JP2013188291A - ティシュペーパー - Google Patents

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昌幸 尾関
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Abstract

【課題】鼻かみ用途又は化粧落とし用途に適合し、適切な強度と吸水性を有し、ふんわり感、しなやかさを兼ね備えたティシュペーパーを提供する。
【解決手段】片面又は両面にエモリエント剤が塗布されたティシュペーパーであって、エモリエント剤の塗布量が、両面で7〜25質量%であって、シート1枚当たりの坪量が9.0〜20g/m2であり、シート1枚当たりの厚さが40〜70μmであり、1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の乾燥引張り強度が0.8〜1.8N/25mm、1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の湿潤引張り強度が0.3〜0.8N/25mmであり、以下により測定される静摩擦係数が、鼻かみ用途で0.50以上〜0.60未満、化粧落とし用途で0.60以上〜0.65未満であるティシュペーパーである。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に薬液を塗布してなるティシュペーパーに関する。
ティシュペーパーは様々な用途に用いられているが、顔周りの拭取りを目的としたものとして、鼻かみ、化粧落とし、口拭き用途がある。そして、これらの用途では、例えば花粉症、鼻炎、インフルエンザの流行などで何度も鼻をかんだり、化粧の仕上げや化粧落しで皮膚についた化粧や汚れを拭く際、ティシュペーパーが肌に触れて肌を痛めるおそれがある。
そこで、このように肌に触れる用途のティシュペーパーに要求される品質として、官能的には「やわらかさ、しっとり感、滑らかさ、ふんわり感など」が挙げられ、物性的には「強度、吸収性など」が挙げられる。そして、これらの要求を満たして使用時の肌荒れ等を防止するため、従来から例えば、繊維粗度の低い木材パルプや非木材パルプを配合することによりきめ細かなシワ付け処理(ファインクレープ)を行い、柔らかさと平滑感を同時に得る方法がある。又、原料パルプに柔軟剤を内添して抄紙、クレープ加工することにより、コシが無く(しなやか)、ボリューム感を得る方法がある。
さらに、保湿剤などの薬液を塗布したティシュペーパーが開発されている(特許文献1、2)。
特許第4637295号公報 特開2011-152408号公報
しかしながら、上記特許文献1、2記載の技術は、薬剤の塗布によって、しっとり感(湿潤感)や柔らかさや平滑感を改善するものではあるが、具体的な製品の使用状況を想定しておらず、特定の用途に向けた品質を満たすには十分とはいえない。又、文献2に開示されている静摩擦係数の測定法は測定時の圧力が1.5〜2.5KPaと高く、柔らかい嵩高のウェッブについてはウェッブに埋もれて正確な摩擦が測定できない。従って、ティシュペーパーのボリューム感や柔らかさを正確に規定することが難しく、これらの特性を備えたティシュペーパーを安定して得ることができないという問題がある。
本発明は、鼻かみ用途又は化粧落とし用途に適合し、適切な強度と吸水性を有し、ふんわり感、しなやかさを兼ね備えたティシュペーパーの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のティシュペーパーは、シートを2枚又は3枚重ねた組からなり、片面又は両面にエモリエント剤が塗布されたティシュペーパーであって、該エモリエント剤の塗布量が、両面で7〜25質量%であって、前記シート1枚当たりの坪量が9.0〜20g/m2であり、前記シート1枚当たりの厚さが40〜70μmであり、前記1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の乾燥引張り強度が0.8〜1.8N/25mm、前記1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の湿潤引張り強度が0.3〜0.8N/25mmであり、以下により測定される静摩擦係数が、鼻かみ用途で0.50以上〜0.60未満、化粧落とし用途で0.60以上〜0.65未満である。
