JP2015131753A - ガラス積層体の製造方法及びガラス積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射面の面間隔を均一化、かつ狭小化できる上、接着層中の気泡や肉厚差を低減し得る積層体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のガラス積層体の製造方法は、複数の反射膜付きガラスフィルムを接着剤により積層一体化して、ガラス積層体を得るガラス積層体の製造方法であって、少なくとも一枚の前記反射膜付きガラスフィルムを被積層面側に撓ませて撓み頂部を形成すると共に、前記撓み頂部を前記被積層面に接触させた後、前記反射膜付きガラスフィルムの撓みを解除して、前記撓み頂部を起点として前記反射膜付きガラスフィルムを前記被積層面に順次接触させることにより、前記反射膜付きガラスフィルムを積層する工程を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス積層体の製造方法及びガラス積層体に関し、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイから発生される光を空中に結像するためのガラス積層体の製造方法及びガラス積層体に関する。
周知の通り、省スペース化の観点から、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが普及している。
また、フラットパネルディスプレイから発生される光を空中に結像する技術開発が進んでいる。特許文献1には、隣接する反射面が互いに向かい合うように、複数本の両面反射帯を一定間隔で配置してなる光学結像部材が提案されている。しかし、特許文献1に記載の光学結像部材には、散乱光が通過した後は、必ずしも一点に収束しないという問題がある。
特開昭58−21702号公報
上記問題を解決するために、一方の表面が反射面である透明板を多数枚積層一体化した後、各反射面に対して垂直な切断面が形成されるように切断して、一対の積層体を作製した上で、一方の積層体に形成されている反射面に対して、他方の積層体に形成されている反射面が直交するように、向かい合わせに密着させた光学結像部材が検討されている。この光学結像部材では、透明板の厚みが反射面の間隔に相当する。
上記の光学結像部材の場合、高解像度の結像を得るためには、厚みの薄い透明板を採用すると共に、この透明板を全ての反射面の面間隔が均一となるように平行な状態で積層することが重要になる。また、高解像度、高輝度の結像を得るためには、積層体を構成している透明板の反射面の反射率が高いことに加えて、透明板自体の透過率が高く、且つヘイズが低いことが重要になり、透明板同士を積層一体化させる接着層の透過率が高く、且つヘイズが低いことも重要になる。
ところが、透明板を積層一体化する際に、接着層(接着剤)中に気泡が混入し易く、更に接着剤が均一に塗布されず、接着層の肉厚差が発生し易くなる。接着層中の気泡や肉厚差は、光学結像部材として使用される場合に、反射面の面間隔の均一性を損なう虞がある上、接着層の透過率の低下やヘイズの上昇を引き起こす虞がある。特に、透明板の面積が大きかったり、積層枚数が多数であったりする場合に、上記不具合が顕在化し易くなる。
上記事情に鑑み、本発明は、反射面の面間隔を均一化、かつ狭小化できる上、接着層中の気泡や肉厚差を低減し得る積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、反射膜付きガラスフィルムを被積層面側に撓ませながら積層し、これを積層一体化することにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明のガラス積層体の製造方法は、複数の反射膜付きガラスフィルムを接着剤により積層一体化して、ガラス積層体を得るガラス積層体の製造方法であって、少なくとも一枚の反射膜付きガラスフィルムを被積層面側に撓ませて撓み頂部を形成すると共に、撓み頂部を被積層面に接触させた後、反射膜付きガラスフィルムの撓みを解除して、撓み頂部を起点として反射膜付きガラスフィルムを被積層面に順次接触させることにより、反射膜付きガラスフィルムを積層する工程を有することを特徴とする。
本発明のガラス積層体の製造方法では、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部が、最初に被積層面に接触し易くなり、その接触後に、反射膜付きガラスフィルムの撓みを解除(解放)すれば、反射膜付きガラスフィルムの接触範囲は、撓み頂部を起点として撓み頂部から外側に拡大していく。この際に、接触範囲が外側に順次広がるため、接着層中の気泡は、ガラス積層体の内部に閉じ込められることなく、ガラス積層体の外側に抜け易くなる。更に、接着剤が外側に順次広がるため、接着層の肉厚の均一性を高めることもできる。結果として、接着層中の気泡や肉厚差を低減することができる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、撓み頂部を反射膜付きガラスフィルムの中央領域に形成することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部から外側に向かって、反射膜付きガラスフィルムを被積層面に対称的に接触させることが可能になる。結果として、接着層中の気泡や肉厚差を低減することができる。ここで、「反射膜付きガラスフィルムの中央領域」とは、反射膜付きガラスフィルムの重心上を通過する帯状の領域のことを指す。
本発明のガラス積層体の製造方法において、被積層面のうち、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に対応する領域に接着剤を塗布することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部を起点にして、接着剤が濡れ広がるため接着層中の気泡や肉厚差を低減し易くなる上、接着剤の塗布効率、塗布精度を高めることができる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、撓み頂部に接着剤を塗布することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部を起点にして、接着剤が濡れ広がるため、接着層中の気泡や肉厚差を低減し易くなる上、塗布精度を高めることができる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、接着剤は、25℃における粘度が200Pa・s以下であることが好ましい。このようにすれば、接着剤の濡れ性が高いことから、接着層中の気泡や肉厚差を低減し易くなる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、接着剤をディスペンサー又はスクリーン印刷により塗布することが好ましい。このようにすれば、接着剤の塗布厚の均一性、塗布作業性を高めることができる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、反射膜付きガラスフィルムを、吸着アームを用いて積層することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムを撓ませ易くなると共に、積層精度、積層効率を高め易くなる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、吸着アームの吸着と解除を制御することで、反射膜付きガラスフィルムの撓みと被積層面への接触挙動を制御することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの撓み量や被積層面への接触挙動を一定にすることが可能になると共に、反射膜付きガラスフィルムの破損、汚染を防止し易くなる。
