この発明は、非接触給電装置および非接触給電システムに関し、特に、制御部を備えた非接触給電装置および非接触給電システムに関する。
従来、制御部を備えた非接触給電装置および非接触給電システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、複数の被給電装置(受電装置)に供給された電力の和を検出する制御回路を備えた非接触給電装置が開示されている。この非接触給電装置では、制御回路は、複数の被給電装置に供給された電力の和を検出して、検出した電力の和に基づいて、非接触給電装置内に設けられているバリアブルコンデンサの容量を変更する制御を行うように構成されている。また、制御回路は、供給された電力を検出した複数の被給電装置のうちの給電が必要な複数の被給電装置に対して電力を供給するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1の非接触給電装置では、給電が必要な複数の被給電装置に対して給電する制御を行うように構成されているため、たとえば、被給電装置の許容する受電電圧値を超える給電電圧値が供給される場合があると考えられる。この場合、許容する受電電圧値を超える給電が行われた受電装置には、故障等が生じる場合があるという問題点があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することが可能な非接触給電装置および非接触給電システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による非接触給電装置では、給電電圧値を変化させることが可能な電源部と、電源部の給電電圧値を制御する制御部とを備え、制御部は、複数の受電装置の許容する受電電圧値の範囲に関する許容電圧範囲情報を複数の受電装置から取得するとともに、取得した複数の受電装置の許容電圧範囲情報に基づいて、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御するように構成されている。
この発明の第1の局面による非接触給電装置では、上記のように、制御部は、複数の受電装置の許容電圧範囲情報に基づいて、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御することによって、複数の受電装置が許容する受電電圧値の範囲内で給電することができる。その結果、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
上記第1の局面による非接触給電装置において、好ましくは、制御部は、複数の受電装置の許容電圧範囲情報に加えて、電源部の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置の受電電圧値情報を取得するとともに、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御するように構成されている。このように構成すれば、複数の受電装置の許容電圧範囲に対応する電源部の給電電圧値の範囲を取得することができるので、容易に、電源部の給電電圧値を、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように設定することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、複数の受電装置ごとに、複数の受電装置の許容電圧範囲に対応する電源部の給電電圧値の範囲である第1給電電圧範囲を取得するとともに、複数の第1給電電圧範囲のうちの互いにオーバーラップする電源部の給電電圧値の範囲である第2給電電圧範囲をさらに取得して、電源部の給電電圧値が、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御するように構成されている。このように構成すれば、電源部の給電電圧値を、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御することによって、第2給電電圧範囲内に許容電圧値を含むすべての複数の受電装置に対して、故障等を生じさせることなく同時に給電することができる。
上記第1給電電圧範囲と第2給電電圧範囲とを取得するように構成されている制御部を備えた非接触給電装置において、好ましくは、受電装置と通信可能な通信部をさらに備え、制御部は、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である受電装置が存在する場合には、通信部を介して、第2給電電圧範囲外の受電装置に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第2給電電圧範囲外の受電装置は、位置を変更させる旨を、ユーザに通知することができる。そして、ユーザによって、第2給電電圧範囲外の受電装置が、第2給電電圧範囲内となる位置に移動されることによって、非接触給電装置は、第2給電電圧範囲外の受電装置が第2給電電圧範囲内となる位置に移動された分、より多くの複数の受電装置に対して同時に給電することができる。
上記第1給電電圧範囲と第2給電電圧範囲とを取得するように構成されている制御部を備えた非接触給電装置において、好ましくは、受電装置と通信可能な通信部をさらに備え、制御部は、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である複数の第1受電装置には、給電する制御を行うように構成されているとともに、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置には、通信部を介して、第2受電装置の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置の負荷は切断されるので、第2受電装置の負荷に許容電圧値を超える給電電圧が印加されることはない。その結果、許容電圧値を超えた給電が行われるのを、確実に抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、通信部を介して、第2受電装置の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信した後、複数の第1受電装置に対する給電を行うとともに、給電が終了したことを示す給電終了情報を取得したことに基づいて、複数の第1受電装置には、通信部を介して、複数の第1受電装置の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信し、第2受電装置には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、負荷の切断が行われていた第2受電装置に対しても、受電装置の許容電圧値を満たすように給電することができる。
上記給電する制御と負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御とを行うように構成されている制御部を備えた非接触給電装置において、好ましくは、制御部は、複数の第1受電装置と第2受電装置とに対して、負荷切断信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で、複数の第1受電装置と第2受電装置とに対して、交互に行うように構成されている。このように構成すれば、非接触給電装置は、複数の第1受電装置および第2受電装置に対して、共に受電装置の許容電圧値を満たしながら、交互に給電することができるので、充電する時間が少ない場合でも、複数の第1受電装置および第2受電装置に対して、ある程度の充電を行うことができる。
上記第1の局面による非接触給電装置において、好ましくは、制御部は、複数の受電装置の許容電圧範囲情報に加えて、電源部の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置の受電電圧値を取得するとともに、取得した複数の受電装置の許容電圧範囲情報と複数の受電装置の受電電圧値とに基づいて、複数の受電装置の許容電圧範囲に対応する電源部の給電電圧値の範囲を、線形近似、または、2次以上の関数に近似して取得するとともに、電源部の給電電圧値が、取得した電源部の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成されている。このように構成すれば、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御することができる。
この発明の第2の局面による非接触給電システムは、給電電圧値を変化させることが可能な電源部と、電源部により交流電流が供給されることにより給電磁界を発生させる給電コイルと、電源部の給電電圧値を制御する給電装置側制御部とを含む、給電装置と、給電磁界により電力を受電する受電コイルを含む複数の受電装置とを備え、給電装置側制御部は、複数の受電装置の許容する受電電圧値の範囲に関する許容電圧範囲情報を複数の受電装置から取得するとともに、取得した複数の受電装置の許容電圧範囲情報に基づいて、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御するように構成されている。
この発明の第2の局面による非接触給電システムでは、上記のように、給電装置側制御部は、複数の受電装置の許容電圧範囲情報に基づいて、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御することによって、複数の受電装置が許容する受電電圧値の範囲内で給電することができる。その結果、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの全体構成を示した図である。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの構成を示したブロック図である。
本発明の第1実施形態による第1給電電圧範囲の取得(線形近似)について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による許容電圧範囲と第1給電電圧範囲との対応関係を説明するための表である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲の取得について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による受電装置の移動を説明するための図である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲外の受電装置の移動後の第2給電電圧範囲について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲内の受電装置の移動後の第2給電電圧範囲について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理の全体を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの許容電圧範囲情報を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧範囲を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの第2給電電圧範囲内の受電装置に対する給電電圧制御処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの全体構成を示した図である。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの第1受電装置と第2受電装置との判別方法について説明するためのグラフである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電制御処理の全体を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャート(1)である。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャート(2)である。
本発明の第3実施形態による第1給電電圧範囲の取得(2次関数近似)について説明するための図である。
本発明の第3実施形態による非接触給電システムの給電電圧範囲を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による非接触給電システム100の構成について説明する。
第1実施形態による非接触給電システム100は、図1に示すように、給電装置1と、スマートフォン2と、タブレット3と、デジタルカメラ4とを備えている。また、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、直方体形状に形成された給電装置1の筐体上面に配置されている。なお、給電装置1は、本発明の「非接触給電装置」の一例である。また、スマートフォン2と、タブレット3と、デジタルカメラ4とは、本発明の「受電装置」の一例である。
そして、図2に示すように、給電装置1は、制御部11と、電圧変換部12と、通信部13と、給電コイル14と、電源部15と、励振部16と、アダプター17とを含む。そして、アダプター17は、給電装置1の外部に設置された商用電源5と接続可能に構成されており、ケーブルを介して、給電装置1の内部に電力を供給するように構成されている。そして、アダプター17は、商用電源5から供給される交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。また、電圧変換部12は、アダプター17によって変換された直流電圧を電源部15に供給するために、一定の電圧値に変換するように構成されている。
また、図2に示すように、電圧変換部12と接続され、可変電圧変換器を含む電源部15は、電圧変換部12から供給された電圧の大きさを、CPU(Central Processing Unit)等を含む制御部11によって指令された大きさに変換するように構成されている。また、励振部16は、ドライブ回路、スイッチング回路および共振コンデンサ等を含み、給電コイル14に接続されている。そして、励振部16は、電源部15によって変換された直流電圧を、給電コイル14および共振コンデンサの共振周波数でオンオフさせることによって、共振周波数に対応する周波数を有する交流電流を給電コイル14に流すように構成されている。
そして、図2に示すように、給電コイル14は、給電コイル14に交流電流が流れることによって、給電磁界を発生させるように構成されており、給電装置1の上面に配置されたスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電磁界を与えるように構成されている。
また、図2に示すように、通信部13は、無線アンテナ13aを含み、無線アンテナ13aを介して無線LAN(Local Area Network)によりスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4と通信可能に構成されている。
図2に示すように、スマートフォン2は、制御部21と、電圧変換部22と、通信部23と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とを含む。そして、受電コイル24は、給電装置1の給電コイル14により発生した給電磁界によって、交流の受電電圧が発生するように構成されている。そして、整流部25は、整流ダイオードおよび平滑コンデンサ等を含み、受電コイル24により受電した交流電圧を直流電圧に整流するように構成されている。そして、電圧変換部22は、整流された直流電圧をバッテリー部26が充電するのに適した一定の直流電圧値に変換するように構成されている。また、バッテリー部26は、2次電池と充電情報検出部とを含み、受電情報検出部は、2次電池の電圧等を測定することにより充電が完了したか否か示す情報(充電情報)を検出するように構成されている。なお、バッテリー部26は、本発明の「負荷」の一例である。
そして、図2に示すように、スマートフォン2の測定部28は、整流部25により整流された直流電圧値(スマートフォン2の受電電圧値)を測定可能に構成されている。また、制御部21は、CPU等を含み、検出されたバッテリー部26の充電情報と、測定されたスマートフォン2の受電電圧値とを取得するように構成されている。ここで、第1実施形態では、スマートフォン2の制御部21は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部23を介して、予め制御部21内に含まれるメモリに記憶されているスマートフォン2の許容電圧範囲情報および測定されたスマートフォン2の受電電圧値を、給電装置1に送信するように構成されている。また、制御部21は、通信部23を介して、スマートフォン2本体を移動させる旨を表示させるための通知信号を取得するように構成されている。そして、制御部21は、移動させる旨を表示させるための通知信号を取得した場合には、表示部27に、スマートフォン2本体を移動させる旨を表示する制御を行うように構成されている。
また、図2に示すように、タブレット3は、制御部31と、電圧変換部32と、通信部33と、受電コイル34と、整流部35と、バッテリー部36と、表示部37と、測定部38とを含む。そして、タブレット3の制御部31は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部33を介して、給電装置1に、予め制御部31内に含まれるメモリに記憶されているタブレット3の許容電圧範囲情報および測定された受電コイル34の受電電圧値を送信するように構成されている。また、電圧変換部32と、受電コイル34と、整流部35と、バッテリー部36と、表示部37と、測定部38とは、スマートフォン2における電圧変換部22と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とそれぞれ同様に構成されており、給電装置1により給電される電力を受電可能に構成されている。
