JP2015130570A - 伝送システムおよび方法、並びに受信器 - Google Patents

伝送システムおよび方法、並びに受信器 Download PDF

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Abstract

【課題】RF信号が誘電体導波路を伝送している最中に生じるノイズの影響や、複数の誘電体導波路を近距離に配置した場合のクロストークの影響を除去する。
【解決手段】送信器Txが、入力されたデジタル信号からなる送信データ信号TSを差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号TPおよびN相(逆相)送信信号TNを生成して、それぞれ対応する誘電体導波路LP,LNへ出力し、受信器Rxが、送信器Txから誘電体導波路LP,LNを介して伝送されたP相(正相)受信信号RPおよびN相(逆相)受信信号RNを受信して、元の送信データ信号TSを示すデジタル信号からなる受信データ信号RSを復調して出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、伝送技術に関し、特に誘電体導波路を伝送媒体とし、デジタルデータ信号をRF信号に変調した後、誘電体導波路を介して送信器から受信器へ伝送する誘電体導波路伝送技術に関する。
従来、高速な信号伝送を行う手法として、誘電体導波路を伝送媒体として用いて、送信データ信号をRF信号に変調した後、誘電体導波路を介して送信器から受信器へ伝送する伝送システムが検討されている(非特許文献1)。
このような、誘電体導波路を伝送媒体とした伝送システムでは、金属配線を伝送媒体とした伝送システムに比べて、伝送信号の高周波帯域成分の信号損失が小さくできる点で優れており、光ファイバや光導波路を用いた光インターコネクション技術に必要なμmオーダーの微細な調心精度が不要のため、簡易な実装が可能な方式として期待されている。
S. Fukuda et al., "A 12.5 + 12.5 Gb/s Full-Duplex Plastic Waveguide Interconnect", IEEE International Solid-State Circuits Conference 2011, pp. 150-151
図12は、従来の伝送システムの構成を示すブロック図である。
このような従来技術では、図12に示すように、送信器において、入力されたデジタルの送信データ信号を単相のRF信号に変調した後、誘電体導波路を用いて信号伝送を行い、受信器において、誘電体導波路を介して受信したRF信号を単相入力のローノイズアンプ(LNA)で増幅した後、復調器によって元の送信データ信号を示す受信データ信号に復調する。
このため、誘電体導波路を信号が伝送する最中に生じるノイズの影響を低減することが困難という問題があった。また、複数の誘電体導波路を実装する際に、導波路間の距離が近いほど、導波路間で大きな干渉が生じるため、複数の誘電体導波路を高い密度で集積して実装することが難しいという課題があった。
例えば、図12で示すように、誘電体導波路を伝送している際に大きなノイズが生じた場合、すなわちノイズレベルに比べて受信する信号の強度が小さい場合、受信器によって受信信号から元の差動ベースバンド信号に復調する際、論理が切り替わるタイミングのタイミングエラー(timing err)や論理状態エラー(logic error)が生じる。
また、従来技術では、受信器にバンドパスフィルタ(BPF)を搭載することによって、信号伝送に用いる周波数帯以外のノイズ成分を低減する対策も考えられるが、このような対策では、伝送信号に用いる周波数帯と同周波数帯に生じたノイズ成分を除去することができないという課題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、RF信号が誘電体導波路を伝送している最中に生じるノイズの影響や、複数の誘電体導波路を近距離に配置した場合のクロストークの影響を除去できる誘電体導波路伝送技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる伝送システムは、入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす誘電体導波路のそれぞれへ出力する送信器と、前記誘電体導波路のそれぞれからP相(正相)受信信号およびN相(逆相)受信信号を受信し、その差動成分を復調することにより、元の送信データを示す受信データ信号を出力する受信器とを備えている。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記受信器が、前記誘電体導波路のそれぞれから受信した前記P相受信信号と前記N相受信信号との間のスキューを除去して出力するスキュー調整回路と、前記スキュー調整回路から出力された前記P相受信信号と前記N相受信信号の差動成分を示す受信RF信号を出力するローノイズアンプと、前記ローノイズアンプから出力された前記受信RF信号を復調して前記受信データ信号を出力する復調器とを備えている。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記スキュー調整回路が、前記P相受信信号および前記N相受信信号ごとに、入力されたRF信号に対して当該RF信号の動作周波数の周期長以下の遅延を与える第1の可変遅延回路と、入力されたRF信号に対して当該RF信号の動作周波数の周期長の整数倍の遅延を与える第2の可変遅延回路との直列接続を設け、これらP相受信信号およびN相受信信号のうちいずれか先に到着した一方を前記直列接続で遅延させることにより、前記スキューを調整するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記スキュー調整回路が、前記ローノイズアンプから出力される前記受信RF信号のピーク振幅電圧、または、前記復調器から出力される前記受信データ信号のピーク振幅値を検出し、当該ピーク振幅電圧が最大となるように、前記第1の可変遅延回路の遅延量をフィードバック制御する第1の遅延制御回路を備えている。