JP2015136079A - 通信ノード装置及びネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化し、且つ下位ネットワークの追加を容易化する。
【解決手段】リング型のネットワークシステムS1を構成するための通信ノード装置3を、ネットワークシステムS1に属する2つのポート11のうち片方のポート11から監視フレーム100aを定期的に送信する制御フレーム送信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11xを閉塞した状態において他方のポート11で監視フレーム100aが受信されたか否かを監視する制御フレーム受信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11で受信した監視フレーム100aを他方のポート11に接続された他の通信ノード装置3へ中継する制御フレーム中継モードと、に切り替え可能な構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】リング型のネットワークシステムS1を構成するための通信ノード装置3を、ネットワークシステムS1に属する2つのポート11のうち片方のポート11から監視フレーム100aを定期的に送信する制御フレーム送信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11xを閉塞した状態において他方のポート11で監視フレーム100aが受信されたか否かを監視する制御フレーム受信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11で受信した監視フレーム100aを他方のポート11に接続された他の通信ノード装置3へ中継する制御フレーム中継モードと、に切り替え可能な構成とする。
【選択図】図1
Description
本開示は、通信障害の検出及び補償機能を備えた通信ノード装置及びその通信ノード装置を複数接続してなるライン状のセグメントを有するリング型のネットワークシステムに関するものである。
従来から、ネットワークシステムの信頼性を向上させるために、複数のレイヤ2スイッチやレイヤ3スイッチなどの通信ノード装置を伝送ラインでリング状に相互接続することで、通信経路に冗長性を持たせたリング型のネットワークシステムが広く採用されている。このリング型のネットワークシステムにおいて、データが無限に循環するのを防止するための制御手法の1つにIEEE802.1Dで標準化されたスパニングツリープロトコル(STP:Spanning Tree Protocol)が知られている。
STPでは、リング状となっている通信経路に属する通信ノード装置の1つのポートを論理的に閉塞した状態として通常動作時は使用せず、通信経路に障害が発生したときに迂回経路として使用する。また、STPでは、予め設定された通信ノード装置の優先度情報とパスコストの情報を含んだBPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれる制御フレームを、通信ノード装置間で定期的に交換することにより、通信経路の監視を行い、一定時間を経過してもBPDUフレームを受信しないポートは障害が発生したと判断し、通信経路を切り替える。このSTPに関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
しかし、上記STPによる障害発生時の通信経路の切り替えの手法は、タイマを使って段階的に通信経路を確定していくやり方であるため、経路障害が発生したときの通信経路の切り替えに比較的時間がかかってしまい、ネットワークシステムの規模によっては数十秒〜1分程度にも亘って通信が遮断される事象が生じる問題がある。この問題は、リング型のネットワークシステムに属する通信ノード装置の個数が多くなるほど顕著になり、障害発生から復旧されるまでの時間が長くなる。
また、STPを適用したネットワークシステムに新たな下位ネットワークを追加しようとすると、ネットワークシステムの接続形態に合わせて上述した通信ノード装置の優先度情報やパスコストの情報を更新しなくてはならないし、各通信ノード装置の設定を変更する必要があるが、STPは仕組みが複雑であるため、その設定作業も煩雑である。以上のことから、STPは、画像処理システム及び機器制御システムなどのリアルタイム性が求められるシステムや大規模ネットワークには適さない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化し、且つ下位ネットワークの追加を容易化することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、通信ノード装置をライン状に接続してなるセグメントにおいて一端に位置する通信ノード装置から送信されたフレームの伝送完遂を他端に位置する通信ノード装置で監視するようにした。
具体的には、本発明は、通信経路に冗長性を持たせたリング型のネットワークシステム及びこれを構成するための通信ノード装置を対象とし、以下の解決手段を講じたものである。
すなわち、本発明における第1の態様は、通信ノード装置であって、リング型のネットワークシステムに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備える。そして、本発明における第1の態様は、これら2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する制御フレーム送信モードと、当該2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで前記監視フレームが受信されたか否かを監視し、その監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞してあるポートを開放する制御フレーム受信モードと、当該2つのポートのうち一方のポートで受信した監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する制御フレーム中継モードと、を切り替え可能に有することを特徴とする。
