JP2015131540A - 車両用バンパ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンパコーナー部で別部品を追加することなく既存の車載部品を利用して、衝突体の衝突を検出することができる車両用バンパ構造を得る。
【解決手段】車両用バンパ構造S1を備えたフロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の前面14Aに車両幅方向に沿って配置される圧力チューブ20と、バンパリインフォースメント14の車両前方側にバンパリインフォースメント14との間に圧力チューブ20を介在した状態で配置されるアブソーバ22と、を備えている。バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側に搭載されたサブラジエータ24には、圧力チューブ20の車両幅方向外側の端部20C及びアブソーバ22の車両幅方向外側の端部22Cが支持される縦壁部30Bを備えたセンサ受け部30が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用バンパ構造に関する。
下記特許文献1には、バンパリインフォースメントに車両幅方向に沿って衝突検出センサを設けると共に、バンパリインフォースメントよりも車両幅方向外側領域に、剛体の板状部材や剛体のレバー部材などの別部材を設けたフロントバンパ構造が開示されている。このようなフロントバンパ構造では、衝突体との衝突時に、別部材である剛性の板状部材から衝撃吸収部材を介して衝突検出センサに荷重を伝達し、又は剛性のレバー部材の揺動により衝突検出センサに荷重を伝達することで、バンパコーナー部での衝突検出性能を向上している。
また、下記特許文献2には、圧力チャンバー部材の端末部をパンバコーナー部側でバンパリインフォースメントの車両幅方向外側端面を覆うように回り込ませると共に、バンパカバーの裏面における圧力チャンバー部材の端末部と対応する部位に別部材からなるスペーサを配設した歩行者衝突検出装置が開示されている。この歩行者衝突検出装置では、衝突体の衝突時に、バンパカバーに配設されたスペーサを介して圧力チャンバー部材の端末部に荷重が入力されることで、バンパコーナー部での衝突検出性能を向上している。
特開2007−069707号公報 国際公開第2011/128971号
上記特許文献1、2に記載の構造では、別部品(別部材)を追加することで、バンパコーナー部付近での衝突検出性能の向上を図っている。しかし、車両によっては、別部品を設けるスペースの確保が困難な場合があり、かつ、コストの上昇を招く。
本発明は,上記事実を考慮し、バンパコーナー部で別部品を追加することなく既存の車載部品を利用して、衝突体の衝突を検出することができる車両用バンパ構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る車両用バンパ構造は、車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両前後方向の前側に車両幅方向に沿って配置されると共に、押圧されることで出力が変化する歩行者衝突検出センサと、前記バンパリインフォースメントの車両前方側に設けられ、前記バンパリインフォースメントとの間に前記歩行者衝突検出センサを介在した状態で配置されるアブソーバと、前記バンパリインフォースメントの車両幅方向両端部の外側に搭載された車載部品に設けられ、前記歩行者衝突検出センサの車両幅方向外側端部及び前記アブソーバの車両幅方向外側端部が支持されるセンサ受け面と、を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用バンパ構造において、前記センサ受け面は、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面を備え、前記湾曲面の後端部が前記バンパリインフォースメントの車両後方側に固定されたクラッシュボックスの側面まで車両側面視で覆っている。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用バンパ構造において、前記センサ受け面に支持された前記歩行者衝突検出センサ及び前記アブソーバの車両上下方向の高さは、車両幅方向中央部に位置する前記歩行者衝突検出センサ及び前記アブソーバの車両上下方向の高さよりも高い位置に配置されている。
