JP2015127030A - 無機粉体用水系分散剤組成物 - Google Patents
無機粉体用水系分散剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015127030A JP2015127030A JP2013272957A JP2013272957A JP2015127030A JP 2015127030 A JP2015127030 A JP 2015127030A JP 2013272957 A JP2013272957 A JP 2013272957A JP 2013272957 A JP2013272957 A JP 2013272957A JP 2015127030 A JP2015127030 A JP 2015127030A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mol
- compound
- less
- aqueous
- naphthalene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の無機粉体用水系分散剤組成物は、分散剤と水系媒体とを含み、前記分散剤が、ナフタレンジスルホン酸の塩(化合物A)と、ナフタレンスルホン酸の塩(化合物B)と、ナフタレン環の水素のうちの1個がアルキル基及びアルケニル基のうちのいずれか一方の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸の塩(化合物C)と、ナフタレン環の水素のうちの2個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸の塩(化合物D)と、ナフタレン環の水素のうちの3個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸の塩(化合物E)とからなり、分散剤中の化合物Aの割合が、18.0モル%以上34.0モル%以下である。
【選択図】なし
Description
ナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Aと、
ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Bと、
ナフタレン環の水素のうちの1個がアルキル基及びアルケニル基のうちのいずれか一方の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Cと、
ナフタレン環の水素のうちの2個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Dと、
ナフタレン環の水素のうちの3個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Eと、からなり、
前記分散剤中の前記成分Aの割合が、18.0モル%以上34.0モル%以下である。
(化合物A) ナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「ナフタレンジスルホン酸塩」と略称する場合もある。)
(化合物B) ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「ナフタレンスルホン酸塩」と略称する場合もある。)
(化合物C) ナフタレン環の水素のうちの1個がアルキル基及びアルケニル基のうちのいずれか一方の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物
(化合物D) ナフタレン環の水素のうちの2個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物
(化合物E) ナフタレン環の水素のうちの3個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物
本発明の無機粉体用水系分散剤組成物は、分散剤として上記5種の化合物A〜Eを含む。無機粉体用水系分散剤組成物中に含まれる全分散剤の量を100モル%とした場合の、下記化合物Aの割合は、無機粉体の分散性の向上の観点から、18.0モル%以上34.0モル%以下である。
種を示し、Xはアルカリ金属、アンモニア、及び有機アミンから選ばれる少なくとも1種を示し、m及びnは置換基数であり、mは0〜3の整数、nは1又は2の整数である。尚、前記一般式(I)で表される化合物において、ナフタレン環のスルホン酸塩基及びRの
置換位置は、限定されない。
本発明の無機粉体用水系分散剤組成物は、水系媒体を含む。水系媒体としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。水系媒体が、水と溶媒との混合媒体である場合、当該混合媒体全体に対する水の割合は、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。
本発明の水系分散剤組成物の製造は、既知の方法で化合物A、化合物B、化合物C、化合物D及び化合物Eの純品を合成し、これらを混合して行っても良いし、化合物A、化合物B、化合物C、化合物D及び化合物Eからなる群から選ばれる2種以上の化合物を含む複数種の混合物同士を、化合物A〜Eの各々が所定の濃度になるように混合して行っても良いが、本発明の水系分散剤組成物は、生産性、経済性の観点から、ナフタレンのアルキル化及びスルホン酸化反応によって得られる生成物(組成物)であると好ましい。本発明の水系分散剤組成物の製造は、例えば、以下の方法で行うことができる。
本発明の無機粉体分散スラリーは、無機粉体と、本発明の水系分散剤組成物とを含む。
無機粉体としては、炭酸カルシウム粉体、アルミナ粉体、シリカ粉体、マグネシア粉体、ジルコニア粉体、セリア粉体、チタン酸バリウム粉体、炭化ケイ素粉体、窒化アルミニウム粉体等が挙げられるが、無機粉体の分散の容易性、また汎用性の観点から、炭酸カルシウム粉体、アルミナ粉体、シリカ粉体が好ましい。
S.BRUNAUER, P.H.EMMETT, E.TELLER, J.Am.Chem.Soc.1938, 60, pp.309-319
本発明の無機粉体分散スラリーは、無機粉体、及び水系分散剤組成物以外に、必要に応じて、水系媒体、粘性調整剤、その他の添加剤等の任意成分を含んでいてもよい。
ナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Aと、
ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Bと、
ナフタレン環の水素のうちの1個がアルキル基及びアルケニル基のうちのいずれか一方の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Cと、
ナフタレン環の水素のうちの2個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Dと、
ナフタレン環の水素のうちの3個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Eと、からなり、
前記分散剤中の前記成分Aの割合が、18.0モル%以上34.0モル%以下である、無機粉体用水系分散剤組成物。
<2> 前記化合物C、前記化合物D及び前記化合物Eの前記アルキル基の炭素数が、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、22以下が好ましく、18以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、8以下が更に更により好ましく、5以下が更により好ましく、
前記化合物C、前記化合物D及び前記化合物Eの前記アルケニル基の炭素数が、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、22以下が好ましく、18以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、8以下が更により好ましく、6以下が更により好ましい、前記<1>に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<3> 前記分散剤中の前記化合物Aの割合は、18.0モル%以上であり、20.0モル%以上が好ましく、22.0モル%以上がより好ましく、25.0モル%以上が更に好ましく、34.0モル%以下であり、30.0モル%以下が好ましく、28.0モル%以下がより好ましい、前記<2>に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<4> 前記分散剤中の前記化合物Bの割合は、5.0モル%以上が好ましく、5.5モル%以上がより好ましく、6.0モル%以上が更に好ましく、6.5モル%以上が更により好ましく、10.0モル%以下が好ましく、9.5モル%以下がより好ましく、9.0モル%以下が更に好ましく、7.5モル%以下が更により好ましい、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<5> 前記分散剤中の前記化合物Cの割合は、23.0モル%以上が好ましく、24.0モル%以上がより好ましく、25.0モル%以上が更に好ましく、27.0モル%以上が更に好ましく、30.0モル%以下が好ましく、29.0モル%以下がより好ましく、28.5モル%以下が更に好ましい、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<6> 前記分散剤中の前記成分Dの割合は、19.0モル%以上が好ましく、20.0モル%以上がより好ましく、22.0モル%以上が更に好ましく、23.0モル%以上が更により好ましく、27.0モル%以下が好ましく、26.0モル%以下がより好ましく、25.0モル%以下が更に好ましく、24.0モル%以下が更に好ましい、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<7> 前記分散剤中の前記化合物Eの割合は、10.0モル%以上が好ましく、12.0モル%以上がより好ましく、13.0モル%以上が更に好ましいく、14.0モル%以上が更により好ましく、21.0モル%以下が好ましく、20.0モル%以下がより好ましく、18.0モル%以下が更に好ましく、17.0モル%以下が更により好ましい、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<8> 前記化合物Aがナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Bがナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Cがブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Dがジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Eがトリブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩である、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<9>前記分散剤中のナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩の割合は、18.0モル%以上であり、20.0モル%以上が好ましく、22.0モル%以上がより好ましく、25.0モル%以上が更に好ましく、34.0モル%以下であり、30.0モル%以下が好ましく、28.0モル%以下がより好ましい、前記<8>に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<10> 前記分散剤中の前記ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩の割合は、5.0モル%以上が好ましく、5.5モル%以上がより好ましく、6.0モル%以上が更に好ましく、6.5モル%以上が更により好ましく、10.0モル%以下が好ましく、9.5モル%以下がより好ましく、9.0モル%以下が更に好ましく、7.5モル%以下が更により好ましい、前記<8>又は<9>に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<11> 