JP2015139661A - 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法 - Google Patents

衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015139661A
JP2015139661A JP2014015746A JP2014015746A JP2015139661A JP 2015139661 A JP2015139661 A JP 2015139661A JP 2014015746 A JP2014015746 A JP 2014015746A JP 2014015746 A JP2014015746 A JP 2014015746A JP 2015139661 A JP2015139661 A JP 2015139661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
sanitary thin
test
inspection
quality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014015746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6127995B2 (ja
Inventor
智次 三好
Tomoji Miyoshi
智次 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2014015746A priority Critical patent/JP6127995B2/ja
Publication of JP2015139661A publication Critical patent/JP2015139661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6127995B2 publication Critical patent/JP6127995B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sanitary Thin Papers (AREA)

Abstract

【課題】衛生薄葉紙の紙質の検査方法と製造の最終段階において紙質検査方法を組み込んだ衛生薄葉紙の製造方法を提供する。
【解決手段】まず,平状の基板11の表面に平行に延びる複数条の凸部12が設けられた試験板10を用意する。また,検査対象となる衛生薄葉紙20に水分を含有させた検査紙21を用意する。その後,検査紙21を試験板10に押し付けて,複数条の凸部12と直交する方向に移動させる。そして,検査紙21から繊維束22が離脱して試験板10上に残ることが確認できた時点における,その検査紙21の移動距離を測定する。これにより,検査紙21から繊維束22が離脱し始める距離が,基準距離未満であったときには「紙質不良」と判断し,基準距離以上であったときには「紙質良好」と判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は,衛生薄葉紙の紙質を検査する方法に関する。また,本発明は,この紙質検査方法を工程の一部に組み込んだ衛生薄葉紙の製造方法に関する。
従来から,例えばティッシュペーパやトイレットペーパなどの衛生薄葉紙が知られている。衛生薄葉紙は,一般的に,広葉樹パルプや,針葉樹パルプ,古紙パルプなどを適宜配合したり,これらの原料パルプに柔軟剤や,湿潤剤,紙力増強剤を添加したりすることで,所望の紙質を得ることができるとされている(例えば特許文献1,2)。また,衛生薄葉紙の紙質を調整するために,原料パルプを抄紙した後に,保湿剤などを添加して手触りを滑らかにする方法も知られている(例えば特許文献3)。
特開2006−132051号公報 特開2009−219562号公報 特開2013−094238号公報
ところで,ティッシュペーパやトイレットペーパなどの衛生薄葉紙は,濡れた状態にある物を拭いたり,先に水分を含ませておいて乾いた状態にある物を拭いたりする際に,使用されることが多い。特に,通常の衛生薄葉紙は,濡れた状態にある人肌を拭く用途として頻繁に使用されている。
ただし,紙質が不良である衛生薄葉紙は,水分を含んだ状態で人肌や物品の表面に擦り付けられたときに,撚れた繊維束が離脱し易くなっており,その繊維束が人肌や物品の表面にくっついて残存する恐れがある。このような紙質の不良は,衛生薄葉紙の製造段階では発見しづらいものであるため,消費者によって使用されて始めて発見されるという場合もある。紙質不良な衛生薄葉紙を消費者に提供してしまうと,クレームの対象となり,販売した衛生薄葉紙を回収しなければならなくなる事態も想定される。
