JP2015128004A - 非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体とその製造方法及び非水電解質二次電池用正極活物質とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 Ni1―x―yCoxMy(OH)2(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)で表されるニッケル複合水酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法であって、前記ニッケル複合水酸化物を濃度0.1mol/L以上の炭酸塩水溶液で洗浄することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
【選択図】なし
Description
リチウムマンガン複合酸化物は原料が安価である上、熱安定性に優れるため、リチウムコバルト複合酸化物の有力な代替材料であるといえるが、理論容量がリチウムコバルト複合酸化物のおよそ半分程度しかないため、年々高まるリチウムイオン二次電池の高容量化の要求に応えるのが難しいという欠点を持つ。
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。)
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。)
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05であり、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。)
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。)
さらに、本発明の前駆体を用いた正極活物質の製造方法により、高容量であり、不可逆容量が小さく、クーロン効率および反応抵抗に優れた非水系電解質二次電池用正極活物質が提供される。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体(以下、単に「前駆体」ともいう)の製造方法は、下記一般式(1)で表されるニッケル複合水酸化物を濃度0.1mol/L以上の炭酸塩水溶液で洗浄することを特徴とする。
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。)
また、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素Mの含有量を示すyは、0<y≦0.07であり、好ましくは、0.01≦y≦0.05である。Mの含有量が上記範囲であることにより、優れたサイクル特性、熱安定性が得られる。
本発明に用いられるニッケル複合水酸化物を製造する方法としては、上記式(1)を満たすものが得られれば特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、ニッケルおよびコバルトと、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素Mとを含む金属化合物の水溶液及びアルカリ金属水酸化物の水溶液を適宜混合し、晶析する等が挙げられる。
Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素Mを含む金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸チタン、ペルオキソチタン酸アンモニウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸マンガン、タングステン酸アンモニウム等を用いることができる。
また、アルカリ金属水酸化物としては、特に限定されず、公知の例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができる。
本発明の前駆体の製造方法は、前記ニッケル複合水酸化物を濃度0.06mol/L以上、好ましくは0.08〜1.00mol/L、より好ましくは0.10〜0.60mol/Lの炭酸塩水溶液で洗浄することを特徴とする。洗浄する際に濃度0.06mol/L以上の炭酸塩水溶液用いることで、ニッケル複合水酸化物中の不純物、特に硫酸根や塩素などを、炭酸塩水溶液中の炭酸とのイオン交換作用により、効率よく除去することができる。
また、炭酸ナトリウム水溶液量は、ニッケル複合水酸化物1000gに対して1000mL以上が好ましく、2000〜5000mLがより好ましい。1000mL以下では、不純物イオンと炭酸イオンが十分に置換されず洗浄効果が十分に得られないことがある。
炭酸塩水溶液による洗浄時間としては、ニッケル複合水酸化物の硫酸根含有量が0.1質量%以下、Na含有量が0.01質量%以下となるように、十分洗浄できれば、特に限定されないが、通常、0.5〜2時間である。
純水による洗浄は、通常行われる方法を用いることができるが、炭酸塩水溶液の通水洗浄を行った際には、炭酸塩水溶液による通水洗浄後に、純水による通水洗浄を連続的に行うことが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体は、下記一般式(1)で表されるニッケル複合水酸化物からなり、硫酸根含有量が0.1質量%以下、Na含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする。
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。)
Na含有量についても同様に、0.01質量%以下、好ましくは0.008質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下となるように、前駆体において十分に低減しておく必要がある。
本発明の非水電解質二次電池用の正極活物質の製造方法は、1)上記前駆体用ニッケル複合水酸化物を酸化性雰囲気中400〜800℃で酸化焙焼してニッケル複合酸化物を得る焙焼工程と、2)前記ニッケル複合酸化物とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、3)前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中650〜850℃の範囲で焼成して、下記一般式(2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物得る焼成工程とを含む。
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05であり、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。)
また、前記焼成工程後に、4)前記リチウムニッケル複合酸化物を、水洗処理した後、濾過、乾燥する水洗工程を含むことが好ましい。
以下、各工程について説明する。
焙焼工程は、ニッケル複合水酸化物を焙焼してニッケル複合酸化物を得る工程である。これにより、リチウムとリチウム以外の金属元素の比を容易に制御することができる。酸化性雰囲気中400〜800℃、より好ましくは500〜720℃の温度で焙焼する。
