JP2015127068A - 炭化珪素基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反りがより低減された炭化珪素基板を得ることが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素インゴット1を準備する工程と、炭化珪素インゴット1をワーク保持部32の保持面32aに設置する工程と、ワーク保持部32に設置された炭化珪素インゴット1を800m/min以上の速度で走行するワイヤ34により切断して炭化珪素基板を得る工程とを備えている。炭化珪素基板を得る工程では、保持面32aと保持面32aに対向するワーク保持部32のベース面32bとの間における最短距離Hが40mm以下である。
【選択図】図4

Description

本発明は、炭化珪素基板の製造方法に関し、より特定的には、反りがより低減された炭化珪素基板を得ることが可能な炭化珪素基板の製造方法に関する。
炭化珪素基板は、ワイヤーソーなどを用いて炭化珪素インゴットを所定の厚みに切断することにより得られる。たとえば特開2010−23208号公報には、ワイヤーソーを用いたシリコンインゴットなどの切断において、ワーク(インゴット)の上端と当該ワークを保持するワーク保持部の下端面との間の距離を大きくする技術が開示されている。
特開2010−23208号公報
従来のワイヤーソーを用いたインゴットの切断においては、特にインゴットのサイズが大きい場合(たとえば4インチ以上である場合)に基板の表面粗さが大きくなり、基板の反りも大きくなり、基板形状や厚みのばらつきが不均一になるという問題がある。また、インゴットの材質が炭化珪素などの高硬度な材質である場合やワイヤの走行速度が高い場合にも同様の問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反りがより低減された炭化珪素基板を得ることが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供することである。
本発明に従った炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素インゴットを準備する工程と、炭化珪素インゴットを保持部材の保持面に設置する工程と、保持部材に設置された炭化珪素インゴットを800m/min以上の速度で走行するワイヤにより切断して炭化珪素基板を得る工程とを備えている。上記炭化珪素基板を得る工程では、保持面と保持面に対向する保持部材のベース面との間における最短距離が40mm以下である。
本発明によれば、反りがより低減された炭化珪素基板を得ることが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法における工程(S10)〜(S30)を説明するための概略断面図である。 本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法における工程(S40)を説明するための概略斜視図である。 本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法における工程(S40)を説明するための概略正面図である。 本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法により得られる炭化珪素基板を示す概略斜視図である。 保持部材における保持面とベース面との間の最短距離と基板の反り(SORI)との関係を示すグラフである。 保持部材における保持面とベース面との間の最短距離と基板のTTV(Total Thickness Variation)との関係を示すグラフである。 保持部材における保持面とベース面との間の最短距離と基板の表面粗さ(Ra)との関係を示すグラフである。
[本願発明の実施形態の説明]
まず、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1) 本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素インゴット(1)を準備する工程と、炭化珪素インゴット(1)を保持部材(32)の保持面(32a)に設置する工程と、保持部材(32)に設置された炭化珪素インゴット(1)を800m/min以上の速度で走行するワイヤ(34)により切断して炭化珪素基板(10)を得る工程とを備えている。炭化珪素基板(10)を得る工程では、保持面(32a)と保持面(32a)に対向する保持部材(32)のベース面(32b)との間における最短距離(H)が40mm以下である。
上記炭化珪素基板の製造方法では、炭化珪素インゴット(1)が設置される保持部材(32)の保持面(32a)とベース面(32b)との間の最短距離(H)が40mm以下に確保された状態で炭化珪素インゴット(1)がワイヤ(34)を用いて切断される。そのため、炭化珪素インゴット(1)のように材質の硬度が高く、ワイヤ(34)の走行速度が高い場合でも、上記最短距離(H)が大きくなり過ぎることで切断中に炭化珪素インゴット(1)が振動することを抑えることができる。その結果、切断時の炭化珪素インゴット(1)の振動に起因した基板の表面粗さの悪化や、基板の反りおよび厚みのばらつきの増大を抑えることができる。したがって、本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、反りが低減された炭化珪素基板(10)を得ることができる。
