JP2015128138A - 半導体装置 - Google Patents

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秀幸 加藤
Hideyuki Kato
秀幸 加藤
石川 純
Jun Ishikawa
純 石川
大二朗 野田
Daijiro Noda
大二朗 野田
英樹 浅倉
Hideki Asakura
英樹 浅倉
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Abstract

【課題】半導体モジュールと冷却器とを密着させて半導体モジュールを安定して放熱することができる半導体装置を提供する。【解決手段】端子台70,71に六角ナット81が回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれている。バスバー21,22は、可撓性を有し、締結前の状態において端子台70,71のナット取付面76との間に隙間77を有する。端子台70,71において、半導体モジュール40,41,42の端子44,45とバスバー21,22とが六角ボルト80および六角ナット81で取り付けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置に関するものである。
特許文献1において冷却器の上に半導体モジュール、ばね部材、ばね部材支持具が順に配置され、ばね部材により半導体モジュールと冷却器を押圧するとともに端子台により半導体モジュールの端子とコンデンサ端子とを締結する技術が開示されている。
特開2012−195559号公報
ところで、図18に示すように、半導体モジュール300の端子301は片側配置になっている。そして、端子台302において端子301とバスバー306を重ねた状態でボルト303を端子台302に埋設したナット304に螺入することにより端子301とバスバー306を締結して半導体モジュール300とコンデンサアッシィ305とを電気的に接続する。この際、各部品の公差に起因して、端子301の下面とバスバー306の上面との間の寸法ΔHにばらつきが生じることがある。そして、図18に示したごとく寸法的に端子台302(バスバー306)側が低いと、図18に示す状態から、ボルト303をナット304に螺入することにより端子台302で半導体モジュール300の端子301とバスバー306を締結すると次のようになる。図19に示すように、半導体モジュール300の端子台302側が下に引っ張られる。そのため、ボルト303のねじ部を力点として冷却器308における端子301側の半導体モジュール300との接触点を支点として半導体モジュール300の反対側(信号端子307側)にモーメントが作用する。このモーメントにより半導体モジュール300の反対側(信号端子307側)において持ち上がる力、即ち、半導体モジュール300と冷却器308を引き離す方向に力が発生する。一方、図20に示すように寸法的に端子台302(バスバー306)側が高いと、端子301が端子台302(バスバー306)に乗り上げてしまい、ボルト303をナット304に螺入することにより図21に示すように半導体モジュール300と冷却器308を引き離す方向に力が発生する。
このようにして、半導体モジュール300の端子301の下面とバスバー306の上面との間の寸法ΔHのばらつきにより半導体モジュール300と冷却器308を引き離す方向に力が発生してしまい、半導体モジュール300を安定して放熱することができない懸念がある。
本発明の目的は、半導体モジュールと冷却器とを密着させて半導体モジュールを安定して放熱することができる半導体装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明では、一方側に端子を有する半導体モジュールと、前記半導体モジュールに接する状態で配置される冷却器と、前記半導体モジュールを前記冷却器に押圧するための押圧部材と、前記半導体モジュールの端子とバスバーとをボルトおよびナットで取り付ける端子台と、を備え、前記端子台に前記ナットが回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれており、前記バスバーは、可撓性を有し、締結前の状態において前記端子台のナット取付面との間または前記ナットのフランジ部との間に隙間を有することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、冷却器に対し一方側に端子を有する半導体モジュールが接する状態で配置され、押圧部材により半導体モジュールが冷却器に押圧される。端子台において、半導体モジュールの端子とバスバーとがボルトおよびナットで取り付けられる。
ここで、ナットが端子台に回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれているとともにバスバーは可撓性を有し、締結前の状態において端子台のナット取付面との間またはナットのフランジ部との間に隙間を有する。よって、端子とバスバーとの間に公差によるばらつきがあった場合、ボルトとナットにより半導体モジュールの端子とバスバーとを締結する際に、バスバーにおける端子台のナット取付面との間またはナットのフランジ部との間の隙間を利用してナットが回り止めされた状態で移動して半導体モジュールが冷却器と密着する状態で締結されるようにバスバーが変形する。