この第1の態様では、監視フレームを定期的に送信する制御フレーム送信モードと、この監視フレームを中継する制御フレーム中継モードと、監視フレームの受信を監視する制御フレーム受信モードとの3つの制御モードを切り替え可能に有するようにしたので、本態様の通信ノード装置を伝送路を介してライン状に複数接続することで通信監視セグメントを構成し、この通信監視セグメントにおいて、一端に位置する通信ノード装置を制御フレーム送信モードに、他端に位置する通信ノード装置を制御フレーム受信モードに、そして、その他の通信ノード装置を制御フレーム中継モードにそれぞれ設定すれば、通信監視セグメントの通信経路に障害が生じても当該経路障害を補償することができる。
つまり、通信監視セグメントに経路障害が発生した場合、例えば制御フレーム送信モードや制御フレーム中継モードの通信ノード装置が故障したり伝送路が破損したりした場合には、制御フレーム受信モードの通信ノード装置で監視フレームの受信が途切れるので、制御フレーム受信モードの通信ノード装置におけるネットワークシステムに属する2つのポートのうち閉塞してあるポートが開放されて通信経路が通常経路から障害発生箇所を迂回する代替経路に切り替えられる。これによって、通信監視セグメントでの通信状態を保障することができる上に、ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができる。
また、上述した本態様の通信ノード装置で構成された通信監視セグメントは、他のセグメントやネットワークが正常に動作していれば当該通信監視セグメント内の通信経路を保障することができるので、既存のネットワークに対し下位ネットワークを構成するセグメントとして容易に追加することができる。これによって、ネットワークの拡張性が増し、複雑なネットワーク構成であっても簡単に構築することができる。
本態様の通信ノード装置は、制御フレーム中継モードの動作中において、ネットワークシステムに属する2つのポートのうちいずれか一方のポートがリンクダウンしたときに、他方のポートからリンクダウン通知フレームを送信するようになっていてもよい。この場合、当該通信ノード装置は、制御フレーム受信モードでの動作中において、監視フレームの受信を監視しているポートでリンクダウン通知フレームを受信したときに、閉塞状態にしていたポートを開放することが好ましい。
この構成によると、本態様の通信ノード装置で構成した通信監視セグメントにおいて、制御フレーム中継モードの通信ノード装置におけるポートがリンクダウンしたときに、通信経路を迅速に切り替えることが可能になる。
さらに、本態様の通信ノード装置は、制御フレーム中継モードの動作中において、ネットワークシステムに属する2つのポートのうちリンクダウンしたポートがリンクアップしたときに、他方のポートからリンクアップ通知フレームを送信するようになっていてもよい。この場合、当該通信ノード装置は、制御フレーム受信モードでの動作中において、監視フレームの受信を監視しているポートでリンクアップ通知フレームを受信したときに、開放したポートを再び閉塞することが好ましい。
この構成によると、本態様の通信ノード装置で構成した通信監視セグメントにおいて、制御フレーム中継モードの通信ノード装置におけるポートのリンクダウンに起因して代替経路に切り替えられた通信経路を、当該ポートのリンクアップ時に通常経路に迅速に切り替えて戻すことができる。
また、本発明における第2の態様は、複数の通信ノード装置をリング状に接続したリング型のネットワークシステムである。複数の通信ノード装置は、各々、ネットワークシステムに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備え、通信ノード装置を複数接続してなるライン状の通信監視セグメントを有する。通信監視セグメントは、ネットワークシステムに属する2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する第1通信ノード装置と、当該2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで監視フレームが受信されたか否かを監視する第2通信ノード装置と、これら第1通信ノード装置と第2通信ノード装置との間に配置されて当該2つのポートのうち一方のポートで受信した監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する第3通信ノード装置と、で構成されている。そして、本態様は、第2通信ノード装置が、監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞状態にしてあるポートを開放することを特徴とする。
この第2の態様では、監視フレームを送信する第1通信ノード装置と、監視フレームの受信を監視する第2通信ノード装置と、これら2つの通信ノード装置の間で監視フレームを中継する第3通信ノード装置とで通信監視セグメントを構成するようにしたので、この通信監視セグメントにおいて第1通信ノード装置や第3通信ノード装置が故障したり伝送路が破損したりすることによって通信経路に障害が発生した場合には、第2通信ノード装置での監視フレームの受信が途切れることから、第2通信ノード装置で閉塞されているポートが開放されて通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。これによって、通信監視セグメントでの通信状態を保障することができる上に、ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができる。
また、本態様のネットワークシステムにおける通信監視セグメントは、そのセグメント内の通信経路を、同システムにおける他のセグメントが正常に動作していれば保障することができるので、既存のネットワークに対し下位ネットワークとして容易に追加することができる。これによって、ネットワークの拡張性が増し、複雑なネットワーク構成であっても本態様のネットワークシステムで簡単に構築することができる。
また、本発明における第3の態様は、複数の通信ノード装置をリング状に接続した上位リングと、複数の通信ノード装置をライン状に接続した下位セグメントと、を備えるマルチリング型のネットワークシステムである。このネットワークシステムでは、下位セグメントの両端に位置する通信ノード装置を上位リングの互いに異なる通信ノード装置に接続することで、上位リングのうち下位セグメントに接続された2つの通信ノード装置の間におけるライン状のセグメントと下位セグメントとで下位リングが構成されている。
