JP2015138049A - カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法、カラーフィルタ用顔料分散体およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法、カラーフィルタ用顔料分散体およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、 本発明の目的は、0.1mmφ以下の微小メディアを用いた湿式分散機により顔料分散体を得る製造工程において、粒子活性面の露出を抑制し、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで効率的に微細化分散させ、顔料の再凝集を防ぐことで粒度分布をシャープにし、カラーフィルタに要求される高コントラストと粘度安定性とを両立することのできるカラーフィルタ用顔料分散体を提供することを目的とする。
【解決手段】
前記課題は、 顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmの顔料分散体(i)を得る分散工程(A)と、該顔料分散体(i)を、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る分散工程(B)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法、カラーフィルタ用顔料分散体、およびそれを用いて得られるカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となった。そのため液晶表示装置は、テレビやパソコンモニタ用途への展開が進んでいる。
カラー液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの上には、一般に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成工程を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
カラーフィルタに要求される品質項目として、高コントラスト比と粘度安定性が挙げられる。粗大粒子が残存していると、コントラスト比低下、また粒度分布がブロードになり粘度安定性も取れなくなってしまう。上記問題を解決するために、これまで、着色樹脂組成物において用いられる高分子分散剤や顔料誘導体からのアプローチがされてきたが、完全に結晶性異物を抑制する策はなく、未だ、他方面からの改善の余地がある。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染色分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠点がある。よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
一般に、顔料分散法において微細な顔料粒子を樹脂溶液のような顔料担体に分散させ、安定な顔料分散体を得ることは難しく、その中の顔料粒子は、往々にして経時で凝集したり、さらに過分散と呼ばれる、一次粒子が破砕により一次粒子径よりも粒子径が微細化し活性面を露出する現象が起きてしまったりすることもある。顔料粒子が凝集した顔料分散体を用いて形成されたカラーフィルタはコントラスト比が低下、また過分散した顔料分散体を用いると粘度安定性が取れなくなってしまう。
さらに近年、カラーフィルタ用顔料分散体に要求される高いコントラスト・粘度安定性の要求特性は非常に高性能となっており、顔料を微細に分散する技術が重要となっている。
顔料を溶媒中へ微細に分散させる装置として、メディアを用いた分散機( 以下、「ビー
ズミル」と呼ぶ)が知られており、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、パールミル等と呼ばれる分散機において、攪拌機構でメディアを激しく攪拌することによって得られる衝撃力、剪断力、摩擦力により、顔料分散体を得る方法が知られている。
また、顔料を微細に分散する方法としては、メディア攪拌型分散機を用いて、顔料の分散を多段階で行い、各段階におけるメディアの径を順次小さくし、且つ分散を循環で行う方法(例えば、特許文献1参照)や、メディア攪拌型分散機に用いるメディア径として0.3mmφ以下の微小メディアを用いると非常に高コントラストで流動性の良好な顔料分散体が得られることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このように微小メディアは、メディア一個の運動エネルギーが非常に小さく、粒子の凝集を解す効果として注目されている。
しかし、このような微小メディアで分散処理を行うと、高いコントラスト比を達成すると同時に1μm以下の微細な粒子が多く出現する。そのため、粒子の比表面積が飛躍的に拡大するものの、その粒子表面への樹脂被覆が追いつかず、粒子間力による凝集物の生成が促進されて着色組成物の粘度安定性を不良にする場合があった。
そのため、近年要求される高コントラスト化、高輝度化に対応するための微細化された顔料を用いたカラーフィルタ用顔料分散体において、保存安定性に優れ、かつ明度およびコントラスト比の高い顔料分散体を得ることはできていないというのが現状であった。
特開平11−352319号公報 特開2005−221804号公報
本発明の目的は、0.1mmφ以下の微小メディアを用いた湿式分散機により顔料分散体を得る製造工程において、粒子活性面の露出を抑制し、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで効率的に微細化分散させ、顔料の再凝集を防ぐことで粒度分布をシャープにし、カラーフィルタに要求される高コントラスト比と粘度安定性とを両立することのできるカラーフィルタ用顔料分散体を提供することである。
本発明者らは、0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得るためのミルベース分散体(顔料分散体(i))として、顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散し、顔料分散体の平均粒子径が40〜200nmとすることで、微小メディアを用いた顔料分散工程においても、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで効率的に、かつ安定に微細化分散させることが可能となることを見出した。
