JP2015133846A - 非接触給電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給電コイル上に載ってしまった異物を、比較的簡易な構成で確実に取り除くことができるようにした、非接触給電装置を提供する。【解決手段】給電コイル15を有し、移動体に対して給電コイル15から非接触で送電を行う非接触給電装置である。給電コイル15を覆ってカバー30が設けられる。カバー30には、給電コイル15で発生した磁束Aによって振動し、カバー30を振動させる振動部32が接続されている。【選択図】図2

Description

本発明は、非接触給電装置に関する。
近年、給電側のコイル(給電コイル)を地上に設置、あるいは地面に面一になるように埋設し、受電側のコイル(受電コイル)を備えた電気自動車を給電コイル上に停車させ、給電コイルから受電コイルに対して非接触で電力を供給する、非接触給電システムが知られている。
ところで、給電コイルと自動車(車両)の受電コイルとの間に金属等の導電体や磁性体からなる異物が入り込むと、この異物に渦電流が生じ、ジュール発熱によって異物の温度が上昇する。すると、この異物の温度上昇に伴われて給電コイルも温度上昇する。また、異物によって給電コイルが作る磁界が弱められるため、その伝送(送電)効率が少なからず低下してしまう。
このような異物による発熱を防止したものとして、例えば特許文献1に、充電面を水平面に対して角度を持った傾斜面又は鉛直面にした、充電装置が知られている。
特開2011−234514号公報
しかしながら、例えば車両に対する非接触給電装置にあっては、給電面を単に傾斜させるだけでは異物を確実に落とすことが難しかった。また、別に専用の電源を用いて異物を除去することも考えられるが、その場合には異物を除去するための装置が複雑になるとともに、専用の電源を用いることで装置コストが増大してしまうという課題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、給電コイル上に載ってしまった異物を、比較的簡易な構成で確実に取り除くことができるようにした、非接触給電装置を提供することにある。
本発明の非接触給電装置は、給電コイルを有し、移動体に対して前記給電コイルから非接触で送電を行う非接触給電装置であって、前記給電コイルを覆ってカバーが設けられ、前記カバーには、前記給電コイルで発生した磁束によって振動し、前記カバーを振動させる振動部が接続されていることを特徴とする。
また、前記非接触給電装置において、前記カバーは、その上面が外側に行くに連れて下降する傾斜面となっていることが好ましい。
また、前記非接触給電装置において、前記振動部は、前記給電コイルで発生した磁束を受けて電力を生成する振動部コイルと、前記振動部コイルに接続するとともに前記カバーに接続し、前記振動部コイルで生成した電力によって振動する導電性高分子アクチュエータからなる振動子と、によって形成されていることが好ましい。
また、前記非接触給電装置において、前記振動部は、磁歪材料からなる振動子によって形成されていることが好ましい。
本発明の非接触給電装置によれば、給電コイルを覆ってカバーを設け、このカバーに、給電コイルで発生した磁束によって振動し、カバーを振動させる振動部を接続しているので、カバーを介して給電コイル上に載ってしまった異物を、比較的簡易な構成からなる振動部の振動によって確実に取り除くことができる。
本発明に係る非接触給電システムの要部構成を示すブロック図である。 本発明の非接触給電装置の第1実施形態を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。 導電性高分子アクチュエータを説明するための模式図である。 本発明の非接触給電装置の第2実施形態を説明するための要部側面図である。 本発明の非接触給電装置の第3実施形態を説明するための要部側面図である。 本発明の非接触給電装置の変形例を説明するための要部側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の非接触給電装置を詳しく説明する。
なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る非接触給電システム1の要部構成を示すブロック図である。図1中符号1は非接触給電システムであり、この非接触給電システム1は、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(移動体)に搭載されたバッテリを充電するためのシステム(装置)である。