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記スキュー調整回路が、前記復調器から出力される前記受信データ信号から検出したデューティが特定の値となるように、あるいは、前記ローノイズアンプから出力される前記受信RF信号の立ち上がりまたは立ち下がりの時間、または、前記受信RF信号のジッタ量が最小となるように、前記第2の可変遅延回路の遅延量をフィードバック制御する第2の遅延制御回路を備えている。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記スキュー調整回路が、前記第1の可変遅延回路により前記RF信号の動作周波数の周期長以下の遅延を与えることにより前記スキューを調整した後、前記第2の可変遅延回路により当該RF信号の動作周波数の周期長の整数倍の遅延を与えることにより前記スキューを調整するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記P相受信信号または前記N相受信信号のいずれか一方に、これらP相受信信号とN相受信信号との間の許容遅延差より大きい固定時間長の遅延を与え、前記P相受信信号または前記N相受信信号のいずれか他方を前記直列接続で遅延させることにより、前記スキューを調整するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記伝送システムの一構成例は、前記P相送信信号およびN相送信信号のうち、一方が前記送信データ信号を変調して得られたRF信号からなり、他方が一定電位を示す信号からなるものである。
また、本発明にかかる伝送方法は、送信器が、入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす誘電体導波路のそれぞれへ出力する送信ステップと、受信器が、前記誘電体導波路のそれぞれからP相(正相)受信信号およびN相(逆相)受信信号を受信し、その差動成分を復調することにより、元の送信データを示す受信データ信号を出力する受信ステップとを備えている。
また、本発明にかかる受信器は、送信器が、入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす伝送路のそれぞれへ出力する伝送システムで用いられる受信器であって、前記伝送路のそれぞれから受信した前記P相受信信号および前記N相受信信号のスキューを除去して出力するスキュー調整回路と、前記スキュー調整回路から出力された前記P相受信信号と前記N相受信信号の差動成分を示す受信RF信号を出力するローノイズアンプと、前記ローノイズアンプから出力された前記受信RF信号を復調して前記受信データ信号を出力する復調器とを備えている。
本発明によれば、受信器において、2つの誘電体導波路から受信した差動のP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分に基づいて受信データ信号が生成される。したがって、これら誘電体導波路を伝搬中のRF信号に生じるノイズの影響を除去することができ、受信感度や伝送距離を向上させることが可能となる。
また、伝送するRF信号と同周波数帯のクロストークによる影響もノイズ同様に除去することができ、同じ周波数帯のRF信号を伝送する複数の誘電体導波路を高密度に集積することが可能となる。この際、異なる周波数帯を用いた周波数分割技術によってクロストークの影響を除去することも考えられるが、特に高い周波数帯を扱うトランシーバにおいては、周波数帯の異なるトランシーバの開発コストさらには回路コストが非常に大きくなる。本実施の形態によれば、このような周波数帯の異なるトランシーバが不要となるため、伝送システム全体の低コスト化を実現することが可能となる。
第1の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。 スキューの影響を示す信号波形図である。 第2の実施の形態にかかる受信器およびスキュー調整回路の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるスキュー調整回路の動作例を示す信号波形図である。 第2の実施の形態にかかる受信器およびスキュー調整回路の他の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるスキュー調整回路の他の動作例を示す信号波形図である。 第3の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。 第4の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。 第4の実施の形態にかかるスキュー調整回路の動作例を示す信号波形図である。 第5の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。 従来の伝送システムの構成を示すブロック図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる伝送システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
この伝送システム1は、誘電体導波路を伝送媒体とし、入力された送信データ信号をRF信号に変調した後、誘電体導波路を介して送信器から受信器へ伝送する機能を有している。