本態様において、複数の通信ノード装置は、各々、自装置が構成する上位リング又は下位リングに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備える。下位セグメントは、これら2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する第1通信ノード装置と、当該2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで監視フレームが受信されたか否かを監視する第2通信ノード装置と、これら第1通信ノード装置と第2通信ノード装置との間に配置されて当該2つのポートのうち一方のポートで受信した監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する第3通信ノード装置と、で構成されている。そして、本態様は、第2通信ノード装置が、監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞状態にしてあるポートを開放することを特徴とする。
この第3の態様では、下位セグメントを、監視フレームを送信する第1通信ノード装置と、監視フレームの受信を監視する第2通信ノード装置と、これら2つの通信ノード装置の間で監視フレームを中継する第3通信ノード装置とで構成するようにしたので、上記第2の態様の通信監視セグメントと同様に、下位セグメントでの通信状態を保障することができる上に、ネットワークシステムにおける下位セグメントで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができる。
また、本態様のネットワークシステムにおける下位セグメントは、そのセグメント内の通信経路を、同システムにおける他のセグメントが正常に動作していれば保障することができるので、既存のネットワークに対し下位ネットワークとして容易に追加することができる。これによって、ネットワークの拡張性が増し、複雑なネットワーク構成であっても本態様のネットワークシステムで簡単に構築することができる。
上記第2又は第3の態様のネットワークシステムにおいて、第3通信ノード装置は、ネットワークシステムに属する2つのポートのうちいずれか一方のポートがリンクダウンしたときに、他方のポートからリンクダウン通知フレームを送信してもよい。この場合、第2通信ノード装置は、監視フレームの受信を監視しているポートでリンクダウン通知フレームを受信したときに、閉塞状態にしてあるポートを開放することが好ましい。
この構成によると、上記第2又は第3の態様のネットワークシステムの下位セグメントにおいて、第3通信ノード装置におけるポートがリンクダウンしたときに、通信経路を通常経路から代替経路に迅速に切り替えることが可能になる。
さらに、第3通信ノード装置は、ネットワークシステムに属する2つのポートのうちリンクダウンしたポートがリンクアップしたときに、他方のポートからリンクアップ通知フレームを送信するようになっていてもよい。この場合、第2通信ノード装置は、監視フレームの受信を監視しているポートでリンクアップ通知フレームを受信したときに、開放したポートを再び閉塞することが好ましい。
この構成によると、上記第2又は第3の態様のネットワークシステムの下位セグメントにおいて、第3通信ノード装置におけるポートのリンクダウンによる経路障害に起因して代替経路に切り替えられた通信経路を、当該ポートのリンクアップ時に通常経路に迅速に切り替えて戻すことができる。
本発明によれば、ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化し、且つ下位ネットワークの追加を容易化することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
この実施形態では、本発明に係る通信ノード装置及びネットワークシステムについて、複数の通信ノード装置をリング状に接続した単一のリング型の接続形態を有するネットワークシステムを例に挙げて説明する。図1は、この実施形態に係るネットワークシステムS1の構成図である。
なお、図1中に示す通信ケーブル10の両端の丸記号は、その通信ケーブル10に接続されたポート11とそのリンク状態を示している。白丸記号のポート11はそのポート11が開放状態にあることを示し、黒丸記号のポート11はそのポート11が閉塞状態にあることを示す。このことは、後に参照する図4〜図7においても同様である。
ネットワークシステムS1は、図1に示すように、通信ノード装置3a〜3dを複数(図1に示す例では4つ)接続してなるライン状の通信監視セグメント5と、この通信監視セグメント5の両端に位置する通信ノード装置3a,3dに接続された1つの通信ノード装置7からなる監視外セグメント9とで構成されている。通信監視セグメント5の各通信ノード装置3a〜3dは、例えばスイッチングハブとも呼ばれるレイヤ2スイッチである。また、監視外セグメント9の通信ノード装置7は、例えばレイヤ3スイッチである。
通信監視セグメント5の各通信ノード装置3a〜3dは当該セグメント5での通信経路の障害発生を検出する障害検出機能を備えているが、監視外セグメント9の通信ノード装置7はそのような障害検出機能を備えていない。これら通信監視セグメント5及び監視外セグメント9の各通信ノード装置3a〜3d,7は、物理ポート11を複数、例えば4〜8つ(通信監視セグメント5の通信ノード装置3について図2に示す例では4つ)有している。通信ノード装置3a〜3d,7におけるこれら複数のポート11のうち2つのポート11は、ネットワークシステムS1の通信経路に属している。
ネットワークシステムS1内で隣り合う通信ノード装置3a〜3d,7は、同システムS1に属するポート11同士を伝送路としての通信ケーブル10で繋ぐことにより接続されている。すなわち、通信ノード装置3a〜3d,7における複数のポート11のうちネットワークシステムS1に属する2つのポート11は、同システムS1に属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と通信ケーブル10を介して接続されている。
ネットワークシステムS1は、通信監視セグメント5の片方の端に位置する通信ノード装置3dにおいて監視外セグメント9の通信ノード装置7と接続されるポート11をループ制御ポート11xとして正常時は論理的に閉塞しておくことでループを防止し、通信経路の障害発生時には、そのループ制御ポート11xを開放することにより通信経路を正常時の経路から障害発生箇所を迂回する代替経路に切り替えるループ制御を行い、これによって通信経路を保障し、経路障害に起因する通信遮断を解消するようになっている。
