JP2015139918A - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の三次元造形物の製造方法は、硬化性樹脂を含むインクを吐出して硬化させることで形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、三次元造形物を構成すべき領域に付与するための実体部形成用インクと、三次元造形物の最外層となるべき領域に隣接する、最外層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクとを吐出するインク吐出工程と、吐出した実体部形成用インクと犠牲層形成用インクとを硬化する硬化工程とを有し、インク吐出工程では、三次元造形物の表面が形成される領域近傍に、実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、積層法が知られている。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
このような積層法の一つとして、粉体を結合液で固めながら、三次元造形物を造形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、各層を形成する際に、三次元造形物の外表面側に該当する箇所に、着色剤を含むインクを吐出することで、三次元造形物に色彩を付与することが行われている。
しかしながら、従来の方法では、微細な質感を表現するのが困難であった。
特開2001−150556号公報
本発明の目的は、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物製造装置を提供すること、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、硬化性樹脂を含むインクを吐出して硬化させることで形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
インク吐出工程では、前記三次元造形物の最外層が形成される領域に、前記三次元造形物を構成するための実体部形成用インクと犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクとが重なるように吐出することを特徴とする。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、吐出した前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを硬化する硬化工程を有し、
前記実体部形成用インクの硬化時における前記犠牲層形成用インクの粘弾性は、前記実体部形成用インクの硬化時における前記実体部形成用インクの粘弾性よりも小さいものであることが好ましい。
これにより、マット調の質感を有する三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、吐出した前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを硬化する硬化工程を有し、
前記実体部形成用インクの硬化時における前記犠牲層形成用インクの粘弾性は、前記実体部形成用インクの硬化時における前記実体部形成用インクの粘弾性以上のものであることが好ましい。
これにより、グロス調の質感を有する三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させることにより得られた仮成形体から、前記犠牲層を除去する工程を有することが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物において実体部が露出するため、微細なしわを有する表面状態を、観察者により好適に視認させることができる。このため、本発明の効果がより顕著に発揮される。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク吐出工程において、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出する際に、重ねる順序を変更することが好ましい。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感をより確実に表現することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク吐出工程において、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出する際に、前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクのうちの少なくとも一方の吐出量を変更することが好ましい。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感をより確実に表現することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記実体部形成用インクは、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で実体部形成用インクを硬化させることができ、三次元造形物において微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記犠牲層形成用インクは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インクを硬化させることができ、三次元造形物において微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクは、いずれも、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであることが好ましい。
これにより、実体部形成用インクおよび犠牲層形成用インクを、より適切な硬化速度で硬化させることができ、三次元造形物においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記実体部形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクに加え、着色剤を含有しない無色インクを用い、
前記最外層が形成される領域の形成に前記無色インクを用い、それよりも内側の領域の形成に前記着色インクを用いることが好ましい。
これにより、微細な質感をより好適に表現することができる。また、着色剤(特に、顔料)を含む実体部は、着色剤を含まない実体部に比べて脆く、傷や欠け等を生じやすいが、着色剤を含まない実体部形成用インクを用いて形成される領域(コート層)を設けることにより、このような問題の発生を効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、着色剤を含有する着色インクとして、有彩色インクと白色インクとを用い、
前記有彩色インクを用いて形成する領域の内側の領域の形成に、前記白色インクを用いることが好ましい。
これにより、白色インクが付与された領域(第1の領域)が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物の彩度をより高めることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、異なる複数種の前記犠牲層形成用インクを用いることが好ましい。
これにより、例えば、最終的に得られる三次元造形物を、マット調やグロス調等の微細な質感の程度が互いに異なる複数の領域を有するものとして得ることができる。その結果、より複雑な外観の表現が可能となり、三次元造形物の美的外観(審美性)、高級感等を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物製造装置は、硬化性樹脂を含むインクを吐出して硬化させることで形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
前記三次元造形物を構成するための実体部形成用インクを吐出する第1の吐出手段と、
犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出する第2の吐出手段と、
前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させる硬化手段と、を有し、
前記第1の吐出手段および前記第2の吐出手段は、前記三次元造形物の最外層が形成される領域に、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出するよう制御されていることを特徴とする。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物製造装置を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法を用いて製造されたものであることを特徴とする。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とする。