請求項1記載の本発明によれば、車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両前後方向の前側には、車両幅方向に沿って配置されると共に押圧されることで出力が変化する歩行者衝突検出センサが設けられている。バンパリインフォースメントの車両前方側にはアブソーバが設けられており、アブソーバとバンパリインフォースメントとの間に歩行者衝突検出センサが介在されている。バンパリインフォースメントの車両幅方向両端部の外側に搭載された車載部品には、センサ受け面が設けられており、センサ受け面に歩行者衝突検出センサの車両幅方向外側端部及びアブソーバの車両幅方向外側端部が支持されている。
これによって、歩行者の脚部が、車両幅方向外側のバンパコーナー部に衝突した場合、バンパコーナー部での車両の変形によりアブソーバが車両後方に押圧され、車載部品のセンサ受け面に支持された歩行者衝突検出センサが変形する。この結果、別部品を追加することなく、既存の車載部品を利用して歩行者などの衝突体との衝突を検出することができる。
請求項2記載の本発明によれば、センサ受け面は、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面を備えており、湾曲面の後端部がバンパリインフォースメントの車両後方側に固定されたクラッシュボックスの側面まで車両側面視で覆っている。これによって、センサ受け面に支持された歩行者衝突検出センサの車両幅方向外側端部及びアブソーバの車両幅方向外側端部を、車両側面視でクラッシュボックスの側面まで配置することができる。このため、歩行者や自転車などの衝突体がバンパコーナー部におけるクラッシュボックスの側面の側に衝突した場合に、歩行者衝突検出センサにより衝突体の衝突を検出することができる。
請求項3記載の本発明によれば、センサ受け面に支持された歩行者衝突検出センサ及びアブソーバの高さは、車両幅方向中央部に位置する歩行者衝突検出センサ及びアブソーバの高さよりも高い位置に配置されている。これにより、車両のバンパコーナー部が歩行者に衝突して歩行者が車両のフード側に倒れ込んだ場合に、バンパコーナー部の高い位置に配置されたアブソーバが車両後方に押圧され、センサ受け面に支持された歩行者衝突検出センサが変形する。このため、バンパコーナー部での歩行者などの衝突体の衝突検出性能を高めることができる。また、車両幅方向中央部に位置する歩行者衝突検出センサ及びアブソーバの高さを低い位置に設定することで、歩行者の脚部保護性能を確保することができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、バンパコーナー部で別部品を追加することなく既存の車載部品を利用して、衝突体の衝突を検出することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、衝突体がバンパコーナー部におけるクラッシュボックスの側面の側に衝突した場合に、衝突体の衝突を検出することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、バンパコーナー部での衝突体の衝突検出性能を高めることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用バンパ構造が適用されたフロントバンパの車両幅方向一端部側を示す一部を破断した平面図である。 (A)は、図1に示すフロントバンパの車両幅方向外側部分を拡大した状態で示す斜視図であり、(B)は、図1に示すフロントバンパに用いられるアブソーバを示す斜視図である。 図1に示すフロントバンパの車両幅方向外側部分を拡大した状態で示す側断面図(図1中の3−3線断面図)である。 第2実施形態に係る車両用バンパ構造が適用されたフロントバンパの車両幅方向外側部分を拡大した状態で示す斜視図である。 図4に示すフロントバンパの車両幅方向外側部分を拡大した状態で示す側断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第1実施形態について説明する。なお、図面において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用バンパ構造が適用された車両の前部の車両幅方向一端部側(車両後面から見て車両右側)が一部を破断した平面図にて示されている。図1に示されるように、自動車の車両10の前部には、本実施形態の車両用バンパ構造S1が適用されたフロントバンパ12が設けられている。なお、図1では、車両10の前部の車両幅方向一端部側(車両後面から見て車両右側)のみが示されているが、フロントバンパ12は左右対称であるため、車両10の前部の車両幅方向他端部側(車両後面から見て車両左側)は図示を省略している。