これにより半導体モジュールと冷却器とを密着させて半導体モジュールを安定して放熱することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置において、前記冷却器の両面に、それぞれ、前記半導体モジュールおよび前記押圧部材が配置されているとともに、前記冷却器の両面の前記半導体モジュールに共通の前記端子台を有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、冷却器の両面にそれぞれ半導体モジュールを配置した場合において半導体モジュールと冷却器とを密着させて半導体モジュールを安定して放熱することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の半導体装置において、取付用フレーム部材を有し、前記取付用フレーム部材に前記冷却器、前記半導体モジュール、前記押圧部材および前記端子台が取り付けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、組付性に優れたものとなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記隙間を確保するように前記バスバーが前記端子台に位置決めされることを要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、締結前の状態において隙間を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記半導体モジュールの端子より前記バスバーが薄いことを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、半導体モジュールの端子よりバスバーが薄いので、バスバーが容易に変形できる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記バスバーは、前記押圧する方向に延びる延設部を有し、2箇所に屈曲部を有することを要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、バスバーは押圧する方向に延びる延設部を有し、2箇所に屈曲部を有するので、バスバーが容易に変形できる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の半導体装置において、前記バスバーにおける前記2箇所に屈曲部を有する部位はコ字状をなすことを要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、バスバーにおける2箇所に屈曲部を有する部位はコ字状をなすので、バスバーが容易に変形できる。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記バスバーは、屈曲部に折り返し部を有することを要旨とする。
請求項8に記載の発明によれば、バスバーは屈曲部に折り返し部を有するので、バスバーが容易に変形できる。
本発明によれば、半導体モジュールと冷却器とを密着させて半導体モジュールを安定して放熱することができる。
(a)は第1の実施形態における半導体装置の平面図、(b)は半導体装置の側面図、(c)は半導体装置の正面図。 半導体装置の分解斜視図。 半導体装置の一部断面図。 半導体装置の一部断面図。 (a)は端子台の平面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。 (a),(b)は半導体装置の一部断面図。 (a),(b)は半導体装置の一部断面図。 変形例のバスバーを示す側面図。 変形例のバスバーを示す側面図。 第2の実施形態における半導体装置の側面図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための斜視図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための斜視図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための斜視図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための斜視図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための斜視図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための一部破断図。 第2の実施形態の半導体装置を説明するための一部破断図。 課題を説明するための半導体装置の側面図。 課題を説明するための半導体装置の側面図。 課題を説明するための半導体装置の側面図。 課題を説明するための半導体装置の側面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
図1,2に示すように、半導体装置(インバータ)10は、コンデンサアッシィ20と、冷却器30と、3つの半導体モジュール40,41,42と、押圧部材としての板ばね50と、ばね押えブラケット60と、半導体モジュール40,41,42毎の端子台70,71,72を備えている。コンデンサアッシィ20の上に冷却器30、半導体モジュール40,41,42、板ばね50、ばね押えブラケット60が順に配置されている。
コンデンサアッシィ20は上面が平坦な四角箱型をなし、内部にコンデンサ素子が内蔵されている。コンデンサアッシィ20の上に冷却器30が配置されている。コンデンサアッシィ20の四隅にはブラケット取付部23が形成され、各ブラケット取付部23にはねじ孔23aが形成されている。
冷却器30は、平面視において長方形状をなし、その長辺が水平方向でのX方向に延びるとともに短辺が水平方向でのY方向に延びている。冷却器30は、上下方向(Z方向)において薄く形成され、扁平型をなしている。冷却器30におけるX方向での両端部に冷却水入口パイプ31と冷却水出口パイプ32が取り付けられている。冷却器30の内部にはフィン部材が配置されており、このフィン部材によって冷媒流路が形成されている。
冷却器30の上面30aには、3個の半導体モジュール40,41,42が、冷却器30の長さ方向(X方向)に並べて配置される。
半導体モジュール40には、U相における上アーム構成用パワートランジスタと下アーム構成用パワートランジスタが内蔵されている。半導体モジュール41には、V相における上アーム構成用パワートランジスタと下アーム構成用パワートランジスタが内蔵されている。半導体モジュール42には、W相における上アーム構成用パワートランジスタと下アーム構成用パワートランジスタが内蔵されている。パワートランジスタは、MOSFETやIGBT等である。各半導体モジュール40,41,42において上アーム構成用パワートランジスタと下アーム構成用パワートランジスタとは直列に接続(結線)され、直列回路の一端(正極入力)と他端(負極入力)と両パワートランジスタ間(出力)が外部に接続されることになる。このように、本実施形態では半導体モジュール40,41,42は3相交流を生成するインバータ回路を形成している。
