JP2015127306A - 抗菌剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が高く、細菌及び真菌に対して優れた増殖抑制効果を有する抗菌剤組成物の提供。【解決手段】ソルビン酸及び/又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン及びエタノールを含む抗菌剤組成物。好ましくは、ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して、ポリアクリル酸ナトリウム0.01〜1.5重量部、水溶性変性シリコーン0.1〜20重量部及びエタノール1〜45重量部を含む抗菌剤組成物。水溶性変性シリコーンのHLB値が11.5〜19.5である抗菌剤組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、細菌およびカビの増殖を抑制する抗菌剤組成物に関する。
カビなどの真菌類は高温多湿な環境を好むため、生活環境においてその増殖がしばしば問題となっている。このような問題は、例えば、浴室、トイレ、キッチンといった水回りの他、住宅の近代化や冷暖房設備の普及により、居室の壁、床、ソファー、カーテンなどにまで及んでおり、安全にカビの増殖を抑制する技術が求められている。生活環境で用いられる抗カビ剤としては、有機水銀化合物、有機銅化合物などの金属を含む有機化合物や、ハロゲン系、フェノール系、チアゾール系の物質を用いるものが開発されているが、これらの抗カビ剤は、皮膚刺激性が高いなど、人体への影響や、安全性が懸念されるものであった。
一方、飲食物の製造分野においては、細菌、カビ、酵母に対して広い抗菌作用を示す物質としてソルビン酸類が知られており、魚肉練り製品や食肉製品、飲料等に対する食品添加物として使用されている。また、飲食品以外への用途においても、ソルビン酸類の使用が検討されているが、いずれも効果や安全性が不十分であった。
例えば、特許文献1には、ソルビン酸を含む工業用防腐防カビ剤が記載されている。しかし、ソルビン酸単独では十分な効果が得られないために、該防腐防カビ剤は有効成分としてp−クロロ−m−キシレノールを含むものであり、安全性の点において問題があった。
また、特許文献2には水不溶性乃至難溶性で且つ水湿潤性の常温で固体の高分子化合物を徐放性基材として用いてなる、徐放性抗原生生物製剤が記載され、抗原生生物物質としてソルビン酸及びその塩類が記載されている。しかし、該抗原生生物製剤は、水不溶性乃至難溶性の高分子化合物を含有させることにより、冷蔵庫のドレイン等の水路での使用に適した剤形としたものであり、住宅の壁など、製剤を広範囲に接触させる用途には適さないものであった。
上記のような背景から、生活環境において安全性が高く、優れた効果を有する抗菌剤組成物が望まれている。
本発明の目的は、安全性が高く、細菌および真菌に対して優れた増殖抑制効果を有する抗菌剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、安全性が高く、細菌および真菌の増殖を抑制する抗菌剤について鋭意検討した結果、食品添加物としても使用されているソルビン酸及び/又はその塩に、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン及びエタノールを組み合わせることにより、安全性と優れた抗菌効果を併せもつ抗菌剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、ソルビン酸及び/又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン及びエタノールを含む抗菌剤組成物を提供する。また、本発明は、ソルビン酸及び/又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン及びエタノールを含む抗菌剤組成物を対象物と接触させることを含む、細菌および/または真菌の増殖抑制方法を提供する。
本発明の抗菌剤組成物は、生活環境等において、安全に細菌や真菌の増殖を抑制することができる。また、本発明の抗菌剤組成物は、対象物表面に付着しやすいため、噴霧等によって使用した場合でも高い抗菌効果を発揮する。
本発明の抗菌剤組成物の適用対象微生物には、細菌および真菌の両方が含まれる。真菌としては、カビ、酵母等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の抗菌剤組成物において使用するソルビン酸及び/又はその塩としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウムが挙げられるが、人体への安全性が高い点でソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムが好ましい。これらのソルビン酸及び/又はその塩は1種のみ単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよいが、pHの調整が容易にできる点でソルビン酸とソルビン酸カリウムの併用、又はソルビン酸とソルビン酸カルシウムの併用が好ましい。本明細書において、ソルビン酸とソルビン酸塩を併用する場合の「ソルビン酸及びその塩」の量とは、ソルビン酸の量と、ソルビン酸塩をソルビン酸に換算した量との合計を意味するものとする。「ソルビン酸及びその塩」の濃度に関してもこれと同様とする。
本発明の抗菌剤組成物に含まれるポリアクリル酸ナトリウムの割合は、ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して0.01〜1.5重量部が好ましく、0.05〜1重量部がより好ましく、0.1〜0.5重量部がさらに好ましい。ポリアクリル酸ナトリウムの割合がソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して1.5重量部を超えると、該組成物を噴霧によって使用しにくい傾向があり、ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して0.01重量部未満であると該組成物が対象物へ付着しにくく、抗菌効果が低下する傾向がある。
