JP2015140010A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示されるように、インク吐出ヘッド100は、一方向に整列した複数のインク吐出孔1を有する。このインク吐出孔1のそれぞれは、個別に設けられたインク室5(図2及び図3参照)にそれぞれ連通する。図2に示すように、インク室5は、側壁19Aと隔壁19Bとにより区画される。インク室5内には、インクを吐出するためのエネルギー発生素子として機能するヒーター13(図3参照)が、それぞれ設けられる。インク吐出ヘッド100の下面からインク室5へとつながるインク供給口2によって、インク室5へとインクが供給される。インク室5に供給されたインクは、ヒーター13の加熱によりその一部が気泡となる。この気泡によって押し出されたインク室5内のインクは、インク吐出孔1から吐出する。
以下、図4〜図6を参照して、インク吐出ヘッド100の製造工程を説明する。
次に、図4(A)に示されるように、基板11の絶縁層12の上に、ヒーター13が形成される。ヒーター13は、例えば、TaNやTaAlなどの抵抗発熱体を、200〜1000Å程度の厚みになるように、スパッタリング法によってヒーター13の形成位置に堆積することで形成される。配線14も同様にして、例えばAl、Cuなどの金属、あるいはAlCuなどの合金にてスパッタリングにて形成される。これにより、配線工程も一緒に行われる。
次に、図4(B)に示されるように、基板11上の密着増強層18上には、インクの流路壁と成るバリア層30を構成する側壁19A、隔壁19B及び柱4が形成される。本実施形態では、側壁19A、隔壁19B及び柱4は、硬化したエポキシ樹脂で形成される。また、側壁19A、隔壁19B及び柱4の膜厚は、例えば10−30μm程度になるように調整されてよい。
次に、図4(C)に示されるように、犠牲層27が形成される。犠牲層27は、側壁19A、隔壁19B及び柱4の上面を覆う領域にも形成される。たとえば、犠牲層27の形成は、側壁19A、隔壁19B及び柱4によって形成された空間に、半硬化樹脂を注入し乾燥させることで行われる。本実施形態では、半硬化樹脂として、東レ(株)のポリイミド材、フォトニースが半硬化状態で使用される。フォトニースは、アルカリ溶液には可溶であるが、有機溶剤には不溶である。側壁19A、隔壁19B及び柱4を構成するエポキシ樹脂は、熱や光によって、犠牲層27が注入される前に、硬化している。側壁19A、隔壁19B及び柱4を構成するエポキシ樹脂は、非硬化時には有機溶剤に可溶であるが、硬化時には有機溶剤に不溶である。そのため、側壁19A、隔壁19B及び柱4と犠牲層27との間で、クロスミキシングは生じない。また、犠牲層27として、ノボラック樹脂が利用されてもよい。ノボラック樹脂としては、一例として、旭有機材工業(株)製のEP4080G、EP4050Gなどをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)などの有機溶剤に溶解したものが利用可能である。ノボラック樹脂は、キシレンやトルエンなどには溶解性が極めて低いが、アルカリ水溶液やアセトンなどには溶解する。側壁19A、隔壁19B及び柱4を構成するエポキシ樹脂は、硬化しているため、有機溶剤に対して不溶となっている。そのため、ノボラック樹脂が利用される場合でも、側壁19A、隔壁19B及び柱4と犠牲層27との間で、クロスミキシングは生じない。
次に、図5(A)に示されるように、側壁19A、隔壁19B、柱4及び犠牲層27を覆うように、ノズル層20が形成される。ノズル層20には、ヒーター13の発熱部に対向する位置に、インクを吐出するインク吐出孔1が設けられる。ノズル層20は、犠牲層27を溶解しないように形成される。そのために、例えば、犠牲層27の樹脂を溶解しないような溶媒を使ってのスピンコートやスプレーコートなどが行われる。ノズル層20の形成には、例えば、キシレンやトルエンなどの溶媒に溶解したエポキシ樹脂と、シランカップリング剤と、光重合開始剤とを混合したものが利用される。キシレンやトルエンは前述の半硬化ポリイミドやノボラック樹脂を溶解しないため、ノズル層20を形成する樹脂の溶媒として好都合である。ノズル層20を構成する樹脂の塗布後は、側壁19A、隔壁19B及び柱4との密着性をよくするとともにノズル層20に残った溶媒を追い出すために、ノズル層20を構成する樹脂が加熱される。ここで、溶媒を使ったコーティングの場合、塗布後にあまり温度を上げると、ノズル層20に残った溶媒が犠牲層27を溶かす場合もある。そのため、この加熱温度は、犠牲層27にダメージを与えないように設定される。また、ノズル層20の膜厚は、20−50μmなどに調整される。
次に、図5(B)に示すように、基板層10の下面側(絶縁層17側)に、インク供給口2の形状がパターニングされて、ウェットエッチング,ドライエッチング等の化学的および物理的エッチング又はサンドブラストなどの機械加工が行われる。この加工により、基板層10下面側から上面側に向けて、絶縁層17及び基板11にインク供給口2が開口される。この場合、図5(B)に示すように基板11の下面側からインク供給口2が開口されるので、インク供給口2は下側の開口部面積が上側の開口部面積より大きくなる。尚、インク供給口2の開口幅(図5に於ける左右方向の幅)は、ウェットエッチングの場合には、一例として、100μm程度である。
その後、犠牲層27がアルカリ溶液等の溶剤で溶解して除去される。犠牲層27がノボラック樹脂で構成される場合、アセトンやPGMEAなどの有機溶剤に対して、インク吐出ヘッド100が浸される。溶媒に溶解した犠牲層27が、インク吐出孔1及びインク供給口2から流出することで、犠牲層27が除去される。その後、図3に示すように、ノズル層20の上面側に撥水膜21が形成される。
2 インク供給口
2A 端部
2B 第一開口
2C 第二開口
4 柱
5 インク室
5A 流路
5B 流路
6 突出部
10 基板層
11 基板
12 絶縁層
13 ヒーター
14 配線
15 保護層
16 保護膜
17 絶縁層
18 密着増強層
19A 側壁
19B 隔壁
19C 端部
20 ノズル層
21 撥水膜
22 レジスト
27 犠牲層
30 バリア層
100,101,102,103,104,105 インク吐出ヘッド
Claims (6)
- 平面状の基板と、
前記基板の一方の面に設けられ、液体を吐出するためのエネルギーを液体に与える複数のエネルギー発生素子と、
前記基板の一方の面に対向し、前記液体を吐出する吐出孔を複数備えたノズル層と、
前記一方の面と前記ノズル層との間において、前記エネルギー発生素子を含む液体室を各々区画する複数の流路壁と、
前記一方の面において、前記エネルギー発生素子から離間した位置に形成された第一開口と前記基板の他方の面に形成された第二開口とを連通する液体供給口と、
前記液体室へ前記第一開口から供給される前記液体を供給する液体流路と、
前記流路壁の一端部に対応する前記第一開口の端部から前記第一開口の中央側に延設された突出部と
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記突出部と前記ノズル層との間には、柱が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記液体流路の幅は、前記液体流路が形成される互いに隣接した一対の流路壁と各々対応する前記突出部の間の間隔より広いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
- 互いに隣接する前記柱間の間隔は、前記液体流路の幅よりも狭いことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
- 吐出頻度の相対的に少ない液体を吐出する前記液体吐出装置にのみに、前記柱を設けることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記第一開口の前記液体室側の端部は、前記液体流路の入り口よりも前記第一開口の中央側に存在することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
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