(i)前記1組のティシュペーパーを、前記エモリエント剤が塗布された面を上にして傾斜板に張り付ける。
(ii)(i)とは別の前記1組のティシュペーパーを、1組のまま前記エモリエント剤が塗布された面が外側になるように200gの接触子に巻きつけ、前記傾斜板上の(i)のティシュペーパー上に乗せる(このときの圧力を0.48kPaとする)。
(iii)前記傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け、前記接触子が滑り落ちる角度を測定する。
(iv)前記角度の測定を、(i)及び(ii)の前記ティシュペーパーのMD方向同士、及びCD方向同士で各4回ずつ計8回行い、その平均角度を算出し、該平均角度のタンジェント値を静摩擦係数とする。
相対湿度40〜85%にて調湿したときの含水率が、前記エモリエント剤が塗布されていないティシュペーパーの1.2〜2.2倍であることが好ましい。
前記エモリエント剤は、グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、ソルビタン、及びペンタエリスリットの群から選ばれる1以上の保湿剤と、オルガノポリシロキサン及び/又は炭素数C12〜C18の直鎖脂肪族炭化水素を有する界面活性剤からなる平滑剤と、を含み、前記エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時、前記保湿剤が95質量%以上であることが好ましい。
前記エモリエント剤はさらに、第4級アンモニウム塩、アミン塩、又はアミンの群から選ばれる1以上のデボンダーを含むことが好ましい。
この発明によれば、鼻かみ用途又は化粧落とし用途に適合し、適切な強度と吸水性を有し、ふんわり感、しなやかさを兼ね備えティシュペーパーが得られる。
静摩擦係数を測定するための摩擦計の概略斜視図である。 摩擦計の接触子の縦断面図である。
以下に本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るティシュペーパーは、シートを2枚又は3枚重ねた組(2プライ又は3プライ構造)からなり、片面又は両面にエモリエント剤が塗布されてなり、鼻かみ用途又は化粧落とし用途に適合する。
ここで、鼻かみ用途と化粧落とし用途は、いずれも顔周りの手入れ用であって、官能面では、ふんわり感としなやかさが要求され、物性面では、強度と吸収性能が要求される点は同様である。一方、鼻かみ用途ではティシュペーパーの平滑性が望まれるが、化粧落とし用途ではむしろ平滑であることは好まれない。
そこで、本発明は、ティシュペーパー表面の滑らかさ(平滑性)をコントロールすることで、鼻かみ用途又は化粧落とし用途に適合する性能が得られる。
<ティシュペーパーの原料>
ティシュペーパーの原料パルプとしては、木材由来のパルプとして、NBKP、LBKPが挙げられ;古紙パルプとして、ミルクカートンセカンダリーファイバー(MSF)、デインキングパルプ(DIP)等が挙げられる。又、アバカ、サイザル麻、わらパルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの非木材パルプが含まれていてもよい。
特に、ハンドフィールを重視する場合は、繊維粗度が比較的低いパルプを用いることが好ましい。
<エモリエント剤>
エモリエント剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、ソルビタン、及びペンタエリスリット等の多価アルコールの群から選ばれる1以上の保湿剤と;オルガノポリシロキサン及び/又は炭素数C12〜C18の直鎖脂肪族炭化水素を有する界面活性剤からなる平滑剤とを含むものが好適に用いられる。エモリエント剤はさらに、ふんわり感としなやかさを付与するための第4級アンモニウム塩、アミン塩、又はアミンの群から選ばれる1以上のデボンダー(柔軟剤)を副成分として含んでもよい。
オルガノポリシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテルシリコーンオイル等の水溶性オルガノポリシロキサンが望ましい。炭素数C12〜C18の直鎖脂肪族炭化水素を有する界面活性剤としては、ペンタエリスリット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
エモリエント剤が保湿剤を含むことで、保湿効果を発揮してティシュペーパーの使用による肌荒れ等を防止する。又、平滑剤によりティシュペーパーに滑らかさ(平滑性)を付与し、皮膚に対する摩擦刺激を緩和する。デボンダー(柔軟剤)はティシュペーパーにボリューム感(ふんわり感)を付与する。
上記したように、鼻かみ用途と化粧落とし用途では要求される平滑性が異なるが、エモリエント剤の成分のうち、平滑剤の割合を変化させることで、両用途にそれぞれ適した平滑性を得ることができる。
鼻かみ用途のティッシュペーパーの場合、エモリエント剤の成分のうち平滑剤の割合を、化粧落とし用途のエモリエント剤における平滑剤の割合よりも高くすることで、平滑性をさらに向上させることができる。
具体的には、鼻かみ用途のティッシュペーパーの場合、エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時、平滑剤が0.5〜5.0質量%であることが好ましい。一方、化粧落とし用途のティッシュペーパーの場合、エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時、平滑剤が0.1〜1.0質量%であることが好ましい。
又、平滑剤のうち、シリコーン系のアミノ変性オルガノポリシロキサンは、コストは高いが脂肪族系界面活性剤に比べて比較的少ない量で平滑効果があることが知られており、両者を混合して用いてもよい。エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時の平滑剤の配合量は、オルガノポリシロキサンに比べて脂肪族系界面活性剤の方が多くなり、例えば鼻かみ用途のティッシュペーパーの場合、オルガノポリシロキサン単独の場合は2質量%程度で十分であるが、脂肪族系界面活性剤の場合は5質量%程度が必要になる。平滑剤は、親水性成分であるが、平滑効果を付与する油性基(炭化水素基)を有しており、パルプ繊維に比べて親水性が低い。このため、エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時の平滑剤の配合量は、5質量%以下であることが好ましい。
なお、鼻かみ用途のティッシュペーパーの場合、例えば、メントール、ミント、ラベンダー、ローズマリー等のハーブ系の香り;バラ科の香り;柑橘系の香り;ヒノキチオール等の木材系の香り等の各種香料を、エモリエント剤に含ませることができる。
エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時、保湿剤が95質量%以上であることが吸水性への影響の観点から好ましい。
<エモリエント剤の塗布量>
ティシュペーパー表面へのエモリエント剤の塗布量は、ティシュペーパーの両面当り7〜25質量%であり、好ましくは12〜18質量%である。
エモリエント剤の塗布量がティシュペーパーの両面当り7%未満の場合、エモリエント剤がティッシュペーパーのウェッブ繊維に取り込まれ、エモリエント剤による効果を発揮することが困難になる。一方、エモリエント剤の塗布量がティシュペーパーの両面当り25%を超えると、ティッシュペーパーの強度や吸水性が著しく低下する。
エモリエント剤の塗布量は、ティッシュペーパーの両面でほぼ同等とすることが好ましい。但し、ティシュペーパーウェッブへのエモリエント剤の塗布時のウェッブ片面への塗布量が、他の面への塗布量の0.7〜1.5倍にバラついても、ウェッブの巻取り保管中、製品化の工程、又は製品化後に経時でほぼ両面の塗布量は均等になる。
エモリエント剤の塗布方法は、抄紙した原紙ウェッブに対して、公知のスプレー方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式などにより行うことができる。
<ティシュペーパーの坪量>
