JP2015133378A - トランス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスとインダクタンスコイルで磁心を共有するトランス装置において、巻線の巻数を抑える。【解決手段】トランス装置10の磁心11には、通常巻線12と特別巻線13とが設けられている。特別巻線13は、予め定められた方向に導線を巻き回して形成されたA区間13aと、該A区間13aとは反対の方向に導線を巻き回して形成されたB区間13bを有しており、これらの区間の巻数は異なっている。そして、通常巻線12からは、A,B区間13a,13bと鎖交する主磁路15が形成され、A,B区間13a,13bからは、それぞれ、通常巻線12と鎖交しないA,Bサブ磁路16,17が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、トランスとインダクタンスコイルで磁心を共有するトランス装置に関する。
内燃機関の点火システムとして、特許文献1に記載の高周波点火システムが知られている。この高周波点火システムでは、トランスを介して2次巻線側に設けられたインダクタンスコイルとプラグの寄生容量とにおける共振を励起し、これによりプラグに非常に高い電圧を印可して放電を発生させる。
この方式では、1次巻線よりも巻数の多い2次巻線を備えるトランスにより高電圧が生成されると共に、更に、インダクタンスコイルと寄生容量とによる直列共振によって電圧を高めることができ、非常に高い電圧の発生に適している。
しかしながら、この方式ではトランスとインダクタンスコイルの2つの磁気部品が必要となるため、装置が大型化してしまうという問題がある。
この問題の解決策として、特許文献2には、液晶モニタの放電管点灯システムに用いられ、同様の共振システムを有するトランス装置が記載されている。このトランス装置では、上述したトランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられている。このようにしてトランスとインダクタンスコイルで磁心を共有することで、磁心の小型化と磁気部品間のデッドスペースの低減ができ、小型化に有効である。
特表2012−502225号公報 特開2009−212157号公報
ところが、特許文献2のトランス装置では、2次巻線が、特許文献1のトランス装置におけるトランスの巻線とインダクタンスコイルの巻線を兼ねるため、これらの巻数を独立して設計することができない。
一般的に、高電圧を生成するシステムでは、共振のQ値が高い場合には、トランスに比べてインダクタンスコイルの印加電圧が大きいため、2次巻線に比べ、インダクタンスコイルに非常に大きな巻数を持たせる必要がある。
このため、特許文献2のトランス装置の2次巻線の巻数は、インダクタンスコイルに相当する大きな巻数とする必要があり、これに伴い1次巻線の巻数も増やす必要がある。その結果、トランスとインダクタンスコイルを個別に設ける場合に比べ、トランスの1次巻線の巻き数が多くなってしまう。
一般的に、高電圧の生成に用いられるトランスでは、2次巻線の巻数は1次巻線の巻数に比べ非常に大きいため、1次巻線を流れる電流は、2次巻線を流れる電流に比べ非常に大きい。したがって、1次巻線は2次巻線に比べて銅損が大きくなり易く、1次巻線の巻数の増加は回路全体の効率悪化につながりやすい。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、トランスとインダクタンスコイルで磁心を共有するトランス装置において、巻線の巻数を抑えることを目的とする。
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係るトランス装置は、単一の部位により構成されるか、又は、複数の部位により一体的に構成された磁心(11,51,61,91,121,141,161)と、磁心に導線を巻き回して形成された通常巻線(12,52,62,95,125,144,162)と、通常巻線を鎖交する主磁路(15,55,65,97,127a,146,164)と、を備える。
また、該トランス装置は、前記主磁路上で、予め定められた方向に向かって磁心に導線を巻き回して形成された1又は複数のA区間(13a,53a,63a,63c,63d,63f,96a,96c,126a,145b,145d,163a)と、前記主磁路上で、該A区間とは反対の方向に向かって磁心に導線を巻き回して形成された1又は複数のB区間(13b,53b,63b,63e,96b,126b,145a,145c,163b)とを有する特別巻線(13,53,63,96,126,145,163)と、を備える。
そして、全てのA区間における導線の巻数の総和と、全てのB区間における導線の巻数の総和とは異なっており、特別巻線における少なくとも1つの区間は、通常巻線とは鎖交しない磁路であるサブ磁路(16,17,56,57,66〜68,98a〜98c,127b,127c,147a〜147d,165a,165b)を形成するように配されている。
なお、通常巻線、及び、特別巻線における各々の区間は、通常巻線及び全ての区間と鎖交する磁路である主磁路(15,55,65,97,127a,146,164)を形成するよう配されている。
このような構成によれば、トランス装置の通常巻線を1次巻線、特別巻線を2次巻線として用いた場合、等価回路上のトランスの2次巻線の巻数は、特別巻線の巻数より少なくなる。また、トランス装置の通常巻線を2次巻線、特別巻線を1次巻線として用いた場合も同様に、等価回路上のトランスの1次巻線の巻数は、特別巻線の巻数より少なくなる。
このため、通常巻線の巻数を抑えつつ、1次巻線又は2次巻線として用いられるトランス装置の通常巻線及び特別巻線の巻数比を、必要な比率にすることが可能となる。
したがって、トランスとインダクタンスコイルで磁心を共有するトランス装置において、巻線の巻数を抑えることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態のトランス装置の説明図である。 第1実施形態のトランス装置の等価回路の回路図である。 第1実施形態のトランス装置を用いたAC−DCコンバータの回路図である。 第1実施形態のトランス装置を用いたAC−DCコンバータの等価回路の回路図である。 第2実施形態のトランス装置の説明図である。 第3実施形態のトランス装置の説明図である。 第3実施形態のトランス装置を用いたDC−DCコンバータの回路図である。 第3実施形態のトランス装置を用いたDC−DCコンバータの等価回路の回路図である。 第4実施形態のトランス装置の説明図である。 第4実施形態のトランス装置を用いたDC−DCコンバータの回路図である。 第4実施形態のトランス装置を用いたDC−DCコンバータの等価回路の回路図である。 第5実施形態のトランス装置の説明図である。 第5実施形態のトランス装置の第1基部の斜視図である。 第5実施形態のトランス装置を用いた昇圧回路の等価回路の回路図である。 第6実施形態のトランス装置の説明図である。 第6実施形態のトランス装置を用いたインバータの回路図である。 第7実施形態のトランス装置の説明図、及び、該トランス装置を用いた昇圧回路の回路図である。 第7実施形態のトランス装置を用いた昇圧回路の等価回路の回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
[主な構成の説明]
第1実施形態のトランス装置10は(図1参照)、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置10の磁心11は、略直方体形状に形成されており、中央に当該磁心11を貫通する孔部が形成されている。換言すれば、磁心11は、平面視すると長方形状を有する内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有している。
以後、磁心11の外周部分における短手側の辺をなす各部分を、左側短手部11a,右側短手部11bとすると共に、外周部分における長手側の辺をなす各部分を、上側長手部11c,下側長手部11dとする。
上側長手部11c,下側長手部11dの内周側には、内側に突出する第1突出部11e及び第2突出部11fと、第3突出部11h及び第4突出部11iが設けられている。
第1突出部11e及び第2突出部11fは、左側短手部11aから所定距離を隔てて配されていると共に、第3突出部11h及び第4突出部11iは、右側短手部11bから該所定距離と同程度の距離を隔てて配されている。
第1突出部11e及び第2突出部11fは、先端部分が内部空間で対面するよう配されており、これらの先端部分によりギャップ11gが形成されている。また、第3突出部11h及び第4突出部11iもまた、先端部分が内部空間で対面するよう配されており、これらの先端部分によりギャップ11jが形成されている。
そして、上側長手部11cにおける左側短手部11aと第1突出部11eに挟まれる位置には、通常巻線12が設けられている。
また、上側長手部11cにおける第1突出部11eから右側短手部11bに挟まれる位置には、特別巻線13が設けられている。
さらに、特別巻線13は、第1突出部11eと第3突出部11hとの間に配されたA区間13aと、第3突出部11hと右側短手部11bとの間に配されたB区間13bから構成されており、これらの区間では、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、上側長手部11cにおいて、左側短手部11aから右側短手部11bに向かって後述する主磁路15が形成されたと仮定する。このとき、A区間13aは、該主磁路15の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間13bは、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間13a及びB区間13bの導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間13aにおける導線の巻数は、B区間13bにおける導線の巻数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線12に電圧を印可すると、通常巻線12から磁束が生じる。該磁束が通過する磁路のうち、通常巻線12と、特別巻線13における全ての区画と鎖交するものを、主磁路15と記載する。
主磁路15は、磁心11の外周部分(上側長手部11c,右側短手部11b,下側長手部11d,左側短手部11a)に沿って形成される。なお、図1における主磁路15の向きは、通常巻線12に第1端子12aから第2端子12bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線13に電圧を印可すると、特別巻線13のA区間13a,B区間13bからは、それぞれ磁束が生じる。A区間13aにより生じる磁束の磁路のうち、通常巻線12に鎖交しないものを、Aサブ磁路16と記載する。また、B区間13bにより生じる磁束の磁路のうち、通常巻線12に鎖交しないものを、Bサブ磁路17と記載する。
Aサブ磁路16は、磁心11の上側長手部11cにおける第1突出部11eから第3突出部11hまでの区間と、下側長手部11dにおける第2突出部11fから第4突出部11iまでの区間と、第1突出部11e及び第2突出部11fと、第3突出部11h及び第4突出部11iに生成される。
以後、Aサブ磁路16が形成される部分を、Aサブ磁路形成部とも記載する。
また、Bサブ磁路17は、磁心11の上側長手部11cにおける第3突出部11hから右側短手部11bまでの区間と、下側長手部11dにおける第4突出部11iから右側短手部11bまでの区間と、第3突出部11h及び第4突出部11iと、右側短手部11bに生成される。
以後、Bサブ磁路17が形成される部分を、Bサブ磁路形成部とも記載する。
なお、図1におけるAサブ磁路16及びBサブ磁路17の向きは、特別巻線13に第1端子13cから第2端子13dに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
[動作原理について]