前記分散剤中の前記ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩の割合は、23.0モル%以上が好ましく、24.0モル%以上がより好ましく、25.0モル%以上が更に好ましく、27.0モル%以上が更に好ましく、30.0モル%以下が好ましく、29.0モル%以下がより好ましく、28.5モル%以下が更に好ましい、前記<8>〜<10>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<12> 前記分散剤中の前記ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩の割合は、19.0モル%以上が好ましく、20.0モル%以上がより好ましく、22.0モル%以上が更に好ましく、23.0モル%以上が更により好ましく、27.0モル%以下が好ましく、26.0モル%以下がより好ましく、25.0モル%以下が更に好ましく、24.0モル%以下が更に好ましい、前記<8>〜<11>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<13> 前記分散剤中の前記トリブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩の割合は、10.0モル%以上が好ましく、12.0モル%以上がより好ましく、13.0モル%以上が更に好ましいく、14.0モル%以上が更により好ましく、21.0モル%以下が好ましく、20.0モル%以下がより好ましく、18.0モル%以下が更に好ましく、17.0モル%以下が更により好ましい、前記<8>〜<12>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<14>前記無機粉体用水系分散剤組成物中の分散剤の含有量(固形分の含有量)は、15.0質量%以上が好ましく、16.0質量%以上がより好ましく、17.0質量%が更に好ましく、25.0質量%以下が好ましく、24.0質量%以下がより好ましく、23.0質量%以下が更にこのましい、前記<1>〜<13>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
<15>前記<1>〜<14>いずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物を含有する無機粉体分散スラリー。
<16>前記無機粉体分散スラリーにおいて、前記無機粉体用水系分散剤組成物の含有量は、無機粉体100重量部に対し、固形分換算で、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましく、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下が更に好ましい、前記<15>に記載の無機粉体分散スラリー。
<17> 前記<1>〜<14>のいずれかに記載の無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法であって、
ナフタレン1モルに対して、アルキルアルコール及びアルケニルアルコールのうちの少なくとも1種のアルコールを1.00〜1.40モル、硫酸を1.17〜1.37モルの割合でこれらを反応させる工程を含む、無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法。
<18> 前記ナフタレンと、アルキルアルコール及びアルケニルアルコールのうちの少なくとも1種の前記アルコールと、前記硫酸とを反応させた後、当該反応により生成された化合物を、原料としたナフタレン1モルに対して塩基性化合物を1.12〜1.38モルの割合で用いて中和する工程を含む、前記<17>に記載の無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法。
実施例及び比較例における、各固形分の測定は以下の方法で行った。質量W3(g)のシャーレに試料1gを採り、前記試料を含んだシャーレ全体の質量を測定し、W1(g)とした。シャーレ全体を、熱風循環型乾燥機(いすゞ製作所製 Hot Air Rapid Drying Oven Soyokaze)で170℃2時間の条件で乾燥させ、さらにデシケータで30分放冷した後、前記試料の不揮発分を含んだシャーレ全体の質量を測定し、W2(g)とした。次式より得られた値を固形分とした。
固形分(質量%)=100−(W1−W2)/(W1−W3)×100
攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応容器に、n−ブタノール(三菱化学社製)88.8g及びナフタレン(JFEケミカル社製)128.0gを仕込み、窒素気流下でこれらを80℃に加熱した後、この温度を維持しながら、n−ブタノールとナフタレンの混合物に、98質量%硫酸(エア・ウォーター社製)126.5gを滴下ロートから4時間かけて滴下し、反応を行った。滴下終了後、80℃で4時間、熟成を行い、反応を完結させた。反応終了後、当該反応により生成された化合物を45℃に冷却し、これに、32質量%水酸化ナトリウム水溶液(南海化学社製)158.1gを1時間かけて滴下し、中和を行った。その後、イオン交換水を加えて、固形分濃度が20質量%の無機粉体用水系分散剤組成物を得た。無機粉体用水系分散剤組成物の20℃におけるpHは、7.1であった。
n−ブタノール、ナフタレン、98質量%硫酸、及び32質量%水酸化ナトリウム水溶液の使用量を代えたこと以外は、実施例1と同じ条件で、実施例2A〜5A、比較例1A〜4Aの無機粉体用水系分散剤組成物を製造した。n−ブタノール、ナフタレン、98質量%硫酸、及び32質量%水酸化ナトリウム水溶液の使用量は、表1に示した通りとした。実施例1Aと同様、イオン交換水を加えることによって、それぞれの固形分濃度が20質量%の無機粉体用水系分散剤組成物を得た。無機粉体用水系分散剤組成物の20℃におけるpHは、実施例2Aについては6.9、実施例3Aについては7.0、実施例4Aについては7.3、実施例5Aについては7.2、比較例1Aについては7.0、比較例2Aについては7.1、比較例3Aについては6.9、比較例4Aについては7.2であった。