本発明のガラス積層体の製造方法は、反射膜付きガラスフィルムをダミーガラス上に順次積層することが好ましい。このようにすれば、接着剤がガラス積層体から食み出しても、ガラス積層体を積層架台から分離し易くなる。
本発明のガラス積層体の製造方法において、反射膜付きガラスフィルムのガラス部分の厚みが、1000μm以下であることが好ましい。このようにすれば、反射膜の間隔が狭小化されるため、高解像度の結像を得易くなる。
本発明のガラス積層体は、上記のガラス積層体の製造方法により作製されたことを特徴とする。
本発明のガラス積層体は、光学結像部材に用いることが好ましい。
(a)本発明の実施例2に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(b)本発明の実施例2に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(c)本発明の実施例2に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。 本発明のガラス積層体の一例を示す概念斜視図である。 本発明のガラス積層体の一例を示す概念斜視図である。 本発明のガラス積層体を用いて作製した光学結像部材の一例を示す概念斜視図である。 (a)本発明の実施例3に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(b)本発明の実施例3に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(c)本発明の実施例3に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。 (a)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(b)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(c)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(d)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(e)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の状況を説明するための概略側面図である。(f)本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の変形例を示す概略側面図である。 本発明の実施例4に係るガラス積層体の製造方法の他の一例であり、具体的には反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程を上方から見た概略平面図である。
以下に、本発明のガラス積層体の製造方法について工程毎に詳述する。本発明のガラス積層体の製造方法では、複数の反射膜付きガラスフィルムを接着剤により積層一体化して、ガラス積層体を得るが、その際に、少なくとも一枚の反射膜付きガラスフィルムを被積層面側に撓ませて積層する工程を有する。
最初の工程で、まず反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体の被積層面側に凸となるように撓ませる。反射膜付きガラスフィルムを撓ませる方法は特に限定されないが、例えば反射膜付きガラスフィルムの相対する両端又は撓み頂部になる部分を保持して、反射膜付きガラスフィルムの自重により自然に撓ませてもよいし、反射膜付きガラスフィルムを装置等により予め設定した撓み状態となるように制御してもよい。この際、反射膜付きガラスフィルムの中央領域が撓み頂部になるように撓ませると、接着層の気泡や肉厚差を顕著に低減できるため好ましい。なお、撓み頂部が反射膜付きガラスフィルムのどこの部分に存在していても、本発明のガラス積層体の製造方法は適用可能である。すなわち、撓み頂部は、例えば、撓み方向における反射膜付きガラスフィルムのいずれか一方の端部に形成されていてもよい。
次に、反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体に接着するための接着剤を塗布する。接着剤の塗布は、ガラス積層体の被積層面のうち、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に対応する領域に接着剤を塗布したり、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布したりすることが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部を起点にして、接着剤が濡れ広がるため、接着層中の気泡や肉厚差を低減し易くなる上、接着剤の塗布効率、塗布精度を高めることができる。
接着剤の塗布方法は、ディスペンサー、スクリーン印刷、ロールコーター、ヘラ、ローラー、ブラシ、刷毛、スプレー、スプレッダ等があるが、その中でもディスペンサー又はスクリーン印刷が好ましい。このようにすれば、接着剤の塗布厚の均一性、塗布作業性を高めることができる。
接着剤は本発明のガラス積層体の製造方法の主旨を損なわない限り特に限定されず、ガラス積層体に要求される特性や、製造時の条件、特に温度や雰囲気等を鑑みて最適なものを適宜選択可能である。例えば、加熱や攪拌をすることで粘度が変化する特性を有する接着剤や、ホットメルト接着剤等を用いる場合は、反射膜付きガラスフィルムを接着する時点での粘度を考慮することが必要である。接着剤の粘度は、低いほど濡れ性が高く、接着層の肉厚差を低減し易くなる上、脱泡もし易くなる。ひとつの目安としては、25℃における粘度が200Pa・s以下の接着剤を使用すると、本発明のガラス積層体の製造方法を簡単に達成できるため好ましい。接着剤の25℃における粘度は、好ましくは200Pa・s以下、100Pa・s以下、50Pa・s以下、30Pa・s以下、10Pa・s以下、5Pa・s以下、3Pa・s以下である。
接着剤としては、種々の接着剤が使用可能であるが、具体的には、光学特性の観点から透明接着剤が好ましく、また製造効率の観点からUV硬化樹脂接着剤が好ましい。また、接着剤の材質として、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ウレタン系、ポリアミド系、酢酸ビニル系、エステル系、スチレン系、シリコン系、シアノアクリレート系、PVA系、PP系、PC系、PET系、PMMA系、PES系、PEN系、セルロース系の一種又は二種以上が好ましい。また、前記接着剤に替えて又は前記接着剤と共に、シランカップリング剤、粘着剤も用いることができる。
特にEVA樹脂接着剤を用いる場合、加熱することが好ましい。加熱温度は、好ましくは50℃以上、70℃以上、90℃以上、100℃以上、特に110〜250℃である。これにより、EVA樹脂層の形成時間を短縮することができる。また、加熱時の圧力は、好ましくは700torr以下、70torr以下、10torr以下、1torr以下、0.1torr以下、特に0.01torr以下である。これにより、接着層、特にEVA樹脂層の界面での発泡を抑制することができる。
次に、接着剤を塗布した後に、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部を、接着剤を介してガラス積層体の被積層面に接触させることが好ましい。このとき、接着剤の濡れ広がりを均一にするために、ガラス積層体の被積層面が水平方向となるようにガラス積層体を保持することが好ましい。なお、接着剤の濡れ広がりを均一にできるのであれば、被積層面が鉛直方向、或いは水平方向から傾いた方向となるようにガラス積層体を保持してもよい。