しかしながら,従来の衛生薄葉紙の製造方法では,衛生薄葉紙の紙質の不良を見抜くための技術や方法が検討されていない。そこで,本発明は,衛生薄葉紙の製造の一工程において,撚れた繊維束が離脱するような紙質の不良を適切に検査することのできる検査方法を提供することを解決課題とする。
本発明の発明者は,上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果,複数条の凸部が形成された試験板を用意し,水分を含んだ衛生薄葉紙(検査紙)をこの試験板に押し当てて移動させ,撚れた繊維束が発生し始める移動距離を測定することとした。これにより,通常の使用方法で繊維束が発生し易くなった紙質不良の衛生薄葉紙を発見することができ,紙質が良好な衛生薄葉紙のみを消費者に対して提供できるようになるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
本発明の第1の側面は,衛生薄葉紙の紙質を検査する方法に関する。
この紙質検査方法では,まず,平状の基板11の表面に平行に延びる複数条の凸部12が設けられた試験板10を用意する。併せて,検査対象となる衛生薄葉紙20に水分を含有させた検査紙21を用意する。その後,検査紙21を試験板10に押し付けて,複数条の凸部12と直交する方向に移動させる。そして,検査紙21から繊維束22が離脱して試験板10上に残ることが確認できた時点において,その検査紙21の移動距離を測定する。
これにより,例えば,所定の移動距離を基準として,検査紙21から繊維束22が離脱し始める距離が,基準距離未満であったときには「紙質不良」と判断し,基準距離以上であったときには「紙質良好」と判断できる。例えば,検査紙21は,試験板10を往復移動させて,繊維束22が離脱するまでの往復移動の回数を測定することとしてもよい。また,試験板10は,特に人肌の凹凸を想定して,この人肌と同じ様な凹凸が形成されている。さらに,検査紙21は,消費者が実際に使用する場合を想定して,敢えて濡れた状態とされている。このため,より衛生薄葉紙の実際の使用状態に近い条件で,検査紙21の紙質を評価することができる。
本発明の検査方法において,複数条の凸部12は,それぞれ,その幅が10mm以上50mmであり,厚みが0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。
上記のように,試験板10に設けられる凸部12は,幅が10〜50mmで,厚みが0.5〜5mmであり,幅広で薄く形成されている。例えば,凸部12は,基板11の表面にビニールテープなどを貼合することによっても形成できる。このように,本発明では,試験板10に薄く広い凸部12を形成することで,試験板10の状態を人肌に近い条件に設定している。これにより,より適切な検査結果を得ることができる。
本発明の検査方法において,複数条の凸部12の表面は,基板11の表面と比較して,検査紙21との静摩擦係数が大きいことが好ましい。
上記のように,凸部12の表面の静摩擦係数を大きくすることで,検査紙21を試験板10上に擦り付けたときに,検査紙21が摩擦係数の大きい分部分(凸部12の表面)と摩擦係数の小さい部分(基板11の表面)とに交互に接触する。これにより,この検査紙21から比較的早期に繊維束22が発生し始めるようになるため,効率的に紙質の検査を完了させることができる。
本発明の第2の側面は,衛生薄葉紙の製造方法に関する。
本発明の製造方法は,衛生薄葉紙20の紙質を検査する工程を含む。紙質検査工程では,まず,平状の基板11の表面に平行に延びる複数条の凸部12が設けられた試験板10を用意する。併せて,検査対象となる衛生薄葉紙20に水分を含有させた検査紙21を用意する。その後,検査紙21を試験板10に押し付けて,複数条の凸部12と直交する方向に移動させる。また,検査紙21から繊維束22が離脱して試験板10上に残ることが確認できた時点において,その検査紙21の移動距離を測定する。そして,繊維束22の離脱を確認した時点における検査紙21の移動が所定値以上である場合に,衛生薄葉紙20の紙質が所望の条件を満たしていると判断する。
上記のように,衛生薄葉紙の製造方法の最終段階に紙質検査工程を組み込むことで,衛生薄葉紙の実際の使用状態に近い条件で,検査紙21の紙質を評価することができる。これにより,紙質が不良である衛生薄葉紙を消費者に提供してしまう可能性を低減することができる。
本発明の製造方法は,さらに,複数枚の衛生薄葉紙20を順次連続して引き出せるように折り畳んで包装箱30に詰める工程を含むことが好ましい。また,本発明の製造方法は,包装箱30に詰められた複数の衛生薄葉紙20の紙粉発生量を検査する工程を含むことが好ましい。
ここで,粉発生量を検査する工程では,まず,包装箱30から一定時間内に一定枚数の衛生薄葉紙20を連続して引き出す。その後,包装箱30の周囲に残った紙粉を集めて紙粉量を測定する。そして,集めた紙粉量が所定値以下である場合に,衛生薄葉紙20の紙粉発生量が所望の条件を満たしていると判断する。