半導体モジュール40,41,42はトランスファモールドタイプのパワーモジュールであって、発熱する素子が樹脂モールドされている。各半導体モジュール40,41,42は、一方側に、水平方向に延びる端子44,45,46を有する。詳しくは、各半導体モジュール40,41,42は、板状の正極端子44と、板状の負極端子45と、板状の出力端子46を備えている。各端子44,45,46には図4に示すようにボルトが通る透孔48が形成されている。また、各半導体モジュール40,41,42は、制御信号用ピン47を備えている。制御信号用ピン47は、正極端子44、負極端子45および出力端子46が配設される半導体モジュール40,41,42の端部と対向する端部に配設されている。
これにより、半導体装置10では、電源ライン側の端子44,45,46が片方に集約配置される一方で、電源ライン側の端子と対向した状態で反対側の片方に制御信号用ピン47が集約配置されることになる。
図2に示すように、各半導体モジュール40,41,42の上部には、板ばね50が配置される。板ばね50は、ばね鋼板よりなり、全体形状として平面視においてX方向に延びている。板ばね50は、半導体モジュール40,41,42毎の本体部53a,53b,53cを有する。つまり、3つの本体部53a,53b,53cは、平面視においてX方向に並べて配置されている。各本体部53a,53b,53cは、水平な中央部51から両側部52が延び、両側部52は斜め下方に曲げて構成されている。両側部52は中央部51からY方向に延びている。
各本体部53a,53b,53cには、水平な連結部54,55,56,57が並設されている。各本体部53a,53b,53cは、板ばね50を半導体モジュール40,41,42の上部に配置した際に、各半導体モジュール40,41,42の中央部付近に押圧力を付与するように所定の間隔をあけて設けられている。
板ばね50の上部には、ばね押えブラケット60が配置される。ばね押えブラケット60は、アルミ等の金属製板材よりなる。ばね押えブラケット60は、平面視においてX方向に延びる長方形の板状をなす本体部61を有し、本体部61の四隅には斜め外方に突出する取付部62が形成されている。各取付部62には貫通孔62aが形成されている。ばね押えブラケット60は、コンデンサアッシィ20のブラケット取付部23のねじ孔23aに対しねじ90を螺入することによりばね押えブラケット60がコンデンサアッシィ20に締結固定される。
板ばね50は、ばね押えブラケット60がコンデンサアッシィ20に締結固定されることにより、上方から押し付けられ、変形させられる。これにより、各半導体モジュール40,41,42は、板ばね50における下方への付勢力によって下方に押し付けられることで、固定される。
詳しくは、板ばね50における半導体モジュール40,41,42毎の中央部51がばね押えブラケット60の下面と接触して半導体モジュール毎に厚さ方向への変形のための支点となる。また、板ばね50における両側部52が半導体モジュール40,41,42の上面と接触して半導体モジュール40,41,42を下方(Z方向)に押圧する。
ばね押えブラケット60の上面には複数の柱部63が形成され、複数の柱部63の上に制御用回路基板(図示略)が載置される。制御用回路基板を貫通するねじをばね押えブラケット60の柱部63に螺入することにより制御用回路基板がばね押えブラケット60に締結固定される。制御用回路基板は、各半導体モジュール40,41,42の制御信号用ピン47と電気的に接続される。
半導体装置10は、コンデンサアッシィ20の上に、冷却器30、3個の半導体モジュール40,41,42、板ばね50、ばね押えブラケット60、および制御用回路基板の順に積層するように組み付けられる。そして、冷却器30が半導体モジュール40,41,42に接する状態で配置され、押圧部材としての板ばね50により半導体モジュール40,41,42が冷却器30に押圧(圧接)された状態で固定される。また、冷却器30により各半導体モジュール40,41,42が冷却される。このとき、板ばね50で半導体モジュール40,41,42を冷却器30に押さえ付けることにより半導体モジュール40,41,42で発生した熱が冷却器30に伝わりやすい。
図2に示すように、四角箱型をなすコンデンサアッシィ20の上面には、半導体モジュール40,41,42毎の端子台70,71,72がX方向に並べて設けられている。図4,5に示すように、端子台70,71は、平面視において四角形をなし、上下に延びるように立設されている。
図3に示すように、コンデンサアッシィ20の側面から半導体モジュール40,41,42毎のバスバー21,22が延びている。バスバー21,22は帯板材よりなる。バスバー21,22はコ字状をなし、水平方向に延びる第1直線部25と、第1直線部25の先端において上方に延びる第2直線部26と、第2直線部26の上端から水平方向に延びる第3直線部27を有する。つまり、バスバー21,22は2箇所に90°屈曲部28,29を有する。
詳しくは、3つの正極用のバスバー21がコンデンサアッシィ20の側面から水平方向でのY方向に突出し、さらにその先端から上方(Z方向)に延び、さらにその上端から水平方向でのY方向に延びて端子台70の上面まで延設されている。同様に、3つの負極用のバスバー22がコンデンサアッシィ20の側面から水平方向でのY方向に突出し、さらにその先端から上方(Z方向)に延び、さらにその上端から水平方向でのY方向に延びて端子台71の上面まで延設されている。第3直線部27には図4に示すようにボルトが通る透孔27aが形成されている。
図5に示すように、四角柱状をなす端子台70,71には六角穴75が形成されている。六角穴75は端子台70,71の上面に開口し、六角穴75は所定の深さに形成されている。六角穴75の内部に六角ナット81が配置されている。六角ナット81の外形寸法よりも六角穴75の寸法が若干大きくなっている。これにより、端子台70,71に六角ナット81が回り止めされた状態で上下方向(Z方向)に移動可能に埋め込まれている。