すなわち本発明は、顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmの顔料分散体(i)を得る分散工程(A)と、該顔料分散体(i)を、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る分散工程(B)とを含むことを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法に関する。
また本発明は、 分散工程(A)における滞留時間をτ(A)、分散工程(B)における滞留時間をτ(B)としたときに、τ(A)/τ(B)が、1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法に関する。
また本発明は、顔料分散体(ii)の平均粒子径が、40nm以下であることを特徴とする前記カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法に関する。
また本発明は、前記製造方法で製造されてなるカラーフィルタ用顔料分散体に関する。
また本発明は、さらに、光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用顔料分散体に関する。
また本発明は、基材上に、前記カラーフィルタ用顔料分散体を用いて形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明の製造方法によれば、0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散した顔料分散体において、これまで再凝集しやすかった微細化顔料を、ミルベース分散体(顔料分散体(i))として、顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.3mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmとすることで、得られた顔料分散体(ii)中の顔料の粒度分布がシャープとなり、高いコントラスト比かつ粘度安定性のあるカラーフィルタ用顔料分散体を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<カラーフィルタ用顔料分散体の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法は、顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmの顔料分散体(i)を得る分散工程(A)と、該顔料分散体(i)を、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る分散工程(B)とを含む。
また、分散工程(A)における滞留時間をτ(A)、分散工程(B)における滞留時間をτ(B)としたときに、τ(A)/τ(B)が、1.0以上であることが好ましい。このように、分散工程(A)の分散を十分に行なうことで、粗大粒子を減少し、顔料分散体(i)の粒径制御が容易となる。さらに好ましくは、1.0〜2.0、より好ましくは、1.0〜1.3である。
滞留時間比τ(1)/τ(2)が2.0よりも大きくなると、過分散となり粒子の凝集が確認され、その影響により品位の低下が起こる場合がある。
滞留時間τ(分)は、下記式で表され、滞留時間τ(分)を定義することにより、処理槽および処理材料の量に関わらず、処理効率を比較することが出来る。
滞留時間τ(分)=V/v×t
(式中Vは分散機の有効容積(cm)、vは顔料混合物の体積(cm)、tは分散時間(分)、を表す。)
この分散工程(A)における滞留時間τ(A)を分散工程(B)における滞留時間τ(B)よりも長くすることにより、粗大顔料の粉砕を効率的に実施し、また径の大きいメディアが使用されるため、被分散体に与えるエネルギーを極小とし粒子の表面活性を抑えることが可能となる。
一方、分散工程(B)においては、生産性および分散体の安定性の観点から、滞留時間τ(B)は被分散体を微細化できる範囲において短い方が好ましい。
得られた顔料分散体(ii)の平均粒子径は、40nm以下であることが好ましく、より好ましくは、35nm以下である。顔料分散体(ii)の粒径が40nm以下であることで、高コントラスト比である。また、好ましくは30nm以上であれば、より粘度安定性が取れたフィルタセグメントの形成が可能となる。
《分散工程(A)》
分散工程(A)は、顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmの顔料分散体(i)を得る工程である。
粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る分散工程(B)のミルベース顔料分散体として、平均粒子径が40〜200nmである顔料分散体(i)を用いることで、高いコントラスト比と粘度安定性の両立が可能となる。
より好ましくは、顔料分散体の平均粒子径が40〜100nmである。
このように、分散工程(A)において、粗大粒子を減らし、顔料の粒子径を制御することにより、分散工程(B)における粉砕・分散を短時間で効率よく行うことが可能となり、顔料が再凝集を防止することもできるために、安定性が良好な顔料分散体とすることができる。
本発明における顔料混合物とは、少なくとも、後述する顔料と、樹脂、および溶剤を含む混合物であって、必要により、樹脂型分散剤、顔料誘導体、界面活性剤等の分散助剤等を含んでいても良い。
顔料混合物100重量%中の顔料分濃度は、10〜20重量%が好ましく、固形分濃度は、30〜45重量%の範囲であることが好ましい。これにより、分散機中の流動性を維持し、かつシェアがかけられる条件となり、粗大粒子を効率的に減らすことができる。
《分散工程(B)》
分散工程(B)は、分散工程(A)で分散して得られた顔料分散体(i)を、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る工程である。顔料分散体(i)には、必要に応じて、さらに樹脂、溶剤、または分散助剤等を添加して、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散することができる。
このとき、顔料分散体(i)100重量%中の顔料分濃度は10〜20重量%が好ましく、固形分濃度は20〜30重量%の範囲であることが好ましい。これにより、分散機中のメディアの攪拌効率を上げ、より容易に分散が進みやすくなる。
(メディアを用いた湿式分散機)
本発明で使用することのできるメディアを用いた湿式分散機としては、円筒型分散機の横型、縦型、さらには環状型(アニュラータイプ)等のメディア型分散機が挙げられ、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル等のメディアを用いた各種分散機が利用できる。