非接触給電システム1は、地面側に設置された非接触給電装置3と、車両2(移動体)側に設けられる受電装置4と、を備えて構成される。非接触給電装置3は、本発明の非接触給電装置における第1実施形態となるもので、地表面に設置され、地上を走行する車両2が予め定められた位置関係(後述する電磁気結合回路が形成される位置関係)で停車しているときに、車両2の受電装置4に対して電力(バッテリ24を充電するための電力)を非接触で伝送できるように構成されている。
この非接触給電装置3は、電源11、整流回路12、給電回路13、給電用制御部14、給電コイル15(給電レゾネータ)等を備えて構成されており、受電装置4に対する非接触給電に適した電力を生成するとともに、受電装置4に対する非接触給電を行う上で必要となる各種制御を行う。
電源11は、車両2に伝送すべき電力を生成するために必要となる電力を供給する電源であり、例えば電圧が200[V]である三相交流電力を供給する電源である。なお、この電源11は、三相交流電源に限られることはなく、商用交流電源のような単相交流電力を供給する電源であってもよい。
整流回路12は、電源11から供給される交流電力を整流して直流電力に変換する回路である。なお、電源11としては燃料電池や太陽電池など直流電源を利用することも可能であり、その場合には、整流回路12を省略することができる。
給電回路13は、整流回路12から供給される電力を、給電コイル15と車両2に設けられる受電コイル25とによって形成される電磁気結合回路を介して、非接触で車両2に供給する。具体的には、給電回路13は、給電コイル15とともに給電側共振回路を構成する共振用コンデンサを備えており、給電用制御部14の制御の下で、整流回路12からの直流電力を電源11の交流電力よりも周波数が高い交流電力(高周波電力)に変換して給電コイル15に出力する。
給電用制御部14は、給電回路13を制御して受電装置4に供給すべき電力を生成させる。この給電用制御部14は、CPU(中央処理装置)やメモリ等を備えており、予め用意された制御プログラムに基づいて上記の各種制御を行う。
給電コイル15は、前述したように給電回路13から供給される交流電力を非接触で車両2に給電するためのコイルであり、地上に設置され、あるいは地面に面一になるように埋設されている。この給電コイル15は、例えば予め規定されたコイル形状寸法を有するヘリカルコイルによって形成されており、その上面側がカバー30によって覆われている。このカバー30の詳細については後述する。なお、給電コイル15は、この給電コイル15をモールドするプラスチック等の非磁性材料によって形成される収容体と一体的に設けられていてもよい。給電コイル15は、給電回路13から供給される交流電力(高周波電力)に応じた磁界を発生することにより、受電装置4に対して非接触で給電を行う。なお、給電コイル15としては、巻軸方向が水平方向を向いた、いわゆるソレノイドタイプのコイルによって形成されていてもよい。
車両2は、運転者によって運転されて道路上を走行する自動車であり、例えば動力発生源として走行モータを備える電気自動車やハイブリッド自動車であり、図1に示すように受電装置4を備えている。なお、図1では省略しているが、車両2は、エンジン、走行モータ、操作ハンドル、及びブレーキ等の走行に必要な構成を備えている。
受電装置4は、受電コイル25、受電回路26、充電回路27、前記バッテリ24、受電用制御部28を備える。受電コイル25は、前述した給電コイル15とほぼ同じコイル径を有するヘリカルコイルからなる。なお、受電コイル25は、この受電コイル25をモールドするプラスチック等の非磁性材料によって形成される収容体と一体的に設けられていてもよい。このような受電コイル25は、前記給電コイル15と対向可能なようにコイル軸が上下方向(鉛直方向)となる姿勢で、車両2の底部に設けられている。この受電コイル25は、両端が受電回路26の入力端に接続されており、給電コイル15の磁界が作用すると起電力を発生し、発生した起電力を受電回路26に出力する。なお、受電コイル25としては、巻軸方向が水平方向を向いた、いわゆるソレノイドタイプによって形成されていてもよい。
