JP2020075747A - 衛生用品 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛生用品におけるシートの取出性および収容性を両立する。【解決手段】衛生用品1は、ポップアップ方式で取り出される紙製のシート10の折り重ねられたシート群が箱20に収容される。この衛生用品1は、シート10の枚数が150[枚]以上であって200[枚]以下であり、箱20の内側における高さ寸法である内寸Iが45[mm]以上であって100[mm]以下であり、シート群の高さ寸法である外寸Oが45[mm]以上であって100[mm]以下であり、内寸Iに対する外寸Oの寸法比が1.0以上であって1.2未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、シート群が箱に収容された衛生用品に関する。
従来、箱入りのティシュペーパのように、シートの折り重ねられたシート群が箱に収容され、その箱の取出口からポップアップ方式でシートが取り出される衛生用品が知られている。
この衛生用品において、多数のシートが箱に収容された場合には、シート群が過度に圧縮された状態となることで、箱からシートを取り出しにくくなるおそれがあり、取り出されるシートの破損を招くおそれもある。
このような取出性の低下を抑えるために、少数のシートしか箱に収容されていない場合には、シート群の圧縮は抑えられるものの、シートの枚数を確保することができずに収容性の低下を招くおそれがある。
そこで、シートの取出性と収容性との両立を図る技術が提案されている。たとえば、箱の高さ寸法とこの箱に収容されるティシュペーパの組数とを所定の関係に特定する技術が検討されている(特許文献1参照)。
特許第6043116号公報
しかしながら、上述したように所定の関係を満たす枚数のシートが折り重ねられたシート群の高さ寸法は、シートの強度や厚みといった種々の要因によって相違しうる。そのため、所定の関係を満たす枚数のシートが箱に収容されたとしても、その箱の内部でシートが過度に圧縮された状態で収容されることにより、シートの取出性低下を招くおそれがある。反対に、シートが圧縮されずに収容されることにより、収容されるシートの枚数が確保されず、シートの収容性低下を招くおそれもある。
よって、シートの取出性および収容性を両立するうえで、改善の余地がある。
開示の衛生用品は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、シートの取出性および収容性を両立することを目的の一つとする。なお、本目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
本願の発明者は、箱の内寸に対するシート群の外寸(自然の状態での外寸)の寸法比を所定の範囲に特定することにより、シートの取出性および収容性が両立されることを見出した。すなわち、以下に示す閾値1〜閾値2の範囲に寸法比を特定することにより、シートの取出性および収容性が両立されるとの知見を得た。
・閾値1:収容性を確保するための下限値
・閾値2:取出性を確保するための上限値
ここで開示する衛生用品の具体的な構成では、ポップアップ方式で取り出される紙製のシートの折り重ねられたシート群が箱に収容される。さらに、前記シートの枚数が150[枚]以上であって200[枚]以下であり、前記箱の内側における高さ寸法である内寸が45[mm]以上であって100[mm]以下であり、前記シート群の高さ寸法である外寸が45[mm]以上であって100[mm]以下であり、前記内寸に対する前記外寸の寸法比が1.0以上であって1.2未満である。
ここで開示するもう一つの衛生用品は、ポップアップ方式で取り出される紙製のシートの折り重ねられたシート群が箱に収容され、前記箱の内面の静摩擦係数が0.15以上であって0.30以下である。
開示の衛生用品によれば、シートの取出性および収容性を両立することができる。
箱入りのティシュペーパ(衛生用品)を模式的に示す斜視図である。 ティシュペーパが折り重ねられた状態を説明する斜視図である。
以下、実施形態としての衛生用品を説明する。
本衛生用品では、シート群が箱に収容されている。このシート群は折り重ねられた複数のシートから構成され、これらのシートが箱の取出口からポップアップ方式で取り出される。
上記の衛生用品としては、箱入りのティシュペーパをはじめ、箱入りのキッチンペーパあるいはトイレットペーパといった紙製のシートが箱に収容された衛生用の物品が挙げられる。下記の一実施形態では、箱入りのティシュペーパ(以下「箱ティシュ」と略称する)を衛生用品の例に挙げる。
[I.一実施形態]
[1.基本的な構成]
はじめに、図1を参照して、箱ティシュ1の基本的な構成を説明する。
