JP2015133478A - 磁性多層スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗デバイスのための改良された磁性多層スタックを提供する。
【解決手段】磁性多層スタック200は、CoFeBNの第1磁性層110とCoFeBを含む第2磁性層130との間に挟まれた非磁性層120を含む複合軟質層600を含む。第1磁性層110は、垂直磁気異方性を有する。第2磁性層130は、CoFeB、あるいはCoFeBとCoまたはFeとの組み合わせからなり、垂直磁気異方性を有する。非磁性層120はTa、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zrまたはそれらの組み合わせのいずれかを含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、磁気抵抗デバイス用の磁性多層スタックおよび磁性多層スタックを含む磁気抵抗デバイスに関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、従来の半導体メモリに代わるものとして浮上している。スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)やダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)と比較して、MRAMは不揮発性の長所を有する。情報を蓄積するために使用されるフラッシュメモリに比較して、MRAMは実質的に無限の書き込み耐性の長所を有する。MRAMデバイスは、更に、短い読み出し時間および書き込み時間の長所を有しても良い。フラッシュメモリと競争するために、チップ中のMRAMセルの密度の増加が望まれ、これは、可能な限りMRAMセルを小さくすることを含む。更に、SRAMおよびDRAMと競争するために、密度を妥協することなしに、MRAMセルの動作速度を上げることが望まれる。更に、熱安定性で妥協することなく、MRAMセルのための低電流スイッチングを達成することも望まれる。
MRAMのためのメモリ素子は、大きな磁気抵抗(GMR)スピン値(SV)を含んでも良い。GMR−SVは、非磁性金属スペーサ(またはバリア)層により分離された2つの強磁性体層を含んでも良い。
しかしながら、GMR−SV用よりも大きな磁気抵抗(MR)信号が、磁気トンネル接合(MTJ)デバイスで見出された。このデバイスでは、磁気スペーサ(またはバリア)層の代わりに、強磁性体層(即ち、軟磁性層または自由層と、硬磁性層または固定層)の間に、スペーサ層またはバリア層として絶縁性層を使用することにより、トンネリング磁気抵抗(TMR)が起きる。MTJデバイスは、MRAMデバイスで使用でき、2つの残留状態の間の金属磁気抵抗の差が、デジタルビット0と1を表すのに用いられる。
スピントルクトランスファMRAM(STT−MRAM)は、磁場切り換えMRAM(field-switchable MRAM)デバイスに比較して非常に小さいサイズに小型化できる。垂直磁気異方性(PMA)を有する磁性層を持つSTT−MRAMデバイスは、従来の面内磁化層を有するSTT−MRAMデバイスに比べて多くの長所、例えば改良された熱安定性、拡張性、および低減されたスピントランスファトルク(STT)スイッチング電流を有する。
STT−MRAMデバイスは、一般には、磁気トンネル接合(MTJ)素子を含み、この素子は、(固定磁性層とピンニング層を含む)強磁性硬質層と、強磁性軟質層(またはしばしば「自由層」とも呼ばれる)との間に挟まれたトンネルスペーサ(またはバリア層)を含む。硬質層(hard layer)の磁化方向は固定され、一方、軟質層(soft layer)の磁化方向は、デバイスに駆動電流を流すことにより変えることができ、この駆動電流は、硬質層の磁化により分極される。硬質層と軟質層との磁化方向が平行の場合、MTJ素子は低抵抗である。硬質層と軟質層との磁化方向が逆平行の場合、MTJ素子は高抵抗である。底部で固定されたMTJスタックでは、底部強誘電体層は硬質層に関連し、上部強誘電体層は軟質層に関連する。上部に固定されたMTJスタックでは、底部強磁性体層は軟質層に関連し、上部強誘電体層は硬質層に関連する。
垂直形状のSTT−MRAMにとっては、一方がCo/PdまたはCo/PtまたはCop/Niで、他方がFePtまたはCoPtの多層のような、高いPMAを有する材料の化学的秩序相(L10相)が、潜在的な候補と考えられる。それらの材料は主に、MRAMデバイスのMTJスタック中の硬質層として、即ち、デバイスの動作中にその磁気方向を保持し続ける磁性層として使用されるのが好ましい。MTJスタック中での、それらの軟質層(または自由層または貯蔵層)としての使用は疑わしい。軟質層は、MTJ系デバイスの動作中に磁気分極が替わるための磁性層を含む。
