JP2015127129A - 複層塗膜及びその形成方法 - Google Patents

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昌一 梶原
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Abstract

【課題】十分な耐候性を有し且つ彩度が高い複層塗膜及びその形成方法の提供。
【解決手段】被塗物の上に形成されるベース塗膜と、前記ベース塗膜の上に形成される第1クリヤー塗膜と、前記第1クリヤー塗膜の上に形成される第2クリヤー塗膜と、を備える複層塗膜であって、前記第1クリヤー塗膜は、集光性染料を含有し、前記第2クリヤー塗膜は、紫外線吸収剤を含有し、前記紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しない複層塗膜。前記ベース塗膜は、キナクリドン系レッド、ピロロピロール系レッド、ペリレン系レッド、酸化鉄系レッド、キナクリドン系マゼンタ、ペリレン系マルーン、アゾ錯体イエロー、無機イエロー、ベンズイミダゾロンイエロー及びイソインドリンイエローからなる群より選ばれる1種又は2種以上の高彩度顔料を含有する複層塗膜。
【選択図】図2

Description

本発明は、複層塗膜及びその形成方法に関する。
従来、自動車の車体や部品の表面には、耐食性を付与するための下塗り塗膜及び種々の塗膜物性を付与するための中塗り塗膜が形成された後に、中塗り塗膜の表面に意匠性を付与するための上塗り塗膜が形成される。上塗り塗膜は、一般的に、ベース塗膜と、その上に形成されるクリヤー塗膜と、を含んで構成される。
近年、自動車の車体表面の複層塗膜として、高彩度の複層塗膜が求められている。高彩度の複層塗膜を得るための技術として、例えば、集光性染料をクリヤー塗膜に含有させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。集光性染料は、天然光又は人工光を吸収して、吸収した光を蛍光に変換して発光する化合物である。
特開2004−33845号公報
しかしながら、集光性染料をクリヤー塗膜に含有させた複層塗膜は、耐候性に劣ることが問題であった。また、集光性染料をクリヤー塗膜に含有させた複層塗膜の耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を複層塗膜に含有させた場合、紫外線吸収剤の吸光度の高い光の波長領域が集光性染料の吸光度の高い光の波長領域と重複してしまうことで、複層塗膜の彩度を十分に向上させることができない場合もあった。
本発明は、十分な耐候性を有し且つ彩度が高い複層塗膜及びその形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、被塗物の上に形成されるベース塗膜と、前記ベース塗膜の上に形成される第1クリヤー塗膜と、前記第1クリヤー塗膜の上に形成される第2クリヤー塗膜と、を備える複層塗膜であって、前記第1クリヤー塗膜は、集光性染料を含有し、前記第2クリヤー塗膜は、紫外線吸収剤を含有し、前記紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないものである複層塗膜に関する。
また、前記第1クリヤー塗膜は、ヒンダードアミン系光安定剤を更に含有することが好ましい。
また、前記ベース塗膜は、キナクリドン系レッド、ピロロピロール系レッド、ペリレン系レッド、酸化鉄系レッド、キナクリドン系マゼンタ、ペリレン系マルーン、アゾ錯体イエロー、無機イエロー、ベンズイミダゾロンイエロー及びイソインドリンイエローからなる群より選ばれる1種又は2種以上の高彩度顔料を含有することが好ましい。
また、前記ベース塗膜は、集光性染料を含有することが好ましい。
また、本発明は、被塗装物の上にベース塗膜を形成する工程と、前記ベース塗膜の上に第1クリヤー塗膜を形成する工程と、前記第1クリヤー塗膜の上に第2クリヤー塗膜を形成する工程と、を備える複層塗膜の形成方法であって、前記第1クリヤー塗膜は、集光性染料を含有し、前記第2クリヤー塗膜は、紫外線吸収剤を含有し、前記紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないものである複層塗膜の形成方法に関する。
本発明によれば、十分な耐候性を有し且つ彩度が高い複層塗膜及びその形成方法を提供することができる。
集光性染料の吸収・発光スペクトルを示す図である。 集光性染料の吸収・発光スペクトルを示す図である。 集光性染料の吸収・発光スペクトルを示す図である。 集光性染料の吸収・発光スペクトルを示す図である。 紫外線吸収剤の吸収スペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態に係る複層塗膜は、ベース塗膜と、第1クリヤー塗膜と、第2クリヤー塗膜と、を備える。
<被塗物>
本実施形態に係る複層塗膜の形成される被塗物としては、例えば、金属、プラスチック、発泡体等が挙げられる。中でも、電着塗装が可能な金属が好ましく用いられる。金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等及びこれらの金属を含む合金が挙げられる。本実施形態に係る複層塗膜の形成方法は、これらの金属により構成される成型物、例えば自動車車体の外板等に好ましく適用される。
被塗物として上述の金属を用いる場合には、予めリン酸系又はジルコニウム系の化成処理剤で化成処理した後、電着塗装するのが好ましい。これにより、被塗物に優れた防錆性が付与される。電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型のいずれも使用可能であるが、より優れた防食性が得られる観点から、カチオン型電着塗料が好ましく用いられる。
プラスチックとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのブラスチックにより構成される成型物としては、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリル、ドアノブ等の自動車部品等が例示される。被塗物としてこれらのプラスチックを用いる場合には、塗装前に予め純水や中性洗剤により洗浄するのが好ましい。また、静電塗装を可能にするため、予めプライマー塗装が施されていてもよい。
本実施形態で用いる被塗物は、金属であれば電着塗膜上、プラスチックであればプライマー塗膜上に、中塗り塗膜が形成されていることが好ましい。この中塗り塗膜は、中塗り塗料を塗装後、焼き付け硬化することにより形成される。中塗り塗料としては、水性型、溶剤型、粉体型等の中塗り塗料が挙げられる。
中塗り塗料は、着色顔料、体質顔料、主剤と硬化剤からなる塗膜形成性樹脂等を含有する。中塗り塗料により形成される中塗り塗膜は、下地を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保して外観を向上させるとともに、耐衝撃性や耐チッピング性等の各種塗膜物性を付与する。
中塗り塗料に用いられる着色顔料としては、有機系及び無機系を問わず、種々の着色顔料が用いられる。体質顔料としては、従来公知の種々の体質顔料が用いられる。また、アルミニウム粉やマイカ粉等の扁平顔料を併用してもよい。例えば、カーボンブラックと酸化チタンを主要顔料としたグレー系中塗り塗料の他、上塗り塗色と明度や色相等を合わせたセットグレーや各種着色顔料を組み合わせた、所謂カラー中塗り塗料としてもよい。
中塗り塗料により形成される中塗り塗膜は、20°におけるL値が80以上である白色の中塗り塗膜であることが好ましい。中塗り塗膜が、20°におけるL値が80以上の白色であることで、後述する集光性染料を含有する第1クリヤー塗膜の鮮やかさが際立ち、複層塗膜の意匠性を向上する。
中塗り塗料に用いられる塗膜形成性樹脂を構成する主剤としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらは、アミノ樹脂やブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられる。顔料分散性や作業性の観点から、アルキド樹脂やポリエステル樹脂と、アミノ樹脂との組合せが好ましく用いられる。
このような中塗り塗料を塗装後、加熱することにより、硬化した中塗り塗膜が得られる。加熱温度は一般に100〜180℃であり、より好ましくは120〜160℃である。加熱時間は10〜30分であるのが好ましい。中塗り塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で20〜60μmが好ましく、30〜40μmがより好ましい。なお、中塗り塗料を塗装後、加熱硬化することなく後述するベース塗料を塗装したのち、未硬化の中塗り塗膜及びベース塗膜を同時に加熱硬化してもよい。また、中塗り塗料を塗装後、加熱硬化することなく後述するベース塗料及びクリヤー塗料を塗装したのち、未硬化の中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を同時に加熱硬化してもよい。