フロントバンパ12は、バンパ骨格部材であるバンパリインフォースメント14を備えている。このバンパリインフォースメント14は、例えば鉄系やアルミニウム系等の金属材料により製作されて、車両幅方向に沿って延在される骨格部材として構成されている。車両10の前部には、車体側の骨格部材を構成する左右一対のフロントサイドメンバ16が車両前後方向に沿って配置されており、フロントサイドメンバ16の前端部には、クラッシュボックス18が設けられている(図2参照)。バンパリインフォースメント14は、左右一対のクラッシュボックス18の前端部間に架け渡されている。車両平面視にて、バンパリインフォースメント14の車両幅方向外側の端面は、フロントサイドメンバ16及びクラッシュボックス18の車両幅方向外側の側面付近まで延在されている。バンパリインフォースメント14の車両前後方向の前面14Aは、車両平面視にて車両幅方向外側部分が車両幅方向外側へ向かうにしたがって車両後側へ湾曲されている。
フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両前方側に配置される歩行者衝突検出センサとしての圧力チューブ20を備えている。また、フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両前方側に配置されるアブソーバ22を備えており、アブソーバ22とバンパリインフォースメント14との間に圧力チューブ20が介在されている。車両10の前部におけるバンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側には、車載部品としてのサブラジエータ24が搭載されている。サブラジエータ24は、車両10の前部の幅方向外側に新たに追加する部品ではなく、予め車両10の前部の幅方向外側に搭載されている既存の部品である。
サブラジエータ24の上部には、圧力チューブ20の車両幅方向外側端部及びアブソーバ22の車両幅方向外側端部を支持するセンサ受け面としての縦壁部30Bを備えたセンサ受け部30が設けられている(図2参照)。センサ受け部30の縦壁部30Bは、バンパリインフォースメント14の前面14Aとほぼ連続するように車両幅方向外側に配置されている。これにより、バンパリインフォースメント14の前面14Aに設けられた圧力チューブ20及びアブソーバ22が車両幅方向外側に延長され、センサ受け部30の縦壁部30Bに取り付けられている。このセンサ受け部30については、後に説明する。
圧力チューブ20は、バンパリインフォースメント14の前面14Aに設けられている。圧力チューブ20は、略長尺状とされ、車両幅方向を長手方向として配置されている。圧力チューブ20は、樹脂材により形成され、断面が略円筒状の中空構造体として構成されている(図3参照)。圧力チューブ20は、外側から押圧されることで潰れ変形可能とされている。
圧力チューブ20の車両幅方向両端部には、歩行者衝突検出センサの一部を構成する圧力センサ34が接続されている。圧力チューブ20が押圧により変形することで、圧力チューブ20内の圧力変化に応じた信号が圧力センサ34から衝突判定部としてのECU36へ出力されるようになっている。本実施形態では、圧力センサ34は、センサ受け部30の縦壁部30Bに固定的に支持されている。
ECU36は、圧力センサ34の出力信号に基づいて、衝突荷重を算出するようになっている。また、ECU36は、衝突速度センサ(図示省略)が電気的に接続されている。この衝突速度センサは、衝突体との衝突速度に応じた信号をECU36に出力して、ECU36が、衝突速度センサの出力信号に基づいて、衝突速度を算出するようになっている。そして、ECU36は、算出された衝突荷重及び衝突速度から衝突体の有効質量を求めると共に、有効質量が閾値を超えるか否かを判断して、フロントバンパ12への衝突体が歩行者であるのか路上障害物(例えば、ロードサイドマーカーやポストコーン等)であるのかを判定するようになっている。
また、フロントバンパ12は、アブソーバ22の車両前方側にバンパカバー38を備えている。車両平面視にてバンパカバー38は、アブソーバ22との間に隙間をおいて対向するように配置されており、図示しない部分で車体に対し固定的に支持されている。バンパカバー38の車両幅方向両側部分は、平面視で車両幅方向両側へ向かうにしたがって車両後方側へ湾曲するように形成されている。