これにより、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明で形成することのできる他の表面形状を説明するための模式的な断面図である。 本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図、図3は、本発明で形成することのできる他の表面形状を説明するための模式的な断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の三次元造形物10の製造方法は、硬化性樹脂を含む実体部形成用インク(第1のインク)11’および硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インク(第2のインク)12’を、インクジェット法により、所定のパターンで吐出するインク吐出工程(1a、1c、1e)と、吐出した実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を硬化させることにより、実体部11および犠牲層12を有する単位層1を形成する硬化工程(1b、1d、1f)と、これらの工程を順次繰り返し行い仮成形体10’を得(1g)、さらに、その後に、犠牲層12を除去する犠牲層除去工程(1h)を有している。
インク吐出工程では、三次元造形物10の実体部11となるべき領域に実体部形成用インク11’を付与し、三次元造形物10の実体部11の最外層となるべき領域に隣接する領域であって、前記最外層の表面側の領域に犠牲層形成用インク12’を付与する。この際、三次元造形物の外表面が形成される領域近傍に対して、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とを重ねて吐出し、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とが混在した混在部13’を形成する。
このような混在部13’を設けることにより、各インクが硬化した後の犠牲層12を除去する際に、硬化した硬化混在部13中の犠牲層形成用インク12’も同時に除去され、除去された犠牲層形成用インク12’によって、外表面に微細な凹凸が形成される。実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’との重ね方の順番や、吐出量等を調整することで、三次元造形物10の外表面において、マット調やグロス調等の微細な質感を表現することができる。
以下、各工程について説明する。
≪インク吐出工程(インク付与工程)≫
インク吐出工程では、インクジェット法により、硬化性樹脂を含む実体部形成用インク11’および硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インク12’を、インクジェット法により、所定のパターンで吐出する(1a、1c、1e)。
より具体的には、三次元造形物10の実体部11となるべき領域に実体部形成用インク11’を付与し、三次元造形物10の実体部11の最外層となるべき領域に隣接する領域であって、前記最外層の表面側の領域に犠牲層形成用インク12’を付与する。さらに、三次元造形物10の外表面が形成される領域近傍に対して、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とを重ねて吐出し、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とが混在した混在部13’を形成する。
1回目のインク吐出工程では、ステージ3上に、インク(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’)を吐出し(1a)、2回目以降のインク吐出工程では、単位層1上に、インク(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’)を吐出する(1c、1e)。
このように、本発明では、三次元造形物10の実体部11となるべき部位にインク(実体部形成用インク11’)を付与するだけでなく、その表面側にもインク(犠牲層形成用インク12’)を付与し、さらに、三次元造形物10の外表面となる領域近傍に実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’を重ねて付与する。
これにより、三次元造形物10の表面形状を容易に調整することができる。特に、微細な凹凸の外観を呈する表面形状を容易に得ることができる。
また、犠牲層形成用インク12’を付与して犠牲層12を形成することにより、三次元造形物10を構成する層(第2の層)として、それよりも下の層(第1の層)の外周部からはみ出す部分を有するもの(例えば、図中での、下から1層目と2層との関係、下から2層目と3層との関係、下から4層目と5層との関係)であっても、下層(第1の層)の犠牲層12が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インク11’を好適に支持することができる。そのため、実体部11の不本意な変形(特に、ダレ等)を好適に防止することができ(第1の層の犠牲層12がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
また、本工程では、インクジェット法によりインク(実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’)を付与するため、インク(実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’)の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインクを付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を特に高いものとすることができるとともに、三次元造形物10の表面形状、外観の制御をより好適に行うことができる。
なお、実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’については、後に詳述する。
本工程で付与されるインク量は、特に限定されないが、後の硬化工程で形成される単位層1の厚さが30μm以上500μm以下となるものであるのが好ましく、70μm以上150μm以下となるものであるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、最終的に得られる三次元造形物10の表面状態、外観をより好適に制御することができる。
≪硬化工程(単位層形成工程)≫
インク吐出工程でインク(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’)を付与(吐出)した後、インク(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’)に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させる(1b、1d、1f)。これにより、実体部11、犠牲層12および硬化混在部13を有する単位層1が得られる。
本工程で、インク中に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させることにより、最終的に得られる三次元造形物10は、硬化物で構成されたものとなるため、例えば、熱可塑性樹脂で構成された三次元造形物等に比べて、機械的強度、耐久性等に優れたものとなる。
本工程は、硬化成分(硬化性樹脂)の種類により異なるが、例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、硬化成分(硬化性樹脂)が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
なお、上記の説明では、単位層1に対応する形状、パターンで、インクを付与し、その後、インクで構成された層(単位層1に対応する層)全体を硬化させるものとして説明したが、本発明においては、少なくとも一部の領域について、インクの吐出とインクの硬化とを同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの単位層1全体のパターン全体が形成される前に、単位層1に対応する領域の少なくとも一部について、インクが付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、本工程では、インク中に含まれる硬化成分を完全に硬化させる必要はない。例えば、本工程終了時において、犠牲層形成用インク12’は、不完全に硬化した状態となり、実体部形成用インク11’は、犠牲層形成用インク12’よりも高い硬化度で硬化していてもよい。
これにより、後に詳述する犠牲層除去工程を容易に行うことができ、三次元造形物10の生産性のさらなる向上を図ることができる。
