JP2015127375A - フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、組成物、液状組成物、薄膜、素子、面状光源装置及び表示装置 - Google Patents

フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、組成物、液状組成物、薄膜、素子、面状光源装置及び表示装置 Download PDF

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Masashi Tsuji
雅司 辻
勝則 柴田
Katsunori Shibata
勝則 柴田
誠 田口
Makoto Taguchi
誠 田口
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Abstract

【課題】正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れ、湿式製膜法での製膜に適したフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、かかる共重合体を含む組成物、液状組成物、薄膜、素子、面状光源及び表示装置とを提供すること。【解決手段】下記式(1)で表わされ、R1〜R6で表される位置に置換基を有し、Ar3、Ar5、Ar7、Ar8、Ar10の何れかの位置に置換基として架橋性基を有する繰り返し単位を有する、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、組成物、液状組成物、薄膜、素子、面状光源装置及び表示装置に関する。
近年、有機薄膜を用いた電界発光素子(有機電界発光素子)の開発が行われている。有機電界発光素子における有機薄膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法と湿式成膜法とが挙げられる。
湿式成膜法は、真空プロセス(process)が要らず、大面積化が容易であるが、積層化が困難である。このため、湿式成膜法で製造した素子は、真空蒸着法により製造した素子に比べて駆動安定性に劣り、一部を除いて実用レベルに至っていない。特に、湿式成膜法では、有機溶剤及び水系溶剤を使用するなどして二層の積層は可能であるが、三層以上の積層化は困難であった。
このような積層化における課題を解決するために、下記特許文献1及び特許文献2のようなフルオレン環及び架橋性基を有するアリールアミンポリマー(R−1、R−2)が提案され、これらの架橋性基が反応した場合に得られる網目状ポリマーが有機溶剤に不溶となることを利用して積層化を行う構成が開示されている。
Figure 2015127375
一方、アリールアミンポリマー(R−1)及び(R−2)が架橋により網目状ポリマーとなると、その主鎖構造が曲がったり捻じれたりして、主鎖における共役系の広がりが阻害され、架橋後の網目状ポリマーが十分な電荷輸送能を有するとは限らない。むしろ、上記のアリールアミンポリマー(R−1)及び(R−2)は、電荷輸送のほとんどを主鎖が担うべき分子構造となっていることから、アリールアミンポリマー(R−1)及び(R−2)が架橋した網目状ポリマーの電荷輸送能は、著しく小さくなる傾向がある。このため、下記特許文献1及び特許文献2に記載の技術により得られる有機電界発光素子の駆動電圧は高く、発光効率は低く、駆動寿命は短いという課題があった。
また、下記特許文献3には、積層化が可能な側鎖にフルオレン環を有するアリールアミンポリマー(R−3)が例示されている。
Figure 2015127375
ここで、正孔輸送能は繰り返し単位の増加とともに増加するが、三重項エネルギー準位は繰り返し単位の増加とともに減少し、これらの化合物を用い素子を作成した場合、発光効率が低いという課題があった。
国際公開第2008−038747号 国際公開第2008−032843号 特開2010−155985号公報
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れ、湿式製膜法での製膜に適したフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、かかる共重合体を含む組成物、液状組成物、薄膜、素子、面状光源装置及び表示装置と、を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を有し、当該繰り返し単位は、R〜Rで表される位置に置換基を有し、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10の何れかの位置に、置換基として架橋性基を有する、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体が提供される。
Figure 2015127375
ここで、上記式(1)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記架橋性基は、以下の架橋性基群の中から選ばれる置換基であることが好ましい。
Figure 2015127375
ここで、上記架橋性基群において、R〜Rは、置換基を有してもよいアルキル基であり、mは、1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の置換基を有することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記架橋性基は、下記式(2)で表わされる芳香族炭化水素基であってもよい。
Figure 2015127375
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の置換基を有することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(3)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(3)において、R、R、Rt1〜Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、x、y、nは、各々独立に1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(4)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(4)において、R、R、Rt1、Rt4、Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(5)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(5)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(6)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(6)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記Arは、下記式(7)で表される置換基であってもよい。
Figure 2015127375
前記Arは、下記式(8)で表される置換基であってもよい。
Figure 2015127375
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の置換基を有することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(A)〜式(C)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
