JP2015139725A - 流体塗布システムおよび流体塗布方法 - Google Patents

流体塗布システムおよび流体塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015139725A
JP2015139725A JP2014012582A JP2014012582A JP2015139725A JP 2015139725 A JP2015139725 A JP 2015139725A JP 2014012582 A JP2014012582 A JP 2014012582A JP 2014012582 A JP2014012582 A JP 2014012582A JP 2015139725 A JP2015139725 A JP 2015139725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
coating
application
amount
gradually
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014012582A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6326598B2 (ja
Inventor
史昭 権藤
Fumiaki Gondo
史昭 権藤
修一 東岸
Shiyuuichi Higashi
修一 東岸
教晃 榊原
Noriaki Sakakibara
教晃 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Heishin Ltd
Original Assignee
Heishin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Heishin Ltd filed Critical Heishin Ltd
Priority to JP2014012582A priority Critical patent/JP6326598B2/ja
Publication of JP2015139725A publication Critical patent/JP2015139725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6326598B2 publication Critical patent/JP6326598B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】閉ループ状の塗布において、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差を解消できるとともに、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる流体塗布システムおよび流体塗布方法を提供する。
【解決手段】ワークに流体を吐出する塗布装置20と、その塗布装置20とワークとを相対的に移動させる移動手段30と、塗布装置20および移動手段30を制御する制御手段11とを備える流体塗布システム10であって、塗布装置20が、駆動手段22と、その駆動手段22の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段21とを備え、制御手段11が、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次減少させる制御手段である。
【選択図】図7

Description

本発明は、ワークに流体を吐出する塗布装置と、その塗布装置とワークとを相対的に移動させる移動手段とを備えた流体塗布システムに関する。また、塗布装置と、移動手段とを用いた流体塗布方法に関する。さらに詳しくは、閉ループ状の塗布において、繋ぎ目部(始点と終点とが接続する部分)の塗布量と定常部(繋ぎ目部を除いた部分)の塗布量との差を解消できるとともに、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる流体塗布システムおよび流体塗布方法に関する。
なお、別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は次のとおりである。
「塗布量」:単位長さあたりの塗布量(g/mm)を意味する。
自動車や電子部材、太陽電池等の製造工程で部品(ワーク)に接着剤やシール剤、絶縁剤、放熱剤、焼付き防止剤等の流体を塗布する場合がある。このワークに流体を塗布する際に流体塗布システムを用いることができる。流体塗布システムは、ワークに流体を吐出する塗布装置(例えばディスペンサー)と、その塗布装置とワークとを相対的に移動させる移動手段(例えば多関節ロボット)とを備える構成を採用できる。
塗布装置は、駆動手段(例えばモーター)と、その駆動手段の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段(例えばポンプやアクチュエータ)と、その流体供給手段から供給された流体をワークに吐出するノズルとを備える構成を採用できる。このような塗布装置と、移動手段とを用いてワークに流体を塗布する際に、始点側の塗布流体に終点側の塗布流体を重ね合わせて接続する(つなぐ)ことにより、閉ループ状に塗布する場合がある。
図1は、閉ループ状に塗布された流体(塗布流体)の一例を模式的に示す上面図である。同図には、矩形状のワーク51と、そのワーク51の外周に沿うように塗布された塗布流体52とを示す。また、塗布の始点Sと終点Fとを矢印で指し示し、塗布方向を破線矢印で示す。閉ループ状の塗布では、同図に示すように、塗布の始点Sと塗布の終点Fとに距離を設ける。これにより、始点側の塗布流体に終点側の塗布流体を重ね合わせ、塗布流体を接続する。
閉ループ状の塗布は、ワークの外周面に行われる場合もある。図2は、円柱状のワークの外周面に閉ループ状に塗布された流体の一例を模式的に示す斜視図である。同図には、円柱状のワーク54と、そのワーク54の外周面に円環状に塗布された流体52とを示す。閉ループ状の塗布をワークの外周面に行う場合も、始点側の塗布流体に終点側の塗布流体を重ね合わせることにより、塗布流体が接続される。
このような閉ループ状の塗布では、繋ぎ目部の塗布量が多くなる場合や、エア(空気)の巻き込みが発生する場合がある。図3は、従来の塗布流体の繋ぎ目部を示す側面図である。同図には、ワーク51と、塗布流体52とを示し、塗布方向を破線矢印で示す。同図に示すように、始点の塗布流体52cに終点の塗布流体52dが重なり合うことにより、繋ぎ目部52bが形成される。その結果、繋ぎ目部52bの塗布量が、定常部52aの塗布量と比べて多くなる場合がある。
また、塗布する流体が高粘度の流体や速硬化性の流体、速乾性の流体である場合、始点の塗布流体52cの下側にエアが残留する。この残留エアが終点の塗布流体52dによって閉じ込められることにより、同図に示すように、繋ぎ目部52bにエアの巻き込み53が発生する。
閉ループ状の塗布に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1がある。特許文献1では、ワークに塗布された流体の始点(塗布開始点)の位置を検出し、この検出した始点位置に合わせるように、流体の終点(塗布終了点)の位置を調整することが提案されている。始点位置の検出は、カメラによりワークを撮像し、塗布流体の始点位置が視野中心に対してなす距離を検出することにより行う。