上記のように,繊維束の発生に関する紙質の検査に加えて,衛生薄葉紙の紙粉発生量を検査することで,より好適な性能を持つ衛生薄葉紙を,消費者に対して提供することができる。特に,紙粉発生量の検査では,ティッシュペーパの実際の使用条件を想定し,包装箱(ティッシュボックス)からティッシュペーパを取り出す際に発生する紙粉量を測定することとしている。このため,より実際の使用状態に近い条件で,ティッシュペーパの紙粉発生量を評価することができる。
本発明によれば,衛生薄葉紙の製造の最終段階において,撚れた繊維束が離脱するような紙質の不良を適切に検査することができる。従って,紙質が良好な衛生薄葉紙のみを消費者に対して提供できるようになり,消費者からのクレームの低減,及び消費者の満足度向上を図ることができる。
図1は,紙質の検査手法を説明するための模式図である。 図2は,紙粉発生量の検査手法を説明するための模式図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
本発明は,衛生薄葉紙の最終工程において,その衛生薄葉紙の紙質や紙粉発生量を測定する方法に関するものである。衛生薄葉紙には,ティッシュペーパや,トイレットペーパ,キッチンペーパなどが含まれる。衛生薄葉紙は,その紙質を測定する工程や紙粉発生量を測定する工程を除き,その他の工程については適宜公知の技術を採用して製造することができる。
例えば,衛生薄葉紙を製造するためには,まず,その原紙を製造する。原紙は,針葉樹チップや広葉樹チップなどの木材チップを蒸解した化学パルプ,及び古紙から得られる古紙パルプを含む原料パルプを抄紙することで製造できる。原紙を製造するための原料パルプの配合(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ,古紙パルプの含有率)は,衛生薄葉紙の種類と用途に併せて適宜調節することができる。また,原紙の製造にあたり,原料パルプに柔軟剤や,湿潤剤,紙力増強剤等の薬剤を添加することもできる。また,原料パルプを抄紙する工程では,繊維を解砕して紙層を形成し,紙層を乾燥させて水分を除去し,水分が除去された原紙をリールで巻き取って原反ロールを形成する。原反ロールに巻き付いている原紙を一端繰り出し,他の原反ロールから繰り出される原紙と重ね合わせて,複数層に重ね合わせて,再度ロール状に巻き直すことも可能である。このように一又は複数層に重ねられた原紙は,それぞれティッシュペーパやトイレットペーパなどの用途に併せて加工される。
原紙をティッシュペーパへと加工する際には,原反ロールを断裁して複数のロールを形成し,それぞれのロールを製品の組数分に並べる。例えば,一つの包装箱(ティッシュボックス)に200組のティッシュペーパを格納したものを製品とする場合には,ロールは200個並べられる。組数分に並べた複数のロールから原紙を引き出しながら折り重ねて,原紙の束を形成する。原紙の束はそれぞれ製品長さに切断される。これにより,原紙の束から,ティッシュペーパの束が形成される。ティッシュペーパの束は,それぞれ包装箱(ティッシュボックス)へと箱詰めされて出荷される。
また,原紙をトイレットペーパへと加工する際には,原反ロールから原紙を繰り出し,円筒状の巻芯に巻きつける。巻芯に巻き付けられた原紙が製品長さに達した段階で,原紙を原反ロールから切り離す。これによりログが形成される。このログを製品幅に切断して,トイレットロールを形成する。トイレットロールは,複数個を1セットとして袋詰められて出荷される。
以上の工程は,衛生薄葉紙を製造するための基本的な工程であるが,その他にも原紙に保湿剤を塗布したり,印刷を施したりするなど,適宜公知の技術を適用することが可能である。
本発明は,上記した公知の方法に従って得られた衛生薄葉紙について,その紙質を検査する工程を含む。図1は,衛生薄葉紙20の紙質検査工程の概要を示した模式図である。図1(a)は,紙質検査開始前の状態を示している。図1(b)は,紙質検査で用いられる試験板の側面を示している。図1(c)は,紙質検査終了後の状態を示している。
図1(a)に示されるように,紙質検査工程では,まず,紙質の検査に用いられる試験板10と,紙質の検査対象である検査紙21と,を用意する。
試験板10は,平状の基板11の表面に,複数条の凸部12が設けられた構造となっている。基板11としては,表面が滑面で形成されたプラスチック板や金属板を用いることができる。また,図1に示されるように,複数条の凸部12は,それぞれ平行して並べられており,すべて同じ方向に延びている。各凸部12の間隔は,すべて等しいことが好ましい。また,図1(b)に示されるように,各凸部12は,一定の幅(W)と一定の厚み(T)を有している。凸部12の幅Wは,10〜50mmであることが好ましく,15〜30mmであることが特に好ましい。また,凸部12の厚みTは,0.5〜5mmであることが好ましく,1mm〜3mmであることが特に好ましい。このように,凸部12は,薄く平べったい形状となっている。各凸部12は,例えば,基板11の表面に,市販のビニールテープを貼ることによって形成することもできる。凸部12の本数は,3〜30本であることが好ましく,5〜15本であることが特に好ましい。
