JP2015140374A - 放射線硬化性組成物、接着剤、及び偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光膜と保護フィルムとが強固に接合した偏光板の製造を可能にする放射線硬化性組成物の提供。【解決手段】(A)エステル基を含有し、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物、(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤、及び(C)水酸基を分子内に3個以上有する化合物を含む、放射線硬化性組成物。さらに、(D)分子内にカチオン硬化性基を3個以上有する化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く]、(E)エステル基を含まない、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物、(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、(G)光ラジカル開始剤を含んでいてもよい、放射線硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化性組成物、接着剤、硬化物及び偏光板に関する。特に、偏光板等の光学部材の製造用接着剤として好適な放射線硬化性組成物、接着剤、及びそれらを用いた偏光板に関する。
近年、文字、画像等を表示する表示装置として液晶表示装置が広く利用されている。このような液晶表示装置は、通常、2枚の偏光板と、その間に配置された、ガラス基板、透明電極、カラーフィルタ、配光膜、液晶等からなる液晶セルを含む。一般に、液晶表示装置に用いられる偏光板は、延伸配向したポリビニルアルコール系シートにヨウ素、二色性染料等を吸着させた偏光膜(偏光子)の片面又は両面に、トリアセチルセルロース系フィルム等の保護フィルムを、接着剤層を介して貼りあわせてなるものである。
偏光板の製造に用いられる接着剤に好適な組成物としては、各種の硬化系を有するものが知られている。なかでも、加熱や紫外線照射等によって硬化反応が進行し、架橋密度の高い接着剤層や被膜を形成可能なものが、良好な接着強度や塗膜強度を発現可能であることが知られている。加熱や紫外線照射等によって硬化を進行可能な硬化性組成物としては、主として、アクリル系モノマーを用いたラジカル硬化性組成物と、エポキシ化合物を用いたカチオン硬化性組成物とが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
ラジカル重合は、硬化が十分に進行する前に停止したり、重合反応が進行するに従い硬化収縮を引き起こし、密着性を確保することが困難であった。一方、カチオン重合は、一般に取り扱い粘度が高く濡れ拡がり性に難があり、生産性が低下するという問題や、硬化が遅く、目的とする接着性が得られなかったり、硬化物のTgが低く、偏光膜や保護フィルムとの線膨張率差により、クラックや剥離を起こしやすいという問題があった。
そこで、アクリル系モノマーとエポキシ化合物とを用いたハイブリッド系の硬化性組成物が検討されている(例えば、特許文献3等)。しかし、この場合も硬化物のTgが低く、偏光膜や保護フィルムのクラックや剥離を十分に抑制することは困難であった。
特開2008−231407号公報 特開2012−208250号公報 WO2011/013663
本発明の目的は、偏光膜と保護フィルムとが強固に接合した偏光板の製造を可能にする放射線硬化性組成物、該組成物の硬化物、及び接着剤、並びに該接着剤を用いた偏光板を提供することにある。
本発明の他の目的は、硬化性に優れるとともに、硬化物の耐熱性に優れ、偏光膜や保護フィルムのクラック、剥離が起こりにくい、信頼性を確保できる偏光板を作製できる放射線硬化性組成物、該組成物の硬化物、及び接着剤、並びに該接着剤を用いた偏光板を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ化合物と特定の光カチオン重合開始剤と特定の水酸基含有化合物とを組み合わせて用いることにより、偏光膜と保護フィルムとが強固に接合し、クラックや剥離が生じにくい信頼性を確保できる偏光板を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(A)エステル基を含有し、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物、
(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤、及び
(C)水酸基を分子内に3個以上有する化合物
を含む放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、さらに、(D)分子内にカチオン硬化性基を3個以上有する化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く]を含む前記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、さらに、(E)エステル基を含まない、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物を含む前記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、さらに、(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、及び(G)光ラジカル開始剤を含む前記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、前記化合物(C)の含有量が、化合物(A)100重量部に対して10〜150重量部である前記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、前記化合物(A)及び化合物(C)の総含有量が、放射線硬化性組成物全体の30〜99重量%である前記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、前記放射線硬化性組成物を含有する接着剤を提供する。
また、本発明は、偏光膜と保護フィルムとの接着に用いる前記接着剤を提供する。
本発明は、さらに、前記放射線硬化性組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
また、本発明は、90℃における貯蔵弾性率が、0.1GPa以上である前記硬化物を提供する。
本発明は、さらにまた、偏光膜の少なくとも一方の面に、保護フィルムが、前記接着剤を用いて接着されている偏光板を提供する。
また、本発明は、前記接着剤が、照射光量が800mJ/cm2以下の放射線照射によって硬化している前記偏光板を提供する。
本発明の放射線硬化性組成物及び接着剤は、放射線硬化性に優れ、偏光膜と保護フィルムとが強固に接合した偏光板を得ることができる。また、本発明の放射線硬化性組成物及び接着剤によれば、硬化物の耐熱性に優れ、偏光膜や保護フィルムのクラック、剥離が起こりにくい、信頼性を確保できる偏光板を作製できる。
[放射線硬化性組成物]
本発明の放射線硬化性組成物は、
(A)エステル基を含有し、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物[以下、「化合物(A)」又は「成分(A)」と称する場合がある]、
(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤[以下、「成分(B)」と称する場合がある]、及び
(C)水酸基を分子内に3個以上有する化合物[以下、「化合物(C)」又は「成分(C)」と称する場合がある]
を含む。
なお、本明細書において、「硬化性成分」とは、放射線硬化反応によって硬化物を得る際の出発物質(カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物等)[少なくとも、後述の化合物(A)、化合物(C)、化合物(D)、化合物(E)、化合物(F)、オキセタン化合物、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物、エポキシ基を有するゴム成分を含む]をいう。
[化合物(A)]
化合物(A)は、エステル基(エステル結合)を含有し、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物である。前記エステル基にはカーボネート基(カーボネート結合)も含まれる。脂環式エポキシ基とは、脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を意味する。
化合物(A)としては、透明性、耐熱性の観点から、シクロヘキセンオキシド基を有する化合物が好ましく、特に、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015140374