次に、第1実施形態のトランス装置10の動作原理について説明する。以下では、通常巻線12を1次巻線、特別巻線13を2次巻線として用いる。また、1次巻線(通常巻線12),2次巻線(特別巻線13)に流れる電流を、それぞれI,Iとし、1次巻線(通常巻線12)の巻数をN、2次巻線(特別巻線13)のA区間13a,B区間13bの巻数を、それぞれN,Nとする。
また、議論を簡便にするため、磁心11は、Aサブ磁路16,Bサブ磁路17上のギャップ11g,11jに比べ、十分に大きい透磁率を有しており、磁心11内部の磁界は無視できるものとする。
主磁路15に対してアンペールの法則を適用すると、次の式が得られる。
Figure 2015133378
ここで、Hは磁界の強さであると共に、lは線素であり、主磁路15上に積分を行うものとする。
トランス装置10では、主磁路15は磁心11に形成されるため、式1の右辺の値は非常に小さいとみなすことができ、ほぼ無視できる。このため、式1から次式を導くことができる。
Figure 2015133378
なお、トランス装置10では、主磁路15は磁心11に形成されるため、式1の右辺を無視できるものとした。一般には、主磁路の磁気抵抗が十分に小さければ式1の右辺を小さいとみなすことができ、同様の議論が成り立つ。
次に、Aサブ磁路16,Bサブ磁路17について、同様にしてアンペールの法則を適用する。これにより、次式が得られる。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
ここで、磁束φ,φは、それぞれ、Aサブ磁路16,Bサブ磁路17の磁束である。なお、磁束φ,φが正の値を持つ場合の磁束の向きを、図1中の矢印の向きとする。
また、磁気抵抗Rは、Aサブ磁路16が形成されるAサブ磁路形成部において、Bサブ磁路17と共有しない部分の磁気抵抗である。
また、磁気抵抗Rは、磁心11におけるAサブ磁路16及びBサブ磁路17が形成される部分(Aサブ磁路形成部とBサブ磁路形成部の重複部分)の磁気抵抗である。
また、磁気抵抗Rは、Bサブ磁路17が形成されるBサブ磁路形成部において、Aサブ磁路16と共有しない部分の磁気抵抗である。
式3,4を磁束φ,φについて解くと、次式が得られる。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
次に、Aサブ磁路16,Bサブ磁路17について、ファラデーの法則を適用する。主磁路15の磁束を0と仮定した時の、2次巻線(特別巻線13)のA区間13a,B区間13bに誘導される電圧をそれぞれV,Vとすると、ファラデーの法則から次式が得られる。
なお、図1におけるA区間13a,B区間13bに記載した矢印の向きを、V,Vが正の値を有した際の電圧の向きとする。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
そして、式5,6を式7,8に代入すると、次式が得られる。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
最終的に、主磁路15の磁束をφとすると、2次巻線(特別巻線13)の誘導電圧は、以下のようになる。
Figure 2015133378
ここで、Vは1次巻線(通常巻線12)に印可される電圧であり、Vは2次巻線(特別巻線13)の誘導電圧である。また、ファラデーの法則から、V=Ndφ/dtであることを用いた。
一方で、図2の回路20における、トランス21の1次巻線21aに印可される電圧Vと、1次巻線21aを流れる電流Iと、2次巻線21b及びインダクタ22に生じる電圧をVと、これらを流れる電流をIの関係式を考察すると、式12,13が得られる。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
なお、トランス21の1次巻線21aの巻数をN、2次巻線21bの巻数をNαとし、インダクタ22のインダクタンスをLβとする。
式1,11と式12,13を見比べると、次式の関係下において、第1実施形態のトランス装置10の構造は、回路20と等価であることがわかる。
Figure 2015133378
Figure 2015133378
以上の結果を踏まえて、第1実施形態のトランス装置10がどのような効果をもたらすか議論する。
まず、式15から明らかになったように、等価回路20におけるトランス21の2次巻線の巻数Nαは、トランス装置10の2次巻線(特別巻線13)の巻数の総量(N+N)より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
次に、等価回路20の2次巻線側に設けられたインダクタ22の巻数Nについて議論する。トランス装置においては、出力電圧波形が交流である。そこで、一次側巻線の印加電圧によって誘起される2次側の誘導電圧を小さいものと仮定して無視すると、インダクタ22の磁束φと、巻数Nと、インダクタ22に印可される交流電圧(振幅V)とは、ファラデーの法則から次の関係式に従う。ここで、ωは、交流電圧の角周波数である。
Figure 2015133378
したがって、インダクタ22で必要となる巻数の最小値Nminは、インダクタ22で許容される磁束の最大値φmaxと、交流電圧の最大値Vmaxから、次式のように表すことができる。
Figure 2015133378
一方で、第1実施形態のトランス装置10について考察すると、ファラデーの法則を適用し、2次巻線(特別巻線13)の電圧波形について次式を得ることができる。
Figure 2015133378
ここで、2次巻線(特別巻線13)のA区間13a及びB区間13bの各々で許容される磁束の最大値をいずれもφmaxとし、電圧の振幅の最大値をVmaxとする。このとき、2次巻線(特別巻線13)で必要となる巻数の最小値N2_minは、次式となる。
Figure 2015133378
式19と式17を比べるとわかるように、等価回路20のインダクタ22と、トランス装置10の2次巻線(特別巻線13)のA,B区間13a,13bの各々で、磁束の最大値φmaxが等しいとすると、等価回路20のインダクタ22の巻数の最小値Nminは、2次巻線(特別巻線13)全体の巻数の最小値N2_minに等しい。
したがって、等価回路20をトランス装置10に置き換えた場合、トランス装置10の2次巻線(特別巻線13)の巻数の総数は、等価回路20におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置10の構成とすることで2次巻線の巻数が増えることは無い。他方、上述したように、1次巻線の巻数を効果的に低減することができる。
[他の構成の説明]
トランス装置10では、主磁路15は磁心11の外周部分に形成され、該外周部分は、平面視すると長方形状の内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有する。
また、A,Bサブ磁路16,17が形成されるA,Bサブ磁路形成部は、ギャップが形成されているものの、平面視すると長方形状の内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有する。
これにより、外周部分やA,Bサブ磁路形成部から漏洩磁束が生じるのを防ぐことができ、電磁干渉を抑制することができる。
さらに、主磁路15は、A,Bサブ磁路16,17の外縁を取り囲むように配置されている。これにより、A,Bサブ磁路16,17に設けられたギャップからの漏えい磁束がトランス装置10の外部の回路に電磁干渉する恐れを一層抑制できる。
また、磁心11では、通常巻線12が配置された部分と特別巻線13が配置された部分が重複しておらず、特別巻線13を構成する区間の各々全てからサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線13の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線13の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、磁心11は、主磁路15が形成される外周部分にはギャップが形成されていないが、A,Bサブ磁路16,17が形成されるA,Bサブ磁路形成部にはギャップ11g,11jが形成されている。このため、該外周部分は、A,Bサブ磁路形成部に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
なお、例えば、これらのギャップ11g,11jに替え、透磁率の低い材料を配することで、A,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗を高めても良い。
これは、等価回路20においてインダクタ22の磁気抵抗を高めることに相当し、これにより、特別巻線13に電流が流れることにより磁気飽和が発生する恐れを効果的に抑制することができる。
また、主磁路15にギャップを設けないことは、等価回路20においてトランス21の励磁インダクタンスを高めることに相当するため、通常巻線12と特別巻線13との間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、磁心11の第1突出部11e及び第2突出部11fにおけるAサブ磁路16に直交する断面11e−1,11f−1の断面積は、Aサブ磁路16を形成する磁束の大きさに応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線13のA区間13aにおいて許容される最大磁束φmaxを、十分に通過させることができる大きさとなっている。
また、第3突出部11h及び第4突出部11iにおけるAサブ磁路16及びBサブ磁路17に直交する断面11h−1,11i−1の断面積は、Aサブ磁路16を形成する磁束の大きさと、Bサブ磁路17を形成する磁束の大きさの総和に応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線13のA区間13aにおいて許容される最大磁束φmaxとB区間13bにおいて許容される最大磁束φmaxの双方が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっている。
これにより、A,Bサブ磁路形成部における磁気飽和をさらに効果的に抑制することができる。
また、トランス装置10の特別巻線13の第1端子13cには、第2端子13dに比べ、通常巻線12の電位に近い電位が生じるようトランス装置10を含む回路を構成するのが好適である。
具体的には、例えば、トランス装置10を内燃機関の点火装置の昇圧回路に用い、通常巻線12(1次巻線)に印可された交流電圧を昇圧させる場合であれば、特別巻線13(2次巻線)の第1端子13cをグランドに、第2端子13dを点火プラグ等に接続し、第2端子13dに高電圧を生じさせるのが好適である。
これにより、通常巻線12(1次巻線)と特別巻線13(2次巻線)との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
ところで、A,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗は、ギャップ11g,11jの大きさや、断面積の大きさにより調整することができる。
無論、ギャップ11g,11jに替え、透磁率の低い材料を配することや、磁心11の一部にこのような材料を配することによっても、該磁気抵抗を調整することができる。
そこで、Aサブ磁路16を形成する磁束φと、Bサブ磁路17を形成する磁束φとが同程度となるよう、A,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗が調整されることが好ましい。
これにより、これらのサブ磁路形成部において、均一に磁気飽和が生じるようになり、磁心の大型化を抑えつつ、より良好な直流重畳特性を得ることができる。
[具体例]
次に、第1実施形態のトランス装置10をコモンモードチョークコイル32として用い、商用電源31からの交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータ30構成する場合について説明する(図3参照)。
AC−DCコンバータ30におけるコモンモードチョークコイル32は、上述したトランス装置10と同様の構成を有している。