本実施の形態にかかる伝送システム1は、対をなす誘電体導波路LP,LNを用いた差動伝送の構成を用いることで、送信信号が誘電体導波路LP,LNを伝送している最中に生じるノイズの影響や、これら誘電体導波路LP,LNを近距離に配置した場合のクロストークの影響を除去するようにしたものである。
図1に示すように、伝送システム1は、送信器Tx、受信器Rx、およびこれら送信器Txと受信器Rxとの間を接続する、対をなす誘電体導波路LP,LNとから構成されている。
送信器Txは、デジタル信号からなる送信データ信号TSから、差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号TPおよびN相(逆相)送信信号TNを生成して、それぞれ対応する誘電体導波路LP,LNへ出力する機能を有している。
この送信器Txには、主な機能部として、変調器11と増幅器(PA)12とが設けられている。
変調器11は、入力された送信データ信号TSを差動の送信RF信号に変調して出力する機能を有している。
増幅器12は、変調器11から出力された差動の送信RF信号をそれぞれ増幅し、得られたP相送信信号TPおよびN相送信信号TNを、それぞれ対応する誘電体導波路LP,LNへ出力する機能を有している。これらP相送信信号TPおよびN相送信信号TNは、動作周波数および変調形式が同一で、極性が反転したRF信号からなる。
受信器Rxは、送信器Txから誘電体導波路LP,LNを介して伝送されたP相(正相)受信信号RPおよびN相(逆相)受信信号RNを受信して、元の送信データ信号TSを示すデジタル信号からなる受信データ信号RSを復調して出力する機能を有している。
この受信器Rxには、主な機能部として、ローノイズアンプ(LNA)21と復調器22とが設けられている。
ローノイズアンプ21は、誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分を増幅し、差動の受信RF信号21P,21Nとして出力する機能を有している。
復調器22は、ローノイズアンプ21から出力された受信RF信号21P,21Nを復調し、得られた受信データ信号RSを出力する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる伝送システム1の動作について説明する。
まず、送信器Txは、変調器11により、入力された送信データ信号TSを差動の送信RF信号に変調して出力し、増幅器12により、変調器11から出力された差動の送信RF信号をそれぞれ増幅し、得られたP相送信信号TPおよびN相送信信号TNを、それぞれ対応する誘電体導波路LP,LNへ出力する。
受信器Rxは、ローノイズアンプ21により、誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分を増幅し、差動の受信RF信号21P,21Nとして出力し、復調器22により、ローノイズアンプ21から出力された受信RF信号21P,21Nを復調し、得られた受信データ信号RSを出力する。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、送信器Txが、入力されたデジタル信号からなる送信データ信号TSを差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号TPおよびN相(逆相)送信信号TNを生成して、それぞれ対応する誘電体導波路LP,LNへ出力し、受信器Rxが、送信器Txから誘電体導波路LP,LNを介して伝送されたP相(正相)受信信号RPおよびN相(逆相)受信信号RNを受信して、元の送信データ信号TSを示すデジタル信号からなる受信データ信号RSを復調して出力するようにしたものである。
これにより、受信器Rxにおいて、誘電体導波路LP,LNから受信した差動のP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分に基づいて受信データ信号RSが生成される。したがって、誘電体導波路LP,LNを伝搬中のRF信号に生じるノイズの影響を除去することができ、受信感度や伝送距離を向上させることが可能となる。
また、伝送するRF信号と同周波数帯のクロストークによる影響もノイズ同様に除去することができ、同じ周波数帯のRF信号を伝送する複数の誘電体導波路を高密度に集積することが可能となる。この際、異なる周波数帯を用いた周波数分割技術によってクロストークの影響を除去することも考えられるが、特に高い周波数帯を扱うトランシーバにおいては、周波数帯の異なるトランシーバの開発コストさらには回路コストが非常に大きくなる。本実施の形態によれば、このような周波数帯の異なるトランシーバが不要となるため、伝送システム1全体の低コスト化を実現することが可能となる。
なお、本実施の形態では、送信器Txの変調器11および増幅器12について、入出力とも差動構成にした場合を例として説明したが、送信器Txから差動のP相送信信号TPおよびN相送信信号TNが出力される構成であれば、これに限るものではない。
また、本実施の形態では、受信器Rxのローノイズアンプ21および復調器22について、入出力とも差動構成にした場合を例として説明したが、受信器Rxで差動のP相受信信号RPおよびN相受信信号RNを受信される構成であれば、これに限るものではない。