また、図2に示すように、デジタルカメラ4は、制御部41と、電圧変換部42と、通信部43と、受電コイル44と、整流部45と、バッテリー部46と、表示部47と、測定部48とを含む。そして、デジタルカメラ4の制御部41は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部43を介して、給電装置1に、予め制御部41内に含まれるメモリに記憶されているデジタルカメラ4の許容電圧範囲情報および測定された受電コイル44の受電電圧値を送信するように構成されている。また、電圧変換部42と、受電コイル44と、整流部45と、バッテリー部46と、表示部47と、測定部48とは、スマートフォン2における電圧変換部22と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とそれぞれ同様に構成されており、給電装置1により給電される電力を受電可能に構成されている。
ここで、図3を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における第1給電電圧範囲の取得方法について説明する。
図3に示すように、給電装置1の制御部11は、取得したスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの許容電圧範囲情報と、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの受電電圧値情報とに基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲である第1給電電圧範囲を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、図3に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、それぞれの許容電圧範囲情報(VRn_MINおよびVRn_MAX、n=1はスマートフォン2、n=2はタブレット3、n=3はデジタルカメラ4)を、それぞれの通信部23、33および43を介して、給電装置1に送信するように構成されている。そして、給電装置1の制御部11は、通信部13を介して、許容電圧範囲情報を取得するように構成されている。
そして、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに、給電電圧値VT_Aの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Aよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Bを与える制御を行うように構成されている。なお、給電電圧値を、VTn_A>VTn_Bとして構成することによって、給電電圧値の変化後に、受電電圧値が許容電圧範囲を超過するのを抑制することが可能となる。また、給電装置1の制御部11は、給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bの給電電圧を与えたこと(すなわち、給電電圧値を変化させたこと)を示す旨の情報を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに、通信部13を介して、送信するように構成されている。
そして、図2および図3に示すように、スマートフォン2の制御部21は、通信部23を介して、給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bの給電電圧を与えたことを示す旨の情報を取得するように構成されている。また、スマートフォン2の制御部21は、取得した給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bに対応する受電電圧値VR1_Aおよび受電電圧値VR1_Bの情報(受電電圧値の変化情報)を、通信部23を介して、給電装置1に送信するように構成されている。そして、給電装置1の制御部11は、通信部13を介して、受電電圧値VR1_Aおよび受電電圧値VR1_Bの情報を取得して、以下の式(1)および(2)に基づいて、スマートフォン2の第1給電電圧範囲(VT1_MINおよびVT1_MAX)を算出するように構成されている。なお、式(1)および(2)において、ΔVRn=VRn_A−VRn_B、ΔVTn=VTn_A−VTn_Bとして表している。
また、給電装置1の制御部11は、タブレット3およびデジタルカメラ4のそれぞれの第1給電電圧範囲(VT2_MINおよびVT2_MAX、VT3_MINおよびVT3_MAX)を、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の算出する方法と同様の方法により、取得するように構成されている。
次に、図4および図5を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における第2給電電圧範囲の取得方法について説明する。
図4および図5に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのうちの互いにオーバーラップする電源部15の給電電圧値の範囲である第2給電電圧範囲をさらに取得するように構成されている。図4および図5に示すように、給電装置1の制御部11は、取得したスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの第1給電電圧範囲を互いに比較するように構成されており、たとえば、スマートフォン2のVT1_MINが3.5V、VT1_MAXが7.0Vであり、タブレット3のVT2_MINが3.0V、VT2_MAXが5.0Vであり、デジタルカメラ4のVT3_MINが1.0V、VT3_MAXが1.5Vである場合には、第2給電電圧範囲は、4.0V以上5.0V以下となる。
次に、図5〜図8を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における移動させる旨を表示させるための通知信号の送信と給電電圧制御とについて説明する。
図5に示すように、給電装置1の制御部11は、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である受電装置(デジタルカメラ4)が存在する場合には、通信部13を介して、デジタルカメラ4に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、デジタルカメラ4の制御部41は、位置を変更させる旨の通知信号を取得するように構成されており、制御部41は、取得した位置を変更させる旨の通知信号に基づいて、デジタルカメラ4の表示部47に、ユーザにデジタルカメラ4の本体の位置を変更させる旨の表示を行う制御を行うように構成されている。たとえば、図5に示すように、移動前のデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲における上限値が、第2給電電圧範囲における下限値よりも低い電圧値である場合には、デジタルカメラの制御部41は、デジタルカメラ4の本体の位置を給電装置1の給電コイル14から遠ざけることを促す表示を、表示部47に表示する制御を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、図6および図7に示すように、給電装置1の制御部11は、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲を繰り返し取得するように構成されており、ユーザによってデジタルカメラ4が移動された(図6の矢印A方向)後には、移動によって変化したデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲(図7参照)を取得するように構成されている。
また、図7および図8に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの第1給電電圧範囲の比較結果に基づいて、第2給電電圧範囲を拡大するために、通信部13を介して、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのいずれかの受電装置に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。たとえば、図7に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との第1給電電圧範囲を比較した場合に、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の上限値(VT1_MAX)が、タブレット3およびデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲の上限値(VT2_MAXおよびVT3_MAX)よりも低く、かつ、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の下限値(VT1_MIN)が、タブレット3およびデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲の下限値(VT2_MINおよびVT3_MIN)よりも低い場合には、通信部13を介して、スマートフォン2に、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。
そして、図2に示すように、スマートフォン2の制御部21は、位置を変更させる旨の通知信号を取得するように構成されており、制御部21は、取得した位置を変更させる旨の通知信号に基づいて、スマートフォン2の表示部27に、ユーザにスマートフォン2の本体の位置を変更させる旨の表示する制御を行うように構成されている。そして、図6に示すように、ユーザによってスマートフォン2が移動された(図6の矢印B方向)後には、移動によって変化したスマートフォン2の第1給電電圧範囲(図8参照)を取得するように構成されている。これにより、第2給電電圧範囲を、スマートフォン2の移動前の下限値4.0Vおよび上限値5.0Vから、スマートフォン2の移動後の下限値4.0Vおよび上限値5.5Vに拡大させることができる。
そして、給電装置1の制御部11は、電源部15の給電電圧値が、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御するように構成されている。たとえば、給電装置1の制御部11は、第2給電電圧範囲が下限値4.0Vおよび上限値5.5Vである場合には、電源部15の給電電圧値を、下限値4.0Vおよび上限値5.5Vの中央値である4.75Vにする制御を行うように構成されている。そして、4.75Vの電源部15の給電電圧値をスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに与えることによって、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに同時に給電するように構成されている。
次に、図9を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電制御処理全体フローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。
まず、図9に示すように、給電装置1では、ステップS1において、後述する各受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報の取得が行われる(図10参照)。その後、ステップS2に進み、ステップS2において、後述する給電電圧範囲の取得が行われる(図11参照)。そして、ステップS3に進む。
次に、ステップS3において、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在するか否かが判断される。第2給電電圧範囲外の受電装置が存在する場合は、ステップS4に進み、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在しない場合は、ステップS5に進む。そして、ステップS4において、後述する第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知が行われる(図12参照)。その後、ステップS2に戻る。
また、ステップS5において、第2給電電圧範囲の拡大は可能か否かが判断される。第2給電電圧範囲の拡大が可能であると判断された場合は、ステップS6に進み、第2給電電圧範囲の拡大が可能ではないと判断された場合には、ステップS7に進む。そして、ステップS6において、後述する第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知が行われる(図13参照)。その後、ステップS2に戻る。
そして、ステップS7において、給電電圧制御が行われる(図12参照)。その後、給電電圧制御処理全体フローは終了される。
次に、図10を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の許容電圧範囲情報を取得するための処理のフローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。スマートフォン2における処理は、CPU21により行われる。タブレット3における処理は、CPU31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、CPU41により行われる。
まず、図10に示すように、給電装置1では、ステップS11において、許容電圧範囲情報取得のための電力を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電する。その後、ステップS12に進む。そして、ステップS12において、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とから許容電圧範囲情報を受信したか否かが判断される。許容電圧範囲情報を受信するまでこの判断は繰り返され、許容電圧範囲情報を受信した場合には、給電装置1における許容電圧範囲情報取得処理フローは終了される。
一方、図10に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とでは、それぞれステップS21において、起動が行われる。その後、ステップS22に進む。そして、ステップS22において、給電装置1に、許容電圧範囲情報(VRn_MINおよびVRn_MAX)の送信が行われる。その後、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とにおける許容電圧範囲情報取得処理フローは終了される。
次に、図11を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電電圧範囲取得処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。スマートフォン2における処理は、CPU21により行われる。タブレット3における処理は、CPU31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、CPU41により行われる。
まず、図11に示すように、給電装置1では、ステップS31において、初期設定値(VT_A)の給電電圧値による給電が、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに対して行われる。その後、ステップS32に進む。そして、ステップS32において、給電電圧値が変化される。すなわち、給電装置1は、電源部15の給電電圧値VT_Aを給電電圧値VT_Bに変化させる。その後、ステップS33に進む。
そして、ステップS33において、給電電圧値を変化させた旨の情報が、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに送信される。その後、ステップS34に進む。
そして、ステップS34において、受電電圧値の測定結果を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とから、受信したか否かが判断される。受電電圧値の測定結果を受信した場合は、ステップS35に進み、受電電圧値の測定結果を受信しない場合には、ステップS33に戻る。そして、ステップS35において、上述した第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得方法に基づいて、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得が行われる。その後、給電装置1における給電電圧範囲取得フローは終了される。
一方、図11に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とでは、それぞれステップS41において、給電装置1からの初期設定値の給電電圧値による給電に対する受電が開始される。その後、ステップS42に進む。そして、ステップS42において、受電電圧値の測定が行われる。すなわち、給電装置1の給電電圧値の変化(VT_AからVT_Bへの変化)に対応した受電電圧値(VRn_AおよびVRn_B)の測定が行われる。その後、ステップS43に進む。そして、ステップS43において、給電装置1に、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの受電電圧値の測定結果(VRn_AおよびVRn_B)の送信が行われる。その後、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
次に、図12を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知信号処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。デジタルカメラ4における処理は、CPU41により行われる。
図12に示すように、給電装置1では、ステップS51において、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)に対して、位置を変更させる表示を行う旨の信号の送信が行われる。
