材41と第2固定部材52とによる緩み止めの働きによって、分岐継手30は、取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、温度変化が激しい場合にも分岐継手30が主管22から緩み難い。
次に図7(F)に示すように、主管22に固定する分岐継手30の外筒部32bに副管20を接続する。第1実施形態では、副管20を筒状部材32の外筒部32b側から段差部35(図2参照)に当接するまで内挿して接続する。分岐継手30を介する副管20と主管22との接続によって、潜熱回収型ガス給湯器1のドレン16は、主管22から下流管24へ排出できる。
分岐継手30において副管20との接続部分には、副管20から分岐継手30を介して主管22にドレン16を排出するにあたり、封水機構を設けても良い。分岐継手30に封水機構を設ける場合には、専用のトラップを内挿して接続でき、維持管理のための着脱が可能である。また、封水機構は、例えば、汎用のパイプと継手との組合せによって構成しても良い。
なお、分岐継手30と接続する配管(例えば副管20)の接続方法は、分岐継手30への内挿に限定しない。例えば、筒状部材32の貫通口34に段差部35を形成せずに、副管20を分岐継手30の筒状部材32に外挿して接続しても良い。また、副管20の筒状部材32への接続は、接着剤を用いて強固に接続しても良いし、副管20と筒状部材32とにネジ部を設けて螺合して接続しても良いし、副管20と筒状部材32との圧接による接続でも良い。また、例えば、第1実施形態の筒状部材32の貫通口34には、貫通口34の径方向外側に凹む溝部を形成して、その溝部にパッキンを設けて分岐継手30と配管との止水性を向上しても良い。
次に図8〜図13を用いて、開孔25の寸法にバラツキがある場合でも、分岐継手30を精度良く取り付けできることを説明する。なお、以下の各実施形態において、筒状部材32のガイド部38の同径部39の外径は34.5mmである。
まず、図8〜図10を基に、外径の直径が165mm、管壁の厚さが5.1mm、内径の直径が近似内径で154mmの主管22Aに、分岐継手30を取り付ける場合について説明する(第1〜第3適用例)。
<第1適用例>
まず、図8を基に第1適用例について説明する。図8(A)に示す本適用例の主管22Aには、直径35mmの開孔25Aを穿設する。この開孔25Aに、筒状部材32の挿入筒部32aを挿入する。筒状部材32は、ガイド部38のテーパ部40の作用によって開孔25Aに円滑に挿入できる。そして、主管22Aの開孔25Aの径35mmと略同径である34.5mmに形成するガイド部38の同径部39は、筒状部材32の挿入に伴って開孔25Aの周面と部分的に当接する。このガイド部38の同径部39は、筒状部材32を開孔25Aの中心方向へ案内する芯出し機能として作用する。筒状部材32は、鍔部材33が主管22Aの開孔25Aを覆って主管22Aの外径に当接することで、開孔25Aに略位置決め状態になる。
略位置決め状態となった筒状部材32には、主管22Aの内側から第1固定部材41を取付ける。第1固定部材41で主管22Aの開孔25Aに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、主管22Aの内径と当接する。主管22Aの内径(内周面)は円筒形であるため、球面部42を主管22Aの内側から開孔25Aに押し当てると、球面部42が部分的に開孔25Aの縁25aに当接する。
図8(B)に、開孔25Aの投影線に対して当接する部分(当接部26A)を太線で強調して表示した。図8(B)に示すように、主管22Aの軸方向に対し開孔25Aの両側に所定の長さで当接する(当接部26Aを形成する)。
開孔25Aに対し、球面部42が当接する部分を開孔25Aの軸方向に投影した部分の長さ(図8(B)の当接部26Aの長さ)を当接部投影長さと呼ぶこととする。また、開孔25Aの周長(開孔25Aを軸方向に投影した際の周長)を全周長と呼ぶこととする。このとき、開孔25Aの全周長に対し、当接部投影長さの比を以下のように定義づける。
接触部比率(%)=100×当接部投影長さ(mm)/全周長(mm)
図8に示す第1適用例において、全周長は約109.96mmであり、当接部投影長さは約38.47mmとなる。したがって、開孔25Aの縁25aにおいて球面部42との接触部比率は約35%となる。この接触部比率は、球面部42が、開孔25Aの縁25aに対し約35%(1/3程度)接触していることを示す。さらに縁25aに対し球面部42が、1/3程度が芯出し機能を果たしていることを意味する。言い換えると、開孔25Aの直径が35mmの場合、球面部42の直径35mm相当部分の全周長の2/3程度は、芯出し機能を果たさない。
しかし、第1適用例では、筒状部材32の開孔25Aへの挿入や第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37との螺合によって、ガイド部38の同径部39が開孔25Aと当接して芯出し機能を果たしている。つまり、本適用例では、ガイド部38の同径部39による芯出し機能と、第1固定部材41の球面部42による芯出し機能とが、分岐継手30を開孔25Aに案内する芯出し機能として作用する。このため、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によって、分岐継手30は、主管22Aの開孔25Aに精度良く取り付けできる。
<第2適用例>