上記式(I)中、Xは、少なくともエステル基(エステル結合)を含む連結基を示す。上記式(I)中の2つのシクロヘキサン環は、それぞれ、式中に示されるエポキシ基以外の置換基、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基(例えば、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル基等)、置換基を有していてもよいアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基等)などの置換基を1又は2以上有していてもよいし、有していなくてもよい。
上記連結基としては、エステル基(エステル結合)のほか、1又は2以上のエステル基(エステル結合)と1又は2以上の2価の炭化水素基とが結合した基などが挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜10)の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基などが挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、テトラデカメチレン基などが挙げられる。上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基などの2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
上記式(I)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、下記式(I−1)〜(I−10)で表される化合物などが挙げられる。なお、下記式(I−5)、(I−7)中のl、mは、それぞれ1〜30の整数を表す。下記式(I−5)中のRは炭素数1〜8のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−エチルエチレン基、1−エチル−1−メチルメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(I−9)、(I−10)中のn1〜n6は、それぞれ1〜30の整数を示す。
Figure 2015140374
Figure 2015140374
本発明の放射線硬化性組成物において、化合物(A)は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。化合物(A)としては、特に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[上記(I−1)で表される化合物]を少なくとも用いることが好ましい。
本発明の放射線硬化性組成物において、前記化合物(A)の含有量は、例えば、硬化性成分総量に対して、5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%である。化合物(A)の含有量が上記範囲にあると、特に偏光膜と保護フィルムとを接合する場合において、より高い接着力が得られる。
[(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤]
本発明では、光カチオン重合開始剤として、アニオン部として、フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン(フッ化アルキルフルオロリン酸アニオン)又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤を用いる。
前記フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオンは、例えば、下記式(a)で表される。
[(Rf)nPF6-n] (a)
(式(a)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す)
前記式(a)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくはC1-4アルキル基)であり、なかでも、CF3、C25、(CF32CF、C37、C49、(CF32CFCF2、CF3CF2(CF3)CF、(CF33C等の、水素原子の100%がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のC1-4アルキル基が好ましい。
従って、前記フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオンとしては、特に、[(C253PF3-、[(C373PF3-、[((CF32CF)3PF3-、[((CF32CF)2PF4-、[((CF32CFCF23PF3-、及び[((CF32CFCF22PF4-等が好ましい。
上記の中でも、特に好ましいフッ化アルキルフルオロホスフェートアニオンは、[(C253PF3-(=トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートアニオン)である。
前記ペンタフルオロフェニルボレートアニオンは、例えば、下記式(b)で表される。
Figure 2015140374
[式(b)中、X1〜X4は、同一又は異なって、0〜5の整数を示し、X1〜X4のうち、少なくとも1つは5である]
上記の中でも、特に好ましいペンタフルオロフェニルボレートアニオンは、[B(C654-[=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]である。
上記(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤のカチオン部としては、公知乃至慣用の光カチオン重合開始剤が有するカチオンが挙げられ、特に限定されないが、例えば、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオン、セレニウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、遷移金属錯体イオン等が挙げられる。
上記スルホニウムイオンとしては、例えば、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、トリ−o−トリルスルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、1−ナフチルジフェニルスルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、トリス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、トリ−1−ナフチルスルホニウム、トリ−2−ナフチルスルホニウム、トリス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム、4−(p−トリルチオ)フェニルジ−(p−フェニル)スルホニウム、[1,1’−ビフェニル]−4−イル[4−(1,1’−ビフェニル)−4−イルチオフェニル]フェニル等のトリアリールスルホニウム;ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジフェニル4−ニトロフェナシルスルホニウム、ジフェニルベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム等のジアリールスルホニウム;フェニルメチルベンジルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、4−メトキシフェニルメチルベンジルスルホニウム等のモノアリールスルホニウム;ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム、ジメチルベンジルスルホニウム等のトリアルキルスルホニウム等が挙げられる。
上記ヨードニウムイオンとしては、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4−デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、4−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウムおよび4−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム等のアリールヨードニウムイオン(特に、ビスアリールヨードニウムイオン)などが挙げられる。
上記セレニウムイオンとしては、例えば、トリフェニルセレニウム、トリ−p−トリルセレニウム、トリ−o−トリルセレニウム、トリス(4−メトキシフェニル)セレニウム、1−ナフチルジフェニルセレニウム等のトリアリールセレニウム;ジフェニルフェナシルセレニウム、ジフェニルベンジルセレニウム、ジフェニルメチルセレニウム等のジアリールセレニウム;フェニルメチルベンジルセレニウム等のモノアリールセレニウム;ジメチルフェナシルセレニウム等のトリアルキルセレニウム等が挙げられる。
