JP2015133344A - 電磁波ノイズ抑制部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストの、炭素系単独導電材料使用での近傍界電磁波ノイズ抑制シートを提供する。【解決手段】絶縁性基材と、有機バインダ及び炭素材料を含む電磁波吸収層と、を有する電磁波ノイズ抑制部材。有機バインダが、非水溶性樹脂又は水溶性樹脂である前記の電磁波ノイズ抑制部材。非水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以下である前記の電磁波ノイズ抑制部材。【選択図】なし
Description
本発明は電磁波ノイズ抑制部材に関する。
近年、情報通信機器(携帯電話、携帯情報端末機、液晶テレビなど)及びパソコンの情報処理量が急激に増加することに加え、各通信機器の小型薄型化、軽量化が急速に進行している。上記に伴い、各情報通信機器の心臓部であるIC、CPU等を初めとする半導体素子の大容量化や高密度化が必要となり、また配線基板及び配線基板と部品とを接続するケーブル等の高密度実装化も加速している。
この様な状況の中、情報通信機器内部で発生し誤作動や情報処理能力を低下させる電磁波ノイズ(不要輻射)の発生は、従来に増し多様な周波数帯となりまたGHz帯にまで及んでいる。情報通信機器内部で発生する電磁波ノイズは、近傍界ノイズと称され機内に高密度に配置された、半導体素子及び配線板などから発生し障害を誘導する。
上記発生電磁波ノイズの対応策としては、一般的に電磁波ノイズ抑制シートをノイズ発性箇所及び周辺に貼り付け不要電磁波ノイズを熱エネルギーに変え対応している。しかしながら前記したように現在の情報通信機器は、多種の周波数帯で発生するノイズへの対応(抑制効果)と機器の軽量化・薄型化に伴うノイズ抑制シートの改良(軽量化・薄型化)及び耐熱性・難燃性等が要求される。
この様な状況下、従来型の磁性粉と弾性ゴムから構成されるノイズ抑制シートでは上記の課題に対応できないのが現状であり、各メーカより前記したより広範囲の周波数帯ノイズを抑制し且つ軽量で極薄の耐熱性・難燃性を有した電磁波ノイズ抑制部材の開発が強く望まれている。
電磁波ノイズ抑制に竿として、一般的に導電材料として使用される磁性粉は、高コスト、高比重でシート化した後の安定性(酸化等による性能低下)に課題を残している。また、電波ノイズ抑制のシステムが磁性損失によるため、シート厚みを大きくしないとGHz帯での電波ノイズ抑制は難しいものとなる。
一方、ノイズ抑制システムが誘電損失となる炭素系材料使用シートは低比重で極薄化が可能であるが厚みバラツキによりノイズ抑制の周波数帯が大きく変化してしまうことやMHz帯領域のノイズを抑制しにくい等の問題がある。
炭素系材料を使用した近傍界電磁波ノイズ抑制部材としては、導電性カーボン含有材料と磁性粉含有材料をそれぞれシート化し2層構造にしたものが挙げられ、抑制できるノイズ周波数帯(低周波から高周波)を広げたものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の場合、使用材料コスト及び製造工程が煩雑となるため製造されるシートコストが高いものとなり、汎用の情報通信機器への使用は難しく、炭素系材料単独での導電材料を使用し、コストや各特性を満足した近傍界電磁波ノイズ抑制部材は現在のところ開発されていない。
本発明の目的は、低コストの、炭素系単独導電材料使用での近傍界電磁波ノイズ抑制シートを提供することを目的とした。
発明者らは鋭意検討の結果、本課題を解決できることを見出した。すなわち本発明の各態様によれば、下記の電磁波ノイズ抑制部材が提供される。
[1]絶縁性基材と、有機バインダ及び炭素材料を含む電磁波吸収層と、を有する電磁波ノイズ抑制部材。
[2]有機バインダが、非水溶性樹脂又は水溶性樹脂である[1]に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[3]非水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以下である[2]に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[4]炭素材料の平均粒径が2〜20μmである[1]〜[3]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[5]炭素材料の形状が、不定形、球状、燐片状及び紐状からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である[1]〜[4]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[6]有機バインダと炭素材料の比率が固形分の質量割合で5/95〜60/40である[1]〜[5]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[7]絶縁性基材が、成樹脂加工部材、ガラス加工部材及びゴム加工部材からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である[1]〜[6]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[8]絶縁性基材の表面が親水性処理されてなる[1]〜[7]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[9]電磁波ノイズ抑制部材の一方の面に接着層を有し、他の一方の面に保護フィルムを有してなる[1]〜[8]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[1]絶縁性基材と、有機バインダ及び炭素材料を含む電磁波吸収層と、を有する電磁波ノイズ抑制部材。
[2]有機バインダが、非水溶性樹脂又は水溶性樹脂である[1]に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[3]非水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以下である[2]に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[4]炭素材料の平均粒径が2〜20μmである[1]〜[3]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[5]炭素材料の形状が、不定形、球状、燐片状及び紐状からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である[1]〜[4]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[6]有機バインダと炭素材料の比率が固形分の質量割合で5/95〜60/40である[1]〜[5]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[7]絶縁性基材が、成樹脂加工部材、ガラス加工部材及びゴム加工部材からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である[1]〜[6]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[8]絶縁性基材の表面が親水性処理されてなる[1]〜[7]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
[9]電磁波ノイズ抑制部材の一方の面に接着層を有し、他の一方の面に保護フィルムを有してなる[1]〜[8]いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
本発明により、低コストの、炭素系単独導電材料使用での近傍界電磁波ノイズ抑制シートを提供することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(電磁波吸収層)
本発明における電磁波吸収層は、有機バインダ及び炭素材料を含む。また、また、必要に応じ、溶剤、水等の溶媒又は分散媒を含んでもよく、分散剤、難燃剤、レベリング剤等の添加剤を含んでもよい。
(電磁波吸収層)
本発明における電磁波吸収層は、有機バインダ及び炭素材料を含む。また、また、必要に応じ、溶剤、水等の溶媒又は分散媒を含んでもよく、分散剤、難燃剤、レベリング剤等の添加剤を含んでもよい。
(有機バインダ樹脂)
有機バインダとしては、例えば、非水溶性樹脂が挙げられる。非水溶性弾性樹脂は、ラテックスの形態、すなわち水に分散されたゴム微粒子の形態で提供されるものが好適である。前記ゴム粒子は、50nm〜700nmの平均粒径であることが好ましく、通常分散剤と共に水に分散されている。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計Master Sizer Microplus(Malvern社製商品名)にて、粒度分布を測定し、粒度分布における積算値50%(体積基準)での値、走査型プローブ顕微鏡により観察した範囲内における算術平均値等として、求めることができる。
有機バインダとしては、例えば、非水溶性樹脂が挙げられる。非水溶性弾性樹脂は、ラテックスの形態、すなわち水に分散されたゴム微粒子の形態で提供されるものが好適である。前記ゴム粒子は、50nm〜700nmの平均粒径であることが好ましく、通常分散剤と共に水に分散されている。なお、平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計Master Sizer Microplus(Malvern社製商品名)にて、粒度分布を測定し、粒度分布における積算値50%(体積基準)での値、走査型プローブ顕微鏡により観察した範囲内における算術平均値等として、求めることができる。