更に、接着剤の濡れ広がりを均一にする観点からは、ガラス積層体は、積層する反射膜付きガラスフィルムの下方に位置させることが好ましい。この場合、ガラス積層体の被積層面と反射膜付きガラスフィルムを接触させる方法として、反射膜付きガラスフィルムを下降させて接触させてもよいし、ガラス積層体を上昇して接触させてもよい。なお、ガラス積層体を反射膜付きガラスフィルムに対して下方以外の方向に位置させることも可能である。この場合も同様に、ガラス積層体側を動かして接触させてもよいし、反射膜付きガラスフィルム側を動かして接触させてもよい。
続いて、反射膜付きガラスフィルムの撓みを開放して、反射膜付きガラスフィルムを積層体の被積層面に接着する。このとき、撓み頂部から外側に向かって被積層面に順次接触させるようにして、反射膜付きガラスフィルムを積層することが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの端部が先に接触して接着層中の気泡の抜け道を遮断するという事態を防止し易くなる。また反射膜付きガラスフィルムが非接触面に順次接触する過程で不当な応力が加わり難くなり、反射膜付きガラスフィルムの破損を防止し易くなる。
また、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部を解放するにあたっては、反射膜付きガラスフィルムの弾性を利用するために、端部等の保持を一気に解放しても良いし、反射膜付きガラスフィルムの撓みがなくなるまで形状を制御できるよう、端部等を最後まで保持してもよい。例えば、吸着アームや挟持装置で反射膜付きガラスフィルムの端部等を保持している場合であれば、吸着や挟持を解除して反射膜付きガラスフィルムの撓みを一時に解放してもよいし、吸着や挟持を維持したまま吸着アームや挟持装置自体を移動させて、ガラスフィルムの撓みを徐々に解放していってもよい。なお、撓みを解放する場合には、撓み頂部の両端の保持を同時に解放してもよいし、一端の保持を解放し、遅れて他端の保持を解放してもよい。
反射膜付きガラスフィルムをガラス積層体に接触積層させた後、必要に応じて反射膜付きガラスフィルムの表面に押圧力を付与してもよい。押圧力を付与する手段として、ローラーや重石等を用いることが好ましい。このようにすれば、接着層中の気泡や肉厚差を低減し易くなると共に、反射膜付きガラスフィルム同士の接着力を高めることができる。なお、反射膜付きガラスフィルムへの汚染、破損を防止する観点からは、反射膜付きガラスフィルムに押圧力を付与しない方が好ましい。
ここで、本発明のガラス積層体を製造する際には、反射膜付きガラスフィルムを積層架台上に順次積層させることが好ましい。このようにすれば、反射膜付きガラスフィルムの積層精度、積層効率が向上する。積層架台上のダミーガラス基板を設けて、このダミーガラス基板上に反射膜付きガラスフィルムを順次積層させることが好ましい。このようにすれば、接着剤がガラス積層体から食み出した場合でも、積層架台が接着剤で汚染されることなく、ガラス積層体を積層架台から分離し易くなる。結果として、積層架台の耐用年数を高めることができる。
また、上述した一連の積層一体化工程を負圧下で行うことも好ましい。このようにすれば、接着層中の気泡を低減し易くなる。
また、反射膜付きガラスフィルムの積層枚数は、2枚以上、3枚以上、5枚以上、10枚以上、50枚以上、100枚以上、200枚以上、300枚以上、400枚以上、500枚以上、600枚以上、特に700枚以上、1000枚以上、3000枚以上、5000枚以上、10000枚以上積層させることが好ましい。このようにすれば、大型の光学結像部材を作製し易くなる。
さらに本発明のガラス積層体の製造方法では、複数の反射膜付きガラスフィルムを積層一体化させた後に、得られたガラス積層体を反射膜が形成された面に直交する方向に短冊状に切断する工程を有することが好ましい。短冊状のガラス積層体を用いると、光学結像部材の製造効率が向上する。
ガラス積層体を短冊状に切断する方法として、種々の方法が使用可能である。その中でも、切断効率、切断精度の観点から、ワイヤーソーを用いて切断することが好ましい。ワイヤーソーを用いる場合、ワイヤーソーに研磨砥粒を含むスラリーを供給しながら切断することが好ましい。ガラス積層体の切断は、通常のガラス単体の切断とは異なり、ガラスフィルム、反射膜、接着層等を有する複合材料の切断になる。このため、ガラス積層体の切断時に、各構成部材の接着強度が不十分であると、構成部材の一部が引き剥がされる虞がある。しかし、本発明では、反射膜付きガラスフィルムの接着強度を高めることができるため、上記不具合を適正に防止することができる。
本発明のガラス積層体は、上述した本発明のガラス積層体の製造方法により作製されてなることが好ましい。このようにして得られる本発明のガラス積層体は、反射面の面間隔が均一、かつ狭小であり、更に接着層中の気泡や肉厚差が少ないため、光学結像部材として用いた場合に、高解像度・高輝度の結像を得ることが可能である。
ガラス積層体の接着層の厚みは、光学的な影響を最小化するために、好ましくは500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、70μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、特に5μm以上である。接着層の厚みが薄い程、反射膜の間隔が狭小化される上、接着層の透過率が向上し、また接着層のヘイズが低下し易くなる。
ガラス積層体の接着層の屈折率nは、好ましくは1.60以下、1.55以下、1.54以下、1.52以下、1.51以下、特に1.50以下であり、好ましくは1.45以上、1.48以上、特に1.49以上である。これにより、ガラスフィルムの屈折率に整合させ易くなり、接着層の界面での拡散反射を抑制することができる。なお、屈折率nは、精密屈折率計により測定可能である。
更に、ガラス積層体の接着層の透過率はできるだけ高いことが好ましい。厚み100μm換算、波長300nmにおける接着層の透過率は、好ましくは30%以上、50%以上、70%以上、80%以上、85%以上、特に89%以上である。また厚み100μm換算、波長350nmにおける接着剤の透過率は、好ましくは50%以上、70%以上、80%以上、85%以上、89%以上、90%以上、特に91%以上である。また厚み500μm換算、波長550nmにおける接着層の透過率は、好ましくは85%以上、89%以上、90%以上、特に91%以上である。このようにすれば、光学結合部材等に適用した場合、光が反射を繰り返しながら透過する際に、光の損失が低減されて、高解像度の結像を得易くなる。
ガラス積層体の接着層のヘイズは、好ましくは10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.3%以下である。このようにすれば、ガラスフィルムと接着層の界面での拡散反射を低減することが可能になり、光学結合部材等に適用した場合、光が反射を繰り返しながら透過する際に、光の損失が低減されて、高解像度の結像を得易くなる。
ガラス積層体の接着層の気泡個数は、1cm当たりの100μm以上の平均個数が、好ましくは3個以下、2個以下、1個以下、0.5個以下、0.1個、特に0.05個以下が好ましい。更に、ガラス積層体の接着層の気泡の最大半径は、好ましくは10mm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、700μm以下、500μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下である。気泡の数が少ない程、また気泡の半径が小さい程、反射面の面間隔の均一性が向上すると共に、接着層の透過率の低下やヘイズの上昇を抑制し易くなる。なお、ガラス積層体の接着層の気泡は、反射膜付きガラスフィルムと同様の方法で積層させた、反射膜を有しないガラスフィルムからなるガラス積層体を観察することで確認することができる。