一方、図12に示すように、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)では、ステップS61において、位置を変更させる表示を行う旨の信号の受信が行われる。その後、ステップS62に進む。そして、ステップS62において、デジタルカメラ4の表示部47に位置を変更させる旨の表示が行われる。その後、非接触給電システム100における移動通知信号処理フローは終了される。
次に、図13を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知信号処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。スマートフォン2における処理は、CPU21により行われる。
図13に示すように、給電装置1では、ステップS52において、第2給電電圧範囲内の受電装置(スマートフォン2)に対して、位置を変更させる表示を行う旨の信号の送信が行われる。
一方、図13に示すように、第2給電電圧範囲内の受電装置(スマートフォン2)では、ステップS63において、位置を変更させる表示を行う旨の信号の受信が行われる。その後、ステップS64に進む。そして、ステップS64において、スマートフォン2の表示部27に位置を変更させる旨の表示が行われる。その後、非接触給電システム100における第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知信号処理フローは終了される。
次に、図14を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電電圧制御処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、CPU11により行われる。スマートフォン2における処理は、CPU21により行われる。タブレット3における処理は、CPU31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、CPU41により行われる。
図14に示すように、給電装置1では、ステップS71において、電源部15の給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値に変更して、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電が行われる。
一方、図14に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、ステップS81において、給電装置1からの給電を受電する。その後、非接触給電システム100における給電電圧制御処理フローは終了される。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲情報に基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御するように構成することによって、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とが許容する受電電圧値の範囲内で給電することができる。その結果、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後のスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との受電電圧値情報を取得するとともに、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御するように構成する。これにより、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を取得することができるので、容易に、電源部15の給電電圧値を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように設定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)ごとに、受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲である第1給電電圧範囲を取得するとともに、複数の第1給電電圧範囲のうちの互いにオーバーラップする電源部15の給電電圧値の範囲である第2給電電圧範囲をさらに取得して、電源部15の給電電圧値が、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御するように構成する。これにより、電源部15の給電電圧値を、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御することによって、第2給電電圧範囲内に許容電圧値を含むすべての受電装置に対して、故障等を生じさせることなく同時に給電することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに通信可能な通信部13をさらに備え、給電装置1の制御部11を、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である受電装置(デジタルカメラ4)が存在する場合には、通信部13を介して、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成する。これにより、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)は、位置を変更させる旨を、ユーザに通知することができる。そして、ユーザによって、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)が、第2給電電圧範囲内となる位置に移動されることによって、給電装置1は、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)が第2給電電圧範囲内となる位置に移動された分、より多くの複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)に対して同時に給電することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の受電電圧値を取得するとともに、取得した複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の受電電圧値とに基づいて、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、線形近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成する。これにより、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御することができる。
(第2実施形態)
次に、図15および図16を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の構成ついて説明する。第2実施形態では、受電装置(スマートフォンとタブレットとデジタルカメラと)は、受電コイルと負荷の一例であるバッテリー部との間に、スイッチがさらに設けられている。
具体的には、図15に示すように、非接触給電システム101は、給電装置1aと、スマートフォン2aと、タブレット3aと、デジタルカメラ4aとを備える。そして、給電装置1aは、制御部11aを含み、スマートフォン2aは、制御部21aとスイッチ29とを含み、タブレット3aは、制御部31aとスイッチ39とを含み、デジタルカメラ4aは、制御部41aとスイッチ49とを含む。
そして、図15に示すように、スマートフォン2aのスイッチ29は、整流部25と電圧変換部22との間に設けられ、制御部21aの制御によって、スイッチ29の接続状態とスイッチ29の切断状態と切り替えられるように構成されている。そして、スイッチ29は、スイッチ29の接続状態とスイッチ29の切断状態とを切り替えられることによって、整流部25からの電流を、電圧変換部22および負荷であるバッテリー部26に伝達する状態から、伝達しない状態に切り替えるように構成されている。また、タブレット3aのスイッチ39およびデジタルカメラ4aのスイッチ49は、スマートフォン2aのスイッチ29と同様に構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(たとえば、スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、給電する制御を行うように構成されているとともに、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(たとえば、デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成されている。
具体的には、図15および図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、上述した第2給電電圧範囲を取得した後、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)とを判別する制御を行うように構成されている。
そして、図16に示すように、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の接続を行う負荷接続信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび31aは、通信部23および33を介して、負荷接続信号を取得して、スイッチ29および39を接続状態にするように構成されている。
一方、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の制御部41aは、通信部43を介して、負荷切断信号を取得して、スイッチ49を切断状態にするように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、給電を開始して、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、電力を受電させるように構成されている。一方、スイッチ49が切断状態である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、電力を受電させないように構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信した後、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対する給電を行うとともに、給電が終了したことを示す給電終了情報を取得したことに基づいて、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信し、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成されている。
具体的には、給電装置1aの制御部11aが、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対して、電力の給電を開始した後、第1受電装置の充電が終了した場合には、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび制御部31aは、バッテリー部26および36から充電情報を取得するように構成されている。そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび制御部31aは、取得した充電情報に基づいて、通信部23および33を介して、給電装置1aに、給電終了情報を送信するように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)から送信された給電終了情報を取得した場合は、給電装置1aの制御部11aは、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成されている。
そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび31aは、それぞれ通信部23および33を介して、負荷切断信号を取得して、スイッチ29および39を切断状態にするように構成されている。また、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の制御部41aは、通信部43を介して、負荷接続信号を取得して、スイッチ49を接続状態にするように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、給電を開始して、スイッチ29およびスイッチ39が切断状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、電力を受電させないように構成されている。一方、スイッチ49が接続状態である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、電力を受電させるように構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、負荷切断信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に行うように構成されている。
具体的には、給電装置1aの制御部11aが、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対して、電力の給電を開始した後、所定の時間間隔(受電装置それぞれの充電時間に対して、十分短い時間であり、たとえば、1時間の充電時間に対して、1分程度が好ましい時間間隔)ごとに、負荷切断信号と負荷接続信号とを、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に送信する制御を行うように構成されている。すなわち、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とは、交互に給電されるように構成されている。また、第2実施形態による非接触給電システム101のその他の構成は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
次に、図17を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の給電制御処理全体フローについて説明する。給電装置1aにおける処理は、CPU11aにより行われる。
まず、図17に示すように、給電装置1aでは、ステップS100において、各受電装置(スマートフォン2a、タブレット3aおよびデジタルカメラ4a)の許容電圧範囲情報の取得が行われる(図10参照)。その後、ステップS101に進み、ステップS101において、給電電圧範囲の取得が行われる(図11参照)。そして、ステップS3に進む。なお、ステップS100の許容電圧範囲情報の取得およびステップS101の給電電圧範囲の取得の処理は、第1実施形態におけるステップS1の許容電圧範囲情報の取得およびステップS2の給電電圧範囲の取得の処理と同様の方法によって行われる。
次に、ステップS102において、後述する給電電圧制御が行われる(図18および図19参照)。その後、給電電圧制御処理全体フローは終了される。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の給電電圧処理フローについて説明する。給電装置1aにおける処理は、CPU11aにより行われる。スマートフォン2aにおける処理は、CPU21aにより行われる。タブレット3aにおける処理は、CPU31aにより行われる。デジタルカメラ4aにおける処理は、CPU41aにより行われる。
まず、図18に示すように、給電装置1aでは、ステップS110において、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在するか否かが判断される。第2給電電圧範囲外の受電装置が存在する場合は、ステップS111に進み、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在しない場合には、ステップS112に進む。
そして、ステップS111において、第2受電装置(デジタルカメラ4a)に負荷切断信号が送信される。その後、ステップS112に進む。そして、ステップS112において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に負荷接続信号が送信される。その後、ステップS113に進む。
そして、ステップS113において、給電装置1aでは、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値に変更して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に給電が行われる。その後、ステップS114に進む。そして、ステップS114において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)から給電終了信号を受信したか否かが判断される。給電終了信号を受信した場合は、ステップS115に進み、給電終了信号を受信しない場合には、ステップS116(図19参照)に進む。
そして、ステップS115において、所定の時間が経過したか否かが判断される。所定の時間が経過した場合、ステップS116(図19参照)に進み、所定の時間が経過していない場合、ステップS113に戻る。
一方、図18に示すように、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)では、ステップS130において、給電装置1aから負荷接続信号を受信したか否かが判断される。負荷接続信号を受信した場合には、ステップS131に進み、負荷接続信号を受信しない場合には、ステップS135(図19参照)に進む。そして、ステップS131において、スイッチ29(39)をオンにして、整流部25(35)と、電圧変換部22(32)との接続が行われる。すなわち、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)は、受電コイル24(34)から受電した受電電圧をバッテリー部26(36)に伝達可能な状態になる。その後、ステップS132に進む。