受電回路26は、給電コイル15と受電コイル25とによって形成される電磁気結合回路を介して非接触で供給されてくる電力(交流電力)を受電し、受電した電力を直流電力に変換して充電回路27に出力する。この受電回路26は、受電コイル25とともに受電側共振回路を構成する共振用コンデンサを備えている。なお、受電回路26の共振用コンデンサの静電容量は、受電側共振回路の共振周波数が前述した給電側共振回路の共振周波数と同一周波数になるように設定されている。
充電回路27は、入力端が受電回路26の出力端に接続されるとともに出力端がバッテリ24の入力端に接続されており、受電回路26からの電力(直流電力)をバッテリ24に充電する。バッテリ24は、車両2に搭載された再充電が可能な電池(例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池)であり、図示しない走行モータ等に電力を供給する。受電用制御部28は、CPUやメモリ等を備えており、予め用意された受電用制御プログラムに基づいて充電回路27を制御する。
また、本実施形態において、前述した給電コイル15の上面側を覆うカバー30は、図2(a)、(b)に示すように一対の樹脂製のカバー部材31、31によって形成されており、これらカバー部材31、31には、それぞれ振動部32が接続されている。
カバー部材31は、図2(b)に示すように平面視矩形状のカバー本体31aと、図2(a)に示すようにこのカバー本体31aの側縁部から下降する側板部31bとによって形成されている。
これらカバー部材31、31は、互いに接する側が高くなり、これと反対の側が低くなるように、側面視山型に形成されている。すなわち、カバー30はその上面が中央部側で高く、外側に行くに連れて漸次下降する傾斜面となっている。カバー部材31の傾斜角については、特に限定されることなく、後述するように上面上に載った異物50がカバー部材31の振動によって容易に外側(低い側)に案内され、カバー部材31から落下する角度とされる。具体的には、10度〜40度程度とされる。
振動部32は、給電コイル15で発生した磁界を受けて電力を生成する振動部コイル33と、振動部コイル33に配線34を介して接続するとともにカバー部材31に接続する振動子35と、を備えて構成される。
振動部コイル33は、給電コイル15とカバー部材31との間に配置され、したがって地表面と車両2との間における、給電コイル15と受電コイル25とに挟まれる空間内に配置される。
この振動部コイル33は、丸線或いは平角線等の導線を、同一平面内で螺旋状に巻回したヘリカル型のコイルである。そして、この振動部コイル33は、給電コイル15から受電コイル25に非接触給電がなされる際に生じる磁束Aに対してその巻回面(コイル軸と直交する面)が、より直交に近い状態で交差するように、図示しない適宜な保持治具等によってカバー部材31の下側に配置されている。このような構成によって振動部コイル33は、給電コイル15からの磁束Aを受けて電力を生成し、配線34を介して振動子35に交流電力(高周波電力)を供給する。
なお、振動部コイル33の配置については、給電コイル15と受電コイル25とに挟まれる空間内から一部外れるように配置してもよい。このように前記空間から一部外れて配置することにより、給電コイル15から受電コイル25に向かう磁束Aとは別に、受電コイル25に伝わることなく外部に洩れてしまう漏れ磁束の一部を受けてこれを電力に変換することができる。したがって、エネルギー効率を高めることができる。
前記した一対のカバー部材31、31のうちの一方のカバー部材31側に設けられた振動部コイル33と、他方のカバー部材31側に設けられた振動部コイル33とは、それぞれの導線の巻き方向が逆になっている。すなわち、例えば一方のカバー部材31側の振動部コイル33は左巻きに形成されており、他方のカバー部材31側の振動部コイル33は右巻きに形成されている。
振動子35は、本実施形態では振動部コイル33で生成した電力によって振動する、導電性高分子アクチュエータ36によって形成されている。この導電性高分子アクチュエータ36は、屈伸運動する素子によって形成されたもので、図3に示すように例えば短冊状(細長い矩形板状)に成形されたポリピロール(PPy)36aと、このポリピロール36aの一方の面に貼設されたカプトンテープ36bとによって形成される。