本発明のガラス積層体を用いて光学結像部材を作製する場合、短冊状のガラス積層体を一対用意する工程と、一対のガラス積層体を反射膜が形成された面同士が直交するように配置固定して、光学結像部材を得る工程とを含むことが好ましい。
更に、一対のガラス積層体の積層外表面(通常、切断面になる)にガラス基板(好ましくは強化ガラス基板)を配置固定する工程を有することが好ましい。このようにすれば、一対のガラス積層体の積層外表面を高精度に研磨する必要がなくなり、光学結像部材の製造コストを大幅に低減することができる。更に、この場合、一対のガラス積層体の積層外表面を実質的に研磨しないことが好ましい。
本発明のガラス積層体の製造方法では、上記の通り、複数枚の反射膜付きガラスフィルムを用いる。反射膜付きガラスフィルムは、ガラスフィルムの両表面に反射膜を形成してもよいが、製造効率の観点から、ガラスフィルムの一方の表面に反射膜を形成することが好ましい。
本発明に係るガラスフィルムは、以下の特性、ガラス組成を有することが好ましい。
ガラスフィルムの厚みは、適正な撓み量を確保する観点から、好ましくは1000μm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、特に50μm以下である。ガラスフィルムの厚みが薄い程、反射膜の間隔が狭小化されるため、高解像度の結像を得易くなる。
ガラスフィルムの表面の表面粗さRaは、好ましくは100Å以下、50Å以下、10Å以下、8Å以下、4Å以下、3Å以下、特に0.01〜2Åである。ガラスフィルムの表面の表面粗さRaが大き過ぎると、反射膜の間隔がばらつき易くなり、特にガラスフィルムを積層一体化した時に、反射膜の間隔のばらつきが増幅されて、高解像度の結像を得難くなる。更に、ガラスフィルムを積層する際に、空気を巻き込み易くなったり、オプティカルボンディングし難くなったりする。
ガラスフィルムの端面の表面粗さRaは、好ましくは100Å以下、50Å以下、10Å以下、8Å以下、4Å以下、3Å以下、特に0.1〜2Åである。ガラスフィルムの端面の表面粗さRaが大き過ぎると、ガラス積層体が破損し易くなる。
ガラスフィルムのうねりは、好ましくは1μm以下、0.08μm以下、0.05μm以下、0.03μm以下、0.02μm以下、特に0.01μm以下である。ガラスフィルムのうねりが大き過ぎると、反射膜の間隔がばらつき易くなり、特にガラスフィルムを積層一体化した時に、反射膜の間隔のばらつきが増幅されて、高解像度の結像を得難くなる。更に、ガラスフィルムを積層する際に、空気を巻き込み易くなったり、オプティカルボンディングし難くなったりする。
ガラスフィルムの最大厚みと最小厚みの差は、好ましくは10μm以下、5μm以下、2μm以下、特に0.01~1μmである。この差が大き過ぎると、反射膜の間隔がばらつき易くなり、特にガラスフィルムを積層一体化した時に、反射膜の間隔のばらつきが増幅されて、高解像度の結像を得難くなる。更に、ガラスフィルムを積層する際に、空気を巻き込み易くなったり、オプティカルボンディングし難くなったりする。
ガラスフィルムは、未研磨の表面を有することが好ましい。ガラスの理論強度は、本来、非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラスフィルムの表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥がガラスの成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、ガラスフィルムの表面を未研磨とすれば、本来の機械的強度を損ない難くなり、ガラスフィルムが破壊し難くなる。また、研磨工程を省略し得るため、ガラスフィルムの製造コストを低廉化することができる。なお、両表面の有効面全体を未研磨の表面とすれば、ガラスフィルムが更に破壊し難くなる。
ガラスフィルムの幅寸法は、好ましくは300mm以上、500mm以上、600mm以上、800mm以上、1000mm以上、1200mm以上、1500mm以上、特に2000mm以上である。このようにすれば、光学結像部材を大型化し易くなる。一方、ガラスフィルムの幅寸法が大き過ぎると、反射膜が形成された面に直交する方向にガラス積層体を切断し難くなる。よって、ガラスフィルムの幅寸法は、好ましくは3500mm以下、3200mm以下、特に3000mm以下である。
ガラスフィルムのクラック発生率は、好ましくは70%以下、50%以下、40%以下、30%以下、特に20%以下である。このようにすれば、ガラス積層体が破損し難くなる。ここで、「クラック発生率」は、湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、荷重1000gに設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨相当面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の四隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)し、この操作を20回繰り返し(即ち、圧子を20回打ち込み)、総クラック数を計数した後、総クラック発生数/80にて得られた値を指す。
ガラスフィルムの液相温度は、好ましくは1200℃以下、1150℃以下、1130℃以下、1110℃以下、1090℃以下、特に700〜1070℃である。ガラスフィルムの液相粘度は、好ましくは105.0dPa・s以上、105.6dPa・s以上、105.8dPa・s以上、特に106.0〜1010.0dPa・s以上である。このようにすれば、成形時にガラスが失透し難くなる。なお、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値を指す。「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。
ガラスフィルムのヤング率は、好ましくは65GPa以上、67GPa以上、68GPa以上、69GPa以上、70GPa以上、71GPa以上、72GPa以上、特に75〜100GPaである。このようにすれば、ガラスフィルムの表面に反射膜を形成した後に、ガラスフィルムが反り難くなり、結果として、反射膜の間隔がばらつき難くなり、高解像度の結像を得易くなる。なお、「ヤング率」は、共振法により測定した値を指す。
ガラスフィルムの密度は、好ましくは2.7g/cm以下、2.6g/cm以下、2.5g/cm以下、特に2.0〜2.4g/cmである。このようにすれば、光学結像部材の軽量化を図り易くなる。
ガラスフィルムの熱膨張係数は、好ましくは25〜100×10−7/℃、30〜90×10−7/℃、30〜60×10−7/℃、30〜45×10−7/℃、特に30〜40×10−7/℃である。このようにすれば、各種機能膜の熱膨張係数に整合させ易くなる。なお、「熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定した値を指し、熱膨張係数の測定用試料として、端面にR加工を施したφ5mm×20mmの円柱状の試料を用いる。
ガラスフィルムの歪点は、好ましくは600℃以上、特に630〜750℃である。このようにすれば、耐熱性を高め易くなる。なお、「歪点」は、ASTM C336−71の方法に基づいて測定した値を指す。