そして、ステップS132において、給電装置1aから電力の受電が行われる。その後、ステップS133に進む。そして、ステップS133において、充電が終了したか否かが判断される。充電が終了した場合は、ステップS134に進み、充電が終了していない場合は、ステップS135(図19参照)に進む。そして、ステップS134において、給電装置1aに、通信部23および33を介して、給電終了信号の送信が行われる。その後、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)における給電電圧制御処理フローは終了される。
また、図18に示すように、第2受電装置(デジタルカメラ4a)では、ステップS130〜S134においては、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)におけるステップS130〜S134と同様の処理が行われる。
そして、図19に示すように、給電装置1aでは、ステップS114において給電終了信号を受信した場合、または、ステップS115において所定の時間が経過した場合(図18参照)に進むステップS116において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に負荷切断信号の送信が行われる。その後、ステップS117に進む。
そして、ステップS117において、第2受電装置(デジタルカメラ4a)に負荷接続信号の送信が行われる。その後、ステップS118に進む。そして、ステップS118において、給電電圧値を第2受電装置の第1給電電圧範囲の中央値に変更して、第2受電装置に給電が行われる。その後、ステップS119に進む。
そして、ステップS119において、第2受電装置から給電終了信号を受信したか否かが判断される。給電終了信号を受信した場合は、ステップS111(図18参照)に戻り、給電終了信号を受信しない場合は、ステップS120に進む。そして、ステップS120において、所定の時間が経過したか否かが判断される。所定の時間が経過した場合は、ステップS111(図18参照)に戻り、所定の時間が経過していない場合は、ステップS118に戻る。
一方、図19に示すように、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)では、ステップS130において負荷接続信号を受信しない場合、または、ステップS133において充電が終了していない場合(図18参照)に進むステップS135において、給電装置1aから負荷切断信号を受信したか否かが判断される。負荷切断信号を受信した場合は、ステップS136に進み、負荷切断信号を受信しない場合は、ステップS130(図18参照)に戻る。
また、図19に示すように、第2受電装置(デジタルカメラ4a)では、ステップS135およびS136においては、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)におけるステップS135およびS136と同様の処理が行われる。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、スマートフォン2aとタブレット3aとデジタルカメラ4aと通信可能な通信部13をさらに備え、給電装置1aの制御部11aを、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、給電する制御を行うように構成するとともに、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成する。これにより、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷は切断されるので、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷に許容電圧値を超える給電電圧が印加されることはない。その結果、許容電圧値を超えた給電が行われるのを、確実に抑制することができる。
第2実施形態では、上記のように、給電装置1aの制御部11aを、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信した後、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対する給電を行うとともに、給電が終了したことを示す給電終了情報を取得したことに基づいて、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信し、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成する。これにより、負荷の切断が行われていた第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対しても、デジタルカメラ4aの許容電圧値を満たすように給電することができる。
第2実施形態では、上記のように、給電装置1aの制御部11aを、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、負荷切断信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に行うように構成する。これにより、給電装置1aは、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)および第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対して、共に受電装置の許容電圧値を満たしながら、交互に給電することができるので、充電する時間が少ない場合でも、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)および第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対して、ある程度の充電を行うことができる。また、第2実施形態による非接触給電システム101のその他の効果は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
(第3実施形態)
次に、図2および図20を参照して、第3実施形態による非接触給電システム102の構成ついて説明する。第3実施形態では、第1給電電圧範囲を、給電電圧値と受電電圧値との線形近似によって、取得するように構成されていた第1実施形態の非接触給電システム100と異なり、第1給電電圧範囲を、給電電圧値と受電電圧値との2次関数の近似によって、取得するように構成されている。
図2に示すように、第3実施形態による非接触給電システム102は、給電装置1bと、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとを備えている。そして、給電装置1bは、制御部11bを含み、スマートフォン2bは、制御部21bを含み、タブレット3bは、制御部31bを含み、デジタルカメラ4bは、制御部41bを含む。
ここで、第3実施形態では、図20に示すように、給電装置1bの制御部11bは、受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値を取得するとともに、取得した受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値とに基づいて、受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、2次関数に近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成されている。
具体的には、図20に示すように、給電装置1bの制御部11bは、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに、給電電圧値VT_Aの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Aよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Bを与え、さらに、給電電圧値VT_Bの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Bよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Cを与える制御を行うように構成されている。また、給電装置1bの制御部11bは、給電電圧値VT_A、給電電圧値VT_Bおよび給電電圧値VT_Cの給電電圧を与えたこと(すなわち、給電電圧値を変化させたこと)を示す旨の情報を、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに、通信部13を介して、送信するように構成されている。
そして、図2および図20に示すように、スマートフォン2bの制御部21bは、通信部23を介して、給電電圧値VT_A、給電電圧値VT_Bおよび給電電圧値VT_Cの給電電圧を与えたことを示す旨の情報を取得するように構成されている。また、スマートフォン2bの制御部21bは、取得した給電電圧値VT_Aと給電電圧値VT_Bと給電電圧値VT_Cとに対応する受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cの情報(受電電圧値の変化情報)を、通信部23を介して、給電装置1bに送信するように構成されている。そして、給電装置1bの制御部11bは、通信部13を介して、受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cとの情報を取得して、取得した受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cとの情報に基づいて、給電電圧値と受電電圧値との相関関係を表す2次関数を近似して求めて、スマートフォン2bの許容電圧範囲に対応する第1給電電圧範囲(VT1_MIN〜VT1_MAX)を取得するように構成されている。
また、給電装置1bの制御部11bは、タブレット3bおよびデジタルカメラ4bのそれぞれの第1給電電圧範囲(VT2_MIN〜VT2_MAX、VT3_MIN〜VT3_MAX)を、スマートフォン2bの第1給電電圧範囲を取得した場合と同様の方法によって、取得するように構成されている。また、第3実施形態による非接触給電システム102のその他の構成は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
次に、図21を参照して、第3実施形態による非接触給電システム102の給電電圧範囲取得処理フローについて説明する。給電装置1bにおける処理は、CPU11bにより行われる。スマートフォン2bにおける処理は、CPU21bにより行われる。タブレット3bにおける処理は、CPU31bにより行われる。デジタルカメラ4bにおける処理は、CPU41bにより行われる。
まず、図21に示すように、給電装置1bでは、ステップS200において、初期設定値(VT_A)の給電電圧値による給電が、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに対して行われる。その後、ステップS201に進む。そして、ステップS201において、給電電圧値の変化が行われる。すなわち、給電装置1bは、電源部15の給電電圧値VT_Aを給電電圧値VT_B、給電電圧値VT_Cの順に変化させる。その後、ステップS202に進む。
そして、ステップS202において、給電電圧値を変化させた旨の情報が、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとに送信される。その後、ステップS203に進む。
そして、ステップS203において、受電電圧値の測定結果を、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとから、受信したか否かが判断される。受電電圧値の測定結果を受信した場合は、ステップS204に進み、受電電圧値の測定結果を受信しない場合には、ステップS201に戻る。そして、ステップS204において、上述した2次関数近似を行う第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得方法に基づいて、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得が行われる。その後、給電装置1bにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
一方、図21に示すように、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとでは、それぞれステップS211において、給電装置1bからの給電に対する受電が開始される。その後、ステップS212に進む。そして、ステップS212において、受電電圧値の測定が行われる。すなわち、給電装置1bの給電電圧値の変化(VT_AからVT_B、VT_Cへの変化)に対応した受電電圧値(VRn_AとVRn_BとVRn_Cと)の測定が行われる。その後、ステップS213に進む。そして、ステップS213において、給電装置1bに、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれの受電電圧値の測定結果(VRn_AとVRn_BとVRn_C)の送信が行われる。その後、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、給電装置1bの制御部11bを、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値を取得するとともに、取得した複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値とに基づいて、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、2次関数に近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成する。これにより、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御することができる。また、第3実施形態による非接触給電システム102のその他の効果は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、第1〜第3実施形態では、受電装置としてスマートフォンとタブレットとデジタルカメラとに適用する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、受電装置としてスマートフォンとタブレットとデジタルカメラと以外に適用してもよい。たとえば、ノートパソコン等に適用してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、3台の受電装置に対して給電する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、3台以外の台数の受電装置に給電するように構成してもよい。たとえば、2台の受電装置に給電するように構成してもよいし、4台以上の受電装置に給電するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、第1給電電圧範囲を給電電圧値と受電電圧値との線形近似または2次関数の近似により取得する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、第1給電電圧範囲を3次以上の関数に近似することにより取得するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値として給電する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値以外の第2給電電圧範囲内で給電するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電装置は、1つの給電コイルを含む例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、複数の給電コイルを含む給電装置を用いてもよい。たとえば、1つの給電コイルを取り囲むように4つの給電コイルを配置して(リピーター方式)、5つの給電コイルによって、共振周波数の給電磁界を発生させるように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、通信部として無線LANを用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、通信部として無線LAN以外の通信手段を用いてもよい。たとえば、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線、微弱無線等を用いてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電電圧値として0V以上10V以下とする例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、給電電圧値として10Vよりも大きい電圧によって給電してもよい。
また、第1実施形態では、移動通知が行われた場合に、給電コイルに対して、円周上の外側方向に受電装置を移動させる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、受電装置と給電コイルとの間に不導体の物体を挿入して、受電装置と給電コイルとの高さ方向の間隔を広げるように構成してもよい。