ただし本実施形態では、上記中塗り塗膜は必須ではなく、中塗り塗膜を有さない所謂中塗りレスの被塗物であってもよい。この場合には、中塗り塗膜が通常有する耐衝撃性や耐チッピング性等の各種塗膜物性を、後述のベース塗膜に付与することが好ましい。具体的には、上述した中塗り塗料の各成分を、後述するベース塗料中に配合することが好ましい。
<ベース塗膜>
ベース塗膜は、被塗物の上に形成される。ベース塗膜は、主として複層塗膜に美観性及び意匠性を付与し維持するための塗膜である。
このベース塗膜は、ベース塗料により形成される。ベース塗料は、溶剤型及び水性塗料のどちらを用いてもよい。しかし、低VOC対策上、環境対応型の水性ベース塗料を好ましく用いることができる。ベース塗料を塗装する方法としては、静電塗装が好ましく採用される。
ベース塗料としては、着色顔料と、塗膜形成性樹脂と、を含有する水性ベース塗料が用いられることが好ましい。塗膜形成性樹脂としては、好ましくは、アクリルエマルション樹脂、ポリエーテルポリオール、ウレタンエマルション樹脂及び硬化剤を含む。ベース塗料は、複層塗膜の塗色に応じて、その組成が調整される。
[着色顔料]
ベース塗膜の含有する着色顔料としては、有機系及び無機系いずれも用いることができる。有機系の着色顔料としては、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられる。また、無機系の着色顔料と
しては、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。
ベース塗膜は、着色顔料として高彩度顔料を含有することが好ましい。高彩度顔料としては、黄色系では彩度(C*値)が50以上の着色顔料であるものが好ましく、赤色系では彩度(C*値)が40以上のものが好ましい。高彩度顔料としては、赤系の、キナクリドン系レッド、ピロロピロール系レッド、ペリレン系レッド、酸化鉄系レッド、キナクリドン系マゼンタ及びペリレン系マルーン、並びに、黄系の、アゾ錯体イエロー、無機イエロー、ベンズイミダゾロンイエロー及びイソインドリンイエロー等を挙げることができる。ベース塗膜が高彩度顔料を含有することで、複層塗膜の彩度が向上する。
ベース塗膜を形成するベース塗料における高彩度顔料の顔料質量濃度(PWC)は、10〜30%であることが好ましい。ベース塗料における高彩度顔料のPWCが、10%未満だと、複層塗膜の彩度が低下する傾向にある。一方、ベース塗料における高彩度顔料のPWCが、30%よりも多いと、後述する第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料による、複層塗膜の彩度を向上させる効果が得られ難くなってしまう傾向にある。ベース塗料における高彩度顔料のPWCは、15〜25%であることがより好ましい。
なお、高彩度顔料のPWCは、後述する高彩度顔料以外の顔料も合わせた全顔料及び全樹脂成分の合計質量に対する、全高彩度顔料の質量比であり、下記式(1)により算出される。
[数1]

着色顔料のPWC=(全高彩度顔料の合計質量)/(ベース塗料中の全顔料及び全樹脂成分との合計質量)×100(質量%)
・・・式(1)
[アクリルエマルション樹脂]
ベース塗料の塗膜形成性樹脂として配合されるアクリルエマルション樹脂は、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られる種々のものが好ましく用いられる。例えば、側鎖のエステル部の炭素数が1又は2の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを65質量%以上含み、酸価が3〜50mgKOH/gのα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるものを用いることができる。
α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物中の、側鎖のエステル部の炭素数が1又は2の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有量が65質量%未満であると、得られる塗膜の外観が低下する。なお、側鎖のエステル部の炭素数が1又は2の(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、酸価が3〜50mgKOH/gであることが好ましく、より好ましい酸価は7〜40mgKOH/gである。酸価が3mgKOH/g未満では、作業性が低下するおそれがあり、酸価が50mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
また、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、水酸基価が10〜150mgKOH/gであることが好ましく、より好ましい水酸基価は20〜100mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満では、十分な硬化性が得られないおそれがあり、水酸基価が150mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
なお、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、酸基や水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーの含有量を調整することで、上述の好ましい酸価及び水酸基価に調整される。
また、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を重合して得られるアクリルエマルション樹脂のガラス転移温度は、塗膜物性の観点から、−20〜80℃の範囲内であることが好ましい。
酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、イソクロトン酸、α−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、3−ビニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二量体が特に好ましく用いられる。
水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、アリルアルコール、メタクリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物が特に好ましく用いられる。
上述のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、更にその他のα,β−エチレン性不飽和モノマーを35質量%未満含んでいてもよい。その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、側鎖のエステル部の炭素数が3以上の(メタ)アクリル酸エステル(例えば(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等)、重合性アミド化合物(例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−モノオクチル(メタ)アクリルアミド2,4−ジヒドロキシ−4'−ビニルベンゾフェノン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等)、重合性芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレン及びビニルナフタレン等)、重合性ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、α−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ジエン(例えば、ブタジエン、イソプレン等)が挙げられる。これらは目的に応じて選択されるが、親水性付与の観点で言えば、(メタ)アクリルアミドを用いることが好ましい。
α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の乳化重合は、従来公知の方法により行われる。具体的には、水又は必要に応じてアルコール等の有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を溶解させ、加熱撹拌しながら上述のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物及び重合開始剤を滴下することにより乳化重合が行われる。このとき、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、乳化剤で予め乳化してから滴下してもよい。
