JP2015137473A - Pc構造物のプレストレス導入法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポストテンション方式によるPC部材へのプレストレス導入において、アンカーヘッドやクサビなどの定着具を回収可能としてコストを低減する。【解決手段】アンカーヘッド5をアンカープレート4から所定の距離aを空けて設置して空間を形成し、緊張力をPC鋼線に導入して定着した後、シース3内にグラウト9を注入して硬化させてグラウト9とPC鋼線2の付着力によってPC鋼線の緊張状態を維持して定着し、空間に露出したPC鋼線2を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法である。【選択図】図1

Description

本発明は、プレストレストコンクリート構造物(以下、PC構造物)のPC部材に現場においてポストテンション方式によってPC部材にプレストレスを導入し、プレストレスの導入に使用した支圧板、アンカーヘッド及びクサビ等の定着具を回収するプレストレス導入法に関する。
PC構造物は、PC部材内に挿通してあるPC鋼線(PC鋼より線)を緊張定着することによってPC部材にプレストレスを付与するものであり、広く使用されている。
プレストレスを導入する方法としては、主にプレテンション方式とポストテンション方式がある。
プレテンション方式は、強固な反力台(アバット)の間に予めPC鋼線を緊張して配設しておき、打設したコンクリートが硬化して所要強度に達した後にPC鋼線に付与していた緊張力を解放してPC鋼線が元の状態に戻ろうとする際のPC鋼線のコンクリートとの付着力によってコンクリートにプレストレスを導入する方式であり、強固な反力台を必要とするため工場製品の製造に利用されている。
ポストテンション方式は、コンクリート部材に予めPC鋼線を挿入するシース等を設けておいて、コンクリートが硬化した後にPC鋼線をシース内に挿入してコンクリートと付着のない状態で配置し、コンクリート部材端部においてジャッキ等でPC鋼線を緊張してコンクリート部材端部に設けたアンカーヘッドにクサビなどでPC鋼線を固定(定着)してアンカープレートを介してプレストレスをコンクリート部材に導入する方式であり、プレキャスト部材の現場組立工法と場所打ち工法のPC構造物は、この方式によって施工される。
特開2002−242438号公報
従来のプレストレス導入方式は、前述の二つの方法が周知であり、ポストテンション方式においては、図4に示すように、PC鋼線を部材端部に定着するためにクサビ53とアンカーヘッド5及びアンカープレート(支圧板等)4の定着具を使用するものである。定着具は、プレストレスを維持するため緊張された状態のPC鋼線を保持するものであり、コンクリート部材端部にプレストレス導入後も残置しておくものである。しかし、定着具が高価なものなのでプレテンション方式に比べてポストテンション方式はコストが割高なものとなっている。
そこで、本発明は、ポストテンション方式でコンクリート部材にプレストレスを導入した後、導入されているプレストレスが解放されることなく維持した状態で定着具を撤去回収できるようにし、定着具を繰り返し使用可能としてポストテンション方式のコスト低減を図るものである。
ポストテンション方式によりプレストレストコンクリート部材にプレストレス力を付与する方法であって、PC鋼線を定着するアンカーヘッドをアンカープレートから所定の距離をおいて設置することによってそれらの間に空間を形成し、所定の緊張力をPC鋼線に導入して定着した後、シース内にグラウトを注入して硬化させてグラウトとPC鋼線の付着力によってPC鋼線の緊張状態を維持して定着し、前記アンカープレートとアンカーヘッドの間の空間に露出したPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法である。
アンカープレートとアンカーヘッドの間の空間の形成方法は、アンカーヘッドにリングナットを装着し、リングナットをアンカーヘッドの先端から所定間隔で送り出して前記空間を形成し、PC鋼線を緊張定着し、PC鋼線を挿入しているシース内にグラウトを充填して硬化させた後にリングナットをアンカーヘッド側に戻すことによって前記空間のPC鋼線を露出させ、この露出したPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法である。
また、アンカーヘッドとアンカープレートとの間に複数のジャッキを設置することによってアンカープレートとアンカーヘッドの間に間隔を空けて空間を形成し、PC鋼線の緊張定着後にグラウトをシースに注入して硬化させ、ジャッキの間の前記形成された空間を利用してPC鋼線を切断して定着具を回収するものである。