上記のような特定の主鎖構造に対して、特定の置換基を特定の部位に導入することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
数平均分子量が、10000以上500000以下であってもよく、100000以上500000以下であってもよい。
かかるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の数平均分子量を有することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に更に適した性質を有するものとなる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物が提供される。
前記発光材料は、発光性有機金属錯体化合物を含有してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、上記のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、溶媒又は分散媒と、を含有する液状組成物が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、上記のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含有する薄膜が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、陽極及び陰極からなる電極と、当該電極間に設けられた上記のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含有する有機層と、を有する素子が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、上記素子を備える面状光源が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、上記素子を備える表示装置が提供される。
以上説明したように本発明に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、上記のような特定の置換基を特定の部位に有することで、正孔移動能及び三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れたものとなり、湿式製膜法での製膜に適した性質を有するものとなる。
本発明の実施形態に係る有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本発明の目的について)
本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体について詳細に説明するに先立ち、本発明の目的とするところについて、簡単に説明する。
上記のように、有機電界発光素子を製造するに際して、有機薄膜の成膜方法は、主に蒸着法と湿式法とに大別される。蒸着法は、蒸着により有機薄膜を多層に積層できる。そのため、蒸着法による有機電界発光素子の製造では、積層によるエネルギーダイアグラムの最適化が容易であり、高い発光効率、寿命、低駆動電圧化が可能であるが、低い生産性と低い歩留まりが大きな課題となっている。一方、湿式法による有機電界発光素子の製造では、印刷プロセスが可能であるため、大面積化、高生産性が期待できるが、積層可能な材料の設計が大きな課題である。このように、蒸着法と湿式法とは、それぞれ一長一短のある製造プロセスであるといえる。
積層可能な塗布型の正孔輸送材料を実現するには、大別して、材料の親水性/疎水性制御を行う、高分子架橋型材料を開発する、低分子架橋型材料を開発する、という3つの大きな技術方針があり、いずれの技術方針も、可溶−不溶化制御技術に基づくものである。現在では、積層の総数や材料の純度の担保から、高分子架橋型材料の開発が主流である。
しかしながら、高分子架橋型の正孔輸送材料の場合、電気的特性は分子量依存性が高く、特に、正孔輸送材料として最も重要な特性である正孔移動度と三重項エネルギー準位は、分子量依存性が大きい。しかも、正孔移動度と三重項エネルギー準位とは、分子量の増加で正孔移動度は増加する一方で三重項エネルギー準位は低下するという、いわゆるトレードオフの関係にある。更に、高分子架橋型材料は、不溶化のために架橋を行うが、架橋に伴う高分子の二次構造変化により正孔移動度及び三重項エネルギー準位も変化し、必要な特性が得られないことも多い。
本発明者は、以上のような点を解決し、正孔移動能及び三重項エネルギーが高く、電気安定性に優れ、湿式製膜法での製膜に適した化合物を得ることを目的として、鋭意検討を行った。その結果、以下で説明するようなフルオレン−トリフェニルアミン共重合体に想到したのである。
(フルオレン−トリフェニルアミン共重合体について)
まず、本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体について、詳細に説明する。
本発明者は、高分子架橋型の分子量の増加による三重項エネルギー準位の低下と架橋による特性変化を抑制するために、トリアリールアミン−フルオレンを基本単位とする高分子化合物のトリアリールアミンに対して置換基を導入し、高分子主鎖のフレキシビリティーの制御を図ることに想到した。また、本発明者は、架橋による正孔移動度の低下を抑制するために、フルオレン基本単位に側鎖として正孔輸送能の高いトリフェニルアミンを導入することを想到した。以下、本発明者が想到したフルオレン−トリフェニルアミン共重合体について説明する。
本実施形態に係る有機EL材料は、下記式(1)で表わされる繰り返す単位を有し、下記式(1)において、R〜Rで表される位置に置換基を有し、かつ、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10の何れかの位置に、置換基として架橋性基を有するフルオレン−トリフェニルアミン共重合体である。
Figure 2015127375
ここで、上記式(1)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
ここで、上記の架橋性基は、以下の架橋性基群の中から選ばれる置換基であることが好ましい。
Figure 2015127375
ここで、上記架橋性基群において、R〜Rは、置換基を有してもよいアルキル基であり、mは、1以上の整数である。
また、上記架橋性基は、下記式(2)で表わされる芳香族炭化水素基であることが更に好ましい。
Figure 2015127375
より詳細には、上記式(1)における繰り返し単位は、下記式(3)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(3)において、R、R、Rt1〜Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、x、y、nは、各々独立に1以上の整数である。
また、上記式(1)における繰り返し単位は、下記式(4)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(4)において、R、R、Rt1、Rt4、Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
また、上記式(1)における繰り返し単位は、下記式(5)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(5)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