デバイス作製の容易さ、合理的な高い異方性、低いスイッチング電流、および比較的高いトンネル磁気抵抗(TMR)のために、STT−MRAMセルのための潜在的なMTJの候補は、PMAを有するCoFeB−MgO系MTJであり、MTJは、CoFeBを含む軟質層(または自由層または貯蔵層)、硬質層、および硬質層と軟質層との間に挟まれたMgOのトンネルバリア(またはスペーサ層)を含む。報告された材料の異方性は、約35nmのデバイス直径を支持でき、これは主に約1.3nmの最大膜厚と、約0.25erg/cmの最大実効異方性(Keff.t)により制限される。
しかしながら、磁性材料の磁気特性を改良する必要があり、特に磁気抵抗デバイスの性能を改良する必要があり、特にSTT−MRAMデバイスのスイッチング電流の低減につながる減衰定数の低減が必要である。
本記載の目的は、磁気抵抗デバイスのための改良された磁性多層スタックを提供することである。更なる目的は、改良された磁気抵抗デバイスを提供することである。これは、従来技術に比較して、より大きな膜厚、低減された磁気モーメント、および改良された異方性を有する磁性多層スタック中に複合軟質(または自由または貯蔵)層を提供することにより達成される。
第1の形態では、磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタックが開示され、磁性多層スタックは複合軟質層を含み、複合軟質層は、垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン−窒化物(CoFeBN)を含む第1磁性層と、垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン(CoFeB)またはコバルト−鉄−ボロン(CoFeB)とコバルト(Co)または鉄(Fe)との組み合わせを含む第2磁性層と、第1磁性層と第2磁性層との間に挟まれ、Ta、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zr、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む非磁性層と、を含む。
第1の形態の具体例では、磁性多層スタックは、更に第2磁性層に近いスタックの一方側にトンネルバリア層を含み、トンネルバリア層は、非磁性材料または絶縁体材料を含む。
第1の形態の具体例では、磁性多層スタックは、更に第1磁性層に近いスタックの一方側にスペーサ層を含み、スペーサ層は、非磁性材料または絶縁体材料を含む。
第1の形態の具体例では、絶縁体材料は、マグネシウム酸化物、マグネシウムチタン酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、またはアルミニウム酸化物を含むグループから選択される酸化物を含む。磁性多層構造としてのこの長所は、磁気トンネル接合(MTJ)中で使用されて提供される。更に、多層スタックは、ダブルバリア磁気トンネル接合(MTJ)中で使用され、例えば、MTJデバイス中のトンネル電流の改良されたスピントルクスイッチングと改良された異方性を可能にする。
第1の形態の具体例では、非磁性金属材料は、Cu、Cr、またはRuのいずれかを含む。磁性多層構造としての長所は、GMRデバイス、特に読み取りヘッドセンサへの応用に使用されることで提供される。
第1の形態の具体例では、磁性多層スタックは、更に、トンネルバリア層の近くの一方側に硬質層を含む。トンネルバリア層は、このように、硬質層と、複合軟質層の第2磁性層との間に挟まれる。
第1の形態にかかる具体例では、硬質層は、磁性層(例えばCo、Fe、Ni、CoFeB、またはそれらの組み合わせ)と非磁性材料(例えばPtまたはPd)の層との二重層またはCo/Niの二重層を含み、または化学的秩序の10層中での、垂直磁気異方性を有するFePtまたはCoPtの合金形成を含む。
第1の形態の具合例では、コバルト−鉄−ボロン−窒化物中のボロンの濃度は、10〜30原子パーセントの範囲である。
第1の形態の具体例では、第1磁性層および/または第2磁性層は、0.6〜2nmの範囲の膜厚を有する。
第1の形態の具体例では、非磁性層は、0.2〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
第1の形態の具体例では、トンネルバリア層は、0.8〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
第1の形態の具体例では、スペーサ層は、0.4〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
第1の形態の具体例では、スペーサ層は、トンネルバリア層より小さい有効膜厚を有する。スペーサ層の面積抵抗(resistance-area product: RA)はトンネルバリア層の面積抵抗(RA)より低くなるべきである。
スペーサ層とトンネルバリア層の双方は、例えばMgOのような同じ材料を含んでも良い。
第1の形態の具体例では、第2磁性層と非磁性層は同じ膜厚を有する。
また、底部電極と上部電極との間に挟まれた、第1の形態の具体例のいずれかの磁性多層スタックを含む磁気抵抗デバイスが開示される。