半導体モジュール40,41,42の端子44,45よりバスバー21,22が薄い。具体的には、半導体モジュール40,41,42の正極端子44と負極端子45と出力端子46は、銅板よりなり、図4に示すように厚さt1が例えば0.64mm程度である。バスバー21,22は、銅板よりなり、厚さt2が例えば0.6mm程度である。つまり、従来、バスバーの厚さが厚い(例えば2.3mm程度)であったものを薄く(例えば0.6mm程度)にすることにより可撓性を有し、容易に変形できるようになっている。
図4に示すように、バスバー21,22は、締結前の状態において端子台70,71のナット取付面(上面)76との間に隙間(クリアランス)77を有する。
図1,2,3に示すように、端子台70の上面においてコンデンサアッシィ20から延びるバスバー21と半導体モジュール40,41,42の正極端子44とが重ねられた状態で配置され、六角ボルト80を六角ナット81に螺入することにより締結されている。同様に、端子台71の上面においてコンデンサアッシィ20から延びるバスバー22と半導体モジュール40,41,42の負極端子45とが重ねられた状態で配置され、六角ボルト80を六角ナット81に螺入することにより締結されている。つまり、端子台70,71により、半導体モジュール40,41,42の端子44,45とバスバー21,22とが六角ボルト80および六角ナット81で取り付けることができるようになっている。なお、半導体モジュール40,41,42の出力端子46は出力用導体と締結される。
図3,4に示すように、バスバー21,22は、板ばね50により半導体モジュール40,41,42を押圧する方向(Z方向)に延びる延設部としての第2直線部26を有する。
次に、このように構成した半導体装置10の作用を説明する。
半導体モジュール40,41,42の端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔH(図6(a)参照)にばらつきがある。より詳しくは、図3に示すように、半導体モジュール40,41,42の端子44,45の下面の位置については、コンデンサアッシィ20の上面を基準面として、冷却器30の高さ(厚さ)H1の公差、および、半導体モジュール40,41,42における下面から端子44,45の下面までの高さH2の公差で決まる。また、バスバー21,22の第3直線部27の上面の位置については、コンデンサアッシィ20の上面から第3直線部27の上面までの高さH3の公差で決まる。よって、これらH1の公差、H2の公差およびH3の公差により、半導体モジュール40,41,42の端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔH(図6(a)参照)にばらつきが生じる。
ここで、端子台70,71において、六角ナット81が回り止めされた状態で上下に移動可能に埋め込まれている。また、バスバー21,22は、可撓性を有し、締結前の状態において端子台70,71のナット取付面(上面)76との間に隙間(空隙)77を有する。つまり、コンデンサアッシィ20から延びるバスバー21,22の厚さt2が例えば0.6mm程度であり薄くなっており、容易に変形することができるようになっている。
そして、端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔHの公差によるばらつきで半導体モジュール40,41,42を押し上げる力、即ち、半導体モジュール40,41,42と冷却器30を引き離す方向に力が発生しようとする。この場合、六角ボルト80と六角ナット81により半導体モジュール40,41,42の端子44,45とバスバー21,22とを締結する際に半導体モジュール40,41,42が冷却器30と密着する状態で締結されるようにバスバー21,22が変形して半導体モジュール40,41,42が冷却器30の上面30aから浮きにくいようになる。
以下、詳しく説明する。
端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔHの公差によるばらつきがあり、図6(a)に示すごとく寸法的に端子台70,71(バスバー21,22)側が低い場合を考える。この場合、六角ボルト80と六角ナット81により端子台70,71で半導体モジュール40,41,42の端子44,45とバスバー21,22とを締結すると次のようになる。
図6(b)に示すように、バスバー21,22における端子台70,71のナット取付面(上面)76との間の隙間77を利用して六角ナット81が回り止めされた状態で移動して半導体モジュール40,41,42の端子44,45に近づくように(半導体モジュールが冷却器と密着する状態で締結されるように)バスバー21,22が上方に変形する。詳しくは、バスバー21,22の第2直線部26が自在に変形して第3直線部27が上方に移動する。これにより、半導体モジュール40,41,42の端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔHに端子台70,71(バスバー21,22)側が低くなるようなばらつきが発生しても半導体モジュール40,41,42が冷却器30の上面30aから浮くことが防止される。その結果、半導体モジュール40,41,42と冷却器30とが密着して半導体モジュール40,41,42が安定して放熱される。
特に、半導体モジュールの端子44,45よりバスバー21,22が薄いので、バスバー21,22の変形が容易となっている。さらに、バスバー21,22は押圧する方向に延びる延設部としての第2直線部26を有するとともに2箇所に屈曲部28,29を有するので、バスバー21,22が容易に変形することができる。さらには、バスバー21,22における2箇所に屈曲部28,29を有する部位はコ字状をなすので、バスバー21,22が容易に変形することができる。
一方、端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔHの公差によるばらつきがあり、図7(a)に示すように、寸法的に端子台70,71(バスバー21,22)側が高い場合を考える。この場合、半導体モジュール40,41,42の端子44,45が端子台70,71(バスバー21,22)に乗り上げようとするが、六角ボルト80と六角ナット81により端子台70,71で半導体モジュール40,41,42の端子44,45とバスバー21,22とを締結すると次のようになる。