また、本工程終了時において、実体部形成用インク11’を不完全な状態で硬化した状態としてもよい。このような場合であっても、例えば、後の工程(例えば、硬化工程において下層の単位層1を形成した後の「インク吐出工程」等)を行った後に、不完全な硬化状態である実体部形成用インク11’(実体部11)に対し、硬化度を高めるための本硬化処理を行うことにより、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度等を優れたものとすることができる。また、実体部形成用インク11’(下層)を不完全な状態で硬化した状態で、上層を形成するためのインクを付与することにより、層間の密着性を特に優れたものとすることができる。
前記の一連の工程を繰り返し行う。これにより、隣接する単位層1同士が結合した状態となり、このような状態の単位層1が複数積層された積層体、すなわち、実体部11の表面に犠牲層12が設けられた仮成形体10’が得られる(1g参照)。
≪犠牲層等除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、犠牲層12および硬化混在部13を除去する(1h)。
これにより、表面に微細な質感が表現された三次元造形物10が得られる。
微細な質感は、例えば、実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性以上のものである場合や、実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性よりも小さいものである場合等で異なるものとすることができる。なお、硬化時とは、実体部形成用インク11’が硬化する際に流動性がなくなった時点の半硬化状態のことである。
実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性以上のものである場合、実体部形成用インク11’が硬化する際に、実体部11の外表面となるべき部位に、不本意なしわが発生することが防止され、最終的に得られる三次元造形物10の外表面は、図2(1h)に示すように、なだらかな凹凸のハーフグロス調の質感を有するものとなる。
また、実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性よりも小さいものである場合、実体部形成用インク11’が硬化する際に、実体部11の外表面となるべき部位に、微細なしわが発生することとなり、最終的に得られる三次元造形物10は、図3に示すように、表面に微小の凹凸が形成され、マット調の外観を有するものとなる。
また、外表面の微細な質感は、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とを重ねて吐出する際に、重ねる順序を変更することにより、容易に変更することができる。
また、インク吐出工程において、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とを重ねて吐出する際に、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’のうちの少なくとも一方の吐出量を変更することにより、外表面の微細な質感を容易に変更することができる。
犠牲層12および硬化混在部13中の犠牲層成分を除去する方法としては、例えば、犠牲層12を選択的に溶解する液体を用いて犠牲層12を選択的に溶解除去する方法や、実体部11に比べて犠牲層12の吸収性が高い液体を用いて、犠牲層12に選択的に当該液体を吸収させることにより、犠牲層12を膨潤させたり、犠牲層12の機械的強度を低下させたうえで、当該犠牲層12を剥離したり、破壊する方法等が挙げられる。
本工程で用いる液体としては、実体部11、犠牲層12の構成材料等により異なるが、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができ、これらから選択される1種または2種以上を含むものであり、犠牲層の溶解性を高めるために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、有機アミン等の水酸化イオンを生じる水溶性物質、剥離された犠牲層の分離を容易にする界面活性剤等を混合したものであっても良い。
仮成形体10’への前記液体の付与方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬法、スプレー法(吹付法)、塗布法、各種印刷方法等を採用することができる。
また、前記の説明では、液体を用いるものとして説明したが、同様の機能を有する物質(例えば、固体、気体、超臨界流体等)を用いてもよい。
また、前記液体を付与する際または前記液体を付与した後に、超音波振動を付与してもよい。
これにより、犠牲層12の除去を促進することができ、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
上記の説明では、三次元造形物10の最外層となるべき領域全体において、混在部13’を形成するものとして説明したが、混在部13’は、三次元造形物10の最外層となるべき領域の一部についてのみ、実体部形成用インク11’に接触するように付与されるものであってもよい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物10は、異なる質感を呈する部位が存在するものとなり、より複雑な外観の表現が可能となり、三次元造形物10の美的外観(審美性)、高級感等を特に優れたものとすることができる。
前述したような本発明の三次元造形物の製造方法によれば、マット調やグロス調等の微細な質感が表現された三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる。また、三次元造形物の歩留まりが向上するので、三次元造形物の製造コストの低減の観点からも有利である。
《三次元造形物製造装置》
まず、本発明の三次元造形物製造装置について説明する。
図4は、本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態を模式的に示す断面図である。
三次元造形物製造装置100は、実体部形成用インク11および犠牲層形成用インク12を用いて、単位層1を繰り返し成形し積層することにより、三次元造形物10を製造するものである。
図4に示すように、三次元造形物製造装置100は、制御部2と、ステージ3と、実体部形成用インク11’を吐出する第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4と、犠牲層形成用インク12’を吐出する第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5と、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を硬化させるためのエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段(硬化手段)6とを有している。
制御部2は、コンピューター21と、駆動制御部22とを有している。
コンピューター21は、内部にCPUやメモリ等を備えて構成される一般的な卓上型コンピューター等である。コンピューター21は、三次元造形物10の形状をモデルデーターとしてデータ化し、それを平行な幾層もの薄い断面体にスライスして得られる断面データ(スライスデータ)を駆動制御部22に対して出力する。
駆動制御部22は、第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4、第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5、エネルギー線照射手段(硬化手段)6等をそれぞれに駆動する制御手段として機能する。具体的には、例えば、第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4による実体部形成用インク11’の吐出パターンや吐出量、第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5による犠牲層形成用インク12’の吐出パターンや吐出量、エネルギー線照射手段(硬化手段)6によるエネルギー線の照射量、照射タイミング等を制御する。
ステージ3は、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’が付与される領域である。
ステージ3は、表面(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’が付与される部位)が平坦なものである。
これにより、厚さの均一性の高い単位層1を容易かつ確実に形成することができる。また、製造される三次元造形物10において、不本意な変形等が生じることを効果的に防止することができる。
