JP2015134526A - スイッチの状態特定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチを構成する複数のスイッチ接点の内で排他的にオンしたスイッチ接点をラダー抵抗回路を利用して特定する構成において、スイッチ接点に生じた接点皮膜を簡単な構成で焼切ることができるスイッチの状態特定装置を提供する。
【解決手段】接点被膜焼切回路5と各スイッチ接点2a〜2fとをダイオード6a〜6fを介して共通に接続することにより、接点被膜焼切回路5からスイッチ接点2a〜2fに生じた接点被膜を焼切ることが可能な通常よりも大きな電流を共通に供給するようにした。これにより、接点被膜焼切回路5をスイッチ接点2a〜2f毎に設ける必要がなく、接点被膜焼切回路5を単独で設ければ済むようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチを構成する複数のスイッチ接点の状態をラダー抵抗回路を利用して特定するスイッチの状態特定装置に関する。
従来、例えば車両用自動変速機のシフトレンジスイッチは複数のシフトレンジに対応して複数のスイッチ接点を備え、シフト操作されたシフトレンジに応じて複数のスイッチ接点の内の何れか1つのスイッチ接点が排他的にオンするようになっている。そして、自動変速機ECUは、オンしたスイッチ接点を特定することで、シフトレンジを特定して自動変速機を変速制御する。
自動変速機ECUがオンしたスイッチ接点を特定する方法としては、各スイッチ接点の一端を0Vに接続し、他端をラダー抵抗回路を構成する各抵抗の各端子に接続した上で、ラダー抵抗回路の一端に所定電圧を印加することによりラダー抵抗から端子電圧を自動変速機ECUに出力するように構成する。ラダー抵抗回路から出力される端子電圧はオンしたスイッチ接点によって異なる電圧を示すことから、自動変速機ECUは、ラダー抵抗回路から出力される端子電圧に基づいてオンしたスイッチ接点、ひいてはシフトレンジを特定することができる。
特許第3625473号公報
ところで、スイッチ接点を構成する金属の表面が腐食により劣化すると、スイッチ接点の表面に酸化皮膜からなる接点被膜が形成されることから、接点抵抗が大きくなり、ラダー抵抗回路から出力される端子電圧が初期の端子電圧から変動してしまう。
しかしながら、上記従来構成では、自動変速機ECUにおいてラダー抵抗回路から出力される端子電圧を入力する端子はアナログ入力端子であるため、スイッチ接点は自動変速機ECU内の一般的な5Vの電源ラインと接続されることになる。このような構成では、自動変速機ECUからスイッチ接点の接点被膜を焼切るだけの大電流を流すことはできないことから、接点被膜による端子電圧の変動を解消することはできない。
このような課題を解決するための手段として、接点皮膜を焼切る回路が提案されている(特許文献1の図7参照)。このものは、スイッチ接点の端子電圧をアナログモニタし、接点抵抗が増大して端子電圧が所定以上となったときに、強制的に大電流を流して接点被膜を焼切ることで接点被膜による影響を防止しようとするものである。
しかしながら、シフトレンジスイッチのように操作状態に応じて何れか1つのスイッチ接点が排他的にオンするスイッチ接点に特許文献1の焼切回路を適用しようとすると、各スイッチ接点をアナログモニタする必要があるため、マイクロコンピュータにアナログ入力ポートが多数必要となる。
また、各スイッチ接点に対応して焼切回路が複数必要となるので、装置の大型化とコストアップを招来してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スイッチを構成する複数のスイッチ接点の内で排他的にオンしたスイッチ接点をラダー抵抗回路を利用して特定する構成において、スイッチ接点に生じた接点皮膜を簡単な構成で焼切ることができるスイッチの状態特定装置を提供することにある。