重合開始剤としては、アゾ系の油性化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、アゾ系の水性化合物(例えば、アニオン系の4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、カチオン系の2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン))、レドックス系の油性過酸化物(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等)、水性過酸化物(例えば、過硫酸カリ、過酸化アンモニウム等)等が挙げられる。
乳化剤としては、従来公知のものが用いられるが、中でも、反応性乳化剤、例えばアントックス(Antox)MS−60(日本乳化剤株式会社製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業株式会社製)、アデカリアソープNE−20(株式会社ADEKA製)、アクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)等が特に好ましく用いられる。
また、アクリルエマルション樹脂の分子量を調整する目的で、ラウリルメルカプタン等のメルカプタンやα−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を必要に応じて用いてもよい。
反応温度は開始剤により決定され、例えばアゾ系開始剤では60〜90℃であり、レドックス系では30〜70℃で反応を行うことが好ましい。反応時間は、1〜8時間であることが好ましい。α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の総量に対する開始剤の使用量は、0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2質量%である。
上述の乳化重合は、2段階で行うことができる。即ち、先ずα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物のうちの一部(α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1)を乳化重合し、ここにα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の残り(α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物2)を更に加えて乳化重合を行ってもよい。
優れた意匠性を有する塗膜を形成するために、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1は、アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含むことが好ましい。またこのとき、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物2は、アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含まないことが好ましい。
アクリルエマルション樹脂の粒子径は、0.01〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。粒子径が0.01μm未満であると、作業性が低下するおそれがあり、1.0μmを超えると、得られる塗膜の外観が悪化するおそれがある。アクリルエマルション樹脂の粒子径は、例えばモノマー組成や乳化重合の条件を調整することにより調整可能である。なお、本明細書において、粒子径は、レーザー光散乱法により測定した体積平均粒径を意味する。
アクリルエマルション樹脂は、安定性の観点から、必要に応じて塩基で中和することによりpHが5〜10の範囲内で用いられることが好ましい。中和は、乳化重合の前後に、ジメチルエタノールアミンやトリエチルアミンのような3級アミンを添加することにより行われる。
ベース塗料中におけるアクリルエマルション樹脂の含有量としては、ベース塗料の樹脂固形分あたり15〜40質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。ベース塗料中におけるアクリルエマルション樹脂の含有量が、15質量%未満であると塗膜の外観が低下するおそれがあり、40質量%を超えると塗膜の耐水性及び耐チッピング性が低下するおそれがある。
[ポリエーテルポリオール]
ベース塗料の塗膜形成性樹脂として配合されるポリエーテルポリオールとしては、1分子中に1級水酸基を平均0.02個以上有し且つ数平均分子量が300〜3000であるものが好ましく用いられる。このようなポリエーテルポリオールを含有することにより、塗膜のフリップフロップ性、耐水性及び耐チッピング性を向上させることができる。なお、本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)を用いたポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
ポリエーテルポリオールの1分子中における1級水酸基が平均0.02個未満であると、塗膜の耐水性や耐チッピング性が低下する。1分子中の1級水酸基は、0.04個以上であることがより好ましく、1個以上であることが更に好ましい。1級水酸基の他、2級及び3級水酸基を含めた水酸基の個数は、塗膜の耐水性及び耐チッピング性の観点から、1分子中に2個以上であることが好ましい。
ここで、ポリエーテルポリオールの水酸基価は、30〜700mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が30mgKOH/g未満であると、硬化性が低下して塗膜の耐水性及び耐チッピング性が低下するおそれがある。また水酸基価が700mgKOH/gを超えると、塗料の安定性及び塗膜の耐水性が低下するおそれがある。特に好ましい水酸基価は、50〜500mgKOH/gである。
また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が300未満であると、塗膜の耐水性が低下するおそれがあり、数平均分子量が3000を超えると、塗膜の硬化性及び耐チッピング性が低下するおそれがある。特に好ましい数平均分子量は、400〜2000である。
ベース塗料中のポリエーテルポリオールの含有量は、ベース塗料の樹脂固形分あたり1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。ポリエーテルポリオールの含有量が1質量%未満であると、塗膜の外観が低下するおそれがあり、40質量%を超えると、塗膜の耐水性及び耐チッピング性が低下するおそれがある。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール、多価フェノール、多価カルボン酸類等の活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドが付加した化合物が挙げられる。活性水素含有化合物としては、例えば、水、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン及びシクロヘキシレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン及びソルビタン等の4価アルコール、アドニトール、アラビトール、キシリトール及びトリグリセリン等の5価アルコール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース及びアロース等の6価アルコール、蔗糖等の8価アルコール、ポリグリセリン等);多価フェノール類[多価フェノール(ピロガロール、ヒドロキノン、フロログルシン等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォン等)];ポリカルボン酸[脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸等)、芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等)]等;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、常法により、常圧又は加圧下で60〜160℃の温度条件下で、上記活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドをアルカリ触媒の存在下で付加反応を行うことにより得られる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。2種以上を併用する場合の付加形式は、ブロック又はランダムのいずれでもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、市販品を用いることができる。例えば、ポリエーテルポリオールとして、プライムポールPX−1000、サンニックスSP−750、PP−400(いずれも三洋化成工業株式会社製)、PTMG−650(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。