ガラスフィルムの厚み500μm換算、波長300nmにおける透過率は、好ましくは30%以上、50%以上、70%以上、80%以上、85%以上、特に89〜99%である。また厚み500μm換算、波長350nmにおける透過率は、好ましくは50%以上、70%以上、80%以上、85%以上、89%以上、90%以上、特に91%以上である。また厚み500μm換算、波長550nmにおける透過率は、85%以上、89%以上、90%以上、特に91〜99%である。このようにすれば、光学結合部材等に適用した場合、光が反射を繰り返しながら透過する際に、光の損失が低減されて、高解像度の結像を得易くなる。
ガラスフィルムのヘイズは、好ましくは10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.3%以下である。このようにすれば、表面での拡散反射を低減することが可能になり、光学結合部材等に適用した場合、光が反射を繰り返しながら透過する際に、光の損失が低減されて、高解像度の結像を得易くなる。なお、ヘイズは、市販のヘイズメーターで測定可能である。
ガラスフィルムの屈折率は、接着剤の屈折率とできるだけ整合していることが好ましい。ガラスフィルムと接着層の屈折率n差は、好ましくは0.2以下、0.15以下、0.12以下、0.1以下、0.08以下、0.05以下、0.02以下、0.01以下、0.008以下、特に0.005以下である。これにより、ガラスフィルムと接着層の界面での拡散反射を低減することができる。
ガラスフィルムは、ガラス組成として、質量%で、SiO 35〜80%、Al 0〜20%、B 0〜17%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜30%を含有することが好ましい。上記のように、各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、ガラス組成に関する説明において、%表示は、質量%を指す。
SiOの含有量は35〜80%が好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、溶融性、成形性が低下し易くなる。よって、SiOの含有量は、好ましくは75%以下、64%以下、62%以下、特に61%以下である。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス網目構造を形成し難くなって、ガラス化が困難になったり、クラックの発生率が高くなったり、耐酸性が低下し易くなる。よって、SiOの含有量は、好ましくは40%以上、50%以上、55%以上、特に57%以上である。
Alの含有量は0〜20%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出して、液相粘度が低下し易くなる。Alの含有量は、好ましくは18%以下、17.5%以下、特に17%以下である。一方、Alの含有量が少な過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなる。よって、Alの含有量は、好ましくは3%以上、5%以上、8.5%以上、10%以上、12%以上、13%以上、13.5%以上、14%以上、特に14.5%以上である。
の含有量は0〜17%が好ましい。Bの含有量が多過ぎると、歪点、ヤング率、耐酸性が低下し易くなる。よって、Bの含有量は、好ましくは15%以下、13%以下、12%以下、11%以下、特に10.4%以下である。一方、Bの含有量が少な過ぎると、高温粘度が高くなって、溶融性が低下したり、クラック発生率が上昇したり、液相温度が高くなったり、密度が高くなり易い。よって、Bの含有量は、好ましくは2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、7%以上、8.5%以上、8.8%以上、特に9%以上である。
MgOは、ヤング率、歪点を高めると共に、高温粘度、クラック発生率を低下させる成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下し易くなることに加えて、耐BHF性が低下し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは10%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
CaOの含有量は0〜15%が好ましい。CaOの含有量が多過ぎると、密度、熱膨張係数が高くなり易い。よって、CaOの含有量は、好ましくは12%以下、10%以下、9%以下、特に8.5%以下である。一方、CaOの含有量が少な過ぎると、溶融性、ヤング率が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは2%以上、3%以上、5%以上、6%以上、7%以上、特に7.5%以上である。
SrOの含有量は0〜15%が好ましい。SrOの含有量が多過ぎると、密度、熱膨張係数が高くなり易い。よって、SrOの含有量は、好ましくは12%以下、10%以下、6%以下、5%以下、特に6.5%以下である。一方、SrOの含有量が少な過ぎると、溶融性、耐薬品性が低下し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0.5%以上、1%以上、2%以上、3%以上、特に3.5%以上である。
BaOの含有量が多過ぎると、密度、熱膨張係数が高くなり易い。よって、BaOの含有量は、好ましくは30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
MgO、CaO、SrO、BaOの各成分を複数導入すると、液相温度が低下して、ガラス中に結晶異物が発生し難くなる。一方、これらの成分の合量が少な過ぎると、融剤としての働きを十分に発揮できず、溶融性が低下し易くなる。よって、これらの成分の合量は、好ましくは5%以上、8%以上、9%以上、11%以上、特に13%以上である。一方、これらの成分の合量が多過ぎると、密度が上昇し、ガラスの軽量化が図り難くなることに加えて、クラック発生率が高くなる傾向がある。よって、これらの成分の合量は、好ましくは30%以下、20%以下、18%以下、特に15%以下である。特に、ガラスフィルムの低密度化を優先したい場合、これらの成分の合量は、好ましくは5%以上、特に8%以上であり、また13%以下、11%以下、特に10%以下である。
ZnOは、溶融性、ヤング率を高める成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透したり、歪点が低下したり、密度が上昇し易くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
ZrOは、ヤング率を高める成分である。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇し、ジルコンの失透異物が発生し易くなる。よって、ZrOの含有量は、好ましくは3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
Feの上限含有量は、好ましくは1000ppm(0.1%)、800ppm、300ppm、200ppm、130ppm、100ppm、80ppm、60ppm、40ppm、30ppm、20ppm、特に10ppmであり、下限含有量は、好ましくは1ppm、特に3ppmである。Feの含有量が少ない程、透過率が高くなるため、光学結合部材等に適用した場合、光が反射を繰り返しながら透過する際に、光の損失が低減されて、高解像度の結像を得易くなる。なお、Feの含有量を低減するためには、高純度の原料を使用することが好ましい。
、Nb、Laは、歪点、ヤング率等を高める成分である。しかし、これらの成分の含有量が多過ぎると、密度が高くなり易い。よって、Y、Nb、Laの含有量は、それぞれ3%以下が好ましい。
