以下に、第1の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、第1の実施の形態に係る電気車10を概略的に示す側面図である。電気車10は、車両11を有する。車両11は、四対の車輪21A,21B,21C,21Dと、四つのモータ22A,22B,22C,22Dと、四つのインバータ23A,23B,23C,23Dと、四つの制御装置24A,24B,24C,24Dと、を有する。
第1の実施形態において、車輪21A,21B,21Cは、第1の車輪の一例である。車輪21Dは、第2の車輪の一例である。モータ22A,22B,22Cは、第1の電動機の一例である。モータ22Dは、第2の電動機の一例である。
車輪21Aは、車両11の進行方向において最も前(先頭)に位置する。車輪21Dは、車両11の進行方向において最も後ろ(最後尾)に位置する。車輪21B及び車輪21Cは、車輪21Aと車輪21Dとの間に位置する。
車輪21A,21B,21C,21Dと、モータ22A,22B,22C,22Dとは、車両11に設けられた台車枠にそれぞれ取り付けられる。車輪21A,21B,21C,21Dは、車軸及びギアを介して、対応するモータ22A,22B,22C,22Dのモータ軸にそれぞれ結合される。
車輪21A,21B,21C,21Dは、対応するモータ22A,22B,22C,22Dによってそれぞれ駆動される。車輪21A,21B,21C,21Dは、レールRに乗せられ、回転することによってレールRとの間にそれぞれ接線力を生じさせる。
モータ22A,22B,22C,22Dは、例えば三相誘導電動機である。モータ22A,22B,22C,22Dは、例えば、回転数検出器(パルスジェネレータ)をそれぞれ有する。当該回転数検出器は、モータ22A,22B,22C,22Dのモータ軸の回転数に係る信号をそれぞれ出力する。
インバータ23A,23B,23C,23Dは、交流電力(一例としては三相交流)を出力する電力変換装置である。インバータ23A,23B,23C,23Dは、例えば、出力交流電力の実効電圧ならびに周波数を可変制御するいわゆるVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータである。
インバータ23A,23B,23C,23Dは、上記交流電力を出力することで、対応するモータ22A,22B,22C,22Dをそれぞれ駆動させる。なお、一台のインバータが、モータ22A,22B,22C,22Dを駆動しても良い。
制御装置24A,24B,24C,24Dは、対応するインバータ23A,23B,23C,23Dをそれぞれ制御する。制御装置24A,24B,24C,24Dは、ライン28,29によって互いに電気的に接続される。
図2は、電気車制御装置を含むシステムの一例を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置24A,24B,24Cは、速度演算部31A,31B,31Cと、加算部32A,32B,32Cと、トルク制御部33A,33B,33Cと、インバータ制御回路34A,34B,34Cと、をそれぞれ有する。
制御装置24Dは、速度演算部31Dと、トルク制御部33Dと、インバータ制御回路34Dと、を有する。トルク制御部33Dは、加速度検知部36Dと、トルク絞り・復帰演算部37Dと、トルク指令パターン出力部38Dと、加算部39Dと、を有する。
速度演算部31A,31B,31C,31Dと、加算部32A,32B,32Cと、トルク制御部33A,33B,33C,33Dとの各部は、一例としては、コンピュータのCPU(central processing unit)がプログラム(ソフトウエア、アプリケーション)に従って動作することによって、実現される。プログラムや当該プログラムで用いられるデータ等は、コンピュータのHDD(hard disk drive)等の記憶部に記憶される(インストールされる)。
速度演算部31A,31B,31C,31Dは、車輪速度取得部の一例である。速度演算部31A,31B,31C,31Dは、対応するモータ22A,22B,22C,22Dの前記回転数検出器から、当該モータ22A,22B,22C,22Dの回転数に係る信号をそれぞれ取得する。
速度演算部31A,31B,31C,31Dは、上記回転数信号から、モータ22A,22B,22C,22Dによって駆動する車輪21A,21B,21C,21Dの回転する速度(車輪速度V1,V2,V3,V4[km/h])を演算する。車輪速度V4は、基準速度の一例である。
車輪速度V1,V2,V3,V4は、車輪21A,21B,21C,21Dを駆動するモータ22A,22B,22C,22Dの回転数から、例えば、ギヤ比等を用いて算出される。また、速度演算部31A,31B,31C,31Dは、車輪21A,21B,21C,21Dの回転速度[rpm]や角速度[rad/s]を演算しても良い。
