JP2015127566A - ラジアルニードル軸受 - Google Patents

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Koichi Yamamoto
幸一 山本
石川　宏史
Hiroshi Ishikawa
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Abstract

【課題】潤滑性をさらに向上することが可能なラジアルニードル軸受を提供する。【解決手段】本発明に係るラジアルニードル軸受３０は、遊星歯車機構１０のピニオンシャフト１１とピニオンギヤ１９との間に配置される総ころ形のラジアルニードル軸受３０であって、ピニオンシャフト１１とピニオンギヤ１９との間に周方向に所定の間隔で複列に配置された複数のニードル３１と、ニードル３１の列間に配置されるスペーサ３５と、を備え、スペーサ３５が、ピニオンシャフト１１内に設けられた径方向油路１３と連通する第１の軸方向潤滑孔３７ａおよび第２の軸方向潤滑孔３７ｂを有することを特徴とする。【選択図】図２

Description

本発明はラジアルニードル軸受に関する。
従来、自動車用変速機など大きな荷重がかかる部分には遊星歯車機構が用いられている。遊星歯車機構においては、ピニオンシャフトが、サンギヤおよびリングギヤに螺合するピニオンギヤを、ラジアルニードル軸受等の転がり軸受の転動体を介して回転自在に支持する。近年、自動車用変速機には低フリクション且つ高回転が求められており、使用されるラジアルニードル軸受にも低トルク化の要求がある。
特許文献１には、遊星歯車機構に使用されるラジアル針状ころ軸受において、ころの端面に対向して配置される間座の面をテーパ状とすることが提案されている。これにより、ころの端部と間座との摺動面積を減少できるので、動作時の摺動抵抗を効果的に減少すると共に、間座のテーパ状の面ところの端面との間を通って径方向内方より潤滑油を供給しやすくなるため、潤滑性が向上するとされている。
特開２００９−２１６１１２号公報
本発明は、潤滑性をさらに向上することが可能なラジアルニードル軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
（１） 遊星歯車機構のピニオンシャフトとピニオンギヤとの間に配置される総ころ形のラジアルニードル軸受であって、
前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間に周方向に所定の間隔で複列に配置された複数のニードルと、前記ニードルの列間に配置されるスペーサと、を備え、
前記スペーサが、前記ピニオンシャフト内に設けられた油路と連通する潤滑孔を有することを特徴とするラジアルニードル軸受。
（２） 前記潤滑孔が、前記スペーサを軸方向に貫通するように、周方向に１つ以上設けられていることを特徴とする（１）に記載のラジアルニードル軸受。
（３） 前記潤滑孔が、前記スペーサを径方向に貫通するように、周方向に１つ以上設けられていることを特徴とする（１）に記載のラジアルニードル軸受。
本発明によれば、遊星歯車機構に使用されるラジアルニードル軸受の潤滑性を、さらに向上することが可能である。
本発明の第１実施形態にかかるラジアルニードル軸受を組み込んだ遊星歯車機構を示す断面図である。 図１の要部拡大図である。 本発明の第２実施形態にかかるラジアルニードル軸受を組み込んだ遊星歯車機構の要部拡大断面図である。 本発明の第３実施形態にかかるラジアルニードル軸受を組み込んだ遊星歯車機構の要部拡大断面図である。
（第１実施形態）
以下、本発明の第１実施形態に係るラジアルニードル軸受について、図１、２を用いて説明する。図１は、本実施形態に係るラジアルニードル軸受３０を備えた遊星歯車機構１０を示す。この遊星歯車機構１０は、ピニオンシャフト１１の一端を固定する一方のキャリア１４を回転させる回転軸１５と、サンギヤ１６の回転軸１７を回転自在に支持する支持構造５０と、を備えている。ピニオンシャフト１１の他端は他方のキャリア１８に固定される。キャリア１４と回転軸１５には、ピニオンシャフト１１の軸方向油路１２および径方向油路１３に通じる油穴２２，２１が形成されている。
サンギヤ１６にはピニオンギヤ１９が螺合しており、ピニオンギヤ１９は、ラジアルニードル軸受３０，３０を介して、ピニオンシャフト１１により回転自在に支持されている。ラジアルニードル軸受３０は、周方向に所定の間隔で複数配置されたニードル３１を軸方向に二列備えた、複列の総ころ形軸受である。
ニードル３１の列間には、所定の軸方向距離を確保するために、スペーサ３５が配置されている。スペーサ３５は略円柱状に形成されており、内周面には周方向に所定間隔で複数の凹部３６が形成されている。そして、スペーサ３５は、この凹部３６からスペーサ３５の軸方向一方へと延びて軸方向端面に貫通する第１の軸方向潤滑孔３７ａと、この凹部３６から軸方向他方へと延びて軸方向端面に貫通する第２の軸方向潤滑孔３７ｂと、を有する。