このメディア型分散機の回転軸には、種々の形状をした攪拌羽根が備えられており、ディスク型、ピン型などが知られているが、中でもロータピンを備えているものが本発明の効果をよりいっそう顕著にするために好ましい。
また、このメディア型分散機のメディア分離機構としては、遠心分離方式、スリット方式(ギャップセパレータ方式)、スクリーン方式等があるが、遠心分離によるものが好ましい。粒径が0.3mmφ以下の微小メディアを分離できるスリットまたはスクリーンの製作は、機械加工精度の関係上非常に難しく、顔料混合物、あるいはミルベース顔料分散体(顔料分散体(i))を供給する際に、目詰まりするという可能性があるためである。
ロータピンおよび遠心分離によるメディア分離機構を備えた湿式分散機としては、例えばスーパーアペックスミル(寿工業社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)、デュアルアペックスミル(寿工業社製)、DCP型パールミル(アイリッヒ社製)、ピコグレンミル(浅田鉄工社製)、エコミル(浅田鉄工社製)などがある。
また、分散効率の良い分散機内のメディア充填率は、好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは60〜80重量%である。
メディアの材質は、特に限定されるものでなく、一般に用いられているガラス、スチール、ステンレス、陶磁器、ジルコン、ジルコニア等が挙げられる。
メディアの粒径は、分散工程(A)においては、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いる。
好ましくは、0.1mmφより大きく0.5mmφ以下のメディアを用いることで、より細かく粉砕を可能とし、分散工程(B)においての分散効率を上げることが可能となり、安定性に優れるために好ましい。
分散工程(B)においては、微小メディア分散、整粒効果、高コントラスト比を達成するために、0.1mmφ以下のメディアを用いる。より好ましくは、0.01以上0.1mmφ以下であることが好ましく、特に0.01mmφ以上0.05mmφ以下の微小メディアを用いるとその効果は非常に大きくなるため好ましい。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体(ii)と、光重合開始剤を加え、必要に応じて光重合性単量体、溶剤、樹脂、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
次に、カラーフィルタ用顔料分散体を構成する原材料について説明する。
<顔料分散体>
《顔料》
顔料としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる
有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
これらの中でも、赤色顔料では、ジケトピロロピロール系、キナクリドン系、青色顔料では、銅フタロシアニン系、緑色顔料ではハロゲン化フタロシアニン系、黄色顔料ではアゾ系、キノフタロン系の有機顔料である場合、第一工程での顔料に対する樹脂吸着量が高く、粘度安定性と高コントラスト比の両立が可能なカラーフィルタが得られるために好ましい。
以下に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、166、168、176、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。
これらの中でも、顔料がC.I.ピグメント レッド 177、または254である場合、第一工程での顔料に対する樹脂吸着量が高く、粘度安定性に効果が高く、高品質のカラーフィルタが得られるために好ましいものである。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて緑色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.ピグメント グリーン 7、10、36、37、58、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等の黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて青色フィルタセグメントを形成する場合には例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。 また青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる着色剤は、前記顔料を含むが、そのほか、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることもできる。
(顔料の微細化)
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。微細化を行う顔料は市販のいずれの製品を用いてもよい。
本発明の製造方法により、このような微細化顔料を用いても、粒子活性面の露出を抑制し、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで効率的に微細化分散させ、顔料の再凝集を防ぐことで粒度分布をシャープにし、カラーフィルタに要求される高コントラストと粘度安定性とを両立することが可能となる。
微細化した顔料の平均一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
また、顔料の一次粒子径が100nm以下であれば、分散工程(A)において、顔料の平均粒子径を40〜200nmとすることが容易となり、粒度分布もシャープな分散体とすることができるために、安定性により優れた組成物とすることができるために好ましい。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
《樹脂》
樹脂は顔料を顔料単担体中に分散するものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色組成物の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いる事が好ましい。また、更に光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