このようなネットワークシステムS1の冗長化構成は、通信監視セグメント5の障害検出機能と、通信監視セグメント5の両端の通信ノード装置3a,3dによる監視外セグメント9の通信ノード装置7とのリンク状態の監視とによって実現される。このネットワークシステムS1上では、通常経路においても代替経路においても一方向だけにデータ(フレーム)が流れるようになっている。
図2は、通信監視セグメント5の通信ノード装置3の構成を示すブロック図である。通信監視セグメント5の各通信ノード装置3a〜3dには、いずれも同じ構成の図2に示す通信ノード装置3が用いられている。この通信ノード装置3は、詳述しないが、STPで利用されるBPDUを識別可能に構成されている。
また、通信ノード装置3は、ネットワークシステムS1に属する2つのポート11のうち片方のポート11から監視フレーム100a(図3参照)を定期的に送信する制御フレーム送信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11を閉塞した状態において他方のポート11で監視フレーム100aなどのループ制御用フレーム100の受信を監視する制御フレーム受信モードと、当該2つのポート11のうち一方のポート11で受信したループ制御用フレーム100を他方のポート11に接続された他の通信ノード装置3へ中継する制御フレーム中継モードと、の3つの制御モードを切り替え可能に有している。
通信監視セグメント5において、一端に位置する通信ノード装置3aは、制御フレーム送信モードに設定された第1通信ノード装置である。また、通信監視セグメント5において、他端に位置する通信ノード装置3dは、制御フレーム受信モードに設定された第2通信ノード装置であり、ループ制御ポート11xを有している。そして、通信監視セグメント5におけるその他の通信ノード装置3b,3cは、制御フレーム中継モードに設定された第3通信ノード装置である。
通信ノード装置3は、図2に示すように、ポート11の開閉状態を制御するポート制御部13と、ポート11のリンク状態を監視するリンク状態監視部15と、ポート11から受信したフレームについての中継先ポート11のスイッチ処理を行うスイッチング処理部17と、通信監視セグメント5での通信経路の障害を検出するための監視フレーム100aを生成しこれをスイッチング処理部17を経由して予め設定された任意のポート11から定期的に送信する監視フレーム送信部19と、を備えている。監視フレーム送信部19は、制御フレーム送信モードに設定された場合のみ、つまり本実施形態では第1通信ノード装置3aだけで動作する。
さらに、通信ノード装置3は、スイッチング処理部17を経由してループ制御用フレーム100を受信する制御用フレーム受信部21と、この制御用フレーム受信部21から通知されたループ制御用フレーム100に基づいて通信経路の障害発生を検出しこれに対処する障害検出処理部23と、ループ制御用フレーム100をスイッチング処理部17を経由して予め設定した任意のポート11から送信する制御用フレーム送信部24と、を備えている。
リンク状態監視部15は、各ポート11がリンクアップしているのか又はリンクダウンしているのかを識別し、そのリンク状態の情報を障害検出処理部23に通知する。スイッチング処理部17は、ポート11を介してフレームを受信すると、受信したフレームを解析し、当該フレームに含まれる送信元MAC(Media Access Control)アドレスの情報と送信先MACアドレスの情報とを識別する。スイッチング処理部17は、予め送信先アドレスとこれに対応するポートとを学習したアドレステーブルを有していて、そのアドレステーブルに基づき、フレームの中継内容、つまりユニキャスト、マルチキャスト、又はフラッディングを決定し、当該フレームを中継内容に応じたポート11に送信する。
また、スイッチング処理部17は、通信監視セグメント5に属するポート11でループ制御用フレーム100を受信すると、当該フレーム100に含まれる後述のプロトコル識別フィールド104に基づき、このフレーム100がループ制御用フレーム100であることを識別して、制御用フレーム受信部21に転送する。制御用フレーム受信部21は、このループ制御用フレーム100を一時的に保持し、その保持したフレーム100を障害検出処理部23に適宜受け渡すようになっている。
障害検出処理部23は、制御用フレーム受信部21から受け渡されたループ制御用フレーム100に基づいて通信監視セグメント5における通信経路の障害を補償するためのループ制御動作を実行するループ制御部25と、このループ制御部25によるループ制御動作で特定のポート11、つまりループ制御ポート11xの開閉状態を制御する障害検出ポート制御部27と、を備えている。
ループ制御部25には、リンク状態監視部15から各ポート11のリンク状態の情報も受け渡される。障害検出処理部23は、リンク状態監視部15から受け渡されるポート11のリンク状態の情報に基づき、通信監視セグメント5に属する下流側のポート11のリンク状態が変化したことをループ制御部25で検出したときに、そのリンク状態に応じたリンク状態通知フレーム100b,100cを上流側のポート11から送信するリンク状態通知部29をさらに備えている。
リンク状態通知フレーム100b,100cは、通信ノード装置3においてネットワークシステムS1に属するポート11のリンク状態を通知するフレームであって、具体的には、ポート11がリンクダウンしたことを通知するリンクダウン通知フレーム100bと、ポート11がリンクアップしたことを通知するリンクアップ通知フレーム100cのうちいずれかのフレームである。ループ制御用フレーム100は、このリンク状態通知フレーム100b,100cと監視フレーム100aとのいずれかのフレームであって、他のフレームと区別されるものである。
ここで、ループ制御用フレーム100の内容について説明する。図3は、ループ制御用フレーム100のフォーマットを例示する図である。ループ制御用フレーム100は、データ長が64バイトのフレームであって、図3に示す各フィールド101〜107と、これらのフィールド101〜107の誤り検出を行うためのFCS(Frame Check Sequence)フィールド108とを含み、それ以外のフィールドにはパッディングデータが格納される。