本発明の抗菌剤組成物において使用する水溶性変性シリコーンとは、20℃において、pH7の水に対する溶解度が0.01重量%以上、好ましくは、1.00重量%以上のものをいう。水溶性変性シリコーンの分子構造は限定されず、直鎖でも、分岐や架橋したものであってもよく、1種の有機官能基により変性されたものでも、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。具体的には、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明の抗菌剤組成物において使用する水溶性変性シリコーンのHLB値の範囲は、11.5〜19.5が好ましく、12〜19がより好ましく、13.5〜18がさらに好ましい。本明細書において、HLB値はグリフィン法により求めたものをいう。水溶性変性シリコーンのなかでも、水への溶解性および安定性の点でポリエーテル変性シリコーンが好ましく、水へ容易に溶解する点からポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体がより好ましい。
本発明の抗菌剤組成物に含まれる水溶性変性シリコーンの割合は、ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましく、1〜5重量部がさらに好ましい。水溶性変性シリコーンがソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して0.1重量部未満であると、カビや対象物表面における撥水性緩和の効果が十分に発揮されず、抗菌効果が低下する傾向がある。
本発明の抗菌剤組成物において使用するエタノールに特に制限はなく、工業用エタノールや変性剤として食品香料等を任意の割合で含有した変性エタノールであってもよい。
本発明の抗菌剤組成物に含まれるエタノールの割合は、ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して1〜45重量部が好ましく、2〜40重量部がより好ましく、3〜35重量部がさらに好ましい。エタノールがソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して1重量部未満であると、組成物の安定性が悪化する傾向がある。
本発明の抗菌剤組成物には、必要によりさらに他の添加剤を配合することができる。配合可能な他の添加剤としては着色料、香料等が挙げられる。本発明の抗菌剤組成物におけるこれら他の添加剤の割合は、通常、5重量%以下である。
本発明の抗菌剤組成物を構成する、ソルビン酸及び/又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン、エタノール、ならびに必要に応じて配合可能な他の添加剤以外の残部は、水である。
本発明の抗菌剤組成物の製法は特に限定されず、例えば必要な成分を水に均一に溶解させる事によって該組成物を製造することが出来る。本発明の抗菌剤組成物は、そのまま対象物に適用できる水溶液の形態で提供されてもよく、対象物へ適用する際に希釈して使用する濃溶液の形態で提供されてもよい。
本発明の抗菌剤組成物に用いる水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、および地下水や伏流水等の天然水のいずれであってもよいが、塩素や金属イオンの含有量が少ない点で精製水が好ましい。
本発明の抗菌剤組成物の粘度は、20℃におけるB型粘度計による測定値が2〜1600mPa・sであることが好ましく、5〜50mPa・sであることがより好ましい。粘度が1600mPa・sを超えると該組成物を噴霧によって使用しにくい傾向があり、2mPa・s未満であると、該組成物が対象物へ付着しにくい傾向がある。
本発明の抗菌剤組成物を保管する際の温度は、水溶液の分離や成分の析出等が生じない温度であれば特に限定されないが、0〜45℃であることが好ましく、1〜25℃であることがより好ましく、2〜10℃であることがさらに好ましい。保管温度が45℃を超えると該組成物の粘度が低下する傾向があり、0℃未満では該組成物の成分が析出する傾向がある。
本発明の抗菌剤組成物は、これを対象物、例えば対象物の表面と接触させることによって、抗菌効果を発揮させることができる。接触方法は特に限定されず、散布、噴霧、浸漬、拭き取り等の一般的な方法で実施することができるが、特に噴霧による方法が利便性の点から好ましい。
本発明の抗菌剤組成物を対象物と接触させる場合、ソルビン酸及び/又はその塩の濃度が0.04〜2重量%である水溶液の形態で使用することが好ましい。例えば、ソルビン酸及び/又はその塩を0.04〜2重量%、ポリアクリル酸ナトリウム0.005〜1重量%、水溶性変性シリコーン0.04〜10重量%およびエタノール0.15〜70重量%を含有する水溶液として用いることが好ましく、ソルビン酸及び/又はその塩を0.05〜1.75重量%、ポリアクリル酸ナトリウム0.0075〜0.50重量%、水溶性変性シリコーン0.05〜5重量%およびエタノール0.17〜50重量%を含有する水溶液として用いることがより好ましく、ソルビン酸及び/又はその塩を0.06〜1.50重量%、ポリアクリル酸ナトリウム0.01〜0.25重量%、水溶性変性シリコーン0.06〜2.50重量%およびエタノール0.20〜30重量%を含有する水溶液として用いることがさらに好ましい。
本発明の抗菌剤組成物を対象物に適用する際の該組成物のpHは、3.5〜7.5が好ましく、4.0〜7.0がより好ましく、4.5〜6.5がさらに好ましい。組成物のpHが7.5を超えると抗菌効果が発揮されにくい傾向があり、3.5未満であると対象物表面にサビ等の影響を及ぼす可能性がある。
本発明の抗菌剤組成物のpHを調整する場合、該pH調整を行う段階は特に限定されないが、通常は、調製された水溶液の形態の抗菌剤組成物にpH調整剤を添加すればよい。あるいは、抗菌剤組成物を調製する際、該組成物のpHを所望の範囲に調整できる量のpH調整剤を、必要な成分と共に水に均一に溶解させてもよい。pH調整剤としては水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、炭酸ナトリウム、リン酸等を使用することができる。