この特許文献1では、塗布装置として、供給される気体の圧力の増減によって流体の吐出を開始させたり、吐出を終了させたりするエア式ディスペンサーが用いられる。塗布開始時は、塗布ヘッドのノズルが移動開始すると同時に、塗布ヘッドの容器に気体の正の圧力が印加されてノズルからペーストが吐出開始する。その結果、始点が自然と先細り状になるとしている。
一方、塗布終了時は、塗布ヘッドのノズルが移動停止すると同時に、塗布ヘッドの容器に気体の正の圧力を印加するのが停止されるとともに気体の負の圧力が印加される。これにより、ノズルからのペーストの吐出が停止され、その結果、終点も自然と先細り状になるとしている。
このように塗布開始点および塗布終了点がいずれも先細り状の場合、前述のような塗布終点位置の調整を行うことにより、塗布流体の始点と終点を適度に重ねれば、結果として塗布流体の繋ぎ目部の幅と定常部の幅(塗布量)が均等になるとしている。
図4は、特許文献1の塗布方法における制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。同図に示す制御パターンは、前記図1に示す閉ループ状の塗布の制御パターンであって、上述の特許文献1の塗布方法における塗布開始時および塗布終了時の制御パターンである。同図には、塗布の始点Sおよび終点Fを通過するタイミングをそれぞれ矢印で指し示す。
また、この特許文献1で用いられるエア式ディスペンサーでは、塗布終了時に流体の吸込を行った際に、ノズル内に引き込まれる流体の量が毎回異なり、始点位置のバラツキにつながるとされている。このため、特許文献1で提案されるような終点の調整を行うことが有効であるとされている。
特許第5180925号
前述の通り、塗布装置と移動手段とを用い、流体を閉ループ状に塗布すると、繋ぎ目部の塗布量が多くなる場合や、エア(空気)の巻き込みが発生する場合がある。そこで、前述の特許文献1では、塗布流体の始点位置を検出し、塗布の終点位置を調整することが提案されている。また、吐出開始に伴って自然に発生する先細りと吐出終了に伴って自然に発生する先細りを利用すれば、結果的に塗布流体の繋ぎ目部の幅と定常部の幅を均等にできるとしている。
しかしながら、特許文献1で提案されているように塗布流体の始点位置を検出して塗布の終点位置を調整すること、すなわち、塗布の始点と塗布の終点との距離を一定にすることにより、塗布流体の繋ぎ目部の幅(塗布量)と定常部の幅(塗布量)の差を低減するには限界がある。これは、塗布開始時および塗布終了時の経過時間と吐出量の関係が、実際には前記図4(b)と相違することに起因する。
より具体的には、塗布開始時および塗布終了時の経過時間と吐出量の関係は、流体の特性(例えば粘性)や流体供給手段(ポンプ)の特性に影響を受け、その曲線形状や勾配、要する時間が変化する。また、流体や流体供給手段(ポンプ)によっては、塗布開始時や塗布終了時の経過時間と吐出量の関係が塗布する都度変化し、その曲線形状や勾配、要する時間がばらつく場合がある。このため、塗布開始時および塗布終了時の先細りの形状は、いずれも様々な形態が存在する。
図5は、特許文献1の塗布方法における実際の吐出量の第1パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(b)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。同図に示す吐出量のパターン例は、前記図4に示す制御パターン例における、実際の経過時間と吐出量との関係および塗布流体の繋ぎ目部の形状を示す。同図(a)に示すように、塗布開始時に所望の吐出量となるのに要する時間と、塗布終了時に吐出が終了するのに要する時間とは、異なる場合がある。この場合、塗布流体の始点位置を検出し、塗布の終点位置を調整しても、同図(b)に示すように繋ぎ目部の塗布量が定常部の塗布量より少なくなる。
図6は、特許文献1の塗布方法における実際の吐出量の第2パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(b)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。同図に示す吐出量のパターン例は、前記図4に示す制御パターン例における、実際の経過時間と吐出量との関係および塗布流体の繋ぎ目部の形状を示す。同図(a)に示すように、塗布開始時に所望の吐出量となるのに要する時間と、塗布終了時に吐出が終了するのに要する時間とが、いずれも、長くなる場合がある。この場合、塗布流体の始点位置を検出し、塗布の終点位置を調整しても、先細りの長さに対して重なり合う長さが短くなり、同図(b)に示すように繋ぎ目部の塗布量が定常部の塗布量より少なくなる。
したがって、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差をさらに低減することが望まれている。厳密な精度が要求される場合、特許文献1に提案される塗布方法は、特に不十分である。ここで、厳密な精度が要求される場合とは、例えば、自動車のエンジンの製造において、FIPG(Formed In Place Gasket)方式またはCIPG(Cured In Place Gasket)方式によってシール剤を塗布する場合が該当する。
また、塗布する流体が高粘度の流体や速硬化性の流体、速乾性の流体である場合、始点の塗布流体52cの下側にエアが残留する。この残留エアが終点の塗布流体52dによって閉じ込められることにより、同図に示すように、繋ぎ目部52bにエアの巻き込み53が発生する。
さらに、特許文献1に提案される方法では、カメラによって画像を撮像し、その画像を解析して始点を検出するとともに距離を算出する必要がある。このため、カメラおよび画像解析装置が必須となり、装置構成が煩雑となるとともに設備コストが増大する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、閉ループ状の塗布において、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差を解消できるとともに、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる流体塗布システムおよび流体塗布方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程でモーターの回転数を操作等することにより、塗布量を意図的に漸次増加させることを想到した。この塗布開始過程で塗布量を漸次増加させるのに対応するように、塗布終了過程でモーターの回転数を操作等することにより、塗布量を意図的に漸次減少させることを想到した。これにより、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差を解消できるとともに、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)〜(6)の流体塗布システム、下記(7)の流体塗布方法を要旨としている。
(1)ワークに流体を吐出する塗布装置と、その塗布装置と前記ワークとを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布装置および前記移動手段を制御する制御手段とを備える流体塗布システムであって、前記塗布装置が、駆動手段と、その駆動手段の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段とを備え、前記制御手段が、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次減少させる制御手段である、流体塗布システム。