なお、該トランス装置は、特別巻線32aにおけるA区間32a−1の巻数NとB区間32a−2の巻数Nとの差分が、通常巻線32bの巻数Nと一致する。このため、該トランス装置は、トランスとして機能する上では1次巻線と2次巻線の巻数は同じとなり、コモンモードチョークコイル32として用いることが可能となっている。
また、トランス装置をコモンモードチョークコイル32として用いる場合には、特別巻線と通常巻線を、コモンモードチョークを構成する2つの巻線のいずれの巻線とするかは、任意に定めることができる。
コモンモードチョークコイル32は、通常巻線32bの第1端子32b−1と特別巻線32aの第1端子32a−3が商用電源31に接続され、商用電源31から印可された交流電圧からコモンモードのノイズを除去する。
また、コモンモードチョークコイル32は、通常巻線32bの第2端子32b−2と、特別巻線32aの第2端子32a−4は、ブリッジレスPFCコンバータ33に接続されており、コモンモードのノイズが除去された交流電圧は、ブリッジレスPFCコンバータ33に入力される。
そして、ブリッジレスPFCコンバータ33は、コモンモードチョークコイル32からの交流電圧を、直流電圧に変換する。
図4には、AC−DCコンバータ30の等価回路40が記載されている。該等価回路40では、コモンモードチョークコイル41の一方の巻線41aにインダクタ42が接続される。
[第2実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第2実施形態のトランス装置50について説明する(図5参照)。該トランス装置50もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置50の磁心51は、その主面が正方形である扁平な直方体形状に形成されており、主面の中央に当該磁心51を貫通する矩形の孔部が形成されている。換言すれば、磁心51は、平面視すると正方形状を有する内部空間を、該正方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有している。
ここで、磁心51の主面における一辺をなす4つの部分を、それぞれ、第1〜第4外周部51a〜51dと記載する。
これらの外周部の1つである第1外周部51aには、通常巻線52が設けられている。また、第1外周部51aに隣接する第2外周部51bと、第1外周部51aに対面する第3外周部51cとには、特別巻線53が設けられている。
特別巻線53は、第2外周部51bに設けられたA区間53aと、第3外周部51cに設けられたB区間53bから構成されており、これらの区間では、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、磁心51において、第1外周部51aから第2外周部51bに向かって主磁路55が形成されたと仮定する。このとき、A区間53aは、該主磁路55の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間53bは、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間53a及びB区間53bの導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間53aにおける導線の巻数は、B区間53bにおける導線の巻数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線52に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、通常巻線52から、特別巻線53における全ての区画と鎖交する主磁路55が形成される。主磁路55は、磁心51に沿って形成される。なお、図5における主磁路55の向きは、通常巻線52に第1端子52aから第2端子52bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線53に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、A区間53a,B区間53bからは、それぞれ、通常巻線52と鎖交しないAサブ磁路56,Bサブ磁路57に磁束が形成される。
第2実施形態では、Aサブ磁路56は、第2外周部51bと、第2外周部51bの外側の空間に形成され、Bサブ磁路57は、第3外周部51cと、第3外周部51cの外側の空間に形成される。
なお、図5におけるAサブ磁路56及びBサブ磁路57の向きは、特別巻線53に第1端子53cから第2端子53dに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第2実施形態のトランス装置50においても、特別巻線53のA,B区間53a,53bは、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、磁心51の外部を通過するA,Bサブ磁路56,57が形成される。
このため、トランス装置50からも第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線53の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置50の特別巻線53の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置50の構成とすることで2次巻線の巻数が増えることは無い。
[他の構成の説明]
トランス装置50の磁心51では、通常巻線52が配置された部分と特別巻線53が配置された部分が重複しておらず、特別巻線53を構成するA,B区間53a,53bの各々からサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線53の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線53の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、第2実施形態では、主磁路55は磁心51の内部に形成されるが、A,Bサブ磁路56,57は、磁心51の外部を通過する。このため、主磁路55が形成される部分は、A,Bサブ磁路56,57が形成される部分に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
したがって、第1実施形態と同様、通常巻線52と特別巻線53との間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、トランス装置50の特別巻線53の第1端子53cには、第2端子53dに比べ、通常巻線52の電位に近い電位が生じるよう構成するのが好適である。
具体的には、例えば、トランス装置50を内燃機関の点火装置の昇圧回路に用い、通常巻線52(1次巻線)に印可された電圧を昇圧させる場合であれば、特別巻線53(2次巻線)の第1端子53cをグランド側に、第2端子53dを点火プラグ等に接続し、第2端子53dに高電圧を生じさせるのが好適である。
これにより、通常巻線52(1次巻線)と特別巻線53(2次巻線)との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
[第3実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第3実施形態のトランス装置60について説明する(図6参照)。該トランス装置60もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置60の磁心61は、略直方体形状に形成されており、中央に当該磁心61を貫通する孔部が形成されている。換言すれば、磁心61は、平面視すると長方形状を有する内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有している。
以後、磁心61の外周部分における短手側の辺をなす各部分を、左側短手部61a,右側短手部61bとすると共に、外周部分における長手側の辺をなす各部分を、上側長手部61c,下側長手部61dとする。
上側長手部61c,下側長手部61dの内周側には、内側に突出する第1突出部61e及び第2突出部61fと、第3突出部61h及び第4突出部61iと、第5突出部61k及び第6突出部61lとが設けられている。
第1突出部61e及び第2突出部61fは、左側短手部61aから所定距離を隔てて配されていると共に、第5突出部61k及び第6突出部61lは、右側短手部61bから別途設定された所定の距離を隔てて配されている。
また、第3突出部61h及び第4突出部61iは、第1,第2突出部61e,61fの配置位置と、第5,第6突出部61k,61lの配置位置の中間に配されている。
また、第1突出部61e及び第2突出部61fと、第3突出部61h及び第4突出部61iと、第5突出部61k及び第6突出部61lとは、それぞれ、先端部分が内部空間で対面するよう配されており、これらの先端部分によりギャップ61g,61j,61mが形成されている。
そして、上側長手部61cにおける左側短手部61aと第1突出部61eに挟まれる位置には、通常巻線62が設けられている。
また、上側長手部61cにおける第1突出部61eから右側短手部61bに挟まれる位置と、下側長手部61dにおける第2突出部61fから右側短手部61bに挟まれる位置には、特別巻線63が設けられている。
さらに、特別巻線63は、第1突出部61eと第3突出部61hとの間に配されたA1区間63aと、第3突出部61hと第5突出部61kとの間に配されたB1区間63bと、第5突出部61kと右側短手部61bとの間に配されたA2区間63cを有している。
また、特別巻線63は、これらに加え、右側短手部61bと第6突出部61lとの間に配されたA3区間63dと、第6突出部61lと第4突出部61iとの間に配されたB2区間63eと、第4突出部61iと第2突出部61fとの間に配されたA4区間63fとを有している。
そして、A1〜A4区間63a,63c,63d,63f(以後、A区間とも記載)と、B1,B2区間63b,63e(以後、B区間とも記載)では、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、主磁路65の向きを磁心61の外周部分を左側短手部61aから右側短手部61bに向かう向きに設定する。このとき、A区間は、該主磁路65の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間は、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間及びB区間の導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
そして、A区間における導線の巻数の総数は、B区間における導線の巻数の総数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線62に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、通常巻線62から、特別巻線63における全ての区画と鎖交する主磁路65上に磁束が形成される。主磁路65は、磁心61の外周部分(上側長手部61c,右側短手部61b,下側長手部61d,左側短手部61a)に沿って構成されている。なお、図6における主磁路65の向きは、通常巻線62に第1端子62aから第2端子62bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線63に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、A1〜A4,B1,B2区間からはそれぞれ磁束が生じる。これらの区間から生じる磁束の磁路のうち、通常巻線62に鎖交しないものを、サブ磁路と記載する。
第3実施形態では、A1区間63a及びA4区間63fからのA1サブ磁路66と、B1区間63b及びB2区間63eからのBサブ磁路67と、A2区間63c及びA3区間63dからのA2サブ磁路68が形成される。