本発明の抗菌剤組成物は、生活環境に存在する様々な物、例えば、住宅の内壁、外壁、床、家具等の硬質表面、および皮製品、布製品等へ使用することが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに発明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
実施例1および比較例1〜9
抗菌剤組成物の調製
表1に示す各成分を混合し、水酸化ナトリウム又は塩酸を用いてpHを6.5に調整することにより、抗菌剤組成物を得た。また、かかる抗菌剤組成物の調製に用いた一部の成分の粘度および製造元を表2に示す。
抗菌剤組成物の調製
表1に示す各成分を混合し、水酸化ナトリウム又は塩酸を用いてpHを6.5に調整することにより、抗菌剤組成物を得た。また、かかる抗菌剤組成物の調製に用いた一部の成分の粘度および製造元を表2に示す。
最小発育阻止濃度
表1に記載の抗菌剤組成物を、該組成物濃度が5重量%〜40重量%となるように滅菌水で希釈し、24ウェルマイクロプレートに750μLずつ添加した。そこに指定濃度の2倍に調整したPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)を750μLずつ添加し、ウェル内にて撹拌後、培地が固まるまで静置した。次に、供試菌iをPDA培地にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×103CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、上記のマイクロプレートの各ウェルに10μLずつ接種した。これを30℃で5日間培養し、目視にてカビの生育の有無を確認した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
表1に記載の抗菌剤組成物を、該組成物濃度が5重量%〜40重量%となるように滅菌水で希釈し、24ウェルマイクロプレートに750μLずつ添加した。そこに指定濃度の2倍に調整したPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)を750μLずつ添加し、ウェル内にて撹拌後、培地が固まるまで静置した。次に、供試菌iをPDA培地にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×103CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、上記のマイクロプレートの各ウェルに10μLずつ接種した。これを30℃で5日間培養し、目視にてカビの生育の有無を確認した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
結果を表3に示す。カビの生育が確認されたものを「+」、カビの生育が確認されなかったものを「−」と表す。
安定性評価
表1に示す抗菌剤組成物を、ガラス製の密閉容器中で20mLずつ、0℃、25℃、45℃の恒温器内で5日間静置して、目視にて外観や状態の変化を観察した。
結果を表4に示す。比較例3の組成物は結晶が析出し、比較例5と比較例9の組成物は白色沈殿が生じ、比較例6の組成物は液層が分離した。
表1に示す抗菌剤組成物を、ガラス製の密閉容器中で20mLずつ、0℃、25℃、45℃の恒温器内で5日間静置して、目視にて外観や状態の変化を観察した。
結果を表4に示す。比較例3の組成物は結晶が析出し、比較例5と比較例9の組成物は白色沈殿が生じ、比較例6の組成物は液層が分離した。
カビ胞子表面の撥水性の緩和効果評価
安定性評価において、外観や状態の変化が確認されなかった組成物について、撥水性の緩和効果評価を行った。
供試菌iをPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×103CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈した後、24ウェルマイクロプレートに1500μLずつ作製したPDA培地に、10μLずつ接種し、30℃で15日間培養し、培地全面に供試菌iを生育させた。
次に、表1に示す実施例1ならびに比較例1〜2、4、7および8の抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、赤色106号(東京化成工業社製)で着色し、供試菌iを生育させたマイクロプレートの各ウェルに80μLずつ滴下し、滴下直後の組成物の状態を目視により観察した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
安定性評価において、外観や状態の変化が確認されなかった組成物について、撥水性の緩和効果評価を行った。
供試菌iをPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×103CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈した後、24ウェルマイクロプレートに1500μLずつ作製したPDA培地に、10μLずつ接種し、30℃で15日間培養し、培地全面に供試菌iを生育させた。
次に、表1に示す実施例1ならびに比較例1〜2、4、7および8の抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、赤色106号(東京化成工業社製)で着色し、供試菌iを生育させたマイクロプレートの各ウェルに80μLずつ滴下し、滴下直後の組成物の状態を目視により観察した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
組成物を滴下した後の写真を図1に、撥水性緩和効果の判定結果を表4に示す。カビ胞子表面に薬剤が馴染んで広がるものを「OK」、広がらないものを「NG」と判定した。比較例7および8の組成物は、カビ胞子表面の撥水性の緩和効果が確認されなかった。
抗真菌効果評価
撥水性の緩和効果評価において、OKと判定した組成物について、抗真菌効果の評価を行った。
表1に示す実施例1ならびに比較例1、2および4の抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、24ウェルマイクロプレートに1500μLずつ作製したPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)に、75μLずつ滴下し、25℃で1時間静置した。