また、上記式(1)における繰り返し単位は、下記式(6)で表される繰り返し単位であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記式(6)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、R及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
また、上記繰り返し単位における置換基Arは、下記式(7)で表される置換基でってもよく、下記式(8)で表される置換基であってもよい。
Figure 2015127375
ここで、上記繰り返し単位において、「置換基を有していてもよいアルキル基」のアルキル基は、直鎖、分枝鎖、環状のいずれでもよい。かかるアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−ヘキシルオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、2−ヘキシルデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基が挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、2−ヘキシルオクチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等が挙げられる。
ここで、上記非置換のアルキル基のうち一つ以上の水素原子は、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボン酸基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロアリール基等で置換されてもよい。
また、上記繰り返し単位において、「置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基」の「芳香族炭化水素基」とは、一つ以上の芳香族環を含む炭素環を有する一価基を表す。また、かかる芳香族炭化水素基が、2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに融合されてもよい。また、これら芳香族炭化水素基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、上記の置換されたアルキル基の場合と同様の置換基で置換されていてもよい。
かかる芳香族炭化水素基の具体的な例としては、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ピラントレニル基等を挙げることができる。
また、上記繰り返し単位において、「置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基」の「芳香族複素環基」とは、N、O、P又はSのうちから選択された1個以上のヘテロ(hetero)原子を含み、残りの環原子がCである1以上の芳香族環を含む環を有する一価基を表す。また、かかる芳香族複素環基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されていてもよい。
かかる芳香族複素環基の具体的な例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基等を挙げることができる。
また、上記のような繰り返し単位を有するフルオレン−トリフェニルアミン共重合体の数平均分子量は、10,000以上500,000以下であることが好ましく、100,000以上500,000以下であることが更に好ましい。フルオレン−トリフェニルアミン共重合体の数平均分子量を上記のような範囲とすることで、三重項エネルギー準位の低下を抑制しつつ、正孔移動度を更に向上させることが可能となる。
上記の繰り返し単位で表されるフルオレン−トリフェニルアミン共重合体のより具体的な例として、以下の繰り返し単位で表される共重合体(A)〜(C)を挙げることができる。しかしながら、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体が、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2015127375
なお、以上説明した本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、公知の有機合成方法を用いることで合成することが可能であり、具体的な合成方法は、後述する実施例を参照した当業者であれば、容易に理解することが可能である。
以上説明したような繰り返し単位を有するフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、いずれも電荷輸送性高分子として有機EL素子用材料に利用することができる。上記繰り返し単位を有するフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、正孔移動能及び三重項エネルギーが高く、電気安定性に優れたものであるため、かかる共重合体を、有機EL素子用材料の中でも正孔輸送材料として好適に利用することが可能である。また、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体の用途は、有機EL素子の正孔輸送材料に限定されるわけではない。例えば、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を、正孔注入層の材料にも好ましく用いることが可能である。
また、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、繰り返し単位内に架橋性基を有することにより、湿式成膜した後に架橋し、積層化を行うことができる。また、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、架橋して網目状ポリマーとなった後にも分子構造が維持されやすい側鎖にトリアリールアミン基を有するため、架橋後にも高い電荷輸送能を備えることができる。
よって、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含む有機EL素子は、湿式成膜法にて製造することができ、かつ、低駆動電圧、高発光効率及び長寿命を達成することができる。
なお、本発明の他の実施形態として、以上説明したフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選択された少なくとも一種の材料と、を含む電荷輸送性組成物が提供される。ここで、電荷輸送性組成物が、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、発光材料とを含む場合、かかる発光材料は、発光性有機金属錯体であることが好ましい。
また、本発明の更に他の実施形態として、以上説明したフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、溶媒又は分散媒と、を含む液状電荷輸送性組成物についても提供することができる。
かかる実施形態によれば、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含み、湿式成膜法による有機薄膜層の製造に好適な前駆体組成物を提供することができる。