顔料を好ましく分散または溶解させるためには、樹脂の重量平均分子量(MW)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は、5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、感光性着色組成物の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が20mgKOH/g未満では、現像性に対する溶解性が悪くなる場合があり、微細パターン形成するのが困難となる場合がある。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
《分散助剤》
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、樹脂型分散剤、顔料誘導体、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。顔分散助剤は、顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られる。
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の樹脂型分散剤の、分散媒に親和性の高い部位としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のポリマーユニットが好ましい。
例えば、ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等のアルコール類の1種以上と、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸、または、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等のカルボン酸類の1種類以上との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類等が挙げられる。
例えば、ポリエーテルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等のアルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはアリルグリシジルエーテルの如き各種の(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類等が挙げられる。
例えば、ポリ(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等のホモポリマー及び共重合体が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよいし、混合して用いてもよいし、ブロックポリマーやグラフトポリマーやランダムポリマーの形態であってもよい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
樹脂型分散剤としては、特に、芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤が好ましく、片末端に水酸基を有する重合体と、芳香族トリカルボン酸無水物及び/又は芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる分散剤であることが最も好ましい。このような樹脂型分散剤としては、例えば、特開2008−029901号公報、特開2007−140487号公報、国際公開2008/007776号パンフレット、特開2010−163500号公報や特開2010−223988号公報等に開示されており、流動性と分散性の両立といった優れた効果を発揮する。
これらの中でも好ましい樹脂型分散剤としては、国際公開2008/007776号パンフレット等に記載の分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合して生成され、片末端領域に2つの水酸基を有するビニル共重合体中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物中の酸無水物基と、を反応させてなるポリエステル分散剤が好ましい。更に好ましくは、前記テトラカルボン酸二無水物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含有してなることを特徴とするポリエステル分散剤である。これらのポリエステル分散剤を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、顔料の分散安定性に優れるために好ましいものであり、合成方法としては、国際公開2008/007776号パンフレット等に記載の方法を用いて合成することができる。
また、好ましい樹脂型分散剤としては、特開2007−140487号公報等に記載の下記式で示される樹脂型分散剤が挙げられる。
(HOOC−)m−R14−(−COO−[−R16−COO−]q−R15)t
[式中、R14は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R15はモノアルコール残基、R16はラクトン残基、mは2または3、qは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。]
これらの芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、顔料の分散安定性に非常に優れたものである。
このような芳香族カルボキシル基を有する分散剤の酸価は分散安定性の観点から、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは40〜200mgKOH/g、最も好ましくは40〜150mgKOH/gである。樹脂型分散剤の重量平均分子量(Mw)は1000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは1000〜30000の範囲である。
(顔料誘導体)
顔料誘導体は、下記一般式(1)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
一般式(1)
A−B
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基または酸性置換基
一般式(1)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
一般式(1)中、Bの塩基性置換基としては、下記一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、および一般式(5)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、一般式(6)および一般式(7)で示される置換基が挙げられる。
一般式(2)
Figure 2015138049