また,凸部12の表面は,基板11の表面と比較して,検査紙21の表面との静摩擦係数が大きくなっていることが好ましい。例えば,凸部12表面の静摩擦係数は,0.20〜0.90であることが好ましく,0.40〜0.60であることが特に好ましい。他方,基板11の表面の静摩擦係数は,凸部12の表面未満であればよい。例えば,凸部12は,ゴムやシリコーンなどの可撓性材料で形成されていることが好ましい。具体的には,可撓性材料としては,ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂,又はエラストマーや,合成ゴム,天然ゴム等のゴム材料を採用することが好ましい。凸部をこのような材料で形成することで,凸部の静摩擦係数を人肌の条件に近づけることができる。
なお,静摩擦係数は,JIS P 8147(1998)に準拠して測定すればよい。
具体的には,静摩擦係数は,以下の方法で測定することができる。
(1)凸部を構成する材料を50mm四方で形成して試験片とし傾斜板に貼り付ける。
(2)検査紙を50mm四方で切り取って試験紙とし,200gの接触子に巻き付ける。また,検査紙の試験片が巻き付けられた接触子を,傾斜板に貼り付けられている凸部の試験片の上に載せる。このとき,凸部の試験片に加わる圧力を0.48kPaとする。
(3)傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け,接触子が滑り落ちる角度を測定する。
(4)上記角度の測定を5回行い,その平均角度を算出する。求められた平均角度のタンジェント値を,静摩擦係数とする。
他方,検査紙21は,検査対象となる衛生薄葉紙20に水分を含ませた状態のものである。検査紙21を得るためには,衛生薄葉紙20の全体を軽く湿潤させればよい。例えば,検査紙21の重量を100%としたときに,50〜300%の重量の水分を,検査紙21に含浸させればよい。検査紙21としては,衛生薄葉紙20に水分を含浸させて,多少丸めたものを用いることが好ましい。
検査紙21は,試験板10に押し付けられた状態で,凸部12の延伸方向と直交する方向に移動される。検査紙21は,試験板10上を往復移動させるものであることが好ましい。また,検査紙21を試験板10に押し付けるときの圧力は,人が自身の肌を衛生薄葉紙で拭く場合の圧力に近い値であることが好ましい。例えば,検査紙21を試験板10に押し付けるときの圧力は,0.3kg〜3kg/cmの範囲内であることが好ましく,0.8kg〜2kg/cmの範囲内であることが特に好ましい。また,検査紙21が試験板10上を往復移動するときの速度は,人が自身の肌を衛生薄葉紙で拭く場合の速度に近い値であることが好ましい。例えば,検査紙21の移動速度は,20〜100cm/秒であることが好ましく,40〜160cm/秒であることが好ましい。
検査紙21を試験板10に押し付けて移動させる作業は,機械によって自動的に行うこととしてもよいし,人手によって手動で行うこととしてもよい。検査紙21の移動を人手によって行うときには,圧力や移動速度等の条件がなるべく同じになるように留意する。
図1(c)に示されるように,検査紙21を試験板10に押し付けて往復移動させる作業を繰り返し行なっていると,次第に,検査紙21から撚れた繊維束22が離脱し始める。このとき,最初に検査紙21から繊維束22の離脱が確認できたときの検査紙21の移動距離を記録する。繊維束22が離脱するまでの移動距離が,所望の値以上である場合,その検査紙21は検査を合格する。他方,繊維束22が離脱するまでの移動距離が,所望の値未満である場合,その検査紙21は検査に不合格となる。移動距離の合格基準は,製造者が衛生薄葉紙に求める紙質に応じて,適宜任意の値に定めることができる。
また,検査紙21の合格基準を,移動距離に代えて,往復移動回数とすることもできる。なお,合格基準が往復移動回数として設定されている場合であっても,実質的には,移動距離を合格基準としているに等しいといえる。例えば,試験板10の長さ(凸部12の延伸方向と直交する方向の長さ)が短い場合には,往復移動回数を基準として,検査紙21の合否を決定する方が検査を行いやすいともいえる。
上記のように,試験板10を利用して,衛生薄葉紙20の検査紙21の紙質を評価することで,衛生薄葉紙20製造販売の基準に達しているか否かを適切に判断することができる。そして,衛生薄葉紙の製造方法においては,上記の紙質検査試験を合格した衛生薄葉紙と同条件で製造した衛生薄葉紙のみを,最終製品とすればよい。他方,上記の紙質検査試験に不合格であった衛生薄葉紙と同条件で製造した衛生薄葉紙については,最終製品せずに廃棄,改良,又はリサイクルすることとすればよい。