加算部32A,32B,32Cは、速度演算部31A,31B,31Cから取得された車輪速度V1,V2,V3から、速度演算部31Dから取得された車輪速度V4を減算して、減算結果である車輪速度V1,V2,V3と車輪速度V4との差分を、車輪21A,21B,21Cにおけるすべり速度Vsとして算出する。制御装置24Dは、ライン29を通じて、車輪速度V4に係る信号を制御装置24A,24B,24Cに送る。
トルク制御部33A,33B,33Cは、第1の制御部の一例である。トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪21A,21B,21Cにおけるすべり速度Vsを用いて、インバータ制御回路34A,34B,34Cに指令トルクTrに係る信号を出力する。
具体的に説明すると、例えば、トルク制御部33Aは、トルク低減演算部37Aと、トルク指令パターン出力部38Aと、加算部39Aと、を有する。トルク低減演算部37Aは、以下に詳述する切替部41からの指令信号に従い、すべり速度Vsに応じたトルク低減量を演算する。トルク低減演算部37Aは、当該トルク低減量に係る信号を出力する。
加算部39Aは、トルク指令パターン出力部38Aから取得したトルク指令値から、トルク低減演算部37Aから取得したトルク低減量を減算する処理を行い、最終的なトルク指令Trを出力する。加算部39Aは、トルク指令Trに係る信号を、インバータ制御回路34Aに出力する。
なお、トルク制御部33B,33Cは、トルク制御部33Aと同様の構成を有するとともに、同様の動作を行なう。このため、図2において、トルク制御部33B,33Cの詳細な構成は省略される。
図3は、トルク制御部33A,33B,33Cが利用する関数Fと、すべり速度−接線力特性(以下、特性と称する)Cr1,Cr2,Cr3と、の一例を示すグラフである。関数Fは、車輪21A,21B,21Cのすべり速度Vsと、トルク制御部33A,33B,33Cがそれぞれ出力する指令トルクTrとの関係を規定する。
トルク制御部33A,33B,33Cは、図3の関数Fに示すように、すべり速度Vsに応じた指令トルクTrに係る信号を出力する。本実施形態における関数Fは、すべり速度Vsが増大するにつれて指令トルクTrが減少する単調減少関数(本実施形態では、一例として一次関数)である。なお、関数Fはこれに限らない。
例えば、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪速度V1,V2,V3と車輪速度V4との差であるすべり速度Vsが大きくなるに従って、指令トルクTrの値を小さくする。言い換えると、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪21Aの空転に応じて指令トルクTrを絞る(低減させる)。一方、トルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsが小さくなるに従って、指令トルクTrの値を大きくする。すなわち、トルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsに基づく空転再粘着制御を行なう。
実線で示される特性Cr1は、車輪とレールRとの間に水が存在する場合、当該水が所定の温度であるときのトルク(接線力に車輪の半径を乗じた値)Ttとすべり速度Vsとの関係を示す。一方、二点鎖線で示される特性Cr2は、車輪とレールRとの間に存在する水の温度が特性Cr1における温度よりも高い場合における、トルクTtとすべり速度Vsとの関係を示す。特性Cr3は、車輪とレールRとの間に水が存在しない(車輪とレールRとが乾いている)場合における、トルクTtとすべり速度Vsとの関係を示す。
車輪とレールRとの間に水が存在する場合、トルク制御部33A,33B,33Cが関数Fに基づいて指令トルクTrを制御することで、時間の経過とともに、すべり速度Vs及び指令トルクTrは、関数Fと特性Cr1,Cr2との交点P1,P2(動作点)の状態になる。すなわち、すべり速度Vs及び指令トルクTr(動作点)は、関数F上を移動して、水の温度により、交点P1又は交点P2に到達する。
関数Fにおいて、すべり速度Vsが0km/hである場合の指令トルクTr、すなわち図3の点P3の値は、マスターコントローラ(マスコン)のような入力操作部から入力された入力指令値と、対応するモータ22A,22B,22Cの回転する速度と、に応じたトルク指令値である。前記入力指令値は、例えば、ノッチの位置(段)を示す値である。トルク指令値は、例えば、モータ22A,22B,22Cの回転する速度に対するトルク指令値の関数に基づき、回転する速度に応じた値として決定される。また、当該関数は、入力指令値毎に複数設定される。