前記ニッケル複合酸化物とリチウム化合物の混合比としては、リチウム(Li)とリチウム以外の金属元素(Me)がモル比(Li/Me)で0.85〜1.05、好ましくは0.95〜1.04になるように調整することが好ましい。つまり、リチウム混合物におけるモル比(Li/Me)が、本発明の正極活物質におけるモル比(Li/Me)と同じになるように混合される。これは、焼成工程前後で、モル比(Li/Me)は変化しないので、この混合工程で混合するLi/Meが正極活物質におけるモル比(Li/Me)となるからである。
得られる正極活物質のモル比(Li/Me)が0.85未満となると、充放電サイクル時の電池容量の大きな低下を引き起こす要因となり、一方、1.05を超えると、電池としたときの正極の内部抵抗が大きくなってしまう。
すなわち、上記モル比が0.95未満では、得られる焼成粉末のモル比も0.95未満となり、結晶性が非常に悪く、また、水洗した際にはリチウムとリチウム以外の金属とのモル比(Li/Me)が0.85未満となる。一方、モル比が1.13を超えると得られる焼成粉末のモル比も1.13を超え、表面に余剰のリチウム化合物が多量に存在し、これを水洗で除去するのが難しくなる。このため、これを正極活物質として用いると、電池の充電時にガスが多量に発生されるばかりでなく、高pHを示す粉末であるため電極作製時に使用する有機溶剤などの材料と反応してスラリーがゲル化して不具合を起こす要因となる。また、水洗後のモル比(Li/Me)が1.05を超える。
前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中650〜850℃の範囲で焼成する工程である。焼成温度としては、650〜800℃℃の範囲、好ましくは730〜790℃の範囲が用いられる。すなわち、500℃を超えるような温度で熱処理すればニッケル酸リチウムが生成されるが、650℃未満ではその結晶が未発達で構造的に不安定であり充放電による相転移などにより容易に構造が破壊されてしまう。一方、800℃を超えると、カチオンミキシングが生じやすくなり層状構造が崩れ、リチウムイオンの挿入、脱離が困難となったり、さらには分解により酸化ニッケルなどが生成されてしまう。さらに、リチウム化合物の結晶水などを取り除いた上で、結晶成長が進む温度領域で均一に反応させるためにも、400〜600℃の温度で1時間以上、続いて650〜800℃の温度で3時間以上の2段階で焼成することが特に好ましい。
上記焼成工程によって得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、そのままの状態でも正極活物質として用いられるが、粒子表面の余剰リチウムを除去することにより、電解液と接触可能な表面積が増加して充放電容量を向上させることができるため、焼成後に水洗工程を行うことが好ましい。また、粒子表面に形成された脆弱部も十分に除去されるため、電解液との接触が増加して充放電容量を向上させることができる。
乾燥の時間としては、特に限定されないが、好ましくは2〜24時間である。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、下記の一般式(2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物からなり、硫酸根含有量が0.1質量%以下、Na含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする。
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。)
Na含有量についても同様に、0.01質量%以下、好ましくは0.008質量%以下、より好ましくは0.006質量%以下とすることにより良好な電池特性を得ることができる。
さらに、塩素含有量は、0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましい。
(1)組成の分析:ICP発光分析法で測定した。
(2)硫酸根含有量:ICP発光分析法により硫黄を定量分析し、硫黄は全て酸化して硫酸根(SO4 2−)になるものとして係数を乗じることによって求めた。
(3)Na、Cl含有量:原子吸光分析法で測定した。
(4)充放電容量、不可逆容量、クーロン効率:
充放電容量は、コイン型電池を作製してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(open circuit voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.5mA/cm2としてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を放電容量、このときの充電容量と放電容量との差(充電容量−放電容量)を不可逆容量とした。また、充電容量に対する放電容量の比率(放電容量/充電容量)をクーロン効率(%)とした。
(5)反応抵抗:
反応抵抗は、コイン型電池を充電電位4.1Vで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法ナイキストプロットを作成し、等価回路を用いてフィッティング計算して、正極抵抗の値を算出した。
(実施例1)
[ニッケル複合水酸化物の製造]
ニッケルとコバルトとアルミニウムのモル比が82:15:3となるように、硫酸ニッケル、硫酸コバルト及びアルミン酸ソーダを含む水溶液と、25質量%水酸化ナトリウム溶液、25質量%アンモニア水を反応槽に同時に添加し、pHを25℃基準で12.8に、アンモニア濃度を10g/Lに保ち、共沈法によって、ニッケル複合水酸化物を製造した。
得られたニッケル複合水酸化物は、1μm以下の一次粒子が複数集合して球状の二次粒子から成り、ニッケルとコバルトとアルミニウムとが固溶してなる。得られたニッケル複合水酸化物を、フィルタープレスろ過機により固液分離した。その後、20℃、pH11.5(25℃基準)の0.28mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を、ニッケル複合酸化物1000gに対して3000mLの割合で該フィルタープレスろ過機に通液することにより洗浄し、さらに、純水を通液して洗浄した。洗浄後のニッケル複合水酸化物(前駆体)の組成、不純物量等の結果を表1に示す。
得られたニッケル複合水酸化物を電気炉を用いて大気雰囲気で700℃で焙焼してニッケル複合酸化物を得た。リチウムニッケル複合酸化物の各金属成分のモル比が、Ni:Co:Al:Li=0.85:0.12:0.03:1.03となるように、リチウムニッケル複合水酸化物と水酸化リチウム一水和物(和光純薬製)を秤量し、混合した。得られた混合物を、電気炉を用いて酸素濃度30%以上の雰囲気中で500℃で3時間仮焼した後、750℃で20時間、本焼成した。その後、室温まで炉内で冷却した後、解砕処理を行い一次粒子が凝集した球状焼成粉末を得た。
得られた球状焼成粉末をスラリー濃度が1500g/Lとなるように純水と混合したスラリーを製作し、スターラーを用いて、室温で30分水洗した後に濾過した。濾過後、真空乾燥機を用いて190℃、14時間保持して室温まで冷却して、レーザー回折散乱法による体積基準の平均粒径が10.8μmの正極活物質を得た。得られた正極活物質の組成、不純物量を表2に示す。