ステージ3は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。ステージ3の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、ステージ3の表面(実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’が付与される部位)には、表面処理が施されていてもよい。
これにより、例えば、実体部形成用インク11’の構成材料や犠牲層形成用インク12’の構成材料がステージ3に付着してしまうことをより効果的に防止したり、ステージ3耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物10のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。ステージ3の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4は、インクジェット法により、実体部形成用インク11’を吐出するものである。
このような第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4を備えることにより、微細なパターンで所望の部位に所望の量だけ実体部形成用インク11’を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物10であっても特に生産性良く製造することができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、インクの構成成分の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4は、駆動制御部22からの指令により、形成すべきパターン、付与する実体部形成用インク11’の量等が制御されている。第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4による実体部形成用インク11’の吐出パターン、吐出量等は、スライスデータに基づいて決定される。
これにより、必要十分な量の実体部形成用インク11’を目的の部位に付与することができ、所望のパターンの実体部11を確実に形成することができ、三次元造形物10の寸法精度、機械的強度をより確実に優れたものとすることができる。また、実体部形成用インク11’が着色剤を含むものである場合、所望の色調、模様等を確実に得ることができる。
第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4は、ステージに対して、相対的に、X方向、Y方向に移動可能になっているとともに、Z方向にも移動可能となっている。
これにより、単位層1を積層していった場合でも、第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4のノズル面(吐出部先端)と実体部形成用インク11’の着弾部との距離を所定の値に保つことができる。
第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5は、インクジェット法により、犠牲層形成用インク12’を吐出するものである。
このような第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5を備えることにより、微細なパターンで所望の部位に所望の量だけ実体部形成用インク11’を付与することができ、製造すべき三次元造形物10が微細な構造を有するものであっても、所望の部位に所望の大きさ、形状の犠牲層12を形成することができ、三次元造形物10の表面形状、外観をより確実に形成することができる。また、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段)5についての、液滴吐出方式(インクジェット法の方式)、制御、駆動等については、前述した第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段)4と同様である。
第1の吐出部4および第2の吐出部5は、駆動制御部22によって、三次元造形物の表面が形成される領域近傍に対して、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’とを重ねて吐出するよう制御される。
エネルギー線照射手段(硬化手段)6は、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を硬化させるためのエネルギー線を照射するものである。
このような硬化手段6を備えることにより、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度を優れたものとすることができるとともに、三次元造形物10の表面形状、外観を確実に制御することができる。
エネルギー線照射手段(硬化手段)6は、少なくとも、実体部形成用インク11’と犠牲層形成用インク12’との接触部分(実体部11と犠牲層12とが接触すべき部分)については、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’に対して同時にエネルギー線を照射可能照射面積を有するものである。
エネルギー線照射手段(硬化手段)6が照射するエネルギー線の種類は、実体部形成用インク11’、犠牲層形成用インク12’の構成材料により異なるが、例えば、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、電子線、イオンビーム等が挙げられる。中でも、コスト面、三次元造形物の生産性の観点から、紫外線を用いるのが好ましい。
なお、図中には示していないが、三次元造形物製造装置100は、犠牲層12を除去する犠牲層除去手段や、犠牲層が除去された三次元造形物10を乾燥する乾燥手段を備えるものであってもよい。
犠牲層除去手段としては、例えば、機械的に犠牲層12を破壊・除去するものや、前述したような液体を収納し、仮成形体10’を浸漬する槽や、前述したような液体を仮成形体10’に向けて噴霧する液体噴霧手段や、前述したような液体を仮成形体10’に塗布する液体塗布手段等が挙げられる。
乾燥手段としては、例えば、前述したような加熱した気体や乾燥した気体を供給するものや、三次元造形物10が収納された空間を減圧する減圧手段等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、前述した工程のうち少なくとも一部を行うものであればよく、前述した工程のうちの一部は、三次元造形物製造装置を用いないで行うものであってもよい。
前述したような本発明の三次元造形物製造装置によれば、微細な質感を再現することができる三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる。また、三次元造形物の歩留まりが向上するので、三次元造形物の製造コストの低減の観点からも有利である。
《インクセット》
次に、インクセットについて説明する。
インクセットは、少なくとも1種の実体部形成用インク11’と、犠牲層形成用インク12’とを備えている。インクセットは、前述したような本発明の三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置に適用されるものである。
<実体部形成用インク>
実体部形成用インク11’は、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、得られる三次元造形物10の機械的強度や三次元造形物10の生産性、実体部形成用インク11’の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。
単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。
多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族のアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族アミン化合物とのアミド類のモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
実体部形成用インク11’は、前述した硬化成分の中でも、特に、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、より適切な硬化速度で実体部形成用インク11’を硬化させることができ、三次元造形物10において、マット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、実体部形成用インク11’を硬化させて形成される実体部11の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、これらの硬化成分を含むことにより、実体部形成用インク11’の硬化物の各種溶媒(例えば、水等)に対する溶解性、膨潤性を特に低いものとすることができる。その結果、犠牲層除去工程において、より確実に、高い選択性で犠牲層12を除去することができ、実体部11に欠陥が生じたりすること等による不本意な変形を防止することができる。その結果、より確実に、三次元造形物10の寸法精度をより高いものとすることができる。