次に,本発明は,公知の方法に従って得られた衛生薄葉紙について,その紙粉発生量を検査する工程を含む。特に,紙粉発生量の検査工程は,包装箱(ティッシュボックス)に詰めて販売されるティッシュペーパの製造方法に好適に適用することができる。図2は,衛生薄葉紙20の紙粉発生量を検査する工程の概要を示した模式図である。
図2に示されるように,衛生薄葉紙20は,包装箱30の中に,複数枚積層して箱詰めされている。複数の衛生薄葉紙20は,包装箱30のから一枚取り出すと,次の一枚が包装箱30から出てくるように,包装箱30の中で折り畳まれている。複数の衛生薄葉紙20の折りたたみ方は公知である。また,包装箱30としては,例えば図1に示されるように,天面部分に取出口31が形成され,この取出口31にスリットの形成されたフィルム32が貼り付けられた公知の構造のものを用いればよい。
衛生薄葉紙20の紙粉発生量を検査するためには,図2に示されるように,まず,台紙40の上に,検査対象の衛生薄葉紙20が収納された包装箱30を載置する。このとき,包装箱30は取出口31を横向きに設置することが好ましい。また,包装箱30は,倒れないように手で抑えるか,台紙40の上に固定することが好ましい。また,図2に示されるように,検査対象の包装箱30の位置を高くするために,同じ包装箱30を2つ重ねて,上方の包装箱30を検査対象とすることもできる。
台紙40は,衛生薄葉紙20から発生した紙粉を集めるために,包装箱30の下に敷かれる部材である。台紙40は,紙粉を見やすくするために暗色系の色のものを用いることが好ましい。台紙40としては,例えば,厚紙やプラスチックシートを用いることができる。
また,衛生薄葉紙20から発生した紙粉を集めやすくするために,台紙40としては,静電気を帯電可能な帯電シートを用いることとしてもよい。帯電シートの例は,静電気を帯びやすいプラスチックシートである。また,帯電シートとしては,電圧を印加することにより紙粉を吸着する静電気を発生させる金属シートを用いることもできる。例えば,包装箱30から衛生薄葉紙20を取り出す作業を開始するときに,金属シートに電圧を印加して静電気を発生させ,包装箱30から衛生薄葉紙20を取り出し終えた後に電圧のインカを解除して静電気の発生を止めれば,衛生薄葉紙20から発生した紙粉を回収しやすくなる。
また,紙粉発生量を検査にあたり,メトロノーム50を用意することとしてもよい。メトロノーム50は市販のものを利用することができる。
上記の準備が整ったら,衛生薄葉紙20の紙粉発生量の検査を開始する。紙粉発生量の検査では,まず,包装箱30から一定時間内に一定枚数の衛生薄葉紙20を連続して引き出す作業を行う。例えば,一定時間とは,20〜90秒であることが好ましく,30〜60秒であることが特に好ましい。また,一定枚数とは,30〜200枚であることが好ましく,60〜120枚であることが特に好ましい。例えば,包装箱30の中に200枚の衛生薄葉紙20が折り畳まれて収納されている場合には,60秒の間に120枚の衛生薄葉紙20を引き出すようにすればよい。このように,衛生薄葉紙20を引き出す枚数と時間を一定にすることで,概ね同じペース且つ同じ速度で,包装箱30から衛生薄葉紙20を取り出し続けることができる。このような衛生薄葉紙20を引き出す作業は,機械によって自動的に行うこととしてもよいし,人手によって手動で行うこととしてもよい。
また,例えば,人手によって衛生薄葉紙20を引き出す場合,メトロノーム50を利用することが好ましい。メトロノーム50を用いることで,人手であっても概ね同じペース且つ同じ速度で衛生薄葉紙20を引き出し続けることが容易になる。例えば,メトロノーム50は,60秒の間に120回のペースで音を鳴らすように設定すればよい。
上記のようにして,包装箱30から一定時間内に一定枚数の衛生薄葉紙20を引き出し終えた後,台紙40の上に残っている紙粉を集めて,その紙粉量を測定する。紙粉量の測定は,台紙40に残った紙粉の重量を計測するとしてもよいし,台紙40上に残った紙粉の数を数えることとしてもよい。紙粉の重量や数の測定には,公知の装置を用いることができる。
そして,上記のようにして測定された紙粉量が,所定値以下である場合には,衛生薄葉紙20の紙粉発生量が所望の条件(合格基準)を満たしていると判断することができる。他方,紙粉量が,所定値を超えるものである場合,衛生薄葉紙20の紙粉発生量が所望の条件(合格基準)を満たしていないものと判断する。例えば,紙粉発生量の合格基準は,紙粉の重量を基準とした場合に,1〜30g,5〜25g,又は15g〜20gとすることができる。ただし,紙粉発生量の合格基準は,製造者が衛生薄葉紙に求める性質に応じて,適宜任意の値に定めることができる。
上記のようにして,衛生薄葉紙20の紙粉発生量を評価することで,衛生薄葉紙20製造販売の基準に達しているか否かを適切に判断することができる。そして,衛生薄葉紙の製造方法においては,上記の紙粉発生量試験を合格した衛生薄葉紙と同条件で製造した衛生薄葉紙のみを,最終製品とすればよい。他方,上記の紙粉発生量試験を不合格であった衛生薄葉紙と同条件で製造した衛生薄葉紙については,最終製品とはせずに廃棄,改良,又はリサイクルすることとすればよい。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,衛生薄葉紙の製造過程において行われる紙質検査の方法などに関する。従って,本発明は衛生薄葉紙の製造業において好適に利用しうる。