上述のような車輪21A,21B,21CとレールRとの間に水が存在する場合、マスコンからの入力指令値通りにモータ22A,22B,22Cが駆動させられると、車輪21A,21B,21Cが空転する。モータ22A,22B,22Cのトルクは、車輪21A,21B,21Cにおけるすべり速度Vsに応じて絞られることで、図3の交点P1又はP2の状態に収束する。
一方、晴天時のような車輪21A,21B,21CとレールRとの間に水が存在しない場合、すべり速度−接線力特性は、図3に示される特性Cr3のようになる。このため、車輪21A,21B,21Cは空転せず(すべり速度Vsが0km/s)、モータ22A,22B,22Cのトルクは交点P3の状態に収束する。
上述のような車輪21A,21B,21CとレールRとの間に水が存在する場合、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪21A,21B,21CとレールRとの間に、継続的に空転が生じるような(一定のすべり速度Vsが生じるような)指令トルクTrを出力する。すなわち、すべり速度Vsは継続的に0より大きくされる。言い換えると、車輪速度V1,V2,V3は、車輪速度V4よりも速くされる。
トルク制御部33A,33B,33Cは、例えば、すべり速度Vs(車輪速度V1,V2,V3と車輪速度V4との差)が、5km/h以内又は車輪速度V4の10%以内となるように、指令トルクTrの値を変化させる。言い換えると、関数Fは、交点P1,P2におけるすべり速度Vsが、5km/h以下又は車輪速度V4の10%以下となる関数である。なお、関数Fはこれに限らない。
図2に示すトルク制御部33Dは、第2の制御部の一例である。トルク制御部33Dの加速度検知部36Dは、速度演算部31Dから、車輪速度V4に係る速度信号を取得する。加速度検知部36Dは、車輪速度V4の変化率(加速度)を求め、当該変化率が所定値以上になったことにより空転を判別する。
トルク絞り・復帰演算部37Dは、加速度検知部36Dが出力した空転判別信号に応じて、トルク絞り量又は復帰量を演算出力する。例えば、トルク絞り・復帰演算部37Dは、車輪速度V4の変化率に対するトルク絞り量又は復帰量の関数を有し、当該関数に従ってトルク絞り量又は復帰量を出力する。
トルク指令パターン出力部38Dは、例えばマスコンのような入力操作部から入力された入力指令値と、モータ22Dの回転速度と、に応じたトルク指令値を出力する。前記入力指令値は、例えば、ノッチの位置(段)を示す値である。トルク指令値は、例えば、モータ22Dの回転速度に対するトルク指令値の関数に基づいて、回転速度に応じた値として決定される。当該関数は、入力指令値毎に複数設定される。
加算部39Dは、トルク指令パターン出力部38Dより出力されたトルク指令値から、トルク絞り・復帰演算部37Dの出力を減算し、減算結果である最終的な指令トルクTrを出力する。加算部39Dは、当該指令トルクTrをインバータ制御回路34Dに出力する。
トルク制御部33Dは、車輪21Dが空転したときに、車輪21Dの空転を解消するように指令トルクTrを低減させる。例えば、車輪21Dが空転すると、空転が生じた時点で空転検知フラグがセットされ、指令トルクTrが比較的急峻に絞られる(低減する)。車輪21DがレールRに再粘着すると、空転検知が解除され、時定数τの一次遅れ関数で指令トルクTrが復帰させられる。すなわち、トルク制御部33Dは、加速度に基づく空転再粘着制御を行なう。当該方法は、車輪21Dをより確実に再粘着でき、車輪21Dの車輪速度V4を安定化しやすい。
車輪21Dの車輪速度V4は、車輪21A,21B,21Cの車輪速度V1,V2,V3よりも遅い。このため、車輪速度V4は、車両11の速度(車両速度)を与える基準速度として利用される。
トルク制御部33Dは、車輪21Dに空転が生じないように(すべり速度が0となるように)、上述の加速度に基づく空転再粘着制御により指令トルクTrを出力する。このため、車輪速度V4は、車両速度に基本的に等しい。
インバータ制御回路34A,34B,34C,34Dは、インバータ23A,23B,23C,23Dに含まれる複数の半導体素子(例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)等)の動作(オンオフ)を制御する。インバータ制御回路34A,34B,34C,34Dは、例えば前記CPUに設けられる。
インバータ制御回路34A,34B,34C,34Dは、取得した指令トルクTrに係る信号に基づいて、対応するインバータ23A,23B,23C,23Dを制御し、ひいてはモータ22A,22B,22C,22Dを制御する。すなわち、トルク制御部33A,33B,33C,33Dは、間接的にモータ22A,22B,22C,22Dを駆動させる。