請求項1の発明によれば、スイッチを構成するスイッチ接点の何れかがオンすると、ラダー抵抗の内の所定の抵抗の端子がオンしたスイッチ接点を介して0Vに接続されるので、ラダー抵抗回路から出力される端子電圧がオンしたスイッチ接点に対応した電圧となる。これにより、マイクロコンピュータはオンしたスイッチ接点を特定することができる。
スイッチ接点に接点被膜が形成されると、接点抵抗が大きくなるので、スイッチ接点のオンに応じてラダー抵抗回路から出力される端子電圧が当該端子電圧に対応して設定された許容範囲外となる。そこで、マイクロコンピュータは、スイッチ接点がオンした状態における所定タイミングで接点被膜焼切回路を動作させる。これにより、接点被膜焼切回路から接点被膜を破壊するだけの通常よりも大きな電流がスイッチ接点に流れるので、スイッチ接点に形成された接点被膜を焼切ることができる。この場合、接点被膜焼切回路は各スイッチ接点に共通して設けられているので、全体構成が複雑となることなく実施できる。
一実施形態における自動変速機ECUを示す回路図 初期端子電圧を示す図 端子電圧のサンプリングタイミングを示す図 マイクロコンピュータの学習動作を示す図 マイクロコンピュータのサンプリング動作を示す図
以下、本発明を車両に搭載された自動変速機ECU(Electronic Control Unit)に適用した一実施形態について図面を参照して説明する。
自動変速機ECU1は、シフトレンジスイッチ2の状態に基づいて自動変速機を変速制御する。シフトレンジスイッチ2は、図1に示すように複数のスイッチ接点2a〜2fを備えており、図示しないシフトレバーの操作位置(シフトレンジ)に応じてスイッチ接点2a〜2fの内、対応する1つのスイッチ接点のみが排他的にオンする。具体的には「P」レンジではスイッチ接点2aのみがオンし、「R」レンジではスイッチ接点2bのみがオンし、「N」レンジではスイッチ接点2cのみがオンし、「D」レンジではスイッチ接点2dのみがオンし、「2」レンジではスイッチ接点2eのみがオンし、「L」レンジではスイッチ接点2fのみがオンする。各スイッチ接点2a〜2fの一方の接点端子は0Vに接続され、他方の接点端子は自動変速機ECU1の端子である「P」端子3a、「R」端子3b、「N」端子3c、「D」端子3d、「2」端子3e、「L」端子3fとそれぞれ接続されている。
自動変速機ECU1は、ラダー抵抗回路4、接点被膜焼切回路5、整流回路6、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)7を備えて構成されている。ラダー抵抗回路4は、直列接続された複数の抵抗4a〜4fとダイオード4gとを直列接続してなる。ダイオード4gのアノードは、自動変速機ECU1の内部の電源ラインである5Vラインに接続されている。5V電源ラインは、車両バッテリからイグニッションスイッチに対するオン操作に応じてオンするメインスイッチを介して接続される図示しない電源生成ICにより生成される5Vが給電されるラインである。
ラダー抵抗回路4の各抵抗4a〜4fの各端子は自動変速機ECU1の所定の端子3a〜3fと接続されている。具体的には、抵抗4aと抵抗4bの共通接続端子は「P」端子3aと接続され、抵抗4bと抵抗4cの共通接続端子は「R」端子3bと接続され、抵抗4cと抵抗4dの共通接続端子は「N」端子3cと接続され、抵抗4dと抵抗4eの共通接続端子は「D」端子3dと接続され、抵抗4eと抵抗4fの共通接続端子は「2」端子3eと接続され、抵抗4fのもう一方の端子は「L」端子3fと接続されている。
ラダー抵抗回路4における抵抗4aと抵抗4bとの共通接続端子は端子電圧出力部4hに設定されており、その端子電圧出力部4hがマイコン7のAD(アナログデータ)入力ポートに抵抗8を介して接続されていると共にダイオード9を介して5V電源ラインにプルアップ接続されている。