10…試験板 11…基板 12…凸部
20…衛生薄葉紙 21…検査紙 22…繊維束
30…包装箱 31…取出口 32…フィルム
40…台紙 50…メトロノーム

Claims (5)

  1. 衛生薄葉紙の紙質を検査する方法であって,
    平状の基板(11)の表面に平行に延びる複数条の凸部(12)が設けられた試験板(10)を用意し,
    検査対象となる衛生薄葉紙(20)に水分を含有させた検査紙(21)を用意し,
    前記検査紙(21)を前記試験板(10)に押し付けて,前記複数条の凸部(12)と直交する方向に移動させ,
    前記検査紙(21)から繊維束(22)が離脱して前記試験板(10)上に残ることが確認できた時点における,前記検査紙(21)の移動距離を測定する,
    紙質検査方法。
  2. 前記複数条の凸部(12)は,
    その幅が10mm以上50mmであり,
    厚みが0.5mm以上5mm以下である
    請求項1に記載の紙質検査方法。
  3. 前記複数条の凸部(12)の表面は,前記基板(11)の表面と比較して,前記検査紙(21)との静摩擦係数が大きい
    請求項1又は請求項2に記載の紙質検査方法。
  4. 衛生薄葉紙の製造方法であって,
    前記衛生薄葉紙(20)の紙質を検査する工程を含み,
    前記紙質を検査する工程は,
    平状の基板(11)の表面に平行に延びる複数条の凸部(12)が設けられた試験板(10)を用意し,
    前記衛生薄葉紙(20)に水分を含有させた検査紙(21)を用意し,
    前記検査紙(21)を前記試験板(10)に押し付けて,前記複数条の凸部(12)と直交する方向に移動させ,
    前記検査紙(21)から繊維束(22)が離脱して前記試験板(10)上に残ることが確認できた時点における,前記検査紙(21)の移動距離を測定し,
    前記繊維束(22)の離脱を確認した時点における前記検査紙(21)の移動距離が所定値以上である場合に,前記衛生薄葉紙(20)の紙質が所望の条件を満たしていると判断する,
    衛生薄葉紙の製造方法。
  5. 複数枚の衛生薄葉紙(20)を順次連続して引き出せるように折り畳んで包装箱(30)に詰める工程と,
    前記包装箱(30)に詰められた前記複数の衛生薄葉紙(20)の紙粉発生量を検査する工程と,をさらに含み,
    前記紙粉発生量を検査する工程は,
    前記包装箱(30)から一定時間内に一定枚数の前記衛生薄葉紙(20)を連続して引き出し,
    その後,前記包装箱(30)の周囲に残った紙粉を集めて紙粉量を測定し,
    前記紙粉量が所定値以下である場合に,前記衛生薄葉紙(20)の紙粉発生量が所望の条件を満たしていると判断する,
    請求項4に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
JP2014015746A 2014-01-30 2014-01-30 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法 Active JP6127995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014015746A JP6127995B2 (ja) 2014-01-30 2014-01-30 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014015746A JP6127995B2 (ja) 2014-01-30 2014-01-30 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015139661A true JP2015139661A (ja) 2015-08-03
JP6127995B2 JP6127995B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=53770432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014015746A Active JP6127995B2 (ja) 2014-01-30 2014-01-30 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6127995B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06322696A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Nippon Paper Ind Co Ltd 家庭用紙及びその製造方法