また、実体部形成用インク11’の硬化物の膨潤性(溶媒の吸収性)を低いものとすることができるため、例えば、犠牲層除去工程後の後処理としての乾燥処理を省略または簡略化することができる。また、最終的に得られる三次元造形物10の耐溶剤性も向上するため、三次元造形物10の信頼性は特に高いものとなる。
特に、実体部形成用インク11’が(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むものであると、酸素阻害を受けにくく低エネルギーでの硬化が可能であり、また、他モノマーを含めた共重合を促進し、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
また、実体部形成用インク11’がポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むものであると、造形物の高強度化と高靱性化を両立させるという効果が得られる。
また、実体部形成用インク11’が2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートを含むものであると、柔軟性を持ち破断伸び率を向上させるという効果が得られる。
また、実体部形成用インク11’が4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含むものであると、前層で形成した自硬化物に加え、PMMA、PEMA粒子やシリカ粒子、金属粒子等への密着性を向上することにより、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
実体部形成用インク11’が前述した特定の硬化成分((メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、実体部形成用インク11’を構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
実体部形成用インク11’中における硬化成分の含有率は、80質量%以上97質量%以下であるのが好ましく、85質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、実体部形成用インク11’は、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の製造時における実体部形成用インク11’の硬化速度を速めることができ、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤(芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等)や光カチオン重合開始剤等を用いることができ、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、およびビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これらのうちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、実体部形成用インク11’を構成する重合開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、より適切な硬化速度で実体部形成用インク11’を硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、実体部形成用インク11’を硬化させて形成される実体部11の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
特に、後に詳述する犠牲層形成用インク12’とともに、実体部形成用インク11’が、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むものであると、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’について、硬化速度の制御をより好適に行うことができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がさらに確実に得られる。また、三次元造形物10の生産性をさらに優れたものとすることができる。
実体部形成用インク11’が、後に詳述する犠牲層形成用インク12’とともに、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むものである場合、実体部形成用インク11’中におけるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの含有率は、犠牲層形成用インク12’中におけるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの含有率よりも高いものであるのが好ましい。
これにより、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がさらに確実に得られる。
実体部形成用インク11’中における重合開始剤の含有率は、特に限定されないが、犠牲層形成用インク12’中における重合開始剤の含有率よりも高いものであるのが好ましい。
これにより、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がさらに確実に得られる。
また、例えば、硬化工程の処理条件を調整することにより、硬化工程終了後において、実体部11の硬化度を十分に高いものとしつつ、犠牲層12の重合度を比較的低いものとすることができる。その結果、犠牲層除去工程において犠牲層12をより容易に除去することができることとなり、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、照射するエネルギー線量を必要以上に高める必要がないため、省エネルギーの観点からも好ましい。
特に、実体部形成用インク11’中における重合開始剤の含有率をX[質量%]、犠牲層形成用インク12’中における重合開始剤の含有率をX[質量%]としたとき、1.05≦X/X≦2.0の関係を満足するのが好ましく、1.1≦X/X≦1.5の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、実体部形成用インク11’および犠牲層形成用インク12’を、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がさらに確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性をさらに優れたものとすることができる。
実体部形成用インク11’中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、3.0質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で実体部形成用インク11’を硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、実体部形成用インク11’を硬化させて形成される実体部11の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
以下に実体部形成用インク11’中における硬化性樹脂と重合開始剤との配合比率(以下に述べる「その他の成分」を除くインク組成)の好ましい具体例を示すが、本発明における実体部形成用インクの組成は、以下に述べるものに限定されるものではないことは、言うまでもない。
「配合比率例」
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量部
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量部
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量部
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量部
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量部
前記のような配合の場合に、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、実体部形成用インク11’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、実体部形成用インク11’が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物10を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、実体部形成用インク11’、三次元造形物10の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