ラダー抵抗回路4の端子電圧出力部4hは、シフトレンジスイッチ2においてオンしたスイッチ接点2a〜2fに対応した端子電圧を出力する。具体的には、図2に示すように、「P」レンジに対応したスイッチ接点2aがオンした場合は0Vを出力し、「R」レンジに対応したスイッチ接点2bがオンした場合は抵抗4a〜4eと抵抗4fの分圧電圧を出力し、「N」レンジに対応したスイッチ接点2cがオンした場合は抵抗4a〜4dと抵抗4e〜4fの分圧電圧を出力し、「D」レンジに対応したスイッチ接点2dがオンした場合は抵抗4a〜4cと抵抗4d〜4fの分圧電圧を出力し、「2」レンジに対応したスイッチ接点2eがオンした場合は抵抗4a〜4bと抵抗4c〜4fの分圧電圧を出力し、「L」レンジに対応したスイッチ接点2fがオンした場合は抵抗4aと抵抗4b〜4fの分圧電圧を出力する。つまり、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧は、オンしたスイッチ接点2a〜2fによって異なる電圧を示すようになっている。従って、マイコン7は、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧に基づいてオンしたスイッチ接点、ひいてはシフトレンジを特定することができる。
図1に示す接点被膜焼切回路5は、抵抗5aとスイッチング素子である出力用トランジスタ5bとからなり、出力用トランジスタ5bのコレクタは抵抗5aを介してバッテリ電源ラインと接続されている。バッテリ電源ラインは、イグニッションスイッチに対するオン操作に応じてオンするメインスイッチを介して車両バッテリと接続されており、イグニッションスイッチのオン状態で出力用トランジスタ5bに抵抗5aを介してバッテリ電圧が印加される。出力用トランジスタ5bのコレクタに接続された抵抗5aは、出力用トランジスタ5bがオンした場合に当該出力用トランジスタ5bに流れる電流が数十mA程度となるように制限するものである。出力用トランジスタ5bのベースはマイコン7の出力ポートと接続されている。マイコン7は、接点被膜焼切回路5を動作させる場合は、出力用トランジスタ5bのベースにハイレベル信号を出力する。
整流回路6は複数の整流素子であるダイオード6a〜6fから構成されており、各ダイオード6a〜6fのアノードは出力用トランジスタ5bのエミッタに共通接続されている。各ダイオード6a〜6fのカソードはラダー抵抗回路4の各端子3a〜3fにそれぞれ接続されている。具体的には、ダイオード6aのカソードは「P」端子3aに接続され、ダイオード6bのカソードは「R」端子3bに接続され、ダイオード6cのカソードは「N」端子3cに接続され、ダイオード6dのカソードは「D」端子3dに接続され、ダイオード6eのカソードは「2」端子3eに接続され、ダイオード6fのカソードは「L」端子3fに接続されている。
車両組付後に作業員によるイグニッションスイッチに対するオン操作に応じてメインスイッチがオンすると、メインスイッチを介して自動変速機ECU1に給電されるので、自動変速機ECU1のマイコン7が初めて動作する。マイコン7は、初めて動作する場合は学習動作を実行する。この学習動作では、図4に示すようにシフトスイッチ数をKに設定する(S101)。このKはシフトレンジ数と同一であり、本実施形態では6に設定される。次に、n=1を設定してから(S102)、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧を読込む(S103)。このとき、シフトレンジが「P」レンジであるとすると、「P」レンジに対応したスイッチ接点2aのみがオンしていることから、端子電圧は0Vである。従って、0Vを初期端子電圧として不揮発性メモリ(例えばEEPROM)へ格納してから(S104)、n=K(=6)かを判定する(S105)。この場合、n=1であるので(S105:NO)、n=n+1=2としてから(S106)、端子電圧が変動したかを判定する(S107)。