箱ティシュ1には、複数のティシュペーパ10が折り重ねられた状態で箱20に収容されている。
箱20は、高さ方向に対面する上壁部2Uおよび下壁部2Dとこれらの壁部2U,2Dを高さ方向に連設する立壁部2Sとが設けられた直方体状をなしている。この箱20には、ティシュペーパ10の取出口Aが上壁部2Uに設けられている。
ティシュペーパ10は、箱20の取出口Aからポップアップ方式で取り出される。言い換えれば、箱20に収容されたティシュペーパ10は、ポップアップ方式で順繰りに取り出されるように複数が折り重ねられている。具体的に言えば、上下に隣接するティシュペーパ10どうしが互いに折り重ねられている。
以下、図2を参照して、複数のティシュペーパ10が折り重ねられた状態を説明する。ここでは、上下に隣接する三つのティシュペーパ10について、下記のティシュペーパ10A,10B,10Cを例に挙げる。
・上ティシュペーパ10A:上側のティシュペーパ10
・中ティシュペーパ10B:真ん中のティシュペーパ10
・下ティシュペーパ10C:下側のティシュペーパ10
ティシュペーパ10A,10B,10Cのそれぞれは、折曲線Lで二つ折りにされている。上下に隣接するティシュペーパ10A,10B,10Cの折曲線Lは、互いに反対側に配置されている。図2では、上ティシュペーパ10Aの折曲線Lおよび下ティシュペーパ10Cの折曲線Lが右下側に配置され、中ティシュペーパ10Bの折曲線Lが左上側に配置された例を示す。
また、ティシュペーパ10A,10B,10Cのそれぞれは、折曲線Lに対して上側の面部(以下「上面部」と称する)11A,11B,11Cと、折曲線Lに対して下側の面部(以下「下面部」と称する)12A,12B,12Cと、に大別される。
さらに、上ティシュペーパ10Aの下面部12Aは、中ティシュペーパ10Bの上面部11Bよりも下側であって、下ティシュペーパ10Cの上面部11Cよりも上側に重ね合わせられている。このように上下に隣接するティシュペーパ10A,10Bの面部11B,12Aどうしが引っ掛かるように重ね合わせられることにより、引き出された上ティシュペーパ10Aの下面部12Aによって中ティシュペーパ10Bの上面部11Bも引き出される。
このティシュペーパ10は、薄膜状の枚葉紙(以下「プライ」と称する)が複数枚重ね合わせられて一組のシートをなす。ここでは、二枚のプライで一組(いわゆる2プライ)のティシュペーパ10を例示する。
このように二枚のプライが重ね合わせられた一組のティシュペーパ10が一枚のシートをなし、図1に示すように、箱20に収容される複数組のティシュペーパ10(すなわち複数枚のシート)がシート群をなしている。
上記のティシュペーパ10は、以下に例示する三つの工程を経て製造される。
・抄紙工程:パルプ繊維の懸濁したスラリーから原紙を抄造する工程
・積層工程:抄造された原紙どうしを重ね合わせる工程
・折畳工程:原紙の重ね合わせられた原紙組を折り畳んで重ね合わせる工程
上記の三工程では原紙や原紙組が搬送され、この搬送方向は「MD方向」(MD:Machine Direction)と称される。また、搬送される原紙や原紙組の延在面においてMD方向と直交する方向は「CD方向」(CD:Cross Direction)と称される。
なお、折畳工程において、マルチスタンド式のインターフォルダ(「多連機」とも称される)で折り畳まれて重ね合わせられたティシュペーパ10は、その取出方向がCD方向に対応する。ただし、ロータリ式インターフォルダで原紙組が折り畳まれて重ね合わせられたティシュペーパ10は、その取出方向がMD方向に対応する。
この箱ティシュ1では、下記の要件A,Bの双方を満たすようにティシュペーパ10が箱20に収容されている。
・要件A:ティシュペーパ10と箱20との間に高さ方向の隙間ができないこと
・要件B:ティシュペーパ10が過度に圧縮されることがないこと
上記の要件A,Bは、下記の「内寸I」および「外寸O」の「寸法比R」を所定の範囲に特定することで満たされる。具体的には、寸法比Rが1.0以上であって1.2未満であれば要件A,Bが満たされる。
・ 内寸I :箱20において上壁部2Uの内面(下面)と下壁部2Dの内面(上面
)とが高さ方向に離間する寸法(箱20の内側における高さ寸法)
・ 外寸O :所定状態のティシュペーパ10における高さ方向の寸法
・寸法比R:内寸に対する外寸の比(R=O/I)
たとえば、二点鎖線の矢印Xで示すように折り重ねられたティシュペーパ10がやや圧縮され、このティシュペーパ10が矢印Yで示すように箱20に収容される。
なお、「外寸O」の説明で述べた「所定状態」とは、ティシュペーパ10が箱20の壁部2U,2Dで圧縮されていない状態(自然の状態)を意味する。