上記で得られた球状焼成粉末(正極活物質粉末)90重量部にアセチレンブラック5重量部及びポリ沸化ビニリデン5重量部を混合し、n−メチルピロリドンを加えペースト化した。これを20μm厚のアルミニウム箔に乾燥後の活物質重量が0.05g/cm2なるように塗布し、120℃で真空乾燥を行い、その後、これより直径1cmの円板状に打ち抜いて正極とした。
負極としてリチウム金属を、電解液には1MのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液を用いた。また、ポリエチレンからなるセパレーターに電解液を染み込ませ、露点が−80℃に管理されたArガス雰囲気のグローブボックス中で、2032型のコイン電池を作製した。図1に2032型のコイン電池の概略構造を示す。ここで、コイン電池は、正極缶5中の正極(評価用電極)1、負極缶6中のリチウム金属負極3、電解液含浸のセパレーター2及びガスケット4から構成される。
得られた電池の各特性(放電容量、不可逆容量、クーロン効率、反応抵抗)を表2に示す。
実施例1の炭酸ナトリウム水溶液を0.47mol/Lに変更して洗浄したこと以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
実施例1の炭酸ナトリウム水溶液を0.09mol/Lに変更して洗浄したこと以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
焼成後に球状焼成粉末を水洗し真空乾燥しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の炭酸ナトリウム水溶液を1.6mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したこと、焼成後に球状焼成粉末を水洗し真空乾燥しなかった以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
実施例1の炭酸ナトリウム水溶液を3.39mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄したこと、焼成後に球状焼成粉末を水洗し真空乾燥しなかった以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
炭酸ナトリウム水溶液による洗浄を行わず、純水による通水洗浄のみを行ったこと、焼成後に球状焼成粉末を水洗し真空乾燥しなかった以外は、実施例1と同様に行い、正極活物質を製造し、得られた正極活物質を用いて電池を作製した。結果を表1に示す。
これに対して、本発明の要件の一部又はすべてを満たしていない比較例1では、水酸化物の不純物量が多く、容量が低下している。また、比較例2では、水酸化ナトリウム溶液の濃度を高くすることで硫酸根(SO4)量は低下したもののナトリウム根が残り結果、容量が低下している。さらに、比較例3では、ニッケル複合水酸化物を純水のみで洗浄したため、硫酸根量が高く、放電容量とクーロン効率が低下している
2 セパレーター(電解液含浸)
3 リチウム金属負極
4 ガスケット
5 正極缶
6 負極缶
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表されるニッケル複合水酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法であって、
前記ニッケル複合水酸化物を濃度0.06mol/L以上の炭酸塩水溶液で洗浄することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。) - 前記炭酸塩水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の水溶液であり、前記炭酸塩水溶液のpHが11以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記洗浄は、液温度10〜50℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 前記ニッケル複合水酸化物は、加温した反応槽中に、ニッケルおよびコバルト並びにAl、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液と、を供給し、その際、反応溶液をアルカリ性に保持するのに十分な量のアルカリ金属水酸化物の水溶液を適宜供給して、中和晶析により得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体の製造方法。
- 下記一般式(1)で表されるニッケル複合水酸化物からなり、硫酸根含有量が0.1質量%以下、Na含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体。
一般式:Ni1―x―yCoxMy(OH)2・・・(1)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、xは0<x≦0.20、yは0<y≦0.07である。) - さらに、塩素含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体。
- 下記の一般式(2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
請求項5または6に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体を酸化性雰囲気中400〜800℃で酸化焙焼してニッケル複合酸化物を得る焙焼工程と、
前記ニッケル複合酸化物とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸素雰囲気中650〜850℃の範囲で焼成してリチウムニッケル複合酸化物得る焼成工程と、
を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。) - 前記焼成工程後に、前記リチウムニッケル複合酸化物を、10〜40℃の温度で、かつ、前記リチウムニッケル複合酸化物の表面に存在するリチウム化合物のリチウム量が、全量に対して0.10質量%以下になるのに十分なスラリー濃度で、水洗処理した後、濾過、乾燥する水洗工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記リチウム化合物は、リチウムの水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 下記の一般式(2)で表されるリチウムニッケル複合酸化物からなり、硫酸根含有量が0.1質量%以下、Na含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
一般式:LiaNi1−x’−y’Cox’My’O2・・・(2)
(式中、Mは、Al、Ti、MnおよびWから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは0.85≦a≦1.05、x’は0<x’≦0.20、y’は0<y’≦0.07である。)
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