また、本発明の更に他の実施形態として、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含む薄膜、有機EL素子、及び、かかる有機EL素子を用いた面状光源や表示装置についても同様に提供することができる。
(フルオレン−トリフェニルアミン共重合体を用いた有機EL素子について)
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を利用した有機EL素子について、簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る有機EL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
ここで、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、有機EL素子の第1電極120及び第2電極180の間に配置されたいずれかの有機薄膜層に含まれる。より詳細には、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、好ましくは、正孔注入層130又は正孔輸送層140の少なくとも何れか一方に、正孔輸送材料として含まれる。
有機EL素子の第1電極120及び第2電極180の間に配置された各有機薄膜層は、後述するように公知の様々な方法で形成することができる。ただし、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含む層は、スピンコート(spin coating)法やインクジェット(ink jet)法等の公知の湿式成膜法によって形成される。
基板110は、一般的な有機EL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、又は、透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
第1電極120は、例えば、陽極であり、蒸着法又はスパッタリング(sputtering)法などを用いて基板110上に形成される。具体的には、第1電極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって透過型電極として形成される。第1電極120は、例えば、透明であり、導電性に優れる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等で形成されてもよい。また、第1電極120は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて反射型電極として形成されてもよい。
正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、第1電極120上に約10nm〜約100nmの厚さにて形成される。上記のように、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、この正孔注入層130に対して、正孔輸送材料として添加されてもよい。なお、正孔輸送材料として本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を用いない場合には、正孔注入層130は、公知の材料を用いて形成することができる。かかる公知の材料としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、又は、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等を挙げることができる。
正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料を含む層であり、正孔注入層130上に約10nm〜約150nmの厚さにて形成される。上記のように、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、この正孔輸送層140に対して、正孔輸送材料として添加されてもよい。なお、正孔輸送材料として本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を用いない場合には、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料を用いて形成することができる。公知の正孔輸送材料として、例えば、N−フェニルカルバゾール(N−phenyl carbazole)、ポリビニルカルバゾール(polyvinyl carbazole)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)等を挙げることができる。
発光層150は、蛍光やリン光等により光を発する層である。発光層150は、ホスト材料、及び、発光材料であるドーパント(dopant)材料を含んで形成されてもよい。なお、発光層150は、具体的には、約20nm〜約60nmの厚さで形成されてもよい。
発光層150に含まれるホスト材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、4,4’−N,N’−ジカバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(dmCBP)が挙げられる。
また、発光層150は、特定の色の光を発する発光層として形成されてもよい。例えば、発光層150は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層として形成されてもよい。
発光層150が青色発光層である場合、青色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ペリレン(perlene)及びその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(FIrpic)等のイリジウム(Ir)錯体等を使用することができる。
また、発光層150が赤色発光層である場合、赤色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ルブレン(rubrene)及びその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM)及びその誘導体、ビス(1‐フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(piq)(acac))等のイリジウム錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体等を使用することができる。
また、発光層150が緑色発光層である場合、緑色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、クマリン(coumarin)及びその誘導体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy))等のイリジウム錯体等を使用することができる。
電子輸送層160は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料を含む層であり、発光層150上に約15nm〜約50nmの厚さにて形成される。なお、電子輸送層160は、公知の電子輸送材料を用いて形成することができるが、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)のようなキノリン誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(BeBq2)、リチウムキノレート(LiQ)等のLi錯体を用いて形成することができる。