A1サブ磁路66は、磁心61の上側長手部61cの第1突出部61eから第3突出部61hまでの区間と、第3突出部61h及び第4突出部61iと、下側長手部61dの第2突出部61fから第4突出部61iまでの区間と、第1突出部61e及び第2突出部61fに形成される。以後、A1サブ磁路66が形成される部分を、A1サブ磁路形成部と記載する。
また、Bサブ磁路67は、磁心61の上側長手部61cの第3突出部61hから第5突出部61kまでの区間と、第5突出部61k及び第6突出部61lと、下側長手部61dの第4突出部61iから第6突出部61lまでの区間と、第3突出部61h及び第4突出部61iに形成される。以後、Bサブ磁路67が形成される部分を、Bサブ磁路形成部と記載する。
また、A2サブ磁路68は、磁心61の上側長手部61cの第5突出部61kから右側短手部61bまでの区間と、右側短手部61bと、下側長手部61dの第6突出部61lから右側短手部61bまでの区間と、第5突出部61k及び第6突出部61lに形成される。以後、A2サブ磁路68が形成される部分を、A2サブ磁路形成部と記載する。
なお、図6におけるA1,A2,Bサブ磁路66〜68の向きは、特別巻線63に第1端子63gから第2端子63hに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第3実施形態のトランス装置60においても、特別巻線63のA区間とB区間は、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、磁心61の内部にA1,A2,Bサブ磁路66〜68が形成される。
このため、トランス装置60からも第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線63の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置60の特別巻線63の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置60の構成とすることで特別巻線63の巻数が増えることは無い。
[他の構成の説明]
トランス装置60では、主磁路65は磁心61の外周部分に形成され、該外周部分は、平面視すると長方形状の内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有する。
また、A1,A2,Bサブ磁路66〜68が形成されるA1,A2,Bサブ磁路形成部は、ギャップが形成されているものの、平面視すると長方形状の内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有する。
これにより、外周部分やA1,A2,Bサブ磁路形成部から漏洩磁束が生じるのを防ぐことができ、電磁干渉を抑制することができる。
さらに、主磁路65は、A1,A2,Bサブ磁路66〜68の外縁を取り囲むように配置されている。これにより、A1,A2,Bサブ磁路66〜68に設けられたギャップからの漏えい磁束がトランス装置60の外部回路に電磁干渉するおそれを一層抑制することができる。
また、磁心61では、通常巻線62が配置された部分と特別巻線63が配置された部分が重複しておらず、特別巻線63を構成する区間の各々全てからサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線63の各区画がインダクタとして機能するようになり、特別巻線63の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、磁心61は、主磁路65が形成される外周部分にはギャップが形成されていないが、A1,A2,Bサブ磁路66〜68が形成されるA1,A2,Bサブ磁路形成部にはギャップ61g,61j,61mが形成されている。このため、該外周部分は、A1,A2,Bサブ磁路66〜68に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
なお、例えば、これらのギャップ61g,61j,61mに替え、透磁率の低い材料を配することで、A1,A2,Bサブ磁路66〜68の磁気抵抗を高めても良い。
これにより、第1実施形態と同様、特別巻線63に流れる電流により発生する磁気飽和を抑制することができる。
また、主磁路65にギャップを設けないことは、等価回路においてトランスの励磁インダクタンスを高めることに相当する。これにより、通常巻線62と特別巻線63の間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、磁心61の第1突出部61e及び第2突出部61fにおけるA1サブ磁路66に直交する断面61e−1,61f−1の断面積は、A1サブ磁路66を形成する磁束の大きさに応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線63のA1,A4区間63a,63fにおいて許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっている。
また、第3突出部61h及び第4突出部61iにおけるA1サブ磁路66及びBサブ磁路67に直交する断面61h−1,61i−1の断面積は、A1サブ磁路66を形成する磁束の大きさと、Bサブ磁路67を形成する磁束の大きさの総和に応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線63のA1,A4区間63a,63f及びB1,B2区間63b,63eの各々で許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっている。
また、第5突出部61k及び第6突出部61lにおけるBサブ磁路67及びA2サブ磁路68に直交する断面61k−1,61l−1の断面積は、Bサブ磁路67を形成する磁束の大きさと、A2サブ磁路68を形成する磁束の大きさの総和に応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線63のB1,B2区間63b,63e及びA2,A3区間63c,63dの各々で許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっている。
これにより、A1,A2,Bサブ磁路形成部における磁気飽和を効果的に抑制することができる。
また、トランス装置60の特別巻線63の第1端子63gには、第2端子63hに比べ、通常巻線62の電位に近い電位が生じるよう構成するのが好適である。
具体的には、例えば、トランス装置60を内燃機関の点火装置の昇圧回路に用い、通常巻線62(1次巻線)に印可された電圧を昇圧させる場合であれば、特別巻線63(2次巻線)の第1端子63gをグランド側に、第2端子63hを点火プラグ等に接続し、第2端子63hに高電圧を生じさせるのが好適である。
これにより、通常巻線62(1次巻線)と特別巻線63(2次巻線)との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
ここで、A1,A2,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗は、ギャップ61g,61j,61mの大きさや、断面積の大きさにより調整することができる。
無論、ギャップ61g,61j,61mに替え、透磁率の低い材料を配することや、磁心61の一部にこのような材料を配することによっても、該磁気抵抗を調整することができる。
そこで、A1サブ磁路66を形成する磁束と、Bサブ磁路67を形成する磁束と、A2サブ磁路68を形成する磁束とが同程度となるよう、A1,A2,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗が調整されていても良い。
これにより、これらのサブ磁路形成部において、均一に磁気飽和が生じるようになり、磁心の大型化を抑えつつ、より良好な直流重畳特性を得ることができる。
[具体例]
次に、第3実施形態のトランス装置60を、DC−DCコンバータ70に適用した場合の具体例について説明する(図7参照)。
DC−DCコンバータ70では、通常巻線62は1次巻線、特別巻線63は2次巻線として用いられる。
通常巻線62(1次巻線)には、直流電源73からの直流電圧を交流電圧に変換する変換部71に接続されており、通常巻線62の一方の端子と変換部71との間には、コンデンサ72が設けられている。
また、特別巻線63(2次巻線)には、整流回路74が接続される。
そして、DC−DCコンバータ70の等価回路80では、トランス81の2次巻線側にインダクタ82が存在し、該インダクタ82と1次巻線側のコンデンサ72との間で生じる共振により、正弦波の交流電圧が生成される(図8参照)。
なお、通常巻線62を2次巻線、特別巻線63を1次巻線として用い、同様のDC−DCコンバータを構成しても良い。
[第4実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第4実施形態のトランス装置90について説明する(図9参照)。該トランス装置90もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置90の磁心91は、E字状に構成された第1基部92及び第2基部93と、棒状の第3基部94とにより一体的に構成されている。
第1基部92は、棒状部92aと、棒状部92aの両端から突出した第1突出部92b,第3突出部92dと、棒状部92aの中央から突出した第2突出部92cとを有している。
第1〜第3突出部92b〜92cは、棒状部92aの長さ方向に直交する方向に突出している。また、第1,第3突出部92b,92dの長さは同じになっていると共に、第2突出部92cの長さは、第1,第3突出部92b,92dに比べ、短くなっている。
また、第2基部93は、第1基部92と同様の形状を有しており、第1基部92と同様の第1〜第3突出部93b〜93dを有している。
そして、第3基部94は、第1基部92の第1〜第3突出部92b〜92dの頂部と、第2基部93の第1〜第3突出部93b〜93dの頂部とを接触させた際に、第1基部92と第2基部93の間に生じる間隙に配される。
このとき、第3基部94の両端と、第1基部92の第1突出部92b及び第2基部93の第1突出部93b,第1基部92の第3突出部92d及び第2基部93の第3突出部93dとの間には、ギャップ94a,94cが形成された状態となる。
また、第3基部94の中央部と、第1基部92の第2突出部92c,第2基部93の第2突出部93cとの間には、ギャップ94b,94dが形成された状態となる。
そして、第1基部92の棒状部92aにおける、第1突出部92bと第2突出部92cとの間には、通常巻線95が設けられている。
また、第1基部92の棒状部92aにおける、第2突出部92cと第3突出部92dとの間と、第2基部93の棒状部93aにおける、第2突出部93cと第3突出部93dとの間と、第1突出部93bと第2突出部93cの間とには、特別巻線96が設けられている。
さらに、特別巻線96は、第1基部92の第2突出部92cと第3突出部92dとの間に配されたA1区間96aを有している。また、特別巻線96は、第2基部93の第2突出部93cと第3突出部93dとの間に配されたB区間96bと、第2基部93の第1突出部93bと第2突出部93cとの間に配されたA2区間96cを有している。
そして、A1,A2区間96a,96c(以後、A区間とも記載)と、B区間96bでは、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、磁心91において、主磁路97の向きを、第1基部92の第1突出部92bから第2突出部92cに向かう向きに設定する。このとき、A区間は、該主磁路97の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間96bは、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間及びB区間96bの導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間における導線の巻数の総数は、B区間96bにおける導線の巻数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線95に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、主磁路97を通る磁束が形成される。主磁路97は、磁心91の外周部分に沿って形成される。なお、図9における主磁路97の向きは、通常巻線95に第1端子95aから第2端子95bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線96に電圧が印可されると、A1,A2,B区間96a〜96cからは、それぞれ磁束が生じる。これらの区間から生じる磁束の磁路のうち、通常巻線95に鎖交しないものを、サブ磁路と記載する。