実体部形成用インク11’が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。
これにより、実体部形成用インク11’の吐出安定性や実体部形成用インク11’中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
実体部形成用インク11’が着色剤を含むものである場合、当該実体部形成用インク11’中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、実体部形成用インク11’が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該実体部形成用インク11’中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
実体部形成用インク11’が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
実体部形成用インク11’が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物10の耐擦性をより良好なものとすることができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、実体部形成用インク11’は、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、実体部形成用インク11’の粘度調整を好適に行うことでき、実体部形成用インク11’が高粘度の成分を含むものであっても、実体部形成用インク11’のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、実体部形成用インク11’の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による実体部形成用インク11’の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物10の製造には、複数種の実体部形成用インク11’を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む実体部形成用インク11’(カラーインク)と、着色剤を含まない実体部形成用インク11’(クリアインク)とを用いてもよい。
これにより、例えば、三次元造形物10の外観上、色調に影響を与える領域に付与する実体部形成用インク11’として着色剤を含む実体部形成用インク11’を用い、三次元造形物10の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する実体部形成用インク11’として着色剤を含まない実体部形成用インク11’を用いることができ、三次元造形物10の生産コストの低減の観点等から有利である。
また、最終的に得られる三次元造形物10において、着色剤を含む実体部形成用インク11’を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない実体部形成用インク11’を用いて形成された領域(コート層)を設けるように、複数種の実体部形成用インク11’を併用してもよい。
これにより、マット調やグロス調等の質感をより好適に表現することができる。また、着色剤(特に、顔料)を含む実体部11は、着色剤を含まない実体部11に比べて脆く、傷や欠け等を生じやすいが、着色剤を含まない実体部形成用インク11’を用いて形成される領域(コート層)を設けることにより、このような問題の発生を効果的に防止することができる。また、三次元造形物10の長期間の使用により、表面が摩耗した場合等であっても、三次元造形物10の色調の変化を効果的に防止、抑制することができる。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の実体部形成用インク11’を用いてもよい。
これにより、これらの実体部形成用インク11’の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の実体部形成用インク11’を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の実体部形成用インク11’、紅紫色(マゼンタ)の実体部形成用インク11’および黄色(イエロー)の実体部形成用インク11’を用いるのが好ましい。
これにより、これらの実体部形成用インク11’の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の実体部形成用インク11’と、他の有色の実体部形成用インク11’とを併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。
すなわち、最終的に得られる三次元造形物10を、白色(ホワイト)の実体部形成用インク11’が付与された第1の領域と、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の実体部形成用インク11’が付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の実体部形成用インク11’が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物10の彩度をより高めることができる。
また、前述したような微細な質感が得られる効果と、彩度を高める効果とが相乗的に作用し合い、三次元造形物10の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。
<犠牲層形成用インク>
犠牲層形成用インク12’は、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
犠牲層形成用インク12’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、実体部形成用インク11’の構成成分として例示した硬化性樹脂(硬化成分)と同様のものが挙げられる。
特に、犠牲層形成用インク12’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)と、前述した実体部形成用インク11’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)とは、同種のエネルギー線で硬化するものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物製造装置の構成が複雑化するのを効果的に防止することができ、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物10の表面形状をより確実に制御することができる。
犠牲層形成用インク12’は、各種硬化成分の中でも、特に、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク12’を硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク12’を硬化させて形成される犠牲層12の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層12が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インク11’をより好適に支持することができる。そのため、実体部11の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層12がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
上述した中でも、犠牲層形成用インク12’を構成する硬化性樹脂として、特に、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリンよりなる群から選択される1種または2種以上を用いた場合、実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性以上のものと容易にすることができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の外表面は、なだらかな凹凸のハーフグロス調の質感を有するものとなる。
また、上述した中でも、犠牲層形成用インク12’を構成する硬化性樹脂として、特に、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを用いた場合、実体部形成用インク11’の硬化時における犠牲層形成用インク12’の粘弾性が、実体部形成用インク11’の硬化時における実体部形成用インク11’の粘弾性よりも小さいものと容易にすることができる。その結果、実体部形成用インク11’が硬化する際に、実体部11の外表面となるべき部位に、微細なしわが発生することとなり、最終的に得られる三次元造形物10は、表面に微小の凹凸が形成され、マット調の外観を有するものとなる。