電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成される。なお、電子注入層170は、公知の材料を用いて形成することができるが、例えば、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(LiO)、酸化バリウム(BaO)等を用いて形成することができる。
第2電極180は、例えば、陰極である。具体的には、第2電極180は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等で反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等で形成されてもよい。また、第2電極180は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いて透過型電極として形成されてもよい。
以上、本実施形態に係る有機EL素子100の構造の一例について説明した。本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含む有機EL素子100は、正孔と電子とのキャリアバランスが良好になり、かつホスト材料の安定性が向上するため、発光効率及び寿命を向上させることができる。
また、本実施形態に係る有機EL素子100は、本実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含む層(例えば、正孔注入層130や正孔輸送層140)を低コストの成膜方法である塗布成膜により形成できるため、生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る有機EL素子100の構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機EL素子100は、公知の他の様々な有機EL素子の構造を用いて形成されてもよい。例えば、有機EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160及び電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよい。また、有機EL素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
また、有機EL素子100は、三重項励起子又は正孔が電子輸送層160に拡散する現象を防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、又は、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るジアミン誘導体を用いた有機EL素子の一例について、簡単に説明した。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体のあくまでも一例であって、本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体が下記の例に限定されるものではない。
<合成例1>
(化合物1の合成)
以下の化学反応式は、化合物1の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
窒素置換した三つ口フラスコに、2,7−ジブロモフルオレノン(3.00g)、トリフェニルアミン(10.9g)、トルエン(44mL)及びメタンスルホン酸(1.71g)を入れ、6時間還流した。室温まで冷却した反応液にクロロホルムを加え、不溶物をろ別した。溶出液を減圧留去し、得られた残留物を、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物1を得た(3.90g)。
<合成例2>
(化合物2の合成)
以下の化学反応式は、化合物2の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
窒素置換した三つ口フラスコに、化合物1(1.50g)、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.04g)、酢酸カリウム(1.11g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.025g)、及びトルエン(36mL)を入れ、5時間還流し室温まで冷却した。反応液をセライトでろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2(1.30g)を得た。
<合成例3>
(化合物3の合成)
以下の化学反応式は、化合物3の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
窒素置換した三つ口フラスコに、4−ヘプチルアニリン(5.00g)、2−ブロモ−p−キシレン(10.2g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(t−BuONa、5.27g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(t−BuP)、0.27g)及びトルエン(100mL)を入れ、3時間還流し室温まで冷却した。冷却した反応液を、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をアルミナカラムに通し、その溶出液から溶媒を減圧留去した。得られた残留物を、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物1(9.60g)を得た。
<合成例4>
(化合物4の合成)
以下の化学反応式は、化合物4の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
三つ口フラスコに、化合物3(4.00g)及びジメチルホルムアミド(30mL)を入れ、−5℃以下に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(3.55g)、47%−臭化水素酸(0.100g)を入れ、1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルを充填したカラムに通し、その溶出液に活性炭を加え撹拌し、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧留去し、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物4(4.80g)を得た。
<合成例5>
(化合物5の合成)
以下の化学反応式は、化合物5の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
窒素置換した三つ口フラスコに、ジフェニルアミン(1.02g)、3−ブロモ−ベンゾシクロブテン(1.00g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(1.15g)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.110g)及びトルエン(36mL)を入れ、4時間還流し室温まで冷却した。反応液をセライトでろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物5(1.30g)を得た。
<合成例6>