上記の箱ティシュ1は、つぎの実施例で説明するパラメータを具備する。
[2.実施例]
下記の説明では、上述した「箱ティシュ1」を「衛生用品」と称し、「一枚のティシュペーパ10」を「シート」と称する。また、箱20に収容される組数が折り重ねられた状態であって所定状態のティシュペーパ10を「シート群」と称する。このシート群の高さ寸法である外寸Oを単に「外寸」と称し、箱20の内寸Iも単に「内寸」と称する。
ここでは、下記の表1に示す実施例1〜7および比較例1,2の衛生用品について、各パラメータを測定したうえで評価した。なお、表1では無次元量を[−]で示す。
Figure 2020075747
以下、上記の表1に示すパラメータのそれぞれについて小項目[2−1]で述べる。そして、評価について小項目[2−2]で述べる。
[2−1.パラメータ]
以下、表1に示すパラメータのそれぞれについて、順を追って説明する。
――枚数――
枚数は、シート群をなすシートの枚数である。この枚数は、箱20に収容されるティシュペーパ10の組数に対応する。
――寸法――
寸法については、高さ方向の寸法(高さ寸法)について外寸および内寸ならびに寸法比を測定し、厚み方向の寸法(厚み寸法)も測定した。
外寸とは、上述したように所定状態のシート群における高さ方向の寸法である。
ここでいう「所定状態」とは、ISO187に準拠した環境(23±1℃,湿度50±2%)に調湿や調温された状態である。
上記の外寸は、下記の方法で測定した。
・測定装置:金属製直尺(JIS1級)
・測定方法:荷重をかけずにシート群における四隅のそれぞれについて高さ方向の寸
法を測定し、その平均を取った。
内寸とは、上述したように箱における内側の高さ寸法である。
寸法比とは、上述したように内寸に対する外寸の比である。この寸法比は、外寸を内寸で除算して算出(測定)され、箱に収容されたシート群が高さ方向に圧縮される度合いを示す指標となる。
たとえば、寸法比が1.0よりも大きい(すなわち内寸よりも外寸のほうが大きい)場合には、シート群が高さ方向に圧縮された状態で箱に収容される。そのため、寸法比が1.0よりも大きくなるにつれてシート群が高さ方向に圧縮される度合いが大きくなる。
よって、寸法比は、箱へのシートの収容枚数(上述の「収容性」に対応する,以下「コンパクト性」と称する)を確保する観点から、1.0以上であり、1.05以上であることが好ましい。一方、箱からのシートの取り出しやすさ(以下「取出性」と称する)を確保する観点から、1.2未満であり、1.15未満であることが好ましい。
そのほか、厚み寸法は、シートにおける厚み方向の寸法(いわゆる「紙厚」)である。
厚み寸法については、シートがティシュペーパであることが特定される紙厚であることが好ましい。この紙厚は、90[μm]以上であって130[μm]以下であることが好ましく、100[μm]以上であって120[μm]以下であることがより好ましい。
この厚み寸法は、下記の環境,装置,方法で測定した。
・測定環境:ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)
・測定装置:厚さ計(高橋製作所製)
・測定方法:測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときの値を読み取り、1
0サンプルの平均値を算出した。
――重量――
重量とは、シートや箱の重さである。ここでは、箱についての重量(表1では「全体」と表記する)と、シートを構成するプライ一枚についての一平米あたりの重量(表1では「坪量」と表記する)をそれぞれに測定した。
プライの重量については、プライが重ね合わせられたシートがティシュペーパであることが特定される坪量であることが好ましい。このプライ一枚あたりの坪量は、10[g/m2]以上であって20[g/m2]以下であることが好ましく、12[g/m2]以上であって18[g/m2]以下であることがより好ましい。
箱の重量については、重いほど箱が安定することによって、取出性の向上に資する。一方、箱の重量が軽いほど、持ち歩きの負担が抑えやすく移動させやすいといった可搬性に優れる。そこで、箱の重量は、30[g]以上であって80[g]以下であることが好ましく、40[g]以上であって70[g]以下であることがより好ましい。
なお、箱の素材となる原紙としては、古紙パルプなどの各種のパルプを原料とする公知の素材などが挙げられる。
箱に用いる原紙の坪量は、250[g/m2]以上、450[g/m2]以下であることが好ましい。この原紙の厚みは、300[μm]以上、600[μm]以下であることが好ましい。原紙の厚みが300[μm]未満であると、箱の耐久性が低下し、箱にした時に潰れやすくなるおそれがある。原紙の厚みが600[μm]を超えると、箱の耐久性には優れるものの、厚みが増加することで箱を形成する際に折りにくくなるおそれがある。