第2の形態では、磁気抵抗デバイスが開示され、この磁気抵抗デバイスは、上部シード層を含む底部電極と、シード層の上の、軟質層または硬質層である第1磁気構造と、第1磁気構造の上の、非磁性金属材料または絶縁体材料を含むトンネルバリア層と、トンネルバリア層の上の、第1磁気構造が複合軟質層の場合には硬質層で、第1磁気構造が硬質層の場合には軟質層である第2磁気構造と、第2磁気構造の上の上部電極とを含み、第1磁気構造または第2磁気構造の軟質層は、垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン−窒化物(CoFeBN)を含む第1磁気層と、垂直異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン(CoFeB)またはCoまたはFeまたはそれらの組み合わせを含み、トンネルバリア層の近くに配置された第2磁性層と、第1磁性層と第2磁性層との間に挟まれ、Ta、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zr、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む非磁性層とを含むことを特徴とする。
第2の形態の具体例では、磁気抵抗デバイスは、更に、第1磁性層に近いスペーサ層を含み、スペーサ層は、非磁性金属材料または絶縁体材料を含む。
第2の形態の具体例では、絶縁体材料は、マグネシウム酸化物、マグネシウムチタン酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、またはアルミニウム酸化物からなるグループから選択される酸化物を含む。磁性多層構造としてのこの長所は、磁気トンネル接合(MTJ)中で使用されて提供される。更に、多層スタックは、ダブルバリア磁気トンネル接合(MTJ)中で使用され、例えば、MTJデバイス中のトンネル電流の改良されたスイッチングを可能にする。
第2の形態の具体例では、スペーサ層と接触した他の硬質層を備える。スペーサ層は、このように、他の硬質層と第1磁性層との間に挟まれる。デュアルMTJスタックを備えることも長所である。
第2の形態の具体例では、非磁性金属材料は、Cu、Cr、またはRuのいずれかを含んでも良い。磁性多層構造としての長所は、GMRデバイス、特に読み取りヘッドセンサへの応用に使用されることで提供される。
第2の形態の具体例では、硬質層は、磁性層(例えばCo、Fe、Ni、CoFeB、またはそれらの組み合わせ)と非磁性材料(例えばPtまたはPd)の二重層またはCo/Niまたは垂直磁気異方性を有するFePtまたはCoPtの合金形状を含む。
第2の形態の具体例では、コバルト−鉄−ボロン−窒化物中のボロン濃度は、10〜30原子パーセントの範囲である。
第2の形態の具体例では、第1磁性層および/または第2磁性層は、0.6〜2nmの範囲の膜厚を有する。
第2の形態の具体例では、非磁性層は、0.2〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
第2の形態の具体例では、トンネルバリア層は、0.8〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
第2の形態の具体例では、他のトンネルバリア層は、0.4〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
具体例では、第1磁性層110、第2磁性層130、および非磁性層120は、同じ膜厚を有する。
第1磁性層と第2磁性層および非磁性層の組み合わせは、磁性多層スタックの有効膜厚をより大きくし、PMAを改良するという長所を有する。それゆえに、改良されたPMAが得られ、一方で、磁性層の膜厚の増加による増加した面内異方性と関連する問題を緩和できる。
第1磁性層と第2磁性層および非磁性層の組み合わせは、磁性多層スタックの有効膜厚をより大きくし、PMAを犠牲にすることなく、多層スタックの熱安定性と異方性を改良するという長所を有する。
本開示の更なる特徴と長所は、添付の請求項および以下の記載を学ぶことで明らかになるであろう。当業者は、本開示の範囲から離れることなく、以下に記載された具体例以外の具体例を形成するために、本記載の異なる特徴を組み合わせても良いことを理解するであろう。
本開示の上記形態は、本開示の具体例を示す添付された図面を参照して、より詳細に記載される。
本開示の具体例にかかる複合軟質層を示す。 本開示の具体例にかかる磁気抵抗デバイスを示す。 本開示の具体例にかかる磁性多層スタックを示す。 本開示の具体例にかかる磁性多層スタックの、適用された磁界に対してプロットされた正規化された磁気モーメントを示す。 本開示の具体例にかかる磁気抵抗デバイスを示す。 本開示の具体例にかかるデュアルMTJ磁気抵抗デバイスを示す。