このような構成からなる導電性高分子アクチュエータ36は、図3に示すように溶液37中に浸漬された状態でポリピロール36aに接続する作用電極38と溶液37中に浸漬された対向電極39との間に電圧が印可されると、溶液37中のイオンがポリピロール36a側の面のみから出入りし、カプトンテープ36b側に比べて相対的に体積が膨張、収縮することにより、素子が屈伸運動する。なお、溶液37としては、例えば脱イオン水にp−トルエンスルホン酸ナトリウム(p−TSNa)を溶解したものが用いられる。
そして、本実施形態の振動子35は、前記の導電性高分子アクチュエータ36、36がそのカプトンテープ36b側を内側にして互いに当接させた状態で一対重ねられることにより、形成されている。また、図2(a)に示したように振動子35は、その一端側が地面上に立てられた支持板40に保持され、他端側の端面がカバー部材31の外側の側板部31bの外面に当接してこれに接続している。なお、振動子35は、例えば図2(b)に示すように、カバー部材31に対して3つ接続している。ただし、カバー部材31に接続する振動子35の数は、カバー部材31の大きさや振動子35の能力に応じて任意に設定される。カバー部材31に対して例えば振動子35を一つのみ接続する場合、カバー部材31を安定的に保持するため、支持板40とカバー部材31との間にコイルバネを介装するようにしてもよい。また、支持板40とは別の支持部材(図示せず)により、カバー部材31を支持するように構成してもよい。
図2(a)に示すように振動子35の支持板40側には作用電極(図示せず)が設けられ、該作用電極に前記振動部コイル33の一端側に接続する配線34が接続されている。また、振動子35の中間部には溶液収容筒(図示せず)が外挿されており、振動子35はこの溶液収容筒に対してその中間部が摺動可能に保持されている。そして、振動子35の先端部は溶液収容筒から引き出され、前述したようにカバー部材31の外側の側板部31bの外面に当接している。
溶液収容筒内には、前記溶液(図示せず)が液密に充填され、さらに溶液中には対向電極(図示せず)が配置されている。この対向電極には、前記振動部コイル33の他端側に接続する配線34が接続されている。なお、前述したように振動子35は一対の導電性高分子アクチュエータ36によって形成されているが、振動子35の作用電極は一対の導電性高分子アクチュエータ36におけるそれぞれのポリピロール36aへの作用電極として機能するようになっており、また、溶液収容筒内に配置された対向電極も一対の導電性高分子アクチュエータ36において共通の電極となっている。
このような構成によって振動子35は、ポリピロール36aからなる両面より溶液37中のイオンが出入りすることにより、全体の体積が膨張、収縮することで、長さ方向に変位する。すなわち、長さ方向に伸縮する。
したがって、振動部32は、振動部コイル33が給電コイル15で形成される磁界によって電力を生成し、この電力が配線34を介して振動子35に供給されることにより、振動子35がその長さ方向に伸縮してカバー部材31を振動させる。すなわち、振動部コイル33が給電コイル15から発せられる交流電力(高周波電力)に応じた磁界(磁束A)を受けることで高周波の交流電力を振動子35に供給することにより、振動子35は全体の体積の膨張、収縮を高速で繰り返し、その長さ方向での長さを高速で変位させる。その際、振動子35はその一端側が支持板40に保持されて固定され、他端側の端面がカバー部材31の外側の側板部31bの外面に当接しているため、他端側に伸縮することでカバー部材31を小刻みに振動させる。
このような振動部32によるカバー部材31の振動は、一対のカバー部材31、31の両方で同様になされる。その際、特に本実施形態では、一方のカバー部材31側に接続される振動部コイル33と他方のカバー部材31側に接続される振動部コイル33とを、それぞれの導線の巻き方向を逆にしているので、一方のカバー部材31に設けられる振動子35と他方のカバー部材31に設けられる振動子35とでは振動部コイル33で生成する交流電力(交流電圧)の位相が逆になる。
したがって、一方の側の振動子35が伸長したときには他方の側の振動子35が短縮し、逆に一方の側の振動子35が短縮したときには他方の側の振動子35が伸長するようになる。これにより、一対のカバー部材31、31は共に同方向に変位するようになる。すなわち、一方のカバー部材31が図2(a)中の紙面右方向に変位するときには他方のカバー部材31も紙面右方向に変位し、一方のカバー部材31が紙面左方向に変位するときには他方のカバー部材31も紙面左方向に変位する。よって、一対のカバー部材31、31が一体に変位するため、カバー30は円滑に振動し、その上に載った異物50をカバー30上から容易に落下させられるようになる。