以上説明したように、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪21A,21B,21Cの速度が、車輪速度V4で回転する車輪21Dの速度を上回るように、モータ22A,22B,22Cを駆動させる。すなわち、車輪21A,21B,21Cは、継続的に空転させられる。
車輪21A,21B,21Cが継続的に空転することで、車輪21A,21B,21CとレールRとの間に摩擦熱が発生する。例えば雨によって車輪21A,21B,21CとレールRとの間に水が介在する場合、当該摩擦熱によって、水の温度が上昇する。
一般的に、車輪の接線力は、車輪とレールとの双方に存在する面の粗さによって、それぞれの面に形成された凸部同士が噛み合うことにより発生する。車輪とレールとの間に水が入ると、当該凸部同士の噛み合わせが少なくなり、車輪とレールとの間の接触面積が低下する。これにより、車輪とレールとの間の摩擦力が低下し、車輪の接線力が低下する。
基本的に、水は温度が低いと粘度が増加し、温度が高いと粘度が低下する。このため、温度が低い場合、車輪とレールとの間に存在する水膜の厚さが厚くなり、車輪とレールとの凸部同士の噛み合わせが少なくなる。したがって、車輪とレールとの間の接触面積が小さくなり、車輪とレールとの間の摩擦係数(接線力係数)が下がり、ひいては車輪の接線力が下がる。
一方、水の温度が上がると、車輪とレール間に存在する水膜の厚さが薄くなり、車輪とレールとの凸部同士の噛み合わせが多くなる。したがって、車輪とレールとの間の接触面積が大きくなり、車輪とレールとの間の摩擦係数(接線力係数)が高くなり、ひいては車輪の接線力が高くなる。
接線力係数は、車輪にかかる車重(輪重)に対する、車輪がレールを蹴る力(車輪とレールとの間の摩擦力、接線力)の割合である。接線力係数が大きいほど、所定の輪重に対して大きな駆動力が得られる。
上述のように、摩擦熱によって車輪21A,21B,21CとレールRとの間の水の温度が上昇することで、当該水の粘度が低下する。このため、車輪21A,21B,21C,21DとレールRとの間の接触面積が大きくなり、車輪21A,21B,21C,21DとレールRとの間の摩擦係数(接線力係数)が大きくなる。したがって、車輪21A,21B,21C,21Dの接線力が大きくなる。
例えば、図3に示すように、同じすべり速度Vsに対し、水の温度が高い場合における特性Cr2のトルクTtは、水の温度が低い場合における特性Cr1のトルクTtよりも高い。すなわち、温度が高いほど、すべり速度Vsに対するトルクTt(接線力)は大きくなる。
摩擦熱によって車輪21A,21B,21CとレールRとの間の水の温度が上昇すると、例えば、すべり速度VsとトルクTtとの関係が、特性Cr1から特性Cr2に変化する。これにより、すべり速度Vs及び指令トルクTrの動作点は、交点P1から交点P2に移動する。交点P2における指令トルクTrは、交点P1における指令トルクTrよりも高い。従って、水の温度上昇に伴って車輪21A,21B,21Cの接線力が大きくなる。
図2に示すように、トルク制御部33A,33B,33Cは、切替部41から指令信号を受け、当該指令信号に応じて制御内容を変更することが一例として考えられる。
トルク制御部33A,33B,33Cは、上述のように、車輪速度V1,V2,V3が常に車輪速度V4を上回るように、モータ22A,22B,22Cを駆動させる。しかし、前記指令信号を受けることで、トルク制御部33A,33B,33Cは、例えば、車輪速度V1,V2,V3が一時的に車輪速度V4に等しくなるように、モータ22A,22B,22Cを駆動するようになる。
例えば、レールRに水が付着しない晴れの日において、電気車10の運転手が、コントローラのような入力装置によって切替部41を操作する。または、切替部41が、電気通信回線を通じて、天気情報のような外部情報を取得する。
当該操作又は外部情報に応じて、切替部41は指令信号を出力する。これにより、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪速度V1,V2,V3が車輪速度V4に等しくなるようにする。すなわち、車輪21A,21B,21CとレールRとの間に空転が生じることが抑制される。
トルク制御部33A,33B,33Cはこれに限らず、例えば、前記指令信号を取得すると、すべり速度Vsがより小さくなるように、モータ22A,22B,22Cを駆動しても良い。例えば、雨の日において、トルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsが5km/h以内となるような指令トルクTrを出力する。一方、晴れの日に指令信号を取得したトルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsが2km/h以内となるような指令トルクTrを出力する。