第4実施形態では、A1区間96aからのA1サブ磁路98aと、B区間96bからのBサブ磁路98bと、A2区間96cからのA2サブ磁路98cが形成される。
A1サブ磁路98aは、第1基部92の棒状部92aにおける第2突出部92cから第3突出部92dまでの区間と、第2突出部92cと、第3突出部92dと、第3基部94における第2突出部92cに当接する部分から、第3突出部92dに当接する部分までの区間と、第2基部93の第3突出部93dの先端部分に形成される。以後、A1サブ磁路98aが形成される部分を、A1サブ磁路形成部と記載する。
また、Bサブ磁路98bは、第2基部93の棒状部93aにおける第2突出部93cから第3突出部93dまでの区間と、第2突出部93cと、第3突出部93dと、第3基部94における第2突出部93cに当接する部分から、第3突出部93dに当接する部分までの区間と、第1基部92の第3突出部92dの先端部分に形成される。以後、Bサブ磁路98bが形成される部分を、Bサブ磁路形成部と記載する。
また、A2サブ磁路98cは、第2基部93の棒状部93aにおける第2突出部93cから第1突出部93bまでの区間と、第2突出部93cと、第1突出部93bと、第3基部94における第2突出部93cに当接する部分から、第1突出部93bに当接する部分までの区間と、第1基部92の第1突出部92bの先端部分に形成される。以後、A2サブ磁路98cが形成される部分を、A2サブ磁路形成部と記載する。
なお、図9におけるA1,A2,Bサブ磁路98a〜98cの向きは、特別巻線96に第1端子96dから第2端子96eに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第4実施形態のトランス装置90においても、特別巻線96のA区間とB区間は、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、磁心91の内部にA1,A2,Bサブ磁路98a〜98cが形成される。
このため、トランス装置90からも第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線96の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置90の特別巻線96の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置90の構成とすることで特別巻線96の巻数が増えることは無い。
[他の構成の説明]
トランス装置90では、主磁路97は磁心91の外周部分に形成され、該外周部分は、平面視すると長方形状の内部空間を、該長方形状の輪郭に沿って取り囲む形状を有する。
また、A1,A2,Bサブ磁路98a〜98cが形成されるA1,A2,Bサブ磁路形成部は、ギャップが形成されているものの、平面視すると矩形の内部空間を、該矩形の輪郭に沿って取り囲む形状を有している。
これにより、外周部分やA1,A2,Bサブ磁路形成部から漏洩磁束が生じるのを防ぐことができ、電磁干渉を抑制することができる。
さらに、主磁路97は、A1,A2,Bサブ磁路98a〜98cの外縁を取り囲むように配置されている。これにより、A1,A2,Bサブ磁路98a〜98cに設けられたギャップからの漏えい磁束がトランス装置90の外部回路に電磁干渉するおそれを一層抑制することができる。
また、磁心91では、通常巻線95が配置された部分と特別巻線96が配置された部分が重複しておらず、特別巻線96を構成する区間の各々からサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線96の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線96の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、磁心91は、主磁路97が形成される外周部分にはギャップが形成されていないが、A1,A2,Bサブ磁路98a〜98cが形成されるA1,A2,Bサブ磁路形成部にはギャップ94a〜94dが形成されている。このため、該外周部分は、A1,A2,Bサブ磁路形成部に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
なお、例えば、これらのギャップ94a〜94dに替え、透磁率の低い材料を配することで、A1,A2,Bサブ磁路98a〜98cの磁気抵抗を高めても良い。
これにより、第1実施形態と同様、特別巻線96に電流が流れることにより発生する磁気飽和を抑制することができる。
また、主磁路97にギャップを設けないことは、等価回路においてトランスの励磁インダクタンスを高めることに相当する。これにより、通常巻線95と特別巻線96との間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、磁心91の第1基部92の第2突出部92cにおけるA1サブ磁路98aに直交する断面92c−1の断面積は、A1サブ磁路98aを形成する磁束の大きさに応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線96のA1区間96aにおいて許容される最大磁束を、十分に通過させることができる大きさとなっている。
また、第3基部94におけるA1サブ磁路98a及びBサブ磁路98bに直交する断面94e(換言すれば、A2サブ磁路98cに直交する断面94e)の断面積は、A1サブ磁路98aを形成する磁束の大きさ、及び、Bサブ磁路98bを形成する磁束の大きさの総和と、A2サブ磁路98cを形成する磁束の大きさのうちの大きい方に応じた大きさとなっている。
換言すれば、上記断面積は、特別巻線96のA1区間96aにおいて許容される最大磁束と、B区間96bで許容される最大磁束と、A2区間96cにおいて許容される最大磁束とが同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっている。
これにより、A1,A2,Bサブ磁路形成部における磁気飽和を効果的に抑制することができる。
また、トランス装置90の特別巻線96の第1端子96dには、第2端子96eに比べ、通常巻線95の電位に近い電位が生じるよう構成するのが好適である。
具体的には、例えば、トランス装置90を内燃機関の点火装置の昇圧回路に用い、通常巻線95(1次巻線)に印可された電圧を昇圧させる場合であれば、特別巻線96(2次巻線)の第1端子96dをグランド側に、第2端子96eを点火プラグ等に接続し、第2端子96eに高電圧を生じさせるのが好適である。
これにより、通常巻線95(1次巻線)と特別巻線96(2次巻線)との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
ここで、A1,A2,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗は、ギャップ94a〜94dの大きさや、断面積の大きさにより調整することができる。
無論、ギャップ94a〜94dに替え、透磁率の低い材料を配することや、磁心91の一部にこのような材料を配することによっても、該磁気抵抗を調整することができる。
そこで、A1サブ磁路98aを形成する磁束と、Bサブ磁路98bを形成する磁束と、A2サブ磁路98cを形成する磁束とが同程度となるよう、A1,A2,Bサブ磁路形成部の磁気抵抗が調整されていても良い。
これにより、これらのサブ磁路形成部において、均一に磁気飽和が生じるようになり、磁心の大型化を抑えつつ、より良好な直流重畳特性を得ることができる。
[具体例]
次に、第4実施形態のトランス装置90を、DC−DCコンバータ100に適用した場合の具体例について説明する(図10参照)。
DC−DCコンバータ100では、通常巻線95は2次巻線、特別巻線96は1次巻線として用いられる。
特別巻線96(1次巻線)には、直流電源104からの直流電圧を交流電圧に変換する変換部101に接続されており、特別巻線96の一方の端子と変換部71との間には、コンデンサ102,103が設けられている。
また、通常巻線95(2次巻線)には、整流回路105が接続される。また、通常巻線95には、中間タップ95cが設けられており、中間タップ95cは、グランドに接続されている。
そして、DC−DCコンバータ100の等価回路110では、トランス111の1次巻線の一方の端子と変換部101との間にはインダクタ112が存在する。このため、該インダクタ112と、1次巻線の他方の端子に接続されたコンデンサ102,103との間で生じる共振により、正弦波の交流電圧が生成される(図11参照)。
なお、通常巻線95を1次巻線、特別巻線96を2次巻線として用い、同様のDC−DCコンバータを構成しても良い。
[第5実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第5実施形態のトランス装置120について説明する(図12参照)。該トランス装置120もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置120の磁心121は、第1基部122と、第2基部123と、ボビン124a〜124cとにより一体的に構成されている。
第1基部122は、軸部122aと、円筒状の筒部122bと、リング部122cとから構成されている(図13参照)。
軸部122aは、円柱状の芯部と、円柱の一端に設けられた円盤状の底部とから構成されており、芯部は、底部の中央から底部の主面に直交する方向に突出した状態となっている。また、リング部122cは、軸部122aの芯部に貫通された状態で配される。
そして、軸部122aは、芯部が筒部122bの内側に位置すると共に、底部が筒部122bの一方の開口部を塞いだ状態で配される。
また、第2基部123もまた、第1基部122と同様にして、軸部123a,筒部123b,リング部123cから構成される。
なお、第1基部122における筒部122bとリング部122cとの間、及び、第2基部123における筒部123bとリング部123cとの間には、ギャップ121a,121bが形成された状態となる。
そして、第1基部122と第2基部123は、筒部122b,123bの開口側(軸部122a,123aの底部により塞がれていない側)が当接した状態で配される。
また、磁心121では、第1,第2基部122,123の軸部122a,123aにおける芯部に、ボビン124a〜124cが配されていると共に、ボビン124a〜124cには、通常巻線125及び特別巻線126が設けられる。
具体的には、第1基部122における軸部122aの芯部における底部からリング部122cまでの区間には、ボビン124aが設けられると共に、該ボビン124aに通常巻線125が設けられている。
また、軸部122a,123aの芯部における各リング部122c,123cに挟まれた区間には、ボビン124bが設けられると共に、該ボビン124bに特別巻線126のA区間126aが設けられている。
また、第2基部123における軸部123aの芯部における底部からリング部123cまでの区間には、ボビン124cが設けられると共に、該ボビン124cに特別巻線126のB区間126bが設けられている。