(2) 上記炭化珪素基板の製造方法において、炭化珪素インゴット(1)の成長方向から見たときの幅であるインゴット幅(W2)が100mm以上である。
炭化珪素インゴット(1)の幅が大きい場合には、ワイヤ(34)による切断時に振動がより発生し易くなる。そのため、炭化珪素インゴット(1)の上記インゴット幅(W2)が100mm以上である場合には、振動抑制の効果がより大きくなる。
(3) 上記炭化珪素基板の製造方法において、ワイヤ(34)の表面には砥粒が固定されている。
固定砥粒方式を採用して炭化珪素インゴット(1)を切断する場合には、遊離砥粒方式を採用して切断する場合に比べて切断時に振動がより発生し易くなる。そのため、表面に砥粒が固定されたワイヤ(34)を用いて炭化珪素インゴット(1)を切断する場合には、切断時における振動抑制の効果がより大きくなる。
(4) 上記炭化珪素基板の製造方法において、保持部材(32)の保持面(32a)とベース面(32b)との間における最短距離(H)は15mm以上である。
上記最短距離(H)が小さくなり過ぎる場合(15mm未満である場合)には、炭化珪素インゴット(1)を切断する際にワイヤ(34)がベース面(32b)に接触して切断される懸念がある。そのため、上記最短距離(H)は15mm以上確保することが好ましい。
(5) 上記炭化珪素基板の製造方法においては、得られる炭化珪素基板(10)の表面粗さは0.6μm未満である。このように上記炭化珪素基板の製造方法によれば、表面粗さが0.6μm未満にまで低減された炭化珪素基板(10)を製造することができる。また、炭化珪素基板(10)の表面粗さは、0.4μm未満であることがより好ましく、0.3μm未満であることがさらに好ましい。
(6) 上記炭化珪素基板の製造方法では、保持部材(32)において保持面(32a)から見たときのワイヤ(34)による切断方向に沿った方向における幅(W1)は、上記インゴット幅(W2)の1/2以下である。これにより、ワイヤ(34)の断線を防止することができる。
(7) 上記炭化珪素基板の製造方法において、保持部材(32)はカーボンからなっている。保持部材(32)を炭化珪素インゴット(1)の構成元素であるカーボンから構成することにより、インゴットの切断時に生じた保持部材(32)の切り屑がインゴットや基板の表面に付着した場合でも品質異常の発生を防止することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の実施形態の具体例を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
以下、本発明の一実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法について説明する。図1を参照して、本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法では、まず、工程(S10)として種基板および原料準備工程が実施される。この工程(S10)では、図2を参照して、まず炭化珪素単結晶からなる種基板11と、多結晶の炭化珪素粉末や炭化珪素焼結体からなる原料12とがそれぞれ準備される。そして、種基板11および原料12は、図2に示すようにカーボン製の坩堝2の内部において互いに対向した状態で配置される。
次に、工程(S20)として昇温工程が実施される。この工程(S20)では、図2を参照して、まずキャリアガスであるアルゴン(Ar)ガスが、坩堝2の内部へ供給される。そして、加熱コイル(図示しない)などにより坩堝2の内部が2000℃以上2500℃以下の温度にまで加熱される。このとき、坩堝2の内部は原料12が配置される側から種基板11が配置される側に向かう方向において温度が低くなるように(温度勾配が形成されるように)加熱される。
次に、工程(S30)として結晶成長工程が実施される。この工程(S30)では、アルゴンガスを供給しつつ坩堝2の内部を所定の圧力にまで減圧する。これにより、原料12が昇華して炭化珪素の原料ガスが発生し、当該原料ガスが種基板11の表面11a上において固化することにより炭化珪素層13が成長する。またドーパントガスである窒素ガスもアルゴンガスとともに坩堝2の内部に供給される。そして、窒素ガスが熱分解されて発生した窒素原子が、成長中の炭化珪素層13にドーパントとして取り込まれる。このようにして、窒素ガスおよびアルゴンガスを供給しつつ原料12を昇華させることにより、種基板11上の表面11a上において窒素原子を含む炭化珪素層13が成長する。上記工程(S10)〜(S30)が実施されることにより、単結晶炭化珪素からなる炭化珪素インゴット1が準備される。
次に、工程(S40)として切断工程が実施される。この工程(S40)では、図3および図4を参照して、ワイヤーソー3を用いて炭化珪素インゴット1が所定の厚みに切断される。これにより、炭化珪素インゴット1から所定の厚みを有する複数枚の炭化珪素基板10(図5)が得られる。まず、図6および図7を参照してワイヤーソー3の構造について説明する。
ワイヤーソー3は、治具30(本体部31およびワーク保持部32)と、一組のローラ33と、ワイヤ34と、切削液供給部35とを主に有している。ローラ33は円柱形状を有しており、他方のローラ33との間に所定の間隔をおいて並んで配置されている。ローラ33は、図3中矢印に示すように円柱形状の中心軸周りに回転可能になっている。