図7(b)に示すように、バスバー21,22における端子台70,71のナット取付面(上面)76との間の隙間77を利用して六角ナット81が回り止めされた状態で移動して端子台70,71のナット取付面(上面)76に近づくように(半導体モジュールが冷却器と密着する状態で締結されるように)バスバー21,22が下方に変形する。詳しくは、バスバー21,22の第2直線部26が自在に変形して第3直線部27が下方に移動する。これにより、半導体モジュール40,41,42の端子44,45の下面とバスバー21,22の上面との間の寸法ΔHに端子台70,71(バスバー21,22)側が高くなるようなばらつきが発生しても半導体モジュール40,41,42が冷却器30の上面30aから浮くことが防止される。その結果、半導体モジュール40,41,42と冷却器30とが密着して半導体モジュール40,41,42が安定して放熱される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)端子台70,71に六角ナット81が回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれているとともに、バスバー21,22は、可撓性を有し、締結前の状態において端子台70,71のナット取付面76との間に隙間77を有する。これにより、端子44,45とバスバー21,22との間に公差によるばらつきがあっても端子44,45とバスバー21,22とを締結する際に半導体モジュール40,41,42が冷却器30と密着する状態で締結されるようにバスバー21,22が変形する。よって、半導体モジュール40,41,42と冷却器30とを密着させて半導体モジュール40,41,42を安定して放熱することができる。
(2)半導体モジュール40,41,42の端子44,45よりバスバー21,22が薄いので、バスバー21,22が容易に変形できる。
(3)バスバー21,22は、押圧する方向に延びる延設部としての第2直線部26を有し、2箇所に屈曲部28,29を有する。これによって、1つの屈曲部を有する場合よりもバスバー21,22が容易に変形できる。
(4)バスバー21,22における2箇所に屈曲部28,29を有する部位はコ字状をなす。これによって、バスバー21,22が容易に変形できる。
本実施形態の変形例を次に説明する。
・図8に示すように、バスバー21,22は、厚さが薄く(例えば銅板の厚さが0.6mm程度)であるとともに屈曲部29にU字状の折り返し部150を有する構成としてもよい。折り返し部150で積極的に変形させることができる。U字状の折り返し部150は水平方向において延びている。このように、バスバー21,22は、屈曲部に折り返し部150を有するので、バスバー21,22が容易に変形できる。なお、U字状の折り返し部は上下方向において延びていてもよい。
・六角ボルト80と六角ナット81を用いたが、四角ボルトや四角ナット等、ボルト・ナットはどのような形状のものを用いてもよい。
・バスバーは2箇所に屈曲部28,29を有し、かつ、コ字状をなしていたが、図9に示すように、バスバーは2箇所に屈曲部28,29を有し、かつ、クランク状をなしていてもよい。
・バスバーは真っ直ぐに延びていてもよい。
・コンデンサアッシィ20の正極用バスバーと半導体モジュールの正極端子とを繋ぐ場合、および、コンデンサアッシィ20の負極用バスバーと半導体モジュールの負極端子とを繋ぐ場合に適用したが、半導体モジュールの出力端子と出力用バスバーを繋ぐ場合に適用してもよい。
・コンデンサアッシィに限ることなく、半導体モジュールの端子とバスバーを繋ぐ場合において適用できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第2の実施形態では冷却器の上下両面に半導体モジュールが配置され、コンデンサは別途、半導体装置の側方に配置される。図10,15には半導体装置200の全体構成を示し、図10は、図15の斜視図におけるA矢視方向から半導体装置200を見ている。図11,12,13,14は組み付け工程における斜視図である。図13〜15において冷却器230の上面側と下面側とは同一形状をなしており、図10,14,15においては上側の正負バスバーアッシィ220は図示しているが下側の正負バスバーアッシィ221の図示は省略している。図16,17は、図10における要部を破断して示している。
ロアケース295の上で図16の左側にコンデンサが配置され、図16に示すように、コンデンサの端子296が、ロアケース295から突出する入力端子台297の上面に延びている。また、ロアケース295の上であって入力端子台297の右側に半導体装置200が配置されている。そして、ボルト283を入力端子台297に埋設したナット284に螺入することによりコンデンサの端子296とバスバー222の一端が連結される。また、バスバー222の他端が半導体モジュール240,241の端子245と接続される。
図16に示すように、半導体装置200は、取付用フレーム部材としてのセンターブラケット210と、正負バスバーアッシィ220,221と、冷却器230と、半導体モジュール240,241と、押圧部材としての板ばね250,251と、ばね押えブラケット260,261と、モジュール端子台270を備えている。センターブラケット210に冷却器230、半導体モジュール240,241、板ばね250,251、ばね押えブラケット260,261、モジュール端子台270が取り付けられている。また、センターブラケット210の上に水冷式の冷却器230が配置され、冷却器230の上面側に半導体モジュール240、板ばね250、ばね押えブラケット260が配置されているとともに、冷却器230の下面側に半導体モジュール241、板ばね251、ばね押えブラケット261が配置されている。モジュール端子台270は、冷却器230の両面の半導体モジュール240,241に共通の端子台となっている。