送信先フィールド101はサイズが6バイトのフィールドであって、ここには送信先の機器の識別情報であるMACアドレスが設定される。監視フレーム100aでは、この送信先フィールド101にBPDUで用いられるマルチキャストアドレス(01-80-c2-00-00-00)が設定される。また、リンク状態通知フレームでも、同じくBPDU用のマルチキャストアドレスが設定される。送信元フィールド102はサイズが6バイトのフィールドであって、ここには送信元の通信ノード装置3のMACアドレスが設定される。
長さフィールド103はサイズが2バイトのフィールドであって、ここにはループ制御用フレーム100の有効データ長が設定される。プロトコル識別フィールド104はサイズが6バイトのフィールドであって、ここにはループ制御用フレーム100であることを示す識別情報が設定される。例えば、ループ制御用フレーム100のプロトコル識別フィールド104には「0x01」が設定され、その他のフレームのプロトコル識別フィールドには「0x00」が設定される。
タイプフィールド105はサイズが1バイトのフィールドであって、ここにはループ制御用フレーム100が監視フレーム100aであるか、リンク状態通知フレームのうちリンクダウン通知フレーム100bであるか又はリンクアップ通知フレーム100cであるかを示す識別情報が設定される。例えば、監視フレーム100aのタイプフィールド105には「0x00」が設定され、リンクダウン通知フレーム100bのタイプフィールド105には「0x01」が設定され、リンクアップ通知フレーム100cのタイプフィールド105には「0x11」が設定される。
送信番号フィールド106はサイズが2バイトのフィールドであって、ここにはフレームを出力するポート番号が設定される。モード情報フィールド107はサイズが1バイトのフィールドであって、ここには送信元の通信ノード装置3に設定された制御モードの識別情報、つまり制御フレーム送信モードであるか、制御フレーム受信モードであるか、又は制御フレーム中継モードであるかを示す識別情報が設定される。
ループ制御部25は、このようなループ制御用フレーム100を受け取ると、設定された制御モードに応じた処理を行う。具体的には、通信ノード装置3が制御フレーム中継モードに設定されている場合、つまり第3通信ノード装置3b,3cでは、ループ制御用フレーム100を制御用フレーム送信部24にそのまま転送し、スイッチング処理部17を経由して下流側のポート11に接続された通信ノード装置3へ中継する。また、通信ノード装置3が制御フレーム受信モードに設定されている場合、つまり第2通信ノード装置3dでは、ループ制御用フレーム100に含まれるタイプフィールド105に基づき、そのループ制御用フレーム100が監視フレーム100aであるか、リンクダウン通知フレーム100bであるか又はリンクアップ通知フレーム100cであるかを識別する。
このとき、受信したループ制御用フレーム100が監視フレーム100aであって、同フレーム100aがネットワークシステムS1の起動又は前回の同フレーム100a受信から所定期間内に受信されている場合には、通信監視セグメント5での通信経路は正常な状態にあると判定し、同フレーム100aを破棄する。
また、この監視フレーム100aがネットワークシステムS1の起動又は前回の同フレーム100a受信から所定時間内に受信されない場合には、通信監視セグメント5内の通信経路に障害が発生したと判定し、そのことを障害検出ポート制御部27に通知する。障害検出ポート制御部27は、この通知に基づき、閉塞してあるループ制御ポート11xをポート制御部13に開放させる。これによって、ネットワークシステムS1における通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。
通信監視セグメント5内の経路障害が復旧されると、第2通信ノード装置3dで監視フレーム100aが受信されるようになるので、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路に切り替えられた後において、第2通信ノード装置3dで受信したループ制御用フレーム100が監視フレーム100aである場合には、ループ制御部25は、通信経路の障害が復旧したことを障害検出ポート制御部27に通知する。障害検出ポート制御部27は、この通知に基づき、開放したループ制御ポート11xをポート制御部13に再び閉塞させる。これによって、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路から通常経路に切り替えられて正常時の状態に戻る。
また、第2通信ノード装置3dにおいて、受信したループ制御用フレーム100がリンクダウン通知フレーム100bである場合にも、ループ制御部25は、通信監視セグメント5内の通信経路に障害が発生したと判定し、障害検出ポート制御部27を通じてポート制御部13にループ制御ポート11xを開放させる。そのことで、ネットワークシステムS1の通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。
その後において、第2通信ノード装置3dで受信したループ制御用フレーム100がリンクアップ通知フレーム100cである場合には、ループ制御部25は、通信監視セグメント5における通信経路の障害が復旧したと判定し、開放したループ制御ポート11xを障害検出ポート制御部27を通じてポート制御部13に再び閉塞させる。これによって、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路から通常経路に切り替えられて正常時の状態に戻る。
以下に、通信監視セグメント5での通信経路に障害が発生した場合についてのネットワークシステムS1の動作の一例を、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、通信監視セグメント5で通信ケーブル10の断線による経路障害が発生したときの様子を示す図である。図5は、図4に示す通信ケーブル10の断線による経路障害が復旧したときの様子を示す図である。図6は、通信監視セグメント5で第3通信ノード装置3bの故障による経路障害が発生したときの様子を示す図である。
ネットワークシステムS1において、通信監視セグメント5内の通信ケーブル10、例えば図4に示すように、隣り合う第3通信ノード装置3b,3cを接続する通信ケーブル10が断線することによって経路障害が発生した場合には、この通信ケーブル10で接続された2つの第3通信ノード装置3b,3cの接続状態がリンクダウンし、第2通信ノード装置3d寄りの第3通信ノード装置3cから第2通信ノード装置3dにリンクダウン通知フレーム100bが送信される。第2通信ノード装置3dは、このリンクダウン通知フレーム100bを受信すると、ループ制御ポート11xを開放する。そのことで、ネットワークシステムS1の通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。
