JP2015131293A - 循環水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、冷却塔(クーリングタワー)等の工業用冷却水等の開放系循環水のような大量の媒体中の有機物、微生物を経済的にかつ効率的に分解、除去、生育の抑制、発生防止をする方法を提供することを課題とする。また、それにより循環水の透明性、冷却効率を維持し、装置の配管閉塞、汚泥沈殿を防止する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
開放系で水を循環する設備おいて、好気性微生物及び酵素を用いることを特徴とする循環水の好気性処理方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、冷却塔(クーリングタワー)等の開放系で水を循環する設備用の循環水に含まれる有機物を分解処理することで循環水の透明性、冷却効率を維持することを目的とした循環水の好気性処理方法に関する。
冷却塔(クーリングタワー)等の工業用冷却水等の開放系で水を循環する設備は、外気から循環水へ微生物が混入するため、微生物の分泌する成分が管壁に付着してスライムを形成したり、循環水に藻が発生したり、臭いが発生したり、濁ったりしてくる。そのため、配管の閉鎖現象を起こしたり、循環水の熱効率が低下したり、不衛生な循環水が飛散したりするなど問題になっている。それを防止するために、例えば次亜塩素酸ナトリウム等の薬剤を定期的に投入して、藻の発生を抑えたりしている。しかし、大規模な設備になると大量の薬剤が必要になり、また処理した後の循環水中に薬剤により死滅した微生物が汚泥となってしまい、循環水の透明性が悪くなったり、沈殿物になったりするなどの問題を起こしている。
そこで、次亜塩素酸ナトリウム以外の処理方法として、特許文献1にはヒドラジンを用いた微生物の増殖抑制方法、特許文献2には水溶性陽イオン性ポリマー等のポリマーによる開放型冷却塔等の水処理方法等の処理方法が知られている。また、活性汚泥処理機能を備えた工業用冷却塔(特許文献3)も知られている。
しかし、最近は安全性への関心が高まり、強い薬効の薬剤を用い難い状況になっているため、より安全な処理方法が必要になってきている。
特公平4−37041号公報 特開平7−256266号公報 特開昭60−114398号公報
本発明は、冷却塔(クーリングタワー)等の工業用冷却水等の開放系循環水のような大量の媒体中の有機物、微生物を経済的にかつ効率的に分解、除去、生育の抑制、発生防止をする方法を提供することを課題とする。また、それにより循環水の透明性、冷却効率を維持し、装置の配管閉塞、汚泥沈殿を防止する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、冷却塔等の水を循環する装置において、循環水に定期的に好気性微生物及び酵素を投入することで、循環水の透明性が改善することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、
(1)開放系で水を循環する設備において、好気性微生物及び酵素を用いることを特徴とする循環水の好気性処理方法であり、また、(2)好気性微生物及び酵素を同時に添加することを特徴とする上記(1)記載の循環水の好気性処理方法である。また、(3)好気性微生物を培養して得られる培養物を用いることを特徴とする上記(2)記載の好気性処理方法であり、(4)好気性微生物と酵素を含む製剤を用いることを特徴とする上記(2)記載の好気性処理方法である。さらに(5)好気性微生物が枯草菌であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の好気性処理方法である。さらに、(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を含む、循環水中における微生物の除去、生育の抑制、または発生の防止をする方法であり、(7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を含む、循環水中の透明性を維持する方法であり、(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を含む、循環水が流通する装置の配管閉塞を防止する方法であり、(9)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を含む、汚泥の蓄積量を減少させる方法であり、(10)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を含む、循環水水面の発泡及び/またはスカムの発生を抑制する方法である。