また、第2実施形態では、負荷切断信号と負荷接続信号とを切り替える所定の時間間隔は、第1受電装置と第2受電装置とを、同じ所定の時間間隔で切り替えるように構成する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、第1受電装置の方が第2受電装置のよりも必要とする電力が大きい場合には、第1受電装置に負荷接続信号を負荷切断信号よりも長い時間送信するように構成するとともに、第2受電装置に負荷切断信号を負荷接続信号よりも長い時間送信するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
1、1a、1b 給電装置(非接触給電装置)
2、2a、2b スマートフォン(受電装置)
3、3a、3b タブレット(受電装置)
4、4a、4b デジタルカメラ(受電装置)
11、11a、11b 制御部(給電装置側制御部)
13 通信部
14 給電コイル
15 電源部
24、34、44 受電コイル
100、101、102 非接触給電システム
この発明は、給電装置、給電方法および受電装置に関する。
従来、制御部を備えた給電装置、給電方法および受電装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、複数の被給電装置(受電装置)に供給された電力の和を検出する制御回路を備えた非接触給電装置が開示されている。この非接触給電装置では、制御回路は、複数の被給電装置に供給された電力の和を検出して、検出した電力の和に基づいて、非接触給電装置内に設けられているバリアブルコンデンサの容量を変更する制御を行うように構成されている。また、制御回路は、供給された電力を検出した複数の被給電装置のうちの給電が必要な複数の被給電装置に対して電力を供給するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1の非接触給電装置では、給電が必要な複数の被給電装置に対して給電する制御を行うように構成されているため、たとえば、被給電装置の許容する受電電圧値を超える給電電圧値が供給される場合があると考えられる。この場合、許容する受電電圧値を超える給電が行われた受電装置には、故障等が生じる場合があるという問題点があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することが可能な給電装置、給電方法および受電装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による給電装置では、電源部と、電源部を制御する制御部とを備え、制御部は、複数の受電装置の許容電圧範囲を取得して、許容電圧範囲の共通する範囲内で、給電電圧値を設定するように構成されている。
この発明の第1の局面による給電装置では、上記のように、制御部を、複数の受電装置の許容電圧範囲を取得して、許容電圧範囲の共通する範囲内で、給電電圧値を設定するように構成することによって、複数の受電装置が許容する受電電圧値の範囲内で給電することができる。その結果、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
上記第1の局面による給電装置において、好ましくは、制御部は、複数の給電電圧値で受電装置に電力を供給して受電電圧値情報を取得して、取得した受電電圧値情報に基づいて、給電電圧値を設定するように構成されている。このように構成すれば、複数の受電装置の許容電圧範囲に対応する電源部の給電電圧値の範囲を取得することができるので、容易に、電源部の給電電圧値を、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように設定することができる。
上記第1の局面による給電装置において、好ましくは、制御部は、複数の受電装置ごとに、複数の受電装置の許容電圧範囲に対応するそれぞれの第1給電電圧範囲を取得するとともに、第1給電電圧範囲のうちの共通する範囲である第2給電電圧範囲内で、給電電圧値を設定するように構成されている。このように構成すれば、電源部の給電電圧値を、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御することによって、第2給電電圧範囲内に許容電圧値を含むすべての複数の受電装置に対して、故障等を生じさせることなく同時に給電することができる。
この場合、好ましくは、所定の受電装置に対して、所定の受電装置の位置を変更させる旨の通知信号を送信する送信部をさらに備える。このように構成すれば、第2給電電圧範囲外の受電装置は、位置を変更させる旨を、ユーザに通知することができる。そして、ユーザによって、第2給電電圧範囲外の受電装置が、第2給電電圧範囲内となる位置に移動されることによって、非接触給電装置は、第2給電電圧範囲外の受電装置が第2給電電圧範囲内となる位置に移動された分、より多くの複数の受電装置に対して同時に給電することができる。
上記第1給電電圧範囲と第2給電電圧範囲とを取得するように構成されている制御部を備えた給電装置において、好ましくは、所定の受電装置に対して、受電を停止処理させる旨の信号を送信する送信部をさらに備える。このように構成すれば、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置の負荷は切断されるので、第2受電装置の負荷に許容電圧値を超える給電電圧が印加されることはない。その結果、許容電圧値を超えた給電が行われるのを、確実に抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、給電終了情報の取得に基づいて、送信部により、第2給電電圧範囲内である受電装置に受電を停止処理させる旨の信号を送信して、所定の受電装置に対する給電を行うように構成されている。このように構成すれば、負荷の切断が行われていた第2受電装置に対しても、受電装置の許容電圧値を満たすように給電することができる。
上記受電を停止処理させる旨の信号を送信する送信部を備えた給電装置において、好ましくは、制御部は、第2給電電圧範囲内である受電装置と所定の受電装置とに対して、受電を停止処理させる旨の信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で交互に行うように構成されている。このように構成すれば、非接触給電装置は、複数の第1受電装置および第2受電装置に対して、共に受電装置の許容電圧値を満たしながら、交互に給電することができるので、充電する時間が少ない場合でも、複数の第1受電装置および第2受電装置に対して、ある程度の充電を行うことができる。
上記第1の局面による給電装置において、好ましくは、制御部は、受電電圧値情報に基づいて、給電電圧値の範囲を、線形近似、または、2次以上の関数に近似して取得するように構成されている。このように構成すれば、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置の許容電圧値を満たすように、電源部の給電電圧値を制御することができる。
この発明の第2の局面による給電方法では、複数の受電装置の許容電圧範囲を取得するステップと、許容電圧範囲の共通する範囲内で、給電電圧値を設定するステップとを備える。
この発明の第3の局面による受電装置では、許容電圧範囲の情報を送信する通信部と、複数の受電装置の許容電圧範囲の共通する範囲内で、給電電圧値を設定するように構成されている外部給電装置に、通信部により許容電圧範囲の情報を送信する制御を行う制御部とを備え、制御部は、通信部により、受電電圧値情報を外部給電装置に送信する制御を行うように構成されている。
本発明によれば、上記のように、複数の受電装置に対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの全体構成を示した図である。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの構成を示したブロック図である。
本発明の第1実施形態による第1給電電圧範囲の取得(線形近似)について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による許容電圧範囲と第1給電電圧範囲との対応関係を説明するための表である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲の取得について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による受電装置の移動を説明するための図である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲外の受電装置の移動後の第2給電電圧範囲について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による第2給電電圧範囲内の受電装置の移動後の第2給電電圧範囲について説明するための図である。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理の全体を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの許容電圧範囲情報を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧範囲を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの第2給電電圧範囲内の受電装置に対する給電電圧制御処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの全体構成を示した図である。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの第1受電装置と第2受電装置との判別方法について説明するためのグラフである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電制御処理の全体を説明するためのフローチャートである。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャート(1)である。
本発明の第2実施形態による非接触給電システムの給電電圧制御処理を説明するためのフローチャート(2)である。
本発明の第3実施形態による第1給電電圧範囲の取得(2次関数近似)について説明するための図である。
本発明の第3実施形態による非接触給電システムの給電電圧範囲を取得するための処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による非接触給電システム100の構成について説明する。
第1実施形態による非接触給電システム100は、図1に示すように、給電装置1と、スマートフォン2と、タブレット3と、デジタルカメラ4とを備えている。また、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、直方体形状に形成された給電装置1の筐体上面に配置されている。なお、給電装置1は、本発明の「非接触給電装置」の一例である。また、スマートフォン2と、タブレット3と、デジタルカメラ4とは、本発明の「受電装置」の一例である。
そして、図2に示すように、給電装置1は、制御部11と、電圧変換部12と、通信部13と、給電コイル14と、電源部15と、励振部16と、アダプター17とを含む。そして、アダプター17は、給電装置1の外部に設置された商用電源5と接続可能に構成されており、ケーブルを介して、給電装置1の内部に電力を供給するように構成されている。そして、アダプター17は、商用電源5から供給される交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。また、電圧変換部12は、アダプター17によって変換された直流電圧を電源部15に供給するために、一定の電圧値に変換するように構成されている。
また、図2に示すように、電圧変換部12と接続され、可変電圧変換器を含む電源部15は、電圧変換部12から供給された電圧の大きさを、CPU(Central Processing Unit)等を含む制御部11によって指令された大きさに変換するように構成されている。また、励振部16は、ドライブ回路、スイッチング回路および共振コンデンサ等を含み、給電コイル14に接続されている。そして、励振部16は、電源部15によって変換された直流電圧を、給電コイル14および共振コンデンサの共振周波数でオンオフさせることによって、共振周波数に対応する周波数を有する交流電流を給電コイル14に流すように構成されている。
そして、図2に示すように、給電コイル14は、給電コイル14に交流電流が流れることによって、給電磁界を発生させるように構成されており、給電装置1の上面に配置されたスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電磁界を与えるように構成されている。
また、図2に示すように、通信部13は、無線アンテナ13aを含み、無線アンテナ13aを介して無線LAN(Local Area Network)によりスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4と通信可能に構成されている。
図2に示すように、スマートフォン2は、制御部21と、電圧変換部22と、通信部23と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とを含む。そして、受電コイル24は、給電装置1の給電コイル14により発生した給電磁界によって、交流の受電電圧が発生するように構成されている。そして、整流部25は、整流ダイオードおよび平滑コンデンサ等を含み、受電コイル24により受電した交流電圧を直流電圧に整流するように構成されている。そして、電圧変換部22は、整流された直流電圧をバッテリー部26が充電するのに適した一定の直流電圧値に変換するように構成されている。また、バッテリー部26は、2次電池と充電情報検出部とを含み、受電情報検出部は、2次電池の電圧等を測定することにより充電が完了したか否か示す情報(充電情報)を検出するように構成されている。なお、バッテリー部26は、本発明の「負荷」の一例である。
そして、図2に示すように、スマートフォン2の測定部28は、整流部25により整流された直流電圧値(スマートフォン2の受電電圧値)を測定可能に構成されている。また、制御部21は、CPU等を含み、検出されたバッテリー部26の充電情報と、測定されたスマートフォン2の受電電圧値とを取得するように構成されている。ここで、第1実施形態では、スマートフォン2の制御部21は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部23を介して、予め制御部21内に含まれるメモリに記憶されているスマートフォン2の許容電圧範囲情報および測定されたスマートフォン2の受電電圧値を、給電装置1に送信するように構成されている。また、制御部21は、通信部23を介して、スマートフォン2本体を移動させる旨を表示させるための通知信号を取得するように構成されている。そして、制御部21は、移動させる旨を表示させるための通知信号を取得した場合には、表示部27に、スマートフォン2本体を移動させる旨を表示する制御を行うように構成されている。
また、図2に示すように、タブレット3は、制御部31と、電圧変換部32と、通信部33と、受電コイル34と、整流部35と、バッテリー部36と、表示部37と、測定部38とを含む。そして、タブレット3の制御部31は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部33を介して、給電装置1に、予め制御部31内に含まれるメモリに記憶されているタブレット3の許容電圧範囲情報および測定された受電コイル34の受電電圧値を送信するように構成されている。また、電圧変換部32と、受電コイル34と、整流部35と、バッテリー部36と、表示部37と、測定部38とは、スマートフォン2における電圧変換部22と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とそれぞれ同様に構成されており、給電装置1により給電される電力を受電可能に構成されている。
また、図2に示すように、デジタルカメラ4は、制御部41と、電圧変換部42と、通信部43と、受電コイル44と、整流部45と、バッテリー部46と、表示部47と、測定部48とを含む。そして、デジタルカメラ4の制御部41は、無線LANにより給電装置1と通信可能に構成されている通信部43を介して、給電装置1に、予め制御部41内に含まれるメモリに記憶されているデジタルカメラ4の許容電圧範囲情報および測定された受電コイル44の受電電圧値を送信するように構成されている。また、電圧変換部42と、受電コイル44と、整流部45と、バッテリー部46と、表示部47と、測定部48とは、スマートフォン2における電圧変換部22と、受電コイル24と、整流部25と、バッテリー部26と、表示部27と、測定部28とそれぞれ同様に構成されており、給電装置1により給電される電力を受電可能に構成されている。
ここで、図3を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における第1給電電圧範囲の取得方法について説明する。
図3に示すように、給電装置1の制御部11は、取得したスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの許容電圧範囲情報と、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの受電電圧値情報とに基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲である第1給電電圧範囲を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、図3に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、それぞれの許容電圧範囲情報(VRn_MINおよびVRn_MAX、n=1はスマートフォン2、n=2はタブレット3、n=3はデジタルカメラ4)を、それぞれの通信部23、33および43を介して、給電装置1に送信するように構成されている。そして、給電装置1の制御部11は、通信部13を介して、許容電圧範囲情報を取得するように構成されている。