以上説明したように、例えば晴れの日と雨の日とで制御を変更することで、車輪21A,21B,21CとレールRとの間に過大な空転が発生することが抑制される。しかし、当該制御変更がされない場合であっても、上述のように、晴れの日は図3のすべり速度−接線力特性の曲線が上昇する(例えば特性Cr1から特性Cr3に移動する)。このため、すべり速度Vsは十分小さくなり、車輪21A,21B,21CとレールRとの間の空転の発生は殆ど抑制される。
第1の実施の形態において、トルク制御部33A,33B,33Cは、車輪21A,21B,21Cの速度が、車輪速度V4で回転する車輪21Dの速度を上回るように、モータ22A,22B,22Cを駆動させる。これにより、車輪21A,21B,21CとレールRとの間で摩擦熱が生じ、より大きい接線力を得ることができる。
トルク制御部33Dは、車輪21Dが空転したときに、車輪21Dの空転を解消するように指令トルクTrを絞る。これにより、車輪21Dの空転に伴って車輪21A,21B,21Cのすべり速度Vsが過大になることを抑制できる。
トルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsが5km/h以内となるような指令トルクTrをそれぞれ出力する。又は、トルク制御部33A,33B,33Cは、すべり速度Vsが車輪速度V4の10%以内となるような指令トルクTrをそれぞれ出力する。これにより、それぞれの車輪21A,21B,21CとレールRとの間のすべり速度Vsが過大になることによるそれぞれの車輪21A,21B,21CとレールRとの磨耗を抑制できる。
なお、第1の実施形態において、車輪速度V4が基準速度の一例であったが、基準速度はこれに限らない。例えば、車輪速度V1〜V4における最小の値(車輪21A,21B,21C,21Dの最も遅いいずれか一つの回転する速度)が基準速度とされても良い。この場合、車輪速度V1〜V4と当該基準速度との差がすべり速度Vsとなる。これにより、より確実な車両速度が得られる。
第1の実施形態において、車両11の進行方向の最も後ろに位置する車輪21Dが第2の車輪の一例である。車両11の加速時には車重が進行方向後ろ寄りに偏り、進行方向後ろ寄りの軸重が大きくなる。このため、一般的に、後ろ寄りの車輪21Dが、他の車輪21A,21B,21Cよりも大きな接線力を得ることができる。
さらに、進行方向前寄りにある車輪21AがレールRを通過することで、レールRに付着する水が排除される。このため、進行方向後ろ寄りの車輪21Dは空転することが抑制され、基準速度を得るように制御されやすい。
しかし、第2の車輪は車輪21Dに限らず、例えば車輪21Aが第2の車輪の一例であっても良い。この場合、接線力が小さい車輪21Aのトルクを絞ることにより基準速度である車輪速度V1を得るとともに、より大きな接線力が得られる車輪21B,21C,21Dがそれぞれ車輪速度V1を上回る速度で回転するように駆動する。これにより、駆動力を稼ぐことができる。なお、第2の車輪は、車輪21B,21Cのいずれか一方であっても良く、特定の位置にある車輪に限定されない。
第1の実施形態において、一対の車輪21Dの車輪速度V4のみが基準速度の一例である。しかし、基準速度はこれに限らず、複数の車輪の回転する速度が基準速度の一例であっても良い。例えば、トルク制御部33Dのみならず、トルク制御部33Cが加速度に基づく空転再粘着制御を行い、車輪速度V3と車輪速度V4とが等しくなるようにモータ22Cが駆動しても良い。この場合、車両速度V3が基準速度として利用されても良い。
以下に、第2の実施の形態について、図4を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図4は、第2の実施の形態に係る電気車10を概略的に示す側面図である。図4に示すように、第2の実施形態の電気車10は、複数の車両11A,11B,11C,11D,11Eを含む車両編成(列車編成、編成)である。
車両11Aは、電気車10の進行方向の最も前(先頭)に位置する。車両11Eは、電気車10の進行方向の最も後ろ(最後尾)に位置する。車両11B,11C,11Dは、車両11Aと車両11Eとの間に位置する。車両11A,11Eは付随車両であり、車両11B,11C,11Dは駆動車両である。
車両11Aは、四対の車輪21Aと、第1の情報制御装置51とを有する。車両11Eは、四対の車輪21Eと、第2の情報制御装置52とを有する。車輪21A,21Eは、非駆動車輪であり、モータ等によっては回転させられない。第1の情報制御装置51及び第2の情報制御装置52は、車両11A,11B,11C,11D,11Eに亘って設けられるライン54,55にそれぞれ電気的に接続される。