JPH06323975A (ja) * 1993-05-12 1994-11-25 Bando Chem Ind Ltd 摩耗試験機及び摩耗試験方法
JP2012010958A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Daio Paper Corp ティシュペーパー製品の製造方法
JP2012141320A (ja) * 2012-03-28 2012-07-26 Nippon Paper Crecia Co Ltd 洗浄機能付きトイレ用トイレットペーパー

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06323975A (ja) * 1993-05-12 1994-11-25 Bando Chem Ind Ltd 摩耗試験機及び摩耗試験方法
JPH06322696A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Nippon Paper Ind Co Ltd 家庭用紙及びその製造方法
JP2012010958A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Daio Paper Corp ティシュペーパー製品の製造方法
JP2012141320A (ja) * 2012-03-28 2012-07-26 Nippon Paper Crecia Co Ltd 洗浄機能付きトイレ用トイレットペーパー

Also Published As

Publication number Publication date
JP6127995B2 (ja) 2017-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104837390B (zh) 柔软的热风穿透干燥的纸巾
RU2677807C1 (ru) Пачка, содержащая стопку абсорбирующего бумажного материала салфеток и упаковку
RU2670170C1 (ru) Способ и устройство для образования пачки, содержащей стопку абсорбирующего бумажного материала салфеток и упаковку
US8455077B2 (en) Fibrous structures comprising a region of auxiliary bonding and methods for making same
JP2013202206A (ja) ペーパータオルの積層体及びその製造方法
KR20210083294A (ko) 엠보싱된 여러 겹 티슈 제품
KR20210071077A (ko) 엠보싱된 여러 겹 티슈 제품
TW201841581A (zh) 面紙及面紙製品的製造方法
JP6127995B2 (ja) 衛生薄葉紙の紙質検査方法及び製造方法
JP6008503B2 (ja) 衛生薄葉紙の積層体の製造方法、及びカートンの製造方法
RU2678176C1 (ru) Пачка, содержащая стопку абсорбирующего бумажного материала салфеток и упаковку
JP2013188291A (ja) ティシュペーパー
JP2004089492A (ja) ティシュペーパーおよびティシュペーパーを収納した製品
JPWO2015022738A1 (ja) ティシュペーパー原紙及びティシュペーパー
JP4786615B2 (ja) 産業用ワイプ
JP7493328B2 (ja) トイレットロール
JP7078370B2 (ja) 家庭紙ロール用紙管
US20180230654A1 (en) Paper towel
US20210354950A1 (en) Durable transfer roll core and method of making and using the same
JP2022131655A (ja) ハンドタオル積層体
JP2023028890A (ja) 紙製ハンドタオル
Roisum Web bagginess: Making, measurement and mitigation thereof
JP2020137710A (ja) 紙製ハンドタオル
JP2019193712A (ja) ティシュ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6127995

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250