[ウレタンエマルション樹脂]
ベース塗料の塗膜形成性樹脂として配合されるウレタンエマルション樹脂としては、例えば次のようにして得たものを用いることができる。先ず、ジイソシアネートと、少なくとも2個の活性水素を有するグリコール又はカルボン酸基を有するグリコールを、NCO/OH当量比0.5〜2.0で反応させることで、ウレタンプレポリマーを生成させる。次いで、生成したウレタンプレポリマーを中和剤により中和し、鎖伸長剤により鎖伸長する。その後、カチオン系、ノニオン系又はアニオン系の界面活性剤とイオン交換水を添加して分散させることにより、ウレタンエマルション樹脂を得る。
上述のジイソシアネートとしては、例えば脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネートが挙げられる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1、4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びそれらの誘導体等が挙げられる。
上述の活性水素を有するグリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の低分子量グリコール、ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシプロピレンとグリセリンとの付加物、ポリオキシプロピレンとトリメチロールプロパンとの付加物、ポリオキシプロピレンと1,2,6−ヘキサントリオールとの付加物、ポリオキプロピレンとペンタエリスリットとの付加物、ポリオキシプロピレンとソルビットとの付加物、メチレン−ビス−フェニルジイソシアネート、ヒドラジンで鎖伸長したポリテトラフランポリエーテル及びそれらの誘導体等が挙げられる。
また、アジピン酸又はフタル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン又は1,1,1−トリメチロールエタン等の縮合物であるポリエステル類、ポリカプロラクトン等も挙げられる。
上述のカルボン酸基を有するグリコールとしては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。
上述の中和剤としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
上述の鎖伸長剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、1,2−ビス(2−シアノエチルアミノ)エタン、イソホロンジアミン等の脂肪族、脂環式又は芳香族ジアミン、水等が挙げられる。
上述のウレタンエマルション樹脂としては、市販品を用いることができる。具体的には、DIC株式会社製の「ボンディック」シリーズ、「ハイドラン」シリーズ、バイエル社製の「インプラニール」シリーズ、ネオレッツR−940、R−941、R−960、R−962、R−966、R−967、R−962、R−9603、R−9637、R−9618、R−9619、XR−9624等のアビシア社製の「ネオレッツ」シリーズ、三洋化成工業株式会製の「ユーコート」、「ユープレン」、「パーマリン」シリーズ、株式会社ADEKA製の「アデカボンタイター」シリーズ等を用いることができる。これらウレタンエマルション樹脂は、1種又は2種以上を併用してもよい。
ウレタンエマルション樹脂の含有量は、ベース塗料の樹脂固形分100質量部あたり、3〜30質量部であることが好ましい。ウレタンエマルション樹脂の含有量が3質量部未満であると、付着性等が低下するおそれがあり、30質量部を超えると、塗料の貯蔵安定性が低下するおそれがある。特に好ましくは、10〜25質量部である。
[硬化剤]
ベース塗料の塗膜形成性樹脂として配合される硬化剤としては、塗料一般に用いられている硬化剤を用いることができる。得られる塗膜の諸性能及びコストの観点から、アミノ樹脂及びブロックイソシアネートが好ましく用いられる。
アミノ樹脂としては、例えばジメチルエタノールアミン等の他、水溶性メラミン樹脂又は非水溶性メラミン樹脂を用いることができる。これらメラミン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば三井化学株式会社製サイメル204等を用いることができる。
ブロックイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートに活性水素を有するブロック剤を付加させたものを用いることができる。このブロックイソシアネートは、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、樹脂成分中の官能基と反応することで硬化する。
ベース塗料中の硬化剤の含有量は、ベース塗料中の樹脂固形分100質量部あたり、15〜100質量部であることが好ましく、15〜35質量部であることが更に好ましい。硬化剤の含有量が15質量部未満であると、硬化性等が低下するおそれがあり、100質量部を超えると、付着性及び耐温水性等が低下するおそれがある。
また、硬化剤と上述のウレタンエマルション樹脂の合計含有量は、塗料樹脂固形分100質量部当たり、30〜60質量部であることが好ましい。硬化剤及びウレタンエマルション樹脂の合計含有量が、30質量部未満であると、塗装作業性が低下するおそれがあり、60質量部を超えると、塗料の貯蔵安定性が低下するおそれがある。特に好ましくは、30〜55質量部である。
[その他成分]
ベース塗料は、必要に応じて、その他成分を含んでいてもよい。例えばベース塗料は、上述のアクリルエマルション樹脂、ポリエーテルポリオール、ウレタンエマルション樹脂及び硬化剤以外に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の他の塗膜形成性樹脂を含んでいてもよい。
上記の他の塗膜形成性樹脂は、数平均分子量が3000〜50000であることが好ましく、より好ましい数平均分子量は6000〜30000である。数平均分子量が3000より小さいと、塗装作業性及び硬化性が十分ではなくなるおそれがある。数平均分子量が50000を超えると、塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって塗装作業性が悪くなるおそれがある。
上記の他の塗膜形成性樹脂は、酸価が10〜100mgKOH/gであることが好ましく、より好ましい酸価は20〜80mgKOH/gである。酸価が100mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が低下するおそれがあり、酸価が10mgKOH/g未満であると、樹脂の水分散性が低下するおそれがある。
また、上記の他の塗膜形成性樹脂は、水酸基価が20〜180mgKOH/gであることが好ましく、より好ましい水酸基価は30〜160mgKOH/gである。水酸基価が180mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が低下するおそれがあり、水酸基価が20未満であると、塗膜の硬化性が低下するおそれがある。
なお、上記の他の塗膜形成性樹脂と上述のアクリルエマルション樹脂との配合割合は、両樹脂の固形分総量に対して、アクリルエマルション樹脂が5〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜85質量%であり、更に好ましくは20〜70質量%である。即ち、両樹脂の固形分総量に対して、上記の他の塗膜形成性樹脂が95〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは90〜15質量%であり、更に好ましくは80〜30質量%である。アクリルエマルション樹脂の割合が5質量%未満であると、タレを抑制できず塗膜外観が低下するおそれがあり、95質量%を超えると塗膜外観が悪化するおそれがある。