本開示は、添付された図面を参照しながら、これ以降でより全体を記載する。図面では、本開示のここで言及された具体例が示される。しかしながら、この開示は、多くの異なる形態で具体化でき、ここで記載された具体例に限定するように解釈すべきではない。それらの具体例は、むしろ徹底や完全のために、そして開示の範囲を当業者に全体的に伝達するために提供される。
本開示および添付の図面は、上部が固定された磁気トンネル接合(MTJ)スタックを考慮して記載される。逆のスタック、即ち底部が固定されたMTJスタックを形成するように、適切な層を入れ替え可能なことは、当業者にとって明確である。「垂直磁気異方性(PMA)」の文言は、磁界が主に層に対して垂直に配置される、即ち層の面法線に平行であると理解される。PMAは、層の表面により、即ち磁性材料の界面効果により誘起される。磁性材料のより厚い、言い換えればバルクのような層では、面内異方性が層中の支配的な磁気方向であり、即ち磁界は層に対して主に平行に配置されることに注意すべきである。このように、磁性層の膜厚が増加した場合に、通常、面内異方性はPMAに打ち勝つ。
磁気抵抗デバイスの性能を向上するために、例えばデバイスの密度を上げて寸法を小さくするために、改良された磁性多層スタックが必要である。これを得るための1つの方法は、多層スタックの垂直磁気異方性(PMA)を増加させることである。
本開示の第1の形態によれば、CoFeBの単層が使用される従来型の軟質層を改良するために、複合軟質層を含む磁性多層スタックが提供される。磁性多層(複合)スタックは、非磁性層で分離された少なくとも2つの磁性層を含む。第1磁性層は、コバルト−鉄−ボロン−窒化物を含む。第1磁性層は、垂直磁気異方性を有する。第2磁性層は、CoFeB、あるいはCoFeBとCoまたはFeとの組み合わせからなり、この第2磁性層は垂直磁気異方性を有する。挟まれた非磁性層は、Ta、Ti、Hf、Cr、CrRu、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zrまたはそれらの組み合わせのいずれかを含む。第1磁性層110と第2磁性層130は、また分析層とも呼ばれる。
図1は、模式的にそのような複合軟質層600を示し、複合軟質層600は、第1の形態にかかる第1磁性層110と第2磁性層130との間に挟まれた非磁性層120を含む。
このように、磁性多層スタック600は、例えばCoFeB/Ta/CoFeBN複合構造を含んでも良い。CoFeBを含む磁性層を用いることにより、磁性層のPMAが改良される。非磁性Ta層は、CoFeBNからボロンを吸収し、これにより、磁性多層構造の形成中に行われる任意のアニール工程中に、CoFeBN中のボロン成分を低減する。結果として、磁性層のPMAが改良される。コバルト−鉄−ボロン−窒化物中のボロン濃度は、PMAを改良するのに有利な10〜30原子パーセントの範囲内である。スタックで使用されるそれぞれの層の膜厚を調整することにより、スタックの特徴が、例えば必要なスペックに合うように、最適化される。
PMAは層の表面により誘起され、即ち、磁性材料の表面効果により誘起される。磁性材料のより厚い(バルクのような)層または構造では、面内異方性が層中の支配的な磁気方向であり、即ち磁界は層に対して主に平行に配置されることに注意すべきである。この具体例にかかる磁性層110は、物理的な膜厚が1.1nmである。この膜厚は、磁性層110において、PMAが面内異方性より大きくなることを確実にする。
CoFeBを含む第1磁性層110と、CoFeBもしくはCoFeBとCoまたはFeとの組み合わせを含む第2磁性層130との間に非磁性層130を導入することにより、2つの磁性層110、130が磁気的に結合される。非磁性層は、Ta、Ti、Hf、Cr、CrRu、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zrまたはそれらの組み合わせのいずれか含み、またはいずれかからなる。この形態では、コバルト−鉄−ボロン−窒化物を含む第1磁性層110は、絶縁性のトンネルバリア層(例えばMgO層)から離れて配置されるのが好ましい。2つの磁性層110、130の間に非磁性層120を挿入することにより、面内異方性に関連する問題を軽減しつつ、複合構造600の有効膜厚を増加させることができる。
「磁気的に結合された(magnetically coupled)」の文言は、ここでは、複合構造中の磁性層と追加の磁性層との間の結合の強さが、非磁性層120により分離されているにもかかわらず、2つの磁性層110、130が1つの磁性層として振る舞うほど大きいことを言う、と理解すべきである。このように、CoFeBN/Ta/CoFeB複合構造を含む、効果的に厚くした磁性層が得られ、PMAを犠牲にすることなく、多層スタックの熱安定性および異方性を改良できる。磁性多層スタック(複合構造)のPMAと熱安定性は、このように増加し、一方で、面内異方性に関係する問題は、それぞれの磁性層の体積が十分に小さく保たれることにより低減される。