その後、断線した通信ケーブル10が正常なものに取り替えられて経路障害が復旧すると、図5に示すように、取り替えられた通信ケーブル10で接続された2つの第3通信ノード装置3b,3cの接続状態がリンクアップし、第2通信ノード装置3d寄りの第3通信ノード装置3cから第2通信ノード装置3dにリンクアップ通知フレーム100cが送信される。第2通信ノード装置3dは、このリンクアップ通知フレーム100cを受信すると、開放したループ制御ポート11xを再び閉塞する。これによって、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路から通常経路に切り替えられて戻る。
また、ネットワークシステムS1において、図6に示すように、通信監視セグメント5内の通信ノード装置3、例えば第1通信ノード装置3a寄りの第3通信ノード装置3bが故障し、ネットワークシステムS1に属する第3通信ノード装置3bのポート11はリンクアップした状態にあるが第1通信ノード装置3aから受信したフレームが全てエラーフレームとなるような経路障害が発生した場合には、第1通信ノード装置3aから送信された監視フレーム100aもエラーフレームとなって第2通信ノード装置3dにまで伝送されない。この場合、第2通信ノード装置3dは、所定期間内に監視フレーム100aを受信しないことから、ループ制御ポート11xを開放する。そのことで、ネットワークシステムS1の通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。
その後、故障した第3通信ノード装置3bが正常なものに取り替えられて経路障害が復旧すると、図1に示すように、取り替えられた第3通信ノード装置3bが監視フレーム100aを正常に中継するようになるので、監視フレーム100aが第2通信ノード装置3dにまで伝送される。第2通信ノード装置3dは、この監視フレーム100aを受信すると、開放したループ制御ポート11xを再び閉塞する。これによって、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路から通常経路に切り替えられて戻る。
このように、通信監視セグメント5は、第1通信ノード装置3aから送信された監視フレーム100aの第2通信ノード装置3dまでの伝送完遂と各通信ノード装置3a〜3d間のリンク状態とを監視することにより、当該セグメント5における通信経路の障害発生を検出する障害検出機能を実現し、通信監視セグメント5で経路障害が検出された場合に通信経路を代替経路に切り替えるようになっている。
また、通信監視セグメント5の両端の通信ノード装置3a,3dと監視外セグメント9の通信ノード装置7との間の通信経路の障害は、通信監視セグメント5の通信ノード装置3a,3dにおけるリンク状態監視部15で監視外セグメント9の通信ノード装置7と接続されたポート11のリンク状態を監視することにより検出される。第1通信ノード装置3a及び第2通信ノード装置3dのいずれかの通信ノード装置3では、監視外セグメント9の通信ノード装置3との接続状態がリンクダウンすると、そのことが当該通信ノード装置3のリンク状態監視部15からループ制御部25に通知される。第1通信ノード装置3a及び第2通信ノード装置3dのループ制御部25は、その通知を受け取ると、通信監視セグメント5と監視外セグメント9との間の通信経路に障害が発生したと判定する。
特に、第1通信ノード装置3aと監視外セグメント9の通信ノード装置7との接続状態がリンクダウンした場合、第1通信ノード装置3aのループ制御部25は、リンク状態通知部29にリンクダウン通知フレーム100bを第2通信ノード装置3dに向けて送信させる。このリンクダウン通知フレーム100bを第2通信ノード装置3dが受信すると、第2通信ノード装置3dのループ制御部25は、閉塞してあるループ制御ポート11xをポート制御部13に開放させる。そのことで、ネットワークシステムS1の通信経路が通常経路から代替経路に切り替えられる。
その後において、第1通信ノード装置3aと監視外セグメント9の通信ノード装置7との接続状態がリンクアップした場合には、そのことが第1通信ノード装置3aのリンク状態監視部15からループ制御部25に通知される。第1通信ノード装置3aのループ制御部25は、その通知を受け取ると、リンク状態通知部29にリンクアップ通知フレーム100cを第2通信ノード装置3dに向けて送信させる。このリンクアップ通知フレーム100cを第2通信ノード装置3dが受信すると、第2通信ノード装置3dのループ制御部25は、開放したループ制御ポート11xをポート制御部13に再び閉塞させる。これによって、ネットワークシステムS1の通信経路が代替経路から通常経路に切り替えられて正常時の状態に戻る。
−実施形態の効果−
この実施形態によると、通信監視セグメント5は勿論、監視外セグメント9をも含めたネットワークシステムS1全体での通信状態を保障することができ、その上、同システムS1で経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができる。
この実施形態によると、通信監視セグメント5は勿論、監視外セグメント9をも含めたネットワークシステムS1全体での通信状態を保障することができ、その上、同システムS1で経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができる。
また、この実施形態のネットワークシステムS1における通信監視セグメント5は、そのセグメント5内の通信経路を、監視外セグメント9の通信ノード装置7が正常に動作していれば保障することができるので、監視外セグメント9の通信ノード装置7が製造元や仕様の異なる通信ノード装置であっても、その通信ノード装置7と容易に組み合わせることができるし、既存のネットワークに対し下位ネットワークとして容易に追加することができる。
−実施形態の変形例−