他の方法として、アンカーヘッドとアンカープレートとの間にジャッキチェアを設けてアンカープレートとアンカーヘッドの間に空間を形成し、グラウト硬化後、ジャッキチェアの間に形成された前記空間を利用してPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法である。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
従来と同様に現場においてポストテンション方式でPC部材にプレストレスを導入することができ、シースに注入したグラウトが硬化して緊張鋼線が固定されると、プレテンション方式と同じようにプレストレスが維持された状態となる。
その後、予め設けてある空間を利用してPC鋼線を切断して定着具を回収し、繰り返し使用することができるので、従来のポストテンション方式に比べて建設コストを大幅に軽減することができる。
本発明の実施例1の施工手順図。 本発明の実施例2の施工手順図。 本発明の実施例3の施工手順図。 従来技術のポストテンシン方式の定着部断面図。 ポストテンション方式を適用したPC構造物の柱梁図。
実施例1
本発明方法を図5に示すPC部材の柱100と梁101をPC鋼線102でプレストレスを導入して接合するPC構造物の場合を例にしてプレストレスの導入手順を説明する。
梁101へのプレストレスの導入は、梁101の中間部に形成した定着面を有する切欠(定着箱抜き部)8に所定の緊張力を導入したPC鋼線102の端部を定着することによって行われる。梁101の上には、トップコンクリート82が打設してあり、定着箱抜き部8はトップコンクリート打設時にコンクリートが充填される。
(1)プレストレスの導入手順は、一般的なポストテンション方式によるプレストレス導入手順と同様であり、図1(1)に示すように、コンクリート製のPC部材1にはプレストレス導入用のPC鋼線2を挿入するシース3が設置してあり、PC鋼線2を緊張定着する定着箱抜き部8の近傍では、シース3にジョイントシース32を介して定着箱抜き部8に向かって径が拡がっているトランペットシース31が連結して設けてある。トランペットシース31は、シース3の内部で集束されていた複数のPC鋼線を、アンカーヘッド5の挿通穴の配列間隔に合わせるために個々のPC鋼線に分離して拡げるためのものである。
このトランペットシース31は、グラウト注入口33を有し、このグラウト注入口33には、定着箱抜き部8まで延びる注入ホース34が連結してある。
定着箱抜き部8の定着面81には、PC鋼線2を緊張材導入時に取り付けるアンカープレート4との馴染をよくするため、不陸調整プレート41を必要に応じて設置しておくのが好ましい。
(2)次に、複数のPC鋼線2を定着箱抜き部8の定着面からシース3に挿入し、他方の定着端部まで挿通する。定着端部においては緊張用ジャッキ7に取り付けるための必要な長さを定着面81から露出させてPC鋼線2を切断する。
(3)不陸調整プレート41の上面に止水用ゴムパッキン42を敷き、アンカープレート4を設置し、外周にネジが形成してあるアンカーヘッド5の下部に内周にネジを形成したリングナット51が取り付けてある長さが調節可能なアンカーヘッド5を設置する。設置前にこのリングナット51を回転させることによって、アンカーヘッド5の下端がアンカープレート4から所定間隔a離れた状態になるように調節しておく。所定間隔aは、緊張定着後のPC鋼線2を切断する作業に必要な空間を確保するためのものであり、切断手段に応じて必要な間隔を定める。
次に、アンカーヘッド5にクサビ53を装着し、アンカーヘッド5にジャッキチェア6を据え、更に緊張ジャッキ7を取り付けてPC鋼線2を所定の緊張力で緊張する。所定の緊張力に達したらクサビ53によってアンカーヘッド5にPC鋼線2を定着することによってPC部材1にプレストレス力を導入する。
(4)PC鋼線2に所定の緊張力が導入され、アンカーヘッド5にPC鋼線2がクサビ53で固定されているのでPC部材1にはプレストレスが導入された状態となる。この状態でグラウト注入口33からグラウト9をシース3の内部に注入して養生する。予めゴムパッキン42が定着面81に敷いてあり、注入したグラウト9がゴムパッキン42の下端で止まり、PC部材1の定着箱抜き部8に漏れ出ないようにしてあるので、後の工程でPC鋼線2を切断する際に利用する空間にグラウトが詰って切断作業を阻害することがない。