図2(A)にも示されるように、サブラジエータ24は、略車両上下方向及び略車両幅方向に沿って配置されており、車両前方から風が導入されるようになっている。サブラジエータ24は、エンジン冷却用のラジエータ(図示省略)とは別に、電子機器等を冷却するために設けられているものである。サブラジエータ24の車両幅方向内側の側部には、略車両前後方向に沿って縦壁部26が設けられており、縦壁部26の前端部がバンパリインフォースメント14の車両幅方向外側端部に図示しない締結具により固定されている。サブラジエータ24の下部には、車両前方側に延びた下面部28が設けられており、下面部28の車両幅方向内側端部が縦壁部26の下端部と繋がっている。また、サブラジエータ24の上部には、センサ受け部30が設けられている。
図3にも示されるように、センサ受け部30は、サブラジエータ24の上部から車両前後方向前側に延びた横壁部30Aと、横壁部30Aの前端部から車両上下方向上方側に延びた縦壁部30Bと、を備えている。センサ受け部30の縦壁部30Bは、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面とされている(図1及び図2(A)参照)。縦壁部30Bの後端部は、バンパリインフォースメント14の車両後方側に固定されたクラッシュボックス18の側面まで車両側面視で覆っている(図1及び図2(A)参照)。これにより、圧力チューブ20及びアブソーバ22の車両幅方向外側端部を車両10の前部のクラッシュボックス18の側面の側まで配置することが可能となる。また、センサ受け部30の横壁部30Aの車両幅方向内側端部は、縦壁部26の上端部と繋がっている(図2(A)参照)。
アブソーバ22は、発泡樹脂材により形成されており、例えば、ウレタンフォーム等が用いられている。アブソーバ22の車両前後方向後側の後面部42Aには、車両前方側に窪んだ溝部42Bが形成されている。アブソーバ22の溝部42Bは、略車両幅方向に沿って配置されている。アブソーバ22の溝部42Bに圧力チューブ20が挿入された状態で、アブソーバ22の車両幅方向外側端部の後面部42Aが縦壁部30Bに取り付けられている。アブソーバ22の後面部42Aが縦壁部30Bに接触した状態で固定されている。
図示を省略するが、アブソーバ22の車両幅方向中央部の後面部42Aは、バンパリインフォースメント14の前面14Aに取り付けられている。本実施形態では、アブソーバ22の後面部42Aの車両幅方向両端側に設けられた突起部が、バンパリインフォースメント14の前面14Aの車両幅方向両端部に設けられた凹部に係合されることで、アブソーバ22の後面部42Aがバンパリインフォースメント14の前面14Aに接触した状態で固定されている。また、アブソーバ22の車両幅方向外側端部は、図示しない突起部と凹部の係合構造により、センサ受け部30の縦壁部30Bにも固定されている。なお、アブソーバ22のバンパリインフォースメント14及びセンサ受け部30の縦壁部30Bへの取り付け構造は、これに限定されるものではなく、変更が可能である。
図2(A)、(B)に示されるように、アブソーバ22は、車両正面視にて車両幅方向に沿ってほぼ水平に配置された中央部22Aと、中央部22Aの車両幅方向両側から車両幅方向外側に向かって斜め上方側に傾斜した傾斜部22Bと、傾斜部22Bの車両幅方向両側から車両幅方向外側に向かってほぼ水平に延びた端部22Cと、を備えている。すなわち、アブソーバ22の中央部22Aは、バンパリインフォースメント14の前面14Aの下部側(下半分の位置)に、車両幅方向に沿ってほぼ水平に延在されている。アブソーバ22の傾斜部22Bは、バンパリインフォースメント14の車両幅方向端部に配置されている。アブソーバ22の端部22Cは、センサ受け部30の縦壁部30Bに車両幅方向に沿ってほぼ水平に延在されている。
図2(A)に示されるように、アブソーバ22の溝部42B(図3参照)に挿入される圧力チューブ20は、車両正面視にて車両幅方向に沿ってほぼ水平に配置された中央部20Aと、中央部20Aの車両幅方向両側から車両幅方向外側に向かって斜め上方側に傾斜するように配置された傾斜部20Bと、傾斜部20Bの車両幅方向両側から車両幅方向外側に向かってほぼ水平に延びた端部20Cと、を備えている。