ベース塗膜(ベース塗料)は、集光性染料を含有することが好ましい。ベース塗膜の含有する集光性染料としては、後述する第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料と同様の種類の集光性染料が挙げられる。後段で詳述するが、集光性染料を含有する塗膜は、膜厚の変化による色変動が大きい。ベース塗膜が集光性染料を含有することにより、複層塗膜の複層方向(厚み方向)における集光性染料を含有する領域が大きくなるので、第1クリヤー塗膜の膜厚変化による塗膜の色変動を抑えることができる。
ベース塗膜を形成するベース塗料における集光性染料の含有量は、0.01〜0.1phrであることが好ましい。ここで、「phr(per hundred resin)」とは、塗料の樹脂成分の質量を100とした場合の、集光性染料の質量を示したものである。ベース塗料における集光性染料の含有量が、0.01phr未満である場合には、第1クリヤー塗膜の膜厚変化による塗膜の色変動が大きくなってしまう傾向にある。一方、ベース塗料における集光性染料の含有量が、0.1phrよりも多いと、逆にベース塗膜の膜厚変化による塗膜の色変動が生じてしまう場合がある。
また、ベース塗膜(ベース塗料)は、上述の着色顔料以外の他の顔料を含んでいてもよい。他の顔料としては、光輝性顔料や体質顔料等が挙げられる。光輝性顔料としては、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、酸化アルミニウム等の金属や合金等や、干渉マイカ、ホワイトマイカ、グラファイト、ガラスフレーク等が挙げられる。体質顔料としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が挙げられる。
また、ベース塗膜(ベース塗料)は、後述する第1クリヤー塗膜とのなじみを防止し、良好な塗装作業性を確保する目的で、その他添加剤として粘性制御剤を含んでいてもよい。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを用いることができ、例えば架橋又は非架橋の樹脂粒子、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等が挙げられる。
また、ベース塗膜(ベース塗料)は、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤等を含んでいてもよい。これらの配合量は、従来公知の範囲内である。
上述したベース塗料の調製方法は特に限定されず、従来公知の方法により調製される。具体的には、上述の各成分を、ニーダー又はロール等を用いて混練、分散することにより、ベース塗料が調製される。
<第1クリヤー塗膜>
第1クリヤー塗膜は、ベース塗膜の上に形成される。第1クリヤー塗膜は、第1クリヤー塗料により形成される。
第1クリヤー塗膜は、ベース塗膜を保護する機能に加えて、ベース塗膜表面の凹凸等を平滑化することで、複層塗膜の外観を向上させる機能を有する。第1クリヤー塗膜を形成する第1クリヤー塗料としては、塗膜形成性樹脂、硬化剤及び添加剤等を含有するものが用いられる。
第1クリヤー塗料に配合される塗膜形成性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹脂やポリイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられる。塗膜の透明性等の観点から、アクリル樹脂やポリエステル樹脂と、アミノ樹脂やポリイソシアネート樹脂との組み合わせが好ましく用いられる。
第1クリヤー塗料は、ベース塗膜と第1クリヤー塗膜との間のなじみや反転の防止の他、タレの防止を目的として、粘性制御剤を添加することが好ましい。粘性制御剤の添加量は、第1クリヤー塗料中の樹脂固形分100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜8質量部、更に好ましくは0.03〜6質量部である。粘性制御剤の添加量が10質量部を超えると、得られる複層塗膜の外観が低下するおそれがある。また、粘性制御剤の添加量が0.1質量部未満であると、粘性制御効果が十分得られず、塗膜形成時にタレ等が発生するおそれがある。
第1クリヤー塗料の塗料形態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよい。また、第1クリヤー塗料は、塗料形態に応じて、必要により硬化触媒や表面調整剤等を含有していてもよい。
例えば、水性型の第1クリヤー塗料としては、上述の塗膜形成性樹脂を塩基で中和して水性化した樹脂を含有するものが挙げられる。なお、中和は、重合前後に、ジメチルエタノールアミン及びトリエチルアミンのような3級アミンを添加することにより行われる。
第1クリヤー塗料としては、市販品を用いることができる。例えば、日本ペイント社製のSPO−171クリヤー(アクリルメラミン系溶剤型クリヤー)を、第1クリヤー塗料として用いることができる。
[集光性染料]
また、第1クリヤー塗膜(第1クリヤー塗料)は、集光性染料を含有する。集光性染料とは、天然光又は人工光を吸収して、吸収した光を蛍光に変換して発光する化合物である。集光性染料を構成する化合物としては、1,8−ナフタルイミド構造を有する化合物や、ペリレン構造を有する化合物等が挙げられる。ペリレン構造を有する化合物としては、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸と、2,6−ジ置換アニリンとを縮合させた構造を有する化合物が挙げられる。より具体的には、集光性染料としては、BASF社製の「Lumogen F」が挙げられる。
続いて、集光性染料の吸収・発光スペクトルを参照しながら、集光性染料の発光機構について説明する。多くの場合、集光性染料は、所定の波長の光を吸収して、その波長よりも長波長側の光を発する。
図1は、「Lumogen F Violet 570」(BASF社製、以下「集光性紫色染料」と言う)の吸収・発光スペクトルである。図1に示すように、集光性紫色染料は、350〜400nmの波長における吸光度が高く、400〜500nmの波長における発光強度が高い。このように、集光性紫色染料は、可視光の中でも短波長側の光を発する。従って、集光性紫色染料を含有する塗膜は、紫色(青みがかった紫色)を呈する。
図2は、「Lumogen F Yellow 083」(BASF社製、以下「集光性黄色染料」と言う)の吸収・発光スペクトルである。図2に示すように、集光性黄色染料は、400〜480nmにおける吸光度が高く、500〜570nmにおける発光強度が高い。従って、集光性黄色染料を含有する塗膜は、黄色(黄緑色)を呈する。
図3は、「Lumogen F Оrenge 240」(BASF社製、以下「集光性橙色染料」と言う)の吸収・発光スペクトルである。図3に示すように、集光性橙色染料は、480〜530nmにおける吸光度が高く、550〜650nmにおける発光強度が高い。従って、集光性橙色染料を含有する塗膜は、橙色を呈する。
図4は、「Lumogen F Red 305」(BASF社製、以下「集光性赤色染料」と言う)の吸収・発光スペクトルである。図4に示すように、集光性赤色染料は、500〜600nmにおける吸光度が高く、620〜700nmにおける発光強度が高い。このように、集光性赤色染料は、可視光の中でも長波長側の光を発する。従って、集光性赤色染料を含有する塗膜は、赤色を呈する。
第1クリヤー塗膜を形成する第1クリヤー塗料における集光性染料の含有量は、0.01〜0.1phrであることが好ましい。第1クリヤー塗料における集光性染料の含有量が、0.01phr未満である場合には、複層塗膜の意匠性(彩度)が低下してしまう傾向にある。ところで、前段でも指摘したが、集光性染料を含有する塗膜は、膜厚の変化による色変動が大きい。これは、塗膜内を進行する集光性染料の発する光が、塗膜の膜厚の変化している部分から光が漏出してしまうので、塗膜の膜厚の変化している部分がその周辺よりも明るくなってしまうことによる。従って、第1クリヤー塗料における集光性染料の含有量が、0.1phrよりも多いと、第1クリヤー塗膜の膜厚が変化している部分がより目立ち、第1クリヤー塗膜の膜厚変化による色変動が大きくなってしまう場合がある。
[紫外線吸収剤]
第1クリヤー塗膜(第1クリヤー塗料)は、紫外線吸収剤(UVA)を含有することが好ましい。第1クリヤー塗膜の含有するUVAは、後段で詳述する第2クリヤー塗膜の含有するUVAとは異なり、紫外線を吸収する化合物であれば特に限定されない。第1クリヤー塗膜の含有するUVAとしては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、トリアジン系紫外線吸収剤を例示することができる。