磁性層110、130が互いに磁気的に結合された場合、有効膜厚が増加することは注意すべきである。中間の非磁性層120の膜厚が十分に薄い場合に、この条件が満たされる。非磁性層120の膜厚は、好適には0.2〜2.5nmの範囲であり、これらの膜厚は効率の良い磁気的な結合を提供する。もし非磁性層120が薄すぎる場合、アニール後に磁性層110、130を通って拡散し、磁性層110、130の間の磁気的な結合の良い影響を低下させる。
他の具体例では、第1磁性層110と第2磁性層130は、0.6〜2nmの範囲の膜厚を有しても良い。
具体例では、第1磁性層110と第2磁性層130と非磁性層120は、同じ膜厚でも良い。
スタック中の層の数が、磁性材料の熱安定性に影響することに注意すべきである。スタック中の層の数が増えると、磁性材料はより厚くなり、それゆえにより安定になる。
使用されるCoFeBN材料の組成は、一般には、(Co33Fe67100−x−y(ただし10≦x≦30および1≦y≦10)で表される。本開示の具体例では、CoFeBNは、窒素ガスがスパッタチャンバ中に流された状態で、CoFe(ただし10≦x、y≦70、10≦z≦30)をスパッタすることで形成される。窒素の流速は、1sccmと15sccmとの間で変えても良い。1つの具体例では、CoFeの組成はCo20Fe6020であり、窒素の流量は、好適には1sccmまたは3sccmである。本開示の他の具体例では、CoFeの組成はCo60Fe2020であり、窒素の流量は、好適には1sccmまたは3sccmである。
具体例では、非磁性層120は、好適にはタンタルTaからなる。これは、例えば磁性多層構造を形成する場合に使用されるアニール工程中に、Ta層がCoFeBまたはCoFeBN層からのボロンを吸収して、CoFeBまたはCoFeBNの中のボロンの量を減らすという事実に起因する。結果として、磁性層110のPMAは改良される。
具体例では、多層スタック200は、複合構造600の繰り返しを含んでも良い。第1磁性層110と第2磁性層130とに挟まれた非磁性層120を含む複合構造600を繰り返すことにより、繰り返された磁性層110、130が磁気的に結合された、より厚い有効膜厚を有する磁性多層スタック600を形成できる。磁性層の有効膜厚はこれにより増加し、多層スタックの熱安定性およびPMAが改良される。
多層磁性スタック200は、更に、第2磁性層130に近い1つの側面にトンネルバリア層160を含み、トンネルバリア層は、非磁性金属材料または絶縁体材料を含む。図2は、そのような形状を模式的に示し、これにより、基板1000と任意のシード層1001を含む底部電極500、および硬質層1002を示す。具体例にかかる複合軟質層600は、これにより、底部電極500とトンネルバリア層160との間に挟まれる。CoFeBNを含む第1磁性層110は、第2磁性層130よりも、トンネルバリア層160から離れて配置されなければならない。磁気トンネル接合スタックのために、トンネルバリア層160は、マグネシウム酸化物、マグネシウムチタン酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、またはアルミニウム酸化物からなるグループから選択される酸化物を含む。例えばジャイアントマグネトレジスタ(GMR)スタックでは、トンネルバリア層160は、Cu、Cr、またはRuから選択される非磁性金属材料を含む。
具体例と図3に模式的に示すように、多層スタック200は、更に、第1磁性層110に近い複合構造600の他の側面に、スペーサ層165を含む。スペーサ層165は、非磁性金属材料または絶縁体材料を含む。磁性多層スタック200は、ダブル磁性トンネル接合(DMTJ)の構造を有し、例えば、MTJデバイス中でトンネル電流のスイッチングを改良する。このスペーサ層165は、好適には、トンネルバリア層160と同じ材料を含む。しかしながら、スペーサ層165の膜厚は、トンネルバリア層160の膜厚よりすっと小さくなるべきである。第1磁性層110は、このように、スペーサ層165の最も近くに配置され、換言すれば、最も薄い層の最も近くに配置される。第1磁性層110は、最も低い面積抵抗(RA)、即ち最も小さい有効膜厚を有するMgO層の最も近くに配置されるべきであると言われる。MgOを含むトンネルバリア層とスペーサ層とを用いると、このように、複合軟質層は、2つのMgO界面を有する。
MgO/CoFeBN/Ta/CoFeB/MgOを含む複合磁性多層スタック200を提供することは有利である。そのような磁性多層スタックは、貯蔵層として使用できるであろう。この貯蔵層は、ポストアニールの後に、好ましい結晶構造、即ち原子格子マッチングと、高いスピン偏極のようなバンド配列を有し、高いトンネル磁気抵抗(TMR)が達成される。しかしながら、より低いギルバート減衰定数(Gilbert damping constant)と、その結果として低いスイッチング電流が、CoFeBN/Ta/CoFeB/MgOスタックで観察された。改良されたMTJ構造は、これにより提供されても良い。改良されたスピントルクスイッチング電流を有する改良されたPMAを示す2つのMgO界面を有するそのようなMTJスタックは、更に、相補型金属酸化物半導体(CMOS)のような従来のトランジスタとの集積に適しており、これによりSTT−MRAMを集積回路に集積することを可能にする。