図2の半導体モジュール40,41,42と同様に3つの半導体モジュール240により第1のインバータが構成されているとともに、3つの半導体モジュール241により第2のインバータが構成されている。3つの半導体モジュール240のうちの第1の半導体モジュールにおいては、U相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。3つの半導体モジュール240のうちの第2の半導体モジュールにおいては、V相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。3つの半導体モジュール240のうちの第3の半導体モジュールにおいては、W相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。3つの半導体モジュール241のうちの第1の半導体モジュールにおいては、U相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。3つの半導体モジュール241のうちの第2の半導体モジュールにおいては、V相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。3つの半導体モジュール241のうちの第3の半導体モジュールにおいては、W相における上アーム構成用IGBT、この上アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオード、下アーム構成用IGBT、この下アーム構成用IGBTに並列接続されるダイオードが樹脂モールドされている。
図11に示すように、センターブラケット210は、全体として長方形の四角枠状をなしている。詳しくは、平行な一対の長辺部210a,210bと、平行な一対の短辺部210c,210dを有する。センターブラケット210は、樹脂よりなる。そして、四角枠状のセンターブラケット210の上側に冷却器230が配置される。このとき、冷却器230の鍔部230a(図12参照)がセンターブラケット210の長辺部210a,210bの上面に接触する。
また、図11に示すように、センターブラケット210は、平行な一対の長辺部210a,210bを架設するように冷却器変形防止用梁210e,210fが形成されている。詳しくは、一対の長辺部210a,210bにおける下面には冷却器変形防止用梁210e,210fが等間隔に、かつ、短辺部210c,210dと平行で半導体モジュール241の配置に支障のない位置に形成されている。このように、センターブラケット210での四角枠部における枠内において2本の梁210e,210fが形成され、2本の梁210e,210fがばね荷重による冷却器230の変形を防止する梁として機能する。
長方形の四角枠状をなすセンターブラケット210における四隅部には、金属製カラーC1が埋設され、金属製カラーC1の内面に、ボルトが螺入されるねじ穴211が形成されている。
図12に示すように、冷却器230は平面視が長方形をなし、上下に薄く形成され、入口パイプ232から冷却水が導入されて出口パイプ233から排出される。
図10に示すように、冷却器230の上面に3つの半導体モジュール240がシリコーングリースを介して配置されるとともに冷却器230の下面に3つの半導体モジュール241がシリコーングリースを介して配置される。半導体モジュール240は板ばね250により冷却器230に押圧される。半導体モジュール241は板ばね251により冷却器230に押圧される。板ばね250および板ばね251は図2の板ばね50と同様な構成をなしている。
板ばね250を押えるばね押えブラケット260がセンターブラケット210に締結されている。即ち、ねじ280が、ばね押えブラケット260の四隅の脚部に設けた貫通孔および冷却器230に設けた貫通孔231(図12参照)を通してセンターブラケット210のねじ穴211(図11参照)に螺入されることにより、センターブラケット210に対しばね押えブラケット260および冷却器230が共締めされている。
ここで、センターブラケット210の上面に板ばね250およびばね押えブラケット260を配置して、ねじ280でばね押えブラケット260をセンターブラケット210に締結した状態においては板ばね250によるばね荷重が冷却器230に加わる。このとき、図11の冷却器変形防止用梁210e,210fによりばね荷重による冷却器230の変形を防止することができる。
また、図10において板ばね251を押えるばね押えブラケット261がセンターブラケット210に締結されている。即ち、ねじ281が、ばね押えブラケット261の四隅の脚部に設けた貫通孔を通してセンターブラケット210のねじ穴に螺入されることにより、センターブラケット210に対しばね押えブラケット261が固定されている。このように、ばね押えブラケット260,261および冷却器230はセンターブラケット210に、ねじ280,281により締結固定される。なお、ばね押えブラケット260の上面には制御基板が取り付けられるとともに、ばね押えブラケット261の下面には制御基板が取り付けられる。
図13に示すように、センターブラケット210とモジュール端子台270とは別体であり、ねじ282をモジュール端子台270に設けた貫通孔を通してセンターブラケット210のねじ穴212(図11参照)に螺入することによりセンターブラケット210にモジュール端子台270が固定されている。図11のねじ穴212はセンターブラケット210に埋設した金属製カラーC2の内面に形成されている。これにより、長方形の四角枠状をなすセンターブラケット210における一方の長辺部210bには共通のモジュール端子台270が連結されている。図13のモジュール端子台270は、本体部271と、本体部271から延びる2つの平板部272を有する。取付用の平板部272は水平方向に延びている。平板部272には貫通孔273が形成されている。
図14に示すように、正負バスバーアッシィ220,221は、正負のバスバー222が樹脂223によりモールドされることにより構成されており、バスバー222の両端部が樹脂223から露出している。正負バスバーアッシィ220,221においては樹脂223の一側面から半導体モジュール240と接続用の複数のバスバー222が突出しているとともに樹脂223の他側面からコンデンサと接続用のバスバー222が突出している。モールド樹脂223の下面には突起224(図10参照)が形成されている。
図16に示すように、正負バスバーアッシィ220,221の突起224がモジュール端子台270の貫通孔273に嵌入されている。これによりモジュール端子台270に正負バスバーアッシィ220,221が位置決めされた状態で固定されている。