また、本実施の形態では、送信データ信号TSが差動デジタル信号からなる場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、単相デジタル信号からなる送信データ信号TSを入力として、送信器Txから差動のP相送信信号TPおよびN相送信信号TNを出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、受信データ信号RSが差動デジタル信号からなる場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、単相デジタル信号からなる受信データ信号RSを、受信器Rxで生成して出力するようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる伝送システム1について説明する。図2は、第2の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、図2に示すように、受信器Rxにスキュー調整回路23が設けられている点が、第1の実施の形態と異なる。
伝送システム1において、送信器Txと受信器Rxとを接続する2本の誘電体導波路LP,LNは、送信器Txと受信器Rxとの間の距離が遠くなるほど、誘電体導波路LP,LNを完全な等長とすることは難しい。このように、誘電体導波路LP,LNが完全な等長でない場合、これら誘電体導波路LP,LNを個別に伝送する2つのRF信号間にスキューが発生するため、これら誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分が変化する。
図3は、スキューの影響を示す信号波形図である。
図3に示すように、周期長Tからなる動作周波数を持つP相受信信号RPおよびN相受信信号RNに、1/3周期長(=T/3)のスキューが生じた場合、スキューなしの場合に得られる差動成分RDの振幅電圧Vppに比べて、得られる差動成分RDの振幅電圧は半分(=Vpp/2)となり、1/2周期長(=T/2)のスキューが生じる、差動成分RDの信号振幅はゼロ(Vpp=0)となる。
一般的に、差動RF信号を用いた信号伝送を行う場合、これら差動RF信号としてデータレートよりも高い動作周波数帯を用いるため、正確なスキュー調整回路が必要となる。また、2つのRF信号間に生じるスキューの量は、これらRF信号がそれぞれ個別に伝送される2つの誘電体導波路の経路長の差によって決まる。このため、誘電体導波路を用いた差動伝送を想定した場合、金属配線を用いてNRZ信号を差動伝送する場合と同程度の可変範囲を持ち、かつ、より高精度のスキュー調整が必要となる。
図4は、第2の実施の形態にかかる受信器およびスキュー調整回路の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施の形態にかかる受信器Rxで用いられるスキュー調整回路23には、主な回路部として、高精度可変遅延回路(第1の可変遅延回路)23AP,23ANと、離散可変遅延回路(第2の可変遅延回路)23BP,23BNとが設けられている。
高精度可変遅延回路23APは、誘電体導波路LPから受信したRF信号からなるP相受信信号RPに対して、RF信号の動作周波数の周期長T以下の遅延を与え、得られたP相受信信号RP1を出力する高精度な可変遅延回路である。
高精度可変遅延回路23ANは、誘電体導波路LNから受信したRF信号からなるN相受信信号RNに対して、RF信号の動作周波数の周期長T以下の遅延を与え、得られたN相受信信号RN1を出力する高精度な可変遅延回路である。
離散可変遅延回路23BPは、高精度可変遅延回路23APから出力されたP相受信信号RP1に対して、RF信号の動作周波数の周期長Tを単位として、指定された整数n倍の周期長T×n遅延を与えた後、P相受信信号RP2としてローノイズアンプ21へ出力する離散遅延回路である。
離散可変遅延回路23BNは、高精度可変遅延回路23ANから出力されたN相受信信号RN1に対して、RF信号の動作周波数の周期長Tを単位として、指定された整数n倍の周期長T×n遅延を与えた後、N相受信信号RN2としてローノイズアンプ21へ出力する離散遅延回路である。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるスキュー調整回路23の動作について説明する。図5は、第2の実施の形態にかかるスキュー調整回路の動作例を示す信号波形図である。
ここでは、N相受信信号RNに対してP相受信信号RPが遅延する方向に発生した、RF信号の周期長Tの2倍と周期長Tより小さいΔTAとからなるスキュー(=2T+ΔTA)を、先行するN相受信信号RNに対して高精度可変遅延回路23ANおよび離散可変遅延回路23BNで遅延を与えることによりスキューを調整する場合を例として説明する。この際、高精度可変遅延回路23APと離散可変遅延回路23BPの遅延はゼロである。
まず、高精度可変遅延回路23ANは、誘電体導波路LNから受信したN相受信信号RNに対して周期長Tより小さいΔTA分の高精度可変遅延を与え、N相受信信号RN1として出力する。ΔTAについては、例えば、N相受信信号RNの正側ピークのタイミングとP相受信信号RPの負側ピークのタイミングとのタイミング差に基づき検出すればよい。
次に、離散可変遅延回路23BNは、高精度可変遅延回路23ANから出力されたN相受信信号RN1に対して、周期長Tの2倍の時間長を持つ2T分の離散可変遅延を与え、N相受信信号RN2として出力する。2Tについては、例えば、N相受信信号RN1の先頭タイミングとP相受信信号RP1の先頭タイミングとタイミング差に基づき検出すればよい。
これにより、離散可変遅延回路23BPから出力されるP相受信信号RP2に対して、キューがゼロのN相受信信号RN2を、離散可変遅延回路23BNで得ることができる。
また、離散可変遅延回路23BP,23BNの遅延量が厳密に周期長Tの整数倍ではない場合、離散可変遅延回路23BP,23BNによるスキュー調整後の両信号に僅かなスキューが残る。
このような場合、離散可変遅延回路23BP,23BNの後段に、高精度可変遅延回路23CP,23CNをそれぞれ直列接続し、離散可変遅延回路23BP,23BNによるスキュー調整後、これら高精度可変遅延回路23CP,23CNで高精度可変遅延を与えるようにしてもよい。