上記アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム;N,N−ジメチルピロリジウム、N−エチル−N−メチルピロリジウム等のピロリジウム;N,N’−ジメチルイミダゾリニウム、N,N’−ジエチルイミダゾリニウム等のイミダゾリニウム;N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジウム、N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジウム等のテトラヒドロピリミジウム;N,N−ジメチルモルホリニウム、N,N−ジエチルモルホリニウム等のモルホリニウム;N,N−ジメチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム等のピペリジニウム;N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム等のピリジニウム;N,N’−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム;N−メチルキノリウム等のキノリウム;N−メチルイソキノリウム等のイソキノリウム;ベンジルベンゾチアゾニウム等のチアゾニウム;ベンジルアクリジウム等のアクリジウム等が挙げられる。
上記ホスホニウムイオンとしては、例えば、テトラフェニルホスホニウム、テトラ−p−トリルホスホニウム、テトラキス(2−メトキシフェニル)ホスホニウム等のテトラアリールホスホニウム;トリフェニルベンジルホスホニウム等のトリアリールホスホニウム;トリエチルベンジルホスホニウム、トリブチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリエチルフェナシルホスホニウム等のテトラアルキルホスホニウム等が挙げられる。
上記遷移金属錯体イオンとしては、例えば、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−キシレン)Cr+等のクロム錯体カチオン;(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−キシレン)Fe+等の鉄錯体カチオン等が挙げられる。
上記フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオンを有する光カチオン重合開始剤としては、具体的には、例えば、4−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ジフェニル[4−(フェニルスルホニル)フェニル]スルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〔=[1,1’−ビフェニル]−4−イル[4−(1,1’−ビフェニル)−4−イルチオフェニル]フェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート〕等を好ましく使用することができる。
上記ペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤としては、具体的には、例えば、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔=[1,1’−ビフェニル]−4−イル[4−(1,1’−ビフェニル)−4−イルチオフェニル]フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〕等を好ましく使用できる。
(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤の使用量(総使用量)としては、化合物(A)と化合物(C)の総量[あるいは、硬化性成分総量]100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。上記光カチオン重合開始剤の使用量が上記範囲であると、硬化が円滑に進行し、接着力不足や耐候性の低下という問題が生じにくい。また、硬化後のイオン性物質の濃度を低くすることができるので、耐水性を保持できる。
[化合物(C)]
化合物(C)は、水酸基を分子内に3個以上有する化合物である。化合物(C)を配合することで、放射線吸収性を有する偏光膜の接着に用いる場合であっても、放射線硬化性組成物の硬化性が著しく高く、耐候性の高い偏光板の製造が可能になる。上記化合物(C)において、1分子中に存在する水酸基の数は、例えば3〜6個、好ましくは3又は4個、特に好ましくは3個である。
化合物(C)としては、分子内に水酸基を3個以上有する化合物であれば特に限定されないが、分子内にアルコール性水酸基を3個以上有する化合物(3価以上の多価のアルコール)が好ましい。化合物(C)として、例えば、ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、アダマンタントリオール等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ化合物[特に、前記化合物(A)]との相溶性の観点から、分子内にエステル基を含むポリエステルポリオール(例えば、ポリエステルトリオール)が好ましく、ポリカプロラクトンポリオールがより好ましく、ポリカプロラクトントリオールが特に好ましい。前記ポリエステルポリオール(例えば、ポリカプロラクトントリオール等のポリカプロラクトンポリオールなど)の重量平均分子量は、例えば、200〜10000、好ましくは250〜5000、より好ましくは280〜2500、特に好ましくは290〜2000である。
ポリカプロラクトントリオールとしては、特に制限されないが、下記式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015140374
上記式(II)において、a、b、cは、いずれも1以上の整数であり、それぞれ、例えば1〜30、好ましくは1〜10の範囲内であり、a+b+cは好ましくは3〜30の範囲内である。R1は、3価の炭化水素基、好ましくは3価の脂肪族炭化水素基である。R1の炭素数は好ましくは3〜20、より好ましくは3〜15、さらに好ましくは3〜10の範囲内である。R1の代表例としては、以下の式(III−1)〜(III−4)で表される3価の炭化水素基等が挙げられる。
Figure 2015140374
ポリカプロラクトントリオールの市販品としては、例えば、プラクセル303、プラクセル305、プラクセル308、プラクセル312、プラクセルL312AL、プラクセル320、プラクセル320ML、プラクセルL320AL、プラクセルL330AL、プラクセル410(以上、いずれもダイセル社の商品名)等が挙げられるが、混合時の容易さと、析出の恐れがないという観点から、常温で液状であるプラクセル305、プラクセル410が好ましく、プラクセル305がより好ましい。
本発明の放射線硬化性組成物において、化合物(C)は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の放射線硬化性組成物における化合物(C)の含有量は、適宜選択できるが、例えば、化合物(A)100重量部に対して、20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部、さらに好ましくは50〜150重量部、特に好ましくは70〜130重量部である。また、前記化合物(C)の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。化合物(C)の含有量が上記範囲にあると、特に偏光膜と保護フィルムとを接合する場合において、より高い接着力が得られる。
本発明の放射線硬化性組成物において、前記化合物(A)及び化合物(C)の総含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、20〜100重量%(例えば、20〜95重量%)、好ましくは25〜100重量%(例えば、25〜90重量%)、より好ましくは30〜100重量%(例えば、30〜70重量%)である。
[(D)分子内にカチオン硬化性基を3個以上有する化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く]]
本発明の放射線硬化性組成物は、前記各成分に加えて、(D)分子内にカチオン硬化性基を3個以上有する化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く][以下、化合物(D)又は成分(D)と称する場合がある]を含んでいてもよい。上記カチオン硬化性基としては、例えば、エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)、ビニルエーテル基などが挙げられる。
化合物(D)としては、分子内に3個以上のグリシジル基を有する化合物が好ましく、特に、分子内にグリシジルエーテル基を3個以上有するポリグリシジルエーテル化合物が好ましく、とりわけ、脂肪族ポリグリシジルエーテル[3価以上の脂肪族多価アルコール(分子内にエーテル結合を有していてもよい)の水酸基の3個以上がグリシジルエーテル化された化合物]が好ましい。なお、脂肪族ポリグリシジルエーテルは、例えば、3価以上の脂肪族多価アルコールにエピクロロヒドリンを反応させることによって製造することができる。
化合物(D)を配合することにより、カチオン硬化が円滑に進行し、高い接着強度が得られる。上記化合物(B)において、1分子中に存在するグリシジル基の数は、例えば3〜12個、好ましくは3〜6個、特に好ましくは3〜4個である。