図7は、この変形例に係るネットワークシステムS2の構成図である。上記実施形態では、単一のリング型のネットワークシステムS1について説明したが、本変形例のネットワークシステムS2は、図7に示すように、複数のリングR1,R2,R3を有するマルチリング型のネットワークシステムである。このネットワークシステムS2は、複数の通信ノード装置7a〜7mをリング状に接続した上位リングR1と、各々複数の通信ノード装置3a〜3eをライン状に接続した第1下位セグメントL1及び第2下位セグメントL2と、を備えている。
図7は、この変形例に係るネットワークシステムS2の構成図である。上記実施形態では、単一のリング型のネットワークシステムS1について説明したが、本変形例のネットワークシステムS2は、図7に示すように、複数のリングR1,R2,R3を有するマルチリング型のネットワークシステムである。このネットワークシステムS2は、複数の通信ノード装置7a〜7mをリング状に接続した上位リングR1と、各々複数の通信ノード装置3a〜3eをライン状に接続した第1下位セグメントL1及び第2下位セグメントL2と、を備えている。
第1下位セグメントL1の両端に位置する通信ノード装置3a,3eは、上位リングR1の互いに異なる通信ノード装置、例えば上位リングR1の通信経路上で1つの通信ノード装置7fを挟む通信ノード装置7e,7gにそれぞれ接続されている。そして、上位リングR1のうちこの第1下位セグメントL1に接続された2つの通信ノード装置7e,7g及びその間の通信ノード装置7fからなるライン状のセグメントと第1下位セグメントL1とは、第1下位リングR2を構成している。
また、第2下位セグメントL2の両端に位置する通信ノード装置3a,3eは、上位リングR1の互いに異なる通信ノード装置、例えば上位リングR1の通信経路上で1つの通信ノード装置7iを挟む通信ノード装置7h,7jにそれぞれ接続されている。そして、上位リングR1のうちこの第2下位セグメントL2に接続された2つの通信ノード装置7h,7j及びその間の通信ノード装置7iからなるライン状のセグメントと第2下位セグメントL2とは、第2下位リングR3を構成している。
上位リングR1は、同リングR1における通信経路の制御を唯一行うマスタ通信ノード装置7aを有し、いわゆるリングプロトコルで冗長化構成が実現されている。
すなわち、マスタ通信ノード装置7aは、上位リングR1に属する2つのポート11のうち一方のポート11をループ制御ポート11xとして正常時は論理的に閉塞することでループを防止すると共に、上位リングR1に属する他方のポート11から監視フレームを定期的に送信し、この監視フレームが自装置に戻ってきて受信されることを監視することで上位リングR1の通信経路の障害発生を検出するようになっている。そして、上位リングR1は、通信経路の障害発生がマスタ通信ノード装置7aで検出されると、ループ制御ポート11xを開放することで、上位リングR1の通信経路を通常経路から代替経路に切り替えるようになっている。
第1下位セグメントL1及び第2下位セグメントL2は共に、上記実施形態の通信監視セグメント5と同様な構成を有する。すなわち、これら2つの下位セグメントL1,L2の各通信ノード装置3a〜3eには、いずれも上記実施形態と同じ構成の図2に示す通信ノード装置3が用いられている。そして、各下位セグメントL1,L2において、一端に位置する通信ノード装置3aは制御フレーム送信モードに設定された第1通信ノード装置であり、他端に位置する通信ノード装置3eは制御フレーム受信モードに設定された第2通信ノード装置であり、そして、その他の通信ノード装置3b,3c,3dは中継モードに設定された第3通信ノード装置である。
そして、第1下位リングR2は、第1下位セグメントL1の片方の端に位置する通信ノード装置3eにおいて上位リングR1の通信ノード装置7gと接続されるポート11をループ制御ポート11xとして正常時は論理的に閉塞状態にすることでループを防止し、通信経路の障害発生時には、そのループ制御ポート11xを開放することにより通信経路を正常時の経路から代替経路に切り替えるループ制御を行い、これによって通信経路を保障し、経路障害に起因する通信遮断を解消するようになっている。
このような第1下位リングR2の冗長化構成は、上記実施形態の通信監視セグメント5で利用されるものと同様なループ制御用フレーム100による下位セグメントL1での障害検出機能と、通信監視セグメント5の両端の通信ノード装置3a,3eによる上位リングR1の通信ノード装置7e、7gとのリンク状態の監視とによって実現される。第2下位リングR3の冗長化構成は、上記第1下位リングR2の冗長化構成と同じである。
このような構成のマルチリング型のネットワークシステムS2であっても、ネットワークシステムS2全体での通信状態を保障することができる上に、同システムS2で経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化することができるし、上位リングR1に第1下位セグメントL1及び第2下位セグメントL2を継ぎ足すことで、各通信ノード装置7a〜7m,3a〜3eに煩雑な設定作業を必要とせずに簡単に構築することができる。
なお、上記実施形態では、監視外セグメント9が1つの通信ノード装置7からなる構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、監視外セグメント9は、複数の通信ノード装置7を接続して構成されていてもよい。
また、上記実施形態の変形例では、3つのリングR1,R2,R3からなるマルチリング型のネットワークシステムS2を例に挙げて説明したが、これに限らず、マルチリング型のネットワークシステムS2に含まれるリング数は2つであっても4つ以上であってもよい。
以上説明したように、本発明は、通信ノード装置及びネットワークシステムについて有用であり、特に、ネットワークシステムで経路障害が発生したときの通信経路の切り替え動作を高速化し、且つ下位ネットワークの追加を容易化することが要望される通信ノード装置及びネットワークシステムに適している。
L1 第1下位セグメント
L2 第2下位セグメント
R1 上位リング
R2 第1下位リング
R3 第2下位リング
S1,S2 ネットワークシステム
3,3a〜3e 通信ノード装置
5 通信監視セグメント
7,7a〜7m 通信ノード装置
9 監視外セグメント
10 通信ケーブル(伝送路)
11 ポート
11x ループ制御ポート
100a 監視フレーム
100b リンクダウン通知フレーム
100c リンクアップ通知フレーム
L2 第2下位セグメント
R1 上位リング
R2 第1下位リング
R3 第2下位リング
S1,S2 ネットワークシステム
