JP6413285B2 - 三次元造形物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、三次元造形物の製造方法に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、積層法が知られている(例えば、特許文献1参照)。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
ところで、従来の方法では、三次元造形物の三次元データを分割した平面画像をインクジェット描画し積層することで造形物を形成するが、インクジェット装置がXY座標により規定されたドットを描画するため、フィードまたはスキャン方向に平行な境界面が滑らかであるのに対し、斜めの境界面、特に、フィードまたはスキャン方向に対して鋭角な面ではXY解像度に起因するドット間段差(ジャギー)が目立ち、造形物の形状によっては品位が悪い面が発生するという問題があった。
特開2000−280354号公報
本発明の目的は、ドット間段差を緩和され、高い品質の三次元造形物を製造できる三次元造形物の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
前記三次元造形物の三次元データAから、前記層の三次元データBを作成する工程と、
前記三次元データBを、所定の解像度のビットマップデータに変換し、さらに、スムージング処理を行い、前記層のスムージング処理データを作成する工程と、
前記スムージング処理データの階調表現された階調ドットと、当該階調ドットと前記層の内側で接し、前記層の内部に存在する隣接ドットとを入れ替えて、さらに、当該隣接ドットを間引いたデータを主データとして生成する工程と、
間引いた前記隣接ドットで構成され、かつ、前記階調ドットと入れ替える前の位置に当該隣接ドットを配したデータを副データとして生成する工程と、
前記主データを元に硬化性インクを吐出して、主データ層を形成する工程と、
前記副データを元に、前記主データ層の間引かれた部分に前記硬化性インクを吐出する工程と、を有し、
前記隣接ドットの濃度を100%としたときの前記階調ドットの濃度をX%としたとき、前記階調ドットの部分に吐出する前記硬化性インクの吐出量をX%に減量するよう制御することを特徴とする。
これにより、ドット間段差を緩和し、高い品質の三次元造形物を製造することが可能な三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記硬化性インクは、光硬化性樹脂を含むことが好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記硬化性インクの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましい。
形成すべき三次元造形物を構成する層のビットマップデータの部分拡大平面図である。 図1のビットマップデータにスムージング処理を施して得られる層のスムージング処理データの部分拡大平面図である。 スムージング処理データの階調ドットと隣接ドットとを置き換えた部分拡大平面図である。 層の主データの部分拡大平面図である。 層の副データの部分拡大平面図である。 形成した主データ層の部分拡大平面図である。 形成した層の部分拡大平面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
1.三次元造形用データの作成方法
まず、三次元造形用データの作成方法について説明する。
三次元造形用データの作成方法は、層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法に用いられるものである。
図1は、形成すべき三次元造形物を構成する層のビットマップデータの部分拡大平面図、図2は、図1のビットマップデータにスムージング処理を施して得られる層のスムージング処理データの部分拡大平面図、図3は、スムージング処理データの階調ドットと隣接ドットとを置き換えた部分拡大平面図、図4は、層の主データの部分拡大平面図、図5は、層の副データの部分拡大平面図、図6は、形成した主データ層の部分拡大平面図、図7は、形成した層の部分拡大平面図である。なお、各図において、紙面と垂直な方向が、層の厚さ方向となっている。
本実施形態の三次元造形用データの作成方法は、製造する三次元造形物の三次元データAから、層の三次元データBを作成する工程と、作成した三次元データBを所定の解像度のビットマップデータ10に変換し、さらに、スムージング処理を行い、層のスムージング処理データ11を作成する工程と、スムージング処理データ11の階調表現された階調ドット(2A、2B、2C)と、当該階調ドットと層の内側で接する隣接ドット3とを入れ替えて、さらに、隣接ドット3を間引いたデータを主データ12として保存する工程と、隣接ドット3で構成されたデータを副データ13として保存する工程と、を有している。
以下、詳細に説明する。
まず、製造する三次元造形物の三次元モデル(三次元データA)を三次元CADソフト等で作成する。
次に、作成した三次元データAを複数の2次元断面層の三次元データBに分割する。
次に、図1に示すように、得られた各三次元データBを所定の解像度のビットマップデータ10に変換する。ビットマップデータ10は、複数のドット(通常ドット)1で構成されている。
ここで、所定の解像度は、三次元造形物の製造に用いる装置で描画可能な解像度で定まるものである。
次に、形成したビットマップデータ10に対してスムージング処理を施す。これにより、図2に示すような階調ドット(2A、2B、2C)と通常ドット1とで構成されたスムージング処理データ11が得られる。
本実施形態では、グレースケール4階調で表現されたスムージング処理データ11となっており、通常ドット1が100%濃度で、階調ドット2Aが75%濃度で、階調ドット2Bが50%濃度で、階調ドット2Cが25%濃度で表現されている。
次に、形成したスムージング処理データ11の階調ドット(2A、2B、2C)と、当該階調ドットと層の内側で隣接している隣接ドット3とを入れ替えたデータ(図3参照)を作成し、さらに、入れ替えた隣接ドット3を間引いたデータ(図4)を作成し、これを主データ12として保存する。
一方、スムージング処理データ11から間引いた、隣接ドット3とで構成されたデータ(図5参照)を、副データ13として保存する。
このようにして得られた主データ12および副データ13で構成された三次元造形用データを元に、三次元造形物の製造を行う。このような三次元造形用データを用いることで、ドット間段差(ジャギー)を緩和され、高い品質の三次元造形物を製造することができる。
2.三次元造形物の製造方法
次に、三次元造形物の製造方法について説明する。
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、上述したような三次元造形用データの作成方法によって得られた主データ12と副データ13とを用いて形成した層を積層することにより、三次元造形物を製造する。
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、具体的には、主データ12を元に硬化性インクを用いて、主データ層15を形成する第1吐出工程と、主データ層15を硬化させる第1硬化工程と、主データ層に、副データ13を元に、主データ層の間引かれた部分(凹陥部151)に硬化性インクを吐出する第2吐出工程と、凹陥部151に吐出した硬化性インクを硬化して層(単位層)を形成する第2硬化工程と、を有する。
以下、各工程について詳細に説明する。
[第1吐出工程]
まず、主データ12を元に硬化性インクをインクジェット方式により吐出して、図6に示すような凹陥部151を備えた主データ層15を形成する(第1吐出工程)。なお、図6中、凹陥部151は、グレーで示しており、層の紙面垂直方向の厚さが他の部分よりも薄い部分である。
主データ層15の形成にあたって、硬化性インクの吐出量を、階調ドット(2A、2B、2C)の濃淡度合によって制御する。