(2)上記(1)に記載の流体塗布システムであって、前記制御手段が、塗布開始過程で前記塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で前記塗布量を漸次減少させることにより、前記ワークに塗布された流体において、繋ぎ目部の単位長さ当たりの塗布量を定常部の単位長さ当たりの塗布量と同等にする、流体塗布システム。
(3)上記(1)または(2)に記載の流体塗布システムであって、前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記駆動手段の出力を調整して前記吐出量を変動させることによって前記塗布量を漸次増加させるとともに、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記駆動手段の出力を調整して前記吐出量を変動させることによって前記塗布量を漸次減少させる、流体塗布システム。
(4)上記(1)または(2)に記載の流体塗布システムであって、前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記移動手段を制御して前記塗布装置と前記ワークとの相対的な移動速度を変動させることによって前記塗布量を漸次増加させるとともに、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記移動手段を制御して前記移動速度を変動させることによって前記塗布量を漸次減少させる、流体塗布システム。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の流体塗布システムであって、前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記塗布量を略線形状に増加させ、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記塗布量を略線形状に減少させる、流体塗布システム。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の流体塗布システムであって、前記流体供給手段が、前記駆動手段の回転数に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する回転容積式のポンプである、流体塗布システム。
(7)上記(6)に記載の流体塗布システムであって、前記回転容積式のポンプが、一軸偏心ねじポンプである、流体塗布システム。
(8)ワークに流体を吐出する塗布装置と、その塗布装置と前記ワークとを相対的に移動させる移動手段とを備える流体塗布システムを用い、流体を前記ワークに閉ループ状に塗布する方法であって、前記塗布装置が、駆動手段と、その駆動手段の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段とを備え、塗布開始過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次減少させる、流体塗布方法。
本発明において「塗布量を略線形状に増加させ」とは、塗布量が線形状に増加する場合に限定されず、塗布量を線形状に増加させる際に塗布する流体の粘性や流体供給手段(ポンプ)の特性(例えば応答遅れ)による変動(ノイズ)を含むことが許容されることを意味する。また、後述するように、部分的に曲線状に増加する場合も許容され、部分的に曲線状に増加するとは、例えば塗布開始過程(漸次増加)の開始時や終了時に曲線状に増加する場合が該当する。
一方、「塗布量を略線形状に減少させ」とは、塗布量が線形状に減少する場合に限定されず、塗布量を線形状に減少させる際に塗布する流体の粘性や流体供給手段(ポンプ)の特性による変動(ノイズ)を含むことが許容されることを意味する。また、後述するように、部分的に曲線状に減少する場合も許容され、部分的に曲線状に減少するとは、例えば塗布終了過程(漸次減少)の開始時や終了時に曲線状に減少する場合が該当する。
本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程で塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる。これにより、始点の塗布流体と終点の塗布流体とに定常部より塗布量が減少している接続部をそれぞれ形成できる。このため、繋ぎ目部が、始点の塗布流体の接続部と終点の塗布流体の接続部が重なり合う状態となり、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差を解消できる。また、始点の塗布流体の下側に残留するエアの量が減少するので、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる。
閉ループ状に塗布された流体の一例を模式的に示す上面図である。 円柱状のワークの外周面に閉ループ状に塗布された流体の一例を模式的に示す斜視図である。 従来の塗布流体の繋ぎ目部を示す側面図である。 特許文献1の塗布方法における制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。 特許文献1の塗布方法における実際の吐出量の第1パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(b)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。 特許文献1の塗布方法における実際の吐出量の第2パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(b)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。 本発明の流体塗布システムの構成例を示す模式図である。 本発明による塗布量の制御を適用した場合の塗布流体の繋ぎ目部を示す側面図であり、同図(a)は階段状に塗布量を増減させた場合、同図(b)は略線形状に塗布量を増減させた場合をそれぞれ示す。 モーターの回転数によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(c)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。 移動速度によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(c)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。 塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の開始時に曲線状に塗布量を増減させる制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。 塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の終了時に曲線状に増減させる制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。 略線形状に塗布量を増減させる際の傾きを変更した制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。 回転容積式のポンプとして好適な一軸偏心ねじポンプの構成例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法について、図面を参照しながら説明する。