分散剤として、シグマアルドリッチ社製のモノイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジノニルナフタレンジスルホン酸ナトリウム、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウムを、各々、イオン交換水とを混合して、固形分濃度(分散剤の濃度)が20質量%の無機粉体用水系分散剤組成物を得た。無機粉体用水系分散剤組成物の20℃におけるpHは、比較例5Aについては7.0、比較例6Aについては7.1、比較例7Aについては7.0、比較例8Aについては6.9であった。
実施例1A〜5A、比較例1A〜4Aの無機粉体用水系分散剤組成物に含まれるナフタレン環を有する化合物の組成(モル%)は、HPLC(ハイ・パフォーマンス・リキッドクロマトグラフィー)により、下記条件で測定した。
カラム:TSK ODS−80TM(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:PDA
測定波長:210〜800nm
溶離液:アセトニトリル/水=70/30体積%、ギ酸 1.18wt%含有
流速:0.3mL/min
注入量:25μL
50mLのスクリュー管内で、炭酸カルシウム粉体(タマパール−12、平均一次粒子径400nm、BET比表面積7m2/g、奥多摩工業社製)0.3gを、実施例1A〜5A、比較例1A〜8Aの無機粉体用水系分散剤組成物0.45gに添加した後、さらにイオン交換水を無機粉体用水系分散剤組成物に加えた。得られた混合液に対して、ヤマト科学(株)製の超音波洗浄器yamato1510を用いて、30分間、分散処理を行って、炭酸カルシウム粉体を1質量%含む、実施例1B〜5B,比較例1B〜8Bの無機粉体分散スラリーを得た。実施例1A〜5A、比較例1A〜8Aの無機粉体用水系分散剤組成物の使用量は、炭酸カルシウム粉体100質量部に対して、水系分散剤組成物が固形分換算で30質量部となるように調製した。実施例1B〜5B,比較例1B〜8Bの無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、いずれも、1.3〜4.7mPa・sの範囲内の値であった。
水系分散剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例1Bと同条件で、比較例9Bの無機粉体分散スラリーを作製した。比較例9Bの無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、1.5〜4.6mPa・sの範囲内の値であった。
50mLのスクリュー管内で、アルミナ粉体(AES−12、平均一次粒子径400nm、BET比表面積10m2/g、住友化学社製)0.3gを、実施例1Aの無機粉体用水系分散剤組成物0.45gに添加した後、さらにイオン交換水を無機粉体用水系分散剤組成物に加えた。得られた混合液に対して、ヤマト科学(株)製の超音波洗浄器yamato1510を用いて、30分間、分散処理を行って、アルミナ粉体を1質量%含む、実施例6Bの無機粉体分散スラリーを得た。実施例1Aの水系分散剤組成物の使用量は、アルミナ粉体100質量部に対して、水系分散剤組成物が固形分換算で30質量部となるように調製した。実施例6Bの無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、1.4〜4.5mPa・sの範囲内の値であった。
水系分散剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例6Bと同条件で、比較例10Bの無機粉体分散スラリーを作製した。比較例10Bの無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、1.3〜4.7mPa・sの範囲内の値であった。
50mLのスクリュー管内で、シリカ粉体(カープレックス80、平均一次粒子径100nm、BET比表面積250m2/g、エボニック社製)0.3gを、実施例1Aの無機粉体用水系分散剤組成物0.45gに添加した後、さらにイオン交換水を無機粉体用水系分散剤組成物に加えた。得られた混合液に対して、ヤマト科学(株)製の超音波洗浄器yamato1510を用いて、30分間、分散処理を行って、シリカ粉体を1質量%含む、実施例7Bの無機粉体分散スラリーを得た。実施例1Aの使用量は、シリカ粉体100質量部に対して、水系分散剤組成物が固形分換算で30質量部となるように調製した。実施例7Bの無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、1.4〜4.6mPa・sの範囲内の値であった。
水系分散剤組成物を添加しなかったこと以外は、実施例7Bと同条件で、比較例11Bの無機粉体分散スラリーを作製した。比較例11の無機粉体分散スラリー(25℃)の回転粘度計で測定した粘度は、1.3〜4.6mPa・sの範囲内の値であった。
3分間攪拌した実施例1B〜7B、比較例1B〜11Bの無機粉体分散スラリー28mLを30mLのメモリ付沈降試験管に移して25℃で静置し、経時で、粉体の沈降度合を高さ/mmで測定し、結果を表3に示した。高さが小さい程分散性は良好である。
Claims (10)
- 分散剤と水系媒体とを含み、
前記分散剤が、
ナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Aと、
ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Bと、
ナフタレン環の水素のうちの1個がアルキル基及びアルケニル基のうちのいずれか一方の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Cと、
ナフタレン環の水素のうちの2個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Dと、
ナフタレン環の水素のうちの3個がアルキル基及びアルケニル基のうちの少なくとも1種の置換基で置換されたナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物Eと、からなり、
前記分散剤中の前記ナフタレンジスルホン酸塩の割合が、18.0モル%以上34.0モル%以下である、無機粉体用水系分散剤組成物。 - 前記化合物C、前記化合物D及び前記化合物Eの前記アルキル基の炭素数が2以上22以下であり、