図6は、第2の実施の形態にかかる受信器およびスキュー調整回路の他の構成を示すブロック図である。図7は、第2の実施の形態にかかるスキュー調整回路の他の動作例を示す信号波形図である。
図6において、離散可変遅延回路23BP,23BNの後段に、高精度可変遅延回路23CP,23CNがそれぞれ設けられている。
これにより、図7に示すように、離散可変遅延回路23BNにより、2T分の離散可変遅延が与えられたN相受信信号RN2に対して、離散可変遅延回路23BNの後段の高精度可変遅延回路23CNにより、周期長Tより小さいΔTB分の高精度可変遅延が与えられて、P相受信信号RPおよびN相受信信号RNを得ることができる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、受信器Rxに、誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNとの間に発生したスキューを調整するスキュー調整回路23を設けるとともに、このスキュー調整回路23を、直列接続した高精度可変遅延回路23APおよび離散可変遅延回路23BPと、直列接続した高精度可変遅延回路23ANおよび離散可変遅延回路23BNから構成し、高精度可変遅延回路23APおよび離散可変遅延回路23BPで、P相受信信号RPに対してRF信号の周期長Tより小さい高精度遅延と、周期長Tの整数倍の離散遅延とをそれぞれ個別に与えるとともに、高精度可変遅延回路23ANおよび離散可変遅延回路23BNで、N相受信信号RNに対してRF信号の周期長Tより小さい高精度遅延と、周期長Tの整数倍の離散遅延とをそれぞれ個別に与えるようにしたものである。
これにより、P相受信信号RPとN相受信信号RNとの間に発生したスキューが、周期長Tより小さい高精度遅延と周期長Tの整数倍の離散遅延とに分解されてそれぞれ調整されるため、それぞれの遅延量に応じた高精度可変遅延回路23AP,23ANおよび離散可変遅延回路23BP,23BNで、効率よく高い精度でスキューを調整することができる。
また、本実施の形態において、離散可変遅延回路23BP,23BNの後段に高精度可変遅延回路23CP,23CNを設けて、周期長Tの整数倍の離散遅延を与えた後、さらに周期長Tより小さい高精度可変遅延を与えるようにしてもよい。これにより、離散遅延後に残った僅かなスキューを微調整することができ、極めて高い精度でスキューを調整することが可能となる。
また、本実施の形態では、高精度可変遅延回路23AP,23ANによる調整後、離散可変遅延回路23BP,23BNを調整し、場合によってはその後、高精度可変遅延回路23CP,23CNを再調整するスキュー調整フローを示したが、P信号の負側ピークのタイミングとN側信号の正側ピークのタイミングのずれが小さい場合(P信号とN信号の差動信号の振幅電圧がローノイズアンプ21および復調器22の受信感度よりも大きい場合)、離散可変遅延回路23BP,23BNによって、およそのスキュー調整を行った後に、高精度可変遅延回路23AP,23ANによるスキュー調整フローも可能である。
また、本実施の形態では、高精度可変遅延回路23AP,23AN→離散可変遅延回路23BP,23BNの順に配置した場合を例として説明したが、配置順序についてはこれに限定されるものではなく、離散可変遅延回路23BP,23BN→高精度可変遅延回路23AP,23ANの順に配置することも可能である。
また、本実施の形態では、P相受信信号RPおよびN相受信信号RNのそれぞれに対応して、高精度可変遅延回路23AP,23ANおよび離散可変遅延回路23BP,23BNを設けた場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、誘電体導波路LP,LNの線路長のうち、いずれか一方が固定的に常に長い場合には、高精度可変遅延回路23AP,23ANおよび離散可変遅延回路23BP,23BNのうち、線路長が長い誘電体導波路に対応する一方の高精度可変遅延回路(23AP,23AN)と離散可変遅延回路(23BP,23BN)の組を削除して、線路長が短い誘電体導波路に対応する一方の高精度可変遅延回路(23AP,23AN)と離散可変遅延回路(23BP,23BN)の組だけでスキュー調整回路23を構成してもよい。
[第3の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる伝送システム1について説明する。図8は、第3の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、スキュー調整回路23において、P相受信信号RPまたはN相受信信号RNのいずれか一方に、これらP相受信信号RPとN相受信信号RNとの間の許容遅延差より大きい固定時間長TL分の遅延を与え、P相受信信号RPまたはN相受信信号RNのいずれか他方を、高精度可変遅延回路(23AP,23AN)と離散可変遅延回路(23BP,23BN)の直列接続で遅延させることにより、スキューを調整する点が、第2の実施の形態と異なる。
すなわち、本実施の形態において、スキュー調整回路23には、P相受信信号RPに対応して、第2の実施の形態と同様に高精度可変遅延回路23APと離散可変遅延回路23BPの直列接続が設けられており、N相受信信号RNに対しては、高精度可変遅延回路23ANと離散可変遅延回路23BNの接続回路に代えて、固定遅延回路23Dが設けられている。
固定遅延回路23Dは、N相受信信号RNに対して、P相受信信号RPとN相受信信号RNとの間の許容遅延差より大きい固定時間長TLの遅延を与えた後、N相受信信号RN2としてローノイズアンプ21へ出力する固定遅延回路である。