一般式(3)
Figure 2015138049

一般式(4)
Figure 2015138049
一般式(5)
Figure 2015138049

一般式(6)
Figure 2015138049

一般式(7)
Figure 2015138049
X:−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
、R:それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはRとR とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
:炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
、R、R、R:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR−Z−NR−または直接結合を表す。
、R:それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
R:一般式(8)で示される置換基または一般式(9)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、一般式(8)で示される置換基または一般式(9)で示される置換基を表す。
一般式(8)
Figure 2015138049
一般式(9)
Figure 2015138049

M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
i:Mの価数を表す。
10、R11、R12、R13:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
一般式(2)〜一般式(5)および一般式(8)、一般式(9)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
式(7)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよく、例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等のアミン、もしくはそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
2級、3級および4級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(7)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
顔料誘導体の具体例を、化合物番号を付して以下に示す。
化合物1
Figure 2015138049

CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
化合物2
Figure 2015138049
化合物3
Figure 2015138049

化合物4
Figure 2015138049

化合物5
Figure 2015138049

化合物6
Figure 2015138049

化合物7
Figure 2015138049
化合物8
Figure 2015138049

化合物9
Figure 2015138049

着色組成物中の顔料誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。顔料誘導体の配合量が1重量部より少ないと、分散効果が不十分となり、20重量部より多いと、余剰の顔料誘導体で分散に影響を及ぼすことがある。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
《溶剤》
本発明の顔料分散体には、顔料を充分に顔料担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えばベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル、乳酸ブチル等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、本発明の顔料の分散性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。また、溶剤は1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
また溶剤は、混合物を分散条件にあわせて、適正な粘度に調節し、得られた顔料組成物により、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、顔料100重量部に対して、200〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
《光重合性単量体》
本発明の顔料分散体には、光重合性単量体を含有してもよい。本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の含有量は、顔料100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
《光重合開始剤》
本発明の顔料分散体には、該顔料分散体を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型の感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、顔料100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
《増感剤》
さらに、本発明の顔料分散体には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、顔料分散体中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
《多官能チオール》
本発明の顔料分散体には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、
2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、顔料分散体の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する場合がある。
《酸化防止剤》
本発明の顔料分散体には、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、顔料分散体の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
《アミン系化合物》
本発明の顔料分散体には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
《レベリング剤》
本発明の顔料分散体には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、顔料分散体の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
《硬化剤、硬化促進剤》
また本発明の顔料分散体には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
《その他の添加剤成分》
本発明の顔料分散体には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、顔料100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、顔料分散体中の顔料100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
《粗大粒子の除去》
本発明のカラーフィルタ用顔料分散体は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このようにカラーフィルタ用顔料分散体は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法により形成されてなるカラーフィルタ用顔料分散体を用いて形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とする。好ましくは、本発明の顔料分散体に光重合開始剤等を加え、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製したカラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)を用いた場合である。
カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備するものである。
《カラーフィルタの製造方法》
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
(印刷法)
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した顔料分散体の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
(フォトリソグラフィー法)
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して活性エネルギー線である紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色組成物の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
本発明の着色組成物は上記記載のいずれの方法にも用いることが出来るが、フォトリソグラフィー法に最も適している。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
実施例に先立ち、レジスト材塗布基板のコントラスト比、顔料の平均一次粒子径、顔料分散体の平均粒子径と分布幅、および樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法について説明する。
<コントラスト比>
レジスト材塗布基板を2枚の偏光板の間に挟み、一方の偏光板側から液晶ディスプレー用バックライト・ユニットを用いて光を照射する。バックライト・ユニットから出た光は、1枚目の偏光板を通過して偏光され、ついでレジスト材塗布基板を通過し、2枚目の偏光板に到達する。1枚目の偏光板と2枚目の偏光板の偏光面が平行であれば、光は2枚目の偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は2枚目の偏光板により遮断される。しかし、1枚目の偏光板によって偏光された光が、レジスト材塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは2枚目の偏光板を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは2枚目の偏光板を光の一部が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と直行のときの輝度との比をコントラスト比とする。
コントラスト比=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、レジスト材塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製の色彩輝度計BM−5A、偏光板はサンリツ社製の偏光フィルムLLC2−92−18を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てて測定を行った。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
<顔料分散体の平均粒子径と分布幅>
顔料分散体を主溶剤で50倍に希釈し、マルバーン社製Nano−Sにて測定し、平均粒子径および分布幅を求めた。
平均粒子径は、動的光散乱(DLS)を使用して測定された粒子径として定義される。
動的光散乱(DLS)において、多分散性指数(polydispersityindex、PDI)が、粒子径分布幅として定義される。これは、0から1の範囲である。0の値は、径の分布がない理想的な懸濁液を表す。0.1以下のPDI値を有する分布は単分散と呼ばれ、一方、0.1から0.3の間の値を有する分散体は、狭い径分布を有すると見なせる。0.5より大きいPDIを有する分散体は、多分散性であると見なせる。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
続いて、実施例および比較例に用いた樹脂、樹脂型分散剤、および微細化顔料の製造方法について説明する。
<樹脂の製造方法>
(アクリル樹脂溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液1)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート73.5部、n−ブチルアクリレート26.5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部を添加した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を20回に分けて30分ごとに加え、80℃のまま12時間反応し、固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物30部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを滴定で確認し反応を終了した。このようにして、固形分当たりの酸価63mgKOH/g、不揮発分が40重量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液1を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細化顔料(PR254−1))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、115部の赤色微細化顔料(PR254−1)を得た。赤色微細化顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(青色微細化顔料(PB15:6−1))
青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(BASF社製「ヘリオゲンブルーL−6700F」一次粒子径の平均値400nm)500部、塩化ナトリウム2500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で12時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、青色微細化処理顔料(PB15:6−1)を得た。青色微細化顔料の平均一次粒子径は25.0nmであった。
(緑色微細化顔料(PG58−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。緑色微細化顔料の平均一次粒子径は30.0nmであった。
(黄色微細化顔料(PY150−1))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。黄色微細化顔料の平均一次粒子径は25.5nmであった。
[実施例1]
(赤色顔料分散体(RP−1))
《分散工程(A)》
以下の仕込み量(重量部)の顔料混合物を、0.3mmφのジルコニアビーズを用い、ダイノーミルで、滞留時間τ(A)が10分となる条件にて分散し、赤色顔料分散体を得た。

赤色微細化顔料(PR254−1) : 12.00部
アクリル樹脂溶液 : 27.20部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 4.40部
樹脂型分散剤溶液1 : 6.40部
《分散工程(B)》
分散工程(A)で得られた赤色顔料分散体に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50.0部を添加し、0.1mmφのジルコニアビーズを用いて浅田鉄工社製ピコグレンミルで滞留時間τ(B)が10分となる条件にて分散を行い、1.0μmのフィルタで濾過して赤色顔料分散体(RP−1)を得た。
[実施例2〜10]
(赤色顔料分散体(RP−2〜10))
分散工程(A)、および分散工程(B)における滞留時間、メディアの粒径を表1に記載した通りに変えた以外は、それぞれ実施例1(赤色顔料分散体(RP−1))と同様にして、赤色顔料分散体(RP−2〜10)を得た。
[実施例11]
(青色顔料分散体(BP−1))
《分散工程(A)》
以下の仕込み量(重量部)の顔料混合物を、0.3mmφのジルコニアビーズを用い、ダイノーミルで、滞留時間τ(A)が10分となる条件にて分散し、青色顔料分散体を得た。