次に、図9を基に第2適用例について説明する。本適用例の主管22Aには、直径38mmの開孔25Bを穿設する。主管22Aの開孔25Bに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、開孔25Bの縁25aに当接する。開孔25Bの直径が38mmの場合、球面部42と開孔25Bとが接触する部分(当接部26B)の長さ(当接部投影長さ)は約76.42mmであり、開孔25Bの全周長は約119.38mmである。よって、球面部42と開孔25Bとの接触部比率は約64%となる。
この接触部比率は、球面部42の直径38mm相当部分の全周長の2/3程度が芯出し機能を果たしていることを意味する。言い換えると、第2適用例では、球面部42の直径38mm相当部分の全周長の1/3程度は、芯出し機能を果たさない。
しかし、第2適用例では、筒状部材32の開孔25Bへの挿入や第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37との螺合によって、ガイド部38の同径部39が開孔25Bと当接しながら補助的な芯出し機能を果たす。つまり、開孔25Bの直径が38mmの場合は、ガイド部38の同径部39による補助的な芯出し機能と、第1固定部材41の球面部42による芯出し機能とが互いに補い合って、分岐継手30を開孔25Bに案内し芯出しできる。
<第3適用例>
次に、図10を基に第3適用例について説明する。本適用例の主管22Aには、直径40mmの開孔25Cを穿設する。主管22Aの開孔25Cに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、開孔25Cの縁25aに当接する。
第3適用例では、球面部42と開孔25Cの縁25aとが接触する部分(当接部26C)の長さ(当接部投影長さ)は約111.43mmであり、開孔25Cの全周長は約125.66mmである。よって、球面部42と開孔25Cとの接触部比率は約89%となる。
この接触部比率は、球面部42の直径40mm相当部分の全周長の約89%が芯出し機能を果たしていることを意味する。ガイド部38の同径部39と開孔25Cは、筒状部材32を開孔25Cへ挿入しても、第1固定部材41の係合部46と筒状部材32の係止部37とを螺合しても、ほとんど当接することはない。したがって、ガイド部38は補助的な芯出し機能をほとんど果たさない。しかし、第3適用例では、第1固定部材41の球面部42の円周相当部の長さのほとんどが、分岐継手30を開孔25Cに案内する芯出し機能を果たす。つまり、第3適用例では、球面部42が十分な芯出し機能を果たす。
上述した第1〜第3適用例において、主管22Aの外径は165mmとなっている。また、筒状部材32の鍔部材33は、主管22Aの外径よりも緩径で主管22Aの外径に沿う方向にR108mmの湾曲を形成している。このため、主管22Aの寸法を、外径が165mm、近似内径が154mmで、管壁の厚さが5.1mmでない別のサイズの主管22Aに変更する場合であっても、鍔部材33は、鍔部材33の緩径の範囲の主管22Aの外径に密着して分岐継手30の止水性と固定性とを確保できる。
そして、第1固定部材41と第2固定部材52とが、分岐継手30の緩み止めとして機能する。このため、分岐継手30は、取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、温度変化が激しい場合にも分岐継手が主管から緩み難い。
以下図11〜図13を基に説明する第4〜第6適用例において分岐継手30は、外径の直径が216mm、管壁の厚さが6.5mm、内径の直径が近似内径で202mmの主管22Bに、分岐継手30を取り付ける場合について説明する(第4〜第6適用例)。
<第4適用例>
図11を基に第4適用例について説明する。本適用例の主管22Bには、直径35mmの開孔25Dを穿設する。主管22Bの開孔25Dに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、開孔25Dの縁25aに当接する。開孔25Dの直径が35mmの場合、球面部42と開孔25Dとが接触する部分(当接部26D)の長さ(当接部投影長さ)は約45.18mmであり、開孔25Dの全周長は約109.96mmである。よって、球面部42と開孔25Dとの接触部比率は約41%となる。
第4適用例では、ガイド部38の同径部39が開孔25Dと当接して芯出し機能を果たしており、これにより分岐継手30は、主管22Bの開孔25Dに精度良く取り付けできる。
<第5適用例>
図12を基に第5適用例について説明する。本適用例の主管22Bには、直径38mmの開孔25Eを穿設する。主管22Bの開孔25Eに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、開孔25Eの縁25aに当接する。開孔25Eの直径が38mmの場合、球面部42と開孔25Eとが接触する部分(当接部26E)の長さ(当接部投影長さ)は約101.47mmであり、開孔25Eの全周長は約119.38mmである。よって、球面部42と開孔25Eとの接触部比率は約85%となる。したがって第5適用例では、ガイド部38の同径部39による補助的な芯出し機能と、第1固定部材41の球面部42による芯出し機能とが互いに補い合って、分岐継手30を開孔25Eに案内し芯出して、精度良く取り付けできる。
<第6適用例>
図13を基に第6適用例について説明する。本適用例の主管22Bには、直径40mmの開孔25Fを穿設する。主管22Bの開孔25Fに分岐継手30を固定するとき、第1固定部材41の球面部42は、開孔25Fの縁25aに当接する。開孔25Fの直径が38mmの場合、球面部42と開孔25Fとが接触する部分(当接部26F)の長さ(当接部投影長さ)は約125.66mmであり、開孔25Fの全周長は約125.66mmである。よって、球面部42と開孔25Fとの接触部比率は約100%となる。したがって、球面部42と開孔25Fとの当接部26Fのみによって十分な芯出し機能を果たして、精度良く取り付けできる。