(化合物7の合成)
以下の化学反応式は、化合物6の合成プロセス(process)を図示したものである。
Figure 2015127375
三つ口フラスコに、化合物5(0.300g)及びジメチルホルムアミド(5mL)を入れ、−5℃以下に冷却し、N−ブロモスクシンイミド(0.394g)、1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物を、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物6(0.40g)を得た。
<実施例1>
(高分子化合物A−1の合成)
アルゴン雰囲気下、四つ口フラスコに、化合物2(1.00g)、化合物4(0.555g)、化合物6(0.0477g)、酢酸パラジウム(1.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(8.7mg)、トルエン(55mL)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間還流した。次に、フェニルホウ酸(0.019g)、酢酸パラジウム(1.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.4mg)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間加熱還流させ、水層を除いた後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.85g)、及び、イオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3重量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層を、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム/メタノールで再沈殿し、析出した個体をろ別及び乾燥し、高分子化合物A−1を得た(0.79g)。得られた高分子化合物の数平均分子量及び分散度をサイズ排除クロマトグラフィ(Size Exclusion Chromatography:SEC)で見積もったところ、Mn=36,000、Mw/Mn=1.85であった。
高分子化合物A−1は、単量体の仕込み比から、以下の繰り返し単位及びモル比率を有する高分子化合物と推定される。
Figure 2015127375
x/y = 0.946 / 0.0543
(nは正の整数を表す。)
(電荷移動度の測定)
スパッタ法により150nmの厚さでインジウム−スズ酸化物(ITO)透明導電膜を付けたガラス基板に、エタノールで5倍に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スルホネート)(PEDOT/PSS)=1:1.25の分散液であるBaytron PH510(H.C.Syarck社製)をスピンコートにより20nmの厚さで製膜し、ホットプレート上、220℃で3分間乾燥した。その後、高分子化合物A−1をトルエンに3.2質量%の濃度で溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し膜を得た。この膜の厚さは約70nmであった。次いで、5nmの厚みで酸化モリブデン、10nmの厚みで金、80nmの厚みでアルミニウムを積層させた。このようにして作成した電荷移動度測定用サンプルの電荷移動度を、公知のインピーダンス分光法により測定した。その結果を、以下の表1に示す。
(三重項エネルギー準位の測定)
高分子化合物A―1を、3.2質量%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し約70nmの厚みの膜を得た。このサンプルを77Kに冷却して、公知の測定装置を利用して、発光(Photo Luminescence:PL)スペクトルを測定した。PLスペクトルの最も短波側のピーク値から、三重項エネルギー準位を算出した。その結果を、以下の表1に示す。
<実施例2>
(高分子化合物A−2の合成)
アルゴン雰囲気下、四つ口フラスコに、化合物2(1.02g)、化合物4(0.464g)、化合物6(0.0558g)、酢酸パラジウム(2.8mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(17.4mg)、トルエン(55mL)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間還流した。次に、フェニルホウ酸(0.019g)、酢酸パラジウム(1.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.4mg)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、10時間加熱還流させ、水層を除いた後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.85g)、及び、イオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3重量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層を、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム/メタノールで再沈殿し、析出した個体をろ別及び乾燥し、高分子化合物A−2を得た(0.801g)。得られた高分子化合物の数平均分子量及び分散度をSECで見積もったところ、Mn=121,000、Mw/Mn=2.42であった。
高分子化合物A−2は、単量体の仕込み比から、以下の繰り返し単位及びモル比率を有する高分子化合物と推定される。
Figure 2015127375
x/y = 0.961 / 0.0394
(nは、正の整数を表す。)
(電荷移動度の測定)
スパッタ法により150nmの厚さでインジウム−スズ酸化物(ITO)透明導電膜を付けたガラス基板に、エタノールで5倍に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スルホネート)(PEDOT/PSS)=1:1.25の分散液であるBaytron PH510(H.C.Syarck社製)をスピンコートにより20nmの厚さで製膜し、ホットプレート上、220℃で3分間乾燥した。その後、高分子化合物A−2をトルエンに3.2質量%の濃度で溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し膜を得た。この膜の厚さは約70nmであった。次いで、5nmの厚みで酸化モリブデン、10nmの厚みで金、80nmの厚みでアルミニウムを積層させた。このようにして作成した電荷移動度測定用サンプルの電荷移動度を、公知のインピーダンス分光法により測定した。その結果を、以下の表1に示す。
(三重項エネルギー準位の測定)
高分子化合物A―2を、3.2質量%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し約70nmの厚みの膜を得た。このサンプルを77Kに冷却して、PLスペクトルを測定した。PLスペクトルの最も短波側のピーク値から、三重項エネルギー準位を算出した。その結果を、以下の表1に示す。
<実施例3>
(高分子化合物A−3の合成)