そして、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに、給電電圧値VT_Aの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Aよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Bを与える制御を行うように構成されている。なお、給電電圧値を、VTn_A>VTn_Bとして構成することによって、給電電圧値の変化後に、受電電圧値が許容電圧範囲を超過するのを抑制することが可能となる。また、給電装置1の制御部11は、給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bの給電電圧を与えたこと(すなわち、給電電圧値を変化させたこと)を示す旨の情報を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに、通信部13を介して、送信するように構成されている。
そして、図2および図3に示すように、スマートフォン2の制御部21は、通信部23を介して、給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bの給電電圧を与えたことを示す旨の情報を取得するように構成されている。また、スマートフォン2の制御部21は、取得した給電電圧値VT_Aおよび給電電圧値VT_Bに対応する受電電圧値VR1_Aおよび受電電圧値VR1_Bの情報(受電電圧値の変化情報)を、通信部23を介して、給電装置1に送信するように構成されている。そして、給電装置1の制御部11は、通信部13を介して、受電電圧値VR1_Aおよび受電電圧値VR1_Bの情報を取得して、以下の式(1)および(2)に基づいて、スマートフォン2の第1給電電圧範囲(VT1_MINおよびVT1_MAX)を算出するように構成されている。なお、式(1)および(2)において、ΔVRn=VRn_A−VRn_B、ΔVTn=VTn_A−VTn_Bとして表している。
また、給電装置1の制御部11は、タブレット3およびデジタルカメラ4のそれぞれの第1給電電圧範囲(VT2_MINおよびVT2_MAX、VT3_MINおよびVT3_MAX)を、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の算出する方法と同様の方法により、取得するように構成されている。
次に、図4および図5を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における第2給電電圧範囲の取得方法について説明する。
図4および図5に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのうちの互いにオーバーラップする電源部15の給電電圧値の範囲である第2給電電圧範囲をさらに取得するように構成されている。図4および図5に示すように、給電装置1の制御部11は、取得したスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの第1給電電圧範囲を互いに比較するように構成されており、たとえば、スマートフォン2のVT1_MINが3.0V、VT1_MAXが5.0Vであり、タブレット3のVT2_MINが4.0V、VT2_MAXが8.0Vであり、デジタルカメラ4のVT3_MINが1.0V、VT3_MAXが2.5Vである場合には、第2給電電圧範囲は、4.0V以上5.0V以下となる。
次に、図5〜図8を参照して、第1実施形態の非接触給電システム100における移動させる旨を表示させるための通知信号の送信と給電電圧制御とについて説明する。
図5に示すように、給電装置1の制御部11は、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である受電装置(デジタルカメラ4)が存在する場合には、通信部13を介して、デジタルカメラ4に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、デジタルカメラ4の制御部41は、位置を変更させる旨の通知信号を取得するように構成されており、制御部41は、取得した位置を変更させる旨の通知信号に基づいて、デジタルカメラ4の表示部47に、ユーザにデジタルカメラ4の本体の位置を変更させる旨の表示を行う制御を行うように構成されている。たとえば、図5に示すように、移動前のデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲における上限値が、第2給電電圧範囲における下限値よりも低い電圧値である場合には、デジタルカメラの制御部41は、デジタルカメラ4の本体の位置を給電装置1の給電コイル14から遠ざけることを促す表示を、表示部47に表示する制御を行うように構成されている。
また、第1実施形態では、図6および図7に示すように、給電装置1の制御部11は、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲を繰り返し取得するように構成されており、ユーザによってデジタルカメラ4が移動された(図6の矢印A方向)後には、移動によって変化したデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲(図7参照)を取得するように構成されている。
また、図7および図8に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの第1給電電圧範囲の比較結果に基づいて、第2給電電圧範囲を拡大するために、通信部13を介して、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのいずれかの受電装置に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。たとえば、図7に示すように、給電装置1の制御部11は、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との第1給電電圧範囲を比較した場合に、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の上限値(VT1_MAX)が、タブレット3およびデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲の上限値(VT2_MAXおよびVT3_MAX)よりも低く、かつ、スマートフォン2の第1給電電圧範囲の下限値(VT1_MIN)が、タブレット3およびデジタルカメラ4の第1給電電圧範囲の下限値(VT2_MINおよびVT3_MIN)よりも低い場合には、通信部13を介して、スマートフォン2に、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成されている。
そして、図2に示すように、スマートフォン2の制御部21は、位置を変更させる旨の通知信号を取得するように構成されており、制御部21は、取得した位置を変更させる旨の通知信号に基づいて、スマートフォン2の表示部27に、ユーザにスマートフォン2の本体の位置を変更させる旨の表示する制御を行うように構成されている。そして、図6に示すように、ユーザによってスマートフォン2が移動された(図6の矢印B方向)後には、移動によって変化したスマートフォン2の第1給電電圧範囲(図8参照)を取得するように構成されている。これにより、第2給電電圧範囲を、スマートフォン2の移動前の下限値4.0Vおよび上限値5.0Vから、スマートフォン2の移動後の下限値4.0Vおよび上限値5.5Vに拡大させることができる。
そして、給電装置1の制御部11は、電源部15の給電電圧値が、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御するように構成されている。たとえば、給電装置1の制御部11は、第2給電電圧範囲が下限値4.0Vおよび上限値5.5Vである場合には、電源部15の給電電圧値を、下限値4.0Vおよび上限値5.5Vの中央値である4.75Vにする制御を行うように構成されている。そして、4.75Vの電源部15の給電電圧値をスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに与えることによって、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに同時に給電するように構成されている。
次に、図9を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電制御処理全体フローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。
まず、図9に示すように、給電装置1では、ステップS1において、後述する各受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報の取得が行われる(図10参照)。その後、ステップS2に進み、ステップS2において、後述する給電電圧範囲の取得が行われる(図11参照)。そして、ステップS3に進む。
次に、ステップS3において、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在するか否かが判断される。第2給電電圧範囲外の受電装置が存在する場合は、ステップS4に進み、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在しない場合は、ステップS5に進む。そして、ステップS4において、後述する第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知が行われる(図12参照)。その後、ステップS2に戻る。
また、ステップS5において、第2給電電圧範囲の拡大は可能か否かが判断される。第2給電電圧範囲の拡大が可能であると判断された場合は、ステップS6に進み、第2給電電圧範囲の拡大が可能ではないと判断された場合には、ステップS7に進む。そして、ステップS6において、後述する第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知が行われる(図13参照)。その後、ステップS2に戻る。
そして、ステップS7において、給電電圧制御が行われる。その後、給電電圧制御処理全体フローは終了される。
次に、図10を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の許容電圧範囲情報を取得するための処理のフローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。スマートフォン2における処理は、制御部21により行われる。タブレット3における処理は、制御部31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、制御部41により行われる。
まず、図10に示すように、給電装置1では、ステップS11において、許容電圧範囲情報取得のための電力を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電する。その後、ステップS12に進む。そして、ステップS12において、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とから許容電圧範囲情報を受信したか否かが判断される。許容電圧範囲情報を受信するまでこの判断は繰り返され、許容電圧範囲情報を受信した場合には、給電装置1における許容電圧範囲情報取得処理フローは終了される。
一方、図10に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とでは、それぞれステップS21において、起動が行われる。その後、ステップS22に進む。そして、ステップS22において、給電装置1に、許容電圧範囲情報(VRn_MINおよびVRn_MAX)の送信が行われる。その後、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とにおける許容電圧範囲情報取得処理フローは終了される。
次に、図11を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電電圧範囲取得処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。スマートフォン2における処理は、制御部21により行われる。タブレット3における処理は、制御部31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、制御部41により行われる。
まず、図11に示すように、給電装置1では、ステップS31において、初期設定値(VT_A)の給電電圧値による給電が、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれに対して行われる。その後、ステップS32に進む。そして、ステップS32において、給電電圧値が変化される。すなわち、給電装置1は、電源部15の給電電圧値VT_Aを給電電圧値VT_Bに変化させる。その後、ステップS33に進む。
そして、ステップS33において、給電電圧値を変化させた旨の情報が、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに送信される。その後、ステップS34に進む。
そして、ステップS34において、受電電圧値の測定結果を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とから、受信したか否かが判断される。受電電圧値の測定結果を受信した場合は、ステップS35に進み、受電電圧値の測定結果を受信しない場合には、ステップS33に戻る。そして、ステップS35において、上述した第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得方法に基づいて、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得が行われる。その後、給電装置1における給電電圧範囲取得フローは終了される。
一方、図11に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とでは、それぞれステップS41において、給電装置1からの初期設定値の給電電圧値による給電に対する受電が開始される。その後、ステップS42に進む。そして、ステップS42において、受電電圧値の測定が行われる。すなわち、給電装置1の給電電圧値の変化(VT_AからVT_Bへの変化)に対応した受電電圧値(VRn_AおよびVRn_B)の測定が行われる。その後、ステップS43に進む。そして、ステップS43において、給電装置1に、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とのそれぞれの受電電圧値の測定結果(VRn_AおよびVRn_B)の送信が行われる。その後、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
次に、図12を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の第2給電電圧範囲外の受電装置に対する移動通知信号処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。デジタルカメラ4における処理は、制御部41により行われる。
図12に示すように、給電装置1では、ステップS51において、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)に対して、位置を変更させる表示を行う旨の信号の送信が行われる。
一方、図12に示すように、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)では、ステップS61において、位置を変更させる表示を行う旨の信号の受信が行われる。その後、ステップS62に進む。そして、ステップS62において、デジタルカメラ4の表示部47に位置を変更させる旨の表示が行われる。その後、非接触給電システム100における移動通知信号処理フローは終了される。
次に、図13を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知信号処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。スマートフォン2における処理は、制御部21により行われる。
図13に示すように、給電装置1では、ステップS52において、第2給電電圧範囲内の受電装置(スマートフォン2)に対して、位置を変更させる表示を行う旨の信号の送信が行われる。
一方、図13に示すように、第2給電電圧範囲内の受電装置(スマートフォン2)では、ステップS63において、位置を変更させる表示を行う旨の信号の受信が行われる。その後、ステップS64に進む。そして、ステップS64において、スマートフォン2の表示部27に位置を変更させる旨の表示が行われる。その後、非接触給電システム100における第2給電電圧範囲内の受電装置に対する移動通知信号処理フローは終了される。
次に、図14を参照して、第1実施形態による非接触給電システム100の給電電圧制御処理フローについて説明する。給電装置1における処理は、制御部11により行われる。スマートフォン2における処理は、制御部21により行われる。タブレット3における処理は、制御部31により行われる。デジタルカメラ4における処理は、制御部41により行われる。
図14に示すように、給電装置1では、ステップS71において、電源部15の給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値に変更して、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに給電が行われる。