――物性――
さらに、シートの物性として、引張強度,伸び率,摩擦係数,HF値を測定した。
〈引張強度〉
引張強度とは、引張力が印加されたシートの強さを示す指標である。
ここでは、以下に示すT方向(いわゆる「長さ方向」)およびY方向(いわゆる「幅方向」)の引張強度をそれぞれに測定した。
・T方向:ティシュペーパ10の延在面において取出方向と直交する方向
・Y方向:ティシュペーパ10の取出方向(シートの取り出される方向)
この引張強度は、下記の環境,装置,対象,方法で測定した。
・測定環境:ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)
・測定装置:横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)
・測定対象:シートを幅25mmかつスパン長100mmにカットしたサンプル
・測定方法:引張速度10mm/分の条件で測定して10回の測定の平均を算出
そのほか、T方向の引張強度をY方向の引張強度を除算した引張強度(表1の「T/Y」)を算出(測定)し、T方向の引張強度とY方向の引張強度との幾何平均(表1の「TY幾何平均」)も算出した。
上記の引張強度は、シートが取り出されるときの破損を抑える観点からは大きいほど好ましく、手触り感を確保する観点からは小さいほど好ましい。
特に、Y方向がティシュペーパ10の取出方向に対応することから、Y方向の引張強度が大きいほど取出性が確保される。反対に、Y方向の引張強度が小さいほど、ティシュペーパ10の取出時における手触り感が確保されうる。
具体的は言えば、Y方向の引張強度は、シートの取出時における破損を抑える観点から、0.9[N]以上であることが好ましく、1.2[N]以上であることがより好ましい。一方、シートの手触り感を確保する観点から、1.9[N]以下であることが好ましく、1.7[N]以下であることがより好ましい。
〈伸び率〉
伸び率とは、シートが破断することなく伸張可能な度合いを示す指標である。ここでは、引張強度の測定方向と同様に、T方向およびY方向のそれぞれについて伸び率を測定した。
この伸び率は、下記の式より算出(測定)される。
・式:伸び率(%)=試料の伸び量(mm)×100/スパン長(mm)
上記の伸び率は、引張強度と同様に、下記の環境,装置,対象,方法で測定した。
・測定環境:ISO187に準拠した環境(温度23±1℃、相対湿度50±2%)
・測定装置:横型引張試験機(熊谷理機工業株式会社製)
・測定対象:シートを幅25mmかつスパン長100mmにカットしたサンプル
・測定方法:引張速度10mm/分の条件で測定して10回の測定の平均を算出
〈摩擦係数〉
摩擦係数とは、接触面に対するシートや箱の摩擦力を示す指標である。
ここでは、以下に示す外面および内面のそれぞれが互いに面接触するときの静摩擦係数を測定した。
・外面:シートにおいて外側を向く面(すなわちシートの外面)
・内面:箱において内側を向く面(すなわち箱の内面)
シートの外面どうしの摩擦係数(以下「外面摩擦係数」と称する,外面の摩擦係数)については、小さいほどシートの摩擦が抑えられることから、シートを円滑に取り出す観点からは小さいほど好ましい。一方、外面摩擦係数は、大きいほどシートどうしの摩擦が確保されることから、シートの折り重ねられたシート群の安定性を確保する観点からは大きいほど好ましい。
言い換えれば、シート群の安定性が低下することでシート群の折り重ねられた状態が崩れることによって、取出性が低下しうる。そのため、取出性を確保する観点から、外面摩擦係数が所定の範囲に設定されることが好ましい。具体的に言えば、外面摩擦係数は、1.5以上であって2.5以下であることが好ましく、1.7以上であって2.3以下であることがより好ましい。
箱の内面どうしの摩擦係数(以下「内面摩擦係数」と称する,内面の摩擦係数)については、箱の内面とシートの外面との摩擦係数に相関があると推察されることから、シートを円滑に取り出す観点からは小さいほど好ましい。反対に、内面摩擦係数が大きいほど、箱の内面とシートの外面との摩擦が確保されると推察され、シートの折り重ねられたシート群の安定性を確保して折り重ねられた状態が崩れることが抑えられうる。
そのため、内面摩擦係数は、外面摩擦係数の設定と同様に取出性を確保する観点から、所定の範囲に設定されることが好ましい。具体的に言えば、内面摩擦係数は、0.15以上であって0.30以下であることが好ましく、0.20以上であって0.25以下であることがより好ましい。
外面摩擦係数については、JIS P8147に基づく測定方法を参照し、下記の手順1〜5で測定した。