上述した第4〜第6適用例において、主管22Bの外径は216mm(半径108mm)となっている。また、鍔部材33は、主管22Bの外径と同じ曲率半径で主管22Bの外径に沿う方向にR108mmの湾曲を形成している。したがって、鍔部材33は、上述した第1〜第3適用例と同様に、主管22Bの外径に密着して分岐継手30の止水性と固定性とを確保できる。
そして、第1固定部材41と第2固定部材52とが、分岐継手30の緩み止めとして機能する。このため、分岐継手30は、取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、温度変化が激しい場合にも分岐継手が主管から緩み難い。
第1実施形態の分岐継手30によれば、第1〜第6適用例に示すように開孔25(開孔25A、25B、25C、25D、25E、25F)の寸法にバラツキがあっても、主管22(主管22A、22B)に分岐継手30を精度よく取付けでき、止水性と固定性とを確保できる。つまり、第1実施形態の分岐継手30によれば、開孔25を穿設する作業者は、穿設作業に熟練する必要が無い。また、第1実施形態の分岐継手30によれば、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42とは、分岐継手30を開孔25に対して芯出しするので、主管22に分岐継手30を精度よく取付けできる。
なお、本実施形態では、第1固定部材41に球状の面である球面部42を形成する。しかし、球状の面でなくても傾斜(例えば直線的なテーパ等)を備えていれば、分岐継手30を開孔25に対して芯出しできる。即ち、本発明は球状の面の傾斜に限定されず、球面部42に代えて、球状の面以外の曲面(例えば直線的なテーパ)を備えていても良い。なお、球状の面である球面部42を備えていることによって、ガイド部38と互いに補い合いながら芯出しをするという、より格別な効果を得ることができる。
また、第1実施形態の分岐継手30によれば、作業者は、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によって、分岐継手30を開孔25に取付けできる。つまり、作業者は、主管22に分岐継手30を取り付ける時間を短縮できる。
また、第1実施形態の分岐継手30によれば、作業者は、筒状部材32の挿入筒部32aを、開孔25に挿入して、第1固定部材41を主管22の内側から締め付けるだけで、分岐継手30を開孔25に対して案内できる。このため、作業者は、開孔25の寸法にバラツキがあっても、分岐継手30を取付けるときに位置調整を行う必要が無い。このため、第1実施形態の分岐継手30は、取付け作業性が良い。
また、分岐継手30を主管22の外側から固定する従来技術の場合には、筒状部材32と鍔部材33とをそれぞれ専用の別体の部品にする必要があり、部品点数が増加して製造費用や部品の管理費用が増加してしまう。しかし、第1実施形態の分岐継手30によれば、分岐継手30の鍔部材33は、主管22の外径の曲率よりも緩やかな曲率の緩径で、主管22の外径の周方向に略沿う形状に形成する。このため、第1実施形態の分岐継手30は、鍔部材33の緩径の範囲の主管22の外径に密着して精度良く取付けでき、分岐継手30の水密性を確保できる。また、第1実施形態の分岐継手30の鍔部材33は、主管22の外径の大きさに応じて、異なる曲率で形成する他の鍔部材33に交換できる。つまり、第1実施形態の分岐継手30によれば、部品を共通化できるので部品点数や製造費用や部品の管理費用を削減できる。
また、第1実施形態の分岐継手30によれば、筒状部材32のガイド部38と第1固定部材41の球面部42との間は、パッキン36やスペーサ56の有無に関わらず、主管22に分岐継手30を固定しても互いに当接しない。このため、温度変化や長年の使用等によるパッキン36の劣化に応じて第1固定部材41を増し締めして止水性を確保できる。つまり、第1実施形態の分岐継手30は、長年の使用により止水性が低下する場合に、分岐継手30を分解したりパッキン36やスペーサ56を交換したりする必要が無い。言い換えると、第1実施形態の分岐継手30は、保守に手間が掛からない。
また、第1実施形態の分岐継手30は、鍔部材33を主管22の外径よりも緩径で主管22の外径に略沿う形状に形成してある。このため、分岐継手30は、分岐継手30を取り付ける主管22のサイズを変更する場合にも、鍔部材33が主管22の外径に密着して分岐継手30の止水性と固定性とを確保できる。このため、第1実施形態の分岐継手30は、異なるサイズの主管22に対して部品を共通化できて、製造費用や部品の管理費用を低減できる。
第1実施形態の分岐継手30は、筒状部材32と鍔部材33とを別の部材で形成し、鍔部材33を例えば曲率半径R108mmで形成する。分岐継手30は、第1〜第3適用例として、外径165mm(半径82.5mm)の主管22Aに取り付けた例を示した。また、第4〜第6適用例として、外径216mm(半径108mm)の主管22Bに取り付けた例を示した。このように、鍔部材33の曲率半径を、主管22Aの外径と同じ半径か又は緩径とすることで、止水性と固定性を同時に確保することができる。
鍔部材33は、筒状部材32と別部材で形成する。したがって、主管22の外径に合わせて鍔部材33を異なる曲率半径のものに交換することができる。
図14(A)〜(C)には、3つの曲率半径r1〜r3を有する三種の鍔部材33A、33B、33Cを、それぞれ主管22の開孔25の周囲を覆うように配置した状態を示す。