ワイヤ34は、たとえばピアノ線などの表面に電着によってダイヤモンド砥粒が固定された電着ダイヤモンドワイヤである。ワイヤ34の直径はたとえば250μmである。ワイヤ34は、図3に示すように一組のローラ33の各々の外周面に複数回巻き掛けられている。ワイヤ34の張力はたとえば45Nである。これにより、ワイヤ34は一方のローラ33と他方のローラ33との間を往復しつつ上流側U(図3中左側)から下流側D(図3中右側)へ走行することが可能になっている。なお、ワイヤーソー3は上述のように固定砥粒方式を採用したものであるがこれに限定されず、遊離砥粒方式が採用されてもよい。
切削液供給部35は、ワイヤ34の上方において配置されている。切削液供給部35は、ワイヤ34の上方から切削油(クーラント)を供給する。なお、遊離砥粒方式が採用される場合には、たとえばダイヤモンド砥粒やCBN砥粒などの硬質砥粒がクーラントに混合したスラリーが切削液供給部35からワイヤ34に供給されてもよい。
治具30は、本体部31とワーク保持部32(保持部材)とを含んでいる。図4を参照して、ワーク保持部32は、保持面32aと当該保持面32aに対向するベース面32bとを有している。保持面32aは炭化珪素インゴット1の外周面に沿った曲面からなり、ベース面32bは平面からなっている。ワーク保持部32は、保持面32aにおいて炭化珪素インゴット1を保持し、ベース面32bにおいて本体部31に固定されている。ワーク保持部32の保持面32aとベース面32bとの間における最短距離Hは40mm以下であり、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは20mm以下である。また、保持面32aとベース面32bとの間における最短距離Hは15mm以上である。
ワーク保持部32において保持面32aから見たときのワイヤ34による切断方向(図4中片矢印)に沿った方向における幅W1は、炭化珪素インゴット1の成長方向から見たときの幅W2(インゴット幅)の1/2以下である。炭化珪素インゴット1の幅W2が100mm(4インチ)である場合にはワーク保持部32の幅W1は50mm以下であり、炭化珪素インゴット1の幅W2が150mm(6インチ)である場合にはワーク保持部32の幅W1は75mm以下である。
ワーク保持部32はカーボンからなることが好ましいが材質は特に限定されず、たとえばセラミックスからなっていてもよい。上記構成により、治具30はワーク保持部32において被切断物である炭化珪素インゴット1を保持しつつ、ワイヤ34に接近する方向またはワイヤ34から退避する方向に移動可能になっている。
ワイヤーソー3は、炭化珪素インゴット1を下降させてワイヤ34と接触させるダウンカット方式を採用したものであるがこれに限定されず、炭化珪素インゴット1を上昇させてワイヤ34と接触させるアッパーカット方式が採用されてもよい。上記ダウンカット方式の方がアッパーカット方式に比べて炭化珪素インゴット1の振動がより小さく、基板の反りや表面粗さなどを良化させる観点から好ましい。
次に、上記ワイヤーソー3を用いた炭化珪素インゴット1の切断手順について、図3および図4を参照して説明する。まず、上記工程(S10)〜(S30)において準備された炭化珪素インゴット1が、その外周面の一部がワーク保持部32の保持面32aに接触するように設置される。ワーク保持部32において保持面32aとベース面32bとの間の最短距離Hは、上述のように40mm以下である。そのため、ワーク保持部32のベース面32bから炭化珪素インゴット1までの最短距離は同様に40mm以下(好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下)になる。また、炭化珪素インゴット1は円柱形状を有しており、成長方向から見たときの幅W2(インゴット幅)は100mm以上(4インチ以上)であり、好ましくは150mm以上(6インチ以上)である。
次に、ローラ33を回転させることにより、ワイヤ34をローラ33の間を往復させつつ上流側Uから下流側Dに向かって走行させる。これにより、ワイヤ34が炭化珪素インゴット1の成長方向に沿って走行する。ワイヤ34の走行速度(線速)は800m/min以上であり、より具体的には平均走行速度が1100m/minである。
次に、治具30をワイヤ34側へ下降させることにより、炭化珪素インゴット1をワイヤ34に接触させる。このとき、ワイヤ34はローラ33の間を往復するように設けられているため、炭化珪素インゴット1は複数の切断部においてワイヤ34と接触する。炭化珪素インゴット1における切断部同士の間隔は、ローラ33を跨ぐワイヤ34同士の間隔に相当する。そして、ワイヤ34を炭化珪素インゴット1の複数の切断部に接触させつつ上記走行速度で上流側Uから下流側Dに向かって走行させ、かつ炭化珪素インゴット1をさらに下降させて切断を進行させる。切断速度の平均値はたとえば0.25mm/minである。このように炭化珪素インゴット1が複数の切断部において切断されることにより、複数枚の炭化珪素基板10(図5)が得られる。
図5を参照して、炭化珪素基板10の表面粗さはたとえば0.6μm未満であり、好ましくは0.4μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下である。炭化珪素基板10のTTVは15μm以下であり、好ましくは14μm以下である。炭化珪素基板10の反り(SORI)は30μm以下であり、好ましくは25μm以下である。上記工程(S10)〜(S40)が実施されることにより炭化珪素基板10(図5)が得られ、本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法が完了する。