アルゴン雰囲気下、四つ口フラスコに、化合物2(0.980g)、化合物4(0.558g)、化合物6(0.0469g)、酢酸パラジウム(2.8mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(17.4mg)、トルエン(55mL)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間還流した。次に、フェニルホウ酸(0.019g)、酢酸パラジウム(1.4mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.4mg)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、18時間加熱還流させ、水層を除いた後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.85g)、及び、イオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3重量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層を、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム/メタノールで再沈殿し、析出した個体をろ別及び乾燥して、高分子化合物A−3を得た(0.769g)。得られた高分子化合物の数平均分子量及び分散度をSECで見積もったところ、Mn=236,000、Mw/Mn=2.21であった。
高分子化合物A−3は、単量体の仕込み比から、以下の繰り返し単位及びモル比率を有する高分子化合物と推定される。
Figure 2015127375
x/y = 0.974 / 0.0258
(nは、正の整数を表す。)
(電荷移動度の測定)
スパッタ法により150nmの厚さでインジウム−スズ酸化物(ITO)透明導電膜を付けたガラス基板に、エタノールで5倍に希釈したポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スルホネート)(PEDOT/PSS)=1:1.25の分散液であるBaytron PH510(H.C.Syarck社製)をスピンコートにより20nmの厚さで製膜し、ホットプレート上、220℃で3分間乾燥した。その後、高分子化合物A−3をトルエンに3.2質量%の濃度で溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し膜を得た。この膜の厚さは約70nmであった。次いで、5nmの厚みで酸化モリブデン、10nmの厚みで金、80nmの厚みでアルミニウムを積層させた。このようにして作成した電荷移動度測定用サンプルの電荷移動度を、公知のインピーダンス分光法により測定した。その結果を、以下の表1に示す。
(三重項エネルギー準位の測定)
高分子化合物A―3を3.2質量%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコートにより1600rpmの回転速度で塗布し、ホットプレート上で、250℃で60分間乾燥し約70nmの厚みの膜を得た。このサンプルを77Kに冷却して、PLスペクトルを測定した。PLスペクトルの最も短波側のピーク値から、三重項エネルギー準位を算出した。その結果を、以下の表1に示す
<比較例1>
(比較化合物B−1の合成)
アルゴン雰囲気下、四つ口フラスコに、4−ブロモ−N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−オクチルフェニル)アニリン(1.05g)、化合物2,2’−(9,9−ジオクチルー9H−フルオレン−2,7−ジイルー)ビス(4,4,5,5−テトラメチルー1,3,2−ジオキサボロン)((0.722g)、化合物6(0.0665g)、酢酸パラジウム(1.3mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(8.5mg)、トルエン(62mL)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間還流した。次にフェニルホウ酸(0.019g)、酢酸パラジウム(2.6mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(8.7mg)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間加熱還流させ、水層を除いた後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.85g)、及び、イオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3重量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層を、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム/メタノールで再沈殿し、析出した個体をろ別及び乾燥して、比較化合物B−1を得た(1.20g)。得られた高分子化合物の数平均分子量及び分散度をSECで見積もったところ、Mn=17,000、Mw/Mn=1.89であった。
比較化合物B−1は、単量体の仕込み比から、以下の繰り返し単位及びモル比率を有する高分子化合物と推定される。
Figure 2015127375
x/y = 0.927 / 0.730
(nは、正の整数を表す。)
(電荷移動度の測定)
高分子化合物としてB−1を使用した以外は実施例1と同様にして、電荷移動度測定用サンプルを作成し、電荷移動度を測定した。その結果を、以下の表1に示す。
(三重項エネルギー準位の測定)
高分子化合物としてB−1を使用した以外は実施例1と同様にして、三重項エネルギー準位測定用サンプルを作成し、三重項エネルギー準位を測定した。その結果を、以下の表1に示す。
<比較例2>
(比較化合物B−2の合成)
アルゴン雰囲気下、四つ口フラスコに、4−ブロモ−N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−オクチルフェニル)アニリン(1.01g)、化合物2,2’−(9,9−ジオクチルー9H−フルオレン−2,7−ジイルー)ビス(4,4,5,5−テトラメチルー1,3,2−ジオキサボロン)((0.718g)、化合物6(0.0640g)、酢酸パラジウム(2.8mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(16.7mg)、トルエン(62mL)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、24時間還流した。次に、フェニルホウ酸(0.019g)、酢酸パラジウム(2.6mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(8.7mg)、及び、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(11.3g)を加え、7時間加熱還流させ、水層を除いた後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(2.85g)、及び、イオン交換水(50mL)を加え85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、有機層を水、3重量%酢酸水溶液、水で洗浄した。有機層を、シリカゲル/アルミナを充填したカラムクロマトグラフィーに通し、溶媒を減圧留去した。残留物をクロロホルム/メタノールで再沈殿し、析出した個体をろ別及び乾燥して、比較化合物B−2を得た(1.18g)。得られた高分子化合物の数平均分子量及び分散度をSECで見積もったところ、Mn=86,000、Mw/Mn=2.13であった。