図14(A)に示す鍔部材33Aの曲率半径r1は、主管22の外径の曲率半径と一致している(適用例4〜6と同等の状態)。例えば、外径216mm(半径108mm)の主管22に対して、鍔部材33Aの曲率半径r1を、R108mmとした場合である。
このように、主管22の外径と一致した曲率半径を有する鍔部材33Aを選択する場合は、止水性と固定性を確保できる。
これに対し、図14(B)に示す鍔部材33Bの曲率半径r2は、主管22の外径の曲率半径に対して小さい。例えば、外径216mm(半径108mm)の主管22に対して、鍔部材33Bの曲率半径r2を、R90mmとした場合である。
このような場合は、筒状部材32と第1固定部材41による挟圧によって、鍔部材33Bが主管22の外径に沿うように変形する。したがって、鍔部材33Bと主管22の外周との面圧が高まり、さらに止水性を高めることができる。しかしながら、鍔部材33Bが変形しうる範囲を超す曲率半径の差がある場合は、漏水の原因となる虞がある。したがって、鍔部材33Bのように、主管22の外径よりも小さな曲率半径を有する場合は、その適用範囲が狭くなる。
具体的には、主管22の外径の半径に対し、鍔部材33Bの曲率半径r2が65%以上であることが好ましい。例えば、鍔部材33の主管22と当接する面33a(図2参照)に無負荷状態で5mmのパッキン36を設けて、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によってパッキン36が3mm潰れて厚さ約2mmになり、パッキン36の全面が主管22に接面することを条件とすると、鍔部材33の曲率半径は、外径216mm(半径108mm)の主管22に対し、鍔部材33Bの曲率半径r2が70mm以上であることが好ましい。
また、図14(C)に示す鍔部材33Cの曲率半径r3は、主管22の外径の曲率半径に対して大きい(即ち緩径であり、適用例1〜3と同等の状態)。例えば、外径216mm(半径108mm)の主管22に対して、鍔部材33の曲率半径r3を、R120mmとした場合である。
このように、主管22の外径より緩径の曲率半径を有する鍔部材33Cを選択することで、止水性と固定性を確保できる。しかしながら、主管22の外径の曲率半径に対して、鍔部材33の曲率半径r3が大きすぎると、鍔部材33Cが主管22の外周に沿うことができずに、隙間が生じて止水性が確保できない虞がある。
具体的には、主管22の外径の半径に対し、鍔部材33Cの曲率半径r3が150%以下であることが好ましい。例えば、鍔部材33の主管22と当接する面33a(図2参照)に無負荷状態で5mmのパッキン36を設けて、筒状部材32の係止部37と第1固定部材41の係合部46との係合によってパッキン36が3mm潰れて厚さ約2mmになり、パッキン36の全面が主管22に接面することを条件とすると、鍔部材33の曲率半径は、外径216mm(半径108mm)の主管22に対し、鍔部材33Bの曲率半径r3が160mm以下であることが好ましい。
鍔部材33(鍔部材33A〜33C)の曲率半径が、主管22の外径に適合していない場合、即ち、主管22の外径の半径に対し、鍔部材33の曲率半径が65%未満、又は%150%超の場合には、十分な止水性を確保できない虞がある。
本実施形態の分岐継手30は、鍔部材33を筒状部材32と別部材で形成することで、鍔部材33を主管22の外径に合わせて選択できる。したがって、鍔部材33を複数種類サイズ用意して主管22のサイズに応じて鍔部材33を使い分けると、分岐継手30は、流体の圧力や用途に応じて水密性を確保できるとともに、鍔部材33を交換するのみで、主管22の寸法の変更に幅広く対応できる。
また、第1実施形態の分岐継手30は、鍔部材33の形状を主管22の外径の曲率よりも緩やかな曲率の緩径で複数種類用意したり、主管22の外径の曲率と略同一の曲率で複数種類用意したりする。これにより、分岐継手30は、鍔部材33を変更するのみで、より幅広い主管22の寸法に適合できる。
また、第1実施形態の分岐継手30は、筒状部材32と鍔部材33とを別の部材で形成する。そして、筒状部材32の環状突出部88は、筒状部材32の一方側の係止面88aを平面に形成し、鍔部材33の孔89は、環状突出部88の係止面88aと接触する平坦部90を鍔部材33の他方から突出して形成し、環状突出部88の係止面88aと鍔部材33の平坦部90との間には、スペーサ56を配置する。このため、主管22の管壁の厚さ(5.1mmのJIS規格寸法は5.1に+0.8mmら−0mmの幅)があっても、スペーサ56の厚さを調整して、筒状部材32のガイド部38が主管22から突出して第1固定部材41の球面部42との接触を防止できる。
また、第1実施形態の分岐継手30は、第2固定部材52と第1固定部材41との螺合が緩み止め(ダブルナット機構)として機能する。分岐継手30は、取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、高温の流体による温度変化が激しく熱膨張や熱収縮が起こる場合にも分岐継手が主管から緩み難い。特に、分岐継手30の筒状部材32と鍔部材33と第1固定部材41と第2固定部材52とを同質の素材で形成すれば、それぞれの熱膨張率と熱収縮率が同じとなり、温度変化によって分岐継手30が緩み難い。