車両11B,11C,11Dは、四対の車輪21B,21C,21Dと、四つのモータ22B,22C,22Dと、インバータ23B,23C,23Dと、制御装置24B,24C,24Dと、をそれぞれ有する。なお、図4において、図面の簡略化のため、インバータ23B,23C,23Dと、対応する制御装置24B,24C,24Dとは、一体的に示される。
第2の実施形態において、一つのインバータ23B,23C,23Dが、対応する四つのモータ22B,22C,22Dをそれぞれ並列に駆動する。なお、第1の実施形態と同じように、四つのモータ22B,22C,22Dを個別に駆動する四つのインバータが設けられても良い。
制御装置24B,24C,24Dは、ライン54,55を介して互いに電気的に接続される。すなわち、ライン54,55は、制御装置24B,24C,24Dと、第1の情報制御装置51と、第2の情報制御装置52とを電気的に接続する。
第2の実施形態において、車輪21Dの回転する速度が基準速度の一例である。制御装置24Dは、上述の加速度に基づく空転再粘着制御を行い、四対の車輪21Dの空転を抑制する。車輪21Dの回転する速度は、車輪21B,21Cの回転する速度よりも遅い。このため、車輪21Dの回転する速度が、電気車10の速度(車両速度)を与える基準速度として利用される。
制御装置24Dは、モータ22Dから取得したモータ22Dの回転数に係る信号から、車輪21Dの回転する速度を演算する。制御装置24Dは、車輪21Dの回転する速度(基準速度)に係る信号を、ライン54を通じて、制御装置24B,24Cと、第1の情報制御装置51と、第2の情報制御装置52とに出力する。
制御装置24B,24Cは、制御装置24Dと同様に、車輪21B,21Cの回転する速度に係る信号を、ライン55を通じて、制御装置24Dと、第1の情報制御装置51と、第2の情報制御装置52とにそれぞれ出力する。
制御装置24B,24Cは、車輪21B,21Cの速度が、基準速度で回転する車輪21Dの速度を上回るように、モータ22B,22Cをそれぞれ駆動させる。このため、車輪21B,21Cは、それぞれレールRに対して空転する。
制御装置24B,24Cは、上述のすべり速度に基づく空転再粘着制御を行なう。例えば、制御装置24B,24Cは、すべり速度(車輪21B,21Cの速度と車輪21Dの速度との差)が、5km/h以内又は車輪21Dの速度の10%以内となるように、指令トルクの値をそれぞれ変化させる。
第2の実施形態において、車両編成である電気車10の一つの車両11Dの車輪21Dの速度が、基準速度の一例である。制御装置24B,24Cは、車輪21B,21Cの速度が、基準速度で回転する車輪21Dの速度を上回るように、モータ22B,22Cをそれぞれ駆動させる。これにより、それぞれの車輪21B,21CとレールRとの間で摩擦熱が生じ、より大きい接線力を得ることができる。
第2の実施形態において、車輪21Dが、第2の車輪の一例である。しかし、車輪21B,21Cの少なくとも一方が第2の車輪の一例であっても良い。この場合、当該車輪21B,21Cの速度が基準速度の一例である。
なお、第2の実施形態において、車輪21Dの速度が基準速度の一例であったが、基準速度はこれに限らない。例えば、最も回転する速度が遅い車輪21A,21B,21Cのいずれか一つの速度が基準速度とされても良い。これにより、より確実な車両速度が得られる。
例えば、第1及び第2の情報制御装置51,52は、取得した車輪21B,21C,21Dのそれぞれの速度の最小値を、基準速度として選択する。第1及び第2の情報制御装置51,52は、当該基準速度に係る信号を制御装置24B,24C,24Dに出力する。
第2の実施形態において、四つの車輪21Dの回転する速度が、基準速度の一例である。しかし、車両11Dの四対の車輪21Dが、個別にインバータによって駆動させられ、当該四対の車輪21Dの中の一対の速度が基準速度であっても良い。この場合、当該四対の車輪21Dの他の三対は、基準速度を上回る速度で回転させられる。
以下に、第3の実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、第3の実施の形態に係る電気車10を概略的に示す側面図である。図5に示すように、第3の実施形態の電気車10は、複数の車両11A,11B,11C,11D,11Eを含む車両編成(列車編成、編成)である。
図6は、第3の実施形態の電気車制御装置を含むシステムの一例を示すブロック図である。図6に示すように、車両11A,11Eは、それぞれ、車輪速度検知装置57,58を有する。車輪速度検知装置57,58は、例えば、速度発電機(タコジェネレータ)である。
車輪速度検知装置57,58は、非駆動車輪である車輪21A,21Eの回転する速度(車輪速度)VA,VEをそれぞれ検知する。車輪21A,21Eは、第2の車輪の一例である。