ゴム粒子を構成するゴム成分としては、例えば、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリブタジエン系ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム等が挙げられる。これらのゴム粒子は、1種類のみ又は2種類以上を混合して用いることができる。なお、ゴム成分としては、カルボキシル基で変性されたものも採用でき、このようなゴム成分は親水性、混合性、密着性等に優れる。
非水溶性樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が低いゴム粒子を選択することにより、弾性率が小さく(柔らかい)、併用部材と密着性の強い導電性塗料を設計できるが、耐熱性が低くなる課題も残る。そこで所望する機械的強度・密着性及び耐熱性は、Tgの異なるゴム粒子をブレンドすることで調整が可能となる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、ラテックスをガラス板に塗布し、乾燥してフィルムを得た後、所定の大きさに裁断した試料を、示差走査熱量計(DSC)を用いて、開始温度−100℃、昇温速度10℃/分の条件で測定することができる。
電磁波吸収層と絶縁性基材との密着性を考慮すると、使用するゴム粒子のTgは−30℃〜80℃であることが好ましく、−10℃〜60℃であることがより好ましい。Tgが−30℃以上のゴムを使用した場合、機器内部にて発生する熱による変形が制御される傾向があり、電磁波ノイズ抑制効果が向上する傾向がある。また、Tgが80℃以下のゴムを使用した場合、弾性が向上し電磁波ノイズ制御部材とノイズ発生箇所との密着性が向上する傾向があり、ノイズ抑制効果が向上する傾向がある。
上記の観点から使用できるラテックスとしては、Nipol LX430(含有ゴム粒子平均粒径:150nm、Tg:12℃)、Nipol LX433C(含有ゴム粒子平均粒径:100nm、Tg:50℃)、Nipol 2507H(含有ゴム粒子平均粒径:250nm、Tg:58℃)、Nipol LX303A(含有ゴム粒子平均粒径:160nm、Tg:100℃)、Nipol LX416(含有ゴム粒子平均粒径:110nm、Tg:50℃)、Nipol 1571H(含有ゴム粒子平均粒径:120nm、Tg:−8℃)(以上、日本ゼオン株式会社製)など単独及び混合物が使用できる。
また上記ラテックスの使用形態は、併用する炭素系材料の粒径・形状・配合量などにより、また併用部材への塗工性及び含浸性を考慮し、水にて希釈して使用する。ラテックスを水で希釈して使用する場合は、予めラテックスと水を混合し均一分散したものを使用することが好ましい。また、必要に応じて上記配合中に添加剤(分散剤・難燃剤・レベリング剤・有機溶剤)が使用される。
また、有機バインダとして、水溶性樹脂を用いることもできる。本発明における水溶性樹脂とは、前記した非水溶性樹脂とは異なり、水中に樹脂が溶解可能であることを示す。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール等の熱可塑型の樹脂が使用できる。水溶性樹脂は、物性、密着性、含浸性、耐熱性等を考慮し、分子量を選択することができる。また、水溶性樹脂は、水による希釈が可能であるため、前記非水溶性樹脂と同様の考え方で使用することができる。また、必要に応じて上記配合中に添加剤(分散剤・難燃剤・レベリング剤・有機溶剤)が使用される。
(炭素材料)
本発明における炭素材料としては、炭素を主成分とする材料であればに制限はないが、平均粒径で2〜20μmであることが好ましい。平均粒径が2μm以上であると良好な導電性となり、また、コストを抑えることが可能となる。20μm以下であると、ガラス繊維基材への含浸性が良好である傾向がある。また、炭素材料の形状に制限はなく、不定形、球状、燐片状、紐状等が挙げられる。これは1種又は2種以上を混合して使用される。
本発明における炭素材料としては、炭素を主成分とする材料であればに制限はないが、平均粒径で2〜20μmであることが好ましい。平均粒径が2μm以上であると良好な導電性となり、また、コストを抑えることが可能となる。20μm以下であると、ガラス繊維基材への含浸性が良好である傾向がある。また、炭素材料の形状に制限はなく、不定形、球状、燐片状、紐状等が挙げられる。これは1種又は2種以上を混合して使用される。
使用する炭素材料の純度(炭素分)は90質量%以上のものが好ましい。純度が90質量%以上の炭素材料を使用した場合、得られる電磁波ノイズ抑制部材の導電性が向上する傾向があり、その結果電磁波ノイズ抑制効果が向上する傾向がある。使用される炭素材料の種類に制限はないが、天然黒鉛、人造黒鉛等の鱗状黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。コスト、組成物の安定性(粘土)の観点から、鱗状黒鉛が好ましい。
使用する鱗状黒鉛としては、UF−2(炭素分99質量%、平均粒径;5.2μm)、BF−3A(炭素分99質量%、平均粒径;3.0μm)、BF−8A(炭素分99質量%、平均粒径;8.0μm)、BF−20A(炭素分99質量%、平均粒径;20μm)(以上、富士黒鉛工業株式会社製)などが使用できる。