作業者がシフトレバーを「P」レンジから「R」レンジにシフト操作すると、オンするスイッチ接点が「P」レンジから「R」レンジに対応したスイッチ接点2bとなるので、端子電圧が0Vから変動する。これにより、マイコン7は、端子電圧が変動したと判定し(S107:YES)、変動した端子電圧を読込み(S103)、不揮発性メモリへ格納してから(S104)、n=3とする(S106)。
以上のようにして、マイコン7は、作業者がシフトレバーをシフト操作する毎に読込んだ端子電圧を初期端子電圧として不揮発性メモリへ順に記憶することを繰り返し、n=6となったところで(S105:YES)、終了する。
従って、マイコン7が学習動作を終了した時点では、6つの初期端子電圧を記憶していることになる。尚、シフトレバーは何れのシフトレンジから開始してもよいが、全てのシフトレンジにシフト操作する必要がある。
さて、マイコン7は、フローチャートには示していないが、学習動作を終了したときは、記憶している6つの初期端子電圧を各シフトレンジに対応付ける。具体的には、図2に示すように、小さい電圧から順に、「P」レンジ、「R」レンジ、「N」レンジ、「D」レンジ、「2」レンジ、「L」レンジに対応させる。尚、初期端子電圧とシフトレンジとの対応付けの方法は、初期端子電圧の大きな方から順に「L」〜「P」レンジにそれぞれ対応させてもよいし、予めシフトレンジに対応して設定した電圧範囲との比較により対応させるようにしてもよい。
以上のように設定した初期端子電圧はシフトレンジを特定するための基準電圧となる。つまり、ラダー抵抗回路4から読込んだ端子電圧が初期端子電圧と一致すれば、その初期端子電圧に対応したシフトレンジであると特定することができる。この場合、初期端子電圧は自動車組立工場において通常温度で読込んだ端子電圧であり、ラダー抵抗回路4を構成する各抵抗4a〜4fの抵抗値は温度変動の影響を受けて変動することから、初期端子電圧には素子バラつき範囲(図2中に示す斜線領域)が設定されている。尚、「P」レンジに対応した初期端子電圧は抵抗値が変動しても0Vで変動しないことから、素子バラつき範囲は設定されていない。
車両をユーザに販売すると、ユーザにより市場走行が行われる。マイコン7は、図3に示すように市場走行時は例えば周期8ms毎にサンプリング動作を実行する。このサンプリング動作は、図5に示すようにラダー抵抗回路4から出力される端子電圧を読込み(S201)、上述した学習動作時に記憶した初期端子電圧と比較する(S202)。端子電圧が初期端子電圧の許容範囲内であれば(S202:許容範囲内)、初期端子電圧に対応するシフトレンジを正常値(制御値)として認識する(S205)。従って、ユーザがシフトレバーを「P」レンジから「D」にシフト操作すると、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧が0Vから「D」レンジに対応した初期端子電圧に変動するので、Dレンジとなったことを特定する。この場合、フローチャートには示していないが、マイコン7は、認識した正常値(制御値)に基づいて自動変速機の変速用油圧回路を制御するので、自動変速機は「P」レンジから「D」レンジに変速する。
さて、例えば車両の使用期間が長くなると、シフトレンジスイッチ2の各スイッチ接点を構成する金属部品の表面が腐食して酸化被膜が形成されるようになる。スイッチ接点の表面に酸化被膜が形成された場合は接点被膜となり、オンしたスイッチ接点の接点抵抗が大きくなる。すると、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧が初期状態よりも上昇するようになるので、シフトレンジに対応した端子電圧が初期端子電圧の許容範囲内から外れるようになり、オンしたスイッチ接点を特定することができなくなる。