言い替えると、センサ受け部30の縦壁部30Bに支持された圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cの車両上下方向の高さは、車両幅方向中央部に位置する圧力チューブ20の中央部20A及びアブソーバ22の中央部22Aの車両上下方向の高さよりも高い位置に配置されている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1等に示されるように、車両用バンパ構造S1が適用されたフロントバンパ12では、バンパリインフォースメント14の前面14Aには、車両幅方向に沿って配置される圧力チューブ20が設けられている。バンパリインフォースメント14の前面14Aには、アブソーバ22が取り付けられており、アブソーバ22の溝部42B(図3参照)に圧力チューブ20が挿入されることで、アブソーバ22とバンパリインフォースメント14との間に圧力チューブ20が介在されている。バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側に搭載されたサブラジエータ24の上部には、センサ受け部30が設けられている。センサ受け部30の縦壁部30Bには、圧力チューブ20の車両幅方向外側の端部20C及びアブソーバ22の車両幅方向外側の端部22Cが支持されている。
これによって、歩行者の脚部が、フロントバンパ12の車両幅方向外側のバンパコーナー部に衝突した場合、バンパコーナー部でバンパカバー38が車両後方側に変形し、アブソーバ22の端部22Cを車両後方に押圧する。これにより、センサ受け部30の縦壁部30Bに支持された圧力チューブ20が変形する。この結果、バンパコーナー部で別部品を追加することなく、既存の車載部品であるサブラジエータ24を利用して、歩行者などの衝突体との衝突を検出することができる。
また、センサ受け部30の縦壁部30Bは、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面とされており、縦壁部30Bの後端部は、バンパリインフォースメント14の車両後方側のクラッシュボックス18の側面まで車両側面視で覆っている。これによって、センサ受け部30の縦壁部30Bに支持された圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cをクラッシュボックス18の側面の側まで配置することができる。このため、歩行者や自転車などの衝突体が車両10のバンパコーナー部におけるクラッシュボックス18の側面の側に衝突した場合に、衝突体の衝突を検出することができる。
また、センサ受け部30の縦壁部30Bに支持された圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cの車両上下方向の高さは、車両幅方向中央部に位置する圧力チューブ20の中央部20A及びアブソーバ22の中央部22Aの車両上下方向の高さよりも高い位置に配置されている。これにより、車両10のバンパコーナー部が歩行者に衝突して歩行者が車両10のフード側に倒れ込んだ場合に、バンパコーナー部の高い位置に配置されたアブソーバ22の端部22Cが車両後方に押圧され、センサ受け部30の縦壁部30Bに支持された圧力チューブ20が変形する。このため、バンパコーナー部での歩行者などの衝突体の衝突検出性能を高めることができる。また、圧力チューブ20の中央部20A及びアブソーバ22の中央部22Aの高さを、圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cの高さよりも低い位置に設定することで、歩行者の脚部保護性能を確保することができる。
一方、例えば、バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側に搭載されたサブラジエータにセンサ受け部を設けない場合には、バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部より外側に圧力チューブ及びアブソーバを配置することができない。近年では、車両平面視にて、バンパカバーがコーナー部になるにつれて車両後方へ大きく回り込む湾曲形状(意匠ラウンドが大きい形状)とされており、この場合は、バンパリインフォースメント14の車両幅方向外側端部をクラッシュボックス18の締結部までしか設定することができない。このため、クラッシュボックス18よりも車両幅方向外側までバンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部を延ばすことができず、クラッシュボックス18よりも車両幅方向外側のエリアに圧力チューブ及びアブソーバを配置することが困難である。このため、クラッシュボックス18の幅までしか歩行者との衝突を検出することができず、衝突検出エリアが狭くなる。