階調ドットの濃淡度合による硬化性インクの吐出量の制御は、通常ドット1の濃度を100%としたときの階調ドットの濃度をX%としたとき、階調ドットの部分に吐出する硬化性インクの吐出量をX%に減量するよう制御する。これにより、階調ドットが存在する部分は吐出量が少なくなり、凹陥部151が形成される。
より具体的には、階調ドット2A(濃度75%)の場合の吐出量を、通常ドット1(濃度100%)に吐出する量の75%とし、階調ドット2B(濃度50%)の場合の吐出量を、通常ドット1に吐出する量の50%とし、階調ドット2C(濃度25%)の場合の吐出量を、通常ドット1に吐出する量の25%とするよう制御する。
インクジェット方式としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、インクの構成成分の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
[第1硬化工程]
次に、主データ層15に含まれる硬化成分を硬化させる。第2吐出工程の前に主データ層15を硬化させることにより、第2吐出工程において硬化性インクが、凹陥部151内部の壁面に沿って、濡れ広がり易くなる。
本工程は、硬化成分(硬化性樹脂)の種類により異なるが、例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、硬化成分(硬化性樹脂)が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
[第2吐出工程]
次に、副データを元に、主データ層15の凹陥部151の通常ドット部に比べ凹陥している階調ドット2A、2B、2Cの座標、すなわち入れ替え前に隣接ドット3が配置されていた座標に硬化性インクをインクジェット方式により吐出する。副データは、隣接ドット3によって構成されており、隣接ドット3の場合は、通常ドット1に吐出する量と同じ量を吐出する。
本工程では、吐出された硬化性インクが、凹陥部151内部の壁面に沿って、濡れ広がり、ドット段差を埋めて、当該ドット段差を緩和する。
[第2硬化工程]
次に、凹陥部121に吐出した硬化性インクを硬化させ、層14を得る(図7参照)。
そして、上記工程を繰り返すことで、層14を積層し、三次元造形物を得る。
3.硬化性インク
硬化性インクは、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、得られる三次元造形物の機械的強度や三次元造形物の生産性、硬化性インクの保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。
単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。
多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族のアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族アミン化合物とのアミド類のモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
硬化性インクは、前述した硬化成分の中でも、特に、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、より適切な硬化速度で硬化性インクを硬化させることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
特に、硬化性インクが(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むものであると、酸素阻害を受けにくく低エネルギーでの硬化が可能であり、また、他モノマーを含めた共重合を促進し、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
また、硬化性インクがポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むものであると、造形物の高強度化と高靱性化を両立させるという効果が得られる。
また、硬化性インクが2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートを含むものであると、柔軟性を持ち破断伸び率を向上させるという効果が得られる。
また、硬化性インクが4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含むものであると、前層で形成した自硬化物に加え、PMMA、PEMA粒子やシリカ粒子、金属粒子等への密着性を向上することにより、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
硬化性インクが前述した特定の硬化成分((メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、硬化性インクを構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
硬化性インク中における硬化成分の含有率は、80質量%以上97質量%以下であるのが好ましく、85質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、硬化性インクは、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物の製造時における硬化性インクの硬化速度を速めることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤(芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等)や光カチオン重合開始剤等を用いることができ、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、およびビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これらのうちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、硬化性インクを構成する重合開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、より適切な硬化速度で硬化性インクを硬化させることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
硬化性インク中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、3.0質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、より適切な硬化速度で硬化性インクを硬化させることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
以下に硬化性インク中における硬化性樹脂と重合開始剤との配合比率(以下に述べる「その他の成分」を除くインク組成)の好ましい具体例を示すが、本発明における硬化性インクの組成は、以下に述べるものに限定されるものではないことは、言うまでもない。
「配合比率例」
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量部
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量部
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量部
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量部
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量部
前記のような配合の場合に、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、硬化性インクは、前述した以外の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、硬化性インクが着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、硬化性インク、三次元造形物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