・手順1:シートで重ね合わせられた一枚のプライの外面(測定面)を上にして土台
に固定させる。
・手順2:手順1とは別のシートで重ね合わせられた一枚のプライを手順1とは別に
用意し、このプライの外面(測定面)を下にして張り付ける。
・手順3:手順2を張り付けた土台に100gの重りを載せる。
・手順4:手順1および手順2の各プライを重ね合わせた状態で一定方向に手順1の
土台を動かし、摩擦力を測定する。
・手順5:測定回数は手順1および手順2の各プライにおいてT方向どうしで手順3
の示す測定を三回実施し、測定された静摩擦のピーク値の平均値を静摩擦
係数とした。
なお、上記の手順3において、JIS P8147に基づく測定方法では800gの重りを用いることも考えられるが、本発明では測定値の再現性を確保するために100gの重りを使用した。
内面摩擦係数は、上述した外面摩擦係数の測定手順において、以下に示す変更1〜3のように記載を置換した手順で測定した。
・変更1:「シート」を「箱」に置換する。
・変更2:「外面」を「内面」に置換する。
・変更3:「100g」を「800g」に置換する。
〈HF値〉
HF値とは、シートにおける外面の滑らかさを示す指標である。このHF値は、数値が高いほど滑らかであることを示す指標となる。
上記のHF値は、下記の環境,装置,対象,方法,手順で測定した。
・測定環境:ISO187に準拠した環境(23±1℃,湿度50±2%)
・測定装置:ティシュソフトネスアナライザ(「TSA」と略称される)
(Emtec Electronic GmbH〈ドイツ〉)
・測定対象:シートを直径約112.8mmの円形に切り取ったサンプル
・測定方法:以下に示す振動周波数および変形変位量から、下記の手順に従ってH
F値を測定した。
〈振動周波数〉
試料台に設置した測定対象のサンプルに対して、ブレード付きロータを1
00[mN]の押し込み圧力で上方から押し込んだ後に、2.0[回/se
c]で回転させたときの振動周波数。
〈変形変位量〉
試料台に設置した測定対象のサンプルに対して、ブレード付きロータを回
転させずに100[mN]と600[mN]の押し込み圧力でそれぞれに上
方から押し込んだときの上下方向に変形する変位量。
・ 手順 :付属の説明書に従いサンプル(emtec ref.2X〈nn.n〉
)で校正し、アルゴリズムをfacial IIに設定する。計算用ソ
フトウェアは、emetec measurement syste
m ver.3.22を使用した。
また、サンプルの外面について十回の測定を実施し、その平均値をHF
値とした。
[2−2.評価]
つづいて、上述した種々のパラメータが測定された箱ティシュについて、評価の手法を述べ、その後に評価結果を対比する。
――手法――
上述した種々のパラメータが測定された箱ティシュについて、下記のように評価した。
モニターに実施例1〜7および比較例1,2の衛生用品を使用してもらい、「取出性」,「コンパクト性」,「非破断性」および「手触り感」について、「特に優れている」と感じたものを4点とし、「優れている」と感じたものを3点とし、「良好」と感じたものを2点とし、「劣る」と感じたものを1点として、四段階に評価してもらった。それぞれ、50人全体の評価点の平均値が1点以上であって1.5点未満であれば「×」とし、1.5点以上であって2.5点未満であれば「△」とし、2.5点以上であって3.5点未満であれば「○」とし、3.5点以上であって4点以下であれば「◎」とした。
なお、評価項目の「非破断性」は、取り出されるときのシートの破断しにくさではなく、取り出された後にシートが使用されたときの破断しにくさである。
――対比――
表1に示されるように、実施例1〜7および比較例1,2は、下記のパラメータ1A〜1Cを前提とする。
・パラメータ1A:150[枚]以上であって200[枚]以下の枚数
・パラメータ1B:45[mm]以上であって100[mm]以下の内寸
・パラメータ1C:45[mm]以上であって100[mm]以下の外寸
〈寸法比〉
そのうえで、寸法比が下記の範囲1に特定された実施例1〜7は、取出性およびコンパクト性の双方で「◎」,「○」または「△」の評価がされた。
・範囲1:1.0以上であって1.2未満
一方、寸法比が下記の範囲1aの比較例1は、コンパクト性で「◎」の評価がされたものの取出性で「×」の評価がされた。また、寸法比が下記の範囲1bの比較例2は、取出性で「◎」の評価がされたもののコンパクト性で「×」の評価がされた。
・範囲1a:1.2以上
・範囲1b:1.0未満