清澄剤として、As、Sb、CeO、SnO、F、Cl、SOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。但し、As、Sb及びF、特にAs及びSbは、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましく、各々の含有量を0.1%未満に制限することが好ましい。好ましい清澄剤は、SnO、SO及びClである。SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.4%である。また、SnO+SO+Cl(SnO、SO及びClの合量)の含有量は、好ましくは0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.01〜0.3%である。
上記成分以外にも、他の成分を添加してもよく、他の成分の含有量は10%以下、特に5%以下が好ましい。
次に、反射膜の好適な構成、形成方法等について説明する。
反射膜は、種々の材料が使用可能であるが、その中でも、高解像度の結像を得る観点からAl又はAgが好ましい。
ガラスフィルムの表面に反射膜を形成する方法として、種々の方法があり、例えば、蒸着、スパッタ、めっき等が挙げられる。特に、成膜効率の観点から、スパッタで反射膜を形成することが好ましい。
スパッタ、蒸着により反射膜(特にAlの反射膜)を形成する場合、その反射膜を電解研磨することが好ましい。このようにすれば、反射膜の正反射率が向上して、結像される像の画質を高めることができる。
ガラスフィルムの表面に対して、反射膜付き樹脂フィルムを貼り付けることも好ましい。このようにすれば、反射膜の形成コストを低減することができる。
ガラスフィルムの表面に対して、Alペースト、Agペースト等の金属ペーストを塗布、乾燥した後、得られたガラスフィルムを積層、焼成することも好ましく、金属ペーストにはガラスフリットが含まれることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルム同士の固着と反射膜の形成を同時に行うことができる。
反射膜上には、必要に応じて、SiO等の保護膜を形成してもよい。このようにすれば、反射膜を適正に保護することができる。
本発明のガラス積層体の製造方法に用いる反射膜付きガラスフィルムについて、ガラス組成と特性を詳細に説明する。但し、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明のガラス積層体の製造方法で用いるガラスフィルム(試料No.1〜7)のガラス組成と特性を示している。
まず表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、得られたガラス原料をガラス溶融炉に供給して1500〜1600℃で溶融した。次いで、得られた溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー法により、表中の厚み、長さ寸法1500mmになるように成形した。続いて、成形直後のガラスフィルムを徐冷エリアに移動させた。その際に、1012〜1014dPa・sにおける温度での冷却速度が20℃/分になるように、徐冷エリアの温度とフィルム引き出し速度を調整した。
密度は、周知のアルキメデス法により測定した値である。
歪点は、ASTM C336−71の方法に基づいて測定した値である。
ガラス転移温度は、熱膨張曲線からJIS R3103−3の方法に基づいて測定した値である。
軟化点は ASTM C338−93の方法に基づいて測定した値である。
104.0、103.0、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。この温度が低い程、溶融性に優れていることになる。
ヤング率は、共振法により測定した値である。
熱膨張係数は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定したものである。熱膨張係数の測定用試料として、端面にR加工を施したφ5mm×20mmの円柱状の試料を用いた。
液相温度は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定したものである。液相粘度は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
下記の方法により、耐HCl性と耐BHF性を評価した。まず各試料の両表面を光学研磨した後、表面の一部をマスキングした。次に、所定の濃度に調合した薬液中で、所定の温度で所定の時間浸漬した。その後、マスクを外し、マスク部分と浸食部分の段差を表面粗さ計で測定し、その値を浸食量とした。また、各試料の両表面を光学研磨した後、所定の濃度に調合した薬液中で、所定の温度で所定の時間浸漬した。その後、試料の表面を目視で観察し、表面が白濁したり、荒れたり、クラックが入っているものを「×」、変化が全く無いものを「○」として評価した。
ここで、耐BHF性の浸食量は、130BHF溶液(NHHF:4.6質量%,NHF:36質量%)を用いて20℃、30分間の処理条件で測定した。外観評価は、63BHF溶液(HF:6質量%,NHF:30質量%)を用いて、20℃、30分間の処理条件で行った。また耐HCl性の浸食量は、10質量%塩酸水溶液を用いて80℃、24時間の処理条件で測定した。外観評価は、10質量%塩酸水溶液を用いて80℃、3時間の処理条件で行った。
クラック発生率は、湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、荷重1000gに設定したビッカース圧子を試料表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の四隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。20回圧子を打ち込み、総クラック発生数/80×100として評価した。
表面の表面粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値である。
端面の表面粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値である。
うねりは、触針式の表面形状測定装置を用いて、JIS B0601:2001に記載のWCA(ろ波中心線うねり)を測定した値であり、この測定は、SEMI STD D15−1296「FPDガラス基板の表面うねりの測定方法」に準拠した方法で測定し、測定時のカットオフは0.8〜8mm、ガラスフィルムの引き出し方向に対して垂直な方向に300mmの長さで測定した値である。
ガラスフィルムの最大厚みと最小厚みの差は、レーザー式厚み測定装置を用いて、ガラスフィルムの任意の一辺に厚み方向からレーザーを走査することにより、ガラスフィルムの最大厚みと最小厚みを測定した上で、最大厚みの値から最小厚みの値を減じた値である。
屈折率ndは、精密屈折率計(島津製作所社製KPR−2000)を用いて測定した値である。
表1から明らかなように、試料No.1〜7は、厚みが小さく、表面精度が良好である。よって、試料No.1〜7の表面に反射膜を形成した上で、これを積層一体化すれば、コストアップを招来させることなく、ガラス積層体を作製することができる。そして、一対のガラス積層体を反射膜が形成された面同士が直交するように配置すれば、高解像に結像し得る光学結像部材を得ることができる。
試料No.1〜7につき、表中の厚み、波長にて透過率を測定した。測定装置として、UV−3100PCを使用し、スリット幅:2.0nm、スキャン速度:中速、サンプリングピッチ:0.5nmの条件で測定した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、試料No.1〜7は、何れも厚み、波長でも透過率が高かった。