硬化性インクが顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。
これにより、硬化性インクの吐出安定性や硬化性インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
硬化性インクが着色剤を含むものである場合、当該硬化性インク中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、硬化性インクが着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該硬化性インク中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
硬化性インクが顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
硬化性インクが界面活性剤を含むものであると、三次元造形物の耐擦性をより良好なものとすることができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、硬化性インクは、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、硬化性インクの粘度調整を好適に行うことでき、硬化性インクが高粘度の成分を含むものであっても、硬化性インクのインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、硬化性インクの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による硬化性インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物の製造には、複数種の硬化性インクを用いてもよい。
例えば、着色剤を含む硬化性インク(カラーインク)と、着色剤を含まない硬化性インク(クリアインク)とを用いてもよい。
これにより、例えば、三次元造形物の外観上、色調に影響を与える領域に付与する硬化性インクとして着色剤を含む硬化性インクを用い、三次元造形物の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する硬化性インクとして着色剤を含まない硬化性インクを用いることができ、三次元造形物の生産コストの低減の観点等から有利である。
また、最終的に得られる三次元造形物において、着色剤を含む硬化性インクを用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない硬化性インクを用いて形成された領域(コート層)を設けるように、複数種の硬化性インクを併用してもよい。これにより、三次元造形物の長期間の使用により、表面が摩耗した場合等であっても、三次元造形物の色調の変化を効果的に防止、抑制することができる。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の硬化性インクを用いてもよい。
これにより、これらの硬化性インクの組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の硬化性インクを用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の硬化性インク、紅紫色(マゼンタ)の硬化性インクおよび黄色(イエロー)の硬化性インクを用いるのが好ましい。
これにより、これらの硬化性インクの組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の硬化性インクと、他の有色の硬化性インクとを併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。
すなわち、最終的に得られる三次元造形物を、白色(ホワイト)の硬化性インクが付与された第1の領域と、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の硬化性インクが付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の硬化性インクが付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物の彩度をより高めることができる。
また、前述したような微細な質感が得られる効果と、彩度を高める効果とが相乗的に作用し合い、三次元造形物の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。
4.三次元造形物
本発明の三次元造形物は、前述したような製造方法を用いて製造することができる。これにより、品質の高い三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物は、模型(例えば、自動車、オートバイ、船、飛行機等の乗り物、建築物、動物、植物等の生物、石等の自然物(非生物)、各種食品等の模型)であってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元造形物の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、硬化性樹脂の硬化度を上昇させるための追加の硬化処理等が挙げられる。
また、本発明は、粉体積層法、(すなわち、粉体を用いて層を形成し、当該層の所定の部位に硬化性のインクを付与して硬化部を形成するという一連の操作を繰り返し行うことのより、硬化部が設けられた複数の層を有する積層体としての三次元造形物を得る方法)に適用されるものであってもよい。
1…通常ドット
2A、2B、2C…階調ドット
3…隣接ドット
10…ビットマップデータ
11…スムージング処理データ
12…主データ
13…副データ
14…層
15…主データ層
151…凹陥部
A、B…三次元データ

Claims (4)

  1. 層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    前記三次元造形物の三次元データAから、前記層の三次元データBを作成する工程と、
    前記三次元データBを、所定の解像度のビットマップデータに変換し、さらに、スムージング処理を行い、前記層のスムージング処理データを作成する工程と、
    前記スムージング処理データの階調表現された階調ドットと、当該階調ドットと前記層の内側で接し、前記層の内部に存在する隣接ドットとを入れ替えて、さらに、当該隣接ドットを間引いたデータを主データとして生成する工程と、
    間引いた前記隣接ドットで構成され、かつ、前記階調ドットと入れ替える前の位置に当該隣接ドットを配したデータを副データとして生成する工程と、
    前記主データを元に硬化性インクを吐出して、主データ層を形成する工程と、
    前記副データを元に、前記主データ層の間引かれた部分に前記硬化性インクを吐出する工程と、を有し、
    前記隣接ドットの濃度を100%としたときの前記階調ドットの濃度をX%としたとき、前記階調ドットの部分に吐出する前記硬化性インクの吐出量をX%に減量するよう制御することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記主データを元に硬化性インクを吐出する工程後、前記硬化性インクを硬化させてから、前記副データを元に前記硬化性インクを吐出する請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記硬化性インクは、光硬化性樹脂を含む請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記硬化性インクの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
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