MgO/CoFeBN/Ta/CoFeB/MgOでは、主に2つのMgO界面が、そのようなスタックの全体の界面異方性(interface anisotropy)を改良し、これによりスイッチング電流を低減できることにも注意すべきである。CoFeBNを含む第1磁性層110に対して、これは主に正しい選択であり、これにより磁性スイッチング電流に影響するギルバート減衰定数を低減する。
CoFeBN中の窒素Nの存在は、界面PMAを増加させ、磁性層110、130中の磁性材料として単にCoFeBを用いる場合に比較して拡散バリアとして働く。磁性多層スタック600中のTa/CoFeBN界面は、また、スタック200のPMAを改良する。磁性多層スタック600のために記載された磁性層および非磁性層の代わりの構造は、使用される磁性材料の有効膜厚を増加させ、これによりPMAやバンド配列のような他の重要なパラメータについて妥協することなく、磁性多層スタック600の熱安定性を大きくできる。
スタック600中の層の数は、磁性材料の熱安定性に影響する。スタックの数が多くなると、磁性材料は大きくなり、これにより、より安定になる。
高いトンネル確率を提供するために、トンネルバリア材料160は、図2、3により示された具体例の中にあり、0.8〜2.5nmの範囲の膜厚を有する。
図4は、本開示の具体例にかかるCoFeBN/Ta/CoFeB複合軟質層600を含む磁性多層スタック600について、適用された磁界801に対してプロットした、任意単位(a.u.)の正規化磁気モーメント802のグラフを示す。これは、磁気ヒステリシス(MH)を示す。プロット810は、磁性多層スタックに垂直に配置された適用磁界、即ち層の表面に対して垂直に配置された磁界の場合の、正規化磁気モーメントを示す。プロット820は、磁性多層スタック600の面内に配置された適用磁界の場合の正規化磁気モーメントを示す。データから、この磁性多層スタックは、強いPMAを表すことが示される。強いPMAは、このように、CoFeBNの層を含む複合軟質層構造600を使用することにより達成される。この実験では、CoFeBN磁性層110とCoFeB磁性層130の双方は1.1nmの膜厚を有する。約1nmのTaの薄層が、2つの磁性層110、130の間に非磁性層120として挿入される。磁性多層スタック600は、約4.5kOe(Oersted)の異方性磁場と、0.42erg/cmの有効異方性Keff.tを示す。このように、磁性多層スタック600は、増加した熱安定性を提供する。更に、低減されたスイッチング電流を提供するために重要な、低い飽和磁化(saturation magnetization)(600emu/cc)が、磁性多層スタック400で得られる。
より低いMsと低いアルファを示す第1層と、高いKs(界面異方性)高いトンネル磁気抵抗(TMR)を示す第2層とを含む、複合自由層または軟質層600が、垂直STT−MRAM応用での同じ熱安定性に対して、より低いスイッチング電流を提供する。本開示では、第1層110はCoFeBNを含む。窒素は、Ms(飽和磁化)を低減し、磁気制動(magnetic damping)を変化しないようにする。CoFeBN/CoFeBを含む複合構造600中で実施された、実験結果によれば、高いTMRと適切なRAを維持し、これは、PMAを有する2nmのCoFe系自由層600で、記録的に低いアルファを生み出す。減衰係数は、単体のCoFeB軟質層についての0.015に比べて、CoFeBN/Ta/CoFeB複合自由層の複合層では、0.0085まで低減される。
本開示の第2の形態では、図5に示すように、磁気抵抗デバイス900が提供される。磁気抵抗デバイス900は、複合軟質層600を含む。磁気抵抗デバイスは底部電極500を含み、底部電極500は、基板100の上に形成されたシード層1001を含んでも良い。底部電極500の上には、第1磁気構造600が存在する。図5に示すような上部固定MTJの場合、第1磁気構造600は軟質層である。底部固定MTJの場合、この磁気構造600は硬質層である。第1磁気構造600の上には、トンネルバリア構造160が存在し、これにより、トンネルバリア層160は、非磁性金属材料または絶縁体材料を含む。第2磁気構造1002は、トンネルバリア構造160の上に存在する。図5に示すような上部固定MTJの場合、第2磁気構造1002は硬質層である。底部固定MTJの場合、第1磁気構造600は硬質層であり、第2磁気構造は軟質層である。上部電極1003は、第2磁気構造1002の上に存在する。