化合物(D)のカチオン硬化性基当量(例えば、エポキシ当量)としては、例えば、80〜6000g/eq、好ましくは90〜1000g/eq、さらに好ましくは120〜300g/eqである。
前記化合物(D)の代表的な例として、例えば、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(ジグリセリンテトラグリシジルエーテル等)、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、エリスリトールトリグリシジルエーテル、エリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、キシリトールトリグリシジルエーテル、キシリトールテトラグリシジルエーテル、マンニトールトリグリシジルエーテル、マンニトールテトラグリシジルエーテルなどの、3価以上の脂肪族多価アルコール(例えば、炭素数3〜12の多価アルコール)]のポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
本発明の放射線硬化性組成物において、化合物(D)は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の放射線硬化性組成物における化合物(D)の含有量は、適宜選択できるが、例えば、化合物(A)100重量部に対して、10〜150重量部、好ましくは20〜120重量部、さらに好ましくは25〜80重量部である。また、前記化合物(D)の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、2〜40重量%、好ましくは4〜35重量%、より好ましくは6〜30重量%である。化合物(D)の含有量が上記範囲にあると、偏光膜と保護フィルムとを接着する際、より高い接着力が得られる。
また、前記化合物(A)、化合物(C)及び化合物(D)の総含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、30〜100重量%(例えば、30〜95重量%)、好ましくは35〜100重量%(例えば、35〜90重量%)、より好ましくは40〜100重量%(例えば、40〜80重量%)である。また、前記化合物(A)、化合物(C)及び化合物(D)の総含有量は、放射線硬化性組成物全体に対して、例えば、30〜99.8重量%、好ましくは35〜98重量%、より好ましくは40〜97重量%である。化合物(A)、化合物(C)及び化合物(D)の総含有量が上記範囲にあると、特に偏光膜と保護フィルムとを接合する場合において、より高い接着力が得られる。
[(E)エステル基を含まない、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物]
本発明の放射線硬化性組成物は、前記各成分に加えて、(E)エステル基を含まない、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物[前記化合物(D)に該当する化合物を除く][以下、化合物(E)又は成分(E)と称する場合がある]を含有していてもよい。
化合物(E)としては、分子内にエステル基(エステル結合)を含まず、且つ脂環式エポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。化合物(E)として、例えば、下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015140374
式(IV)中、Yは、単結合又は連結基(エステル結合を含むものを除く)を示す。上記式(IV)中の2つのシクロヘキサン環は、それぞれ、式中に示されるエポキシ基以外の置換基、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基(例えば、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル基等)、置換基を有していてもよいアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基等)などの置換基を1又は2以上有していてもよいし、有していなくてもよい。
上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基、エーテル結合、アミド基(アミド結合)、これらが複数個連結した基などが挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18(好ましくは、炭素数1〜10)の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基などが挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、テトラデカメチレン基などが挙げられる。上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基などの2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
上記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基などの炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルケニレン基などが挙げられる。特に、上記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化された炭素数2〜4のアルケニレン基である。
化合物(E)の代表的な例として、例えば、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタンなどが挙げられる。
本発明の放射線硬化性組成物において、化合物(E)は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の放射線硬化性組成物における化合物(E)の含有量は、例えば、化合物(A)100重量部に対して、0〜150重量部(例えば1〜150重量部)、好ましくは0〜100重量部(例えば5〜100重量部)、さらに好ましくは0〜80重量部(例えば20〜80重量部)である。また、化合物(E)の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜50重量%(例えば1〜50重量%)、好ましくは0〜30重量%(例えば3〜30重量%)、より好ましくは0〜20重量%(例えば5〜20重量%)である。
[(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物]
本発明の放射線硬化性組成物は、前記各成分に加えて、(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く][以下、化合物(F)又は成分(F)と称する場合がある]を含有していてもよい。
不飽和結合を有するラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル化合物、オレフィン系化合物、スチレン系化合物などが挙げられる。化合物(F)としては、なかでも、水酸基を有しない(メタ)アクリル化合物が好ましい。
上記水酸基を有しない(メタ)アクリル化合物には、水酸基を有しない単官能の(メタ)アクリル化合物(F1)[以下、化合物(F1)と称する場合がある]、水酸基を有しない多官能の(メタ)アクリル化合物(F2)[以下、化合物(F2)と称する場合がある]、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(F3)[以下、化合物(F3)と称する場合がある]が含まれる。化合物(F1)、化合物(F2)及び化合物(F3)は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。化合物(F)としては、特に、水酸基を有しない単官能の(メタ)アクリル化合物(F1)[単官能の(メタ)アクリル酸エステル等]が好ましい。
上記水酸基を有しない単官能の(メタ)アクリル化合物(F1)としては、分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸C1-30アルキルエステル等]が好ましく、特に、分子内に環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
前記環状構造としては、特に制限されないが、例えば、脂環構造、芳香環構造、複素環構造等が挙げられる。これらのなかでも、脂環構造が好ましい。分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;1−アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル(メタ)アクリレート類、イソボロニル(メタ)アクリレート等のノルボルニル(メタ)アクリレート類、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−8−オール(メタ)アクリレート等のトリシクロデシル(メタ)アクリレート類等の多環の脂環構造(架橋環構造)を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらのなかでも、ノルボルニル(メタ)アクリレート類等の多環の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