そこで、マイコン7は、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧が初期端子電圧の許容範囲外となった場合は(S202:許容範囲外)、接点被膜焼切りが必要であると判定し(S203)、出力用トランジスタ5bをオンする(S204)。これにより、抵抗5a及び出力用トランジスタ5bを通じてバッテリ電圧が各スイッチ接点2a〜2fに印加されるようになる。このとき、図1に示すようにスイッチ接点2cのみがオンしているとすると、スイッチ接点2cのみに抵抗5a及び出力用トランジスタ5bを介して通常よりも大きな数十mAの電流が流れるので(図1に矢印で示す)、接点被膜を焼切ることが可能となる。この場合、出力用トランジスタ5bのオン時間は、サンプリング動作の周期8msよりも短い例えば4msに設定されている。これは、次のサンプリング動作までに被膜焼切り動作を確実に終了させるためである。
尚、マイコン7は、出力用トランジスタ5bをオンしている期間はラダー抵抗回路4から出力される端子電圧を読取ることを停止する。
また、上述した設定被膜焼切り動作により接点被膜を十分に焼切ることができず、次のサンプリング動作時に読取った端子電圧が初期端子電圧に対して依然として許容範囲外であった場合は、接点被膜焼切回路5に対する動作が連続して行われることになる。
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
接点被膜焼切回路5と各スイッチ接点2a〜2fとをダイオード6a〜6fを介して共通に接続することにより、接点被膜焼切回路5からスイッチ接点2a〜2fに接点被膜を焼切ることが可能な通常よりも大きな電流を共通に供給するようにしたので、端子電圧を入力するためのADポートが1つで済むと共に、接点被膜焼切回路5を動作させるマイコン7の出力ポートが1つで済む。また、接点被膜焼切回路5をスイッチ接点2a〜2f毎に設ける必要がなく、1つの接点被膜焼切回路5を設ければよいので、回路構成が簡単化となり、装置が大型化することないと共に低コストで実施可能となる。
車両組立時に自動変速機ECU1のマイコン7が初めて動作したタイミングで、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧を初期端子電圧として不揮発性メモリへ記憶し、ユーザによる市場走行時に端子電圧を素子バラつき範囲が設定された初期端子電圧と比較することでシフトレンジを特定するようにしたので、車両毎にスイッチ接点2a〜2fの状態と素子バラつきのマッチングの整合がとれ、より確実に接点被膜の形成の判定が可能となる。
サンプリング動作時に接点被膜が形成されたと判断した場合のみに接点被膜焼切回路5からスイッチ接点2a〜2fに通常よりも大きな電流を供給するようにしたので、接点被膜の形成を考慮することなく接点被膜焼切回路5を定期的に動作させる構成に比較して、バッテリの電力消費を抑制することができる。
接点被膜焼切回路5の動作期間がサンプリング周期以内となるように出力用トランジスタ5bのオン時間を設定したので、次のサンプリングタイミングにおいて、接点被膜焼切回路5の動作継続による端子電圧の読込への影響を確実に防止できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
スイッチ接点2a〜2fに供給する電流を変更可能に構成し、読取った端子電圧と初期端子電圧との電圧差に応じて供給電流を変更するようにしてもよい。つまり、端子電圧と初期端子電圧との電圧差が大きいほど供給電流が大きくするのである。また、サンプリング動作時に接点被膜焼切回路5を動作させることによりラダー抵抗回路4から出力される端子電圧が初期端子電圧の許容範囲外となった場合において、次のサンプリング動作時に再度許容範囲外となったときは、供給電流を大きくするようにしてもよい。
サンプリング動作時に接点被膜焼切回路5を動作させるにしてラダー抵抗回路4からの端子電圧が対応する初期端子電圧に対して許容範囲外となる状態が所定回数連続した場合は、異常を報知するようにしてもよい。
ダイオード6a〜6fに代えてオープンコレクタタイプのトランジスタを設け、出力用トランジスタ5bのオンと同期してオンすることにより通常よりも大きな電流をスイッチ接点2a〜2fに供給するようにしてもよい。