図16に示すように、正負バスバーアッシィ220における半導体モジュール240と接続用のバスバー222は、水平部222aと、水平部222aの先端から上方に延びる立設部222bと、立設部222bの上端から水平方向に延びる水平部222cを有する。同様に、正負バスバーアッシィ221における半導体モジュール241と接続用のバスバー222は、水平部222aと、水平部222aの先端から下方に延びる立設部222bと、立設部222bの下端から水平方向に延びる水平部222cを有する。正負バスバーアッシィ220および正負バスバーアッシィ221における水平部222cにはボルトが通る貫通孔が形成されている。
図16に示すように、モジュール端子台270の本体部271の上面には、フランジ付ナット290が入る凹部274が形成されている。また、モジュール端子台270の本体部271の下面には、フランジ付ナット291が入る凹部275が形成されている。そして、凹部274,275にフランジ付ナット290,291が軽く圧入された状態から、ボルト285を、半導体モジュール240の端子245に形成された貫通孔およびバスバー222に形成された貫通孔を通してフランジ付ナット290に螺入することにより、半導体モジュール240の端子245とバスバー222とが接続されている。同様に、ボルト286を、半導体モジュール241の端子245に形成された貫通孔およびバスバー222に形成された貫通孔を通してフランジ付ナット291に螺入することにより、半導体モジュール241の端子245とバスバー222とが接続されている。
次に、作用について説明する。
図16に示すように、締結前の状態においてバスバー222とフランジ付ナット290,291のフランジ部293との間に隙間を確保するように、正負バスバーアッシィ220,221のバスバー222がモジュール端子台270に位置決めされる。
そして、冷却器230に対し一方側に端子245を有する半導体モジュール240,241がシリコーングリースを介して接する状態で配置され、板ばね250,251により半導体モジュール240,241が冷却器230に押圧される。モジュール端子台270において、半導体モジュール240,241の端子245とバスバー222とがボルト285,286およびフランジ付ナット290,291で取り付けられる。フランジ付ナット290,291がモジュール端子台270に回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれているとともにバスバー222は可撓性を有し、締結前の状態においてフランジ付ナット290,291のフランジ部293との間に隙間を有する。端子245とバスバー222との間に公差によるばらつきがある。この場合、ボルト285,286とフランジ付ナット290,291により半導体モジュール240,241の端子245とバスバー222とを締結する際に次のようになる。バスバー222におけるフランジ付ナット290,291のフランジ部293との間の隙間を利用してフランジ付ナット290,291が回り止めされた状態で移動して半導体モジュール240,241がシリコーングリースを介して冷却器230と密着する状態で締結されるようにバスバー222が変形する。これにより半導体モジュール240,241と冷却器230とをシリコーングリースを介して密着させて半導体モジュール240,241を安定して放熱することができる。
以下、詳しく説明する。
冷却器230に対し半導体モジュール240,241を搭載して、板ばね250,251で半導体モジュール240,241を冷却器230に押し付けて半導体モジュール240,241内の半導体素子(IGBT等)を冷却する。
ここで、半導体モジュール240,241の大電流入出力端子は片側配置になっており、モジュール端子台270に締結する構造になっている。
この際、端子がモジュール端子台270に乗り上げないように、寸法的にモジュール端子台270側が低く設計されている場合(図18参照)、半導体モジュール240,241の大電流端子を締結すると次のようになる。モジュール端子台270側に下に引っ張られるため、半導体モジュール240,241の反対側(信号端子側)にモーメントとして持ち上がろうとする力が働く。発熱の大きいIGBT素子は信号端子側にあり、押さえ荷重がモーメントにより減ると、押さえ荷重が不足し、放熱が不安定になる可能性が出てくる。全体にばね荷重をあげようとすると(材料強度を確保しつつ締結計算を成立させようとすると)、板ばねが大きくなったりばね押えブラケットの強度増大に伴いばね押えブラケットが大きくなったりする等により大型化が必要となる。
本実施形態では、冷却器230の両面に半導体モジュール240,241を配置する構造において、端子(主端子)245の締結により半導体モジュール240,241に対して反力がかからないようにする。具体的には、図16,17に示すように、半導体モジュール240,241の端子245とコンデンサから延びるバスバー222とを繋ぐ際に次のようにする。まず、図16においてフランジ付ナット290,291とボルト285,286で締結するときに締結前の初期はモジュール端子台270の凹部(ナット穴)274,275にフランジ付ナット290,291が軽く圧入されており自重や振動等により動かない。一方、図17において、ボルト285とフランジ付ナット290の締結を開始してボルト締結により軸力F1がかかると軸力F1によりフランジ付ナット290がモジュール端子台270の凹部(ナット穴)274において上方に移動して半導体モジュール240の端子245とバスバー222とが締結される。同様に、ボルト286とフランジ付ナット291の締結を開始してボルト締結により軸力F2がかかると軸力F2によりフランジ付ナット291がモジュール端子台270の凹部(ナット穴)275において下方に移動して半導体モジュール241の端子245とバスバー222とが締結される。
よって、半導体モジュール240,241の端子245を締結した状態で、半導体モジュール240,241における冷却器230との接触面での密着度が向上する。そのため、振動や冷熱などの環境でも半導体モジュール240,241の放熱を安定して行うことができる。また、半導体モジュール240,241の端子245の根元に応力がかからないため、半導体モジュール240,241におけるモールド樹脂と端子245との界面の信頼性を向上させることができる。