遊星歯車機構１０においては、回転軸１５の油穴２１から供給された潤滑油が、キャリア１４の油穴２２を介して、ピニオンシャフト１１の軸方向油路１２に供給され、ピニオンシャフト１１の径方向油路１３から、ピニオンシャフト１１の外周面上へと供給される。ピニオンシャフト１１の外周面上の潤滑油は、遠心力によりスペーサ３５の凹部３６へと吸い込まれ、凹部３６は油溜りとして機能することとなる。その後、凹部３６内の潤滑油が、第１の軸方向潤滑孔３７ａおよび第２の軸方向潤滑孔３７ｂを介して、スペーサ３５の軸方向両側に吐出される。これにより、ニードル３１の各列に対して潤滑油を均等に供給することができるので、潤滑不足による剥離等を防止して、潤滑性を向上することができる。
このように、本実施形態のラジアルニードル軸受３０によれば、スペーサ３５を介してニードル３１の各列に潤滑油を均等に供給することができ、潤滑性を向上することができる。
（第２実施形態）
以下、本発明の第２実施形態に係るラジアルニードル軸受について、図３を用いて説明する。第１実施形態と同様の構成を有する部分については同様の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態のラジアルニードル軸受に使用されるスペーサ３５Ａにおいては、凹部３６から径方向外側へと延びてスペーサ３５Ａの外周面へと貫通する径方向潤滑孔３８が形成されている。スペーサ３５の凹部３６内に溜まった潤滑油は、径方向潤滑孔３８を介してスペーサ３５Ａの外周側に吐出された後、ニードル３１の各列へと供給される。このようなスペーサ３５Ａによっても、ラジアルニードル軸受の通油性を向上することができ、潤滑性を向上することができる。
（第３実施形態）
以下、本発明の第３実施形態に係るラジアルニードル軸受について、図４を用いて説明する。第２実施形態と同様の構成を有する部分については同様の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態のラジアルニードル軸受に使用されるスペーサ３５Ｂにおいては、凹部３６から径方向外側へと延びてスペーサ３５Ｂの外周面へと貫通する、軸方向に並んだ第１の径方向潤滑孔３８ａおよび第２の径方向潤滑孔３８ｂが形成されている。スペーサ３５の凹部３６内に溜まった潤滑油は、第１の径方向潤滑孔３８ａおよび第２の径方向潤滑孔３８ｂを介して、スペーサ３５の外周側に吐出される。このようなスペーサ３５Ｂによっても、ラジアルニードル軸受の通油性を向上することができる。また、第１の径方向潤滑孔３８ａおよび第２の径方向潤滑孔３８ｂによって、ニードル３１の各列に対して潤滑油を均等に供給することができるので、潤滑不足による剥離等を防止して、潤滑性を向上することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更、改良等が可能である。上記した実施形態において、第１の軸方向潤滑孔３７ａおよび第２の軸方向潤滑孔３７ｂ、ならびに第１の径方向潤滑孔３８ａおよび第２の径方向潤滑孔３８ｂは、同形状および同寸法で形成されているが、これに限定されない。遊星歯車機構１０の運転条件等にしたがって、形状や寸法を軸方向で変更してもよい。また、第１の軸方向潤滑孔３７ａおよび第２の軸方向潤滑孔３７ｂ、径方向潤滑孔３８、ならびに第１の径方向潤滑孔３８ａおよび第２の径方向潤滑孔３８ｂは、１つのスペーサにおいて組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るラジアルニードル軸受は、オートマチックトランスミッション（ＡＴ）、ハイブリッド車（ＨＶ）、無段変速機（ＣＶＴ）等に使用される遊星歯車機構において好適に使用可能である。
１０ 遊星歯車機構
１１ ピニオンシャフト
１２ 軸方向油路
１３ 径方向油路
１９ ピニオンギヤ
３０ ラジアルニードル軸受
３１ ニードル
３５ スペーサ
３６ 凹部
３７ａ 第１の軸方向潤滑孔
３７ｂ 第２の軸方向潤滑孔
３８ 径方向潤滑孔
３８ａ 第１の径方向潤滑孔
３８ｂ 第２の径方向潤滑孔

Claims (3)

  1. 遊星歯車機構のピニオンシャフトとピニオンギヤとの間に配置される総ころ形のラジアルニードル軸受であって、
    前記ピニオンシャフトと前記ピニオンギヤとの間に周方向に所定の間隔で複列に配置された複数のニードルと、前記ニードルの列間に配置されるスペーサと、を備え、
    前記スペーサが、前記ピニオンシャフト内に設けられた油路と連通する潤滑孔を有することを特徴とするラジアルニードル軸受。
  2. 前記潤滑孔が、前記スペーサを軸方向に貫通するように、周方向に１つ以上設けられていることを特徴とする請求項１に記載のラジアルニードル軸受。
  3. 前記潤滑孔が、前記スペーサを径方向に貫通するように、周方向に１つ以上設けられていることを特徴とする請求項１に記載のラジアルニードル軸受。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005016710A (ja) * 2003-05-30 2005-01-20 Nsk Ltd 針状ころ軸受
JP2005291445A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Ntn Corp 円すいころ軸受
JP2009287772A (ja) * 2008-05-01 2009-12-10 Nsk Ltd 針状ころ軸受

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