更に、各試料について、ヘイズメーター(日本電飾工業社製 NDH−5000)によりヘイズを測定した。その結果を表2に示す。表2から明らかなように、試料No.1〜7は、何れもヘイズが小さいため、表面での拡散反射を抑制することができる。
本発明のガラス積層体の製造方法について、実施例1に例示したガラスフィルムを用いた場合の実施例に基づいて詳細に説明する。但し、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
図1(a)〜(c)は、本発明のガラス積層体の製造方法の一例を示しており、具体的には、反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムを積層一体化する工程の一例を示す説明図である。まず、試料No.2のガラス組成を有し、SiO膜が表面に形成されたAl反射膜付きガラスフィルムを用意する。反射膜付きガラスフィルムの寸法は550mm×650mm角であり、板厚は400μmである。この反射膜付きガラスフィルム1を吸着保持装置2の吸着アーム3、4、5で吸着させ、反射膜付きガラスフィルム1を保持させる。次に、図1(a)に示すように、吸着アーム4を解除することにより、反射膜付きガラスフィルム1を、下方に位置するガラス積層体6の被積層面7側に凸状となるように撓ませる。ここで、ガラス積層体6は、積層架台8に載置されたダミーガラス基板9上に積層されている。また、反射膜付きガラスフィルム1の撓み頂部10に図示しないディスペンサーにより接着剤11(キヤノン化成株式会社製GA−R1/GA−H1)を塗布する。次に、図1(b)に示すように、吸着保持装置2を下降させて、反射膜付きガラスフィルム1の撓み頂部10の接着剤11をガラス積層体6の被積層面7に接触させる。続いて、図1(c)に示すように、吸着アーム3、5を延伸させることで、反射膜付きガラスフィルム1の撓み頂部10を起点にして、反射膜付きガラスフィルム1をガラス積層体6の被積層面7に外側に向かって接触させていく。接着剤11は、反射膜付きガラスフィルム1の撓みが解放されるに伴い、ガラス積層体6の被積層面7の全面に渡って濡れ広がる。最後に、吸着アーム3、5の吸着を解除することで、反射膜付きガラスフィルム1とガラス積層体6との積層一体化を完了させる。前記の作業を繰り返すことにより、所定枚数が積層されたガラス積層体を得る。
ここで、ダミーガラス基板9とガラスフィルム1の接着には、ガラスフィルム1同士の接着と同じ接着剤を用いてもよい。この場合、積層するガラスフィルム1と同じサイズになるようにダミーガラス基板9に予めスクライブ線を形成しておき、ダミーガラス基板9に所定枚数のガラスフィルム1を積層一体化した後に、スクライブ線に沿ってダミーガラス基板9の食み出し部を折り割るようにしてもよい。ダミーガラス基板9のスクライブ線を形成する面は、ガラスフィルム1が接着される面と反対側の面であることが好ましい。なお、ダミーガラス基板9は、ガラスフィルム1と同一材質、同一厚みのものが好ましい。
また、ダミーガラス基板9とガラスフィルム1の接着には、ガラスフィルム1同士の接着と異なる接着剤を用いてもよい。この場合、ダミーガラス基板9に所定枚数のガラスフィルム1を積層一体化した後、ダミーガラス基板9とガラスフィルム1を接着する異種の接着剤のみを溶解除去し、ダミーガラス基板9をガラス積層体(ガラスフィルム1)から分離するようにしてもよい。
このようにして得た本発明のガラス積層体21を図2に示す。ガラス積層体21は、例えば厚み1000μmのガラスフィルム22が300枚積層されており、ガラスフィルム22間にそれぞれ反射膜23を有している。ここではガラスフィルム22の一方の表面には、反射膜23が形成されており、他方の表面には反射膜23は形成されていない。ガラスフィルム22同士は、反射膜同士が重ならないように、図示しない接着層により積層一体化されている(なお、図中において、反射膜23の厚みは、誇張して表示されている)。
次に、得られたガラス積層体をワイヤーソーにて切断した短冊状のガラス積層体24を図3に示す。短冊状のガラス積層体24は、前工程に記載のガラス積層体21を反射膜が形成された面に直交する方向に切断したものである。切断幅は、ガラスフィルムの板厚や、光学結像部材の寸法や性能、生産効率の観点から適宜決定できるが、例えばガラスフィルムの板厚の1.0倍〜2.0倍程度にすることが好ましく、ここでは切断幅を0.8mmにする。前記の工程を経て作製された短冊状のガラス積層体24を用いて、光学結像部材25を作製する。
図4は、本発明の光学結像部材25の一例を示す概念斜視図である。光学結像部材25には、図3に記載の短冊状のガラス積層体24を一対使用する。一対の短冊状のガラス積層体24は、反射膜26が形成された面同士が直交するように、短冊状のガラス積層体24の側面(切断面)同士を、図示しない接着層により接着固定している。光学結像部材25は、ガラスフィルム27により、反射膜26の間隔が狭小化、且つ均一化されている。
図5(a)〜(c)は、本発明のガラス積層体の製造方法の別の一例を示しており、具体的には反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部に接着剤を塗布した後、反射膜付きガラスフィルムを積層一体化する工程の一例を示す説明図である。まず、試料No.3のガラス組成を有するAg反射膜付きガラスフィルムを用意する。反射膜付きガラスフィルムの寸法は400mm×400mm角であり、板厚は100μmである。図5(a)に示すように、反射膜付きガラスフィルム31を吸着保持装置32の吸着アーム33、34、35で吸着させると共に、吸着アーム33、35を吸着アーム34よりも下降させた状態で、反射膜付きガラスフィルム31を保持させる。これにより、反射膜付きガラスフィルム31を上方に位置するガラス積層体36の被積層面37側に凸状となるように撓ませる。次に、反射膜付きガラスフィルム31の撓み頂部38に、図示しない塗布装置でスクリーン印刷により接着剤39(ヘンケル株式会社製Loctite402)を塗布する。ここで、ガラス積層体36は、積層架台40に分離可能に固定されたダミーガラス基板41上に積層する。なお、ガラス積層体は、図示しないガラス積層体保持装置により、積層架台40及びダミーガラス基板41の下方に保持されている。次に、図5(b)に示すように、積層架台40を下降させて、反射膜付きガラスフィルム31の撓み頂部38の接着剤39にガラス積層体36の被積層面37を接触させる。続いて、図5(c)に示すように、吸着アーム33、35を上昇させることにより、反射膜付きガラスフィルム31の撓み頂部38を起点にして、反射膜付きガラスフィルム31をガラス積層体36の被積層面37に外側に向かって接触させる。その際に、接着剤39は、ガラスフィルムの撓みが解消されるに伴い全面に渡って濡れ広がる。その後、吸着アーム33、34、35の吸着を解除して、反射膜付きガラスフィルム31とガラス積層体36との積層一体化を完了させる。前記の作業を繰り返すことにより、所定枚数のガラスフィルムが積層されたガラス積層体を得る。