(5)注入したグラウト9がシース3の内部で硬化して緊張鋼線2がグラウト9との付着力によって定着された後、緊張ジャッキ7を作動させてPC鋼線2を再緊張してリングナット51を定着箱抜き部8の定着面81より僅かに浮かしてリングナット51を回転可能状態とし、リングナット51を回転してアンカーヘッド5側に移動させて予め設定した所定間隔aの空間を開けて空間内のPC鋼線2を露出させる。
再緊張力は、既に導入された所定の緊張力より僅かに大き目であればよく、リングナット51とアンカープレート4との間に僅かな隙間を生じさせ、リングナット51を回転させて端部側に送り出すことができて空間を開けることができればよい。
(6)緊張ジャッキ7の再緊張に続くリングナット51の回転送り出しによって前記空間内のPC鋼線に導入されていた緊張力は解放されているので、緊張ジャッキ7、ジャッキチェア6の順で外し、リングナット51の下部の所定間隔aの部分に露出しているPC鋼線2をガスバーナー、またはカッター等の切断手段で切断し、アンカープレート4、アンカーヘッド5、リングナット51、クサビ53等の定着具を回収する。
(7)定着具の撤去された定着箱抜き部8中にコンクリート10を打設してPC鋼線2の露出部を埋設して仕上げる。
以上のように、ポストテンション方式においてプレストレス力の導入に必須のアンカープレート4とアンカーヘッド5が除去されて無い状態となっているが、PC鋼線2はシース3内に注入したグラウト9との付着力によって定着されており、緊張状態が維持されているので導入した所定のプレストレス力がPC部材1には確保されることになる。
実施例1の特徴は、従来、慣用されている定着具と緊張機具を用いて、安全且つ確実に目的を達することができる。ただし、緊張とグラウト硬化後の再緊張との2段階の緊張作業がとなる。
次に、実施例2の手順を図2に基づいて説明する。
(1)PC部材1に設置されたPC鋼線2が挿通されるシース3の先端部が、定着箱抜き部8の定着面81より所定長さ突出させてあり、シース3の端部開口が定着箱抜き部8に露出している。定着面81には不陸調整用プレート41を必要に応じて設置する。
(2)複数のPC鋼より線からなるPC鋼線2をシース3に挿入し、端部に緊張に必要な長さを確保して切断する。
(3)不陸調整プレート41の上面にアンカープレート4を設置し、アンカーヘッド5とアンカープレート4との間に複数(例えば、少なくとも3個)の油圧ジャッキ71(ネジジャッキ、または、ボルトジャッキでも構わない)と緊張プレート72を介在させてアンカーヘッド5をセットしてアンカーヘッド5とアンカープレート4の間に所定間隔aを確保し、アンカーヘッド5にクサビ53を装着する。油圧ジャッキ71は、所定間隔aを確保できるように予め所定長さのストロークを延ばしておく。
次に、緊張ジャッキ7によってPC鋼線2を緊張し、所定の緊張力に達したところでアンカーヘッド5に装着されたクサビ53によってPC鋼線2をアンカーヘッド5に定着してPC部材1にプレストレス力の付与が完了したら緊張ジャッキ7を撤去する。
この実施例2においては、油圧ジャッキ71によって形成された間隔aを利用してPC部材1の定着面81から定着箱抜き部8に露出させた複数のPC鋼線2を拡げてアンカーヘッド5の挿通穴に通すことができるので、実施例1で使用したトランペットシースは必要でない。
(4)シース3の端部開口からグラウトを注入して養生する。シース3の先端を予め定着面81より所定長さ突出させてあるのでグラウト9がシース3に充填されるとシース3の端部開口からグラウト9が溢出することでグラウト9がシース3の内部に充填されたことを確認することができる。なお、91は注入されたグラウト面を示す。
(5)注入したグラウト9を所定強度に達するまで養生し、グラウト9が硬化してPC鋼線2がグラウト9との付着力によって定着される。
(6)油圧ジャッキ71を緩めて延ばしてあったストロークを元に戻してアンカーヘッド5と緊張プレート72の間に形成された空間内の定着面81から露出しているPC鋼線2に導入されていた緊張力を解放する。
次に、油圧ジャッキ71の間の空間を使用してガスバーナー等の切断手段によってPC鋼線2を切断し、アンカープレート4、アンカーヘッド5及びクサビ53等の定着具を回収する。
(7)定着箱抜き部8の中にコンクリート10を打設して仕上げを行ってプレストレス導入が完了する。
実施例2は、油圧ジャッキ71を用いることによって、実施例1で必要とされた再緊張の手間を省くことができ、そして、油圧ジャッキ71で空間を形成するため、トランペットシースとジョイントシースが不要となり、コストを更に低減可能である。
一方、グラウト養生期間中からPC鋼線を切断するまでは油圧ジャッキ71が必要のため、早期に強度発現するグラウト材を使用することが望ましい。短時間でグラウトを硬化させることによって油圧ジャッキ71の回転率を高めることができ、多数の油圧ジャッキを準備することなく数多くのPC鋼線の定着箇所に効率よく使いまわすことができ、コストを軽減することができる。