上記化合物(F1)としては、硬化物の耐熱性等の観点から、水酸基を含有しない単官能アクリル化合物(水酸基を有しない単官能アクリル酸エステル等)よりも、水酸基を含有しない単官能メタクリル化合物(水酸基を有しない単官能メタクリル酸エステル等)が好ましい。
上記化合物(F1)として、市販されている製品としては、例えば、V#150(大阪有機化学社製)、ACMO(興人社製)、IBOA(ダイセル・サイテック社製)、IB−XA(共栄社化学社製)、EBECRYL114(ダイセル・サイテック社製)等がある。なお、(D)水酸基を有しない単官能(メタ)アクリル化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記化合物(F1)としては、接着層のガラス転移温度を高め、製品の耐候性(特に耐熱衝撃性)をさらに向上させるという観点から、ガラス転移温度が80℃以上(例えば、80〜200℃)のホモポリマーを形成するものを用いることが好ましい。前記ガラス転移温度は90℃以上(例えば、90〜200℃)であることがより好ましく、100℃以上(例えば、100〜180℃)であることがさらに好ましい。
上記水酸基を有しない多官能の(メタ)アクリル化合物(F2)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプリラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4,−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド樹脂(メタ)アクリレート、シリコン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記エポキシ基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(F3)としては、例えば、グリシジル基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物、脂環式エポキシ基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物などが挙げられる。
グリシジル基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
脂環式エポキシ基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの3,4−エポキシシクロヘキサン環等のエポキシ基含有脂環式炭素環を含む(メタ)アクリル酸エステル;5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(メタ)アクリレート等の5,6−エポキシ−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環を含む(メタ)アクリル酸エステル;エポキシ化ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート[3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート[2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシブチル(メタ)アクリレート、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を含む(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の放射線硬化性組成物における前記化合物(F)[例えば、上記水酸基を有しない単官能の(メタ)アクリル化合物(F1)]の含有量は、適宜選択できるが、例えば、化合物(A)100重量部に対して、0〜500重量部(例えば1〜500重量部)、好ましくは0〜250重量部(例えば5〜250重量部)、さらに好ましくは0〜150重量部(例えば80〜150重量部)である。また、化合物(F)[例えば、上記水酸基を有しない単官能の(メタ)アクリル化合物(F1)]の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜70重量%(例えば1〜70重量%)、好ましくは0〜60重量%(例えば10〜60重量%)、より好ましくは0〜50重量%(例えば20〜50重量%)である。
上記水酸基を有しない多官能の(メタ)アクリル化合物(F2)の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜7重量%(例えば0.1〜7重量%)程度であってもよい。
上記エポキシ基と(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物(F3)の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜7重量%(例えば、0.1〜7重量%)程度であってもよい。
[(G)光ラジカル開始剤]
本発明の放射線硬化性組成物は、前記各成分に加えて、(G)光ラジカル開始剤[以下、成分(G)と称する場合がある]を含有していてもよい。特に、放射線硬化性組成物がラジカル重合性化合物[例えば、上記化合物(F)]を含む場合に有用である。
(G)光ラジカル開始剤としては、紫外線照射によりラジカルを発生し、発生したラジカルによりラジカル重合を開始させる作用を有するものが好ましい。
(G)光ラジカル開始剤には、例えば、公知の水素引き抜き型ラジカル開始剤及び/又は開裂型ラジカル開始剤を用いることができる。本発明の放射線硬化性組成物において、これらの水素引き抜き型または開裂型ラジカル開始剤はいずれもそれぞれ単独で用いることができるほか、複数を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ラジカル開始剤単体の安定性や、放射線硬化性組成物の硬化性の面でより好ましいものは、(G)光ラジカル開始剤として開裂型ラジカル開始剤を1種以上有する組み合わせである。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例として、例えば、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−フルオロナフタレン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジシアノナフタレン等のナフタレン誘導体、アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、2,6,9,10−テトラシアノアントラセン等のアントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール、9−メチルカルバゾール、9−フェニルカルバゾール、9−プロペ−2−イニル−9H−カルバゾール、9−プロピル−9H−カルバゾール、9−ビニルカルバゾール、9H−カルバゾール−9−エタノール、9−メチル−3−ニトロ−9H−カルバゾール、9−メチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−オクタノイルカルバゾール、9−カルバゾールメタノール、9−カルバゾールプロピオン酸、9−カルバゾールプロピオニトリル、9−エチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3−ニトロカルバゾール、9−エチルカルバゾール、9−イソプロピルカルバゾール、9−(エトキシカルボニルメチル)カルバゾール、9−(モルホリノメチル)カルバゾール、9−アセチルカルバゾール、9−アリルカルバゾール、9−ベンジル−9H−カルバゾール、9−カルバゾール酢酸、9−(2−ニトロフェニル)カルバゾール、9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール、9−(1−エトキシ−2−メチル−プロピル)−9H−カルバゾール、3−ニトロカルバゾール、4−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、2−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジアセチル−9−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、芳香族カルボニル化合物、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノン、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン誘導体やクマリン誘導体等が挙げられる。