MTJ中の軟質層は、垂直磁気異方性を有しコバルト−鉄−ボロン−窒化物(CoFeBN)を含む第1磁性層110と、垂直磁気異方性を有しコバルト−鉄−ボロン(CoFeB)またはCoまたはFeまたはそれらの組み合わせを含み、トンネルバリア構造160の近くに配置された第2磁性層130と、第1磁性層110と第2磁性層130との間に挟まれた非磁性層120とを含む複合構造600を含む。非磁性層120は、Ta、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zr、またはそれらの組み合わせを含む。磁気トンネル接合(MTJ)中で使用できるように磁性多層スタック600が提供されることが長所である。第1磁性層110は、0.6nmから約2nmの範囲の膜厚を有する。
先の段落で述べたように、磁気抵抗デバイス900は、シード層構造1001を含んでも良い。シード層1001は、チタン、バナジウム、ハフニウム、クロム、酸化マグネシウム、クロムルテニウム、窒化タンタル、窒化チタン、および酸化ルテニウムからなるグループから選択される材料を含む少なくとも1層を含む。シード層1001は、約0.1nmから約7nmの範囲の膜厚を有する。シード層1001は、稠密六方(hcp)(002)テクスチュア、面心(fcc)(111)テクスチュア、または体心(bcc)(200)テクスチュアを提供する。シード層1001は、第1磁性層110がfcc(111)方向に成長するのを助け、これにより多層スタック中にPMAを達成する。より小さな膜厚のシード層1001は、トンネルバリア層160を通る、よりまとまった(coherent)トンネルを有するために所望される。PMAは、シード層構造1001に対して、約3nmの最小膜厚を有する第1磁性層110中で達成される。記載された磁気抵抗デバイス900は、スピントランスファトルク磁気ランダムアクセスメモリ(STT−MRAM)中で使用される低いスイッチング電流を提供する。MRAMの応用では、磁気抵抗デバイスは、読み出し電流および書き込む電流を提供するトランジスタとともに、記憶回路の一部である。磁気抵抗デバイス900は、マルチレベルMRAMとして、またはその一部として働く。
トンネルバリア層160の下および上に、第1および第2のスピン分極層(spin-polarizing layer)が加えられても良い(図示せず)。第1および第2のスピン分極層は、好適には、Fe、CoFe、またはCoFeB、またはそれらの組み合わせを含む。それらは、より高い磁気抵抗を達成するために。トンネルバリア層160の両側に配置される。第1スピン分極層は、複合軟質層600の一部であり、一方、第2スピン分極層は、硬質層の一部となる。そのような複合軟質層600は、例えば、CoFeBN/Ta/Fe/CoFeBまたはCoFeBN/Ta/CoFeB/Feスタックを含み、Fe層は、第1スピン分極層と呼ばれる。スピン分極層の膜厚は、約0.2nmと約3nmの間で変化して、磁気抵抗の値を増加させる。複合軟質層600側の側面において、スピン分極層は、第2磁性層130と同じでも良い。
具体例では、デュアルMTJスタック、即ち2つのバリア層160、161の間の挟まれた、異なる具体例にかかる複合自由層600を含む複合スタックを含む多層スタック、が提供されても良い。2つのトンネルバリア層160、161を有する複合スタックは、硬質層1004と他の硬質層1002との間に挟まれる。これは、図6に模式的に示される。複合軟質層600は、第1磁性層110と第2磁性層130との間に挟まれた非磁性層120を含む。複合軟質層600は、第1トンネルバリア層160と第2トンネルバリア層161との間に挟まれる。この複合スタック300は、次に、硬質層1004と他の硬質層1002との間に挟まれる。硬質層1004の下には底部電極500が形成され、硬質層の異方性を改良し、他の硬質層1002の上には、上部電極1003が形成される。
当業者は、本開示は、上述の好適な具体例に限定されるものではないことを認識する。一方、添付の請求項の範囲内で、多くの変形や変化が可能である。
例えば、バリア層とスペーサ層は、酸化マグネシウム、マグネシウムチタン酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、または酸化アルミニウムのグループから選択される、同じ材料または異なる材料を含む。
更に、図面、開示、および添付の請求項の研究から、請求項の記載を実行する当業者により、開示された具体例の変形が理解され、達成される。請求項において、「含む(comprising)」の用語は、他の要素や工程を排除せず、不定冠詞の「a」や「an」は複数を排除しない。所定の手段が相互に異なる従属請求項で引用されるという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが利益を持って用いられないことを示すものではない。

Claims (14)

  1. 垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン−窒化物(CoFeBN)を含む第1磁性層(110)と、
    垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン(CoFeB)を含む第2磁性層(130)と、