(電磁波吸収層の調製)
電磁波吸収層組成物の調製方法に制限はないが、有機バインダ樹脂及び炭素材料、必要に応じて使用する添加剤を容器に配合し、一般的なモータに攪拌羽根を取り付け攪拌混合する方法や、ホモジナイザーや超音波による分散混合が可能である。混合方法の選択は作製される組成物(混合物)の粘度により選択される。電波吸収層形成用組成物(混合物)の粘度は、絶縁性基材への均一塗布を考慮すると、25℃(室温)で100〜2500Pa・sが好ましく150〜400Pa・sが更に好ましい。粘度が100Pa・s以上の場合、配合された炭素系材料の沈降が抑制される傾向があり、得られた導電性塗料の安定性が向上する傾向がある。粘度が2500mPa・s以下の場合、絶縁性基剤への塗工性が良好となる傾向がある。また、配合や混合具合の確認には、加熱による質量減少率(加熱により揮発除去される含有水分及び他配合物質)の測定により、水分を含む溶媒成分と固形分(バインダ、炭素材料)との比率を確認できる。混合性に関しては、塗料の粘度を数回測定し、測定値のバラツキ度合いにより判断が可能である。
電磁波吸収層組成物の調製方法に制限はないが、有機バインダ樹脂及び炭素材料、必要に応じて使用する添加剤を容器に配合し、一般的なモータに攪拌羽根を取り付け攪拌混合する方法や、ホモジナイザーや超音波による分散混合が可能である。混合方法の選択は作製される組成物(混合物)の粘度により選択される。電波吸収層形成用組成物(混合物)の粘度は、絶縁性基材への均一塗布を考慮すると、25℃(室温)で100〜2500Pa・sが好ましく150〜400Pa・sが更に好ましい。粘度が100Pa・s以上の場合、配合された炭素系材料の沈降が抑制される傾向があり、得られた導電性塗料の安定性が向上する傾向がある。粘度が2500mPa・s以下の場合、絶縁性基剤への塗工性が良好となる傾向がある。また、配合や混合具合の確認には、加熱による質量減少率(加熱により揮発除去される含有水分及び他配合物質)の測定により、水分を含む溶媒成分と固形分(バインダ、炭素材料)との比率を確認できる。混合性に関しては、塗料の粘度を数回測定し、測定値のバラツキ度合いにより判断が可能である。
(絶縁性基材)
本発明における絶縁性基材に制限はないが、電磁波ノイズ発生箇所への密着性を考慮すると、弾性を有する。絶縁性基材が好ましく、ガラスクロス、ガラスマット等のガラス繊維加工物、ゴム、ゴムの変性物、ポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂加工フィルム、樹脂繊維加工基材などに塗工して使用することが好ましい。上記絶縁性基剤の厚み・密度等は使用される機器内部の状況により任意に決定され、また塗工及される電磁波吸収層前駆組成物の量も任意に決定される。
本発明における絶縁性基材に制限はないが、電磁波ノイズ発生箇所への密着性を考慮すると、弾性を有する。絶縁性基材が好ましく、ガラスクロス、ガラスマット等のガラス繊維加工物、ゴム、ゴムの変性物、ポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂加工フィルム、樹脂繊維加工基材などに塗工して使用することが好ましい。上記絶縁性基剤の厚み・密度等は使用される機器内部の状況により任意に決定され、また塗工及される電磁波吸収層前駆組成物の量も任意に決定される。
また、作製された電磁波ノイズ抑制部材は、部材の片面に絶縁性を有した接着層を設けることもできる。また、部材表面から発生するダストの影響を懸念する場合は、必要に応じて部材表面に保護フィルムを貼りつけてもより。本発明における電磁波ノイズ抑制部材は、例えば、使用機器内部の電磁波ノイズ発生箇所の大きさに切断加工し、前記接着層にて貼り付けて使用される。使用する接着層の形態、接着層の種類等に制限はなく、一般的な両面テープや絶縁性基剤に接着剤を含有させたもの、表面に接着剤を塗布したもの等が使用できる。また、必要に応じて使用する保護フィルムにも制限はなく、片面接着層を有したPETフィルム等が使用できる。
本発明になる電磁波ノイズ抑制部材は、単独使用にて広範囲の周波数帯ノイズを抑制することが可能であるが、更なる低周波領域(100MHz以下)でのノイズ抑制効果を求める場合は、磁性粉使用のノイズ抑制材料との複合化が可能である。併用する磁性粉ノイズ抑制材料の性状に制限はなく、例えばシート、ペースト、塗料などで使用される。
複合化する方法に制限はなく、磁性粉タイプノイズ抑制部材の上部又は下部に発明塗料を塗工する方法や発明塗料塗工部材を磁性粉タイプノイズ抑制部材で挟む方法、前記磁性粉部材を発明塗料塗工部材で上部又は下部に積層する方法で作製される。
以下、本発明を実施例及び比較例にて説明する。
(実施例1)
(電波吸収層形成用組成物の作製)
(1)有機バインダの調整