なお、図4で説明したごとく半導体モジュール240,241の端子245よりバスバー222が薄いとよい。また、バスバー222は、押圧する方向に延びる延設部を有し、2箇所に屈曲部を有するとよい。特に、バスバー222における2箇所に屈曲部を有する部位はコ字状をなすとよい。
第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(5)冷却器230の上下の両面に、それぞれ、半導体モジュール(240,241)および板ばね(250,251)が配置されているとともに、冷却器230の上下の両面の半導体モジュール240,241に共通のモジュール端子台270を有する。よって、冷却器230の両面にそれぞれ半導体モジュール(240,241)を配置した場合において半導体モジュール240,241と冷却器230とを密着させて半導体モジュール240,241を安定して放熱することができる。
(6)センターブラケット210を有し、センターブラケット210に冷却器230、半導体モジュール240,241、板ばね250,251およびモジュール端子台270が取り付けられている。よって、センターブラケット210を用いることにより各部品(冷却器230、半導体モジュール240,241、板ばね250,251、モジュール端子台270)の組付性に優れたものとなる。
(7)締結前の状態においてバスバー222とフランジ付ナット290,291のフランジ部293との間に隙間を確保するように、バスバー222がモジュール端子台270に位置決めされる。よって、締結前の状態においてバスバー222とフランジ付ナット290,291のフランジ部293との間に隙間を確保することができる。
上述した実施形態に代わり以下のようにしてもよい。
・第2の実施形態において図16等ではフランジ付ナット290,291を用いたが、これに代わり、フランジの無いナットを用いてもよく、この場合には図4を用いて説明したように締結前の状態において端子台のナット取付面とバスバーとの間に隙間を有する構成とする。逆に、第1の実施形態において六角ナット81(図4参照)に代わりフランジ付ナットを用いてもよく、この場合には図16を用いて説明したように締結前の状態においてナットのフランジ部とバスバーとの間に隙間を有する構成とする。
・図16等では冷却器230の上面および下面の両面に半導体モジュールを配置したが、片面のみに配置した構成としてもよい。
・図16等における半導体モジュールの数については,用途に応じて適宜変更するものとする。
・図16等における冷却器230は水冷構造になっているが,空冷構造でもよい。
・図16等におけるばねは板ばねとしているが、皿ばね等でもよい。
・図16等における冷却器230は、片側のばね押えブラケットとねじ止めにて共締めしているが、共締めでなくてもよい。
・図11におけるセンターブラケット210には冷却器変形防止用の梁210e,210fが設けられているが,冷却器の変形が無ければ梁210e,210fは不要である。
10…半導体装置、21…バスバー、22…バスバー、26…第2直線部、28…屈曲部、29…屈曲部、30…冷却器、40…半導体モジュール、41…半導体モジュール、42…半導体モジュール、44…端子、45…端子、50…板ばね、70…端子台、71…端子台、75…六角穴、76…ナット取付面、77…隙間、80…六角ボルト、81…六角ナット、150…折り返し部、210…センターブラケット、222…バスバー、230…冷却器、240…半導体モジュール、241…半導体モジュール、245…端子、250…板ばね、251…板ばね、270…モジュール端子台、285…ボルト、286…ボルト、290…フランジ付ナット、291…フランジ付ナット、293…フランジ部。

Claims (8)

  1. 一方側に端子を有する半導体モジュールと、
    前記半導体モジュールに接する状態で配置される冷却器と、
    前記半導体モジュールを前記冷却器に押圧するための押圧部材と、
    前記半導体モジュールの端子とバスバーとをボルトおよびナットで取り付ける端子台と、
    を備え、
    前記端子台に前記ナットが回り止めされた状態で移動可能に埋め込まれており、
    前記バスバーは、可撓性を有し、締結前の状態において前記端子台のナット取付面との間または前記ナットのフランジ部との間に隙間を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記冷却器の両面に、それぞれ、前記半導体モジュールおよび前記押圧部材が配置されているとともに、前記冷却器の両面の前記半導体モジュールに共通の前記端子台を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 取付用フレーム部材を有し、前記取付用フレーム部材に前記冷却器、前記半導体モジュール、前記押圧部材および前記端子台が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記隙間を確保するように前記バスバーが前記端子台に位置決めされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体モジュールの端子より前記バスバーが薄いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記バスバーは、前記押圧する方向に延びる延設部を有し、2箇所に屈曲部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記バスバーにおける前記2箇所に屈曲部を有する部位はコ字状をなすことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記バスバーは、屈曲部に折り返し部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
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