そして、A区間126aとB区間126bでは、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、主磁路127aの向きを磁心121における軸部122a,123aの芯部において、第2基部123から第1基部122に向かう向きに設定する。このとき、A区間126aは、該主磁路127aの方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間126bは、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間126a及びB区間126bの導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間126aにおける導線の巻数の総数は、B区間126bにおける導線の巻数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線125に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、主磁路127aを通過する磁束が形成される。
主磁路127aは、磁心121における、軸部122a,123aと筒部122b,123bに沿って形成される。なお、図12における主磁路127aの向きは、通常巻線125に第1端子125aから第2端子125bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線126に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、A,B区間126a,126bからは、それぞれ、通常巻線125と鎖交しないサブ磁路が形成される。
第5実施形態では、A区間126aからのAサブ磁路127bと、B区間126bからのBサブ磁路127cが形成される。
Aサブ磁路127bは、磁心121におけるリング部122c,123cと、軸部122a,123aの芯部と筒部122b,123bとにおける、リング部122c,123cに挟まれた区間に形成される。
また、Bサブ磁路127cは、磁心121におけるリング部123cと、軸部123aの底部と、軸部123aの芯部と筒部123bとにおける、リング部123cと軸部123aの底部とに挟まれた区間に形成される。
なお、図12におけるA,Bサブ磁路127b,127cの向きは、特別巻線126に第2端子126dから第1端子126cに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第5実施形態のトランス装置120においても、特別巻線126のA区間126aとB区間126bは、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、磁心121の内部にA,Bサブ磁路127b,127cが形成される。
このため、トランス装置120からも第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線126の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置120の特別巻線126の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置120の構成とすることで特別巻線126の巻数が増えることは無い。
また、磁心121の形状により、漏洩磁束を効果的に防止することができる。
[他の構成の説明]
トランス装置120では、主磁路127aは軸部122a,123aと筒部122b,123bに形成され、主磁路127aが形成される部分は、磁心121の内部空間を全て取り囲む形状を有する。
また、Aサブ磁路127bは、磁心121におけるリング部122c,123cと、軸部122a,123aの芯部と筒部122b,123bとにおける、リング部122c,123cに挟まれた区間に形成される。
また、Bサブ磁路127cは、磁心121におけるリング部123cと、軸部123aの底部と、軸部123aの芯部と筒部123bとにおける、リング部123cと軸部123aの底部とに挟まれた区間に形成される。
これらのサブ磁路が形成される部分は、ギャップが形成されているものの、磁心121の内部空間を全て取り囲む形状を有する。
このため、磁心121から漏洩磁束が生じるのを防ぐことができ、電磁干渉を抑制することができる。
さらに、主磁路127aは、A,Bサブ磁路127b、127cの外縁を取り囲むように配置されている。これにより、A,Bサブ磁路127b、127cに設けられたギャップからの漏えい磁束がトランス装置120の外部回路に電磁干渉するおそれを一層抑制することができる。
また、磁心121では、通常巻線125が配置された部分と特別巻線126が配置された部分が重複しておらず、特別巻線126を構成する区間の各々からサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線126の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線126の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、磁心121は、主磁路127aが形成される部分にはギャップが形成されていないが、A,Bサブ磁路127b,127cが形成される部分にはギャップが121a,121b形成されている。このため、主磁路127aが形成される部分は、A,Bサブ磁路127b,127cが形成される部分に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
なお、例えば、これらのギャップ121a,121bに替え、透磁率の低い材料を配することで、A,Bサブ磁路127b,127cの磁気抵抗を高めても良い。
これにより、第1実施形態と同様、特別巻線126に電流が流れることにより発生する磁気飽和を抑制することができる。
また、主磁路127aにギャップを設けないことは、等価回路においてトランスの励磁インダクタンスを高めることに相当する。これにより、通常巻線125と特別巻線126との間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、磁心121のリング部122cの大きさは、Aサブ磁路127aを形成する磁束の大きさに応じたものとなっていても良い。
換言すれば、リング部122cにおける内周側の面(軸部122aに当接する面)の面積が、特別巻線126のA1区間126aにおいて許容される最大磁束を、十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
また、磁心121のリング部123cの大きさは、Aサブ磁路127aを形成する磁束の大きさ、及び、Bサブ磁路127bを形成する磁束の大きさの総和に応じたものとなっていても良い。
換言すれば、リング部123cにおける内周側の面(軸部123aに当接する面)の面積が、特別巻線126のA区間126aにおいて許容される最大磁束と、B区間126bにおいて許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
これにより、A,Bサブ磁路127b,127cが形成される部分における磁気飽和を効果的に抑制することができる。
また、トランス装置120により、例えば、内燃機関の点火プラグ等に用いられる昇圧回路を構成し、通常巻線125を1次巻線、特別巻線126を2次巻線として使用することが考えられる。
ここで、トランス装置120では、特別巻線126は、通常巻線125に隣接する第1端子126cがグランドに接続されていると共に、第2基部123の端部側に配される第2端子126dは、点火プラグ等に接続される。
このため、昇圧回路では、特別巻線126は、通常巻線125の電位に近い電位を有する第1端子が通常巻線125に隣接して配された状態となる。これにより、通常巻線125と特別巻線126との間の絶縁をより確実に確保することが可能となる。
ここで、A,Bサブ磁路127b,127cが形成される部分の磁気抵抗は、ギャップ121a,121bの大きさや、断面積の大きさにより調整することができる。
無論、ギャップ121a,121bに替え、透磁率の低い材料を配することや、磁心121の一部にこのような材料を配することによっても、該磁気抵抗を調整することができる。
そこで、Aサブ磁路127bを形成する磁束と、Bサブ磁路127cを形成する磁束とが同程度となるよう、A,Bサブ磁路127b,127cが形成される部分の磁気抵抗が調整されていても良い。
これにより、これらの部分において、均一に磁気飽和が生じるようになり、磁心の大型化を抑えつつ、より良好な直流重畳特性を得ることができる。
[具体例]
次に、第5実施形態のトランス装置120を、例えば、内燃機関の点火プラグ等に用いられる昇圧回路に適用した場合の具体例について説明する。図14には、トランス装置120を用いた昇圧回路の等価回路130が記載されている。
昇圧回路130においては、トランス装置120は、通常巻線125が1次巻線、特別巻線126が2次巻線として用いられる。そして、グランドに接続されたイグナイタ134により、電源135から、トランス131の1次巻線131a(トランス装置120の通常巻線125)に電圧が印可される。
一方、2次巻線131b(トランス装置120の特別巻線126)の第1端子131b−1は、グランドに接続されていると共に、第2端子131b−2は点火プラグ133側に接続されている。このため、トランス131により昇圧された電圧が、2次巻線131b側のインダクタ132とコンデンサ136及び寄生容量との間で生じる発振によりさらに昇圧され、点火プラグ133に高電圧が印可される。
昇圧回路130では、特別巻線126は、通常巻線125の電位に近い電位を有する第1端子が通常巻線125に隣接して配された状態となる。これにより、通常巻線125と特別巻線126との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
[第6実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第6実施形態のトランス装置140について説明する(図15参照)。該トランス装置140もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置140の磁心141は、第1基部142と、第2基部143とにより一体的に構成されている。
第1基部142は、第5実施形態と同様にして、軸部142aと、円筒状の筒部142bと、第1,第2リング部142c,142dとから構成されているが、2個のリング部142c,142dが軸部142aの芯部に貫通された状態で設けられている点で第5実施形態と相違している。
また、第2基部143もまた、第1基部142と同様に、軸部143a,円筒状の筒部143b,第1,第2リング部143c,143dから構成されている。
そして、第1,第2基部142,143は、第5実施形態と同様にして配される。
なお、第1基部142における筒部142bと第1,第2リング部142c,142dとの間、及び、第2基部143における筒部143bと第1,第2リング部143c,143dとの間には、ギャップ141a〜141dが形成された状態となる。
また、磁心141には、第1,第2基部142,143の軸部142a,143aにおける芯部に、通常巻線144及び特別巻線145が設けられる。
具体的には、軸部142a,143aの芯部における各第2リング部142d,143dに挟まれた区間には、通常巻線144が設けられている。
また、第1基部142における軸部142aの芯部における底部から第2リング部142dまでの区間、及び、第2基部143における軸部143aの芯部における底部から第2リング部143dまでの区間には、特別巻線145が設けられている。
より詳しくは、第1基部142における軸部142aの芯部における底部から第1リング部142cまでの区間には、特別巻線145のB1区間145aが設けられており、第1リング部142cから第2リング部142dまでの区間には、A1区間145bが設けられている。
また、第2基部143における軸部143aの芯部における底部から第1リング部143cまでの区間には、特別巻線145のB2区間145cが設けられており、第1リング部143cから第2リング部143dまでの区間には、A2区間145dが設けられている。
なお、以後、A1,A2区間145b,145dを、単にA区間とも記載し、B1,B2区間145a,145cを、単にB区間とも記載する。