前記化合物C、前記化合物D及び前記化合物Eの前記アルケニル基の炭素数が3以上18以下である、請求項1に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。 - 前記分散剤中の化合物Bの割合が、5.0モル%以上10.0モル%以下である、請求項1又は2に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
- 前記分散剤中の化合物Cの割合が、23.0モル%以上30.0モル%以下である、請求項1〜3のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
- 前記分散剤中の化合物Dの割合が、19.0モル%以上27.0モル%以下である、請求項1〜4のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
- 前記分散剤中の化合物Eの割合が、10.0モル%以上21.0モル%以下である、請求項1〜5のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。
- 前記化合物Aがナフタレンジスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Bがナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Cがブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩であり、
前記化合物Dがジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩あり、
前記化合物Eがトリブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩ある、請求項1〜6のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物。 - 請求項1〜7のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物を含有する無機粉体分散スラリー。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載の無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法であって、
ナフタレン1モルに対して、アルキルアルコール及びアルケニルアルコールのうちの少なくとも1種のアルコールを1.00〜1.40モル、硫酸を1.17〜1.37モルの割合でこれらを反応させる工程を含む、無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法。 - 前記ナフタレンと、アルキルアルコール及びアルケニルアルコールのうちの少なくとも1種の前記アルコールと、前記硫酸とを反応させた後、当該反応により生成された化合物を、原料としたナフタレン1モルに対して塩基性化合物を1.12〜1.38モルの割合で用いて中和する工程を含む、請求項9に記載の無機粉体用水系分散剤組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013272957A JP6246586B2 (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 無機粉体用水系分散剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013272957A JP6246586B2 (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 無機粉体用水系分散剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015127030A true JP2015127030A (ja) | 2015-07-09 |
JP6246586B2 JP6246586B2 (ja) | 2017-12-13 |
Family
ID=53837293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013272957A Active JP6246586B2 (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 無機粉体用水系分散剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6246586B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114496344A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-05-13 | 宁波维柔电子科技有限公司 | 一种异质结(hit)太阳能电池用浆料 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7387749B2 (ja) | 2019-02-01 | 2023-11-28 | シーイーエー イノベーションズ コーポレイション | 電磁把持装置およびその動作方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01215888A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 高寿命高濃度石炭−水スラリ−用添加剤 |
JPH06509499A (ja) * | 1991-06-18 | 1994-10-27 | ヘンケル・コーポレイション | アルキルナフタリンスルホン酸塩界面活性剤の製造法 |
JP2007160299A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-06-28 | Air Products & Chemicals Inc | 分散剤としての2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸塩の使用 |