次に、供試菌iをPDA培地にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×102CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、上記のマイクロプレートの各ウェルに10μLずつ接種した。30℃で4日間培養し、供試菌iの生育を目視により確認した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
撥水性の緩和効果評価において、OKと判定した組成物について、抗真菌効果の評価を行った。
表1に示す実施例1ならびに比較例1、2および4の抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、24ウェルマイクロプレートに1500μLずつ作製したPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)に、75μLずつ滴下し、25℃で1時間静置した。
次に、供試菌iをPDA培地にて30℃で15日間培養して得られた胞子懸濁液を、5×102CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、上記のマイクロプレートの各ウェルに10μLずつ接種した。30℃で4日間培養し、供試菌iの生育を目視により確認した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
結果を表4に示す。カビの生育が確認されなかったものを「OK」、カビの生育が確認されたものを「NG」と判定した。比較例1、2および4の組成物では、カビの生育が確認された。
本発明の抗菌剤組成物は、安定性、撥水性緩和効果、および抗真菌効果のいずれの評価においても、優れた結果を示した。
実施例2
JISZ2911(かび抵抗性試験)を参考にし、皮革を用いた抗真菌効果の評価を行った。表5に示す抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、牛革を30mm×30mmに切り取った試験片の表面に1mL滴下し塗り広げた。次に、希釈した各組成物1mLを、約20mLのPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)の表面全体に塗り広げ、培地上に試験片を載置した。その後、下記の供試菌i〜iiiを別途、PDA培地にて30℃で15日間培養して作製した胞子懸濁液を、それぞれ2×102CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、等量ずつとり、均一に混合した。試験片の表面全体に、混合した胞子懸濁液を500μL接種し、温度25±2℃、相対湿度97±2%で4日間培養した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
供試菌ii:Aspergillus. niger ATCC16404
供試菌iii:Penicillium. citrinum NFRI1019
JISZ2911(かび抵抗性試験)を参考にし、皮革を用いた抗真菌効果の評価を行った。表5に示す抗菌剤組成物を、該組成物の濃度が20重量%となるように滅菌水で希釈し、牛革を30mm×30mmに切り取った試験片の表面に1mL滴下し塗り広げた。次に、希釈した各組成物1mLを、約20mLのPDA培地(日水製薬社製、ポテトデキストロース寒天培地(顆粒)「ニッスイ」)の表面全体に塗り広げ、培地上に試験片を載置した。その後、下記の供試菌i〜iiiを別途、PDA培地にて30℃で15日間培養して作製した胞子懸濁液を、それぞれ2×102CFU/mLとなるように生理食塩水で希釈し、等量ずつとり、均一に混合した。試験片の表面全体に、混合した胞子懸濁液を500μL接種し、温度25±2℃、相対湿度97±2%で4日間培養した。
供試菌i:Fusarium. sp(生活環境からの分離菌)
供試菌ii:Aspergillus. niger ATCC16404
供試菌iii:Penicillium. citrinum NFRI1019
培養終了後の試験片の状態を目視により確認した結果、実施例2の組成物においてはコントロールと比較して、高い抗真菌効果が確認された。試験片の写真を図2に示す。また、抗真菌効果の判定結果を表6に示す。
Claims (7)
- ソルビン酸及び/又はその塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水溶性変性シリコーン及びエタノールを含む抗菌剤組成物。
- ソルビン酸及び/又はその塩1重量部に対して、ポリアクリル酸ナトリウム0.01〜1.5重量部、水溶性変性シリコーン0.1〜20重量部及びエタノール1〜45重量部を含む請求項1に記載の抗菌剤組成物。
- 水溶性変性シリコーンのHLB値が11.5〜19.5の範囲である、請求項1または2に記載の抗菌剤組成物。
- 水溶性変性シリコーンが、ポリエーテル変性シリコーンである請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌剤組成物。
- ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体である請求項4に記載の抗菌剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抗菌剤組成物を対象物と接触させることを含む、細菌および/または真菌の増殖抑制方法。
- 該抗菌剤組成物を噴霧によって対象物と接触させる、請求項6に記載の方法。
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JP2017160136A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 株式会社ウエ・ルコ | 防カビ用液剤及びその製法 |
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