ティシュペーパーのシート1枚当りの坪量(エモリエント剤塗布後)は9.0〜20g/m2であり、好ましくは12〜16g/m2である。シート1枚当りの坪量が9.0g/m2未満の場合、シートの剛性が低くなり、しなやかさは増すものの、十分な強度を確保することが難しくなる。シート1枚当りの坪量が20g/m2を超えるとシートの剛性が高くなり、しなやかさが得られない。なお、坪量は、JIS P 8124(1998)の坪量測定方法によって測定する。
<ティシュペーパーの紙厚>
ティシュペーパーのシート1枚当たりの厚さ(エモリエント剤塗布後)は40〜70μmであり、好ましくは45〜60μmである。シート1枚当りの紙厚が40μm未満の場合、しなやかさが向上するものの、剛性が低く、ボリューム感が乏しくなり、吸水時の保水能力も低くなる。シート1枚当りの紙厚が70μmを超えると、剛性が高くなり、ゴワツキ感が生じる。
紙厚測定は、JIS P 8111(1998)の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度でシックネスゲージ(例えば、尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、プランジャーの測定荷重3.71kPa、直径30mmで、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上に下ろし、ダイヤルゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーの底面がティシュペーパーの平面に対し垂直に当たるようにする。なお、1回の測定は試料を5組(例えば、2プライであれば、合計10枚のシート)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均する。
<ティシュペーパーの引張り強度>
エモリエント剤塗布後のティシュペーパーの1組(シートを2枚又は3枚重ねた状態)のCD方向の乾燥引張り強度(DCDT(Dry Cross Direction Tensile strength))が0.8〜1.8N/25mm、前記1組のCD方向の湿潤引張り強度(WCDT(Wet Cross Direction Tensile strength))が0.3〜0.8N/25mmである。引張り強度の測定は、JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて行う。
上記した各引張り強度が上記下限より小さい場合、剛性が低く、ボリューム感が乏しくなり、吸水時の保水能力も低くなる。上記した各引張り強度が上記上限より大きい場合、剛性が高くなり、ゴワツキ感が生じる。
なお、ティシュペーパーの1組のMD方向の乾燥引張り強度(DMDT(Dry Machine Direction Tensile strength))は1.8〜5.2N/25mmが好ましく、より好ましくは2.0〜4.5N/25mmである。ティシュペーパーの1組のMD方向の湿潤引張り強度(WMDT(Wet Machine Direction Tensile strength))が0.7〜2.4N/25mmが好ましく、より好ましくは0.8〜1.8N/25mmである。
<静摩擦係数>
上記したように、鼻かみ用途と化粧落とし用途では要求される平滑性が異なるため、本発明においてはふんわり感、しなやかさを維持しながら、平滑性をコントロールすべく、平滑性を静摩擦係数で定量的に規定した。すなわち、以下により測定される静摩擦係数が、鼻かみ用途で0.50以上〜0.60未満、化粧落とし用途で0.60以上〜0.65未満である。
鼻かみ用のティッシュペーパーの場合、静摩擦係数が0.50未満であると、肌触りは良いが、つるつるしすぎて拭取り性が良くない。一方、静摩擦係数が0.6以上であると、すべすべ感が不足する。
化粧落とし用のティッシュペーパーの場合、静摩擦係数が0.6未満であると、すべすべ感が強過ぎて拭取り性が劣り、静摩擦係数が0.65以上であると、すべり抵抗が大きすぎて、ティッシュペーパーのシートが剥けることがある。
静摩擦係数は、JIS P 8147(1998)に準じ、下記の方法で測定する。又、測定環境は、JIS P 8111(1998)の条件下(23±1℃、50±2%相対湿度)で行う。