一方、図14に示すように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とは、ステップS81において、給電装置1からの給電を受電する。その後、非接触給電システム100における給電電圧制御処理フローは終了される。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲情報に基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御するように構成することによって、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とが許容する受電電圧値の範囲内で給電することができる。その結果、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに対して同時に給電する場合にも故障等が生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後のスマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との受電電圧値情報を取得するとともに、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御するように構成する。これにより、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を取得することができるので、容易に、電源部15の給電電圧値を、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4との許容電圧値を満たすように設定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、取得した許容電圧範囲情報と受電電圧値情報とに基づいて、受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)ごとに、受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲である第1給電電圧範囲を取得するとともに、複数の第1給電電圧範囲のうちの互いにオーバーラップする電源部15の給電電圧値の範囲である第2給電電圧範囲をさらに取得して、電源部15の給電電圧値が、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御するように構成する。これにより、電源部15の給電電圧値を、取得された第2給電電圧範囲内となるように制御することによって、第2給電電圧範囲内に許容電圧値を含むすべての受電装置に対して、故障等を生じさせることなく同時に給電することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、スマートフォン2とタブレット3とデジタルカメラ4とに通信可能な通信部13をさらに備え、給電装置1の制御部11を、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である受電装置(デジタルカメラ4)が存在する場合には、通信部13を介して、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)に対して、位置を変更させる旨の通知信号を送信する制御を行うように構成する。これにより、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)は、位置を変更させる旨を、ユーザに通知することができる。そして、ユーザによって、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)が、第2給電電圧範囲内となる位置に移動されることによって、給電装置1は、第2給電電圧範囲外の受電装置(デジタルカメラ4)が第2給電電圧範囲内となる位置に移動された分、より多くの複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)に対して同時に給電することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、給電装置1の制御部11を、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の受電電圧値を取得するとともに、取得した複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の受電電圧値とに基づいて、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、線形近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成する。これにより、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置(スマートフォン2、タブレット3およびデジタルカメラ4)の許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御することができる。
(第2実施形態)
次に、図15および図16を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の構成について説明する。第2実施形態では、受電装置(スマートフォンとタブレットとデジタルカメラと)は、受電コイルと負荷の一例であるバッテリー部との間に、スイッチがさらに設けられている。
具体的には、図15に示すように、非接触給電システム101は、給電装置1aと、スマートフォン2aと、タブレット3aと、デジタルカメラ4aとを備える。そして、給電装置1aは、制御部11aを含み、スマートフォン2aは、制御部21aとスイッチ29とを含み、タブレット3aは、制御部31aとスイッチ39とを含み、デジタルカメラ4aは、制御部41aとスイッチ49とを含む。
そして、図15に示すように、スマートフォン2aのスイッチ29は、整流部25と電圧変換部22との間に設けられ、制御部21aの制御によって、スイッチ29の接続状態とスイッチ29の切断状態と切り替えられるように構成されている。そして、スイッチ29は、スイッチ29の接続状態とスイッチ29の切断状態とを切り替えられることによって、整流部25からの電流を、電圧変換部22および負荷であるバッテリー部26に伝達する状態から、伝達しない状態に切り替えるように構成されている。また、タブレット3aのスイッチ39およびデジタルカメラ4aのスイッチ49は、スマートフォン2aのスイッチ29と同様に構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(たとえば、スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、給電する制御を行うように構成されているとともに、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(たとえば、デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成されている。
具体的には、図15および図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、上述した第2給電電圧範囲を取得した後、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)とを判別する制御を行うように構成されている。
そして、図16に示すように、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の接続を行う負荷接続信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび31aは、通信部23および33を介して、負荷接続信号を取得して、スイッチ29および39を接続状態にするように構成されている。
一方、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成されている。そして、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の制御部41aは、通信部43を介して、負荷切断信号を取得して、スイッチ49を切断状態にするように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、給電を開始して、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、電力を受電させるように構成されている。一方、スイッチ49が切断状態である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、電力を受電させないように構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信した後、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対する給電を行うとともに、給電が終了したことを示す給電終了情報を取得したことに基づいて、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信し、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成されている。
具体的には、給電装置1aの制御部11aが、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対して、電力の給電を開始した後、第1受電装置の充電が終了した場合には、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび制御部31aは、バッテリー部26および36から充電情報を取得するように構成されている。そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび制御部31aは、取得した充電情報に基づいて、通信部23および33を介して、給電装置1aに、給電終了情報を送信するように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)から送信された給電終了情報を取得した場合は、給電装置1aの制御部11aは、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成されている。
そして、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の制御部21aおよび31aは、それぞれ通信部23および33を介して、負荷切断信号を取得して、スイッチ29および39を切断状態にするように構成されている。また、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の制御部41aは、通信部43を介して、負荷接続信号を取得して、スイッチ49を接続状態にするように構成されている。
そして、給電装置1aの制御部11aは、給電を開始して、スイッチ29およびスイッチ39が切断状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、電力を受電させないように構成されている。一方、スイッチ49が接続状態である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、電力を受電させるように構成されている。
ここで、第2実施形態では、図16に示すように、給電装置1aの制御部11aは、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、負荷切断信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に行うように構成されている。
具体的には、給電装置1aの制御部11aが、スイッチ29およびスイッチ39が接続状態である第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対して、電力の給電を開始した後、所定の時間間隔(受電装置それぞれの充電時間に対して、十分短い時間であり、たとえば、1時間の充電時間に対して、1分程度が好ましい時間間隔)ごとに、負荷切断信号と負荷接続信号とを、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に送信する制御を行うように構成されている。すなわち、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とは、交互に給電されるように構成されている。また、第2実施形態による非接触給電システム101のその他の構成は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
次に、図17を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の給電制御処理全体フローについて説明する。給電装置1aにおける処理は、制御部11aにより行われる。
まず、図17に示すように、給電装置1aでは、ステップS100において、各受電装置(スマートフォン2a、タブレット3aおよびデジタルカメラ4a)の許容電圧範囲情報の取得が行われる(図10参照)。その後、ステップS101に進み、ステップS101において、給電電圧範囲の取得が行われる(図11参照)。そして、ステップS3に進む。なお、ステップS100の許容電圧範囲情報の取得およびステップS101の給電電圧範囲の取得の処理は、第1実施形態におけるステップS1の許容電圧範囲情報の取得およびステップS2の給電電圧範囲の取得の処理と同様の方法によって行われる。
次に、ステップS102において、後述する給電電圧制御が行われる(図18および図19参照)。その後、給電電圧制御処理全体フローは終了される。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態による非接触給電システム101の給電電圧処理フローについて説明する。給電装置1aにおける処理は、制御部11aにより行われる。スマートフォン2aにおける処理は、制御部21aにより行われる。タブレット3aにおける処理は、制御部31aにより行われる。デジタルカメラ4aにおける処理は、制御部41aにより行われる。
まず、図18に示すように、給電装置1aでは、ステップS110において、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在するか否かが判断される。第2給電電圧範囲外の受電装置が存在する場合は、ステップS111に進み、第2給電電圧範囲外の受電装置が存在しない場合には、ステップS112に進む。
そして、ステップS111において、第2受電装置(デジタルカメラ4a)に負荷切断信号が送信される。その後、ステップS112に進む。そして、ステップS112において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に負荷接続信号が送信される。その後、ステップS113に進む。
そして、ステップS113において、給電装置1aでは、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値に変更して、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に給電が行われる。その後、ステップS114に進む。そして、ステップS114において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)から給電終了信号を受信したか否かが判断される。給電終了信号を受信した場合は、ステップS115に進み、給電終了信号を受信しない場合には、ステップS116(図19参照)に進む。
そして、ステップS115において、所定の時間が経過したか否かが判断される。所定の時間が経過した場合、ステップS116(図19参照)に進み、所定の時間が経過していない場合、ステップS113に戻る。
一方、図18に示すように、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)では、ステップS130において、給電装置1aから負荷接続信号を受信したか否かが判断される。負荷接続信号を受信した場合には、ステップS131に進み、負荷接続信号を受信しない場合には、ステップS135(図19参照)に進む。そして、ステップS131において、スイッチ29(39)をオンにして、整流部25(35)と、電圧変換部22(32)との接続が行われる。すなわち、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)は、受電コイル24(34)から受電した受電電圧をバッテリー部26(36)に伝達可能な状態になる。その後、ステップS132に進む。
そして、ステップS132において、給電装置1aから電力の受電が行われる。その後、ステップS133に進む。そして、ステップS133において、充電が終了したか否かが判断される。充電が終了した場合は、ステップS134に進み、充電が終了していない場合は、ステップS135(図19参照)に進む。そして、ステップS134において、給電装置1aに、通信部23および33を介して、給電終了信号の送信が行われる。その後、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)における給電電圧制御処理フローは終了される。
また、図18に示すように、第2受電装置(デジタルカメラ4a)では、ステップS130〜S134においては、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)におけるステップS130〜S134と同様の処理が行われる。
そして、図19に示すように、給電装置1aでは、ステップS114において給電終了信号を受信した場合、または、ステップS115において所定の時間が経過した場合(図18参照)に進むステップS116において、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に負荷切断信号の送信が行われる。その後、ステップS117に進む。