これにより、見かけ上、N相受信信号RNより先にP相受信信号RPが受信器Rxで受信される状態、すなわちN相受信信号RNがP相受信信号RPに対して遅延している状態を常に作り出すことができる。このため、スキュー調整回路23において、P相受信信号RPに対して遅延を与える高精度可変遅延回路23APと離散可変遅延回路23BPの直列接続だけで、P相受信信号RPおよびN相受信信号RNのスキューを除去することができ、スキュー調整回路23さらには受信器Rxの回路規模を簡素化することが可能となる。
また、本実施の形態では、第2の実施の形態のうち、高精度可変遅延回路23ANと離散可変遅延回路23BNの接続回路に代えて、固定遅延回路23Dを設けた場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2の実施の形態のうち、高精度可変遅延回路23APと離散可変遅延回路23BPの直列接続に代えて、固定遅延回路23Dを設けてもよい。
これにより、見かけ上、P相受信信号RPより先にN相受信信号RNが受信器Rxで受信される状態、すなわちP相受信信号RPがN相受信信号RNに対して遅延している状態を常に作り出すことができ、前述と同様に、スキュー調整回路23さらには受信器Rxの回路規模を簡素化することが可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる伝送システム1について説明する。図9は、第4の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、図9に示すように、受信器Rxに遅延制御回路30を設けて、ローノイズアンプ21から差動出力される受信RF信号21P,21Nの振幅情報、および復調器22から差動出力される受信データ信号RSのデューティ情報に基づき、スキュー調整回路23をフィードバック制御することによりスキューを自動する点が、第2の実施の形態と異なる。
本実施の形態において、遅延制御回路30には、高精度遅延制御回路(第1の遅延制御回路)31と、離散遅延制御回路(第2の遅延制御回路)32とが設けられている。
高精度遅延制御回路31は、ローノイズアンプ21から差動出力される受信RF信号21P,21Nの振幅情報を検出し、その検出結果に基づき高精度可変遅延回路23AP,23ANの遅延量を調整する機能を有している。
離散遅延制御回路32は、復調器22から差動出力される受信データ信号RSのデューティ情報を検出し、その検出結果に基づき離散可変遅延回路23BP,23BNの遅延量を調整する機能を有している。
図10は、第4の実施の形態にかかるスキュー調整回路の動作例を示す信号波形図である。
図10に示すように、誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNの間のスキューが、動作周波数の周期長Tの整数倍である場合、これらP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分RDのピーク振幅電圧は最大となり、ローノイズアンプ21から出力される受信RF信号21P,21Nのピーク振幅電圧も最大となる。
よって、高精度遅延制御回路31において、ローノイズアンプ21から出力される受信RF信号21P,21Nのピーク振幅電圧を検出し、このピーク振幅電圧が最大になるように高精度可変遅延回路23AP,23ANの遅延量をフィードバック制御することで、P相受信信号RPとN相受信信号RNの位相を揃えることができる。
また、図10に示すように、誘電体導波路LP,LNから受信したP相受信信号RPとN相受信信号RNの先頭タイミングがずれている場合、これらP相受信信号RPとN相受信信号RNの差動成分RDの振幅持続時間Ddは、P相受信信号RPの振幅持続時間Dpと異なる。これにより、復調器22で復調された受信データ信号RSは、送信データ信号TSと立ち上がりや立ち下がりでタイミングずれが生じるため、送信器Txに入力された送信データ信号TSとデューティ(パルス幅)が変化する。
よって、離散遅延制御回路32において、復調器22から出力される受信データ信号RSのデューティ比が、所望の値、例えば送信データ信号TSのデューティ比と等しい値となるよう、あるいは受信データ信号RSが誤判定されにくいデューティ比50%となるように、離散可変遅延回路23BP,23BNの遅延量をフィードバック制御することで、P相受信信号RPとN相受信信号RNの先頭タイミングを揃えることができる。
したがって、本実施の形態によれば、高精度遅延制御回路31により、ローノイズアンプ21から差動出力される受信RF信号21P,21Nのピーク振幅情報をフィードバックした高精度可変遅延制御が実施され、離散遅延制御回路32により、復調器22から差動出力される受信データ信号RSのデューティ情報をフィードバックした離散可変遅延制御が実施されることになる。
これにより、P相受信信号RPとN相受信信号RNに対するスキュー調整を自動化することが可能となる。
この際、図3に示したように、動作周波数の1/2周期長(=T/2)のスキューが生じて、差動成分RDの信号振幅電圧、さらには復調器22から出力される受信データ信号RSの振幅電圧がゼロ(Vpp=0)となるため、離散遅延制御回路32による離散可変遅延制御ができなくなる場合がある。また、この受信データ信号RSの振幅電圧がゼロとなる状態は、1/2周期長のスキューに周期長Tの整数倍のスキューが加えられた状態でも同様に発生するため、周期長Tの整数倍でスキュー調整する離散可変遅延制御により、この状態から脱出することはできない。
このため、本実施の形態において、高精度遅延制御回路31によりP相受信信号RPとN相受信信号RNの位相を揃えた後、この位相同期完了に基づいて高精度遅延制御回路31から離散遅延制御回路32に出力された位相同期完了信号30Sに応じて、離散遅延制御回路32によりP相受信信号RPとN相受信信号RNの先頭タイミングを揃えるようにしてもよい。
これにより、離散遅延制御回路32により離散可変遅延制御を行う場合には、必ずスキューが周期長Tの整数倍となるため、離散遅延制御回路32による離散可変遅延制御が実施可能な状態とすることができ、安定したスキュー調整を実現することが可能となる。この際、スキュー調整制御の順序が規定されるだけで、高精度可変遅延回路23AP,23ANと離散可変遅延回路23BP,23BNの配置順序については限定されるものではない。
また、本実施の形態では、ローノイズアンプ21から出力される受信RF信号21P,21Nのピーク振幅情報を高精度可変遅延回路23AP,23ANにフィードバックする場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、復調器22において包絡線検波方式等を用いた場合、入力される受信RF信号21P,21Nのピーク振幅電圧が大きい程、復調後の受信データ信号RSのピーク振幅電圧も大きくなる。このため、復調器22から出力される受信データ信号RSのピーク振幅情報を検出して、高精度可変遅延回路23AP,23ANにフィードバックすることによって、P相受信信号RPとN相受信信号RNの位相を揃える方法も可能である。
また、本実施の形態では、復調器22から出力される受信データ信号RSのデューティを離散可変遅延回路23BP,23BNにフィードバックする場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示した差動成分RDは、高精度可変遅延制御後、ピーク振幅電圧が最大となる前にそれより小さな(およそ半分)振幅電圧が出力されるため、復調器22から出力される受信データ信号RSの立ち上がりや立ち下がりの時間が大きくなる。このため、これら立ち上がりや立ち下がりの時間を検出して、これらが最小になるように離散可変遅延回路23BP,23BNにフィードバックすることによって、P相受信信号RPとN相受信信号RNの先頭タイミングを揃える方法も可能である。
また、復調器22から出力される受信データ信号RSの立ち上がりや立ち下がりの時間が増加したり、デューティが変動することによって、受信データ信号RSのジッタ量が大きくなることも考えられる。このため、受信データ信号RSのジッタ量を検出し、このジッタ量が最小になるように離散可変遅延回路23BP,23BNにフィードバックすることによって、P相受信信号RPとN相受信信号RNの先頭タイミングを揃える方法も可能である。
なお、前述した立ち上がり/立ち下がりの時間やジッタ量を離散可変遅延回路23BP,23BNにフィードバックする方法について、送信器Txに入力される送信データ信号TSのデューティ情報が分からない場合にも利用可能であるという利点がある。
また、図10では、ASK変調された相受信信号RPおよびN相受信信号RNを例としてスキュー調整回路23の動作を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、復調器22から出力される受信データ信号RSが、High状態かLow状態かの2電位を判定する形式の信号、例えばNRZ形式やRZ形式の信号であればよい。
[第5の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる伝送システム1について説明する。図11は、第5の実施の形態にかかる伝送システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、図11に示すように、送信器Txから出力されるP相送信信号TPおよびN相送信信号TNのうち、P相送信信号TPのみが振幅電圧を有するRF信号となっており、N相送信信号TNはグラウンド(接地電位)に接続した振幅電圧ゼロの信号である点が、第1および第2の実施の形態と異なる。
N相送信信号TNに振幅電圧ゼロの基準信号を送信することで、N側の受信信号として誘電体導波路伝送中に生じるノイズやクロストークの影響のみが伝搬される。2つの誘電体導波路LP,LNが等長配線されている場合、P相送信信号TPとN相送信信号TNとの差分を取ると、誘電体導波路LP,LNを伝搬中に生じたノイズやクロストークの影響が除去されたP相受信信号RPを取り出すことが可能となり、それを基に受信データ信号RSを復調することができる。
また、2つの誘電体導波路LP,LNが等長配線されていない場合、受信器Rxに備わるスキュー調整回路23によって、P相受信信号RPとN相受信信号RNのそれぞれに生じるノイズの先頭タイミングまたはピーク振幅電圧のタイミングを揃えることで、ローノイズアンプ21による差動増幅された受信RF信号21P,21Nにおいてノイズ除去効果を最大化できる。なお、P相受信信号RPとN相受信信号RNのそれぞれに生じるノイズの先頭タイミングやピーク振幅電圧にほとんどスキューが発生しない場合、スキュー調整回路23を省いて、P相送信信号TPとN相送信信号TNとをローノイズアンプ21へ直接入力してもよい。
また、本実施の形態では、N相送信信号TNとしてグラウンドに接続した振幅電圧ゼロ信号を用いた例を示したが、振幅電圧がゼロの一定電位であれば、いずれの電位であってもよい。また、本実施の形態では、P相送信信号TPに振幅電圧を有するRF信号を用い、N相送信信号TNに振幅電圧ゼロの信号を用いた例を示したが、P相送信信号TPに振幅電圧ゼロの信号を用い、N相送信信号TNに振幅電圧を有するRF信号を用いてもよい。また、本実施の形態では、伝送媒体として誘電体導波路LP,LNを用いた場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、金属配線などの他の伝送媒体を用いた伝送システムにも適用できる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1…伝送システム、Tx…送信器、11…変調器、12…増幅器(PA)、Rx…受信器、RS…受信データ信号、21…ローノイズアンプ(LNA)、21P,21N…受信RF信号、22…復調器、23…スキュー調整回路、23AP,23AN…高精度可変遅延回路(第1の可変遅延回路)、23BP,23BN…離散可変遅延回路(第2の可変遅延回路)、23CP,23CN…高精度可変遅延回路、30…遅延制御回路、30S…位相同期完了信号、31…高精度遅延制御回路(第1の遅延制御回路)、32…離散遅延制御回路(第2の遅延制御回路)、LP,LN…誘電体導波路、TS…送信データ信号、RS…受信データ信号、TP…P相送信信号、TN…N相送信信号、RP,RP1,RP2…P相受信信号、RN,RN1,RN2,RN3…N相受信信号、RD…差動成分。