また、第1実施形態の鍔部材33の孔89は、環状突出部88の係止面88aと接触する平坦部90を鍔部材33の他方から突出して形成して、平坦部90と環状突出部88とを面接触するが他でも良い。例えば、平坦部90か係止面88aかのいずれかの対向面の一方に突起を形成し、対向面の他方には突起と嵌合可能な孔部を形成しても良い。そして、突起と孔部とを互いに嵌合すれば、筒状部材32と鍔部材33とを一体の部材として取り扱えるため、開孔25への挿入作業や第1固定部材41による固定作業が容易になる。また、このように互いに嵌合可能な突起と孔部を平坦部90と係止面88aに形成することで、筒状部材32に第1固定部材41を螺合する際に、鍔部材33が主管22に沿って筒状部材32の供廻りを抑止できる。
また、筒状部材32と鍔部材33とを一体の部材として取り扱うために、筒状部材32の外周に形成するガイド部38の同径部39と鍔部材33の孔89を略同じ径として、嵌合可能としてもよい。また、筒状部材32と鍔部材33との双方にネジ部を設けて係合して一体化しても良い。このように、筒状部材32と鍔部材33とを嵌合、又はネジ部で係合し結合する場合、作業者は、筒状部材32と鍔部材33とを一体の部材として取り扱うことができ、開孔25への挿入作業や第1固定部材41による固定作業が容易になる。なお、筒状部材32と鍔部材33とをネジ部を設けて一体化する場合は、スペーサ56の有無やスペーサ56の厚みにより、筒状部材32の向きと鍔部材33の向きとの関係が変わる。このため、筒状部材32には、別途、シールなどを貼り付けて、組立後の向きを目視で判定できるようにしても良い。
<第1実施形態の変形例>
図15に第1実施形態の分岐継手30の変形例として適用可能な筒状部材132の斜視図である。この筒状部材132は、上述した第1実施形態における筒状部材32と鍔部材33が一体となった構造を有している。
筒状部材132は、貫通口134が貫く筒形状を有している。また、この筒形状全長を挿入筒部132aと外筒部132bとに区画する鍔部133を有している。挿入筒部132aには、オネジである係止部137を形成する。係止部137は、第1固定部材41及び第2固定部材52の係合部46、55と螺合可能である。また、筒状部材132は、鍔部133と挿入筒部132aの外周との間にリブ状のガイド部138を複数有している。
第1実施形態の変形例として、筒状部材32及び鍔部材33に代えて、鍔部133が一体となった筒状部材132を採用することで、開孔25への挿入作業や第1固定部材41及び第2固定部材52による固定作業が容易になる。
また、第1実施形態では、筒状部材32に形成する係止部37に、第1固定部材41と第2固定部材を螺合する。言い換えると、第1固定部材41の係合部46と第2固定部材52の係合部55とは、係止部37に螺合可能な同径のメネジに形成する。しかし、第1固定部材41の係合部46と第2固定部材52の係合部55との径は、異なる径であっても良い。例えば、筒状部材32に形成する係止部37の第1固定部材41の係合部46に対応する部分を大径に形成し、第2固定部材52の係合部55に対応する部分を小径に形成しても良い。このように、筒状部材32に形成する係止部37の第1固定部材41の係合部46に対応する部分と第2固定部材52の係合部55に対応する部分とを異径に形成すれば、係止部37の第2固定部材52の係合部55に対応する部分を部分的に細目ネジや管用ねじに形成できる。細目ネジは、通常の並目ネジに比べてリード角が小さく緩み難く、管用ねじはピッチが小さくて筒状部材32の強度を損なわずに気密性が高く分岐継手30の固定性を向上できる。
<<第2実施形態>>
次に、図16(A)、(B)を用いて第2実施形態の分岐継手60について説明する。第2実施形態は、第1実施形態における筒状部材32を筒状部材62に変更し、第1固定部材41を第1固定部材71に変更し、第2固定部材52を第2固定部材95に変更する。また、鍔部材63は、第1実施形態の鍔部材33と同様の構成を有し、筒状部材62と別部材で形成する。その他の第1実施形態と同様の構成は、同じ番号を付して説明を省略する。
第2実施形態の分岐継手60は、第1実施形態の分岐継手30(図2参照)と比較して、筒状部材62と第1固定部材71及び第2固定部材95とを固定する係合関係が異なる。即ち第2実施形態の分岐継手60は、筒状部材62の係止部67としてメネジを形成し、第1固定部材71の係合部76としてオネジを形成しており、これらの螺合により主管22に固定する。さらに、第2固定部材95の係止部99としてメネジを形成し、この係止部99(メネジ)と、筒状部材62の係止部67(メネジ)により、第1固定部材71の係合部76(オネジ)に対してダブルナット機構を構成する。
分岐継手60は、筒状部材62と鍔部材63と第1固定部材71と第2固定部材95とを有する。筒状部材62は、筒状内部に貫通口64を有する円筒状である。
筒状部材62には、分岐継手60を主管22に固定するための第1固定部材71と係合する係止部67(メネジ)を形成する。係止部67は、筒状部材62の貫通口64の内側に形成する。環状突出部98から突出し、主管22の開孔25に挿入する部分である挿入筒部62aには(筒状部材62の一方側)には、同径部69とテーパ部70とを有するガイド部68を形成する。なお、第2実施形態の環状突出部98は、外筒部62bの一部を筒状部材62の一方(挿入筒部62a)よりも大径に筒状部材62の径方向外側に突出して形成している。
筒状部材62の外筒部62bの外周が円筒状の場合は、ベルトレンチを用いて締め付け作業を行う。しかし、止めナットの作業性を考慮すると、筒状部材62は、その外周を六角ナット状に6つの面を形成して、作業者がスパナやレンチ等の工具を用いて筒状部材62を回し締めできるようにすることが望ましい。