そして、A区間とB区間では、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、磁心141において、主磁路146の向きを、軸部142a,143aの芯部において、第2基部143から第1基部142に向かう向きに設定する。このとき、A区間は、該主磁路146の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間は、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間及びB区間の導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間における導線の巻数の総数は、B区間における導線の巻数に比べ、多くなっている。
そして、A1,A2区間145b,145dを繋ぐ導線には中間タップ145gが設けられており、中間タップ145gに繋がるB端子145hは、グランドに接続される。
ここで、通常巻線144に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、主磁路146を通過する磁束が形成される。
主磁路146は、磁心141における、軸部142a,143aと筒部142b,143bに沿って形成される。なお、図15における主磁路146の向きは、通常巻線144にD端子144aからE端子144bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線145に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、特別巻線145の各区間からは、それぞれ、通常巻線144に鎖交しないサブ磁路が形成される。
第6実施形態では、A1区間145bからのA1サブ磁路147bと、A2区間145dからのA2サブ磁路147dと、B1区間145aからのB1サブ磁路147aと、B2区間145cからのB2サブ磁路147cとが形成される。
A1サブ磁路147bは、第1基部142における第1,第2リング部142c,142dと、軸部142aの芯部、及び、筒部142bにおける、第1,第2リング部142c,142dに挟まれた区間に形成される。
また、A2サブ磁路147dは、第2基部143における第1,第2リング部143c,143dと、軸部143aの芯部、及び、筒部143bにおける、第1,第2リング部143c,143dに挟まれた区間に形成される。
また、B1サブ磁路147aは、第1基部142における第1リング部142cと、軸部142aの底部から第1リング部142cまでの区間と、筒部142bにおける底部から第1リング部142cまでの区間に形成される。
また、B2サブ磁路147cは、第2基部143における第1リング部143cと、軸部143aの底部から第1リング部143cまでの区間と、筒部143bにおける底部から第1リング部143cまでの区間に形成される。
なお、図15におけるA1〜B2サブ磁路147a〜147dの向きは、特別巻線145にA端子145eからC端子145fに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第6実施形態のトランス装置140においても、特別巻線145のA区間とB区間は、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、磁心141の内部にA1〜B2サブ磁路147a〜147dが形成される。
このため、トランス装置140の通常巻線144を1次巻線、特別巻線145を2次巻線として用いれば、第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線145(2次巻線)の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置140の特別巻線145(2次巻線)の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置140の構成とすることで特別巻線145(2次巻線)の巻数が増えることは無い。
また、磁心141の形状により、漏洩磁束を効果的に防止することができる。
[他の構成の説明]
トランス装置140では、主磁路146は軸部142a,143aと筒部142b,143bに形成され、主磁路146が形成される部分は、磁心141の内部空間を全て取り囲む形状を有する。
また、A1サブ磁路147bは、第1基部142における第1,第2リング部142c,142dと、軸部142aの芯部、及び、筒部142bにおける、第1,第2リング部142c,142dに挟まれた区間に形成される。
また、A2サブ磁路147dは、第2基部143における第1,第2リング部143c,143dと、軸部143aの芯部、及び、筒部143bにおける、第1,第2リング部143c,143dに挟まれた区間に形成される。
また、B1サブ磁路147aは、第1基部142における第1リング部142cと、軸部142aの底部から第1リング部142cまでの区間と、筒部142bにおける底部から第1リング部142cまでの区間に形成される。
また、B2サブ磁路147cは、第2基部143における第1リング部143cと、軸部143aの底部から第1リング部143cまでの区間と、筒部143bにおける底部から第1リング部143cまでの区間に形成される。
これらのサブ磁路が形成される部分は、ギャップが形成されているものの、磁心141の内部空間を全て取り囲む形状を有する。
このため、磁心141から漏洩磁束が生じるのを防ぐことができ、電磁干渉を抑制することができる。
さらに、主磁路146は、A1〜B2サブ磁路147a〜147dの外縁を取り囲むように配置されている。これにより、A1〜B2サブ磁路147a〜147dに設けられたギャップから漏洩磁束がトランス装置140の外部回路に電磁干渉する恐れを一層抑制することができる。
また、磁心141では、通常巻線144が配置された部分と特別巻線145が配置された部分が重複しておらず、特別巻線145を構成する区間の各々からサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線145の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線145の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、磁心141は、主磁路146が形成される部分にはギャップが形成されていないが、A1〜B2サブ磁路147a〜147dが形成される部分にはギャップ141a〜141dが形成されている。このため、主磁路146が形成される部分は、サブ磁路が形成される部分に比べ、磁気抵抗が低くなっている。
なお、例えば、これらのギャップ141a〜141dに替え、透磁率の低い材料を配することで、サブ磁路が形成される部分の磁気抵抗を高めても良い。
これにより、第1実施形態と同様、特別巻線145に流れる電流によって発生する磁気飽和を抑制することができる。
また、主磁路146にギャップを設けないことで、通常巻線144と特別巻線145との間で電力を伝送する際の力率を高めることができ、効率良くエネルギーを伝送することができる。
また、第1基部142の第1リング部142cの大きさは、A1,B1サブ磁路147a,147bを形成する磁束の大きさに応じたものとなっていても良い。
換言すれば、第1リング部142cにおける内周側の面(軸部142aに当接する面)の面積が、特別巻線145のB1区間145aにおいて許容される最大磁束と、A1区間145bにおいて許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
また、第1基部142の第2リング部142dの大きさは、A1サブ磁路147bを形成する磁束の大きさに応じたものとなっていても良い。
換言すれば、第2リング部142dにおける内周側の面(軸部142aに当接する面)の面積が、特別巻線145のA1区間145bにおいて許容される最大磁束を、十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
また、第2基部143の第1リング部143cの大きさは、A2,B2サブ磁路147c,147dを形成する磁束の大きさに応じたものとなっていても良い。
換言すれば、第1リング部143cにおける内周側の面(軸部143aに当接する面)の面積が、特別巻線145のB2区間145cにおいて許容される最大磁束と、A2区間145dにおいて許容される最大磁束が同時に生じた場合に、これらを十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
また、第2基部143の第2リング部143dの大きさは、A2サブ磁路147dを形成する磁束の大きさに応じたものとなっていても良い。
換言すれば、第2リング部143dにおける内周側の面(軸部143aに当接する面)の面積が、特別巻線145のA2区間145dにおいて許容される最大磁束を、十分に通過させることができる大きさとなっていても良い。
これにより、A1〜B2サブ磁路147a〜147dが形成される部分における磁気飽和を効果的に抑制することができる。
また、トランス装置140では、グランドに接続される特別巻線145の中間タップ145gは、通常巻線144の近くに設けられている。
これにより、通常巻線144のD,E端子144a,144bの電位が、特別巻線145のA,C端子145e,145fの電位よりもグランドに近い場合には、通常巻線144と特別巻線145との間の絶縁をより確実に確保することが可能となる。
ここで、A1〜B2サブ磁路147a〜147dが形成される部分の磁気抵抗は、ギャップ141a〜141dの大きさや、断面積の大きさにより調整することができる。
無論、ギャップ141a〜141dに替え、透磁率の低い材料を配することや、磁心141の一部にこのような材料を配することによっても、該磁気抵抗を調整することができる。
そこで、A1〜B2サブ磁路147a〜147dの各々を形成する磁束が同程度となるよう、A1〜B2サブ磁路147a〜147dが形成される部分の磁気抵抗が調整されていても良い。
これにより、これらの部分において、均一に磁気飽和が生じるようになり、磁心の大型化を抑えつつ、より良好な直流重畳特性を得ることができる。
[具体例]
次に、第6実施形態のトランス装置140を、インバータ150に適用した場合の具体例について説明する(図16参照)。
該インバータ150においては、トランス装置140は、通常巻線144が1次巻線として用いられると共に、特別巻線145が2次巻線として用いられる。そして、電源152により生成される直流電圧を交流電圧に変換する入力回路151により、通常巻線144(1次巻線)に交流電圧が印可される。
また、通常巻線144(1次巻線)のE端子には、コンデンサ153が接続されており、特別巻線145(2次巻線)により形成されるインダクタとコンデンサ153により共振が生じ、正弦波の交流電圧が生成される。
また、特別巻線145(2次巻線)には、中間タップ145gが設けられており、中間タップ145gに繋がるB端子は、グランドに接続されている。
このため、特別巻線145(2次巻線)のA端子145e及びC端子145fからは、それぞれ、位相が180°ずれた正弦波の交流電圧が出力される。
なお、特別巻線145に替えて通常巻線144に中間タップを設け、特別巻線145を1次巻線、通常巻線144を2次巻線として使用して同様のインバータを構成しても良い。
[第7実施形態]
[主な構成の説明]
次に、第7実施形態のトランス装置160について説明する(図16参照)。該トランス装置160もまた、例えば、内燃機関の点火装置や液晶モニタにおける昇圧回路や、コンバータや、インバータや、フィルタ等に用いられる。
トランス装置160の磁心161は、棒状に形成されている。
そして、磁心161には、その一端に隣接して通常巻線162が設けられている。
また、磁心161には、通常巻線162と他端との間に特別巻線163が設けられており、磁心161の中央部分には、特別巻線163のA区間163aが配されていると共に、磁心161の他端側には、特別巻線163のB区間163bが配されている。
そして、A区間とB区間では、導線を巻き回す方向が異なっている。