JP2008083605A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-10 | Az Electronic Materials Kk | 金属微粒子分散液からなるパターン形成用組成物およびパターン形成法 |
JP2010229355A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Kyocera Chemical Corp | 絶縁ワニス |
-
2013
- 2013-12-27 JP JP2013272957A patent/JP6246586B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01215888A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 高寿命高濃度石炭−水スラリ−用添加剤 |
JPH06509499A (ja) * | 1991-06-18 | 1994-10-27 | ヘンケル・コーポレイション | アルキルナフタリンスルホン酸塩界面活性剤の製造法 |
JP2007160299A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-06-28 | Air Products & Chemicals Inc | 分散剤としての2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸塩の使用 |
JP2008083605A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-10 | Az Electronic Materials Kk | 金属微粒子分散液からなるパターン形成用組成物およびパターン形成法 |
JP2010229355A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Kyocera Chemical Corp | 絶縁ワニス |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114496344A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-05-13 | 宁波维柔电子科技有限公司 | 一种异质结(hit)太阳能电池用浆料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6246586B2 (ja) | 2017-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2389417B1 (en) | Compositons comprising silane modified metal oxides | |
CN111132931B (zh) | 覆氢氧化铝的碳化硅颗粒粉体的制造方法、以及包含该粉体和分散介质的分散体的制造方法 | |
JP6246586B2 (ja) | 無機粉体用水系分散剤組成物 | |
JP7261570B2 (ja) | 中空シリカ粒子及びその製造方法 | |
KR102628262B1 (ko) | 니오브산 화합물 분산액 및 그 제조 방법 | |
JPWO2007069353A1 (ja) | 超微粒子硫酸バリウム、水性塗料組成物及び水性インキ組成物 | |
JP7303481B2 (ja) | アニリンブラック並びに該アニリンブラックを用いた樹脂組成物及び分散体 | |
TW201945286A (zh) | 碳酸鋇之製造方法 | |
RU2656053C2 (ru) | Жидкая диспергирующая композиция для гипса | |
WO2015015832A1 (ja) | フタロシアニン顔料組成物およびその製造方法、インキ | |
CN105752957A (zh) | 采用自牺牲模板法制备纳米级稀土磷酸盐荧光粉的方法 | |
CN109423096B (zh) | 一种水性多功能导电涂料及其制备方法 | |
JP6407850B2 (ja) | 白金粉末の製造方法 | |
CN115403064A (zh) | 一种氧化铈及其制备方法 | |
KR101183822B1 (ko) | 고체 산촉매를 이용한 니트로파라핀의 제조방법 | |
CN106915760B (zh) | 一种氧化铈的制备方法及其在sti抛光领域的应用 | |
JP5887773B2 (ja) | ダイヤモンド微粒子を含む分散体 | |
JP2021151938A (ja) | シリカ複合粒子及びその製造方法 | |
JP2005288294A (ja) | 電子材料用分散剤 | |
CN110746188A (zh) | 微波介质陶瓷组合物及其制备方法和应用、微波介质陶瓷及其制备方法和应用、微波器件 | |
JP7338093B2 (ja) | モリブデン酸溶液およびその製造方法、酸化モリブデン粉末およびその製造方法 | |
JP2007223881A (ja) | 結晶質ハフニアゾルおよびその製造方法 | |
JPH0812332A (ja) | 導電性粉末及びその製造方法並びに導電性分散液及び導電性塗料 | |
JP2005343778A (ja) | クラスターダイヤモンドの有機溶媒への分散方法 | |
Chen et al. | Novel functional materials with both electrorheological performance and luminescence property |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160907 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171026 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171115 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6246586 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |