JP2015130466A5 - 半導体装置及びその作製方法 - Google Patents
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Description
はじめに、試料A6に含まれるトランジスタの作製工程について説明する。本実施例では図2を参照して説明する。
以上の工程により、トランジスタを有する試料A6を作製した。
次に、試料A7及び試料A6に含まれるトランジスタの初期特性としてVg−Id特性を測定した。ここでは、基板温度を25℃とし、ソース−ドレイン間の電位差(以下、ドレイン電圧という。)を1V、10Vとし、ソース−ゲート電極間の電位差(以下、ゲート電圧という。)を−15V以上+20V以下まで変化させたときのソース−ドレイン間に流れる電流(以下、ドレイン電流という。)の変化特性、すなわちVg−Id特性を測定した。
図22に、それぞれの試料に含まれるトランジスタのVg−Id特性を示す。図22に示す各グラフにおいて、横軸はゲート電圧Vg、縦軸はドレイン電流Idを表す。また、実線はそれぞれ、ドレイン電圧Vdが1V、10VのときのVg−Id特性であり、破線はドレイン電圧Vdを10Vとしたときのゲート電圧に対する電界効果移動度を表す。なお、当該電界効果移動度は各試料の飽和領域での結果である。
図22(B)に示す試料A7と比較して、図22(A)に示す試料A6において、良好なスイッチング特性が得られていることが分かる。
試料A7に含まれるトランジスタは、第2のIGZO膜のみがゲート絶縁膜17と酸化物絶縁膜23との間に設けられている。このため、チャネル領域は第2のIGZO膜に形成される。第2のIGZO膜及び酸化物絶縁膜23の界面において一対の電極に含まれる金属元素、ここでは銅が付着すると、該領域において電子トラップ準位が形成される。即ち、チャネル領域近傍に電子トラップ準位が形成される。このため、チャネル領域を流れるキャリア、例えば電子が、電子トラップ準位に捕獲されてしまい、図22(B)に示すように、トランジスタのオン電流が低下してしまう。また、ゲート絶縁膜17及び第2のIGZO膜の界面に銅が移動することにより、ゲート絶縁膜17及び第2のIGZO膜の界面に電子とラップ準位が形成される。この結果、トランジスタのS値が悪化している。
一方、試料A6に含まれるトランジスタは、チャネル領域となる第2のIGZO膜上に第3のIGZO膜が設けられているため、さらには第2のIGZO膜が第1のIGZO膜及び第3のIGZO膜で挟持されている。また、第3のIGZO膜及び酸化物絶縁膜23の界面において、電子トラップ準位が形成される。このため、チャネル領域と電子トラップ準位が形成される領域との間が広がり、チャネル領域を流れるキャリア、例えば電子が電子トラップ準位に捕獲されにくくなる。この結果、試料A6で作製されたトランジスタは、図22(A)に示すように、優れた電気特性を有する。
Claims (12)
- ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向した結晶部を有することを特徴とする半導体装置。 - ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、第1の膜と、前記第1の膜上の第2の膜とを有し、
前記第2の膜は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向した結晶部を有することを特徴とする半導体装置。 - ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、第1の膜と、前記第1の膜上の第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、Tiを有し、
前記第2の膜は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜のInとGaとZnの原子数比は、InよりもGaが大きく、且つ、GaよりもZnが大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向した結晶部を有することを特徴とする半導体装置。 - ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、第1の膜と、前記第1の膜上の第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、Tiを有し、
前記第2の膜は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜のInとGaとZnの原子数比は、InよりもGaが大きく、且つ、GaよりもZnが大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向した結晶部を有し、
前記第1の酸化物膜は、前記第2の酸化物膜よりもCuの濃度が低い第1の領域を有し、
前記第1の領域のCuの濃度は、1×10 18 atomic/cm 3 未満であることを特徴とする半導体装置。 - ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、第1の膜と、前記第1の膜上の第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、Tiを有し、
前記第2の膜は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜のInとGaとZnの原子数比は、InよりもGaが大きく、且つ、GaよりもZnが大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向していることを特徴とする半導体装置。 - ゲート電極と、
前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上の、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜と、
前記第1の酸化物膜上の、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜と、
前記第2の酸化物膜上の、ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極上及び前記ドレイン電極上の絶縁膜と、を有し、
前記絶縁膜は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で、前記第2の酸化物膜と接する領域を有し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の各々は、第1の膜と、前記第1の膜上の第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、Tiを有し、
前記第2の膜は、Cuを有し、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜のInとGaとZnの原子数比は、InよりもGaが大きく、且つ、GaよりもZnが大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向しており、
前記第1の酸化物膜は、前記第2の酸化物膜よりもCuの濃度が低い第1の領域を有し、
前記第1の領域のCuの濃度は、1×10 18 atomic/cm 3 未満であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項3乃至請求項6のいずれか一において、
前記第2の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーは、前記第1の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーよりも真空準位に近く、
前記第2の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーと、前記第1の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーとの差は、0.05eV以上2eV以下であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記第1の酸化物膜のInとGaとZnとの原子数比は、1:1:1のプラスマイナス20%の範囲内であり、
前記第2の酸化物膜のInとGaとZnとの原子数比は、1:3:6のプラスマイナス20%の範囲内であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
前記第2の酸化物膜の膜厚は10nm以上であることを特徴とする半導体装置。 - 基板上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に、InとGaとZnとを有する第1の酸化物膜を形成し、
前記第1の酸化物膜上に、InとGaとZnとを有する第2の酸化物膜を形成し、
前記第2の酸化物膜を形成した後、第1の加熱処理を行い、
前記第1の加熱処理後、前記第2の酸化物膜上に、Cuを有する一対の電極を形成し、
前記一対の電極上に、酸化物絶縁膜を形成し、
前記酸化物絶縁膜を形成後、第2の加熱処理を行い、
前記第2の酸化物膜のInに対するGaの原子数比は、前記第1の酸化物膜のInに対するGaの原子数比よりも大きく、
前記第2の酸化物膜は、非単結晶構造を有し、且つ、c軸配向した結晶部を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項10において、
前記酸化物絶縁膜は、酸化シリコン膜と、前記酸化シリコン膜上の酸化窒化シリコン膜とを有することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項10または請求項11において、
前記第2の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーは、前記第1の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーよりも真空準位に近く、
前記第2の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーと、前記第1の酸化物膜の伝導帯の下端のエネルギーとの差は0.05eV以上2eV以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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