[本発明の流体塗布システムの構成例]
図7は、本発明の流体塗布システムの構成例を示す模式図である。同図に示す流体塗布システム10は、ワークに流体を吐出する塗布装置20と、その塗布装置20とワーク(図示なし)とを相対的に移動させる移動手段30と、塗布装置20および移動手段30を制御する制御手段11とを備える。
塗布装置20は、駆動手段であるモーター22と、流体供給手段であるポンプ21と、ポンプの先端に装着されたノズル23とを備える。ポンプ21は、モーター22の出力(回転数)に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する。また、ポンプ21が吐出する流体は、ノズル23を経由してワークに塗布される。モーター22は、その回転数や向き(正転または逆転)の命令を受信するとともに、実際の回転数を送信するため、制御手段11とケーブルで接続されている。
塗布装置20のポンプ21は、配管25を介して流体汲み上げ装置24と接続されている。流体汲み上げ装置24は、ドラム缶といった容器26に貯留されている流体(図示なし)を汲み上げ、配管25(例えばフレキシブルホース)を流通させてポンプ21に供給する。
同図に示す流体塗布システム10は、多関節ロボットによって移動手段30が構成されており、その多関節ロボット30の動作は制御手段11によって制御される。多関節ロボット30が具備するアームの先端には塗布装置20が装着されている。同図に示す流体塗布システム10は、ワーク(図示なし)を固定する一方で、多関節ロボット30によってポンプ21を移動させることにより、塗布装置20とワークとの相対的な移動を実現する。制御手段11は、多関節ロボット30ともケーブルで接続されており、多関節ロボット30に信号を送信するとともに、多関節ロボット30の移動速度や位置情報等が制御手段11に送信される。
本発明の流体塗布システムが備える制御手段11は、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程で塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる。また、本発明の流体塗布方法は、塗布開始過程で塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる。
以下に、本発明の流体塗布システムが備える制御手段11によって実現される塗布量の制御、および、本発明の流体塗布方法により行う塗布量の制御について詳述する。以下では、これらの塗布量の制御を総称して本発明による塗布量の制御ともいう。
本発明による塗布量の制御は、閉ループ状の塗布における塗布開始過程および塗布終了過程を対象とし、換言すると、繋ぎ目部を対象とする。このため、定常部は、従来法によって塗布量を制御すればよい。
図8は、本発明による塗布量の制御を適用した場合の塗布流体の繋ぎ目部を示す側面図であり、同図(a)は階段状に塗布量を増減させた場合、同図(b)は略線形状に塗布量を増減させた場合をそれぞれ示す。同図には、ワーク51と、塗布流体52とを示し、塗布方向を破線矢印で示す。
本発明による塗布量の制御は、塗布開始過程で塗布量を漸次増加させる。この塗布量の漸次増加は、例えば、モーターの回転数(min-1)を操作することや、移動速度(mm/s)を操作することによって実現できる。これにより、始点の塗布流体52cに接続部52eが形成され、その接続部52eは先端に近づくのに伴って厚さが漸次薄くなったり、幅が漸次細くなったりする。
また、本発明による塗布量の制御は、塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる。この塗布量の漸次減少は、例えば、モーターの回転数(min-1)を操作することや、移動速度(mm/s)を操作することによって実現できる。これにより、終点の塗布流体52dには接続部52fが形成され、その接続部52fは先端に近づくのに伴って厚さが漸次薄くなったり、幅が漸次細くなったりする。
このように本発明による塗布量の制御は、意図的に、始点の塗布流体52cおよび終点の塗布流体52dについて厚さや幅を変動させるので、先端に近づくのに伴って塗布量が漸次減少する。この場合、繋ぎ目部52bでは、定常部52aより塗布量が所望量減少している始点の塗布流体の接続部52eと、定常部52aより塗布量が所望量減少している終点の塗布流体の接続部52fとが重なり合う状態となる。これにより、繋ぎ目部52bの塗布量が、定常部52aの塗布量より多くなったり、少なくなったりするのを防止できる。このため、本発明による塗布量の制御は、繋ぎ目部52bの塗布量と定常部52aの塗布量との差を解消できる。
エアの巻き込みは、前述の通り、始点の塗布流体の下側に残留するエアが終点の塗布流体によって閉じ込められることによって発生する。本発明による塗布量の制御では、先端に近づくのに伴って塗布量が漸次減少することから、始点の塗布流体52cの下側に残留するエアの量が減少する。このため、繋ぎ目部52bのエアの巻き込み53を低減できる。
塗布開始過程での塗布量の漸次増加および塗布終了過程での塗布量の漸次減少は、特に制限はなく、種々のパターンを採用できる。例えば、前記図8(a)に示すように階段状に増減させるパターンを採用できる。この場合、段差の数や一段あたりの高低差に制限はなく、例えば塗布流体の厚みや幅、要求精度に応じて適宜設定すればよい。
本発明による塗布量の制御は、塗布量を漸次増加させる際に、前記図8(b)に示すように、塗布量を略線形状に増加させ、塗布量を漸次減少させる際に、前記図8(b)に示すように、塗布量を略線形状に減少させるのが好ましい。これにより、繋ぎ目部52bの塗布量と定常部52aの塗布量との差を解消できる効果が顕著となり、繋ぎ目部52bと定常部52aとで塗布量を均一にできる。また、始点の塗布流体52cの下側に存在するエアの量もより減少し、繋ぎ目部52bのエアの巻き込みを大幅に低減できる。
塗布開始過程での塗布量の漸次増加および塗布終了過程での塗布量の漸次減少は、前述の通り、モーターの回転数(駆動手段の出力)を操作することや、移動速度を操作することによって実現できる。また、モーターの回転数(駆動手段の出力)の操作と移動速度の操作とを組み合わせることによっても実現できる。以下では、モーターの回転数を操作する実施形態および移動速度を操作する実施形態について、図面を参照しながら、それぞれ説明する。
本発明による塗布量の制御では、従来の塗布方法と同様に、繋ぎ目部で始点の塗布流体の接続部と終点の塗布流体の接続部が重なり合うように、始点Sと終点Fとに距離(例えば10mm程度の距離)を設ける(前記図1参照)。
図9は、モーターの回転数によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(c)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。同図の制御パターンは、前記図8(b)に示すように略線形状に塗布量を増減させる場合の制御パターンである。また、同図には、塗布装置が前記図1の始点Sおよび終点Fを通過するタイミングをそれぞれ矢印で指し示す。
塗布開始過程で塗布量を漸次増加させる際に、同図(b)に示すようにモーターの回転数を増加させ(駆動手段の出力を調整し)、塗布装置の吐出量が略線形状に漸次増加するように変動させる。その際、同図(a)に示すように、移動速度が一定となるように移動手段を制御する。これにより、ワークへの塗布量を略線形状に漸次増加させる。
塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる際に、同図(b)に示すようにモーターの回転数を減少させ(駆動手段の出力を調整し)、塗布装置の吐出量が略線形状に漸次減少するように変動させる。その際、同図(a)に示すように、移動速度が一定となるように移動手段を制御する。これにより、ワークへの塗布量を略線形状に漸次減少させる。
図10は、移動速度によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間と移動速度との関係、同図(b)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(c)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係を示す。同図の制御パターンは、前記図8(b)に示すように略線形状に塗布量を増減させる場合の制御パターンである。また、同図には、塗布装置が前記図1の始点Sおよび終点Fを通過するタイミングをそれぞれ矢印で指し示す。
塗布開始過程で塗布量を漸次増加させる際に、同図(a)に示すように移動手段を制御して塗布装置とワークとの相対的な移動速度を略線形状に漸次減少させる。その際、同図(b)に示すようにモーターを始動させて塗布装置の吐出量が一定な状態で塗布を開始する。これにより、ワークへの塗布量を略線形状に漸次増加させる。
塗布終了過程で塗布量を漸次減少させる際に、同図(a)に示すように移動手段を制御して塗布装置とワークとの相対的な移動速度を略線形状に漸次増加させる。その際、同図(b)に示すようにモーターを停止させ、塗布装置の吐出量が一定な状態を維持しつつ吐出を終了する。これにより、ワークへの塗布量を略線形状に漸次減少させる。
なお、塗布開始過程でモーターを始動させて塗布装置から所定の吐出量で流体を吐出する場合、モーターの始動に対して塗布装置の吐出量が応答するのに時間を要する。この応答遅れを抑制するため、同図に示す制御パターンでは、モーターの回転数を所定の吐出量に対応する回転数を超えて増加させた後、所定の吐出量に対応する回転数としている。
また、塗布終了過程でモーターを停止させて塗布装置の吐出を終了する場合、モーターの停止に対して塗布装置の吐出量が応答するのに時間を要する。この応答遅れを抑制するため、同図に示す制御パターン例では、モーターを逆転させた後、モーターを停止させている。
図9および10の制御パターン例では、いずれも、塗布開始過程(塗布量の漸次増加)の開始から終了まで線形状に増加させているが、例えば塗布流体の厚みや幅、要求精度といった諸条件に応じ、部分的に曲線状に増加させてもよい。また、塗布終了過程(塗布量の漸次減少)の開始から終了まで線形状に減少させているが、上記諸条件に応じ、部分的に曲線状に減少させてもよい。さらに、略線形状に塗布量を増減させる際の傾きも上記諸条件に応じて変更できる。その具体例について図面を参照して説明する。
図11は、塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の開始時に曲線状に塗布量を増減させる制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。同図に示す制御パターン例は、前記図9に示すモーターの回転数によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例において、塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の開始時に円弧状に塗布量が変動するようにしたものである。移動速度と経過時間の関係は、前記図9(a)に示す関係と同じであることから、図示を省略した。また、同図(c)には、ワーク51と、塗布流体52とを示す。
具体的には、塗布開始過程の終了時は、吐出量の変動割合(傾きの絶対値)が徐々に小さくなるように円弧状に変動させる。これにより、塗布量をその変動割合を徐々に小さくして円弧状に変動させる。一方、塗布終了過程の開始時は、吐出量の変動割合(傾きの絶対値)が徐々に大きくなるように円弧状に変動させる。これにより、塗布量をその変動割合を徐々に大きくして円弧状に変動させる。このような制御パターン例では、同図(c)に示すような塗布流体の繋ぎ目部52bが形成される。
図12は、塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の終了時に曲線状に増減させる制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。同図に示す制御パターン例は、前記図9に示すモーターの回転数によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例において、塗布開始過程の終了時と塗布終了過程の終了時に円弧状に塗布量が変動するようにしたものである。移動速度と経過時間の関係は、前記図9(a)に示す関係と同じであることから、図示を省略した。また、同図(c)には、ワーク51と、塗布流体52とを示す。
具体的には、塗布開始過程の終了時は、吐出量の変動割合(傾きの絶対値)が徐々に小さくなるように円弧状に変動させる。これにより、塗布量をその変動割合を徐々に小さくして円弧状に変動させる。一方、塗布終了過程の終了時は、吐出量の変動割合(傾きの絶対値)が徐々に小さくなるように円弧状に変動させる。これにより、塗布量をその変動割合を徐々に小さくして円弧状に変動させる。このような制御パターン例では、同図(c)に示すような塗布流体の繋ぎ目部52bが形成される。
図13は、略線形状に塗布量を増減させる際の傾きを変更した制御パターン例を示す模式図であり、同図(a)は経過時間とモーターの回転数との関係、同図(b)は経過時間と単位時間当たりの吐出量との関係、同図(c)は塗布流体の繋ぎ目部を示す。同図に示す制御パターン例は、前記図9に示すモーターの回転数によって塗布量を増減させる場合の制御パターン例において、塗布量を略線形状に漸次増加させる際の傾きおよび塗布量を略線形状に漸次減少させる際の傾きを変更したものである。移動速度と経過時間の関係は、前記図9(a)に示す関係と同じであることから、図示を省略した。また、同図(c)には、ワーク51と、塗布流体52とを示す。
具体的には、前記図9に示す制御パターンと比べ、塗布量を略線形状に漸次増加させる際の傾きを大きくし、吐出量の変動割合を大きくした。一方、塗布量を略線形状に漸次減少させる際の傾きの絶対値を大きくし、吐出量の変動割合の絶対値を大きくした。このような制御パターン例では、同図(c)に示すように、始点の塗布流体52cにおいて、接続部52eの傾斜面の角度θが大きくなる。
前記図7に示す流体塗布システムでは、流体供給手段として、モーターの回転数に応じて単位時間当たりの吐出量が変化するポンプを用いる。そのポンプとして、回転容積式のポンプを採用でき、回転容積式のポンプは、例えば、一軸偏心ねじポンプやギヤポンプ、ロータリーポンプが該当する。
本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、流体供給手段が、上述の回転容積式のポンプに限定されない。例えば、ソレノイドの励磁作用により変位する可動子を備えるソレノイド式ポンプを採用することもできる。このソレノイド式ポンプは、駆動手段となるソレノイドの動作周期に応じて吐出量が変化する。また、供給される気体の圧力によって流体を供給する流体供給手段を採用することもでき、この場合、駆動手段によって供給される気体の圧力の増減に応じ、流体供給手段の吐出量が変化する。
本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、流体供給手段が、駆動手段の回転数に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する回転容積式のポンプであるのが好ましい。回転容積式のポンプであれば、駆動手段の回転数に応じて高精度で吐出量を変化させることができる。このため、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差をより容易に解消できる。
本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、回転容積式のポンプが、一軸偏心ねじポンプであるのが好ましい。
図14は、回転容積式のポンプとして好適な一軸偏心ねじポンプの構成例を模式的に示す断面図である。同図に示す一軸偏心ねじポンプ40は、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータ42と、内周面が雌ねじ型に形成されたステータ43とを備える。このようなロータ42およびステータ43は、ケーシング41の内部に収容されている。そのケーシング41は、金属製の筒状部材であり、長手方向一端側に第一開口部41aが設けられている。この第一開口部41aは、一軸偏心ねじポンプ40の吐出口として機能し、その吐出口には、流体をワークに吐出するノズルが装着される。
また、ケーシング41の外周部分には、第二開口部41bが設けられている。第二開口部41bは、ケーシング41の長手方向の中間部においてケーシング41の内部空間に連通している。このような第二開口部41bは、一軸偏心ねじポンプ40の吸込口として機能し、前述の流体汲み上げ装置と配管を介して接続する。
ステータ43は、ゴム等の弾性体または樹脂等からなる。ステータ43の内孔43aは、n条で単段あるいは多段の雌ネジ形状である。これに対し、ロータ42は、金属製の軸体であり、n−1条で単段あるいは多段の雌ネジ形状である。
同図に示す一軸偏心ねじポンプ40は、ステータ43が、2条で多段の雌ねじ形状であり、そのステータ43の内孔の断面は、長手方向のいずれの位置でも、略長円形となる。一方、ロータ42は、1条で偏心した雄ねじ形状であり、そのロータ42の断面は、長手方向のいずれの位置でも、略真円形となる。ロータ42は、ステータ43に形成された内孔43aに挿通され、内孔43aの内部において自由に偏心回転可能とされている。
ロータ42を偏心回転可能とするため、ロータ42は第一自在継手44を介してロッド45と連結され、そのロッド45は第二自在継手46を介してドライブシャフト47と連結されている。ドライブシャフト47は、詳細な説明は省略するが、ケーシング41との隙間をシールした状態でケーシング41に回転可能に保持されている。このようなドライブシャフト47は、モーター22の主軸22aと連結されている。このため、モーター22の動作によって主軸22aが回転するのに伴い、ドライブシャフト47が回転し、自在継手やロッドを介して連結されているロータ42が偏心回転する。
ロータ42をステータ43の内孔43a内において回転させると、ロータ42およびステータの内孔43aにより仕切られた空間が、ステータ43内を回転しながらステータ43の長手方向に進む。このため、ロータ42を回転させると、ステータ43の一端側から流体を吸い込むとともに、吸い込んだ流体をステータ43の他端側に向けて移送して吐出させることが可能である。同図に示す一軸偏心ねじポンプ40は、ロータ42を正方向に回転させることにより、第二開口部41bから吸い込んだ流体を圧送し、第一開口部41aから吐出することが可能である。
このような一軸偏心ねじポンプは、その駆動手段(モーター)の回転制御を行うことにより、吐出量を自在に精度良く変化させることができる。このため、流体供給手段が一軸偏心ねじポンプであれば、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差をより容易に解消できる。また、一軸偏心ねじポンプは、駆動手段(モーター)の回転制御パターンが同じであれば、同じ吐出量のパターンが再現される。これによっても、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差をより容易に解消できる。
また、一軸偏心ねじポンプを用いれば、再現性が高いことから、吐出終了時に流体の吸込を行った際には毎回同一量の液がノズル内に引き込まれた状態にできる。このため、ノズル内に残留した流体の先端位置を一定にでき、吐出開始時の応答時間が均一となり、応答性に優れる。したがって、塗布開始過程で始点位置にバラツキが発生することがないので、塗布流体の始点位置を検出し、塗布の終点位置を調整する必要がない。その結果、始点を撮像するカメラや、その画像を解析する解析装置が不要となり、装置構成の煩雑化および設備コストの増大を防止できる。
本発明の流体塗布システムは、塗布装置とワークとを相対的に移動させる移動手段が、前記図7に示すような塗布装置20を移動させる多関節ロボット30に限定されない。移動手段は、例えば、塗布装置をZ軸方向に送り移動させるZ軸方向搬送装置と、そのZ軸方向搬送装置をY軸方向に送り移動させるY軸方向搬送装置と、そのY軸方向搬送装置をX軸方向に送り移動させるX軸方向搬送装置とで構成できる。
また、移動手段は、ワークをZ軸回りに回転可能に保持するチャックと、塗布装置をZ軸方向に送り移動させるZ軸方向搬送装置と、そのZ軸方向搬送装置をX軸方向に送り移動させるX軸方向搬送装置とで構成できる。
前記図7に示す流体塗布システムの構成例では、一つの制御手段11によって塗布装置20とともに移動手段30を制御するが、本発明の流体塗布システムは、本構成例に限定されない。例えば、複数の制御手段によって構成でき、より具体的には、塗布装置を制御する第1制御手段と、移動手段を制御する第2制御手段とで構成できる。
本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、上述の通り、閉ループ状の塗布において、繋ぎ目部の塗布量と定常部の塗布量との差を解消できるとともに、繋ぎ目部のエアの巻き込みを低減できる。このような本発明の流体塗布システムおよび流体塗布方法は、自動車や電子部材、太陽電池等の製造工程で部品に接着剤やシール剤、絶縁剤、放熱剤、焼付き防止剤等の流体を塗布する場合に有効に利用できる。
10:流体塗布システム、 11:制御手段、 20:塗布装置、
21:ポンプ(流体供給手段)、 22:モーター(駆動手段)、
22a:モーターの主軸、 23:ノズル、 24:流体汲み上げ装置、
25:配管、 26:容器、 30:移動手段(多関節ロボット)、
40:一軸偏心ねじポンプ(流体供給手段)、 41:ケーシング、
41a:第一開口部、 41b:第二開口部、 42:ロータ、 43:ステータ、
43a:内孔、 44:第一自在継手、 45:ロッド、 46:第二自在継手、