このように本実施形態の非接触給電装置3にあっては、給電コイル15を覆って一対のカバー部味31、31からなるカバー30を設け、カバー部材31、31に、給電コイル15で発生した磁束Aによって振動し、カバー30を振動させる振動部32を接続しているので、カバー30上に載り、したがってこのカバー30を介して給電コイル15上に載ってしまった異物50を、比較的簡易な構成からなる振動部32の振動子35の振動によってカバー部材31の傾斜方向下方となる外方に移動させ、カバー部材31から落下させることでカバー30上から確実に取り除くことができる。したがって、別の専用の電源を用いることなく、比較的簡易な構成によって異物50により給電コイル15の伝送(送電)効率が低下してしまうのを防止することができる。
特に、カバー30を構成するカバー部材31、31を、その上面が外側に行くに連れて下降する傾斜面としているので、振動部32による振動によって異物50をカバー部材31の傾斜方向下方となる外方に容易に案内し、移動させてカバー部材31から落下させることができる。
また、振動部32の振動子35として一対の導電性高分子アクチュエータ36、36を用いているので、これら導電性高分子アクチュエータ36、36は低電圧で駆動することから、振動部コイル33で得られた電力によって振動子35が容易に駆動し、カバー部材31、31を振動させるようになる。さらに、導電性高分子アクチュエータ36はモータ等に比べて格段に軽量であるため、カバー部材31(カバー30)への取り付けが容易になる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の非接触給電装置の第2実施形態を説明するための要部を模式的に示す側面図である。図4に示す非接触給電装置が図1、図2に示した第1実施形態の非接触給電装置3と異なるところは、カバー部材31、31(カバー30)に対する振動子35の取り付け方にある。
すなわち、本実施形態では、図4に示すように一対の導電性高分子アクチュエータ36、36からなる振動子35はその一端側が地面上に立てられた支持板40に保持され、他端側の端面がカバー部材31のカバー本体31aの底面に当接してこれに接続している。したがって、本実施形態では振動部コイル33が給電コイル15から発せられる交流電力(高周波電力)に応じた磁界(磁束A)を受けることで高周波の交流電力を振動子35に供給することにより、振動子35はカバー本体31aを鉛直方向に振動させる。
よって、本実施形態の非接触給電装置にあっても、カバー30上に載った異物50を、比較的簡易な構成からなる振動部32の振動子35の振動によってカバー部材31の傾斜方向下方となる外方に移動させ、カバー部材31から落下させることでカバー30上から確実に取り除くことができる。したがって、別の専用の電源を用いることなく、比較的簡易な構成によって異物50により給電コイル15の伝送(送電)効率が低下してしまうのを防止することができる。
[第3実施形態]
図5は、本発明の非接触給電装置の第3実施形態を説明するための要部を模式的に示す側面図である。図5に示す非接触給電装置が図4に示した第2実施形態の非接触給電装置と異なるところは、カバー部材31、31(カバー30)に接続する振動部の構成にある。すなわち、本実施形態では、振動部41として磁歪材料からなる振動子42を有したものが用いられる。
磁歪材料としては、強磁性体であるコバルトやニッケル、さらにはこれらの合金などが用いられる。このような磁歪材料は、磁界をかけると寸法変化を生じて伸縮する。したがって、このような磁歪材料を用い、磁界によって伸縮する方向が長さ方向となるようにして振動子42を形成する。そして、この振動子42を第2実施形態の振動子35と同様に、その一端側が地面上に立てられた支持板40に保持され、他端側の端面がカバー部材31のカバー本体31aの底面に当接してこれに接続するように配置するとともに、給電コイル15からの磁束Aの方向に沿うように配置する。
なお、本実施形態では給電コイル15からの磁界(磁束A)によって振動子42が直接伸縮するので、先の実施形態で用いた振動部コイル33を用いる必要はない。すなわち、振動子42が給電コイル15から発せられる交流電力(高周波電力)に応じた磁界(磁束A)を受けることで伸縮し、これによって振動子42はカバー本体31aを鉛直方向に振動させる。