第1クリヤー塗膜を形成する第1クリヤー塗料におけるUVAの含有量は、2〜4phrであることが好ましい。第1クリヤー塗料におけるUVAの含有量が、2phr未満である場合には、複層塗膜の耐候性が低下してしまう傾向にある。一方、第1クリヤー塗料におけるUVAの含有量が、4phrよりも多いと、第1クリヤー塗膜の膜安定性が低下してしまう場合がある。
[ヒンダードアミン系光安定剤]
第1クリヤー塗膜は、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を含有することが好ましい。HALSは、N原子に隣接する炭素原子には水素原子がないピペリジン環を有する化合物である。このようなピペリジン環としては、N原子に隣接する炭素原子にメチル基が結合している2,2,6,6−テトラメチルピペリジン環を挙げることができる。HALSは、塗膜に紫外線が照射されることにより発生したラジカルを補足することで、塗膜の着色を防止し、且つ、光沢を維持する。
第1クリヤー塗膜を形成する第1クリヤー塗料におけるHALSの含有量は、2〜4phrであることが好ましい。第1クリヤー塗料におけるHALSの含有量が、2phr未満である場合には、複層塗膜の耐候性が低下してしまう傾向にある。一方、第1クリヤー塗料におけるHALSの含有量が、4phrよりも多いと、第1クリヤー塗膜の膜安定性が低下してしまう場合がある。
<第2クリヤー塗膜>
第2クリヤー塗膜は、第1クリヤー塗膜の上に形成される。第2クリヤー塗膜は、第2クリヤー塗料により形成される。
第2クリヤー塗膜は、ベース塗膜及び第1クリヤー塗膜を保護し、複層塗膜の外観を向上させる機能を有する。
第2クリヤー塗料としては、酸エポキシ硬化系クリヤー塗料が好ましく用いられる。この酸エポキシ硬化系クリヤー塗料は、酸無水物基含有アクリル樹脂(a)と、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b)と、水酸基及びエポキシ基を有するアクリル樹脂(c)と、を含有する。第2クリヤー塗料は高固形分塗料であり、この第2クリヤー塗料により形成される第2クリヤー塗膜は、優れた耐酸性を有する。
酸無水物基含有アクリル樹脂(a)及びカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b)に含有されるカルボキシル基と、水酸基及びエポキシ基を有するアクリル樹脂(c)に含有されるエポキシ基とのモル比は、1/1.4〜1/0.6であることが好ましく、より好ましくは1/1.2〜1/0.8である。これらのモル比が1/0.6を超えると、塗膜の硬化性が低下するおそれがあり、これらのモル比が1/1.4未満であると、塗膜が黄変するおそれがある。
また、酸無水物基含有アクリル樹脂(a)に含有されるカルボキシル基と、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b)並びに水酸基及びエポキシ基を有するアクリル樹脂(c)に含有される水酸基の合計とのモル比は、1/2.0〜1/0.5であることが好ましく、より好ましくは1/1.5〜1/0.7である。これらのモル比が1/0.5を超えると、塗膜の硬化性が低下するおそれがあり、これらのモルヒが1/2.0未満であると、水酸基が過剰となり耐水性が低下するおそれがある。
上述の各樹脂は、上述の好ましいモル比を満足するような含有量で配合される。具体的には、各樹脂の水酸基価、酸価及びエポキシ当量に基づいて、当業者に周知の計算法により計算された配合量に従って配合される。
第2クリヤー塗料の硬化機構は、次の通りである。先ず、加熱により酸無水物基含有アクリル樹脂(a)中の酸無水物基が、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b)並びに水酸基及びエポキシ基を含有するアクリル樹脂(c)中に含有される水酸基と反応する。これにより、架橋点が形成され、カルボキシル基が生成する。次いで、生成したカルボキシル基と、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b)中のカルボキシル基は、水酸基及びエポキシ基を有するアクリル樹脂(c)中のエポキシ基と反応する。これにより、さらなる架橋点が形成される。以上のように3種類の樹脂が相互に架橋反応することで、高い架橋密度を有する第2クリヤー塗膜が形成される。
なお、第2クリヤー塗料は、架橋密度及び耐水性の向上を目的として、ブロック化イソシアネートを含んでいてもよい。また、塗膜の耐候性向上を目的として、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤等を含んでいてもよい。また、レオロジーコントロール剤としての架橋樹脂粒子や、外観調整用の表面調整剤を含んでいてもよい。また、粘度調整を目的として、希釈剤としてのアルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ヒドロカーボン系及びエステル系等の溶剤を含んでいてもよい。
架橋樹脂粒子を用いる場合は、第2クリヤー塗料の樹脂固形分100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の量で添加される。架橋樹脂粒子の添加量が10質量部を超えると、外観が悪化するおそれがあり、0.01質量部未満であると、レオロジーコントロール効果が得られないおそれがある。
なお、上述の各樹脂は、酸基を官能基として有するため、アミンで中和することにより、水性化が可能である。
また、第2クリヤー塗料としては、市販品を用いることができる。例えば、日本ペイント株式会社製のマックフロー O−1820クリヤー(1液型)やO−2100クリヤー(2液型)を、第2クリヤー塗料として用いることができる。
[紫外線吸収剤]
第2クリヤー塗膜(第2クリヤー塗料)は、紫外線吸収剤(UVA)を含有する。第2クリヤー塗膜の含有する紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないものである。
第2クリヤー塗膜の含有するUVAとしては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を挙げることができる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤とは、ヒドロキシフェニルトリアジン構造を有する化合物である。
より具体的には、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤として「Tinuvin 400」(BASF社製)及び「Tinuvin 479」(BASF社製)を挙げることができる。第2クリヤー塗膜の含有するUVAとしては、「Tinuvin 400」、「Tinuvin 479」、あるいはこれらの混合物を用いることが好ましい。
続いて、具体的なUVAの吸収スペクトルを参照しながら、第2クリヤー塗膜の含有するUVAについて詳しく説明する。
図5は、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である「Tinuvin 400」及び「Tinuvin 479」並びに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である「Tinuvin 900」(BASF社製)の吸収スペクトルについて示す図である。
図5に示すように、「Tinuvin 900」は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長は、345nm付近である。つまり、「Tinuvin 900」は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長は、330〜400nmの波長領域に属する。一方、「Tinuvin 400」の吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長は、290nmよりも短波長側である。また、「Tinuvin 479」の吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長は、320nm付近である。
図5から明らかなように、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤よりも短波長側の波長における吸光度が高い。
第2クリヤー塗膜を形成する第2クリヤー塗料におけるUVAの含有量は、2〜4phrであることが好ましい。第2クリヤー塗料におけるUVAの含有量が、2phr未満である場合には、複層塗膜の耐候性が低下してしまう傾向にある。一方、第2クリヤー塗料におけるUVAの含有量が、4phrよりも多いと、第2クリヤー塗膜の膜安定性が低下してしまう場合がある。