実施例3について図3に基づいて説明する。
手順(1)〜(2)は実施例2と同様である。
(3)不陸調整プレート41の上面にアンカープレート4を設置し、アンカープレート4の上にジャッキチェア6を設置し、更にアンカーヘッド5を設置する。このジャッキチェア6によってアンカーヘッド5とアンカープレート4の間に所定間隔aを確保するものである。次にアンカーヘッド5にクサビ53を装着し、緊張ジャッキ7を設置する。
次に、緊張ジャッキ7を用いてPC鋼線2を所定の緊張力で緊張し、クサビ53によってアンカーヘッド5にPC鋼線2を定着し、PC部材1にプレストレス力を導入し、緊張定着後ジャッキ7を撤去する。
(4)実施例2と同様であり、グラウト9をシース3内に注入して養生する。シース3の先端を予め定着面81より所定長さ突出させてあるのでグラウト9がシース3に充填されるとシース3の端部からグラウト9が溢出することでグラウト9がシース3の内部に充填されたことを確認することができる。なお、91は注入されたグラウト面を示す。
(5)注入したグラウト9を所定強度に達するまで養生し、グラウト9が硬化してPC鋼線2がグラウト9との付着力によって定着される。
(6)ジャッキチェア6の空間を使用し、緊張力が導入された状態のPC鋼線2をガスバーナー等の切断手段によって切断し、アンカープレート4、アンカーヘッド5及びクサビ53等の定着具を回収する。
(7)定着箱抜き部8(切欠き)中にコンクリート10を打設して仕上げを行ってプレストレス導入が完了する。
実施例3では、施工の手間が最も少なくて簡易ではあるが、緊張力が導入された状態のPC鋼線2を切断するため、切断の際に安全措置を講じる必要があり、例えば、防護窓付きのジャッキチェア(図示しない)を用いることが望ましい。勿論、これに限ることはなく、緊張ジャッキの反力を伝達できる支持台等の機具を用いてもよい。
1......コンクリート製PC部材
2......PC鋼線(PC鋼より線)
3......シース
31......トランペットシース
32......ジョイントシース
33......グラウト注入口
34......注入ホース
4......アンカープレート
41......不陸調整プレート
42......ゴムパッキン
5......アンカーヘッド
51......リングナット
53......クサビ
6......ジャッキチェア
7......ジャッキ
71......油圧ジャッキ
72......緊張プレート
8......定着箱抜き部(切欠)
81......定着面
82......トップコンクリート
9......グラウト
91......グラウト面
a......所定間隔(空間)
本発明の実施例1の施工手順図。 空間形成の他の例の施工手順図。 空間形成の他の例の施工手順図。 従来技術のポストテンシン方式の定着部断面図。 ポストテンション方式を適用したPC構造物の柱梁図。
図2は、ジャッキを使用して空間を形成した例である。
(1)PC部材1に設置されたPC鋼線2が挿通されるシース3の先端部が、定着箱抜き部8の定着面81より所定長さ突出させてあり、シース3の端部開口が定着箱抜き部8に露出している。定着面81には不陸調整用プレート41を必要に応じて設置する。
(2)複数のPC鋼より線からなるPC鋼線2をシース3に挿入し、端部に緊張に必要な長さを確保して切断する。
次に、緊張ジャッキ7によってPC鋼線2を緊張し、所定の緊張力に達したところでアンカーヘッド5に装着されたクサビ53によってPC鋼線2をアンカーヘッド5に定着してPC部材1にプレストレス力の付与が完了したら緊張ジャッキ7を撤去する。
図2の例においては、油圧ジャッキ71によって形成された間隔aを利用してPC部材1の定着面81から定着箱抜き部8に露出させた複数のPC鋼線2を拡げてアンカーヘッド5の挿通穴に通すことができるので、実施例1で使用したトランペットシースは必要でない。
(4)シース3の端部開口からグラウトを注入して養生する。シース3の先端を予め定着面81より所定長さ突出させてあるのでグラウト9がシース3に充填されるとシース3の端部開口からグラウト9が溢出することでグラウト9がシース3の内部に充填されたことを確認することができる。なお、91は注入されたグラウト面を示す。
(5)注入したグラウト9を所定強度に達するまで養生し、グラウト9が硬化してPC鋼線2がグラウト9との付着力によって定着される。
(6)油圧ジャッキ71を緩めて延ばしてあったストロークを元に戻してアンカーヘッド5と緊張プレート72の間に形成された空間内の定着面81から露出しているPC鋼線2に導入されていた緊張力を解放する。