本発明は、冷却塔(クーリングタワー)等の工業用冷却水等の開放系循環水に定期的に好気性微生物及び酵素を投入することで、塩素系薬剤等の薬剤を使用した場合に起こった装置の腐食が起こらず、また、塩素系薬剤等の薬剤が飛散されないこと、循環水の腐敗等が抑えられ、循環水の透明性が維持され、又は塩素系薬剤等の薬剤を使用した場合よりも透明性が改善され、さらにクーリングタワー等の冷却塔の底部に蓄積する汚泥の量が軽減され、循環水水面における発泡やスカムの発生が抑制される方法を提供する。
2012年7月初旬(ミタゲンアンサー未使用時)の汚泥の状況 2013年7月初旬(ミタゲンアンサーを中間の一ヶ月のみ使用時、実施例1の後)の汚泥の状況 2014年7月初旬(ミタゲンアンサー使用時、実施例3の後)の汚泥の状況
冷却塔(クーリングタワー)等の工業用冷却水等の開放系循環水は、外気と接触しているため、様々な有機物や無機物が混入する。さらに微生物等の生物も混入するため、徐々に微生物により循環水が腐敗したり、藻が発生したりして水質が悪化する等の問題がある。これらの改善方法としては、循環水に次亜塩素酸ナトリウム等の薬剤を投入して、原因である微生物等の生物を死滅させる方法がとられている。しかし、そうすると薬剤によって死滅した生物が腐敗して、循環水に溶解し、これが微生物等の養分になり、また循環水は常に外気と接触しているため、新たな有機物等の混入と、死滅した生物からの有機物によって、循環水の養分は徐々に高くなり、気温上昇等の要因によって一気に藻が発生することで、薬剤では抑えきれなくなる程度に水質が悪化してしまうような問題があった。
本発明はこのようなサイクルによる循環水の水質維持方法ではなく、好気性微生物及び酵素による処理が冷却塔等の循環水の水質保全に良好であることを見出して本発明に達した。
本発明の好気性微生物及び酵素による処理により、循環水中の有機物を好気性微生物による酵素又は酵素剤によって分解し、分解した有機物は好気性微生物によって代謝され、結果として二酸化炭素として系外に排出されていくことになる。そのため、循環水から炭素源を減少させることができる。また、同時に循環水の有機物が減少するため外気から混入した微生物の繁殖を抑えることもできる。
同様の処理方法は、例えば、活性汚泥の処理方法でも利用されている。しかし、活性汚泥は十分な養分を含有する状態であるため、微生物の増殖が活発であるが、冷却塔等の循環水には増殖に十分な養分を含有していないため、微生物のみの処理では微生物が増殖せずに、結果として循環水の品質を維持することも改善することも困難である。そのため、好気性微生物及び酵素による処理は、好気性微生物と酵素をほぼ同時期に用いる必要がある。そうすることで、投入直後であっても酵素によって有機物を速やかに分解することになり、好気性微生物の増殖を促進することができる。
投入方法は、好気性微生物と酵素を同時に投入してもよく、また、別々に投入しても良いが、同時に投入した方が良い。また、好気性微生物の培養物を用いることで、好気性微生物と酵素を同時に用いることができる。
(好気性処理)
好気性処理とは、溶存酸素の存在のもとに、さまざまな好気性微生物が関与して、有機性物質、アンモニア性窒素、臭気などを酸化分解し、除去する方法のことである。
(開放系で水を循環する設備)
本発明に使用される開放系で水を循環する設備とは具体的に冷却塔(クーリングタワー)が挙げられ、水の蒸発熱等を利用して冷却する設備のことであり、例えば、工場のプラントで使用する循環水を冷却する設備、ビルやデパート等のクーラー等に用いる循環水を冷却する設備等である。また、循環水自体にファンを使って外気を直接接触させて蒸発させて冷却するタイプ(開放式)や、ファンで冷却される水と循環水とが分離していて、熱交換器等で熱交換して冷却するタイプ(密閉式)等がある。本発明で単に循環水として記載するものは、ファン等で冷却された循環水であり、外気と接触している循環水を指し示す。
また、冷却塔と同様に開放系で水を循環する設備としては、公園、広場等にある噴水等の設備、遊技場、エンターテイメント施設等にある池、水路、アトラクション用プール状設備等の設備を例示することができる。
(好気性微生物、好気性菌)
本発明における好気性微生物としては、通気培養で増殖しうるものであればバクテリア、カビ、酵母等どのような微生物でも使用することができる。また、これら微生物は混合菌として用いてもよい。これら微生物の内でも、増殖速度が速く、菌体外酵素、特に有機物の分解酵素を多量に生産する微生物が好ましく、かかる微生物として、例えば枯草菌(Bacillus subtilis)、ズーグレア等の活性汚泥菌、原水に油分が多い場合は油分解菌、原水に難分解性物質が多い場合は種々の難分解性物質分解菌等を例示することができる。また、以下のように分類して例示することもできる。
好気性微生物として、
大腸菌等の大腸菌属、アクロモバクター属、アルカリゲネス属、シュードモナス属等のグラム陰性菌、
枯草菌等のバチルス属、乳酸菌等の乳酸桿菌属、連鎖球菌属、ブドウ球菌属、ロイコノストック属、ベディオコッカス属等のグラム陽性菌、
サッカロミセス属等の酵母菌、
麹菌等
を例示することができる。
さらに商品名として、ミタゲンシリーズ(ミタゲンB、ミタゲンアンサー等)(東和酵素株式会社製)、サナシリーズ(株式会社サナ社製)、オーレス(株式会社松本微生物研究所製)、ハイポルカ(四国化成工業株式会社製)、ビーナス(日産化学工業株式会社製)、MCシリーズ(星光PMC株式会社製)、活性クリーンチーム(旭化成クリーン化学株式会社製)、エルビック(日の出産業株式会社製)等を例示することができる。
なお、好気性菌は好気性微生物と同義として用いることができる。
(酵素)
本発明において酵素とは、循環水中の有機物を分解できる有機物分解性酵素をいい、好ましくはアミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等を挙げることができる。それらの酵素の1種又は2種以上を使用することができる。
これらの酵素は天然植物を本発明で使用する好気性微生物で醗酵させて得られるものでもあるため、好気性微生物の培養物をそのまま用いてもよい。また、他の微生物の培養物由来のものであってもよく、あるいは植物等から抽出したものでもよいが、単離・精製したものである必要はなく混合物でよい。
(好気性微生物の培養物)
好気性微生物の培養物は、天然植物を好気性微生物で醗酵させて得られるものである。天然植物としては、例えば、もろこし粉、小麦粉、ふすま、大豆かす、米ぬか等の穀類又は穀類から得られるものを用いることができる。また、醗酵させる場合においては、リン酸二水素アンモニウム等のリン酸塩や炭酸カルシウム等の無機塩を添加することができる。
培養方法は特に限定されるものではないが、培養タンクで培養する方がよい。
好気性微生物の培養物に含まれる菌体数は、本発明の優れた効果を得る上では多いほど好ましいが、通常1×10〜2×1011個/g、好ましくは1×10〜2×1011個/g、より好ましくは1×10〜2×1011個/gである。好気性微生物として枯草菌を使用する場合には培養することによって菌体数10個/g以上の培養物を得ることができる。また培養物にはアミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等の有機物分解性酵素を培養物中に例えばα−アミラーゼであれば1000μg/g〜8000μg/g、プロテアーゼであれば500μg/g〜4000μg/gを含んでいる。
(培養タンク)
本発明において用いられる培養タンクは、好気性微生物を培養しうるものであれば通気回分式、通気連続式、通気半連続式等どのようなものでもよいが、好気性微生物を連続的に培養することができる通気連続培養方式の培養タンクが望ましい。該通気連続培養方式の培養タンクは、処理施設の送気配管より分岐した通気管及び曝気ブロアーや水中曝気レーターを備えており、この他曝気量が調節可能な通気装置や、細かい気泡で全面曝気ができ、通気量に見合ったディフィーザー、散気管等の散気装置が設けられている。また、必要に応じて、通気撹拌装置を備えた培養タンクとすることもできる。
(酵素・微生物製剤)
本発明では、好気性微生物と酵素を含む製剤を用いることができる。
前記の好気性微生物と前記の酵素を含んでいればよく、天然植物を好気性微生物で醗酵させて得られる培養物をそのまま用いる場合、該培養物は微生物と各種酵素を共に含むことから、酵素・微生物製剤ということができ、好ましく用いることができる。または、市販品の酵素・微生物製剤を用いることもできる。
例えば「ミタゲン」(登録商標:東和酵素株式会社製)を好ましくあげることができる。ミタゲンは穀類等の天然植物を枯草菌で発酵させた乾燥粉粒を主体とした1g中に10億個以上の好気性菌と培養過程で生産された諸酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)が配合されている製剤である。
(実施形態)
好気性微生物又は好気性微生物の培養物の投入量は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限されない。好気性微生物の個数としては循環水1m当たり、1×1010〜1×1013個、好ましくは、1×1011〜5×1012個である。
酵素の投入量は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限されない。酵素の投入量は、循環水1m当たり、0.1〜100gが好ましく、0.5〜10gがより好ましい。また酵素と好気性微生物又は好気性微生物の培養物との合計量で、冷却塔1基当たり1kg以上が好ましく、3kgから10kgがより好ましい。