[ヒンダードアミン系光安定剤]
第2クリヤー塗膜は、第1クリヤー塗膜と同様にヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を含有することが好ましい。第2クリヤー塗膜を形成する第2クリヤー塗料におけるHALSの含有量は、0.5〜1.0phrであることが好ましい。第2クリヤー塗料におけるHALSの含有量が、0.5phr未満である場合には、複層塗膜の耐候性が低下してしまう傾向にある。一方、第2クリヤー塗料におけるHALSの含有量が、1.0phrよりも多いと、第2クリヤー塗膜の膜安定性が低下してしまう場合がある。
<複層塗膜の形成方法>
本実施形態に係る複層塗膜の形成方法は、ベース塗膜を形成する工程と、第1クリヤー塗膜を形成する工程と、第2クリヤー塗膜を形成する工程と、を備える。
ベース塗膜を形成する工程では、被塗装物の上にベース塗料を塗装して、ベース塗膜を形成する。ベース塗料の塗装方法としては、静電塗装が好ましく採用される。
第1クリヤー塗膜を形成する工程では、ベース塗膜の上に第1クリヤー塗料を塗装して、第1クリヤー塗膜を形成する。本工程では、未硬化のベース塗膜上に、第1クリヤー塗料を塗装することで、未硬化の第1クリヤー塗膜を形成することが好ましい。塗装方法としては、静電塗装が好ましく採用される。
被塗物の上に形成されたベース塗膜と第1クリヤー塗膜は、焼き付けることで硬化されることが好ましい(第1焼き付け工程)。即ち、第1焼き付け工程は、ベース塗膜と、第1クリヤー塗膜とを、同時に焼き付け硬化させる工程である。
第1焼き付け工程の焼き付け温度は、100〜180℃であることが好ましく、より好ましい焼き付け温度は120〜160℃である。また、第1焼き付け工程の焼き付け時間は、焼き付け温度に応じて変動するが、120〜160℃の焼き付け温度であれば10〜30分であることが好ましい。
なお、ベース塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で5〜35μmが好ましく、より好ましくは10〜25μmである。ベース塗膜の膜厚がこの範囲内であれば、美観性及び意匠性の高い複層塗膜が得られる。
また、第1クリヤー塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で10〜80μmが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。第1クリヤー塗膜の膜厚が80μmを超えると、塗装時にムラ、ピンホール又は流れ等の不具合が生じるおそれがある。また、第1クリヤー塗膜の膜厚が10μm未満であると、膜切れが発生するおそれがある。
第2クリヤー塗膜を形成する工程では、第1クリヤー塗膜の上に第2クリヤー塗料を塗装して第2クリヤー塗膜を形成する。塗装方法としては、静電塗装が好ましく採用される。本工程では、硬化した第1クリヤー塗膜の上に第2クリヤー塗料を塗布するのが好ましい。
第2クリヤー塗膜は、焼き付けることで硬化されることが好ましい(第2焼き付け工程)。
第2焼き付け工程の焼き付け温度は、100〜180℃であることが好ましく、より好ましい焼き付け温度は120〜160℃である。また、第2焼き付け工程の焼き付け時間は、焼き付け温度に応じて変動するが、120〜160℃の焼き付け温度であれば10〜30分であることが好ましい。
また、第2クリヤー塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で10〜80μmが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。第2クリヤー塗膜の膜厚が80μmを超えると、鮮映性が低下し、塗装時にムラ、ピンホール又は流れ等の不具合が生じるおそれがある。また、第2クリヤー塗膜の膜厚が10μm未満であると、膜切れが発生するおそれがある。
本実施形態に係る複層塗膜の色は、紫色、黄色、橙色、赤色等にすることができ、特に限定されないが、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料による鮮やかさが際立つことから、赤色や黄色の複層塗膜とするのが好ましい。
以上説明した本実施形態に係る複層塗膜によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態に係る複層塗膜では、第1クリヤー塗料に、集光性染料を含有させ、第2クリヤー塗膜に、吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないUVAを含有させた。
集光性染料を含有する塗膜は、意匠性(彩度)は高いが、耐候性が低い傾向にある。本実施形態では、第1クリヤー塗料の上に形成される第2クリヤー塗膜に、UVAを含有させることで、集光性染料を含有する第1クリヤー塗料まで到達する紫外線を減少させることができ、複層塗膜の耐候性を向上させることができる。
特に、第2クリヤー塗膜の含有するUVAは、吸光度が最大となる波長が、330〜400nmの波長領域に存在しない。つまり、第2クリヤー塗膜の含有するUVAは、330nmよりも短波長側の吸光度が高い(図5参照)。330nmよりも短波長側の吸光度が高いUVAを第2クリヤー塗膜に含有させることによって、複層塗膜の耐候性が向上する理由については、必ずしも明らかにはなっていないが、多くの集光性染料が330nmよりも短波長側の紫外線を多く吸収することにより、塗膜の劣化が進行してしまうことに原因があると考えられる。
また、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料の多くは、図1〜図4において示すように、350nmよりも長波長側の吸光度が高い。このように、第2クリヤー塗膜の含有するUVAの吸光度が高い波長領域と、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料の吸光度が高い波長領域は、ほとんど重複しない。従って、第2クリヤー塗膜の含有するUVAは、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料の光の吸収を阻害しないことから、第2クリヤー塗膜がUVAを含有していても、複層塗膜の意匠性(彩度)は十分に高い。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」、「%」及び「phr」は、全て質量基準である。
<ベース塗料組成物の調製>
日本ペイント株式会社製アクリルエマルション(平均粒子径150nm、不揮発分20%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g)を236部、
ジメチルエタノールアミン10質量%水溶液を10部、
日本ペイント株式会社製水溶性アクリル樹脂(不揮発分は30.0%、固形分酸価40mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g)を28.3部、
プライムポールPX−1000(三洋化成工業株式会社製2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量400、水酸基価278mgKOH/g、一級/二級水酸基価比=63/37、不揮発分100%)を8.6部、
サイメル204(三井化学株式会社製混合アルキル化型メラミン樹脂、不揮発分100%)を21.5部、
ネオレッツR−9603(アビシア社製ポリカーポネート系ウレタンエマルション樹脂、不揮発分33%)を26部、そして、
ラウリルアシッドフォスフェート0.2部、の混合物に対して
レッドBO(チバ株式会社製、ピロロヒ゜ロール系レッド高彩度顔料)をPWCが20.28%となるように、
イルガカラー 2GLMA(大日精化工業株式会社製、無機イエロー系高彩度顔料)をPWCが5.58%となるように、
マゼンタ 355D(BASF社製、キナクリドン系マゼンタ高彩度顔料)を微量、それぞれ添加し、均一分散することにより実施例1〜4及び比較例1〜8において用いる水性ベース塗料組成物(1)を得た。
レッドBO及びマゼンタ 355Dの代わりに、CR−97 ホワイト(石原産業株式会社、酸化チタン)をPWCが21.45%となるように、リオノールグリーン 6YKP−N(東洋インキ株式会社製、シャニングリーン系顔料)を微量、それぞれ添加し、イルガカラー 2GLMA(大日精化工業株式会社製、無機イエロー系高彩度顔料)をPWCが5.58%のPWCを20.17%とする以外は、水性ベース塗料組成物(1)の調製と同様に、実施例5〜8及び比較例9〜16において用いる水性ベース塗料組成物(2)を調製した。
<被塗物の作成>