比較化合物B−2は、単量体の仕込み比から、以下の繰り返し単位及びモル比率を有する高分子化合物と推定される。
Figure 2015127375
x/y =0.943 / 0.573
(nは、正の整数を表す。)
(電荷移動度の測定)
高分子化合物としてB−2を使用した以外は実施例1と同様にして、電荷移動度測定用サンプルを作成し、電荷移動度を測定した。その結果を、以下の表1に示す。
(三重項エネルギー準位の測定)
高分子化合物としてB−2を使用した以外は実施例1と同様にして、三重項エネルギー準位測定用サンプルを作成し、三重項エネルギー準位を測定した。その結果を、以下の表1に示す。
Figure 2015127375
上記表1から明らかなように、本発明の実施形態に係るフルオレン−トリフェニルアミン共重合体は、優れた正孔移動度を有し、かつ、三重項エネルギー準位が高く、電気安定性に優れることが明らかとなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 有機EL素子
110 基板
120 第1電極
130 正孔注入層
140 正孔輸送層
150 発光層
160 電子輸送層
170 電子注入層
180 第2電極

Claims (19)

  1. 下記式(1)で表わされる繰り返し単位を有し、
    当該繰り返し単位は、
    〜Rで表される位置に置換基を有し、
    Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10の何れかの位置に、置換基として架橋性基を有する、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記式(1)において、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
  2. 前記架橋性基は、以下の架橋性基群の中から選ばれる置換基である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記架橋性基群において、R〜Rは、置換基を有してもよいアルキル基であり、mは、1以上の整数である。
  3. 前記架橋性基は、下記式(2)で表わされる芳香族炭化水素基である、請求項2に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
  4. 前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(3)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記式(3)において、
    、R、Rt1〜Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
    Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
    x、y、nは、各々独立に1以上の整数である。
  5. 前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(4)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記式(4)において、
    、R、Rt1、Rt4、Rt6は、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    〜Rは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
    Ar〜Ar11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であり、
    x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
  6. 前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(5)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記式(5)において、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
  7. 前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(6)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
    ここで、上記式(6)において、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    及びRは、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基であり、
    Ar、Ar、Ar、Ar及びAr10は、各々独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    Ar及びAr、Ar及びAr、並びに、Ar及びAr11は、互いに環を形成しても良く、各々独立に置換基を有してもよい芳香族炭化水素又は芳香族複素環基であり、
    x、y、nは、各々独立に、1以上の整数である。
  8. 前記Arは、下記式(7)で表される置換基である、請求項1〜7の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
  9. 前記Arは、下記式(8)で表される置換基である、請求項1〜7の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
  10. 前記式(1)で表される前記繰り返し単位は、下記式(A)〜式(C)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
    Figure 2015127375
  11. 数平均分子量が、10000以上500000以下である、請求項1〜10の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
  12. 数平均分子量が、100000以上500000以下である、請求項1〜11の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、
    正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物。
  14. 前記発光材料は、発光性有機金属錯体化合物を含有する、請求項13に記載の組成物。
  15. 請求項1〜12の何れか一項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体と、
    溶媒又は分散媒と、
    を含有する、液状組成物。
  16. 請求項1〜12の何れか1項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含有する薄膜。
  17. 陽極及び陰極からなる電極と、
    当該電極間に設けられた請求項1〜12の何れか一項に記載のフルオレン−トリフェニルアミン共重合体を含有する有機層と、
    を有する、素子。
  18. 請求項17に記載の素子を備える、面状光源装置。
  19. 請求項17に記載の素子を備える、表示装置。
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