(i)1組のティシュペーパーを、エモリエント剤が塗布された面を上にして傾斜板に張り付ける。
(ii)(i)とは別の1組のティシュペーパーを、1組のままエモリエント剤が塗布された面が外側になるように200gの接触子に巻きつけ、傾斜板上の(i)のティシュペーパー上に乗せる(このときの圧力を0.48kPaとする)。
(iii)傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け、接触子が滑り落ちる角度を測定する。
(iv)角度の測定を、(i)及び(ii)のティシュペーパーのMD方向同士、及びCD方向同士で各4回ずつ計8回行い、その平均角度を算出し、該平均角度のタンジェント値を静摩擦係数とする。
なお、測定時の圧力は、JIS P8147では1.64±0.24KPaとされているが、ティシュペーパーの場合、嵩高で柔らかいことから接触子の圧力が高すぎるとウェッブに埋もれ、ウェッブ表面の滑らかさを正確に計測できない。本発明では次に示す条件で測定し、表面の滑らかさを評価した。
図1は、上記静摩擦係数を具体的に測定するための摩擦計50(協和界面科学社製の製品名「ポータブル摩擦計」)の概略斜視図である。図2は、接触子10の縦断面図である。
図1において、摩擦計50は、傾斜板20、試料固定具21、止めネジ22、センサー23、及び接触子10を有する。又、図2において、接触子10は、下部板12、固定ネジ13、上部固定板14、及びセンサー23に接触する感知ピン11を有する。感知ピン11は、上部固定板14の一方の長辺の中央部から上側に突出する。
まず、120mm×90mmにカットした1組(2又は3プライ)のティシュペーパー30を、エモリエント剤が塗布された面を上(外側)にして、しわ等が生じないようにしつつ、ティシュペーパー30の長手方向が傾斜板20の長手方向に沿うように、試料固定具21に止めネジ22にて固定する。又、ティシュペーパー30の固定されていない箇所はテープ等で傾斜板20に張り付ける。
次に、図2に示すように、95mm×90mmにカットした別の1組のティシュペーパー31を、底面が65mm×63mmの下部板12の底面側に、しわ等が生じないようにしつつ、ティシュペーパー31の長手方向が下部板12の長手方向に沿うように巻きつける。このとき、ティシュペーパー31のエモリエント剤が塗布された面が下側(外側)になるようにし、下部板12からはみ出したティシュペーパー31の縁部を上側に折り返して下部板12の上面側に巻く。そして、下部板12の上面側に巻かれたティシュペーパー31の縁部を、固定ネジ13を介して上部固定板14で挟みつつ固定し、傾斜板上20のティシュペーパー30の上に乗せる。このとき、接触子10全体の重量が200gとなり、その圧力は、0.48KPaであり、各ティシュペーパー30、31のエモリエント剤が塗布された面同士が接することになる。
そして、図1の矢印の方向に、傾斜板20を水平状態から6度/秒で傾け、接触子10が滑り落ちる角度のタンジェント値を測定する。接触子10が滑り落ちるタイミングはセンサー23にて感知して、そのときのタンジェント値は自動計算して表示される。なお、センサー23は、感知ピン11を挟むようにして、試料固定具21の長手方向に沿って1対設けられ、試料固定具21の長手方向が上部固定板14の一方の長辺に対向している。そして、傾斜板20の斜面は試料固定具21の長手方向に垂直であるので、接触子10が滑り落ち始めると、1対のセンサー23の間から感知ピン11が下方に逃げる。従って、例えば1対のセンサー23間で赤外線を照射させることで、接触子10(=感知ピン11)が滑り落ち始めるタイミングを検知できる。
測定は、各ティシュペーパー30、31のMD方向が斜面方向に沿うように貼り付け、接触子10に巻き付けたシートがMD方向に滑り落ちるように5回以上測定する。同様に、各ティシュペーパー30、31のCD方向が斜面方向に沿うように貼り付け、接触子10に巻き付けたシートがCD方向に滑り落ちるように5回以上測定する。このようにして計10回以上実施し、それらの平均を算出し、角度θのタンジェント値(tanθ)を静摩擦係数とする。
<含水率>
ティシュペーパーを相対湿度40〜85%にて調湿したときの含水率が、エモリエント剤が塗布されていないティシュペーパー(ブランク)の1.2〜2.2倍であることが好ましく、より好ましくは1.3〜2.0倍である。