そして、ステップS117において、第2受電装置(デジタルカメラ4a)に負荷接続信号の送信が行われる。その後、ステップS118に進む。そして、ステップS118において、給電電圧値を第2受電装置の第1給電電圧範囲の中央値に変更して、第2受電装置に給電が行われる。その後、ステップS119に進む。
そして、ステップS119において、第2受電装置から給電終了信号を受信したか否かが判断される。給電終了信号を受信した場合は、ステップS111(図18参照)に戻り、給電終了信号を受信しない場合は、ステップS120に進む。そして、ステップS120において、所定の時間が経過したか否かが判断される。所定の時間が経過した場合は、ステップS111(図18参照)に戻り、所定の時間が経過していない場合は、ステップS118に戻る。
一方、図19に示すように、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)では、ステップS130において負荷接続信号を受信しない場合、または、ステップS133において充電が終了していない場合(図18参照)に進むステップS135において、給電装置1aから負荷切断信号を受信したか否かが判断される。負荷切断信号を受信した場合は、ステップS136に進み、負荷切断信号を受信しない場合は、ステップS130(図18参照)に戻る。
また、図19に示すように、第2受電装置(デジタルカメラ4a)では、ステップS135およびS136においては、第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)におけるステップS135およびS136と同様の処理が行われる。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、スマートフォン2aとタブレット3aとデジタルカメラ4aと通信可能な通信部13をさらに備え、給電装置1aの制御部11aを、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲内である複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、給電する制御を行うように構成するとともに、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信する制御を行うように構成する。これにより、第1給電電圧範囲が第2給電電圧範囲外である第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷は切断されるので、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷に許容電圧値を超える給電電圧が印加されることはない。その結果、許容電圧値を超えた給電が行われるのを、確実に抑制することができる。
第2実施形態では、上記のように、給電装置1aの制御部11aを、通信部13を介して、第2受電装置(デジタルカメラ4a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信した後、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)に対する給電を行うとともに、給電が終了したことを示す給電終了情報を取得したことに基づいて、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)には、通信部13を介して、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)の負荷の切断を行う負荷切断信号を送信し、第2受電装置(デジタルカメラ4a)には、負荷を接続する負荷接続信号を送信して給電する制御を行うように構成する。これにより、負荷の切断が行われていた第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対しても、デジタルカメラ4aの許容電圧値を満たすように給電することができる。
第2実施形態では、上記のように、給電装置1aの制御部11aを、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、負荷切断信号を送信する制御と給電する制御とを、所定の時間間隔で、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)と第2受電装置(デジタルカメラ4a)とに対して、交互に行うように構成する。これにより、給電装置1aは、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)および第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対して、共に受電装置の許容電圧値を満たしながら、交互に給電することができるので、充電する時間が少ない場合でも、複数の第1受電装置(スマートフォン2aおよびタブレット3a)および第2受電装置(デジタルカメラ4a)に対して、ある程度の充電を行うことができる。また、第2実施形態による非接触給電システム101のその他の効果は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
(第3実施形態)
次に、図2および図20を参照して、第3実施形態による非接触給電システム102の構成について説明する。第3実施形態では、第1給電電圧範囲を、給電電圧値と受電電圧値との線形近似によって、取得するように構成されていた第1実施形態の非接触給電システム100と異なり、第1給電電圧範囲を、給電電圧値と受電電圧値との2次関数の近似によって、取得するように構成されている。
図2に示すように、第3実施形態による非接触給電システム102は、給電装置1bと、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとを備えている。そして、給電装置1bは、制御部11bを含み、スマートフォン2bは、制御部21bを含み、タブレット3bは、制御部31bを含み、デジタルカメラ4bは、制御部41bを含む。
ここで、第3実施形態では、図20に示すように、給電装置1bの制御部11bは、受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値を取得するとともに、取得した受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値とに基づいて、受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、2次関数に近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成されている。
具体的には、図20に示すように、給電装置1bの制御部11bは、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに、給電電圧値VT_Aの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Aよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Bを与え、さらに、給電電圧値VT_Bの給電電圧を給電コイル14によって与えた後に、給電電圧値VT_Bよりも低い電圧値である給電電圧値VT_Cを与える制御を行うように構成されている。また、給電装置1bの制御部11bは、給電電圧値VT_A、給電電圧値VT_Bおよび給電電圧値VT_Cの給電電圧を与えたこと(すなわち、給電電圧値を変化させたこと)を示す旨の情報を、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに、通信部13を介して、送信するように構成されている。
そして、図2および図20に示すように、スマートフォン2bの制御部21bは、通信部23を介して、給電電圧値VT_A、給電電圧値VT_Bおよび給電電圧値VT_Cの給電電圧を与えたことを示す旨の情報を取得するように構成されている。また、スマートフォン2bの制御部21bは、取得した給電電圧値VT_Aと給電電圧値VT_Bと給電電圧値VT_Cとに対応する受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cの情報(受電電圧値の変化情報)を、通信部23を介して、給電装置1bに送信するように構成されている。そして、給電装置1bの制御部11bは、通信部13を介して、受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cとの情報を取得して、取得した受電電圧値VR1_Aと受電電圧値VR1_Bと受電電圧値VR1_Cとの情報に基づいて、給電電圧値と受電電圧値との相関関係を表す2次関数を近似して求めて、スマートフォン2bの許容電圧範囲に対応する第1給電電圧範囲(VT1_MIN〜VT1_MAX)を取得するように構成されている。
また、給電装置1bの制御部11bは、タブレット3bおよびデジタルカメラ4bのそれぞれの第1給電電圧範囲(VT2_MIN〜VT2_MAX、VT3_MIN〜VT3_MAX)を、スマートフォン2bの第1給電電圧範囲を取得した場合と同様の方法によって、取得するように構成されている。また、第3実施形態による非接触給電システム102のその他の構成は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
次に、図21を参照して、第3実施形態による非接触給電システム102の給電電圧範囲取得処理フローについて説明する。給電装置1bにおける処理は、制御部11bにより行われる。スマートフォン2bにおける処理は、制御部21bにより行われる。タブレット3bにおける処理は、制御部31bにより行われる。デジタルカメラ4bにおける処理は、制御部41bにより行われる。
まず、図21に示すように、給電装置1bでは、ステップS200において、初期設定値(VT_A)の給電電圧値による給電が、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれに対して行われる。その後、ステップS201に進む。そして、ステップS201において、給電電圧値の変化が行われる。すなわち、給電装置1bは、電源部15の給電電圧値VT_Aを給電電圧値VT_B、給電電圧値VT_Cの順に変化させる。その後、ステップS202に進む。
そして、ステップS202において、給電電圧値を変化させた旨の情報が、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとに送信される。その後、ステップS203に進む。
そして、ステップS203において、受電電圧値の測定結果を、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとから、受信したか否かが判断される。受電電圧値の測定結果を受信した場合は、ステップS204に進み、受電電圧値の測定結果を受信しない場合には、ステップS201に戻る。そして、ステップS204において、上述した2次関数近似を行う第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得方法に基づいて、第1給電電圧範囲および第2給電電圧範囲の取得が行われる。その後、給電装置1bにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
一方、図21に示すように、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとでは、それぞれステップS211において、給電装置1bからの給電に対する受電が開始される。その後、ステップS212に進む。そして、ステップS212において、受電電圧値の測定が行われる。すなわち、給電装置1bの給電電圧値の変化(VT_AからVT_B、VT_Cへの変化)に対応した受電電圧値(VRn_AとVRn_BとVRn_Cと)の測定が行われる。その後、ステップS213に進む。そして、ステップS213において、給電装置1bに、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとのそれぞれの受電電圧値の測定結果(VRn_AとVRn_BとVRn_C)の送信が行われる。その後、スマートフォン2bとタブレット3bとデジタルカメラ4bとにおける給電電圧範囲取得フローは終了される。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、給電装置1bの制御部11bを、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報に加えて、電源部15の給電電圧値を変化させた前後の複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値を取得するとともに、取得した複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲情報と複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の受電電圧値とに基づいて、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧範囲に対応する電源部15の給電電圧値の範囲を、2次関数に近似して取得するとともに、電源部15の給電電圧値が、取得した電源部15の給電電圧値の範囲内となるように制御するように構成する。これにより、容易に、給電電圧値の範囲を取得することができるので、複数の受電装置(スマートフォン2b、タブレット3bおよびデジタルカメラ4b)の許容電圧値を満たすように、電源部15の給電電圧値を制御することができる。また、第3実施形態による非接触給電システム102のその他の効果は、第1実施形態における非接触給電システム100と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、第1〜第3実施形態では、受電装置としてスマートフォンとタブレットとデジタルカメラとに適用する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、受電装置としてスマートフォンとタブレットとデジタルカメラと以外に適用してもよい。たとえば、ノートパソコン等に適用してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、3台の受電装置に対して給電する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、3台以外の台数の受電装置に給電するように構成してもよい。たとえば、2台の受電装置に給電するように構成してもよいし、4台以上の受電装置に給電するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、第1給電電圧範囲を給電電圧値と受電電圧値との線形近似または2次関数の近似により取得する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、第1給電電圧範囲を3次以上の関数に近似することにより取得するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値として給電する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、給電電圧値を第2給電電圧範囲の中央値以外の第2給電電圧範囲内で給電するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電装置は、1つの給電コイルを含む例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、複数の給電コイルを含む給電装置を用いてもよい。たとえば、1つの給電コイルを取り囲むように4つの給電コイルを配置して(リピーター方式)、5つの給電コイルによって、共振周波数の給電磁界を発生させるように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、通信部として無線LANを用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、通信部として無線LAN以外の通信手段を用いてもよい。たとえば、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線、微弱無線等を用いてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、給電電圧値として0V以上10V以下とする例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明は、給電電圧値として10Vよりも大きい電圧によって給電してもよい。
また、第1実施形態では、移動通知が行われた場合に、給電コイルに対して、円周上の外側方向に受電装置を移動させる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、受電装置と給電コイルとの間に不導体の物体を挿入して、受電装置と給電コイルとの高さ方向の間隔を広げるように構成してもよい。
また、第2実施形態では、負荷切断信号と負荷接続信号とを切り替える所定の時間間隔は、第1受電装置と第2受電装置とを、同じ所定の時間間隔で切り替えるように構成する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、第1受電装置の方が第2受電装置のよりも必要とする電力が大きい場合には、第1受電装置に負荷接続信号を負荷切断信号よりも長い時間送信するように構成するとともに、第2受電装置に負荷切断信号を負荷接続信号よりも長い時間送信するように構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
1、1a、1b 給電装置(非接触給電装置)
2、2a、2b スマートフォン(受電装置)
3、3a、3b タブレット(受電装置)
4、4a、4b デジタルカメラ(受電装置)
11、11a、11b 制御部(給電装置側制御部)
13 通信部
14 給電コイル
15 電源部
24、34、44 受電コイル
100、101、102 非接触給電システム