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cm、20cm×30cmのSPCC−SD鋼板(ダル鋼板)に、カチオン電着塗料「パワートップU−50」(日本ペイント株式会社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた。次に、得られた電着塗膜上に、乾燥塗膜が白色のL値が90になるように調整した中塗り塗料を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けて、白色のL値が90の中塗り塗膜が形成された、実施例1〜8及び比較例1〜7、9〜15において用いる被塗物を作製した。
なお、比較例8及び16において用いる被塗物については、電着塗膜上に、乾燥塗膜が白色のL値が70になるように調整した中塗り塗料を塗装して、L値が70の中塗塗膜を形成したこと以外は実施例1と同様の工程で作製した。被塗物の、「CM512m−3」(コニカミノルタ株式会社製変角色差計)により測定した25°における明度を表1及び表2に示す。
<複層塗膜の形成>
表1及び表2に記載した種類及び量の集光性染料を含有させた上記水性ベース塗料組成物(1)又は(2)を、得られた被塗物の上に乾燥膜厚が15μmとなるよう、カートリッジベル(ABB社製回転霧化塗装機)により塗装した。80℃で3分間プレヒートした後、更に、ウエットオンウエットで、表1及び表2に記載した種類及び量のUVA、HALS、集光性染料及び顔料を含有する第1クリヤー塗料「SPO−171」(日本ペイント株式会社製、アクリル/メラミン樹脂系溶剤型塗料組成物)を、乾燥膜厚が30μmとなるように、μμベルにより回転霧化型静電塗装した。7分間のセッテイングの後、140℃で30分間焼き付けて、第1クリヤー塗膜を得た。なお、比較例1〜5及び比較例9〜13については、第1クリヤー塗料として、表1及び表2に記載した種類及び量のUVA、HALS、集光性染料及び顔料を含有する「マックフロー O−1810クリヤー」(日本ペイント株式会社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料)を用い、焼き付け後の塗膜を複層塗膜とした。
実施例1〜8、比較例6〜8及び比較例14〜16については、続いて、表1及び表2に記載した種類及び量のUVA及びHALSを含有する第2クリヤー塗料「マックフロー O−1810クリヤー」(日本ペイント株式会社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が35μmとなるように、μμベルにより回転霧化型静電塗装した。塗装後、140℃で30分間焼き付けて、複層塗膜を得た。
ところで表1及び表2に記載したUVA「T−479」、「T−400」及び「T−900」はそれぞれ「Tinuvin−479」、「Tinuvin−400」及び「Tinuvin−900」であり、全てBASF社製である。また、表1及び表2に記載したHALS「T−292」及び「T−123」はそれぞれ「Tinuvin−292」及び「Tinuvin−123」であり、全てBASF社製である。また、表1及び表2に記載した集光性染料「Lumogen F Red 305」及び「Lumogen F Yellow 083」もBASF社製である。
<明度及び彩度の測定>
実施例1〜8及び比較例1〜16で得られた複層塗膜の色調を明度(L*値)及び彩度(C*値)により評価した。具体的には、複層塗膜の45°における明度及び彩度を測定した。複層塗膜の45°における明度及び彩度には、「CM512m−3」(コニカミノルタ株式会社製変角色差計)を用いた。結果を表1及び表2に示す。なお、基準にした45°における明度及び彩度は、複層塗膜に対して45°の角度で光を入射させて、塗膜に対して垂直方向に反射した光について測定した明度及び彩度である。
明度(L*値)は、数値が増加するに従って被測定物質の白色度が増すことを意味し、その数値が低下するに従って黒色度が増すことを意味する。赤色系の複層塗膜(実施例1〜4及び比較例1〜8の複層塗膜)では、45°における明度が30〜50であれば、良好な明度を有する複層塗膜であると判断できる。黄色系の複層塗膜(実施例2〜8及び比較例9〜16の複層塗膜)では、45°における明度が80以上で良好な明度を有する複層塗膜であると判断できる。
彩度(C*値)は、数値が増加するに従って被測定物の色が鮮やかであることを示し、その数値が低下するに従って被測定物の色が鮮やかでないこと、即ち、色味のない、無彩色に近い色であることを示す。赤色系及び黄色系の複層塗膜ともに、45°における彩度が80以上で、十分に鮮やかな複層塗膜であると判断できる。
<耐候性>
スーパーキセノンウェザーメーターSX2−75(スガ試験機株式会社製)を用いて、JIS K5600−7−7のキセノンランプ法に従い、で耐候性試験を実施した。つまり、実施例1〜8及び比較例1〜16で得られた複層塗膜の耐候性試験前と100時間耐候性試験を行った後の45°における明度を「CM512m−3」(コニカミノルタ株式会社製変角色差計)により測定した。結果を表1及び表2に示す。耐候性試験前の複層塗膜の明度と、耐候性試験後の明度の差の絶対値をΔEとした。ΔEが3以内であれば、良好な耐候性を有する複層塗膜であると判断できる。
Figure 2015127129
Figure 2015127129
実施例1の複層塗膜と比較例7の複層塗膜を比較すると、意匠性(明度及び彩度)は両者ともに良好であるが、耐候性は実施例1の複層塗膜の方が、評価が高かった。このことから、集光性染料を含有する第1クリヤー塗膜の上に、吸光度が最大となる波長が、330〜400nmの波長領域に存在しないUVAを含有する第2クリヤー塗膜を形成することで、意匠性と耐候性がともに高い赤色系の複層塗膜を得ることができることが明らかになった。なお、比較例7の複層塗膜は、実施例1の複層塗膜と比べて、45°における彩度が若干低かった。これは、比較例7の複層塗膜の第2クリヤー塗膜が含有するUVAが330nmよりも高波長側に吸光度が最大となる波長を有するので(図5参照)、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料の光の吸収が若干阻害されてしまうことに起因すると予想される。
実施例5の複層塗膜と比較例15の複層塗膜を比較すると、意匠性(明度及び彩度)は両者ともに良好であるが、耐候性は実施例5の複層塗膜の方が、評価が高かった。このことから、集光性染料を含有する第1クリヤー塗膜の上に、吸光度が最大となる波長が、330〜400nmの波長領域に存在しないUVAを含有する第2クリヤー塗膜を形成することで、意匠性と耐候性がともに高い黄色系の複層塗膜を得ることができることが明らかになった。なお、比較例15の複層塗膜は、実施例5の複層塗膜と比べて、45°における彩度が若干低かった。これは、比較例15の複層塗膜の第2クリヤー塗膜が含有するUVAが330nmよりも高波長側に吸光度が最大となる波長を有するので(図5参照)、第1クリヤー塗膜の含有する集光性染料の光の吸収が若干阻害されてしまうことに起因すると予想される。

Claims (5)

  1. 被塗物の上に形成されるベース塗膜と、
    前記ベース塗膜の上に形成される第1クリヤー塗膜と、
    前記第1クリヤー塗膜の上に形成される第2クリヤー塗膜と、を備える複層塗膜であって、
    前記第1クリヤー塗膜は、集光性染料を含有し、
    前記第2クリヤー塗膜は、紫外線吸収剤を含有し、
    前記紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないものである複層塗膜。
  2. 前記第1クリヤー塗膜は、ヒンダードアミン系光安定剤を更に含有する請求項1記載の複層塗膜。
  3. 前記ベース塗膜は、キナクリドン系レッド、ピロロピロール系レッド、ペリレン系レッド、酸化鉄系レッド、キナクリドン系マゼンタ、ペリレン系マルーン、アゾ錯体イエロー、無機イエロー、ベンズイミダゾロンイエロー及びイソインドリンイエローからなる群より選ばれる1種又は2種以上の高彩度顔料を含有する請求項1又は2記載の複層塗膜。
  4. 前記ベース塗膜は、集光性染料を含有する請求項1から3いずれか記載の複層塗膜。
  5. 被塗装物の上にベース塗膜を形成する工程と、
    前記ベース塗膜の上に第1クリヤー塗膜を形成する工程と、
    前記第1クリヤー塗膜の上に第2クリヤー塗膜を形成する工程と、を備える複層塗膜の形成方法であって、
    前記第1クリヤー塗膜は、集光性染料を含有し、
    前記第2クリヤー塗膜は、紫外線吸収剤を含有し、
    前記紫外線吸収剤は、吸収スペクトルにおける吸光度が最大となる波長が330〜400nmの波長領域に存在しないものである複層塗膜の形成方法。
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