よって、本実施形態の非接触給電装置にあっても、カバー30上に載った異物50を、簡易な構成からなる振動部41の振動子42の振動によってカバー部材31の傾斜方向下方となる外方に移動させ、カバー部材31から落下させることでカバー30上から確実に取り除くことができる。したがって、別の専用の電源を用いることなく、簡易な構成によって異物50により給電コイル15の伝送(送電)効率が低下してしまうのを防止することができる。
また、振動部41を磁歪材料からなる振動子42によって形成しているので、振動部コイル33を用いる必要がなくなり、したがって振動部41の構成をより簡易にすることができる。
[変形例]
図6は、本発明の非接触給電装置の変形例を説明するための要部を模式的に示す側面図である。図6に示す非接触給電装置は、先の実施形態と異なり、カバー30(カバー部材31、31)が振動部を兼ねた構成となっている。すなわち、カバー30(カバー部材31、31)は前述した磁歪材料によって形成されており、したがって給電コイル15から発せられる交流電力(高周波電力)に応じた磁界(磁束A)を受けることでカバー30自体が伸縮し、例えば鉛直方向に振動する。
なお、この変形例では、カバー30(カバー部材31、31)を磁歪材料であり、かつ導電材料でもある金属によって形成するため、磁界(磁束A)を受けることで該カバー30に渦電流が生じる。そこで、この渦電流によってカバーが発熱しないよう、渦電流を遮断するためのスリットを設けておく。また、カバー部材31、31は、図示しない支持部材によって給電コイル15の上方にこれを覆った状態で支持されている。
本実施形態の非接触給電装置にあっても、カバー30上に載った異物50を、簡易な構成からなる振動部としてのカバー30により、そのカバー部材31の傾斜方向下方となる外方に移動させ、カバー部材31から落下させることでカバー30上から確実に取り除くことができる。したがって、別の専用の電源を用いることなく、簡易な構成によって異物50により給電コイル15の伝送(送電)効率が低下してしまうのを防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態ではカバー30を一対のカバー部材31、31によって形成し、これらカバー部材31、31を山型に配置したが、例えばカバー部材31を平面視三角形状に形成し、これらカバー部材31を3枚以上組み合わせることでカバー30を角錐形状に形成してもよい。
また、前記実施形態ではカバー30の上面を傾斜面としたが、傾斜面とすることなく、水平面としてもよい。その場合にも、振動部によってカバーが振動させられることにより、カバー上の異物はカバーの上から容易に落下し、取り除かれるようになる。
1…非接触給電システム、2…車両(移動体)、3…非接触給電装置、15…給電コイル、25…受電コイル、30…カバー、31…カバー部材、32…振動部、33…振動部コイル、34…配線、35…振動子、36…導電性高分子アクチュエータ、41…振動部、42…振動子、50…異物、A…磁束

Claims (4)

  1. 給電コイルを有し、移動体に対して前記給電コイルから非接触で送電を行う非接触給電装置であって、
    前記給電コイルを覆ってカバーが設けられ、
    前記カバーには、前記給電コイルで発生した磁束によって振動し、前記カバーを振動させる振動部が接続されていることを特徴とする非接触給電装置。
  2. 前記カバーは、その上面が外側に行くに連れて下降する傾斜面となっていることを特徴とする請求項1記載の非接触給電装置。
  3. 前記振動部は、前記給電コイルで発生した磁束を受けて電力を生成する振動部コイルと、前記振動部コイルに接続するとともに前記カバーに接続し、前記振動部コイルで生成した電力によって振動する導電性高分子アクチュエータからなる振動子と、によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
  4. 前記振動部は、磁歪材料からなる振動子によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
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