特に、犠牲層形成用インク12’が(メタ)アクリロイルモルフォリンを含むものであると、以下のような効果が得られる。
すなわち、(メタ)アクリロイルモルフォリンは、硬化反応が進行した場合であっても完全硬化でない状態(完全硬化でない状態の(メタ)アクリロイルモルフォリンの重合体)では、水等の各種溶媒に対する溶解性が高い状態が高いものである。したがって、前述したような犠牲層除去工程において、実体部11に欠陥が生じるのをより効果的に防止しつつ、犠牲層12を選択的かつ確実に、また、効率よく除去することができる。その結果、より高い信頼性で、所望の形態の三次元造形物10を生産性良く得ることができる。
また、犠牲層形成用インク12’がテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを含むものであると、硬化後の柔軟性が保たれ、実体部表面のマット調の質感形成が効果的になされるとともに、犠牲層12を除去する液体による処理により容易にゲル状になることで除去性を高めるという効果が得られる。
また、犠牲層形成用インク12’がエトキシエトキシエチル(メタ)アクリレートを含むものであると、硬化後もタック性が残存し易く、実体部表面のマット調の質感形成が効果的になされるとともに、犠牲層12を除去する液体による除去性を高められるという効果が得られる。
また、犠牲層形成用インク12’がポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むものであると、犠牲層12を除去する液体が水を主成分とする場合に、液体への溶解性を高め、除去を容易にするという効果が得られる。
犠牲層形成用インク12’が前述した特定の硬化成分(テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリンよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、犠牲層形成用インク12’を構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
犠牲層形成用インク12’中における硬化成分の含有率は、83質量%以上98.5質量%以下であるのが好ましく、87質量%以上95.4質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、形成される犠牲層12の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物10の製造時に単位層1を付き重ねていった場合に、下側の単位層1が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の単位層1を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、犠牲層形成用インク12’は、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の製造時における犠牲層形成用インク12’の硬化速度を適度に速めることができ、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、形成される犠牲層12の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物10の製造時に単位層1を付き重ねていった場合に、下側の単位層1が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の単位層1を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
犠牲層形成用インク12’を構成する重合開始剤としては、例えば、実体部形成用インク11’の構成成分として例示した重合開始剤と同様のものが挙げられる。
中でも、犠牲層形成用インク12’は、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク12’を硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク12’を硬化させて形成される犠牲層12の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層12が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インク11’をより好適に支持することができる。そのため、実体部11の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層12がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
犠牲層形成用インク12’中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、1.5質量%以上17質量%以下であるのが好ましく、4.6質量%以上13質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク12’を硬化させることができ、三次元造形物10においてマット調やグロス調等の微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク12’を硬化させて形成される犠牲層12の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物10の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層12が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インク11’をより好適に支持することができる。そのため、実体部11の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層12がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
以下に犠牲層形成用インク12’中における硬化性樹脂と重合開始剤との配合比率(以下に述べる「その他の成分」を除くインク組成)の好ましい具体例を示すが、本発明における犠牲層形成用インクの組成は、以下に述べるものに限定されるものではないことは、言うまでもない。
「配合比率例1」
・テトラヒドロフルフリルアクリレート:36質量部
・エトキシエトキシエチルアクリレート:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
「配合比率例2」
・ジプロピレングリコールジアクリレート:37質量部
・ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート:55.85質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量部
「配合比率例3」
・テトラヒドロフルフリルアクリレート:36質量部
・アクリロイルモルフォリン:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
「配合比率例4」
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:36質量部
・ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
前記のような配合の場合に、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、犠牲層形成用インク12’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、犠牲層形成用インク12’が着色剤を含むことにより、犠牲層12の視認性が向上し、最終的に得られる三次元造形物10において、犠牲層12の少なくとも一部が不本意に残存することをより確実に防止することができる。
犠牲層形成用インク12’を構成する着色剤としては、例えば、実体部形成用インク11’の構成成分として例示した着色剤と同様のものが挙げられるが、三次元造形物10の表面の法線方向から観察した際に当該犠牲層形成用インク12’により形成される犠牲層12と重なり合う実体部11の色(三次元造形物10の外観上視認されるべき色)とは異なる色となるような着色剤であるのが好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
犠牲層形成用インク12’が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。犠牲層形成用インク12’を構成する分散剤としては、例えば、実体部形成用インク11’の構成成分として例示した分散剤と同様のものが挙げられる。