第1固定部材71は、一端に開孔25の縁25aに当接する球面部72(傾斜部)と他端に回転付与部73とを有する。第1固定部材71は、筒状部材62の貫通口64に挿入可能な径の円筒部75を、球面部72の一端から延出するボルト状の部材である。第1固定部材71は、回転付与部73から円筒部75に貫通する貫通口74を形成する。円筒部75には、筒状部材62の係止部67(メネジ)と係合可能な係合部76(オネジ)を設ける。係合部76は、円筒部75の外径に径方向外側に突出するネジ状に形成する。また、第1固定部材71の貫通口74には、貫通口74の内径を狭めて段差を形成する段差部79を設ける。段差部79は、例えば、第1固定部材71の長手方向中間部に形成する。
また、円筒部75の外径には、円筒部75の径方向内側に凹む溝部81を形成する。溝部81は、例えば、係合部76を形成していない円筒部75の球面部72の一端側の近傍に形成する。溝部81には、パッキン82を備える。パッキン82は、分岐継手60の止水性を高める。そして、パッキン82は、排水管内の臭気漏れや主管22の外からの不明水の浸入を防止する。第2実施形態の溝部81は、円筒部75の外径に円筒部75の径方向内側に凹む溝部81を形成する。しかし、溝部81は、第1固定部材71の円筒部への形成に限定しない。例えば、筒状部材62の貫通口64に、径方向外側に凹む溝部を形成してパッキン82を備えても良い。
第2固定部材95は、一端に筒状部材62の外筒部62bの端面に当接する接触面部95aと外周に回転付与部96とを有するナット状の部材である。第2固定部材95は、筒状内部の長手方向に貫通する貫通口97を有する。貫通口97は、筒状部材62の係止部67を内挿可能な寸法である。貫通口97には、第1固定部材71の係合部76に螺合する係止部99(メネジ)を設ける。第2実施形態の係止部99は、貫通口97の径方向内側に突出するネジ状に形成する。
回転付与部96は、第2固定部材95の周方向に沿って六角ナット形状に形成して、スパナやレンチなどの工具を用いて回転付与部96を締め付ける。工具を用いて回転付与部96を締め付けるので、作業者は第2固定部材95をより強固に締め付けでき、主管22に取り付ける分岐継手60の緩みを確実に防止できる。係止部99は、回転付与部96による締め付けによって、第1固定部材71の係合部76に係合する。第2実施形態では、第1固定部材71に対し筒状部材62と第2固定部材95とがダブルナットを構成して、主管22の開孔25に分岐継手60を固定する。
そして、作業者は、主管22の内側から第1固定部材71の係合部76と筒状部材62の係止部67とを係合して、環状突出部98の係止面98aと主管22との間に鍔部材63を配置して開孔25を覆って、分岐継手60を主管22の開孔25に取付ける。第2実施形態の分岐継手60によれば、筒状部材62のガイド部68と第1固定部材71の球面部72とは、分岐継手60を開孔25に対して案内するので、第1実施形態と同様に主管22に分岐継手60を精度よく取付けでき、止水性と固定性とを確保できる。また、鍔部材63は、筒状部材62と別体に形成するので、主管22の外径に応じて、鍔部材63を曲率の異なる他の鍔部材(例えば、図14に示す鍔部材33A、33B、33C)に交換できる。
さらに、筒状部材62と第2固定部材95とのそれぞれの係止部67、99(メネジ)が、第1固定部材71の係合部76(オネジ)に対し、ダブルナット機構を構成して緩み止めとして機能する。このため、分岐継手60は、取り付け場所が振動する場合や衝撃を受ける場合、また、温度変化が激しい場合にも分岐継手が主管から緩み難い。
なお、第2実施形態の分岐継手60において、筒状部材62と鍔部材63とは、一体形成としても良い。しかし、筒状部材62と鍔部材63とを一体形成する場合は、下ナット(筒状部材62と鍔部材63)を固定することになり、上ナット正転法を行う必要がある。上ナット正転法は、止めナットを行う際に締め付け作業によって発生するロッキング力を感覚的に捉え難い。
このため、第2実施形態においては、止めナットを行う際の締め付け作業によって発生するロッキング力を感覚的に捉えやすい下ナット逆転法を行えるように、筒状部材62と鍔部材63とを別部材とすることが好ましい。筒状部材62と鍔部材63とが別部材であれば、下ナット逆転法で下ナット(筒状部材62)を回転する際に鍔部材63が供回りしない。
図16(B)に示すように、第2実施形態の鍔部材63の孔89は、筒状部材62の挿入筒部62aに形成するガイド部68の同径部69と、略同じ径か若干小さく形成する。これにより、筒状部材62と鍔部材63を嵌合することができる。このように、筒状部材62と鍔部材63とを嵌合可能とすることで、作業者は、筒状部材62と鍔部材63とを結合して一体の部材として取り扱うことができ、開孔25への挿入作業や第1固定部材71による固定作業が容易になる。
第2実施形態では、筒状部材62の貫通口64か第1固定部材71の円筒部75の外径のいずれかに凹状の溝部81を形成して、溝部81には止水部材であるパッキン82(止水部材)を設ける。このため、分岐継手60の止水性を更に向上できる。また、パッキン82は、排水管内の臭気漏れや主管22の外からの不明水の浸入を防止できる。
加えて、ダブルナット機構を構成するための第2固定部材95を主管22の外部に設けているいため、主管22の内部において、ドレンの流路を阻害せずに、緩み止めを確実に行うことができる。
以上の説明のように、本実施形態では、主管22を汚水マス22とし、副管20を排水支管20としてドレン16を副管20から主管22へ排出する例を説明したが他でも良い。例えば、分岐継手は、主管22から副管20へとドレン16を排出する配管の構成にしても良い。また、分岐継手は、例えば図1の汚水マス22と下流管24との接続に用いても良い。また、本実施形態の分岐継手は、ドレン16の排出に用いたが他でも良い。例えば、分岐継手は、その他の上水や下水などの流体の流路の接続にも適用できる。また、分岐継手は、流入ダクトや排気ダクトなどの気体の流路の接続にも適用できる。