青色微細化顔料(PB15:6−1) : 11.00部
アクリル樹脂溶液 : 10.27部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 11.36部
樹脂型分散剤溶液1 : 17.38部
《分散工程(B)》
第一工程で得られた青色顔料分散体にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50.0部を添加し、0.1mmφのジルコニアビーズを用いてピコグレンミルで滞留時間τ(B)が10分となるように分散を行い、1.0μmのフィルタで濾過して青色顔料分散体(BP−1)を得た。
[実施例12]
(緑色顔料分散体(GP−1))
《分散工程(A)》
以下の仕込み量(重量部)の顔料混合物を、0.3mmφのジルコニアビーズを用い、ダイノーミルで、滞留時間τ(A)10分となる条件にて分散し、顔料分散体を得た。

緑色微細化顔料(PG58−1) : 13.03部
アクリル樹脂溶液 : 14.24部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 12.31部
樹脂型分散剤溶液1 : 10.42部
《分散工程(B)》
分散工程(A)で得られた顔料分散体にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50.0部を添加し、0.1mmφのジルコニアビーズを用いてピコグレンミルで滞留時間τ(2)が10分となるように分散を行い、1.0μmのフィルタで濾過して緑色顔料分散体(GP−1)を得た。
[実施例13]
(黄色顔料分散体(YP−1))
《分散工程(A)》
以下の仕込み量(重量部)の顔料混合物を、0.3mmφのジルコニアビーズを用い、ダイノーミルで、滞留時間τ(A)10分となる条件にて分散し、黄色顔料分散体を得た。

黄色微細化顔料(PY150−1) : 12.00部
アクリル樹脂溶液 : 19.99部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 8.01部
樹脂型分散剤溶液1 : 10.00部
《分散工程(B)》
分散工程(A)で得られた黄色顔料分散体にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.0部を添加し、0.1mmφのジルコニアビーズを用いてウルトラアペックスミル(寿工業株式会社製)で滞留時間τ(B)が10分となるように分散を行い、1.0μmのフィルタで濾過して黄色顔料分散体(YP−1)を得た。
[比較例1〜3]
(赤色顔料分散体(RP−11〜13))
分散工程(A)、および分散工程(B)における滞留時間、メディアの粒径を表1に記載した通りに変えた以外は、それぞれ実施例1(赤色顔料分散体(RP−1))と同様にして、赤色顔料分散体(RP−11〜13)を得た。
Figure 2015138049
<カラーフィルタ用顔料分散体の評価>
実施例および比較例で得られた顔料分散体について、コントラスト比、初期粘度、経時粘度及び粘度安定性を下記の方法で評価した。評価結果と、顔料分散体の粒度分布結果を表2に示す。
「コントラスト比(CR)」
得られた顔料分散体をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。塗布後60℃で5分、230℃で20分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比(CR)を一次相関法で求めた。
「初期粘度」
各着色組成物の25℃における粘度をE型粘度計(TOKI SANGYO社製 TVE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。
「経時粘度、粘度安定性」
各着色組成物を、40℃で1週間促進させた粘度についても同様に測定し(経時粘度)、その差を測定することで粘度安定性(経時粘度−初期粘度)[mPa・s]とした。
Figure 2015138049
以上の結果より、本発明のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法により、粗大粒子を効率的に細かくし、粒度分布幅をシャープにすることで、強凝集体の発生を抑制し、高コントラスト比および粘度安定性に優れたカラーフィルタ用顔料分散体を作成することができていることが確認できた。
[実施例14]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記に示す組成、配合量(重量部)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−1)を得た。