図6(a)〜(f)は、本発明のガラス積層体の製造方法の別の一例を示す説明図である。具体的には、これら各図は、反射膜付きガラスフィルムを接着剤により連続的に積層一体化する工程の一例を示す説明概念図である。まず、試料No.4のガラス組成を有するAg反射膜付きガラスフィルムを用意する。反射膜付きガラスフィルムの寸法は730mm×920mm角であり、板厚は700μmである。この反射膜付きガラスフィルム51をコンベア52上において吸着保持装置53の吸着アーム54、55、56で吸着保持した後に上方に持ち上げ、図中の左方向に搬送する。図6Aに示すように、反射膜付きガラスフィルム51がガラス積層体57に接近した段階で、吸着アーム54、56を吸着アーム55よりも上昇させることにより、反射膜付きガラスフィルム51をガラス積層体57の被積層面58側に凸状に撓ませる。このとき、既にガラス積層体57の被積層面58のうち、反射膜付きガラスフィルム51の撓み頂部59に対応する領域には接着剤60(ヘンケル株式会社製Loctite408)が塗布されている。次に、図6(b)に示すように、吸着保持装置53を下降させ、反射膜付きガラスフィルム51の撓み頂部59をガラス積層体57上の被積層面58に接触させる。続いて、図6(c)に示すように、吸着アーム54、56の吸着を解除し、反射膜付きガラスフィルム51の撓み頂部59を起点にして、反射膜付きガラスフィルム51をガラス積層体57の被積層面58に外側に向かって接触させていく。その際に、接着剤60は、ガラス積層体57の被積層面58の全面に渡って濡れ広がり、反射膜付きガラスフィルム全面がガラス積層体と接触する。その後、吸着アーム55の吸着を解除し、反射膜付きガラスフィルム51をガラス積層体57と積層一体化させる。
ここで、積層一体化完了後、積層架台61を反射膜付きガラスフィルム51と接着剤60の厚み分下方に移動させるとよい。これにより、ガラス積層体57の被積層面58は、先に反射膜付きガラスフィルム51が積層したときと同じレベルで次の反射膜付きガラスフィルムの積層を待機できるようになる。
次に、図6(d)に示すように、吸着保持装置53を図中の右方向に移動させる。この動きに同期して、吸着保持装置62の吸着アーム63、64、65も、コンベア66上で既に吸着保持した反射膜付きガラスフィルム67を上方に持ち上げたまま図中の右方向に搬送する。移動途中、吸着保持装置62に設けられた接着剤供給口68がガラス積層体57の中央領域の上方に到達した時点で、接着剤供給口68から接着剤60を滴下して、ガラス積層体57に接着剤60を供給する。吸着保持装置53、62は、更に図中右方向に移動させる。次に、図6(e)に示すように、反射膜付きガラスフィルム67がガラス積層体57に接近した段階で、吸着保持装置62の吸着アーム63、65を吸着アーム64よりも上昇させることにより、反射膜付きガラスフィルム67をガラス積層体57の被積層面58側に凸状に撓ませる。このとき、吸着保持装置53の吸着アーム54、55、56は、図中右側コンベア52上で既に吸着保持した反射膜付きガラスフィルム69を吸着保持し、上方に持ち上げ待機している。次に、図6(f)に示すように、吸着保持装置62を下降させて、反射膜付きガラスフィルム67の撓み頂部70をガラス積層体57の被積層面58に接触させた後、上述した同様の態様で積層一体化させていく。
ここで、吸着保持装置53に保持されている反射膜付きガラスフィルム69は、この後、吸着保持装置53、62が左に移動することによってガラス積層体57上に搬送されることになり、同様に積層一体化工程を経る。この動作を繰り返すことにより、所定枚数を積層した図2に示すようなガラス積層体を作製する。この方法によれば、吸着保持装置53、62の移動動線が簡略化されるため、ガラス積層体の作製が効率的となる。
なお、図6では、コンベア52、66、吸着保持装置53、62、積層架台61を一直線上に配置したが、図7のように、コンベア52、66を結ぶ直線領域から離隔したところに積層架台61を配置してもよい。このようにすれば、ガラス積層体57を取り出し易くできる。
1 反射膜付きガラスフィルム
2 吸着保持装置
3 吸着アーム
4 吸着アーム
5 吸着アーム
6 ガラス積層体
7 ガラス積層体の被積層面
8 積層架台
9 ダミーガラス基板
10 反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部
11 接着剤
21 ガラス積層体
22 ガラスフィルム
23 反射膜
24 短冊状のガラス積層体
25 光学結像部材
26 反射膜
27 ガラスフィルム
31 反射膜付きガラスフィルム
32 吸着保持装置
33 吸着アーム
34 吸着アーム
35 吸着アーム
36 ガラス積層体
37 ガラス積層体の被積層面
38 反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部
39 接着剤
40 積層架台
41 ダミーガラス基板
51 反射膜付きガラスフィルム
52 コンベア
53 吸着保持装置
54 吸着アーム
55 吸着アーム
56 吸着アーム
57 ガラス積層体
58 ガラス積層体の被積層面
59 反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部
60 接着剤
61 積層架台
62 吸着保持装置
63 吸着アーム
64 吸着アーム
65 吸着アーム
66 コンベア
67 反射膜付きガラスフィルム
68 接着剤供給口
69 反射膜付きガラスフィルム
70 反射膜付きガラスフィルムの撓み頂部

Claims (12)

  1. 複数の反射膜付きガラスフィルムを接着剤により積層一体化して、ガラス積層体を得るガラス積層体の製造方法であって、
    少なくとも一枚の前記反射膜付きガラスフィルムを被積層面側に撓ませて撓み頂部を形成すると共に、前記撓み頂部を前記被積層面に接触させた後、
    前記反射膜付きガラスフィルムの撓みを解除して、前記撓み頂部を起点として前記反射膜付きガラスフィルムを前記被積層面に順次接触させることにより、前記反射膜付きガラスフィルムを積層する工程を有することを特徴とするガラス積層体の製造方法。
  2. 前記撓み頂部を前記反射膜付きガラスフィルムの中央領域に形成することを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体の製造方法。
  3. 前記被積層面のうち、前記反射膜付きガラスフィルムの前記撓み頂部に対応する領域に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス積層体の製造方法。
  4. 前記反射膜付きガラスフィルムの前記撓み頂部に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  5. 前記接着剤は、25℃における粘度が200Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  6. 前記接着剤をディスペンサー又はスクリーン印刷により塗布することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  7. 前記反射膜付きガラスフィルムを、吸着アームを用いて積層することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  8. 前記吸着アームの吸着と解除を制御することで、前記反射膜付きガラスフィルムの撓みと前記被積層面への接触挙動を制御することを特徴とする請求項7に記載のガラス積層体の製造方法。
  9. 前記反射膜付きガラスフィルムをダミーガラス上に順次積層することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  10. 前記反射膜付きガラスフィルムのガラス部分の厚みが、1000μm以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載のガラス積層体の製造方法により作製されたことを特徴とするガラス積層体。
  12. 光学結像部材に用いることを特徴とする請求項11に記載のガラス積層体。
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