これに対して、本実施形態では、バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側に搭載されたサブラジエータ24にセンサ受け部30が設けられており、センサ受け部30の縦壁部30Bに圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cが支持されている。このため、クラッシュボックス18よりも車両幅方向外側のエリアに圧力チューブ20及びアブソーバ22を配置することができ、歩行者との衝突検出エリアを拡大することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図4及び図5を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図4及び図5に示されるように、車両用バンパ構造S2が適用された車両50の前部のフロントバンパ52には、バンパリインフォースメント14の車両幅方向両端部の外側に、車載部品としてのウオッシャータンク54が搭載されている。ウオッシャータンク54は、車両50の前部の幅方向外側に新たに追加する部品ではなく、予め車両50の前部の幅方向外側に搭載されている既存の部品である。
また、ウオッシャータンク54の側壁部54Aには、圧力チューブ20の車両幅方向外側の端部20C及びアブソーバ22の車両幅方向外側の端部22Cを支持するセンサ受け部60が設けられている。センサ受け部60は、ウオッシャータンク54の側壁部54Aから車両前後方向前側に延びた横壁部60Aと、横壁部60Aの前端部から車両上下方向上方側に延びたセンサ受け面としての縦壁部60Bと、を備えている。センサ受け部60の縦壁部60Bは、バンパリインフォースメント14の前面14Aとほぼ連続するように車両幅方向外側に配置されている。センサ受け部60の縦壁部60Bは、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面とされている。縦壁部60Bの後端部は、バンパリインフォースメント14の車両後方側に固定されたクラッシュボックス18の側面まで車両側面視で覆っている。
本実施形態では、センサ受け部60は、ウオッシャータンク54の側壁部54Aの上部側に取り付けられている。これにより、バンパリインフォースメント14の前面14Aに圧力チューブ20の中央部20Aと傾斜部20B、及びアブソーバ22の中央部22Aと傾斜部22Bが取り付けられており、センサ受け部60の縦壁部60Bに圧力チューブ20の端部20Cとアブソーバ22の端部22Cが取り付けられている。なお、ウオッシャータンク54の上部の口部にはキャップ54Bが取り付けられており、キャップ54Bに接続されたチューブ54Cを水が通るようになっている。
このようなフロントバンパ52では、フロントバンパ12の車両幅方向外側のバンパコーナー部が歩行者の脚部に衝突した場合、バンパコーナー部でバンパカバー38(図1参照)の変形より、アブソーバ22の端部22Cを車両後方に押圧する。これにより、センサ受け部60の縦壁部60Bに支持された圧力チューブ20が変形する。この結果、別部品を追加することなく、既存の車載部品であるウオッシャータンク54を利用して、歩行者などの衝突体との衝突を検出することができる。
また、センサ受け部60の縦壁部60Bは、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面とされており、縦壁部60Bの後端部は、クラッシュボックス18の側面まで車両側面視で覆っている。これによって、センサ受け部60の縦壁部60Bに支持された圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cをクラッシュボックス18の側面の側まで配置することができる。このため、歩行者や自転車などの衝突体が車両50のバンパコーナー部におけるクラッシュボックス18の側面の側に衝突した場合に、衝突体の衝突を検出することができる。
また、センサ受け部60の縦壁部60Bに支持された圧力チューブ20の端部20C及びアブソーバ22の端部22Cの車両上下方向の高さは、車両幅方向中央部に位置する圧力チューブ20の中央部20A及びアブソーバ22の中央部22Aの車両上下方向の高さよりも高い位置に配置されている。これにより、車両50のバンパコーナー部が歩行者に衝突し、歩行者が車両10のフード側に倒れ込んだ場合に、バンパコーナー部の高い位置に配置されたアブソーバ22の端部22Cが車両後方に押圧され、センサ受け部60の縦壁部60Bに支持された圧力チューブ20が変形する。このため、バンパコーナー部での歩行者などの衝突体の衝突検出性能を高めることができる。