    第1磁性層と第2磁性層との間に挟まれ、Ta、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zr、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む非磁性層(120)と、を含む複合軟質層(180)を含む磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  2. 更に、第2磁性層(130)の近くの1つの側面にトンネルバリア層(160)を含み、トンネルバリア層(160)は非磁性金属材料または絶縁体材料を含む請求項1に記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  3. 更に、第1磁性層(110)の近くにスペーサ層(165)を含み、スペーサ層(165)は非磁性金属材料または絶縁体材料を含む請求項1または2に記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  4. 絶縁体材料は、マグネシウム酸化物、マグネシウムチタン酸化物、マグネシウムアルミニウム酸化物、またはアルミニウム酸化物からなるグループから選択される酸化物を含む非磁性金属材料または絶縁体材料を含む請求項2または3に記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  5. 非磁性金属材料は、Cu、Cr、またはRuのいずれかを含む請求項2または3に記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  6. 更に、トンネルバリア層(160)の近くで、トンネルバリア層(160)の他の側面に、硬質層(1002)を含む請求項1〜5のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  7. 更に、他の硬質層(1004)を含み、スペーサ層(161)は、他の硬質層(1004)と第1磁性層(110)との間に挟まれ、これにより他のトンネルバリア層(161)を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  8. コバルト−鉄−ボロン−窒化物のボロン濃度が、10〜30原子パーセントの範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  9. 第1磁性層(110)および/または第2磁性層(130)が、0.6〜2nmの範囲の膜厚を有する請求項1〜8のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  10. 非磁性層(120)が、0.2〜2.5nmの範囲の膜厚を有する請求項1〜9のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  11. トンネルバリア層(160)が、0.8〜2.5nmの範囲の膜厚を有する請求項2〜10のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  12. スペーサ層(165)が、0.4〜2.5nmの範囲の膜厚を有する請求項3〜11のいずれかに記載の磁気抵抗デバイスのための磁性多層スタック(200)。
  13. 上部シード層(1001)を含む底部電極(1000)と、
    シード層(1001)の上に有り、軟質層または硬質層である第1磁気構造(600)と、
    第1磁気構造(600)の上に有り、非磁性金属材料または絶縁体材料を含むトンネルバリア構造(160)と、
    トンネルバリア構造(160)の上に有り、第1磁性構造が軟質層の場合は硬質層であり、または第1磁性構造が硬質層の場合は軟質層である、第2磁性構造(1002)と、
    第2磁性構造(1002)の上の上部電極(1003)と、を含み、
    第1磁性構造または第2磁性構造の軟質層(600)は、
    垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン−窒化物(CoFeBN)を含んで垂直磁気異方性を有する第1磁性層(110)と、
    垂直磁気異方性を有し、コバルト−鉄−ボロン(CoFeB)を含んで垂直磁気異方性を有する第2磁性層(130)であって、トンネルバリア構造の近くに配置される第2磁性層(130)と、
    第1磁性層と第2磁性層との間に挟まれて、Ta、Ti、Hf、Cr、Ru、V、Ag、Au、W、TaN、TiN、RuO、Zr、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む非磁性層(120)と、を含む複合構造である磁気抵抗デバイス(900)。
  14. 更に、シード層(1001)と他のトンネルバリア層(161)との間で、第1磁性層(110)の近くに他の硬質層(1004)を含む請求項13に記載の磁気抵抗デバイス(900)。
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