本発明を、クルーズコントロールスイッチ、ワイパースイッチ、ブロワ―スイッチ等に適用してもよい。これらのスイッチでは、全てのスイッチ接点がオフしている状態があるが、このような状態では端子電圧として電源電圧(5V)が出力されることから、判定可能である。
図面中、1は自動変速機ECU、2はシフトレンジスイッチ、2a〜2fはスイッチ接点、4はラダー抵抗回路、4a〜4fは抵抗、6a〜6fはダイオード(整流素子)、7はマイクロコンピュータである。
ラダー抵抗回路4の端子電圧出力部4hは、シフトレンジスイッチ2においてオンしたスイッチ接点2a〜2fに対応した端子電圧を出力する。具体的には、図2に示すように、「P」レンジに対応したスイッチ接点2aがオンした場合は0Vを出力し、「R」レンジに対応したスイッチ接点2bがオンした場合は抵抗4aと抵抗4の分圧電圧を出力し、「N」レンジに対応したスイッチ接点2cがオンした場合は抵抗4aと抵抗4〜4の分圧電圧を出力し、「D」レンジに対応したスイッチ接点2dがオンした場合は抵抗4aと抵抗4〜4の分圧電圧を出力し、「2」レンジに対応したスイッチ接点2eがオンした場合は抵抗4aと抵抗4〜4の分圧電圧を出力し、「L」レンジに対応したスイッチ接点2fがオンした場合は抵抗4aと抵抗4b〜4fの分圧電圧を出力する。つまり、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧は、オンしたスイッチ接点2a〜2fによって異なる電圧を示すようになっている。従って、マイコン7は、ラダー抵抗回路4から出力される端子電圧に基づいてオンしたスイッチ接点、ひいてはシフトレンジを特定することができる。

Claims (4)

  1. 所定電圧が印加されるラダー抵抗回路(4)と、
    一方の接点端子が0Vに接続されると共に他方の接点端子が前記ラダー抵抗回路の各抵抗の端子にそれぞれ接続され、操作状態に応じて排他的にオンする複数のスイッチ接点(2a〜2f)を備えたスイッチ(2)と、
    前記ラダー抵抗回路の電圧出力部(4h)から出力される端子電圧を所定周期でサンプリングし、前記端子電圧に基づいてオンした前記スイッチ接点を特定するマイクロコンピュータ(6)と、
    流入端子から流出端子のみに電流が流れるように設けられ、前記流入端子が共通接続されると共に前記流出端子が前記スイッチ接点の前記他方の端子にそれぞれ接続された複数の整流素子(6a〜6f)と、
    前記整流素子において共通接続された流入端子に前記スイッチ接点に生じた接点被膜を焼切ることが可能な通常よりも大きな電流を供給可能な接点被膜焼切回路(5)と、を備え、
    前記マイクロコンピュータは、前記端子電圧が当該端子電圧に対応して予め設定された所定の許容範囲内でない場合は、前記端子電圧が出力されたタイミングでオンしていた前記スイッチ接点がオン状態となっている所定タイミングで前記接点被膜焼切回路を動作させることを特徴とするスイッチの状態特定装置。
  2. 前記マイクロコンピュータは、初めての動作開始時に各スイッチ接点がそれぞれオンしている状態における前記端子電圧を初期端子電圧として前記スイッチ接点に対応して記憶し、前記端子電圧が初期端子電圧に対して予め設定された所定の許容範囲内の場合はオンしているスイッチ接点を特定し、前記端子電圧が許容範囲内でない場合は前記接点被膜焼切回路を動作させることを特徴とする請求項1記載のスイッチの状態特定装置。
  3. 前記マイクロコンピュータは、前記接点被膜焼切回路を動作させる場合は、前記端子電圧をサンプリングしてから所定期間実行することを特徴とする請求項2記載のスイッチの状態特定装置。
  4. 前記所定期間は、サンプリング周期よりも短く設定されていることを特徴とする請求項3記載のスイッチの状態特定装置。
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