また、犠牲層形成用インク12’の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による犠牲層形成用インク12’の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物10の製造には、複数種の犠牲層形成用インク12’を用いてもよい。
例えば、実体部形成用インク11’の硬化時における粘弾性が互いに異なる2種以上の犠牲層形成用インク12’を備えるものであってもよい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物10を、微細な質感の程度が互いに異なる複数の領域を有するものとして得ることができる。その結果、より複雑な外観の表現が可能となり、三次元造形物10の美的外観(審美性)、高級感等を特に優れたものとすることができる。
なお、インクセットは、少なくとも1種の実体部形成用インク(第1のインク)11’と、少なくとも1種の犠牲層形成用インク(第2のインク)12’を備えるものであればよいが、これらとは異なる第3のインクを第3のインクを備えるものであってもよい。
《三次元造形物》
本発明の三次元造形物は、前述したような製造方法、三次元造形物製造装置、インクセットを用いて製造することができる。これにより、マット調やグロス調等の微細な質感を有する三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物は、模型(例えば、自動車、オートバイ、船、飛行機等の乗り物、建築物、動物、植物等の生物、石等の自然物(非生物)、各種食品等の模型)であってもよい。
模型では、本物が有する質感等を忠実に再現するのが好ましいが、従来の積層法を用いて製造される三次元造形物では、このような要求に十分に応えることができなかった。これに対し、本発明では、従来では表現が特に困難であったマット調やグロス調等の微細な質感を好適に表現することができる。したがって、本発明を模型に適用した場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、実体部形成用インクおよび犠牲層形成用インクを、インクジェット法により吐出する行う場合について中心的に説明したが、実体部形成用インクおよび犠牲層形成用インクは他の方法(例えば、他の印刷方法)で付与するものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、実体部を構成する硬化性樹脂の硬化度を上昇させるための追加の硬化処理等が挙げられる。
また、後処理工程としては、例えば、三次元造形物のマット調を高めるための粗面化処理や鏡面性(グロス性)を高めるための鏡面化処理(研磨処理)を行う工程を有していてもよい。
また、本発明は、粉体積層法、(すなわち、粉体を用いて層を形成し、当該層の所定の部位に硬化性のインクを付与して硬化部を形成するという一連の操作を繰り返し行うことのより、硬化部が設けられた複数の層を有する積層体としての三次元造形物を得る方法)に適用されるものであってもよい。
10…三次元造形物 10’…仮成形体 1…単位層 11’…実体部形成用インク(第1のインク) 11…実体部 12’…犠牲層形成用インク(第2のインク) 12…犠牲層 13’…混在部 13…硬化混在部 100…三次元造形物製造装置 2…制御部 21…コンピューター 22…駆動制御部 3…ステージ 4…第1のインク吐出部(実体部形成用インク付与手段) 5…第2のインク吐出部(犠牲層形成用インク付与手段) 6…エネルギー線照射手段(硬化手段)

Claims (15)

  1. 硬化性樹脂を含むインクを吐出して硬化させることで形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    インク吐出工程では、前記三次元造形物の最外層が形成される領域に、前記三次元造形物を構成するための実体部形成用インクと犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクとが重なるように吐出することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 吐出した前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを硬化する硬化工程を有し、
    前記実体部形成用インクの硬化時における前記犠牲層形成用インクの粘弾性は、前記実体部形成用インクの硬化時における前記実体部形成用インクの粘弾性よりも小さいものである請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 吐出した前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを硬化する硬化工程を有し、
    前記実体部形成用インクの硬化時における前記犠牲層形成用インクの粘弾性は、前記実体部形成用インクの硬化時における前記実体部形成用インクの粘弾性以上のものである請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させることにより得られた仮成形体から、前記犠牲層を除去する工程を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記インク吐出工程において、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出する際に、重ねる順序を変更する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記インク吐出工程において、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出する際に、前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクのうちの少なくとも一方の吐出量を変更する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記実体部形成用インクは、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  8. 前記犠牲層形成用インクは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. 前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクは、いずれも、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 前記実体部形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクに加え、着色剤を含有しない無色インクを用い、
    前記最外層が形成される領域の形成に前記無色インクを用い、それよりも内側の領域の形成に前記着色インクを用いる請求項1ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 着色剤を含有する着色インクとして、有彩色インクと白色インクとを用い、
    前記有彩色インクを用いて形成する領域の内側の領域の形成に、前記白色インクを用いる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  12. 異なる複数種の前記犠牲層形成用インクを用いる請求項1ないし11のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  13. 硬化性樹脂を含むインクを吐出して硬化させることで形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
    前記三次元造形物を構成するための実体部形成用インクを吐出する第1の吐出手段と、
    犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出する第2の吐出手段と、
    前記実体部形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させる硬化手段と、を有し、
    前記第1の吐出手段および前記第2の吐出手段は、前記三次元造形物の最外層が形成される領域に、前記実体部形成用インクと前記犠牲層形成用インクとを重ねて吐出するよう制御されていることを特徴とする三次元造形物製造装置。
  14. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の三次元造形物の方法を用いて製造されたものであることを特徴とする三次元造形物。
  15. 請求項13に記載の三次元造形物製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とする三次元造形物。
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