赤色顔料分散体(PR−1) :60.0部
アクリル樹脂溶液 :11.0部
光重合性単量体 : 4.2部
(トリメチロールプロパントリアクリレート;
新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例15〜23、および比較例4〜6]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜13))
表3に示す組成、配合量(重量部)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(RR−2〜13)を得た。
なお、赤色顔料分散体(RP−2〜13)に対応して、それぞれ赤色感光性着色組成物(RR−1〜13)とした。
[実施例24]
(緑色感光性着色組成物(GR−1))
表3に示す組成、配合量(重量部)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(GR−1)を得た。
[実施例25]
(青色感光性着色組成物(BR−1))
表3に示す組成、配合量(重量部)の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(BR−1)を得た。
Figure 2015138049
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の評価>
実施例および比較例で得られた着色組成物について、コントラスト比、初期粘度、経時粘度及び粘度安定性下記の方法で評価した。評価結果を表4に示す。
「コントラスト比(CR)」
得られた顔料分散体をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μm前後となるように3点の塗布基板を作製した。塗布後60℃で5分、230℃で20分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比(CR)を一次相関法で求めた。
「初期粘度」
各着色組成物の25℃における粘度をE型粘度計(TOKI SANGYO社製 TVE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。
「経時粘度、粘度安定性」
各着色組成物を、40℃で1週間促進させた粘度についても同様に測定し(経時粘度)、その差を測定することで粘度安定性(経時粘度−初期粘度)[mPa・s]とした。
Figure 2015138049
以上の結果より、本発明のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法により、粗大粒子を効率的に細かくし、粒度分布幅をシャープにすることで、強凝集体の発生を抑制し、高コントラスト比および粘度安定性に優れたカラーフィルタ用顔料分散体を作成することができた。
また、着色組成物の製造方法において第一工程と第二工程の滞留時間比τ(A)/τ(B)を1.0未満に変えて分散処理を行った場合、微小メディアに接する時間が長い分コントラスト比は高いが、第一工程の分散時間が短いために粗大粒子が残ってしまい、その影響から分散時間が長い。その結果、粘度安定性および粒度分布幅が若干ブロードであった。
これに対し、滞留時間比τ(A)/τ(B)が、1.0以上である場合には、より粗大粒子をきちんとつぶすことが可能となり、微小メディアを用いた分散を行っても、粘度安定性が良好で粒度分布幅がシャープなものに仕上げることが可能であった。
また、滞留時間比τ(A)/τ(B)が、2.0以下である場合、より安定性に優れた顔料分散体であった。
(カラーフィルタ)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物RR−1をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cmの紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色感光性着色組成物GR−1をx=0.300、y=0.600になるような膜厚に、青色感光性着色組成物BR−1を用いてx=0.150、y=0.06になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、高コントラスト比のカラーフィルタを得た。
以上の結果より、0.1mmφ以下の微小メディアを用いた湿式分散機により顔料分散体を得る製造工程において、粒子活性面の露出を抑制し、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで効率的に微細化分散させ、顔料の再凝集を防ぐことで粒度分布をシャープにし、カラーフィルタに要求される高コントラスト比と粘度安定性とを両立することのできるカラーフィルタ用顔料分散体が得られていることを確認できた。

Claims (6)

  1. 顔料、樹脂、および溶剤を含む顔料混合物を、粒径が0.1mmφより大きいメディアを用いた湿式分散機で分散して平均粒子径が40〜200nmの顔料分散体(i)を得る分散工程(A)と、該顔料分散体(i)を、粒径が0.1mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散して顔料分散体(ii)を得る分散工程(B)とを含むことを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法。
  2. 分散工程(A)における滞留時間をτ(A)、分散工程(B)における滞留時間をτ(B)としたときに、τ(A)/τ(B)が、1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法。
  3. 顔料分散体(ii)の平均粒子径が、40nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用顔料分散体の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法で製造されてなるカラーフィルタ用顔料分散体。
  5. さらに、光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ用顔料分散体。
  6. 基材上に、請求項4または5に記載のカラーフィルタ用顔料分散体を用いて形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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