上記開裂型ラジカル開始剤は、活性エネルギー線を照射することにより当該化合物が開裂してラジカルを発生するタイプのラジカル開始剤である。その具体例として、例えば、ベンゾインエーテル誘導体、アセトフェノン誘導体等のアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類、アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、およびそれらを高分子量化した誘導体等が挙げられるがこれに限定されるものではない。市販されている開裂型ラジカル開始剤としては、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトン、ベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(η6−イソプロピルベンゼン)−(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明の放射線硬化性組成物における(G)光ラジカル開始剤の添加量は、光ラジカル開始剤の吸収波長及びモル吸光係数を参考にする必要があるが、一般的に、前記(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、好ましくは3〜8重量部である。少なすぎると充分な光硬化能が得られない場合があり、多すぎると耐候性悪化の懸念がある。
[オキセタン化合物]
本発明の放射線硬化性組成物は、必要に応じて、オキセタン化合物[前記化合物(D)に該当する化合物を除く]を含有していてもよい。
上記オキセタン化合物としては、分子内にオキセタン環(オキセタニル基)を有する化合物であればよく、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタンなどが挙げられる。
本発明の放射線硬化性組成物において、上記オキセタン化合物は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の放射線硬化性組成物における上記オキセタン化合物の含有量は、適宜選択できるが、例えば、化合物(A)100重量部に対して、0〜150重量部(例えば1〜150重量部)、好ましくは0〜80重量部(例えば5〜80重量部)、さらに好ましくは0〜30重量部(例えば10〜30重量部)である。また、上記オキセタン化合物の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜50重量%(例えば1〜50重量%)、好ましくは0〜20重量%(例えば3〜20重量%)、より好ましくは0〜10重量%(例えば5〜10重量%)である。
[水酸基を有する(メタ)アクリル化合物]
本発明の放射線硬化性組成物は、必要に応じて、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物[前記化合物(C)に該当する化合物を除く]を含んでいてもよい。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。上記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜6重量%(例えば、0.1〜6重量%)の範囲内である。
[エポキシ基を有するゴム成分]
本発明の放射線硬化性組成物は、エポキシ基を有するゴム成分を含んでいてもよい。該成分を用いることにより、接着性、耐高温保持性等の耐候性が向上する場合がある。該成分中には通常エポキシ基が多数存在しており、これがカチオン重合速度を速くする作用を有するものと推察される。
上記エポキシ基を有するゴム成分として、例えば、エポキシ化ポリジエン系樹脂などが挙げられる。エポキシ化ポリジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン又は分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体のエポキシ化物を使用できる。分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体のエポキシ化物としては、ブタジエン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物(例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体のエポキシ化物等)、イソプレン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物(例えば、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体のエポキシ化物等)などが例示できる。前記ポリブタジエン、ポリイソプレン、分子中にブタジエン構造若しくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体の末端基は、水素原子のほか、水酸基、シアノ基などであってもよい。末端基としては、特に、水素原子、水酸基が好ましい。エポキシ化ポリジエン系樹脂としては、これらの中でも、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレン、エポキシ化スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、エポキシ化スチレン/イソプレン/スチレン共重合体が好ましく、特にエポキシ化ポリブタジエンが好ましい。上記エポキシ基を有するゴム成分は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ化ポリジエン系樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜50000、好ましくは2500〜30000、さらに好ましくは3500〜20000である。エポキシ化ポリジエン系樹脂のオキシラン酸素濃度は、例えば、3〜15%、好ましくは5〜12%である。1分子中のエポキシ基の数は5個以上(例えば、5〜200個)が好ましく、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上である。
エポキシ基を有するゴム成分の含有量は、硬化性成分総量に対して、例えば、0〜7重量%(例えば、0.1〜7重量%)である。
[その他の成分]
本発明の放射線硬化性組成物は、上記成分のほか、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤、接着強度及びスクリーン印刷性を向上させるための無機質充填剤、さらに接着強度を向上させるシランカップリング剤、塗布性能を向上させるレベリング剤、その他の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で含有していてもよい。
上記有機溶剤としては、カチオン硬化又はラジカル硬化しうる有機溶剤が好ましい。具体的には、1,3−ブタンジオール、セロキサイド2000(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記無機質充填剤としては、公知の無機質充填剤を使用できる。例えば、球状シリカ(電気化学工業社製の「FB−5SDC」、「FB−3SDC」等)などが挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ。例えば、エボニック・デグサ・ジャパン社製の「Dynasylan AMEO」、「Dynasylan GLYMO」などが挙げられる
上記レベリング剤としては、公知のレベリング剤を使用できる。例えば、ビックケミー・ジャパン社製の「BYK−307」、「BYK−333」などが挙げられる。
本発明の放射線硬化性組成物の粘度としては、特に制限されないが、塗布作業性の観点から、40〜800mPa・sであることが好ましく、40〜500mPa・sであることがより好ましい。
本発明の放射線硬化性組成物は、そのまま、又は有機溶剤で希釈することにより、接着剤として使用できる。上記本発明の放射線硬化性組成物を含有する接着剤は、偏光板等の光学部材の製造用接着剤[光学部材を構成する部材(部品)同士を接着させる接着剤]、特に、偏光膜と保護フィルム(例えば、トリアセチルセルロース系フィルム、ポリメチルメタクリレート系フィルム、シクロオレフィン系フィルム)とを接着させる接着剤として有用である。
[偏光板]
本発明の偏光板は、偏光膜の少なくとも一方の面に、保護フィルムが、前記本発明の放射線硬化性組成物を含有する接着剤を用いて接着されている。
上記偏光膜としては、特に制限されないが、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性染料を吸着させ、これを一軸延伸して製造されるポリビニルアルコール系偏光膜等が挙げられる。
偏光膜に用いるポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと、これに共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、特に制限されないが、好ましくは、85〜100モル%程度である。ポリビニルアルコール系樹脂はさらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用し得る。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、特に制限されないが、好ましくは1000〜10000程度である。