次に、油圧ジャッキ71の間の空間を使用してガスバーナー等の切断手段によってPC鋼線2を切断し、アンカープレート4、アンカーヘッド5及びクサビ53等の定着具を回収する。
(7)定着箱抜き部8の中にコンクリート10を打設して仕上げを行ってプレストレス導入が完了する。
図2の例では、油圧ジャッキ71を用いることによって、実施例1で必要とされた再緊張の手間を省くことができ、そして、油圧ジャッキ71で空間を形成するため、トランペットシースとジョイントシースが不要となり、コストを更に低減可能である。
一方、グラウト養生期間中からPC鋼線を切断するまでは油圧ジャッキ71が必要のため、早期に強度発現するグラウト材を使用することが望ましい。短時間でグラウトを硬化させることによって油圧ジャッキ71の回転率を高めることができ、多数の油圧ジャッキを準備することなく数多くのPC鋼線の定着箇所に効率よく使いまわすことができ、コストを軽減することができる。
他の空間形成方法の例を図3に基づいて説明する。
手順(1)〜(2)は図2の方法と同様である。
(3)不陸調整プレート41の上面にアンカープレート4を設置し、アンカープレート4の上にジャッキチェア6を設置し、更にアンカーヘッド5を設置する。このジャッキチェア6によってアンカーヘッド5とアンカープレート4の間に所定間隔aを確保するものである。次にアンカーヘッド5にクサビ53を装着し、緊張ジャッキ7を設置する。
次に、緊張ジャッキ7を用いてPC鋼線2を所定の緊張力で緊張し、クサビ53によってアンカーヘッド5にPC鋼線2を定着し、PC部材1にプレストレス力を導入し、緊張定着後ジャッキ7を撤去する。
(4)図2と同様であり、グラウト9をシース3内に注入して養生する。シース3の先端を予め定着面81より所定長さ突出させてあるのでグラウト9がシース3に充填されるとシース3の端部からグラウト9が溢出することでグラウト9がシース3の内部に充填されたことを確認することができる。なお、91は注入されたグラウト面を示す。
(5)注入したグラウト9を所定強度に達するまで養生し、グラウト9が硬化してPC鋼線2がグラウト9との付着力によって定着される。
(6)ジャッキチェア6の空間を使用し、緊張力が導入された状態のPC鋼線2をガスバーナー等の切断手段によって切断し、アンカープレート4、アンカーヘッド5及びクサビ53等の定着具を回収する。
(7)定着箱抜き部8(切欠き)中にコンクリート10を打設して仕上げを行ってプレストレス導入が完了する。
この方法は、緊張力が導入された状態のPC鋼線2を切断するため、切断の際には安全策として防護窓付きのジャッキチェア(図示しない)を用いることが望ましい。

Claims (4)

  1. ポストテンション方式によりプレストレストコンクリート部材にプレストレス力を付与する方法であって、PC鋼線を定着するアンカーヘッドをアンカープレートから所定の距離をおいて設置することによってそれらの間に空間を形成し、所定の緊張力をPC鋼線に導入して定着した後、シース内にグラウトを注入して硬化させてグラウトとPC鋼線の付着力によってPC鋼線の緊張状態を維持して定着し、前記アンカープレートとアンカーヘッドの間の空間に露出したPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法。
  2. 請求項1において、リングナット付きアンカーヘッドのリングナットをアンカーヘッドから延ばすことによってアンカーヘッドとアンカープレートの間に空間を形成し、シース内のグラウトが硬化してPC鋼線がグラウトとの付着力によって定着された後、リングナットを緩めて、空間に露出したPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法。
  3. 請求項1において、アンカーヘッドとアンカープレートとの間に複数のジャッキを設置することによってアンカープレートとアンカーヘッドの間に空間を形成し、シース内のグラウトが硬化してPC鋼線がグラウトとの付着力によって定着された後、ジャッキを緩めて、ジャッキの間に露出したPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法。
  4. 請求項1において、アンカーヘッドとアンカープレートとの間にジャッキチェアを介在させて所定の空間を形成し、シース内のグラウトが硬化してPC鋼線がグラウトとの付着力によって定着された後、ジャッキチェアの空間を利用してPC鋼線を切断して定着具を回収するPC構造物のプレストレス導入法。
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