有機バインダとして、ラテックスゴムNipol LX430(スチレン・ブタジエン系、Tg12℃、ゴム平均粒子径:150nm、固形分濃度49質量%:以上日本ゼオン株式会社製商品名)10gに純水213mlを加え、アニオン系界面活性剤1質量%水溶液を、1ml使い捨てスポイトにて数滴添加した。さらに、超音波洗浄にて5分間処理し、樹脂分濃度が2.2質量%の有機バインダを作製した。
(実施例1)
(電波吸収層形成用組成物の作製)
(1)有機バインダの調整
有機バインダとして、ラテックスゴムNipol LX430(スチレン・ブタジエン系、Tg12℃、ゴム平均粒子径:150nm、固形分濃度49質量%:以上日本ゼオン株式会社製商品名)10gに純水213mlを加え、アニオン系界面活性剤1質量%水溶液を、1ml使い捨てスポイトにて数滴添加した。さらに、超音波洗浄にて5分間処理し、樹脂分濃度が2.2質量%の有機バインダを作製した。
上記(1)で調製した有機バインダに鱗状黒鉛粉UF−2(平均粒径5.2μm、炭素分99質量%:以上富士黒鉛株式会社製商品名)44gを、超音波混合しながら少量ずつ加え均一混合した。得られた組成物のバインダー/黒鉛粉比率は、10/90(質量%)及び固形分(バインダーと黒鉛量)濃度が18.3質量%である。また得られた組成物の粘度は、25℃で320mPa・sであった。
(3)電磁波ノイズ抑制材料の作製
厚み1mm、幅60mm、長さ110mmの塗工用ガラス板(Eガラス)を、支持板(200mm×200mmのガラス板)上におき、長さ方向の左右にテフロン接着テープ(「テフロン」は登録商標、厚み0.08mm)を用い固定した。上記で作製した組成物を塗工用ガラス板上部に垂らしこみ、ガラス棒両端を上記テープ上に軽く押し当てた状態で、下部方向にゆっくり移動させ組成物を塗布したガラス板を作製した。
厚み1mm、幅60mm、長さ110mmの塗工用ガラス板(Eガラス)を、支持板(200mm×200mmのガラス板)上におき、長さ方向の左右にテフロン接着テープ(「テフロン」は登録商標、厚み0.08mm)を用い固定した。上記で作製した組成物を塗工用ガラス板上部に垂らしこみ、ガラス棒両端を上記テープ上に軽く押し当てた状態で、下部方向にゆっくり移動させ組成物を塗布したガラス板を作製した。
上記で作製したものをガラス板ごと120℃に昇温した箱型乾燥機に入れ30分間処理して、電磁波吸収層を備えたガラス板を得た。得られた電磁波吸収層の厚みは12μmであった。
(実施例2)
(1)有機系バインダの調整
実施例1(1)で作製したものを使用した。
(1)有機系バインダの調整
実施例1(1)で作製したものを使用した。
(2)電磁波吸層形成用組成物の調整
電磁波吸層形成用組成物は、実施例1で作製したものを使用した。
電磁波吸層形成用組成物は、実施例1で作製したものを使用した。
(3)電磁波ノイズ抑制材料の作製
使用したテフロン(「テフロン」は登録商標)接着テープの厚みを0.18mmにした以外は、実施例1の(3)と同様の方法で電磁波ノイズ抑制塗料試験片を作製した。得られた電磁波吸収層の厚みは25μmであった。
使用したテフロン(「テフロン」は登録商標)接着テープの厚みを0.18mmにした以外は、実施例1の(3)と同様の方法で電磁波ノイズ抑制塗料試験片を作製した。得られた電磁波吸収層の厚みは25μmであった。
(実施例3)
(1)有機系バインダの調整
実施例1(1)と同配合及び同方法にて作製した。
(1)有機系バインダの調整
実施例1(1)と同配合及び同方法にて作製した。
(2)電磁波吸層形成用組成物の調整
鱗状黒鉛粉使用量を27.8gにし、バインダー/黒鉛比率を15/85(質量%)、固形分濃度を13質量%にした以外は、実施例1と同様の方法で導電性塗料を作製した。また得られた組成物の粘度は、25℃で250mPa・sであった。
鱗状黒鉛粉使用量を27.8gにし、バインダー/黒鉛比率を15/85(質量%)、固形分濃度を13質量%にした以外は、実施例1と同様の方法で導電性塗料を作製した。また得られた組成物の粘度は、25℃で250mPa・sであった。
(3)電磁波ノイズ抑制材料の作製
実施例2と同様の方法にて、厚み25μmの試験片を作製した。
実施例2と同様の方法にて、厚み25μmの試験片を作製した。
(比較例1)
(1)磁性粉塗料の作製
有機溶媒(γ−ブチルラクトン)溶解型ポリイミド樹脂(HPC−3000:日立化成株式会社製:商品名)を、樹脂分15質量%になるよう上記溶媒にて希釈し均一混合溶解した。上記50gを量り取り、磁性金属粉(JEMK:平均粒径21μm:キンセイマテック株式会社製:商品名)30gを配合し、攪拌機にて均一に混合して樹脂分と磁性粉の質量比率が20/80で、ペースト中の固形分(樹脂分と磁性粉量)が43質量%の磁性粉ペーストを作製した。
(1)磁性粉塗料の作製
有機溶媒(γ−ブチルラクトン)溶解型ポリイミド樹脂(HPC−3000:日立化成株式会社製:商品名)を、樹脂分15質量%になるよう上記溶媒にて希釈し均一混合溶解した。上記50gを量り取り、磁性金属粉(JEMK:平均粒径21μm:キンセイマテック株式会社製:商品名)30gを配合し、攪拌機にて均一に混合して樹脂分と磁性粉の質量比率が20/80で、ペースト中の固形分(樹脂分と磁性粉量)が43質量%の磁性粉ペーストを作製した。