次に本実施形態が含む発明について述べる。
分岐継手は、主管に穿孔する開孔に取り付けて、副管を接続して分岐路を形成する分岐継手であって、前記副管を接続可能であり、前記主管の開孔に外側から挿入する筒状部材と、前記筒状部材の外周に設けて前記開孔の周囲を外側から覆う鍔部と、前記開孔の縁に前記主管の内側から当接する傾斜部を備え、前記筒状部材に前記主管の内側から螺合し、前記傾斜部と前記鍔部との間に前記主管を挟持する第1固定部材と、前記筒状部材と前記第1固定部材のうちオネジとなる一方に螺合するメネジを形成してダブルナット機構を構成する第2固定部材と、を有する。
このため、第1固定部材の球面部(傾斜部)は、筒状部材の係止部と螺合するときに、開孔の縁に当接しながら主管の内径で円滑に回転できる。また、球面部は、根元部から先端部へ向かって先細り形状となっており、開孔に挿入するとガタツキが少なく、第1固定部材を円滑に開孔の中心軸方向に芯出しできる。
更に、第1固定部材と第2固定部材とが羽交い絞め状態で止めナット(ダブルナット機構)となるので、分岐継手の取り付け場所が振動したり、衝撃を受けたり、温度変化しても分岐継手が主管から緩み難い。
また、筒状部材には、開孔内で分岐継手を案内するガイド部を設ける。そして、第1固定部材には、開孔の縁に当接する球面部を設ける。球面部の先端側は、ガイド部の外径よりも小径に形成して、球面部の他端側は、開孔よりも大径に形成する。
このため、ガイド部と第1固定部材の球面部とによって分岐継手を主管の開孔に精度良く取付けできる。また、主管の外径に当接する鍔部は、主管の外径に密着して分岐継手の止水性と固定性とを確保できる。
また、ガイド部は、主管の厚さより短い長さの同径部と、該同径部から端末へ縮径するテーパ部とを有する。このため、筒状部材を開孔に挿入する際に筒状部材を開孔に対して案内できる。
また、ガイド部と球面部の先端側とは、主管に分岐継手を固定する状態で、相互に当接しない隙間を有する。このため、必要に応じて分岐継手を増し締めができる。
また、鍔部と主管との間及び鍔部と係止面との間には、パッキンを設けることができる。パッキンは、分岐継手の止水性を向上するとともに、主管の管壁の厚さ誤差を調整してガイド部と球面部の先端側との隙間を確保できる。また、パッキンは、排水管内の臭気漏れや不明水の浸入を防止できる。
また、鍔部は、主管の外径よりも緩径で主管の外径に略沿う形状に形成する。このため、分岐継手を取り付ける主管の大きさを変更しても、同じ分岐継手で大きさの違う主管の外径に密着して分岐継手の止水性と固定性とを確保できる。
また、鍔部は、筒状部材と別部材で形成する。このため、鍔部は、主管の外径に合わせて交換できる。言い換えると、分岐継手は、鍔部の金型を複数用意するのみで、筒状部材と第1固定部材と第2固定部材との金型を複数用意する必要がない。つまり、分岐継手は、鍔部を交換するのみで主管への適用範囲を広げることができる。
また、鍔部は、鍔部を曲率の異なる他の鍔部に交換できる。このため、分岐継手は、主管の寸法により適合する鍔部を選択できるので、より信頼性のある水密性を確保できる。
また、筒状部材に対する第2固定部材による螺合長さが、筒状部材に対する第1固定部材の螺合長さより長い。このため、上ナットは、止めナットを行う場合に締め付け軸力とロッキング力との和を負担でき有効な止めナットを構成できる。
また、筒状部材、第1固定部材、第2固定部材において、互いの螺合が細目ネジによりなされる。通常の並目ネジに比べてリード角が小さい細目ネジは、緩み難く分岐継手の固定性を向上できる。
さらに、第1固定部材と第2固定部材とのそれぞれのネジ部の径を異ならせて、ネジ部の固定性を向上しても良い。
また、筒状部材、鍔部、第1固定部材、第2固定部材の熱膨張率が略同じとする。より具体的には、これらを、同質の素材で形成する。筒状部材と鍔部材と第1固定部材と第2固定部材とを同質の素材で形成すれば、それぞれの熱膨張率と熱収縮率が同じとなり、温度変化によって分岐継手が緩み難い。
また、筒状部材は、その外周に係止面を有し、鍔部は、筒状部材と別体に形成する鍔部材であり、筒状部材を挿通する孔を備え、係止面と主管の間に位置する。このため、鍔部材を、より急な曲率で形成すれば、鍔部材は、主管に対してより強く密着して水密性を確保できる。つまり、鍔部材を複数種類サイズ用意して主管のサイズに応じる鍔部材を使い分ければ、分岐継手は、流体の圧力や使用する用途に応じて水密性を確保できる。そして、分岐継手は、鍔部材を交換するのみで主管の寸法の変更に幅広く対応できる。また、筒状部材と鍔部材とが別部材であれば、下ナット逆転法で下ナットを回転する際に鍔部材が供回りしない。
また、係止面は、平坦に形成し、前記鍔部材には、前記係止面と接触するか、又は前記係止面とパッキンを介し対向する平坦部を備える。このため、筒状部材と第1固定部材との螺合によって分岐継手を主管に固定するとき、鍔部材と環状突出部との一体感が高まり、精度よく取り付けて水密性を向上できる。さらにパッキンを設ける場合には、主管の管壁の厚さ誤差を調整できる。
また、前記筒状部材の外周にオネジを形成し、第1固定部材に前記オネジと螺合可能なメネジを形成してもよい。また、筒状部材の内径にメネジを形成し、第1固定部材が筒状でありその外周に前記メネジと螺合可能なオネジを形成してもよい。いずれの構成であっても、本発明の効果を奏し、分岐継手を主管の開孔に精度良く取付けできる。