循環水に好気性微生物や酵素等を添加する方法は特に制限されない。例えば、循環水中、または処理槽内に一定量の好気性微生物等を定期的に直接添加する方法や、循環水が循環する経路(循環水系)に薬剤添加部を設け、そこから好気性微生物等の一定量を添加する方法等が挙げられる。添加の頻度は、好ましくは3ヶ月に1回以上、より好ましくは1ヶ月に1回以上である。
投入方法は、好気性微生物と酵素を同時に投入してもよく、また、別々に投入しても良いが、同時に投入した方が良い。また、好気性微生物の培養物や酵素・微生物製剤を用いる場合は、好気性微生物と酵素を同時に用いることができる。
例えば、クーリングタワー等の冷却塔の循環水を溜めている設備に、循環水4000mに対して、例えばミタゲン等の酵素・微生物製剤を5〜20kgを約1ヶ月に1回投入する。冷却塔が稼動していれば、循環水が循環し、それにより該製剤を攪拌および拡散することができる。
本発明は、必要に応じて他の薬剤を投入することができる。他の製剤としては次亜塩素酸ナトリウム等の防藻剤を投入することができる。他の製剤が次亜塩素酸ナトリウムのように殺菌性を有している場合は、その濃度を0.0001〜0.3ppmに制御した方が好ましい。
本発明の処理方法により、冷却塔等の設備の循環水のBOD、透明性等を良好に維持することができ、一般的な処理方法である次亜塩素酸ナトリウムのみによる処理方法よりも透明性が向上する。
また本発明の処理方法により、循環水中における微生物の除去、生育の抑制、または発生の防止をすることができる。この対象微生物は特に限定されないが、顕著な効果としては、藻の除去、生育の抑制または発生の防止に、本発明の処理方法を使用することができる。前記の藻としては、毒性を有する藍藻類であるアオコ類、より具体的にはミクロキスティス属の藻を対象とすることが好ましい。
また、レジオネラ属細菌の除去、生育の抑制または発生の防止に、本発明の処理方法を使用することも好ましい。レジオネラ属細菌は、冷却塔で繁殖し空気中に飛散することで人間に感染し重篤な肺炎を引き起こすことがあるため問題となっている。レジオネラ属細菌はその他の微生物が繁殖しスライム等が多く発生する条件で特に繁殖しやすいが、本発明の処理方法によりこのような条件になることを予防することができる。
さらに、本発明の処理方法により、循環水が流通する装置の配管における閉塞を防止すること、汚泥の蓄積量を減少させること、また循環水水面における発泡やスカムの発生を抑制することができる。
特に、冷却塔の循環水においては激しい攪拌が行われるため発泡しやすく、微生物成分等の影響で気泡が容易に消滅せず残留することが多い。また気泡の影響により、循環水表面にスカムが発生することも多い。気泡が多量に残留すると、循環ポンプでエア噛みが生じ、正常に作動しなくなるおそれもある。本発明の処理方法によれば、これらの気泡による悪影響を防止することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
また、以下の測定値は以下の通りの方法で測定した。
SS値(浮遊物質量):昭和40年環境庁告示第59号付表8に記載の方法に従って測定した。
BOD(生物化学的酸素要求量):JIS K 0102に準拠して測定した。
COD(化学的酸素要求量):JIS K 0102に準拠して測定した。
透視度:JIS K 0102に準拠して測定した。
[実施例1]
次亜塩素酸ナトリウム溶液(5L/h)及び固形塩素剤(トリクロロイソシアヌル酸含有)を用いて大型の冷却塔(約2000mの循環水)を維持管理した。その間1ヶ月毎に冷却塔の循環水をサンプリングし、COD、BODおよび透視度を測定した。その結果を第1表に示す(分析月:2013年4月および5月 比較例に相当)。またサンプリング時には循環水の表面等の状態についても観察した。
続いて、第1表の5月分のサンプリング後、ミタゲンアンサー(東和酵素株式会社製)10kgを、冷却塔下部の処理槽に投入した。約半月経過した後の分析結果を第1表の「6月前半」に示す(実施例に相当)。ミタゲンアンサーは上述した穀類等の天然植物を枯草菌で発酵させた乾燥粉粒を主体とした1g中に10億個以上の好気性菌と培養過程で生産された諸酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)が配合されている酵素・微生物製剤である。
さらに第1表の6月前半分のサンプリング後、次亜塩素酸ナトリウム溶液 5L/h及び固形塩素剤(トリクロロイソシアヌル酸含有)を投入した。その約半月経過した後の分析結果を第1表の「6月後半」に示す。
第1表の結果から、ミタゲンアンサーを入れることでCODおよびBODが低下し、次亜塩素酸ナトリウム溶液を再度投入すると、透視度が悪化することが判明した。これは、ミタゲンアンサーによって水質が改善するが、次亜塩素酸ナトリウムによって微生物等を死滅させ、それによって水質が悪くなったものと考えられる。
また、ミタゲンアンサーを投入する前は、循環水が発泡し、表面がほぼ泡で覆われる状態であったのに対し、ミタゲンアンサー投入開始後には、わずかな泡が見られる程度に変化した。
[実施例2]
実施例1の後、冷却塔の水を入れ替え、また、冷却塔の底部にある汚泥を廃棄した。続いて、循環水を冷却塔に入れ、ミタゲンアンサー(東和酵素株式会社製)15kgを投入した。その1ヶ月後に10kg、2ヶ月後に6kg投入した。最初に投入した時点、1、2および3ヵ月後の循環水の分析を行ない、SS、COD、BODおよび透視度を測定した。その結果を第2表に示す。またサンプリング時に循環水の表面等の状態を観察した。
第2表の結果から、水質の悪化が見られなかったことが判明した。この結果から、気温の上昇する夏場においてもミタゲンアンサーによって水質が維持されたことが判明した。また表面に関しても、わずかな泡が見られる程度の状態が維持された。
[実施例3]
実施例2の後、ミタゲンアンサーを1ヶ月に1度、6kg投入した。各投入前に循環水の分析を行ない、SS、COD、BODおよび透視度を測定した。その結果を第3表に示す。またサンプリング時に循環水の表面等の状態について観察した。
第3表の結果から、ミタゲンアンサーを投入している間は水質の悪化が見られなかったことが判明した。また表面に関しても、わずかな泡が見られる程度の状態が維持された。
[汚泥の状況]
2012年(ミタゲンアンサー未使用時)、2013年(ミタゲンアンサーを中間の一ヶ月のみ使用、実施例1の後)および2014年(ミタゲンアンサー使用時、実施例3の後)の各7月初旬に、上記冷却塔の水を抜き、冷却塔の底部にある汚泥を廃棄、清掃して新たに循環水を入れた。これらの際に、一定体積を残して水を上部から抜いた時点で冷却塔底部の状況を写真撮影した。これらにつき同じ冷却塔の底部の状況を図1〜3に比較して示す。図1(2012年)および図2(2013年)は上澄水を抜き汚泥のみ残した状況を示す。図3(実施例3の後)は図1および図2と同じ体積を残して上澄水を抜いた状況を示す。図3では、図1および図2と異なり汚泥の上に上澄水が残っていること、すなわち汚泥の目視量がミタゲンアンサー未使用時よりも少ないことがわかった。
また図3に示した汚泥は、ミタゲンアンサー未使用時よりも流動性が高く、回収・清掃が楽であった。以上から、ミタゲンアンサー使用時には、未使用時に比較して、汚泥が量的のみならず質的にも異なると思われる。
[配管内の状況]
2013年および2014年における上記の冷却塔清掃と同時に、同じ冷却塔の配管内部を検査した。その結果、2013年においては管壁のほぼ全面にスライムが付着していたのに対し、2014年においてはスライムの付着はほとんどなかった。

Claims (10)

  1. 開放系で水を循環する設備において、好気性微生物及び酵素を用いることを特徴とする循環水の好気性処理方法。
  2. 好気性微生物及び酵素を同時に添加することを特徴とする請求項1記載の循環水の好気性処理方法。
  3. 好気性微生物を培養して得られる培養物を用いることを特徴とする請求項2記載の好気性処理方法。
  4. 好気性微生物と酵素を含む製剤を用いることを特徴とする請求項2記載の好気性処理方法。
  5. 好気性微生物が枯草菌であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の好気性処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法を含む、循環水中における微生物の除去、生育の抑制、または発生の防止をする方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法を含む、循環水中の透明性を維持する方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法を含む、循環水が流通する装置の配管閉塞を防止する方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法を含む、汚泥の蓄積量を減少させる方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法を含む、循環水水面の発泡及び/またはスカムの発生を抑制する方法。
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