(2)電磁波ノイズ抑制材料の作製
比較例(1)の塗料を使用し、実施例2(3)と同様の方法で塗料塗工試験片を作製し、箱型乾燥機を使用し120℃で10分、160℃で10分、200℃で60分熱処理し塗膜層厚み65μmの試験片を作製した。
比較例(1)の塗料を使用し、実施例2(3)と同様の方法で塗料塗工試験片を作製し、箱型乾燥機を使用し120℃で10分、160℃で10分、200℃で60分熱処理し塗膜層厚み65μmの試験片を作製した。
(比較例2)
ガラス板単独を試験片とした。
ガラス板単独を試験片とした。
実施例及び比較例に示す測定値の測定方法を説明する。
(電磁波吸層形成用組成物の粘度)
ポリ容器に入れた塗料を25℃に調整した水槽に入れ、塗料温度を25℃にし、BL型回転粘度計(30min―1)で測定した。
(電磁波ノイズ抑制材料の厚み)
上下式マイクロメータ(ID−C112C:Mitutoyo社製)にて測定した。
(電磁波吸層形成用組成物の粘度)
ポリ容器に入れた塗料を25℃に調整した水槽に入れ、塗料温度を25℃にし、BL型回転粘度計(30min―1)で測定した。
(電磁波ノイズ抑制材料の厚み)
上下式マイクロメータ(ID−C112C:Mitutoyo社製)にて測定した。
(伝送減衰率(マイクロストリップライン法:測定周波数:0.04〜6GHz))
近傍界電磁波ノイズ抑制効果の確認として、国際規格(IEC62333)に準じ伝送減衰率を測定した。ネットワークアナライザ(Anritu社製:MS4624B)とマイクロストリップライン(キーコム社製)を接続し、各周波数での電波反射量及び吸収量を測定し、計算により各周波数での伝送減衰率を求めた。
近傍界電磁波ノイズ抑制効果の確認として、国際規格(IEC62333)に準じ伝送減衰率を測定した。ネットワークアナライザ(Anritu社製:MS4624B)とマイクロストリップライン(キーコム社製)を接続し、各周波数での電波反射量及び吸収量を測定し、計算により各周波数での伝送減衰率を求めた。
表1に、実施例1〜3及び比較例1、2の測定結果を示す。
表1に示したように、実施例1〜3は、比較例1、2と比べ、各周波数での伝送減衰率が大きく、電磁波ノイズ抑制効果が優れていることがわかる。
Claims (9)
- 絶縁性基材と、有機バインダ及び炭素材料を含む電磁波吸収層と、を有する電磁波ノイズ抑制部材。
- 有機バインダが、非水溶性樹脂又は水溶性樹脂である請求項1に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 非水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以下である請求項2に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 炭素材料の平均粒径が2〜20μmである請求項1〜3いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 炭素材料の形状が、不定形、球状、燐片状及び紐状からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である請求項1〜4いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 有機バインダと炭素材料の比率が、固形分の質量割合で5/95〜60/40である請求項1〜5いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 絶縁性基材が、成樹脂加工部材、ガラス加工部材及びゴム加工部材からなる群から選ばれる少なくとも一種以上である請求項1〜6いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 絶縁性基材の表面が、親水性処理されてなる請求項1〜7いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
- 電磁波ノイズ抑制部材の一方の面に接着層を有し、他の一方の面に保護フィルムを有してなる請求項1〜8いずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制部材。
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JP2014002377A JP2015133344A (ja) | 2014-01-09 | 2014-01-09 | 電磁波ノイズ抑制部材 |
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JP2017034000A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | ダイニック株式会社 | 電波吸収体用抵抗フィルム |
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