例えば、車輪速度検知装置57,58は、車輪21A,21Eが結合された車軸に取り付けられる。非駆動車輪である車輪21A,21Eの車輪速度VA,VEは、電気車10の速度(車両速度)に基本的に等しく、車両速度を与える基準速度として利用される。
車輪速度検知装置57は、第1の情報制御装置51に、車輪21Aの回転する速度VAに係る信号を出力する。車輪速度検知装置58は、第2の情報制御装置52に、車輪21Eの回転する速度VEに係る信号を出力する。
第1の情報制御装置51及び第2の情報制御装置52は、車輪速度VA,VEのいずれか小さい方の値を基準速度として選択する。第1及び第2の情報制御装置51,52は、当該基準速度に係る信号を、ライン55を通じて制御装置24B,24C,24Dに出力する。すなわち、制御装置24B,24C,24Dは、車輪速度検知装置57,58が検知した車輪速度VA,VEを取得する。第1及び第2の情報制御装置51,52が車輪速度VA,VEの両方を得ることで、冗長性が得られ、確実な車両速度が得られる。
なお、車輪速度検知装置57,58のいずれか一方のみが設けられても良い。すなわち、車輪速度VA,VEのいずれか一方のみが検知され、検知された当該車輪速度VA,VEのいずれか一方のみが基準速度として出力されて良い。
制御装置24B,24C,24Dは、車輪21B,21C,21Dの速度が、車輪速度VA,VEで回転する車輪21A,21Eの速度を上回るように、モータ22B,22C,21Dをそれぞれ駆動させる。このため、車輪21B,21C,21Dは、レールRに対してそれぞれ空転する。
制御装置24B,24C,24Dは、上述のすべり速度に基づく空転再粘着制御をそれぞれ行なう。制御装置24B,24C,24Dの制御の一例について、以下に具体的に説明する。
制御装置24B,24C,24Dの速度演算部31B,31C,31Dは、車輪21B,21C,21Dの回転する速度(車輪速度)VB,VC,VDをそれぞれ出力する。加算部32B,32C,32Dは、車輪速度VB,VC,VDから、第1及び第2の情報制御装置51,52から取得された車輪速度VA又は車輪速度VEを減算して、減算結果を車輪21B,21C,21Dにおけるすべり速度Vsとして算出する。トルク制御部33B,33C,33Dは、例えば図3の関数Fを用いて、すべり速度Vsに応じた指令トルクTrに係る信号をそれぞれ出力する。
トルク制御部33B,33C,33Dは、すべり速度Vs(車輪速度VB,VC,VDと車輪速度VA又は車輪速度VEとの差)が、5km/h以内又は車輪21Dの速度の10%以内となるように、指令トルクTrの値をそれぞれ変化させる。
第3の実施形態において、非駆動車輪である車両11A,11Eの車輪21A,21Eの車輪速度VA,VEが、基準速度の一例である。制御装置24B,24C,24Dは、車輪21B,21C,21Dの速度が、基準速度で回転する車輪21A,21Eの速度を上回るように、モータ22B,22C,22Dをそれぞれ駆動させる。これにより、それぞれの車輪21B,21C,21DとレールRとの間で摩擦熱が生じ、より大きい接線力を得ることができる。
第3の実施形態において、車両11A,11Eの四対の車輪21A,21Eは、非駆動車輪である。しかし、四対の車輪21A,21Eのいくつかがインバータによって駆動させられ、四対の車輪21A,21Eの他のいくつかが非駆動車輪であっても良い。この場合、非駆動車輪であるいくつかの21A,21Eの回転する速度が基準速度として利用される。インバータによって駆動される他の車輪21A,21Eは、非駆動車輪である21A,21Eの速度を上回る速度で回転させられる。
以下に、第4の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、第4の実施の形態に係る電気車10を概略的に示す側面図である。図7に示すように、第4の実施形態の電気車10の車両11は、四対の車輪21A,21B,21C,21Dと、四つのモータ22A,22B,22C,22Dと、四つのインバータ23A,23B,23C,23Dと、四つの制御装置24A,24B,24C,24Dと、基準速度演算部61を有する。基準速度演算部61は、基準速度算出部の一例である。
基準速度演算部61は、一例としては、コンピュータのCPUがプログラムに従って動作することによって、実現される。プログラムや当該プログラムで用いられるデータ等は、コンピュータのHDD等の記憶部に記憶される。基準速度演算部61は、ライン28,29によって、制御装置24A,24B,24C,24Dに電気的に接続される。
図8は、第4の実施形態の電気車制御装置を含むシステムの一例を示すブロック図である。図8に示すように、制御装置24A,24B,24C,24Dは、速度演算部31A,31B,31C,31Dと、加算部32A,32B,32C,32Dと、トルク制御部33A,33B,33C,33Dと、インバータ制御回路34A,34B,34C,34Dと、をそれぞれ有する。