また、前記筒状部材の内径にメネジを形成し、第1固定部材が筒状でありその外周に前記メネジと螺合可能なオネジを形成する場合には、係止部と係合部との螺合を主管の外周側から目視で確認できる。
また、筒状部材のガイド部は、係止面に対し先端側(挿入側)に設けることができる。このため、筒状部材を開孔に挿入する際に筒状部材を円滑に案内するとともに、筒状部材を開孔に対して案内できる。
また、前記筒状部材の内径にメネジを形成し、第1固定部材が筒状でありその外周に前記メネジと螺合可能なオネジを形成した場合においては、筒状部材の貫通口の内周面か第1固定部材の円筒部の外周面のいずれかに凹状の溝部を形成して、該溝部に止水部材(パッキン)を設けることが好ましい。このため、止水部材は、止水性を向上するとともに、排水管内の臭気漏れや不明水の浸入を防止できる。
また、筒状部材と鍔部とが結合してもよい。これにより、筒状部材と別部材の鍔部を一体の部品として扱うことができ、筒状部材を本管の開孔に挿入する際の作業がより簡易となる。
本発明は、主管と副管とを接続する分岐継手に適用できる。
1:潜熱回収型ガス給湯器、2:給湯器本体、16:ドレン、18:ドレン排出管路、20:副管(排水支管)、22、22A、22B:主管(汚水マス)、25、25A、25B、25C、25D、25E、25F:開孔、25a:縁、26A、26B、26C、26D、26E、26F:当接部、30、60:分岐継手、32、62、132:筒状部材、32a、62a、132a:挿入筒部、32b、62b、132b:外筒部、33、33A、33B、33C、63:鍔部材(鍔部)、34、44、54、64、74、97、134:貫通口、35、79:段差部、36:パッキン、37、137:係止部(オネジ)、38、68、138:ガイド部、39、69:同径部、40、70:テーパ部、41、71:第1固定部材、42、72:球面部(傾斜部)、42a:先端部(先端側)、42b:根元部(他端側)、43、53、73、96:回転付与部、43a、53a:目印線、46、55:係合部(メネジ)、51:ホールソー、52、95:第2固定部材、56:スペーサ(パッキン)、67、99:係止部(メネジ)、75:円筒部、76:係合部(オネジ)、81:溝部、82:止水部材(パッキン)、88、98:環状突出部、88a、98a:係止面、89:孔、90:平坦部、133:鍔部

Claims (14)

  1. 主管に穿孔する開孔に取り付けて、副管を接続して分岐路を形成する分岐継手であって、
    前記副管を接続可能であり、前記主管の開孔に外側から挿入する筒状部材と、
    前記筒状部材の外周に設けて前記開孔の周囲を外側から覆う鍔部と、
    前記開孔の縁に前記主管の内側から当接する傾斜部を備え、前記筒状部材に前記主管の内側から螺合し、前記傾斜部と前記鍔部との間に前記主管を挟持する第1固定部材と、
    前記筒状部材と前記第1固定部材のうちオネジとなる一方に螺合するメネジを形成してダブルナット機構を構成する第2固定部材と、
    を有する分岐継手。
  2. 前記筒状部材は、前記開孔内に前記筒状部材を案内するガイド部を備え、
    前記第1固定部材の傾斜部を球面状に形成し、前記開孔の縁に当接する先端側を前記ガイド部の外径よりも小径に、かつ他端側を前記開孔よりも大径に形成する請求項1に記載の分岐継手。
  3. 前記ガイド部は、前記筒状部材の軸方向に沿って形成して同外径を維持する同径部と、前記軸方向に沿って縮径するテーパ部とを備える請求項2に記載の分岐継手。
  4. 前記ガイド部と前記傾斜部とは、前記主管を前記鍔部と前記第1固定部材とで挟持した状態で、相互に当接しない請求項2又は3に記載の分岐継手。
  5. 前記鍔部と前記主管との間で狭圧するパッキンを有する請求項1〜4の何れか一項に記載の分岐継手。
  6. 前記鍔部は、前記主管の外径よりも緩径で前記主管の外径に略沿う形状に形成する請求項1〜5の何れか一項に記載の分岐継手。
  7. 前記筒状部材に対する前記第2固定部材による螺合長さが、前記筒状部材に対する前記第1固定部材の螺合長さより長い請求項1〜6の何れか一項に記載の分岐継手。
  8. 前記筒状部材、前記第1固定部材、前記第2固定部材において、互いの螺合が細目ネジによりなされている請求項1〜7の何れか一項に記載の分岐継手。
  9. 前記筒状部材、前記鍔部、前記第1固定部材、前記第2固定部材の熱膨張率が略同じであり、熱収縮による螺合の緩みを抑制できる請求項1〜8の何れか一項に記載の分岐継手。
  10. 前記筒状部材の外周にオネジを形成し、
    前記第1固定部材に前記オネジと螺合可能なメネジを形成する請求項1〜9の何れか一項に記載の分岐継手。
  11. 前記筒状部材の内径にメネジを形成し、
    前記第1固定部材が筒状でありその外周に前記メネジと螺合可能なオネジを形成する請求項1〜9の何れか一項に記載の分岐継手。
  12. 前記筒状部材と前記筒状の第1固定部材の間であって、前記メネジと前記オネジとが螺合する部分より主管側に止水部材を設ける請求項11に記載の分岐継手。
  13. 前記筒状部材は、その外周に係止面を有し、
    前記鍔部は、前記筒状部材と別体に形成する鍔部材であり、前記筒状部材を挿通する孔を備え、前記係止面と前記主管の間に位置する、請求項1〜12の何れか一項に記載の分岐継手。
  14. 前記係止面は、平坦に形成し、
    前記鍔部材には、前記係止面と接触するか、又は前記係止面とパッキンを介し対向する平坦部を備える請求項13に記載の分岐継手。
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