3,3a〜3e 通信ノード装置
5 通信監視セグメント
7,7a〜7m 通信ノード装置
9 監視外セグメント
10 通信ケーブル(伝送路)
11 ポート
11x ループ制御ポート
100a 監視フレーム
100b リンクダウン通知フレーム
100c リンクアップ通知フレーム
Claims (7)
- リング型のネットワークシステムを構成するための通信ノード装置であって、
前記ネットワークシステムに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備え、
前記2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する制御フレーム送信モードと、
前記2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで前記監視フレームが受信されたか否かを監視し、該監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞してある前記ポートを開放する制御フレーム受信モードと、
前記2つのポートのうち一方のポートで受信した前記監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する制御フレーム中継モードと、を切り替え可能に有する
ことを特徴とする通信ノード装置。 - 請求項1に記載された通信ノード装置において、
前記制御フレーム中継モードの動作中に、前記2つのポートのうちいずれか一方のポートがリンクダウンしたときには、他方のポートからリンクダウン通知フレームを送信し、
前記制御フレーム受信モードでの動作中に、前記監視フレームの受信を監視しているポートで前記リンクダウン通知フレームを受信したときには、閉塞してある前記ポートを開放する
ことを特徴とする通信ノード装置。 - 請求項2に記載された通信ノード装置において、
前記制御フレーム中継モードの動作中に、前記2つのポートのうちリンクダウンしたポートがリンクアップしたときには、他方のポートからリンクアップ通知フレームを送信し、
前記制御フレーム受信モードでの動作中に、前記監視フレームの受信を監視しているポートで前記リンクアップ通知フレームを受信したときには、開放した前記ポートを再び閉塞する
ことを特徴とする通信ノード装置。 - 複数の通信ノード装置をリング状に接続したリング型のネットワークシステムであって、
前記複数の通信ノード装置は、各々、前記ネットワークシステムに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備え、
前記通信ノード装置を複数接続してなるライン状の通信監視セグメントを有し、
前記通信監視セグメントは、前記2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する第1通信ノード装置と、前記2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで前記監視フレームが受信されたか否かを監視する第2通信ノード装置と、これら第1通信ノード装置と第2通信ノード装置との間に配置されて前記2つのポートのうち一方のポートで受信した前記監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する第3通信ノード装置と、で構成され、
前記第2通信ノード装置は、前記監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞してある前記ポートを開放する
ことを特徴とするネットワークシステム。 - 複数の通信ノード装置をリング状に接続した上位リングと、複数の通信ノード装置をライン状に接続した下位セグメントと、を備え、
前記下位セグメントの両端に位置する通信ノード装置を前記上位リングの互いに異なる通信ノード装置に接続することで、前記上位リングのうち前記下位セグメントに接続された2つの通信ノード装置を含むライン状のセグメントと前記下位セグメントとで下位リングが構成されたマルチリング型のネットワークシステムであって、
前記複数の通信ノード装置は、各々、自装置が構成する前記上位リング又は下位リングに属する他の通信ノード装置のうち互いに異なる側に隣接する通信ノード装置と伝送路を介して接続される2つのポートを備え、
前記下位セグメントは、前記2つのポートのうち片方のポートから監視フレームを定期的に送信する第1通信ノード装置と、前記2つのポートのうち一方のポートを閉塞した状態において他方のポートで前記監視フレームが受信されたか否かを監視する第2通信ノード装置と、これら第1通信ノード装置と第2通信ノード装置との間に配置されて前記2つのポートのうち一方のポートで受信した前記監視フレームを他方のポートに接続された他の通信ノード装置へ中継する第3通信ノード装置と、で構成され、
前記第2通信ノード装置は、前記監視フレームを所定期間内に受信しない場合に、閉塞してあるポートを開放する
ことを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項4又は5に記載されたネットワークシステムにおいて、
前記第3通信ノード装置は、前記2つのポートのうちいずれか一方のポートがリンクダウンしたときに、他方のポートからリンクダウン通知フレームを送信し、
前記第2通信ノード装置は、前記監視フレームの受信を監視しているポートで前記リンクダウン通知フレームを受信したときに、閉塞してある前記ポートを開放する
ことを特徴とするネットワークシステム。 - 請求項6に記載されたネットワークシステムにおいて、
前記第3通信ノード装置は、前記2つのポートのうちリンクダウンしたポートがリンクアップしたときに、他方のポートからリンクアップ通知フレームを送信し、
前記第2通信ノード装置は、前記監視フレームの受信を監視しているポートで前記リンクアップ通知フレームを受信したときに、開放した前記ポートを再び閉塞する
ことを特徴とするネットワークシステム。
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JP2014007453A JP2015136079A (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | 通信ノード装置及びネットワークシステム |
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