具体的には、例えば、磁心161において、主磁路146の向きを、B区間163bの配置位置から通常巻線162の配置位置に向かう向きに設定する。このとき、A区間163aは、該主磁路164の方向に向かって右回りに導線を巻き回して形成されていると共に、B区間163bは、該方向に向かって左回りに導線を巻き回して形成されている。無論、A区間163a及びB区間163bの導線の巻き回し方向は、反対となっていても良い。
なお、A区間163aにおける導線の巻数の総数は、B区間163bにおける導線の巻数に比べ、多くなっている。
ここで、通常巻線162に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、主磁路164を通過する磁束が形成される。
主磁路164は、磁心161と、磁心161に隣接する空間に形成される。なお、図17における主磁路164の向きは、通常巻線162に第1端子162aから第2端子162bに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
また、特別巻線163に電圧が印可されると、第1実施形態と同様、A,B区間163a,163bからは、それぞれ、通常巻線162と鎖交しないサブ磁路が形成される。
Aサブ磁路165aは、磁心161におけるA区間163aが設けられた区間と、該区間に隣接する空間に形成される。
また、Bサブ磁路165bは、磁心161におけるB区間163bが設けられた区間と、該区間に隣接する空間に形成される。
なお、図17におけるA,Bサブ磁路165a,165bの向きは、特別巻線145に第1端子163cから第2端子163dに向かう電流が印可された際に発生する磁束の向きとして示している。
第7実施形態のトランス装置160においても、特別巻線163のA区間163aとB区間163bは、巻線の巻回し方向が反対となっていると共に、巻数が異なっており、各区間からは、A,Bサブ磁路165a,165bが形成される。
このため、トランス装置160の通常巻線162を1次巻線、特別巻線163を2次巻線として用いれば、第1実施形態と同様の等価回路が得られ、該等価回路においては、トランスの2次巻線の巻数は、特別巻線163(2次巻線)の巻数の総量より小さい値となる。
したがって、1次巻線と2次巻線の巻数比が同じである場合、上述した特許文献2のトランス装置(トランスとインダクタンスコイルが、単一の磁心に一体的に設けられたトランス装置)に比べ、1次巻線の巻数を少なくすることができる。
また、第1実施形態と同様、トランス装置160の特別巻線163(2次巻線)の巻数の総数は、等価回路におけるインダクタの巻数に等しく、トランス装置160の構成とすることで特別巻線163(2次巻線)の巻数が増えることは無い。
[他の構成の説明]
トランス装置160の磁心161では、通常巻線162が配置された部分と特別巻線163が配置された部分が重複しておらず、特別巻線163を構成する区間の各々からサブ磁路が形成される。
これにより、特別巻線163の各区画全てがインダクタとして機能するようになり、特別巻線163の巻数を抑えながら必要なインダクタンスを得ることができる。
また、トランス装置160の特別巻線163の第1端子163cには、第2端子163dに比べ、通常巻線162の電位に近い電位が生じるよう構成するのが好適である。
具体的には、例えば、トランス装置160を内燃機関の点火装置の昇圧回路に用い、通常巻線162(1次巻線)に印可された電圧を昇圧させる場合であれば、特別巻線163(2次巻線)の第1端子163cをグランド側に、第2端子163dを点火プラグ等に接続し、第2端子163dに高電圧を生じさせるのが好適である。
これにより、通常巻線162(1次巻線)と特別巻線163(2次巻線)との間の絶縁を、より確実に確保することが可能となる。
[具体例]
次に、第7実施形態のトランス装置160を、昇圧回路170に適用した場合の具体例について説明する(図17参照)。
該昇圧回路170においては、トランス装置160は、通常巻線162が1次巻線として用いられると共に、特別巻線163が2次巻線として用いられる。そして、電源172により生成される直流電圧を交流電圧に変換する入力回路171により、通常巻線162(1次巻線)の第2端子162bに交流電圧が印可される。
また、通常巻線162(1次巻線)の第1端子162aには、コンデンサ173,174が接続されている。
そして、昇圧回路170の等価回路180では、トランス181の2次巻線側にインダクタ182が存在する(図18参照)。
このため、該インダクタ182と、1次巻線に接続されたコンデンサ173,174や、特別巻線163(2次巻線)の第1端子163cに接続されたコンデンサ175との間で共振が生じ、トランス181により昇圧された電圧がさらに昇圧されて、放電プラグ176に印可される。
なお、特別巻線163(2次巻線)の第1端子163cに接続されたコンデンサ175を設けない構成としても良い。
[他の実施形態]
第1〜第7実施形態のトランス装置では、特別巻線の各区間からサブ磁路が形成されるよう構成されているが、サブ磁路が形成されない区画が存在しても良く、特別巻線から少なくとも1つのサブ磁路が形成されれば同様の効果を得ることができる。
具体的には、例えば、A区画とB区画の2つからなる特別巻線を用いる場合であれば、一方の区画の全部又は1部を通常巻線と重複した状態で配し、他方の区画のみからサブ磁路が形成される構成としても良い。
また、同様の特別巻線を用いる場合において、A区画とB区画を重複した状態で配し、これらの区画からサブ磁路が形成される構成としても良い。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
10…トランス装置、11…磁心、12…通常巻線、13…特別巻線、50…トランス装置、51…磁心、52…通常巻線、53…特別巻線、60…トランス装置、61…磁心、62…通常巻線、63…特別巻線、90…トランス装置、91…磁心、95…通常巻線、96…特別巻線、120…トランス装置、121…磁心、125…通常巻線、126…特別巻線、140…トランス装置、141…磁心、144…通常巻線、145…特別巻線、160…トランス装置、161…磁心、162…通常巻線、163…特別巻線。

Claims (10)

  1. 単一の部位により構成されるか、又は、複数の部位により一体的に構成された磁心(11,51,61,91,121,141,161)と、
    前記磁心に導線を巻き回して形成された通常巻線(12,52,62,95,125,144,162)と、
    前記通常巻線を鎖交する主磁路(15,55,65,97,127a,146,164)と、
    前記主磁路上で、予め定められた方向に向かって前記磁心に導線を巻き回して形成された1又は複数のA区間(13a,53a,63a,63c,63d,63f,96a,96c,126a,145b,145d,163a)と、前記主磁路上で、該A区間とは反対の方向に向かって前記磁心に導線を巻き回して形成された1又は複数のB区間(13b,53b,63b,63e,96b,126b,145a,145c,163b)とを有する特別巻線(13,53,63,96,126,145,163)と、
    を備え、
    全ての前記A区間における導線の巻数の総和と、全ての前記B区間における導線の巻数の総和とは異なっており、
    前記特別巻線における少なくとも1つの前記区間は、前記通常巻線とは鎖交しない磁路であるサブ磁路(16,17,56,57,66〜68,98a〜98c,127b,127c,147a〜147d,165a,165b)を形成するように配されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,50,60,90,120,140,160)。
  2. 請求項1に記載のトランス装置において、
    前記磁心(11,61,91,121,141)は、内部空間を取り囲む形状を有する主閉磁路部と、該形状を有する、又は、ギャップを含めて該形状を有するサブ閉磁路部とを有しており、
    前記通常巻線(12,62,95,125,144)、及び、前記特別巻線における各々の前記区間(13a,13b,63a〜63f,96a〜96c,126a,126b,145a〜145d)は、前記主磁路が前記主閉磁路部に沿って形成されるよう配されており、
    前記特別巻線における各々の前記区間(13a,13b,63a〜63f,96a〜96c,126a,126b,145a〜145d)は、該サブ磁路が前記サブ閉磁路部に沿って形成されるよう配されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,60,90,120,140)。
  3. 請求項2に記載のトランス装置において、
    前記主閉磁路部は、前記サブ主閉磁路部の集合の外縁を取り囲むように配されていること、
    を特徴とするトランス装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    各々の前記区画は全て、当該区画から前記サブ磁路が形成されるように配されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,50,60,90,120,140,160)。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    前記磁心(11,51,61,91,121,141)は、前記主磁路の磁気抵抗が、前記サブ磁路の磁気抵抗よりも低くなるように構成されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,50,60,90,120,140)。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    前記磁心(11,61,91,121,141)における前記サブ磁路が形成される部分の断面積は、当該部分に形成される1又は複数の前記サブ磁路における磁束の大きさの総和に応じた大きさを有していること、
    を特徴とするトランス装置(10,60,90,120,140)。
  7. 請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    前記特別巻線の端部のうち、前記通常巻線の電位により近い電位が生じる一方の端部を第1電位側とすると共に、他方の端部を第2電位側とし、
    前記通常巻線及び前記特別巻線は、該特別巻線の前記第1電位側が、前記第2電位側に比べて前記通常巻線に近くなるように配されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,50,60,90,120,140,160)。
  8. 請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    前記磁心(121,141)は、筒状の外周部と、該外周部と一体的に構成され、該外周部の内側に配される棒状の軸部とを有し、
    前記通常巻線及び前記特別巻線は、前記軸部に設けられていること、
    を特徴とするトランス装置(120,140)。
  9. 請求項8に記載のトランス装置において、
    前記特別巻線の端部のうち、前記通常巻線の電位により近い電位が生じる一方の端部を第1電位側とすると共に、他方の端部を第2電位側とし、
    前記通常巻線(125)は、前記軸部の一端に隣接して配されており、
    前記特別巻線(126)は、前記第1電位側が、前記第2電位側に比べて前記通常巻線に近くなるように配されていること、
    を特徴とするトランス装置(120)。
  10. 請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載のトランス装置において、
    前記特別巻線における少なくとも2つの前記区間は、前記サブ磁路を形成するように配されており、
    前記磁心における前記サブ磁路が形成される各々の部分は、前記サブ磁路のそれぞれに発生する磁束の強さが同程度となるよう、磁気抵抗が調整されていること、
    を特徴とするトランス装置(10,60,90,120,140)。
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