また、ウオッシャータンク54は、上部のキャップ54Bにチューブ54Cが取り付けられているため、ウオッシャータンク54の側壁部54Aにおけるセンサ受け部60を設ける位置が制限されない。バンパコーナー部での衝突体の衝突検出性能を考慮すると、圧力チューブ20をなるべく高い位置に配置した方が好ましい。このため、ウオッシャータンク54の側壁部54Aの比較的高い位置にセンサ受け部60を設けることが好ましい。
なお、第1及び第2実施形態では、センサ受け部が車載部品であるサブラジエータ24、ウオッシャータンク54に設けられているが、これらの構成に限定されるものではなく、センサ受け部が設けられる車載部品は変更可能である。例えば、センサ受け部が設けられる車載部品としては、別部品を追加するものでなく、車両に搭載されている既存の他の部品であれば、使用可能である。例えば、車載部品として、オイルクーラー、フェンダブラケット、タイヤの前側に配置されるフェンダーライナー、ラジエータサポートの部品などを用いることができる。
また、第1及び第2実施形態では、センサ受け部の縦壁部(湾曲面)の後端部は、クラッシュボックス18の側面まで車両側面視で覆っているが、これに限定されるものではない。例えば、センサ受け部の縦壁部(湾曲面)の後端部が、さらに車両後方側に延在され、クラッシュボックス18の後方側のフロントサイドメンバ16の前端部付近まで車両側面視で覆っている構成でもよい。
また、別体のクラッシュボックス18が設けられておらず、フロントサイドメンバ16の前端部にバンパリインフォースメント14が接合されている構成でもよい。この場合でも、センサ受け部の縦壁部(湾曲面)の後端部が、フロントサイドメンバ16の前端部の側面まで車両側面視で覆っている構成とすることができる。
また、第1及び第2実施形態では、歩行者衝突検出センサとして、圧力チューブ20が設けられているが、圧力チューブに限定されるものではない。例えば、歩行者衝突検出センサとして、チャンバー式や光ファイバー式など、押圧することで出力が変化する(押圧によりセンシングすることができる)他のセンサを用いてもよい。
10 車両
14 バンパリインフォースメント
18 クラッシュボックス
20 圧力チューブ(歩行者衝突検出センサ)
20C 端部(車両幅方向外側端部)
22 アブソーバ
22C 端部(車両幅方向外側端部)
24 サブラジエータ(車載部品)
30B 縦壁部(センサ受け面)
34 圧力センサ(歩行者衝突検出センサ)
50 車両
54 ウオッシャータンク(車載部品)
60B 縦壁部(センサ受け面)
S1 車両用バンパ構造
S2 車両用バンパ構造

Claims (3)

  1. 車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両前後方向の前側に車両幅方向に沿って配置されると共に、押圧されることで出力が変化する歩行者衝突検出センサと、
    前記バンパリインフォースメントの車両前方側に設けられ、前記バンパリインフォースメントとの間に前記歩行者衝突検出センサを介在した状態で配置されるアブソーバと、
    前記バンパリインフォースメントの車両幅方向両端部の外側に搭載された車載部品に設けられ、前記歩行者衝突検出センサの車両幅方向外側端部及び前記アブソーバの車両幅方向外側端部が支持されるセンサ受け面と、
    を有する車両用バンパ構造。
  2. 前記センサ受け面は、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲する湾曲面を備え、
    前記湾曲面の後端部が前記バンパリインフォースメントの車両後方側に固定されたクラッシュボックスの側面まで車両側面視で覆っている請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  3. 前記センサ受け面に支持された前記歩行者衝突検出センサ及び前記アブソーバの車両上下方向の高さは、車両幅方向中央部に位置する前記歩行者衝突検出センサ及び前記アブソーバの車両上下方向の高さよりも高い位置に配置されている請求項1又は請求項2に記載の車両用バンパ構造。
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