47:ドライブシャフト、 51:矩形状のワーク、 52:塗布流体、
52a:定常部、 52b:繋ぎ目部、 52c:始点の塗布流体、
52d:終点の塗布流体、 52e:始点の塗布流体の接続部、
52f:終点の塗布流体の接続部、 53:エアの巻き込み、 54:円柱状のワーク

Claims (8)

  1. ワークに流体を吐出する塗布装置と、その塗布装置と前記ワークとを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布装置および前記移動手段を制御する制御手段とを備える流体塗布システムであって、
    前記塗布装置が、駆動手段と、その駆動手段の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段とを備え、
    前記制御手段が、閉ループ状の塗布において、塗布開始過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次減少させる制御手段である、流体塗布システム。
  2. 請求項1に記載の流体塗布システムであって、
    前記制御手段が、塗布開始過程で前記塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で前記塗布量を漸次減少させることにより、前記ワークに塗布された流体において、繋ぎ目部の単位長さ当たりの塗布量を定常部の単位長さ当たりの塗布量と同等にする、流体塗布システム。
  3. 請求項1または2に記載の流体塗布システムであって、
    前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記駆動手段の出力を調整して前記吐出量を変動させることによって前記塗布量を漸次増加させるとともに、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記駆動手段の出力を調整して前記吐出量を変動させることによって前記塗布量を漸次減少させる、流体塗布システム。
  4. 請求項1または2に記載の流体塗布システムであって、
    前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記移動手段を制御して前記塗布装置と前記ワークとの相対的な移動速度を変動させることによって前記塗布量を漸次増加させるとともに、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記移動手段を制御して前記移動速度を変動させることによって前記塗布量を漸次減少させる、流体塗布システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の流体塗布システムであって、
    前記制御手段が、前記塗布量を漸次増加させる際に、前記塗布量を略線形状に増加させ、前記塗布量を漸次減少させる際に、前記塗布量を略線形状に減少させる、流体塗布システム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の流体塗布システムであって、
    前記流体供給手段が、前記駆動手段の回転数に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する回転容積式のポンプである、流体塗布システム。
  7. 請求項6に記載の流体塗布システムであって、
    前記回転容積式のポンプが、一軸偏心ねじポンプである、流体塗布システム。
  8. ワークに流体を吐出する塗布装置と、その塗布装置と前記ワークとを相対的に移動させる移動手段とを備える流体塗布システムを用い、流体を前記ワークに閉ループ状に塗布する方法であって、
    前記塗布装置が、駆動手段と、その駆動手段の出力に応じて単位時間当たりの吐出量が変化する流体供給手段とを備え、
    塗布開始過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次増加させるとともに、塗布終了過程で単位長さ当たりの塗布量を漸次減少させる、流体塗布方法。
JP2014012582A 2014-01-27 2014-01-27 流体塗布システムおよび流体塗布方法 Active JP6326598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014012582A JP6326598B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 流体塗布システムおよび流体塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014012582A JP6326598B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 流体塗布システムおよび流体塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015139725A true JP2015139725A (ja) 2015-08-03
JP6326598B2 JP6326598B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=53770479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014012582A Active JP6326598B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 流体塗布システムおよび流体塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6326598B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164935A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日産自動車株式会社 成膜方法
WO2020202305A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日産自動車株式会社 成膜方法
CN112547439A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 深圳市腾盛精密装备股份有限公司 一种多通道点胶装置和多通道点胶方法
US11371618B2 (en) 2019-03-29 2022-06-28 Nidec Corporation Liquid agent application method, liquid agent application machine, and liquid gasket

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62269771A (ja) * 1986-05-15 1987-11-24 Heishin Sobi Kk 定量塗布装置
JPH10511072A (ja) * 1994-09-22 1998-10-27 レンハルト マシーネンバウ ケゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ガラスパネルの上にプラスチックスペーサーを施す方法と装置