上記値が1.2倍未満の場合、ティシュペーパーの触感で十分なしっとり感が得られず、2.2倍を超えると、逆にしっとり感が強すぎ、べたつき感が生じ、静摩擦係数が高くなり過ぎることがある。
含水率の測定法は、以下のように行う。まず、調湿剤と湿度計を入れたデシケータを20±1℃の恒温器内に放置し、目標湿度になるまで放置する。次に、目標湿度に達したデシケータにサンプルを入れ、一晩以上放置する。その後、デシケータからサンプルを取り出し、重量を秤量する。その後、サンプルを105℃で2時間乾燥させ、シリカゲルを入れたデシケータに入れて室温に戻したあと重量を秤量する。重量差から含水率を算出する。調湿剤としては、相対湿度84%:塩化バリウム高濃度水溶液、相対湿度71%:塩化ナトリウム飽和水溶液、相対湿度60%:臭化ナトリウム飽和水溶液、相対湿度40%:炭酸カリウム飽和水溶液、相対湿度20%:酢酸カリウム結晶を使用する。
<吸水性>
ティシュペーパーの吸水性は、20秒以下であることが好ましい。なお、吸水性(秒)は、JIS S3104に準じて、1組(2枚重ね又は3枚重ね)の状態で測定する。
本発明のティシュペーパーは、各組を積層して交互に会合するように折込んで、積層体とし、さらに紙箱や包装して最終製品(カートン)とすることができる。この折り込み形態は、いわゆるポップアップ式に順次各組のシートを1枚ずつ取り出せる形態であれば特に限定されず、例えば、公知のV折り、Z折り等とすることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
表1に示すパルプ組成(質量%)、坪量のティッシュペーパーシートを抄造し、表1のプライ数にプライ重ねした1組のティッシュペーパーを得た。このティッシュペーパーの両面に、保湿剤(グリセリン)、平滑剤(アミノ変性シリコーン:ポリグリセリンジステアリルエステル=2:1(質量比))、及び必要に応じて柔軟剤(塩化ジステアリルジメチルアンモニウムエモリエント剤)を配合し、さらに溶媒を所定量加えたエモリエント剤を塗布した。エモリエント剤の溶媒成分を除く有効成分に換算した時の、保湿剤、平滑剤及び柔軟剤の含有割合(質量%)を表1に示す。アミノ変性シリコーンはpolon MF−29(信越シリコーン社製の商品名)、ポリグリセリンジステアリルエステルは、SYグリスター(坂本薬品工業社製の商品名)を使用した。
エモリエント剤を塗布したティッシュペーパーにつき、以下の特性を測定した。
シート1枚当たりの坪量:JIS P 8124(1998)の坪量測定方法によって、1組(2又は3プライ)のティッシュペーパーにつき測定し、シート1枚当たりの値に換算した。
シート1枚当たりの厚さ:上記のとおり、JIS P 8111の条件下でシックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて1組のティッシュペーパーにつき測定し、シート1枚当たりの値に換算した。測定条件も上記のとおりである。
引張強度:1組のティッシュペーパーのDMDT、DCDT、WMDT、WCDTを、上記のとおりJIS P8113に基づいて測定した。
静摩擦係数:上記のとおり、摩擦計(協和界面科学社製の製品名「ポータブル摩擦計」)を用い、図1、図2に従って測定した。
なお、坪量、引張強度、紙厚、静摩擦係数の測定は、JIS−P8111に規定する温湿度条件下で行った。
エモリエント剤を塗布したティッシュペーパーにつき、以下の官能評価を行った。官能評価は、モニター10人により、実際に使用したハンドフィールの官能評価(ふんわり感、しなやかさ、滑らかさ、しっとり感)と、拭取り性評価(鼻かみの適性、化粧落としの適性)を行った。
評価基準は、汎用ティシュペーパーである比較例6(日本製紙クレシア社製の製品名「クリネックスティシュー180組」)の評価を、上記すべての項目について基準3とし、下記の相対評価を行った。そして、各モニターの評価から平均値を算出した。
5:非常に優れている
4:優れている
3:基準と同等
2:劣る
1:非常に劣る