範囲1aに示すように所定の範囲よりも寸法比の大きい比較例1では、シート群が過度に圧縮された状態で箱に収容されることにより、取出性を確保することができないものと推察される。また、範囲1bに示すように所定の範囲よりも寸法比の小さい比較例2では、シート群と箱との間における高さ方向の隙間、すなわち、シート群を圧縮することなくシートの枚数を増量する余地があることにより、コンパクト性を確保することができないものと推察される。
これに対し、範囲1に示すように所定の範囲に寸法比が特定された実施例1〜7では、寸法比が1.0以上であることによってコンパクト性が確保されるとともに、寸法比が1.2未満であることによって取出性が確保されるものと推察される。
〈引張強度〉
さらに、Y方向の引張強度が下記の範囲2に特定された実施例1,5,6は、非破断性で「◎」の評価がされるとともに、手触り感で「◎」の評価がされた。
範囲2:0.9[N]以上であって1.9[N]以下
一方、Y方向の引張強度が下記の範囲2aの実施例3は、非破断性で「○」の評価がされた。また、Y方向の引張強度が下記の範囲2bの実施例2,4,7は手触り感で「○」の評価がされた。
範囲2a:0.9[N]未満
範囲2b:1.9[N]よりも大きい
範囲2aに示すようにY方向の引張強度が所定の範囲よりも小さい実施例3では、使用時に破断しやすくなるため、非破断性の評価が「◎」に届かず「○」の評価に留まったものと推察される。また、範囲2bに示すようにY方向の引張強度が所定の範囲よりも大きい実施例2,4,7では、引張強度と相関のある手触り感の評価が「◎」に届かず「○」の評価に留まったものと推察される。
これに対し、範囲2に示すように所定の範囲にY方向の引張強度が特定された実施例1,5,6では、Y方向の引張強度が0.9[N]以上であることによって非破断性が高められ、1.9[N]以下であることによって手触り感が向上したものと推察される。
[3.その他]
本発明は、上述した形態に限られることなく、この形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、少なくとも内面摩擦係数が0.15以上であって0.30以下であれば、取出性が確保されうる。
あるいは、実施例1〜7のパラメータを寸法比とその他のパラメータとに大別した観点からは、所定の範囲に寸法比が特定された実施例1〜7は、寸法比を除く他のパラメータが上述した範囲にあったとも言える。すなわち、1.0以上であって1.2未満の寸法比を満たすためには、引張強度や摩擦係数などの他のラパメータが上述した範囲にあることが好ましいと言うこともできる。
そのほか、シートの構成は、2プライに限らず、1プライや3プライ以上であってもよい。
1 箱ティシュ(衛生用品)
10 ティシュペーパ
10A 上ティシュペーパ
10B 中ティシュペーパ
10C 下ティシュペーパ
11A,11B,11C 上面部
12A,12B,12C 下面部
20 箱
2U 上壁部
2D 底壁部
2S 立壁部
A 取出口
I 内寸
O 外寸
L 折曲線
R 寸法比
X,Y 矢印

Claims (6)

  1. ポップアップ方式で取り出される紙製のシートの折り重ねられたシート群が箱に収容された衛生用品であって、
    前記シートの枚数が150[枚]以上であって200[枚]以下であり、前記箱の内側における高さ寸法である内寸が45[mm]以上であって100[mm]以下であり、前記シート群の高さ寸法である外寸が45[mm]以上であって100[mm]以下であり、前記内寸に対する前記外寸の寸法比が1.0以上であって1.2未満である
    ことを特徴とする衛生用品。
  2. 前記シートは、取り出される方向の引張強度が0.9[N]以上であって1.9[N]以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の衛生用品。
  3. 前記シートは、外面の静摩擦係数が1.5以上であって2.5以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の衛生用品。
  4. 前記シートは、坪量が10[g/m2]以上であって20[g/m2]以下であり、厚み寸法が90[μm]以上であって130[μm]以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の衛生用品。
  5. 前記箱は、重量が30[g]以上であって80[g]以下である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の衛生用品。
  6. 前記箱は、内面の静摩擦係数が0.15以上であって0.30以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の衛生用品。
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