WO2006118088A1 (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Shibaura Mechatronics Corporation ペースト塗布装置及びペースト塗布方法
JP2007319822A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Three Bond Co Ltd 材料塗布装置及び材料塗布方法
JP2010284568A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Shibaura Mechatronics Corp ペースト塗布装置及びペースト塗布方法
JP2011020093A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Shibaura Mechatronics Corp ペースト塗布方法及びペースト塗布装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62269771A (ja) * 1986-05-15 1987-11-24 Heishin Sobi Kk 定量塗布装置
JPH10511072A (ja) * 1994-09-22 1998-10-27 レンハルト マシーネンバウ ケゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ガラスパネルの上にプラスチックスペーサーを施す方法と装置
WO2006118088A1 (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Shibaura Mechatronics Corporation ペースト塗布装置及びペースト塗布方法
JP2007319822A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Three Bond Co Ltd 材料塗布装置及び材料塗布方法
JP2010284568A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Shibaura Mechatronics Corp ペースト塗布装置及びペースト塗布方法
JP2011020093A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Shibaura Mechatronics Corp ペースト塗布方法及びペースト塗布装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7255291B2 (ja) 2019-03-29 2023-04-11 日産自動車株式会社 成膜方法
WO2020202305A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日産自動車株式会社 成膜方法
JPWO2020202305A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08
CN113631756A (zh) * 2019-03-29 2021-11-09 日产自动车株式会社 成膜方法
EP3951009A4 (en) * 2019-03-29 2022-03-23 NISSAN MOTOR Co., Ltd. FILM FORMING PROCESS
US11371618B2 (en) 2019-03-29 2022-06-28 Nidec Corporation Liquid agent application method, liquid agent application machine, and liquid gasket
JP7136338B2 (ja) 2019-03-29 2022-09-13 日産自動車株式会社 成膜方法
CN113631756B (zh) * 2019-03-29 2023-03-14 日产自动车株式会社 成膜方法
JP2020164935A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日産自動車株式会社 成膜方法
US11773979B2 (en) 2019-03-29 2023-10-03 Nidec Corporation Liquid agent application method, liquid agent application machine, and liquid gasket
US11827985B2 (en) 2019-03-29 2023-11-28 Nissan Motor Co., Ltd. Film formation method
CN112547439A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 深圳市腾盛精密装备股份有限公司 一种多通道点胶装置和多通道点胶方法
CN112547439B (zh) * 2019-09-25 2024-03-22 深圳市腾盛精密装备股份有限公司 一种多通道点胶装置和多通道点胶方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6326598B2 (ja) 2018-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5786193B2 (ja) 吐出幅可変装置、及び塗布装置
JP6326598B2 (ja) 流体塗布システムおよび流体塗布方法
JP6304617B2 (ja) 流体塗布システムおよび流体塗布方法
US10914345B2 (en) Grease sealing method and sealing device for ball bearing and ball bearing produced using said sealing method
JP5270909B2 (ja) シリンダポンプ装置
US10119608B2 (en) Grease application method, application device, and methods for manufacturing worm-type reducer, electric power steering device, automobile and variety of industrial machines
JP6353252B2 (ja) 塗布装置
JP5251233B2 (ja) 筒体の塗装方法
WO2019004340A1 (ja) シーリング材吐出装置およびシーリング材吐出装置本体
JP5892351B2 (ja) 吐出幅可変装置、及び塗布装置
JP6057419B2 (ja) 高粘度流体塗布装置
CN103228919B (zh) 涡旋式流体机械的被膜形成方法及装置
JP5704883B2 (ja) 産業用ロボットの速度位置解析システム及び産業用ロボットの速度位置検出装置
KR20120063206A (ko) 수지도포장치
JP2015199035A (ja) 塗布装置
JP2020171873A (ja) 調圧ユニット
JP2020026783A (ja) ローラ回転速度制御装置
JP2013071067A (ja) 高粘度流体塗布装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6326598

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250