炭化珪素インゴットをワイヤーソーにより切断したときの炭化珪素基板の品質について調査した。まず、上記本実施形態に係る炭化珪素基板の製造方法と同様の手順により炭化珪素基板10を得た。炭化珪素インゴット1の幅W2は4インチとした。ワーク保持部32の幅W1は30mmとした。ワーク保持部32における保持面32aとベース面32bとの間の最短距離Hは、20mm、28mm、40mm、49mmおよび60mmとした。そして、炭化珪素基板10の反り(SORI)、厚みのばらつき(TTV)および表面粗さ(Ra)についてそれぞれ調査した。表1は、ワーク保持部32における最短距離Hと炭化珪素基板10の反り、厚みのばらつきおよび表面粗さとのそれぞれの関係を示している。図6は、上記最短距離Hと炭化珪素基板10の反りとの関係を示すグラフであり、横軸が最短距離H(mm)を示し、縦軸が反り(μm)を示している。図7は、上記最短距離Hと炭化珪素基板10の厚みのばらつきとの関係を示すグラフであり、横軸が最短距離H(mm)を示し、縦軸が厚みばらつき(μm)を示している。図8は、最短距離Hと炭化珪素基板10の表面粗さ(Ra)との関係を示すグラフであり、横軸が最短距離H(mm)を示し、縦軸が表面粗さ(μm)を示している。
炭化珪素基板10の反り(SORI)および厚みのばらつき(TTV)は、平面度測定機(Corning Tropel社製、FlatMaster)を用いて基板全面における厚み分布を測定し、当該分布に基づいて得た。また、炭化珪素基板10の表面粗さ(Ra)は、表面粗さ測定機(Mitsutoyo社製、SJ−400)を用いて測定した(測定長:5mm)。
Figure 2015127068
表1および図6〜図7から明らかなように、ワーク保持部32における保持面32aとベース面32bとの間の最短距離Hが40mm以下である場合には、炭化珪素基板10の反り、厚みのばらつきおよび表面粗さのいずれも良化することが分かった。また、上記最短距離Hが40mmを超える場合には炭化珪素基板10の形状が一定でなかったのに対し、上記最短距離Hが40mm以下である場合には切断開始部の方が切断終了部よりも基板厚みが小さく、切断開始部から切断終了部に向かって基板厚みが増加しており、一定の基板形状を有する炭化珪素基板10が得られた。切断開始部の方が切断終了部よりも基板厚みが小さくなるのは、ワイヤ34の表面に電着されたダイヤモンド砥粒が切断中に徐々に摩耗していくためである。上記調査結果より、炭化珪素インゴット1が設置されるワーク保持部32において保持面32aとベース面32bとの間の最短距離Hを40mm以下に規定することで、炭化珪素基板10の反り、表面粗さおよび厚みばらつきがいずれも良化し、さらに基板形状も安定することが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の炭化珪素基板の製造方法は、反りが低減された炭化珪素基板を得ることが要求される炭化珪素基板の製造方法において、特に有利に適用され得る。
1 炭化珪素インゴット、2 坩堝、3 ワイヤーソー、10 炭化珪素基板、11 種基板、11a 表面、12 原料、13 炭化珪素層、30 治具、31 本体部、32 ワーク保持部、32a 保持面、32b ベース面、33 ローラ、34 ワイヤ、35 切削液供給部、U 上流側、D 下流側、H 最短距離、W1,W2 幅。

Claims (7)

  1. 炭化珪素インゴットを準備する工程と、
    前記炭化珪素インゴットを保持部材の保持面に設置する工程と、
    前記保持部材に設置された前記炭化珪素インゴットを800m/min以上の速度で走行するワイヤにより切断して炭化珪素基板を得る工程とを備え、
    前記炭化珪素基板を得る工程では、前記保持面と前記保持面に対向する前記保持部材のベース面との間における最短距離が40mm以下である、炭化珪素基板の製造方法。
  2. 前記炭化珪素インゴットの成長方向から見たときの幅であるインゴット幅が100mm以上である、請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  3. 前記ワイヤの表面には砥粒が固定されている、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  4. 前記最短距離が15mm以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  5. 前記炭化珪素基板の表面粗さは0.6μm未満である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  6. 前記保持部材において前記保持面から見たときの前記ワイヤによる切断方向に沿った方向における幅は、前記炭化珪素インゴットの成長方向から見たときの幅の1/2以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  7. 前記保持部材はカーボンからなる、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
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