速度演算部31A,31B,31C,31Dは、車輪21A,21B,21C,21Dの回転する速度(車輪速度)V1,V2,V3,V4に係る信号を、ライン28を通じて、基準速度演算部61にそれぞれ出力する。基準速度演算部61は、車輪速度V1,V2,V3,V4の最も遅いいずれか一つを基準速度として選択する。基準速度演算部61は、当該基準速度を、ライン29を通じて、加算部32A,32B,32C,32Dに出力する。
最も遅い車輪速度V1,V2,V3,V4は、車両11の速度(車両速度)と基本的に等しい。このため、基準速度として利用される車輪速度V1,V2,V3,V4の最も遅いいずれか一つは、車両速度の推定値となる。
例えば、車輪速度V1が他の車輪速度V2,V3,V4より遅い場合、基準速度演算部61は、車輪速度V1を基準速度として出力する。加算部32B,32C,32Dは、車輪速度V2,V3,V4から車輪速度V1を減算して、車輪21B,21C,21Dにおけるすべり速度Vsを算出し、当該すべり速度Vsに係る信号を出力する。トルク制御部33B,33C,33Dは、例えば図3の関数Fを用いて、すべり速度Vsに応じた指令トルクTrに係る信号をそれぞれ出力する。
加算部32Aは、速度演算部31Aが出力した車輪速度V1から、基準速度演算部61が出力した車輪速度V1を減算する。このため、加算部32Aは、車輪21Aにおけるすべり速度Vsとして0km/hを出力する。このため、トルク制御部33Aは、指令トルクTrの低減を行なわない。
このように、トルク制御部33B,33C,33Dは、車輪21B,21C,21Dの速度が、車輪速度V1(基準速度)で回転する車輪21Aの速度を上回るように、モータ22B,22C,22Dをそれぞれ駆動させる。このため、車輪21B,21C,21Dは、それぞれレールRに対して空転する。
トルク制御部33A,33B,33C,33Dは、図3の関数Fを用いることで、上述のすべり速度に基づく空転再粘着制御をそれぞれ行なう。トルク制御部33A,33B,33C,33Dは、すべり速度Vsが、5km/h以内又は基準速度の10%以内となるように、指令トルクTrの値をそれぞれ変化させる。
第4の実施形態において、車輪速度V1,V2,V3,V4の最も遅いいずれか一つが、基準速度の一例である。基準速度で回転する車輪21A,21B,21C,21D以外の車輪が、基準速度を上回る速度で回転させられる。これにより、基準速度を上回る速度で回転する車輪21A,21B,21C,21DとレールRとの間で摩擦熱が生じ、より大きい接線力を得ることができる。
以下に、第5の実施の形態について、図9を参照して説明する。図9は、第5の実施の形態に係る電気車10を概略的に示す側面図である。第5の実施形態の電気車10は、付随車両である車両11A,11Eと、駆動車両である車両11B,11C,11Dと、を有する。
制御装置24B,24C,24Dは、車輪21B,21C,21Dの回転する速度を、ライン55を通じて、第1の情報制御装置51及び第2の情報制御装置52にそれぞれ出力する。第1の情報制御装置51及び第2の情報制御装置52は、最も遅い車輪21B,21C,21Dの回転する速度を基準速度として選択する。第1の情報制御装置51及び第2の情報制御装置52は、当該基準速度に係る信号を、ライン54を通じ、制御装置24B,24C,24Dにそれぞれ出力する。
基準速度で回転する車輪21B,21C,24D以外の車輪が、基準速度を上回る速度で回転するように、対応する制御装置24B,24C,24Dがモータ22B,22C,22Dをそれぞれ駆動させる。このため、基準速度で回転する車輪21B,21C,21D以外の車輪は、それぞれレールRに対して空転する。
制御装置24B,24C,24Dは、上述のすべり速度に基づく空転再粘着制御をそれぞれ行なう。制御装置24B,24C,24Dは、基準速度を上回る速度で回転する車輪21B,21C,21Dにおけるすべり速度が、5km/h以内又は基準速度の10%以内となるように、指令トルクの値をそれぞれ変化させる。
第5の実施形態において、車輪21B,21C,21Dの速度の最も遅いいずれか一つが、基準速度の一例である。基準速度で回転する車輪21B,21C,21D以外の車輪が、基準速度を上回る速度で回転させられる。これにより、基準速度を上回る速度で回転する車輪21B,21C,21DとレールRとの間で摩擦熱が生じ、より大きい接線力を得ることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第1の制御部は、第1の車輪の速度が、所定の基準速度で回転する第2の車輪の速度を上回るように、前記第1の車輪を回転させる第1の電動機を駆動させる。これにより、より大きい接線力を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。