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、静摩擦係数が、鼻かみ用途で0.50以上〜0.60未満、化粧落とし用途で0.60以上〜0.65未満である各実施例の場合、それぞれ鼻かみ時の使用感、化粧落とし時の使用感が、同じ用途の比較例1〜4に比べて優れた。又、各実施例の場合、やわらかさ、しっとり感、滑らかさについても、比較例1〜4に比べて平均的に優れた。
一方、エモリエント剤の塗布量が7質量%未満である比較例1,3の場合、エモリエント剤の塗布効果が少なく、それぞれ鼻かみ用途及び化粧落とし用途に要求される静摩擦係数の下限値より低い値であった。
エモリエント剤の塗布量が25質量%を超えた比較例2,4の場合、滑らかさに劣ってべたつき感が生じ、それぞれ鼻かみ用途及び化粧落とし用途に要求される静摩擦係数の上限値を超えた。又、比較例2,4の場合、CD方向の乾燥及び湿潤引張り強度(DCDT及びWCDT)がそれぞれ鼻かみ用途及び化粧落とし用途に要求される値より低く、強度が劣った。
なお、比較例6は、エモリエント剤を塗布しなかったことを除き、ティシュペーパー原紙の構成は、実施例1と同一である。
この場合において、それぞれ相対湿度40、60、70、85%における含水率(質量%)を測定した結果を表2に示す。含水率の測定法は上記のとおりである。
実施例1の含水率が、比較例6のそれの1.3〜2.0倍であり、吸水性に優れることがわかる。
10 接触子
20 傾斜板
30 1組のティシュペーパー(傾斜板側)
31 1組のティシュペーパー(接触子側)
50 摩擦計

Claims (4)

  1. シートを2枚又は3枚重ねた組からなり、片面又は両面にエモリエント剤が塗布されたティシュペーパーであって、
    該エモリエント剤の塗布量が、両面で7〜25質量%であって、前記シート1枚当たりの坪量が9.0〜20g/m2であり、前記シート1枚当たりの厚さが40〜70μmであり、前記1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の乾燥引張り強度が0.8〜1.8N/25mm、前記1組のティシュペーパーのJIS P 8113に基づくCD方向の湿潤引張り強度が0.3〜0.8N/25mmであり、
    以下により測定される静摩擦係数が、鼻かみ用途で0.50以上〜0.60未満、化粧落とし用途で0.60以上〜0.65未満であるティシュペーパー。
    (i)前記1組のティシュペーパーを、前記エモリエント剤が塗布された面を上にして傾斜板に張り付ける。
    (ii)(i)とは別の前記1組のティシュペーパーを、1組のまま前記エモリエント剤が塗布された面が外側になるように200gの接触子に巻きつけ、前記傾斜板上の(i)のティシュペーパー上に乗せる(このときの圧力を0.48kPaとする)。
    (iii)前記傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け、前記接触子が滑り落ちる角度を測定する。
    (iv)前記角度の測定を、(i)及び(ii)の前記ティシュペーパーのMD方向同士、及びCD方向同士で各4回ずつ計8回行い、その平均角度を算出し、該平均角度のタンジェント値を静摩擦係数とする。
  2. 相対湿度40〜85%にて調湿したときの含水率が、前記エモリエント剤が塗布されていないティシュペーパーの1.2〜2.2倍である請求項1に記載のティシュペーパー。
  3. 前記エモリエント剤は、
    グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、ソルビタン、及びペンタエリスリットの群から選ばれる1以上の保湿剤と、
    オルガノポリシロキサン及び/又は炭素数C12〜C18の直鎖脂肪族炭化水素を有する界面活性剤からなる平滑剤と、を含み、
    前記エモリエント剤の水分又は溶媒成分を除く有効成分に換算した時、前記保湿剤が95質量%以上である請求項1又は2記載のティッシュペーパー。
  4. 前記エモリエント剤はさらに、第4級アンモニウム塩、アミン塩、又はアミンの群から選ばれる1以上のデボンダーを含む請求項3記載のティッシュペーパー。
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