ただし、ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等を含む)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有させた変性ポリビニルアルコール系樹脂等であってもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、60000〜300000であることが好ましい。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光膜の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。
偏光膜の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程等を含む製造方法等により製造される。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程と、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程とは、同時に行ってもよい。
一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行ってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、染色の後に行ってもよい。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行うなどの乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、好ましくは1.5〜10倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することにより行われる。二色性色素としては、特に制限されないが、例えば、ヨウ素、二色性の有機染料などが用いられる。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合の染色方法としては、特に制限されないが、例えば、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部に対し、好ましくは0.01〜0.5重量部程度であり、また、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、好ましくは30〜300秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部に対し、通常2〜15重量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、ホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部に対し、通常1〜20重量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常10〜1200秒程度である。
以上のようにして、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光膜を作製することができる。偏光膜の厚さは10〜40μm程度とすることができる。
上記保護フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、トリアセチルセルロース系フィルム、ポリメチルメタクリレート系フィルム、シクロオレフィン系フィルム等のいずれであってもよい。本発明の放射線硬化性組成物を含有する接着剤を用いれば、保護フィルムがいずれであっても高い接着強度が得られる。
本発明の偏光板は、偏光膜の少なくとも一方の面に、前記本発明の接着剤を用いて、保護フィルムを接着することにより製造できる。例えば、偏光膜と保護フィルムとの間に本発明の接着剤を塗布し、ローラー等により接着剤が塗られた保護フィルムと偏光膜とを圧着した後、i−線(365nm),h−線(405nm),g−線(436nm)等を含む光(放射線)を、照度10〜1200mW/cm2、照射光量20〜2500mJ/cm2で照射して、前記接着剤を硬化させることにより偏光板を得ることができる。
保護フィルムと偏光膜の紫外線等の放射線による劣化を抑える観点と、生産性の観点から、放射線の照射光量は、好ましくは20〜1000mJ/cm2、より好ましくは100〜800mJ/cm2、さらに好ましくは200〜800mJ/cm2である。
また、偏光膜の少なくとも一方の面に、バーコータ、ロールコータ、グラビアロール等により接着剤を塗工し保護フィルムを貼着した後、i−線、h−線、g−線等を含む放射線を上記の場合と同様に照射して前記接着剤を硬化させることにより偏光板を得ることもできる。保護フィルムと偏光膜の間(上下2層)に接着剤を塗布して、片面から放射線を上記の場合と同様に照射して、接着させることで偏光板を得ることもできる。
従来、放射線を照射する側からみて、偏光膜の下面には、紫外線領域の光は約三分の一しか届かず、下側の接着剤硬化不足が起こり、耐候性が不十分であるという問題があった。しかしながら、本発明の接着剤によれば、特定構造の光カチオン重合開始剤(B)及び(C)水酸基を分子内に3個以上有する化合物を含むので、硬化性が大幅に向上し、上記のような硬化不足は生じない。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
製造例1(3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルの製造)
95重量%硫酸70g(0.68モル)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)55g(0.36モル)を撹拌混合して脱水触媒を調製した。
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、水添ビフェノール(=4,4’−ジヒドロキシビシクロヘキシル)1000g(5.05モル)、上記で調製した脱水触媒125g(硫酸として0.68モル)、プソイドクメン1500gを入れ、フラスコを加熱した。内温が115℃を超えたあたりから水の生成が確認された。さらに昇温を続けてプソイドクメンの沸点まで温度を上げ(内温162〜170℃)、常圧で脱水反応を行った。副生した水は留出させ、脱水管により系外に排出した。なお、脱水触媒は反応条件下において液体であり反応液中に微分散していた。3時間経過後、ほぼ理論量の水(180g)が留出したため反応終了とした。反応終了液を10段のオールダーショウ型の蒸留塔を用い、プソイドクメンを留去した後、内部圧力10Torr(1.33kPa)、内温137〜140℃にて蒸留し、731gのビシクロヘキシル−3,3’−ジエンを得た。
得られたビシクロヘキシル−3,3’−ジエン243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物270gを得た。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。
製造例2[ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルの製造]
5Lの反応器に水酸化ナトリウム(顆粒状)(499g、12.48mol)、及びトルエン(727mL)を加え、窒素置換した後に、テトラヒドロベンジルアルコール(420g、3.74mol)のトルエン(484mL)溶液を添加し、70℃で1.5時間熟成した。次いで、メタンスルホン酸テトラヒドロベンジル(419g、2.20mol)を添加し、3時間還流下で熟成させた後、室温まで冷却し、水(1248g)を加えて反応を停止し、分液した。分液した有機層を濃縮後、減圧蒸留を行うことにより、収率85%でジテトラヒドロベンジルエーテルを無色透明液体として得た。
得られたジテトラヒドロベンジルエーテル(200g、0.97mol)、20%SP−D(酢酸溶液)(無機リン系安定剤)(0.39g)、及び酢酸エチル(669mL)を反応器に加え、40℃に昇温した。次いで、29.1重量%過酢酸(608g)を5時間かけて滴下し、3時間熟成した。その後、アルカリ水溶液で3回、イオン交換水で2回有機層を洗浄後、減圧蒸留を行うことにより、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルを無色透明液体として得た(収率:77%)。
(1)接着剤用放射線硬化性組成物の調製
撹拌装置付きの容器に、表1に示す配合割合(数字は重量部)で、各成分を投入し、4 時間室温で撹拌し均一に混合した。撹拌を停止し、24時間静置して、実施例1〜7に用いる放射線硬化性組成物を得た。同様に、比較例1〜4に用いる放射線硬化性組成物を得た。表1中の「−」は、その成分を含まないことを意味する。
なお、表1中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
[成分(A)]
セロキサイド2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製)
[成分(B)]
(B−1):4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート
(B−2):[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート
(B−3):4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
[成分(C)]
プラクセル305:ポリカプロラクトントリオール、分子量550(ダイセル社製)
プラクセル410:ポリカプロラクトンテトラオール(ダイセル社製)
[成分(D)]
エポトートYH−300:トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル(新日鉄住金化学社製)
[成分(E)]
(E−1):3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル(製造例1)
(E−2):ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル(製造例2)
[成分(F)]
IB−X :イソボロニルアクリレート(共栄社化学社製、商品名「ライトエステルIB−X」)
[成分(G)]
Darocur1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASFジャパン社製)
[比較例で使用したカチオン重合開始剤]
SI−110L:スルホニウム塩系カチオン重合開始剤(三新化学社製、商品名「サンエイドSI−110L」
IRGACURE250:ヨードニウム塩系カチオン重合開始剤(BASFジャパン社製、商品名「IRGACURE250」
(2)硬化物の90℃における貯蔵弾性率の測定
76mm×54mmに切り出したPETフィルム(ルミラー T60、東レ社製)で200μmのPTFEスペーサーを挟み込み、実施例及び比較例で得られた放射線硬化性組成物をその間に流し込んだ。そのサンプルに800mJ/cm2の光を照射し、90℃における弾性率測定用のサンプルを得た。硬化物の90℃における貯蔵弾性率(GPa)を、JISK7224−1〜JIS K7224−7に準拠した動的粘弾性測定法(下記測定条件による)により求めた。結果を表1に示す。
<測定条件>
測定装置:固体粘弾性測定装置(RSA−III/ティー・エイ・インスツルメント社製)
雰囲気:窒素
温度範囲:−30℃〜270℃
昇温速度:5℃/分
(3)接着用基材の製造または準備
[PVAフィルム(偏光膜)]
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調製した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVAフィルムを作製した。
[保護フィルム]
保護フィルムとして、商品名「アクリビュア」[PMMA(ポリメチルメタクリレート)フィルム、日本触媒社製]、もしくは商品名「ゼオノア」[COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、日本ゼオン社製]を使用した。
なお、保護フィルムは、コロナ表面処理装置( 春日電機社製の「コロナ表面改質評価装置(TEC−4AX)」)を用い、320W・分/m2の放電量でフィルム表面にコロナ放電処理を行い、表面処理後1時間以内に接着を実施した。
(4)偏光板の製造[実施例1〜7、比較例1〜4]
実施例及び比較例で得られた放射線硬化性組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いて「アクリビュア」又は「ゼオノア」(保護フィルム)上に塗工し、その上にPVAフィルムを気泡等の欠陥が入らないように金属ローラーを用いて貼合した。次に「アクリビュア」又は「ゼオノア」(保護フィルム)上に、上記放射線硬化性組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いて塗工し、上記貼合したPVAフィルム上に、気泡等の欠陥が入らないように貼合した。ガラス板上に、前記貼り合わせたものの四方をテープで固定し、高圧水銀ランプ(UVC−02516S1AA02:ウシオ電機社製、照度120mW/cm2、照射光量800mJ/cm2)で光照射し、偏光板を得た。
(4)評価
得られた偏光板について以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
(接着性の評価)
作製した偏光板の接着性(剥離強度)は「JISK6854−4接着剤−剥離接着強さ試験法第4部:浮動ローラ法」に準じて測定した。作製した偏光仮を金属板(ステンレス製、寸法:長さ200mm、幅25mm、厚み1.5mm)上に両面粘着テープ(ST−416P、住友スリーエム社製)で固定した。偏光板中、PVAフィルムと保護フィルムの間において、カッターナイフを用いて長手方向の端を剥離した。JIS法に従い、浮動ローラにサンプルを取り付け、剥離したフィルムサンプルの端を引っ張り試験機のつかみ具に固定し、引っ張り試験機を用いて300mm/分の速度でつかみ具を上昇させ、フィルムが剥離するときの平均剥離力(N/25mm)を測定し、接着性(剥離強度)を以下のように判定した。
○:測定された平均剥離力が2.5N/25mm以上であった
△:測定された平均剥離力が2.0以上2.5N/25mm未満であった
×:測定された平均剥離力が2.0N/25mm未満であった
(耐熱性、信頼性の評価)
以下のように、耐熱性試験、信頼性試験を行い、試験前後の偏光板の偏光度を測定することで、偏光板の耐熱性、信頼性を評価した。耐熱性、信頼性の評価基準として、それぞれ耐熱性試験後、信頼性試験後における偏光板の偏光度を以下のように判定した。結果を表1に示す。
(耐熱性試験)
耐熱性試験は、温度80℃、100時間の条件で行った。耐熱性試験後の偏光板について、楕円偏光測定装置(商品名「KOBRA−WPR」、王子計測機器社製)で波長748nmにおける偏光度を測定し、耐熱性試験前の偏光板の同波長での偏光度に対する割合を求めることにより、偏光度の変化を評価した。その結果を表1中に示す。なお、試験後の偏光度が試験前の偏光度の80%未満である場合は、目視で偏光板の色抜けが分かり、85%以上であれば、目視では偏光板の色に変化は確認できない程度である。試験後の偏光度が試験前の偏光度の80%以上であれば、用途により実用可能である。また、他の波長(446、498、548、630nm)では、試験前後での偏光度の差異は微小であった。
○:試験後の偏光度は試験前の偏光度の85%以上90%未満であった
△:試験後の偏光度は試験前の偏光度の80%以上85%未満であった
×:試験後の偏光度は試験前の偏光度の80%未満であった
(信頼性試験)
信頼性試験は、温度60℃、相対湿度90%、100時間の条件で行った。信頼性試験後の偏光板について、上記と同様の方法で偏光度の変化を評価し、その結果を表1に記載した。
Figure 2015140374

Claims (12)

  1. (A)エステル基を含有し、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物、
    (B)フッ化アルキルフルオロホスフェートアニオン又はペンタフルオロフェニルボレートアニオンを有する光カチオン重合開始剤、及び
    (C)水酸基を分子内に3個以上有する化合物
    を含む放射線硬化性組成物。
  2. さらに、(D)分子内にカチオン硬化性基を3個以上有する化合物[前記化合物(A)に該当する化合物を除く]を含む請求項1記載の放射線硬化性組成物。
  3. さらに、(E)エステル基を含まない、脂環式エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物を含む請求項1又は2記載の放射線硬化性組成物。
  4. さらに、(F)水酸基を有しない不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、及び(G)光ラジカル開始剤を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の放射線硬化性組成物。
  5. 前記化合物(C)の含有量が、化合物(A)100重量部に対して10〜150重量部である請求項1〜4の何れか1項に記載の放射線硬化性組成物。
  6. 前記化合物(A)及び化合物(C)の総含有量が、放射線硬化性組成物全体の30〜99重量%である請求項1〜5の何れか1項に記載の放射線硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の放射線硬化性組成物を含有する接着剤。
  8. 偏光膜と保護フィルムとの接着に用いる請求項7記載の接着剤。
  9. 請求項1〜6の何れか1項に記載の放射線硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
  10. 90℃における貯蔵弾性率が、0.1GPa以上である請求項9記載の硬化物。
  11. 偏光膜の少なくとも一方の面に、保護フィルムが、請求項7又は8記載の接着剤を用いて接着されている偏光板。
  12. 前記接着剤が、照射光量が800mJ/cm2以下の放射線照射によって硬化している請求項11記載の偏光板。
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