Claims (10)

  1. 入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす誘電体導波路のそれぞれへ出力する送信器と、
    前記誘電体導波路のそれぞれからP相(正相)受信信号およびN相(逆相)受信信号を受信し、その差動成分を復調することにより受信データ信号を出力する受信器と
    を備えることを特徴とする伝送システム。
  2. 請求項1に記載の伝送システムにおいて、
    前記受信器は、
    前記誘電体導波路のそれぞれから受信した前記P相受信信号と前記N相受信信号との間のスキューを除去して出力するスキュー調整回路と、
    前記スキュー調整回路から出力された前記P相受信信号と前記N相受信信号の差動成分を示す受信RF信号を出力するローノイズアンプと、
    前記ローノイズアンプから出力された前記受信RF信号を復調して前記受信データ信号を出力する復調器と
    を備えることを特徴とする伝送システム。
  3. 請求項2に記載の伝送システムにおいて、
    前記スキュー調整回路は、前記P相受信信号および前記N相受信信号ごとに、入力されたRF信号に対して当該RF信号の動作周波数の周期長以下の遅延を与える第1の可変遅延回路と、入力されたRF信号に対して当該RF信号の動作周波数の周期長の整数倍の遅延を与える第2の可変遅延回路との直列接続を設け、これらP相受信信号およびN相受信信号のうちいずれか先に到着した一方を前記直列接続で遅延させることにより、前記スキューを調整することを特徴とする伝送システム。
  4. 請求項3に記載の伝送システムにおいて、
    前記スキュー調整回路は、前記ローノイズアンプから出力される前記受信RF信号のピーク振幅電圧、または、前記復調器から出力される前記受信データ信号のピーク振幅値を検出し、当該ピーク振幅電圧が最大となるように、前記第1の可変遅延回路の遅延量をフィードバック制御する第1の遅延制御回路を備えることを特徴とする伝送システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の伝送システムにおいて、
    前記スキュー調整回路は、前記復調器から出力される前記受信データ信号から検出したデューティが特定の値となるように、あるいは、前記ローノイズアンプから出力される前記受信RF信号の立ち上がりまたは立ち下がりの時間、または、前記受信RF信号のジッタ量が最小となるように、前記第2の可変遅延回路の遅延量をフィードバック制御する第2の遅延制御回路を備えることを特徴とする伝送システム。
  6. 請求項3〜請求項5に記載の伝送システムにおいて、
    前記スキュー調整回路は、前記第1の可変遅延回路により前記RF信号の動作周波数の周期長以下の遅延を与えることにより前記スキューを調整した後、前記第2の可変遅延回路により当該RF信号の動作周波数の周期長の整数倍の遅延を与えることにより前記スキューを調整することを特徴とする伝送システム。
  7. 請求項3〜請求項6に記載の伝送システムにおいて、
    前記スキュー調整回路は、前記P相受信信号または前記N相受信信号のいずれか一方に、これらP相受信信号とN相受信信号との間の許容遅延差より大きい固定時間長の遅延を与え、前記P相受信信号または前記N相受信信号のいずれか他方を前記直列接続で遅延させることにより、前記スキューを調整することを特徴とする伝送システム。
  8. 請求項1または請求項2に記載の伝送システムにおいて、
    前記P相送信信号およびN相送信信号のうち、一方が前記送信データ信号を変調して得られたRF信号からなり、他方が一定電位を示す信号からなることを特徴とする伝送システム。
  9. 送信器が、入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす誘電体導波路のそれぞれへ出力する送信ステップと、
    受信器が、前記誘電体導波路のそれぞれからP相(正相)受信信号およびN相(逆相)受信信号を受信し、その差動成分を復調することにより受信データ信号を出力する受信ステップと
    を備えることを特徴とする伝送方法。
  10. 送信器が、入力された送信データ信号を変調して差動のRF信号からなるP相(正相)送信信号とN相(逆相)送信信号を生成し、対をなす伝送路のそれぞれへ出力する伝送システムで用いられる受信器であって、
    前記伝送路のそれぞれから受信した前記P相受信信号および前記N相受信信号のスキューを除去して出力するスキュー調整回路と、
    前記スキュー調整回路から出力された前記P相受信信号と前記N相受信信号の差動成分を示す受信RF信号を出力するローノイズアンプと、
    前記ローノイズアンプから出力された前記受信RF信号を復調して受信データ信号を出力する復調器と
    を備えることを特徴とする受信器。
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